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ヨー ロッパ協同組合法規則 に関す る覚書*

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(1)

ヨー ロッパ協同組合法規則 に関す る覚書*

多 木 誠 一郎

目 次

は じめに

1 SCE法規則 の成 立

(1)scEが必要 とされ る背景

( 2)

歴 史的経過

2 総説 (1)適 用規定 (2)scEの基本構 造 3 SCEの設 立 4 SCEの 目的 と事業

(1)目的

( 2)

事業

5

一 体性 の原則 (1)組 合 員 ‑顧 客 (2)例 外

6 資金調達 (1)概 説 (2)投 資証券 7 議 決権 の付 与

(1)原 則

( 2)

例 外

(3)非利 用 日的組 合員 結 び に代 えて

*本稿 は 、平成

7 7

年度科学研究費補助金 (「協 同組 合にお ける外部監査の研究 こ中 く研 究成果の‑一部 であるO

(2)

は じめに

「ヨー ロ ッパ 協 同組 合 法 に関す る2003

7

22

日付 理 事 会規則

( Ve r or dnung( EG) N r . 1 435/ 2003de sRa t esvom 22. J ul i2003 t i be r da sSt a t utde rEur opai s che nGenos s ens c haf t ( SCE) ) 」

(以 下 、

「 SC E

法規則 」 ない し 「ヨー ロ ッパ協 同組 合 法規則 」 とい う。) が

、20 03

7

月22日ヨー ロ ッパ連合理事 会 で承認 され成 立 した。 SCE法規 則 とともに ヨー ロ ッパ協 同組 合法 を構 成 す る理事会指令 (「労働者 参加 に関 して ヨー ロ ッパ協 同組 合法 を補完す る

2003

7月 22

日付理 事会指令

( Ri c ht l i ni e2003/ 72/ EG desRa t esvom 22. J ul i2003zur Er ganzungde sSt a t ut sde rEur op畠i s c he nGenos s e ns chaf thi ns i ch t l i ch derBe t ei l i gung de rAr bei t ne hmer )

」。 以 下 、

「 SCE

法指令 」 とい う。 ) も同時 に承認 され てい る。 これ に よ りヨー ロ ッパ連合 (EU) の域 内市場 で超 国家的 に活動 で きる ヨー ロ ッパ協 同組 合

( Soci e t a s Coope r a t i vaEur opa e a; SCE)

とい う新 た な法形式 が創設 され た。

同 じく超国家的法形式である ヨー ロッパ株式会社

( sE)について規

整す る ヨ‑ ロ ツパ株式会社 法規則 につ いては、わが国 で も詳 しく紹 介 ・検討がな され ているのに対 し(

、scE

法規則 については、 これ ま でほ とん ど触れ られ ていない(2)。そ こで本稿 ではSCE法規則 を取 り上 げる。 具体的には、わが協 同組合 関係者 の間で伝統的に関心の高い事 項 を紹介 しつつ、 ささやかな考察をす る。 なおSCE法規則の条文は各

( 1 )

笹川敏彦 「ヨーロッパ会社法にお ける設 立‑ 合併方式 による設立を中心に」関学 55巻2号 47頁 (平成

1 6年)、及 び同論 文 54頁注 ( 1

9)に掲げられ ている諸 文献√

(

2)SCE

法規則 を邦訳 ・解説す る もの と して、上 田贋美 「ヨー ロッパ協同会社法 (上) (F)‑‑ 規則

( Re g I e me n t

l435/2003/CE)‑‑ 」亜大 39

巻 2

号 167頁

・40 巻 1

251頁 (平成 17年)があ るO 同論 文では、SCE は 「協 同会社」 と訳 され てい るO

会 社」 とい う訳 語 に よ り、 もはや協 同組 合 ではな い とい うことを暗 に示唆 され てい る とも考 えられ 、興味深い。 なお ]992年段 階の規則案 につ いては、正井 ・後 掲 往(4)4Ⅰ9頁 ‑422頁、 )993年段階 の規則案 については、石塚秀雄 「ヨー ロッパ 協 同組 合法の成立 と問題 点」協同組 合奨励研 究報告

20輯

465頁 (平成 7年) で、

紹 介 ・解説 され てい る。

( 1 6 8)

(3)

同語版 で微妙な違 いがあるが、本稿 では ドイ ツ語版 の条文を用いる。

1 SCE

法規則 の成 立 (1)

scE

が必要とされる背景

世界的 にみ て経 済社会 で最 も大 きな地位 を 占めてい るのは、

株式会社 をは じめ とす る資本会社 である。しか しそれ以外で も、

種 々の団体が活動 してい る。 協同組合 は、その重要 な

1

つ と し て挙 げ る こ とが で きる。 と りわけ ヨー ロ ッパ では協 同組合 は、

共済組合 ・ア ソシエー シ ョン とともに、広 く市民権 を獲得 して いる 「社会的経済

( economi e soci al e)

」の主た る担 い手 である。

本 来 的 に は協 同組 合 は第 一義 的 に は人 的結 合 体 で あ り、構 成 員 同士 が顔 の見 え る組 織 で あ り、それ ほ ど大規模 に な る こ

とは予 定 され て い なか った。 しか し協 同組 合 も連 合組 織 とい った第

2

次 以 上 の組織 を形成 した り、合 併 をは じめ とす る組 織 再編 を通 じ、大規模 公 開 会 社 に匹敵 す るほ ど大規模 化 しう

る し、経 済 の ボー ダ レス化 と も相侯 って 実 際 にそ の よ うな協 同組 合 も少 なか らず存在 す る

。EU

域 内 も例 外 で はな く、国境 を越 えて域 内市場 (共 同市 場 ) で よ り自由に協 同組 合 を設 立 し、活動 す る必 要性 が 高 ま っていた。 す なわ ち経 済 的枠組 み は国境 を超 えて い るに もか か わ らず 、それ に対応 す べ き法 的 枠組 み は立 ち後れ て いた(3)。 確 か に

EU

加 盟 国 間では

、EU

理 事 会指 令 の 国 内法 化 あ るい はそれ 以 前 に、協 同組 合 に関す る共 通 の伝 統 に よって類似 の 法的 基盤 が あ り、 この よ うな必要性

( 3)

v

gl . Rel ne r Sc hul z e .1 . Ka pi t el Ei nf l l hr L mg: Di e Ve r or dnung 抽e r da s St a t u t der

EL ) r OPai s c he n Genos s ens c haf t (SCE) . i n. Rei ne r Sc hul z e (Hr s g ) , Eur opal S C he

Ge l 1 0S S e nS C ha 7 1( SCE) ‑Ha ndbu ch. Ba de n‑ Ba de n. 200 4, Kap1Rn.2.

(4)

に あ る程 度応 え る こ とはで きた。 しか し当然 の こ とな が ら加 盟 国 ご とに法規 整 の 内容 が 異 な る事項 もあ り、例 えば異 な る 加 盟 国 の法 に依 拠 して設 立 され た協 同組 合 か らな る企 業 グル ー プ を形 成 し、 国境 を超 えて活 動 す るた めの法 的 基盤 は不 十 分 で あ った。 そ こで超 国家 的法 形 式 で あ る ヨー ロ ッパ 協 同組 合 とい う法形式の創設 が、待 ち望 まれ るよ うになったのであ る。

EU

域 内で超 国家的 に活動す る団体のために

、S CE

法規則成 立 前既 に

2

種類 の法形式 が用意 され ていた。 1つは、 「ヨー ロ ッ パ経 済利 益団体 の創設 に関す る1

985

7

25

日付理事会規則 」 に よって創設 された ヨー ロ ッパ経済利 益団体 (EWIV)で ある(4)0 他 の

1

つ は、既 に触れ た 「ヨー ロ ッパ株式会社 法 に関す る

2001

1 0

8

目付理事会規則

(以下、

「 SE

法規則」 ない し 「ヨー

ロ ッパ株 式会社法規則 」 とい う。) に よって創設 され た ヨー ロ ッパ株 式会社

( sE)

で あ る。 3つ 目の法形式が

S CE

であ る。 前

2

者 の法形式 では、協 同組 合 が有す る特徴 を十分 に発揮 で きな いた め

、S CE

とい う法形 式 が新設 され た。 これ に よ り協 同組 合 に とっては、他 の法形式 と りわ け株 式会社 と同等の条件 で

EU

内にお いて競争 してい くた めの法的基盤 が整備 され た こ とに な

( S CE

法規則検討理 由

( 2 )‑( 6 )

も参照)0

( 2)

歴 史的経過

ヨー ロ ッパ 協 同組 合 とい う法 形 式 を創 設 しよ うとす る具 体 的な試 み は

、 1 970

年代 に遡 る。 ヨー ロ ッパ経済共 同体農 業 協同 組合制度一般 委員会

( COGECA)

、 ヨー ロ ッパ共 同体消費者 協

(4)ヨー ロ ッパ経 済利 益EEI体につ いては、正井章搾 『EC国際企業法‑ 超国家的企 業形態 と労働者参加制度‑‑ 』 (中央経 済社 、平成

6

年)

9

頁以 下に詳 しい。

( 1 7 0)

(5)

同組 合協会 (EURO‑COOP)、及び ヨー ロッパ仕入 協 同組 合連 合 (UGAL) の3協 同組合 団体 が、 ヨー ロッパ協 同組合 法試 案 1975年提案 したが、法案提 出権 を有 してい るヨー ロ ッパ委員 会 に よる法案作成 には至 らなか った。 その後時が流れ1990年 、 協 同組合諸 団体 に よって組織 され る ヨー ロ ッパ協 同組 合 協会協 同組合法調整委員会 (CCACC)は、上記1975年試 案 を もとに し て新 たに、 「ヨー ロ ッパ 協同組合 協会に よるヨー ロ ッパ 協 同組 合法試案」 を提案す る。 この1990年試案 に大幅 に依拠 し、 1992

3

6日ヨー ロ ッパ委員会 は 「ヨー ロッパ協 同組合 法 に関す

る理 事会規則案」 を ヨー ロ ッパ連合理事会 に提 出す る。 これ に 対 し1992

5

月経済社会委員会

( w i r t scha允S ‑und Sozi al aus s chul i )

に よる意見表 明 がな され(5)、そ こでな され た修正 提案 を委員会 は一部 取 り入れ、 1993

7

月規則案が修正 され た (規則 案修 正 版)0

ヨー ロ ッパ委員会 は当初協 同組合 のみ な らず、社 会的経 済の 主た る担 い手で あ る共済組 合 ・ア ソシエー シ ョンを含 めて社 会 的経 済企 業 と して

、 1

つ の法 で規整 しよ うとした。 しか し経 済 社会委員会 に よって表 明 され た意見 では、その よ うに規整 す る と各社会 的経 済企業 が他 の 同企業 に対 して有す るアイデ ンテ ィ テ ィを放棄 しなけれ ばな らな くな るとい う。 この意見 に従 い ヨ ー ロ ッパ 委員会 は、 3つ の法形式それ ぞれ に分 けて規則 案 を提 案 したが、その

1

つが上記理事会規則案である

(

6)O

( 5)scE

法規則 に経 済社会 委 員会 が大 きな影響 を与 えた点につ き、Re

gi meHa g e n ‑ Ec k, DJ eEur opa i s c heGe no s s e ns c h a R. Be r l i n, 1 995 . S 40‑ 43

参照。

(6)他の2つの法形式であるヨーロッパ共済組合 (ME)、ヨーロッパアソシエーション(EA) いう法形式を新設するための理 事会規則 (及び労働者参加に関する理事会指令)は未 だ成 立していない(

EU

にお ける社会的経 済企 業については、h

t t p: //e t 1 1 ℃pa. el l . l n t /

c omm/e l l t er P l ・ i s e /e n t l ・ e pI ・ e ne L l l , S h) p /c o op/i nd e x. ht

m参照)

(6)

1 990

年 代 半 ば まで に は ヨー ロ ッパ 協 同組 合 とい う法形 式 の 基本 的特 質 は明確 に な って いた に もかか わ らず 、 ヨー ロ ッパ 連合理 事会 でSCE法規則が承認 され るの に、なお約

1 0

年 もの読 月 が必要 に な った。 主 た る原 因 は、 ヨー ロ ッパ 株 式 会社 法 規 則 の審議 遅 延 で あ る。 同法 を巡 って は労働 者 の共 同決 定 につ い て、 と りわ け ドイ ツの反 対 に よ り意 見 の一 致 を得 られ な か った(7)。 共 同決 定は、‑

SCE

に 固有 の 問題 もあ る ものの‑

sE

にお い て も基本 的 には 同様 の扱 いで あ るた め、SEにお け る 意 見 の一致 を待 た な けれ ば な らなか った。2001年 にSE法規 則 の成 立後上記 (「は じめに」) の通 り、2003年 に ヨー ロ ッパ連 合理事会 でSCE法規則 (及びSCE法指令)が承認 され成 立 した。

2 総説 (1) 適用規定

scE

に対 して優先的 に適用 され るの は、SCE法規 則 であ る。

とはい うものの規則 の条文数 は僅 か8

0

条 に過 ぎず、scEに関す るあ らゆ る事項 を規則 に よって規整 す るこ とは予 定 され て い ない。 そ こでSCEには如何 な る規定が、如何 な る順 序 で適用 さ れ るのか が 問題 にな るが 、 この点 につ いて規 則 で明 定 され て い る

( SCE

法規則

8条 1

項 )。 この よ うな規整 の仕 方 は、SE の場合 と同 じで あ る

( SE

法規則

9条

1項 )0

scE

法 規則 に次 いで適用 され るのは、SCEの定款 であ る。 もっ と も規則 が明文 を もって授権す る場合 に限 られ る。 最 後 に、SCE法規則 が規整

(7)SE法規則の歴 史的経緯 については、野 田輝久 「ヨー ロッパ株 式会社 法の成立 と その評価‑ ドイ ツ法の視 点か ら

」青 山経営論集

37

4

2 41 ‑2

44頁 (15年)参照。.

(7)

して いな い領 域 につ い て 、 又 は部 分 的 に は規 則 が規 整 して い る領 域 で は あ るが 、そ の領域 の うち規 則 が規 整 して い な い事 項 につ いては、以下の順序 で適用 され る。 第一 に、特

にSCE

関す る共 同体 の措 置 を適 用 す るに際 し、加 盟 各 国 が制 定 した 法 規 定 で あ る。 規則 で示 され た基 準 に基 づ き、規 則 を補 充す べ く加 盟 各 国 が 定 め る法 規 定 が 、主 と して想 定 され て い る

第二 に、SCEの本店所在国の法 に よって設 立 され た協 同組合 に 適用 され る当該加盟 国の法規定であ る。 同協 同組 合 に関す る規 定を準用す る とい う意味である。 第三に、SCEの本店所在 国の法 によって設立 された協同組合 と同一条件で、SCEの定款であるo

この よ うにEU加盟各国がscE法規則 を補充す るた めに特 に制 定す る法や 、加 盟各 国の国内協同組合 法 が、scEの組 織設 計 で 大 きな役割 を果 たす。 そ うす る とSCEとい う同 じ法形 式 であ っ て も、本店所在 国が どこであるのか に よって組織設計 に小 さく ない差異が生 じることが予想 され るのは、SEにお いて指摘 され てい るの と同 じであ る(8)o その結果既 存 の国内協 同組 合 とSCE の どち らの法形 式が、協 同組合 の設立 を企画す る者 に とって魅 力的かを巡 って

、2

つの法形式の間で競争 が起 こるのみ な らず、

本店所在 国の異 なるSCE間で も同様 の競争が起 きるであろ う(9)O

( 2) SCE

の基本構造

scE

は法 人で あ り

( SCE

法規則 1

5

項) 、取 引の結 果 生 じ る権利 義務 はSCEに帰属 す るo SCEの名 称 には、SCEとい ')法 形式 を とる組織 で あ るこ とを明確 に表す た め、

「 SCE

」 とい う

(8)野 田 ・前掲 注(7)260頁参照O

(9) Vgl.Schulze,aaO,(Fn.3).Rap.lRn35‑37

(8)

付加語 が協 同組 合名 に付 され る (同 5条 4項)0

scE

は、資本 が持分 に分割 され た団体

( Ge s el l s c ha

ft) で あ る

( scE

法規則

1

2

1

文)。 協 同組合 では組 合員 の加 入 ・脱 退 に伴 って、持 分 の払 込 み な い し払 戻 しが生 じ、 これ に よ り 資本 が増減す るのが一般 的 であ る(10)

.scE

で も組 合員数 の増減 に伴 い 、 資本 は増減 す る (同項

2

文 )。 資本 が 人 に従 属 す る 同項 とい う意 味 で 、 「資本 に対 す る人 の優位 」原 則 (同規則 検討理 由(8))の表れ で あ る。

最低 資本金 はSEでは12万ユー ロで あ るの に対 し

( SE

法規則

4

2

項)、SCEでは

3

万ユー ロで あ る

( SCE

法規則

3

2

項)。

scE

は超 国家的 に活動す る ことが予 定 され 、規模 も小 さくない と考 え られ るが 、資本 の側 面 か らい えば相 対 的 に は大規模 で は ない。

組 合 員 の責任 は、払 込 済 出資金 額 に制 限 され るの が原 則 で あ るo もっ とも異 な る定 め を定款 に置 いた場 合 に は、 この 限 りで はない

( SCE

法規則

1

2

3

文)。 例 えば ドイ ツ協 同組 合 法や わ が 旧産 業組 合 法 に定 めの あ る無 限責任 ・保 証 責任 の 定 めを置 くことも可能 であ る (ド協

6

3

号、 旧産組

2

条)0 もっ とも有 限責任 でな い場 合 に は 、協 同組 合 に組 合 員 と して 参加 しよ うとす る者 は 実際 に は多 くは なか ろ う。 責任 組 織 の あ り方 は取 引 の相 手 方 に とって重 要 な事項 の た め、原 則 的 な 形 態 で あ る有 限 責任 の場 合 につ い て 、協 同組 合 の名 称 に 「有

( i O)

脱 退 に際 して出 資 に関 わ る持 分 が払 い戻 され るた め 、協同組 合 の 出資 は 資本 では な く、負債 に分類 され る とい う見解 が 、 国際 会 計 基 準審議 会 の 定 めた国際会 計基 (IAS)第 32号) で平成 15年 に示 され た。 もっ と も同基準 の解釈指針 作成委 員 会 (lFRlC) で は 協同組 合の 特 殊性 が認 め られ 、厳 格 な 条件 を充 たせ ば部 分的 に 資本 と して扱 われ る (内 田 多書 生 「協 同組 合 出 資 は 負債 か 資本 か」【農林中金 総 合研 究所]調 査 と情 報2t6号 22頁 (平成 17年 )参照 )a

(9)

限責任

( ni tbe s c h r a nk t e rHa f t u ng)

」 を示す語 を付加 しな けれ ばな らない 旨が明定 され ている

( SCE

法規則

1

2

4文)

0

3 SCE

の設 立

SCE

の設 立は 、既 存 の法人の再編 と原始 的 な設 立の大 き く

2

の方式 に 区分 で き る。 SEの設 立が 、合併 ・持株 会 社 ・子 会社 ・ 組 織 変更 とい ういずれ も再編 の方式 で設 立 され るの とは異 な る

( S E

法規則

2

1

‑ 4項)。 更 にSE

の設 立 当時者 になれ るの は既 存 の法人 のみ で あ るの に対 し、SCEでは原 始的 に設 立す る場合 に は 自然人 も設 立 当事者 にな る ことができる。

SCE

は超 国家 的 に活動す るが、超 国家性 とい う性 格 はSEと同様 、 設 立段 階で も貫 かれ てい る

( SCE

法規則

2

1

項)。 まず原 始的

に設 立す る場合 には、以 下の

3

つ の方式 が用意 され て い る。 第‑

に、少 な くとも 2加 盟国に住所 を有す る 5人以上の 自然 人 に よる 設 立 で あ る。 第 二 に、(∋自然人 、及 びe)(i)加盟 国 の法 に よって 設 立 され たEC条約

48

2

項 の意 味 での団体 、又 は (ii)公 法 ・私 法上 の法人、合 わせ て

5

人以 上に よる設 立で ある。設 立 当事者 が、

(自然人であれ ば)少 な くとも2加盟 国に住所 を有 し、又は (自 然人以外 で あれ ば)少 な くとも

2

加盟国の法 に服 す る場 合に限 る。

第 三 に、(∋加 盟 国の法 に よって設 立 され たEC条 約

48

2

項 の意 味 での団体 、又は(診公 法 ・私法上の法人に よる設 立 であ る。設 立

当事者 が、少 な くとも2加 盟同の法 に服す る場合 に限 るし 次 い で再編 に よってSCEを設 立す る場合 には、以 下の

2

つ の方 式が用意 され てい る。 第‑ に、加盟 国の法 に よって設 立 され 、本 店 (所在地)及 び経営管理 の 中心 (

Ha up t ve r waJ t ung)

を共 同体内

( EU

域 内) に有 す る協 同組 合 の合併 に よる設 立 で あ るQ 当事者

( 1 7 5 )

(10)

の うち少 な く と も

2

協 同組 合 が 、異 な る加 盟 国の法 に服 す る場 合 に限 る。 第 二 に、加盟 国の法 に よって設 立 され 、本 店 (所 在 地 ) 及 び経 営 管理 の 中心 を共 同体 内 に有 す る協 同組 合 の組 織 変 更 に よ る設 立である。他 の加盟 国の法 に服す る事業所又は従属組織

( Toc h‑

t er )

を、 当該 協 同組 合 が

2

年 以上 有 して い る場 合 に限 る。 再 編 方 式 が合 併 ・組織 変 更 に限 られ る点 で

、SE

の場 合 と異 な る。

4 SCE

の 目的 と事 業 (1) 目的

協 同組 合 の特 質 を示 す 最 も根 本 的 な もの 、す な わ ち協 同組 合 を他 の 団 体 か ら区別 す る特 質 は協 同組 合 の 目的

( zwec k)

で あ (lり。 組 合 員 の相 互扶 助 を 目的 にす る。 これ を団 体 法 的 思 考 方 法 に従 って 協 同組 合 と組 合 員 間 の 関係 に即 して い えば 、 協 同組 合 は組 合 員 に対 す る直接 ・最 大 の助 成

( F6r der ung)

を 目 的 とす る

。SCE

の 目的 も組 合 員 助成 に あ る。 具体 的 には組 合 員 ニ ー ズ の 充 足 、 及 び (又 は) 組 合 員 の経 済 活 動 及 び (又 は ) 社 会活動 の助成 と明定 され て い る

( SCE

法規則

1

3

1

文)0

伝 統 的 には 協 同組 合 が 助 成 す べ き活 動 は組 合 員 の経 済活 動 で あ り、わが協 同組 合諸 法 もこの立場 で あ る。 これ に対 し

SCE

で は助 成 の対 象 が拡 大 され 、 経 済 活 動 で は な く社 会 活 動 を助 成 す る こ とも許 され る

( SCE

法規 則

1

3

1

文)。 言 い換 え る と

sCE

は 、経 済的 目的 のみ な らず社 会的 目的 の 追 求 も可能 で あ る。 もっ と も国際協 同組 合 同盟 (lCA)の定 め る協 同組 合 の 定義 に見 られ る協 同組 合 の 目的 と比較す る と

、scE

の 目的 は狭

同組合経営研究誌 に じ

6 08

H

頁 (平成

1 6 年) O

(11)

。I CA

定義 に よる と協 同組合 の 目的 は 「経 済的 ・社会的 ・文 化的 な ニー ズ とね が い をか な え る こ と」 (12)で あ り、文 化 活 動 の助成 も含 まれ て い るか らで あ る。 いずれ にせ よ伝 統 的 な経 済的 目的 のみ な らず 、非 経 済的 目的 を も 目的 にす る こ とが で きる点 で

、S CE

I CA

定義 と軌 を一 にす る。 これ は、 ヨー ロ ッ パ で広 く市 民権 を得 て い る社 会 的経 済 の考 え方 を考慮 しよ う

とす る もの と位 置付 け られ る(■3)0

協 同組 合 本 質論 との 関係 で いえば 、 協 同組 合 の経 済 的 目的 を重視 す るわ が通説 で は な く、少 数説 と され る生 活原 点論 に 依拠す る と、協 同組 合 と して

S CE

を よ り説 明 しや す い(14)。 す な わ ち

s CE

を、経 済的弱者 が共通 の経 済的利 益 を追求す る ことを 目的 とす る経 済団体 とのみ捉 えれ ば

、s cE

を嬢小化す る理解 と い うこ とにな ろ う。経 済的 目的のみ を追求す る

S CE

が あ るのみ な らず 、経 済的 目的 とともに、 あ るいはそれ に代 わ って..1町 野教授 が 「倫理 的価 値 」 とい う名 称 を便 宜 的 に与 えてお られ る‑弓 巨市場的 な価値 で あ る人間の幸福 や福祉 を追求す る団体 と して

S CE

を捉 えることもで き よ う。

( 2)

事業

助成 目的 を達成 す るた めに、協 同組 合 は事業

( Gegens t a nd)

を行 う。 事 業 は助成 目的 を達 成 す るた めの手段 で あ る。 事 業 に関わ る取 引の 中心 は、組 合員 との取 引であ る

。S CE

では 「と

( 1 2 )

邦訳は、 日本協同組合学会訳編

『 21

世紀の協同組合原則

‑1CA

アイデ ンテ ィテ ィ声明 と宣言 』 (日本経済評論社、平成

1 2

年) による

o

( 1 3 )

v

gl . V ol k e rBe u t h i e n , Ge n o s s e n s c h a Rs g e s e t zni tUmwa n d l u n g s ‑U n dKa r t e l l r e c h t s o wl e S t a t u t d e rE u r o p 畠 i s c h e nGe n o s s e n s c h a l l , 1 4. Au f l , Mu n c h e n ̲ 2 0 0 4, S CE § 1Rn . 2

( 1 4)

通説 と少数説 については、荷見武敬 『協同組合学 ノー ト』 (家の光協会、平成

4

年) を参考に しなが ら議論す る、河野直践 『協同組合の時代‑ 近未来の選択‑‑ 』

(日本経済評論社、平成

6

年)

2 2 6‑2 48

頁参照O

(12)

りわ け()5

) 、scE

が行 い、 又 は委託 して い る活動 の範 囲内 にお け る財 ・サ ー ビス の提 供 、又 は 労 務 の提 供 に 関す る組 合 員 との 契約 締 結 を通 じて」助成 が行 われ る

( SCE

法規則

1

3

1

文 )0 これ に よ り‑ 業法 に よる規制 は別 に して‑ 購 買 ・販 売 ・信 用 ・共 済事業 を行 う

SCE

のみ な らず 、 わ が国 では固有 の法人格 が一般 的 には認 め られ て い ない労働 者 協 同組合 と して

SCE

を組 織 設 計 す る こ と も可能 で あ る. ヨー ロ ッパ で は フ ラ ン ス ・ス ペ イ ン ・イ タ リア等 で 、 労働 者 協 同組 合 に 固有 の 法 人 格 が 付 与 され てお り、 取 り立 て て 注 目す るほ どの こ とで は な い の か

も しれ ない。

助成 のた めの事 業遂行 は

SCE

自身 が必 ず しも行 う必 要 は ない。

EU

加 盟 各 国 の国 内協 同組 合 法 に よって設 立 され た 協 同組 合 や 他 の

SCE

に資本参加 し、 あ るい は

SCE

が子 会 社 を設 立 し、子会 社 に事 業 遂 行 させ る こ とを通 じて助 成 目的 を追 求 す る こ と も 明文 で許 容 され てい る

( SCE

法 規則

1

3

2

・3

文)0

5

一体性 の原 則 (1) 組 令員 ‑顧 客

協 同組 合 の 目的 は組 合 員 助成 に あ り、 目的 を達 成 す るた め に協 同組 合 は組 合 員 に対 して 事 業 を行 う。 組 合 員側 か ら見 れ ば、 協 同組 合 が 行 う事 業 の利 用 を通 じて 自 らの家 計 ・事 業 に 対 す る助 成 を受 け るの が 一般 的 で あ る。 そ うす る と① 組 合 員 は 、 同 時 に 協同組 合の顧 客 で あ り、反 対 に② 協同組 合 は組 合

( 1 5)

「と りわ け」組 合 員 との取引を通 じて助成 目的 が達成 され ることが予定 され てい るの であれ ば、経 済的 目的 に対 して社会的 目的 は副次的 と考 え られ てい るの であ

ろ う か ( VgLSc hu l z e . aaO ( Fn3)、 Ka p. 1Rn. 1 2) , ,

(13)

員 以 外 の者 に対 して事 業 を行 わ ない 、言 い換 え る と協 同組 合 の事 業 を利 用 しよ うとす る者 (顧 客) は、組 合 員 で な けれ ば な らない こ とに な る。 社 員 (組 合 員 ) ‑顧 客 の‑ 体性 とい わ れ る ところで ある。

SCE

では 上記(丑の意 味 では、一体性 は原則 と して要求 され て い る。 SCEの組 合員 は、SCEの顧 客 、被雇用者 、若 しくは供給 者 で もあ り、又は他 の方法 でSCEの事 業活動 に結 びつ き('6)が な けれ ばな らない

( SCE

法規則 検 討理 由(1

0

) ) 0

SCE

法規則 で は 顧 客 以外 に も被 雇 用 者 等 も明確 に掲 げ られ て い るが 、 これ は 労働者 協 同組 合 ほか種 々の タイプの協同組合 をSCEと して組織 設 計 で きるか らで あ ろ う。 上記② の意味で もSCEで は、一体性 は原 則 と して維 持 され て い る とい えない こ と もな い が 、下記

( 2)

の法的状 況 に鑑 み る と一体性 の原 則 は大幅 に緩 和 され て い る とい う方が 、 よ り適切 ではなか ろ うか。

( 2)

例外

一 体性 の原 則 に は例 外 が知 られ て い る。 広 く知 られ て い る の は上記② の例 外 で あ る。 協 同組 合 を利 用 しよ うとす る者 で も、必ず しも組合員 である必要 はない。 員外取引

( Ni cht mi t gHe‑

( 1 6)

原則 と して協同組合の行 う事業 と何 らかの結びつ きを有す ることが、 「組合員た る地位 を決定付 け る (正 当化す る)地位

( mi t gl i e ds c h aRs b e s l l mme nd ePos i t i on) 」

である

( Vg=1 a r r yWe s l e r ma nn, Be t r l e bs be z oge n eMl l gl l e ds c h ar tb e主Ge nos e ns c ha r t e n

,

1 n: Ku r tBa H e r s l e dUWoT r l g a n gHe f e r me hl ( Hr s g) , F e s t s c h r l t iF u rEms t Ge r S l e rz uT T l 6 5Ge b u r ( s t a g 5Ma r lJ 97 0、 Mi l n C h e n, ) 971 , S286‑ 28 7,de r s e l be , DI eUmwa ndl u n ge me rGe nos s e n s c ha R mt tb e s c h r a n k t e rHa f t u n g】 ne i n eAk t i e n g e s e l l s c h a l ti n: Go t zHu e c k / Re l n h a r d tRI C h a r di( Hr s g )

,

Ge d a c h t n l S S C h r l r HbrRo l rDl ' e t z】 mAu f t r a gd e rF r e u n d eu n dS c h u l e r , Mu n c h e n J97 3. S8 5 )

協同組合の行 う事業の顧客であることや 、同事業に被用者 と して従事す ることは、

結びつ きの代表的 な形態 である。

(14)

der ges ch

aft) の途が開かれ て い る. わが協 同組 合諸 法 では員外 取 引 を適 法 に行 うた めの要件 と して 、‑ 一概 には言 えないが

員外取 引を許容 す る旨を定款 に定 め るこ とに加 え、員外者 に対 して行 え る事業 の分 量制 限 が法 定 され て い る (水 協11 6項 、 中協 9条 の 2第 3項 、農 協1025項 。 なお 生 協12条 3 ‑ 5号)O これ に対 しSCEでは、定款 に異 な る定 めが ない限

り、組 合員 でない第三者 はSCEの活 動 を要求 した り、 SCEの活 動 に参加 す るこ とはで きない (SCE法規則14項 )。 定款 に 定 め さえすれ ば 、そ の他 には 何 らの制約 な く員 外 取 引が許 容 され てお り、わ が法 よ りか な り柔軟 で あ る。 そ うす る と出 資 を してSCEの組合員 に な るメ リッ トは 、 どこに求 めれ ば よいの で あろ うか とい う疑問 も生 じる。

上記① の例外 と して、協 同組合 の利 用 ない し‑ 労働者 協 同 組合 をは じめ とす る生産協 同組 合 では労務 の提供‑ を 目的 と しない者 も組 合 員 に なれ る場 合 が あ る。 わが 中小 企 業 等 協 同 組 合 法 に よる企 業組 合 で は 、労 務 の提 供 を 目的 と しな い特 定 組 合 員 が存在 す る (中協 8条 の 2) 。 専 ら投 資 目的 で組 合 員 に なる ことも可能 で あ る (723号)0 scEにつ い ては

scEの本店所在 国の法が認 めてい る場合 には、物 の利 用 又 は 生 産及びSCEに よるサー ビスの利 用 又は提供 が問題 にな らな い

( ni chti n Fr a gekommen)

者 を投資 (非利用) 日的組合員

( i n‑

ves t i er ende( ni ch tnut zende)Mi t gl i eder )

と して許 容す る旨を定 款 で定め るこ とが で きる」 (SCE法規則1413文)。 これ に よ り本 来 の利 用 日的組 合 員 に加 え、投 資 目的 の み で組 合 に 参加 す る組 合 員 とい う2つ の グル ー プか ら組 織 され る協 同組 合 と してSCEを組織す るこ とが可能 にな る。 ドイ ツで実務 上 発

(15)

展 して きた物 的 協 同組 合

( ka pi t a] i s t i s cheGe nos s ens cha

ft) の欧 州規模 で の発展 の途 が開 かれ た とい え よ う(.7)0

6

資金調 達 (1) 概 説

伝 統 的 に は協 同組 合 は経 済 的 弱者 の集 ま りであ り、組合 員 か ら十分 な資金 を調達す る こ とは期待 で きない。 資金調 達 の困難 さが 、協 同組合 が株 式 会社 に法 形 式 を変 更す る要 因の1つ で あ る と指摘 され て きた ところで あ る(18)。 この よ うな弱点 を克服 す べ く、SCEでは投 資 目的組合 員 を認 めてい る (上記

5( 2))。 更

に組合員 資格 を表章 しない投 資証券 の発行 が認 め られ てい る

( S cE

法規則64条)。 投 資 目的組 合 員 は組 合 員す なわ ちscEの構 成 員 であ るが 、投 資証券 の所 持 人 はSCEの構成員 で は な く、単 な る資金提供者 にす ぎない点 で異 な る。 投 資証券 の取得 に よって 組合員 た る地位 は与 え られ ないので あ る。 わが協 同組織金 融機 関にお け る優 先 出資者 とは (優 先 出資

3

条) 、資金提供 者 で あ るが組合 員 た る地位 を与 え られ て いない点 で共通す る。

( 2)

投 資証 券

組 合 員 た る地位 とは 関係 な い投 資 証 券 と して 、持 分 で は な い有価 証 券及 び組 合債 券 を定款 の定 めに よ り

SCE

は発行 で き る

( scE

法規則6

4

条 1項 )(19)。 投 資証 券 を引 き受 け る こ とが で き るの は 、組 合 員 及 び 外 部 の 第 三者 で あ る。 投 下 資本 の 回収 を

( I 7) VgLLot ha r Vol l mer . Di eka pi t a l i s t l s c heGenos s ens c ha 命, Be r l l n, 1 995, S. 6‑9.

(柑) Ma l li nLut her Joi ntSt oc kCor n pa ny, CO‑opeI ・ a t i v e, i n: Ebe r ha r dDul f eL( ed

.

)Jnt ema t i ona l Ha ndbookofCoop er a t i veOr ga ni z a t i ons, G6t t l ng en, 1 994, p. 511

.

(1 9) Vg柑 e ut hl e n, a. aOー( Fn. I 3), SCE § 64Rn.1‑

3

( 1 81 )

(16)

確 実 に す べ く、 証券 の償還 に つ い て定款 で 定 め る こ と も差 し 支 えな い。 投 資証 券 の発行 総 額 は 、定款 で 定 め た額 を超 え る こ とは で きな い (同 条

3

項 ) 。 これ に よ り組 合 員 が払 い込 ん だ 出資 金 に対 し、投 資証 券 に よ り調 達 され た他 人 資本 が 、最 高 どの よ うな割 合 を 占め うる のか を明 確 に で き る。 定款 に記 載 で き る発行総額 の上限 を

s CE

法規則 は定 めてお らず 、他 人 資 本 の額 が払 込 済 出資金 額 を上 回 る こ と も考 え られ る。 定 款 の 定 め 又 は発行 の 際 に定 め られ た条 件 で 、投 資証 券 の所 持 人 に 特 別 利 益 を付 与 す る こ とが で き る (同 条

2

項 ) 。 特 別利 益 と して例 えば、貸 分 に対す るよ りも高 い利 率

、S CE

との取 引 に際 しての有利 な条件設 定が考 え られ る。

投 資 証 券 は組 合 員 た る地位 と無 関係 で あ り、所持 人 は組 合 員 総 会 で投 票権 を有 しな いが 、組 合 員 総 会 に参加 す る こ とは 可能 で あ る

( S CE

法規則

5 8

2

項)。 発言権 と提 案権 は与 え ら れ る。 これ とは別 に定款 の定 め に よ り、投 資 証 券 の所 持 人 は 特別 会

読 ( So n d e r v e r s a mml un g)

を構 成 す る。 特 別 会議 は 、投 資 証 券 所 持 人 の権利 ・利 益 に 関 わ る組 合 員 総 会 の各 議 決 に先 立 って意 見表 明 で き る。 そ の 前提 と して特 別 会 議 は 、組 合 員 総 会 が 開催 され る前適 時 に、 総 会 決議 案 につ い て情 報提 供 を 受 け る必 要 が あ る。 特別 会議 で表 明 され た 意 見 は 、特別 会 議 の代 理 人 に よっ て組 合 員 総 会 に伝 達 され る。 伝 達 され た意 見 は組 合 員 総 会 に 対 して拘 束 力 を有 さず 、証 拠 目的 の た め に組 合 員総 会の議事録 に記載 され るにす ぎない (

6 4

4項)0

7

議 決権 の付 与 (1) 原 則

(17)

協 同組 合 は、 「資本 に対 す る人の優 位 」原 則 に依 拠 して い る。 そ の

1

つ の表れ が 民 主的 運 営 で あ り、議 決権付 与 に関 し ては

「1

組合員

1

議決権 」 が原則 であ る

( S CE

法規則検討理 由

(7)

・( 8 )

参照)0

S CE

にお いて も各組 合員 は、 1議決権 を有 す るの が原 則 で あ る (同

5 9

1

項 ) 。 す なわ ち議 決権 数 は 、持 分数 (出資額) 、組合員 た る地位 を有す る期間

、S CE

との取 引 規模等 に関わ りない。

( 2)

例外

1

組合 員

1

議決権原則 は

S CE

では大幅 に緩和 され 、例外 が広 く認 め られ て いる

( S CE

法規則

5 9

2

項)。 以下の

3

つ に分 け られ る(20)O 第‑ に、例外 の 中で最 も一般 的な もので あ る

。S CE

の本店所在 国が認 めてい る場合 に限 り、定款 の定めに よ り

S CE

は組 合 員 に複数議 決権

(M ehr sti mmr echt e)

を付 与で き る。 付 与基 準 は

S CE

の活動 に参加 してい る程度 であるが 、資本 参加 割 合 を基 準 にす る こ とは で きな い。 具体的 には① 組 合員 た る地 位 を有す る期 間、

( 診scE

の機 関又 は

S CE

事業 にお け る栄誉職 と しての協力、③

scE

との取 引規模 が 、基準 と して考 え られ る。

複数議決権 とい う例外的な議決権付与がな され る場合 で も、資 本参加割 合 に よる付与 とい う資本団体 の基準 によ らないの は、

資本 に対す る人の優位 」原則 を維 持 しよ うと してい るか らで あろ うO付 与され る複数議決権数 には、最高限度の定めがあ るo l組 合員 あた り5議決権 か 、あ るいは議決権総数の30%の いず

( 20) Vgl . El ) e AL f a nda

l

・ l /Bema r d Pl ot, 4. Ka pi t el : Dl e Ml t g J l ‑ ど( l s cha f t l ' l lde rSCE, i n: Sc hul z e (Hr ・ s g. ), t l . a. 0.(Fn. 3), Ra p, 4 Rn, 33‑35; BeL l t hl en, a, l l. O.(F] 11 3), SCE § 59 RJ l . 1‑

Rn. 75‑78.

( 1 8 3 )

(18)

れ か低 い方が限度 であ る(2り

。scE

の本店所在 国が認 めて い る場 (

合 に限 り、非利用 日的組合員 に も本 基準 に よ り複数議 決権 を付 与で きるが、議 決権総数 の25%を超 えるこ とはで きない (同59

3

項)。この よ うな形での複数議決権 を利用す るもの と して、

と りわけ第

2

次組織 が予定 され てい る。

第 二に、SCEが金融 ・保 険分野 で活動 す る場合 であ る。 最 も 一般 的 な例外 で あ る第 ‑ の例 外 の更 な る例外 と位 置 付 け る こ とも可能 であ る。 複数議 決権 付 与の基 準で あるSCEの活動‑ の 参加 の程度 につ いて、第一の場合 で許 容 され てい ないSCE‑ の 資本 参加 割 合 を基 準 にす る こ とも許 され る。 当該 分 野 では 、 事 業 遂行 に特 に多額 の 自己資本 が必 要 に な り、 それ ゆ え危 険 資本 た る 自己資本 ‑ の参加割 合 に よ り

、SCE

の活動 へ の参加 の 程度 を計 るこ とに も、合理性 が認 め られ るか らで あ ろ う。

第 三 に、SCEの組合員 の過 半数 が協 同組合 で あ る場合 で ある。

( 2

1)最 高 限度 の基 準 につ い て 、必 ず しも明確 で な い点 が あ る 旨指 摘 され て い る

( Be ut hl e n, aa. 0.( Fn1

3)

, S CE § 59Rn, 2

)o第‑に、最高限度 の基準 とされ る

1

組合員あた り

5

票 について、①各組合員に付与 され ている基本的な

1

票 とは別 に 追加的 に配分 され る議決権数が

5

票 (それ ゆえ

1

組合 員あた り全部 で

6

票) を超 えてはな らないのか、あるいは②基本的 な

1

票 を含 んで

5

票 を超 えてはな らない のかについて、明確 ではない。第二に、 も う

1

つの基準である

30%

基準について も、③付与 され る複数議決数が全体 と して、議決権総数の

3 0%

を超 えてはな らな いのか、あるいは④ 1組合員に付与 され る複数議決権数が議決権総数の

30%

を超 えてはな らないのかについて も明確ではないO この よ うに指摘 した上で

Be ut hi e n

は、第‑の点につ いては上記② の見解 に好意的 であ り (断言 していない)、第二 の点については上記(丑の見解 を とる.

第二の点で上記③ の見解 を とるに して も、第一の点 との関連 で不明確 な点が残 ってい る0第二の点でい う複数議決権数の意味が、第‑の点で上記① あるいは喧) の どち らの見解 を とるのかで異なって くる.。例 えば上記① の見解 を とる と、上記 (宣ノの意味す る ところは、③r基本的な 1票 とは別に追加的に付与 され る議決権数が 全体 と して、議決権総数の

30%

を超 えてはな らない とい う意味にな る。上記② の 考 え方 を とる と、上記③ の意味す る ところは、③一基本的な 1票 を含 んで複数議 決権 を付与 されている者の有す る議決権数が全体 と して、議決権総数の

30 %

を超 えてはな らない とい う意味にな る。

複数議決権の付与が例外的 に認 め られ 、最高限度の定めがあ る本文中の第二の 例外 においても、上記 と同 じ意味で必ず しも明確でない点が残 っている.)

(19)

第 二 の例外 と同様 、第 一 の例 外 の更 な る例 外 と位 置付 け る こ とも可能 であ る。複 数議 決権 付 与の基準 であ る

S CE

の活 動 ‑の 参加 の程度 につ いて、①第二 の例外 と同様

s cE

‑ の資本 参加割 合 のみ な らず 、② 組 合 員 で あ る各協 同組 合 の組 合 員 数 を基 準 にす るこ とも許 され る。

第 二の例 外 や 上記 ① の例外 の よ うに資本参加 割 合 に基 づ い て議 決権 を付 与 す る とい う考 え方 は、 わ が協 同組 合 諸 法 は知 らな い。 これ に対 し上記 ② の よ うに会 員 協 同組 合 の組 合 員 数 を基 準 にす る とい う考 え方 は 、 わが協 同組 合 諸 法 も知 る とこ ろで あ る。 第

2

次組 織 で あ る連合 会 で、会員 協 同組 合 の組 合 員数 を基 準 に した複 数議決権 の付 与が認 め られ て い る (水 協8

9

2

項 、生 協

1 7

条 1項 、農協

1 6

2

項)。 もっ とも、 わが法

で は追加 的 に与 え られ る議 決権 総数 につ い て上 限 の 定 め もあ りうるの に対 し (水協施

2

3条

1

項 、農協施

2

1

項)

、s cE

規則 では‑ 第一 ・第二の例外 と異 な り‑ 複数議決権 数 に関 す る制 限はない。

( 3)

非利 用 日的組 合員

非利 用 日的組 合員‑ の議決権付与(22)につ いて

SCE

は、本店所 在 国の法 に服 す る。 本店所在 国の法が議決権付 与 を認 めていれ ば、定款 の定 めに よって非利 用 日的組 合員 に議決権 を付 与 で き る。 具体的 に どの よ うな基準で議決権 を付与す るのかは、本 所在国の法が定 め る枠 内で定款 に よって定め られ る。 ただ し議 決権総数 の25%を超 えて非利 用 日的組合員 に、議 決権 を付 与 し

( 22)Vgl

.

BeL L t hi

e

n. a. a. 0. ( Fn. 1 3) , S CE i5 9Rn. 5; Sch

u

l z e, a. a, 0. ( FI T . 20 ) , Ra p. 5 Rn. 79.

(20)

てはな らない

( SCE

法規則59

3

項)。 非利 用 日的組 合員 グル ープに与 え られ る議決権数の最高限度 を定 める こ とに よ り、利 用 日的組合員 グループがSCEの支配権 を有 し続 け るこ とを保 障 す るためであ る。 具体的基準 と して、複数議決権 を非利用 日的 組合員 に与 える場合 に資本参加割合 に依拠 した り、 あ るいは最 高限度 をSCE法規則 よ り低 い割合 に設 定す る こ とも差 し支 えな い。

結 びに代 えて

ヨー ロ ッパ協 同組 合法規則 は伝 統的な協 同組合理論 に配慮 してい る ものの、‑ 超 国家的法形式 であ るが ゆえに生 じる特殊 な点 を除 いて も‑ わが協 同組合 には見受 け られ ない濃厚 な資本 会社的要 素 を内包 してい る。伝 統的 な (古風 な)協 同組 合理論 に依拠 してい る わが協 同組合研 究者 ・実務家 に よれ ば、 ヨー ロ ッパ協 同組合 は、 ヨ ー ロ ッパ協同組合 法規則 の枠内で認 め られ た組織設計 の あ り方如何 に よっては、もはや 「協同組合」ではない とい う批判 も考 え られ る。

濃厚 な資本会社的要素 を協同組 合法 が内包 してい るの は、 ヨー ロ ッパ では ヨー ロ ッパ協 同組合法規則 に限 られ ない。 例 えば ドイツで も、 と りわ け1

9

73年協 同組合 法改正以降 は、同 じ傾 向が見受 け られ る。 その背景 には資本会社 との俄 烈 な競争 があ る。 苦戦す る協同組 合 が資本会社 で発達 した制度 を積極的 に導入 しよ うと し、法 もそれ を後押 ししてい るの である(23)O わが国で も平成期 に行 われ た協同組 合 諸 法 の改正 は

、EU

加 盟各国 にお け るの と同 じ背 景 で‑ 程度 の

( 23)

資本会社的要素を協同組合法に加味すれば、協同組合が抱える問題 を必ず しも解決 できるわけではな く、それ どころかよ り深刻な問題 を引き起 こす可能性 も考えられ よ う

( VgLDa sRe c hlde re i ng e l r a g e n e nGe n os s e ns c ha f t : Ei nOb e r bt i ck, t 3 e r l i n, 200 2. Sl 3‑

1

4

J

7 l l 8 ) o

(21)

差 こそ あれ‑ 同様 の方 向 に あ る ともい え るO してみれ ばEU加 盟 各 国 に よる協 同組合 の捉 え方の現れ ともい える ヨー ロ ッパ協 同組 合 法規則 につ いて考察す るこ とに よ り、わが協同組合 諸法の今後 の方 向性 を考 え るに際 し、有益 な示唆 を得 ることがで き よ う(24)

本稿 は ヨー一口 ソバ 協同組 合法規則 の うち、わが協同組 合 関係 者 の 間で伝統的 に関心 の高い事項 の一部 を取 り上げた に過 ぎない。 今 後 は本稿 を もとに して、わが協 同組 合諸法 を比較 の視座 に置 きなが ら 本格 的 に考察 したいO

( 24)

伝統的な協同組合 とは異質であるヨー ロッパ協同組合の考察を通 じて、長年等閑 に伏 され てい る協同組合の法的意義 を問い直すための糸口を見つ けることもでき よ う。独 占禁止法 22条を手がか りに して協同組 合の法的意義が従来考 え られ て きた (上柳克郎 『協同組合法』 (有斐閣、昭和

35

年)

4頁注 ( 3))

O確かに同条各 号に掲げ られ てい る諸要件は、国際協同組合同盟が定めた当時の協同組合原則に 依拠 している。 しか しい うまで もな くこれ らの諸要件は、独 占禁止法の規制 目的 の観点か ら協同組合の意義 を捉 えてい るに過 ぎない。加 えて依拠 した協同組合原 則 も、その後今 日まで

2

度の改訂 を経 ているO この よ うな点 を考慮す ると独占禁 止法の規制 目的 とは関係 な く、協同組合法ない し企業法独 自の視点か ら協同組合 の法的意義 を再考す る必要があるのではなかろ うかU

参照

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