管 理 者 行 動 の 比 較
‑ L.A.
における日系企業の日本人管理者行動の調査を もとに ‑
高 橋 正 泰
目 次
Ⅰ は じめに
Ⅱ
問題 の所在 1.組織 と管理
2.
役割 コンフ リク ト,役割唆昧性,およびス トレス と組織 の諸変数 皿 研究方法
1.データの収集
2.
測定 と結果
Ⅳ
考察 と議論
Ⅴ 結 び
Ⅰ
はじめに
日本企業 による海外事業所の現地化 は,急激な円高 によって加速の度合を強 めてお り,産業の空洞化が 日本で は危倶 されている
.その一方で,企業 にとっ てみれば,将来 にわたって完全な現地企業 となるに して も,現段階 における海 外拠点の現地化 はさまざまな管理問題を引 き起 こしている。多 くの 日本人管理 者 は現地の従業員を管理 しなければな らず,組織の文化論 にみ られ るよ うに, そ こにおいて 日本 における部下 とは異質な部下 の行動 を経験す ることも少 な く ない
(e.g.加 護野 他,
1983)0
他方,組織の役割理論 によれば,管理者 は組織の中で多 くの役割を担 ってお り
(e.g.,Mintzberg,1973),部下か らの期待 を含 む役割 問の コンフ リク トや
〔93〕
94
商 学 討 究 第
46巻 第
1号
役割暖昧性 は管理者の行動にとって重要な問題であることが指摘 されている。
組織の役割 コンフリク トと役割暖昧性に関する研究については,多 くの研究成 果が報告 されているが,必ず しも一貫 した明確な関係が認め られているわけで
はない
(Fisher&Gitelson,1983)。 しか しなが ら,組織内に発生す るコン
フリク トは,確かに管理者の行動や成果 と少なか らぬ関係を もっており,組織 コンフリク トが適切 に処理 されない場合,組織のパフォーマ ンスが低下するL こ と
(Kahneta1.
,1964)は共通の認識 となっている。そ して,組織の文化 に 関す る研究が進展す るに連れ,組織内の管理者行動は少なか らず文化に影響 さ れることが認識 されてきている。
また, 組織内に発生す るス トレスは, 不安, 労働意欲の減退や疲労を助長 し, ス トレス状態に陥 った人間は, しば しば労働 パ フォーマ ンスの低下や欠勤など 仕事か ら逃避す る傾向を示す
(Beehr&
Newman,1978)。組織ス トレスは, 役割 コンフ リク トに関係 しているし,さらに管理者行動にも関与 していること
は確かなようである。役割 コンフリク トと役割唾昧性 はス トレスを引き起 こす ス トレッサ‑と考え られ,組織ス トレスは役割 コンフリク トと役割唆昧性の適 切な処理に依存 しているといえる。
以上の問題意識を基底 として,本研究調査 は組織における役割 コンフリク ト
と役割暖昧性を中心 として, ロサ ンゼルス ( 以下,
L A.)にある日系企業で,
その中で もアメリカ人を部下にもつ 日本人管理者を対象に管理者行動 と組織要
因,およびス トレスが役割 コンフ リク トと役割唆味性 にいかに関係 している
か,また管理者 としていかにコンフリク トを処理 しているか,そ して組織内で
発生す るコンフリク トをいかに捉えているかを調査研究 したものである。 日本
人管理者であって も,アメ リカにおいて管理す る部下が 日本人以外であった場
合,「そのコンフ リク トに関す る管理者行動 に相違がみ られるか」の問題を調
査研究す ることは,組織行動を理解す るために重要なことの一つであると考え
られる。そ こで,それ らの結果を先 に行 った高橋
(1991,1993)の研究結果 と
比較研究 しようとしたものである。
管理者行動 の比較
95Ⅱ 問題の所在 1.組織 と管理
日本企業が海外で事業を展開す る場合の海外事業所 は,その活動の程度 に よってさまざまな組織構造をもっている。一般 に,現地のローカル ・スタッフ を雇用 しなが ら, 日本での管理方式をそのまま用いる場合 と, 日常的な業務 と その管理 はその国の管理方式で,重要な意思決定 は日本本社 と日本人スタッフ が行 うという組織の二重構造による管理を採用す るケ‑スが多いようである。
組織形態か らみると,前者の場合では多 くは支店であり,後者では現地法人の 子会社の形態をとっていると思われる。 もちろん,企業のグローバル化が進展 すれば,すべてを現地法人 によって意思決定す ることにな るであろうけれ ど
も,現時点では日本企業の場合はそこまでは,いっていないようである
。L.A.
で事業展開 している日系企業をみると,以下のように組織を分類できる。
( 1 ) 日本におけると同 じように,支店 として 日本的管理を行 っている組織。
この場合,
L.A.で採用 しているローカル ・スタッフは, 日本か らの駐在員 とは別の雇用契約であり,彼 らの仕事 は日常業務であ り,昇進の機会や重要な 意思決定への参加はない。
(2)
海外法人 としてある程度の規模で企業活動を している組織
。 ∫この企業では,かなりの自主裁量権が与え られており,そ してローカル ・スタ ッフがかな りの重要 ポス トにつき,管理面で もアプ リ ' カ式の管理を中心 として 組織が運営される
。アメリカの従業員にも昇進の機会や意思決定‑の参加が開 かれている。 しか しなが ら,最重要な戦略的意思決定は日本の本社 と日本人管 理者が行 ってお り,意思決定構造は二重で, 日本人スタッフの業務は本社の意 向と現地業務およびスタッフとの調整であり,それが重要な役割 となっている
。( 3) アメ リカ企業の買収 もしくは合弁により,現地子会社 として事業を展開 し
ている組織。
2 番 目の組織形態 と似ているが, 日本人スタッフは トップの意思決定にほぼ
その業務が限定 されてお り,大部分の企業活動 はアメ リカ人 にまかされてい
96 商 学 討 究 第
46巻 第
1号
る。 この場合にも, 日本本社 との調整は重要な業務 となっている
。いずれに して も, 日本人スタッフの管理者は,本社の 日本式管理 と現実のア メ リカ式管理の間にあって,その役割を果た している。すなわち, 日本本社 と
L.A.の事業所 との調整が重要な役割 となっていて,その管理行動 には日本に おけるものとは違 ったものがあると考え られる
。2.
役割 コンフ リク ト,役割唆昧性,およびス トレスと組織の諸変数
組織 はさまざまに定義されるが,組織を 「 地位 とそれに関係する種々の役割 の システムである」 と考えることが出来 る。組織内の地位にある人は一連の役 割セ ッ トを もっていて,その地位 占有者 には多 くの役割期待が要求 されてい る。役割の概念は社会的概念であると共に心理的概念であり, したが って,そ こにおいて組織は客観的組織 として認識 され,また同時に組織は心理的組織 と して も認識 される。
1 )役割 コンフリク トおよび役割酸味性 と諸変数 ( 1) 役割 コンフリク トと役割暖昧性
役割 コンフ リク トおよび役割喫昧性 と組織行動の諸特性問の関係 について は,高橋
(1991)で使用 したの と同 じ概念を以下のよ うに設定 した。すなわ ち,役割 コンフリク トは管理者のパ フォーマ ンスに強い影響を もってお り,役 割 占有者が矛盾す る役割期待 に直面 した場合 に役割 コンフ リク トを生ず る
(Gross,Mason
, &
McEachern,1958)O
以上 の役割 コンフ リク ト1 )と役割唆昧性を,Roge
rs&Molnar(1976)の開発 したスケールを使用 して測定す る。
( 2) 諸変数
個人的特性 と組織的特性については組織の諸変数 として,組織メンバーの組
1)役割コンフリクトの測定には,野中 他
(1978:220)の邦訳を使用した。なお,本
調査では役割コンフリクトおよび役割蜜味性の測定にRoge
rs&
Molnar(1976)の逆スケールを用いた。
管理者行動 の比較 97 織行動 と役割 コンフリク トおよび役割唆昧性 との考察の関係か ら,次のように 設定 し,さらにス トレスとの関係を考察す ることにす る
。組織特性 としては組 織 コンテクス トを考え,個人特性,情緒特性,行動特性 として以下の要因を考 慮する
2)。1.
組織特性
組織特性 としては組織 コンテクス トを考え,以下の要因を考慮する。
①職務の多様性
得点が高いほど,職務遂行す る上での多様性が高い。
< ( 卦職務の自律性
得点が高いほど職務の自律性 ( 独立性 もしくは自由度)が大 きい
。③職顔か らのフィー ドバ ック
得点が高いほど,職務 自体か ら職務遂行および遂行結果か らの情報を得 ることができる
。④職務の完結性
得点が高いほど職務の全体性,統合性ない し完全性 ( 部分的あるいは断 片的ではない)が高い。
⑤職務の意義
得点が高いほど,職務が職場,会社あるいは社会 に対 し重要な意義を もっていると考え られる。
⑥参加
得点が高いほど参加の程度 は高い。
⑦公式化の程度
得点が高いほど公式化の程度 は高い。
2.
個人特性
( 丑ローカス ・オブ ・コン トロール (
ト EIJOCuSOfControl)3)このスケールは個人のパーソナ リティを
Internalsと
Externalsの傾
2)
これらの要因に関しての詳しいことは,高橋
(1991)を参照のこと。
3)
これに関しては
,Rotter(1966)を参照のこと。
98
商 学 討 究 第
46巻 第
1号
向に分類する。前者 は自己の行動を 自ら決定 しコン トロールすることがで きると信 じているタイプであり,達成動機が強 く,意欲的である。他方, 後者 は自己の行動を環境 ( 運,他人か らの影響など)か ら左右 され,支配
されると信 じているタイプであり,無力感が強い。
②職務遂行能力
得点が高いほど,職務遂行能力 は高い。
③年齢
3
. 情緒特性 ( 丑職務満足
職務満足については,仕事全般,仕事それ自体,職場の人間関係,職場 の環境,給与,昇進/考課を考える。得点が高いほど,職務満足は高い。
( 塾不安傾向
不安を感 じていればいるほど,得点が高い。
③緊張の必要性
緊張の必要性が高ければ,得点 も高い。
④職務関与
職務関与 とは, 自己の全体的イメージにおける職務の重要性を示 し,職 務遂行に積極的な気持ちを生む。得点が高いほど,職務関与は高い。
⑤組織 コ ミッ トメン ト
組織 コミッ トメン トは,組織関与 (自己の全体的イメージにおける組織 の重要性) ,組織への一体化 ( 組織の方針,目的など組織規範の受容度) , 組織忠誠心 ( 組織に対する愛情,所属願望をあ らわ し,組織の一員であり たいと思 う気持ち)か ら成 ってお り,得点が高いほど組織に対するコミッ
トメン トが高い。
4.
行動特性 ( 丑努力の強さ
得点が高いほど,努力 している。
② 自己評価
管理者行動の比較 得点が高いほど,自己能力の評価が高い。
99
2)
コンフリク トの解決
コンフリク トをどの様に認識 し,対処す るかは,管理者行動の中で も重要な 問題である。 これまでの研究か らコンフリク トの解決方法には,以下の
5つの 方法が認識 されている
4)。(1)
問題解決
コンフリク ト状態にある当事者たちが問塵点についてオープンに情報交換 し, 徹底的に検討 しあい,当事者すべてにとって最良の解決をはか る方法で, 対面解決,直視,「ウイ ン‑ウイ ン」式解決法,統合,協調 ともいわれる。
(2)
撤回
回避 とも言われる方法で, コンフリク トを避けるために問題や自己の利益 を一部撤回す る方法。
( 3) 強制
当事者の一方が権限的命令を発揮 して,自己の都合で一方的な解決をはか る方法。
( 4) 宥和
共通の利益が強調 され,対立を覆い隠 して しまう方法。
(5)
妥協
コンフリク トを解消す るのに用す、られる伝統的な解決方法で,当事者の妥 協をはかる方法。
3)
組織ス トレス
ス トレスという言葉は日常的に使用 されているものの,その学問的定義 もし くは概念については必ず しも明確ではない。ス トレスの概念は,心理学,生理
4)
一般にコンフリク トの解決方法 として多 くの研究は,問題解決 もしくは対面解決の
方法が最 も好ましいとしている。 この場合のコンフリク トは,おもに職務遂行上の意
見の対立などのコンフリク ト状況を中心的問題 とす る。
100
商 学 討 究 第
46巻 第 1号
学,医学などが物理学か ら導入 した概念であることは周知の事実であるが,組 織の理論で考え られるス トレスは,単なる神経的緊張状態ではな く,多 くの生 理的,心理的,そ して行動的要件 と関係 している。
ス トレスは,例えば
,「 人間の もつ技能 と能力 と職務の要求の ミスフイッ ト, 及 び職務環境 によ って提供 され る人 間の欲求 につ いて の ミスフイ ッ ト」
(French,Rogers
,&
Cobb,1974)とか 「 個人 に脅威を与え る職務環境の 諸特徴」(
Caplaneta1.
,1974)と定義 される. このようなス トレスは組織行 動のみな らず,多 くの関連諸科学において広範な意味を もっているが,特に組 織行動論や組織心理学の分野においては,ス トレスの定義か らス トレスと組織 の特性 と個人の特性 との関係が指摘されていると考え られる
(e.ど.,Beehr&Newman,1978;Cooper& Marsha
l l
,1976;French,1974;McGrath,
1976;Schuler,1980)。
ス トレスは,多 くの個人的および組織的特性 と関係 している
。そこで,本研 究では高橋
(1993)の研究を踏 まえて,関連す る個人特性 と組織特性を考慮して管理者が感 じるス トレスを,職務の摩昧性 と職務か らの圧九 悩み ( 職務 遂行能力 ・職務遂行意欲 ・家庭 との関係) ,不安 として設定 し,特 にス トレス
と役割 コンフリク トとの関連を考察す る。
このようなことか ら,以下のような仮説をたて,検証する。
本研究の第一の 目的である 「アメ リカ人部下を もっ海外駐在の 日本人管理者 は,その管理行動において役割 コンフリク ト,役割酸味性,そ してス トレスを どの様に感 じているか」について,仮説
1か ら仮説
5をたてる。
仮説 1 管理者 は強い役割 コンフリク トと役割唆昧性,およびス トレスを感 じている
。仮説
2役割 コンフリク ト,役割唆昧性,およびス トレスには,強い関係が ある。
仮説
3役割 コンフリク ト,役割暖味性,およびス トレスは,組織変数に影 響 される。
仮説
4コンフ リク トは管理にとって有効である。
管理者行動の比較
101仮説
5管理者はコンフリク ト処理 において,問題解決法を もっともよ く利
用する。
つぎに,第 2の目的である日本で 日本人部下を もつ管理者 とアメ リカでアメ リカ人の部下をもっ管理者の比較に関 しては,仮説
6をたてて,検証する。
仮説
6 L A.における管理者 は, 日本の管理者 と異 な った行動特性を示 す。
. I̲J ....I .∫ ..〜1 . .I. ⁚ . .‑・l ̲.‑I‑ ‑l l.,.ll ‑・・1‑ I‑・1I ‑
1‑・・〜 .‑ ・1・.・・ ・・・ ‑‑‑ ‑1 =⁚ ・・・・・‑・ /・‑ ⁚・‑ ‑‑・‑ ‑I I ・‑1・ ・・‑〜 ‑I‑‑ ‑1‑ ‑‑‑‑1 ‑‑ ,‑・・I ‑ ‑‑1‑I‑‑ ‑i ‑1一III 11 ■.・‑
Ⅲ
研究方法
1.データの収集
本研究は平成
6年
4月か ら同年
6月にかけて
L.A.にある日系企業
20社を対象 として収集 したデータを分析 した。
データの収集は質問票を各会社の窓口となって もらった人を通 して回答者に 配布 して もらい,回収は各会社で取 りまとめて調査者に返送 して もらう方法を 採用 した。回答者は合計で
80名 ( 回収率
68.4%),平均年齢 は
42歳であった。
2.測定と結果
( 1 ) 役割 コンフリク ト・役割酸味性 と組織行動の諸特性
役割 コンフリ' ク トの程度 は平均値が
33.07( スケールの中央値 は
33)であ り, 中には強いコンフ リク トに直面 している者 もいないわけではないよ うである が,総 じて調査対象者 はそれほど強いコンフリク トを感 じているわけではない ようである。なお, この役割 コンフリク トの測定の信頼性を示す クロンバ ッ‑
の α 係数 は
.568であった。
役割酸味性は
34.86(α‑.361)で,若干スケールの中央値を上回 っていた。
役割 コンフリク トと役割暖昧性 との相関係数 は,
rニ ー .13(p‑.27)で相関 は認め られない。
組織変数の中での特性をみると, ミドル ・マネジメン トの仕事‑の積極性が
み られるようである。組織 コンテクス ト変数の職務の意義,参加の程度,そ し
102
商 学 討 究 第
46巻 第
1号
表
1役割 コンフ リク トと関連諸変数の相 関係数
相 関 変 数
Jackson&Schuler(1985)d高橋
(1991) 本研究
(1)
組織 コンテクス ト
職務の多様性
‑.17†職務の自律性
.00職務か らのフィー ドバ ック
‑.25†参加
‑.37†公式化 の程度
‑.ll(2)
個人特性
ローカス・ オブ・ コントロール
.27†年齢
‑.06( 3) 情緒特性 職務満足
仕事全般 仕事 自体 仕事仲間
α給与 昇進
む不安 /緊張
Cコミットメン ト 関与
(4)
行動特性 自己評価
‑
㌔48I‑.49I
‑.42†
‑.31†
‑.38T .43
‑.36t
‑.26†
‑.03
ー
∴ 26** * ‑.02.03 .04
‑ .14 ‑.32**
‑ .25** * ‑.24*
.27** * .28*
.29*** .13
‑.07 ‑ .22
一 .30*** ‑.10
‑ .19** ‑.12
‑ .25*** ‑.18
‑ .20** ′.03
‑ .31*** ‑.18
.12 .16
‑ .18* ‑ .18
‑ .08 一.04
‑.16* ‑.19
a
本研究で は職場 の人間関係 の項 目が該 当o
b
本研究で は昇進 と考課の測定項 目が該 当。
C 本研究で は不安傾 向が該 当.
d
この相 関係数 は
"Truer"であ る.
T
信頼 区間
90%で
,0,00値 は含 まない。
・p<.05
・*p<.01
・**p<.001
て組織 コ ミッ トメ ン ト,努力の強 さはいずれ もスケールの中央値を上回 ってい
る。それ と関連があると考え られ るが,仕事での 自己の能力評価 は,かな り高
い値 を示 してい る
(5ポイ ン ト・スケールで平均
4.14). また,職務 の多様性
(7ポイ ン ト・スケールで平均
5.38,以下 同 じ),職務 の 自律性
(5.60),職務
か らq )フィー ドバ ック (
4.84),職務 の完結性
(4.76)もポイ ン トが高 く,担当
管理者行動 の比較
103する仕事は単調なものではな く,管理者の職務 は自己裁量権を もつまとまった
ものであるようである。 さらに,マネジメン トの傾向をみると,特徴的なこと は仕事 における緊張の強い必要性
(5ポイ ン ト・スケ‑ルで,平均
4.51)で あって,仕事を遂行す る際には高い緊張感が求め られる。
つぎに,役割 コンフリク トと組織行動に関す る諸特性の関係 ( 表 1および付 表 1)をみると,それほど高い相関ではないが,い くつかの組織変数に相関関 係がみ られる。その中で一番高い相関を示 したのは職務か らのフィー ドバ ック (rニー
.32,p<.01)であ り,以下 ス トレス ( r
‑・30,p<.05),公式化の 程度 ( r
‑.28,p
<.05),参 加 ( r
‑一・24,p
<・05),努 力 の 強 さ (r
‑ 一 ・24,p<.05)の順であって,職務満足,不安/緊張などの情緒特性には相 関関係が兄いだせなか った。さらに,役割 コンフリク トを従属変数 として組織 変数,役割唆昧性,およびス トレスとの関係をステ ップワイズ回帰分析 して, 有意水準
.05でモデル
(R2‑.27)を見 ると,職務か らのフィー ドバ ック ( 標 準偏回帰係数 は. ‑
37,p<.01 ),公式化 の程度 ( 標準偏回帰係数 は
.26,
p<.05
) ,職務の完結性 ( 標準偏回帰係数 は
.24,p<.05),参加 ( 標準偏回帰係 数 は‑
.24,p<.05)であった。
役割暖昧性 と組織行動特性 との関係 ( 表
2および付表
1)は,役割 コンフリ ク トよりも明確で多 くの変数に相関関係がみ られた。職務か らのフィー ドバ ッ クと職務遂行能力が ともに r
‑.42(p<.001 ) と一番高 い相関が あ り, コ ミットメン ト (r
‑.38,p
<.001 ),職務の意義 (r
‑.38,p
<.001),職務の 多様性 (r‑
.37,p
<.001 ),仕事 自体 ( r
‑.37,p
<.001 ),職務の完結性 (
r
‑.35,p<.01 ), 自己評価 ( r
‑・34,p<・01 ),仕事全般 ( r
‑.34,p<.01)5)
, 参加 ( r
‑.31,p<.001) , 年齢 (r
‑.30,p<.01)に相関がみ られた。
これ らの関係 は,いずれも正の相関関係を示 している。また,役割暖昧性を従 属変数 として組織変数,役割 コンフリク ト,およびス トレスとの関係をステ ッ プワイズ回帰分析 して,有意水準
.05でモデル
(R2‑.38)を見 ると,職務の
5)
仕事全般の満足の信頼度係数は
, α‑.69である。
104
商 学 討 究 第
46巻 第
1号
多様性 ( 標準偏回帰係数 は.
52,p<.001 ), 自己評価 ( 標準偏回帰係数 は.29 , p
<・05),参加 ( 標準偏回帰係数 は.
27,p
く.05)であ った。表
2役割 唆昧性 との関連諸変数の相関係数
相 関 変 数
Jackson&Schuler(1985)d本 研 究 ( 1 ) 組織 コンテクス ト
職務の多様性 職務の自律性
職務か らのフィー ドバ ック 参加
公式化の程度
‑.ll
‑.39サ
ー.41I
‑.55I
‑.49T
( 2) 個人特性
ローカス ・オブ ・コン トロール
.28年齢
(3
情 緒特性
職務満足 仕事全般 仕事 自体 仕事仲 間
α給与 昇進
b不安 /緊張
Cコミッ トメント 関与
( 4) 行動特性 自己評価
‑.23I
‑.46T
‑.52T
‑.
37I‑.26千
‑.401
‑.
47T‑.41T
‑.44I
‑.371
.37… * .06 .42* * * .31* * *
‑.24*
一.16 .30**
α 本研究で は職場 の人間関係 の項 目が該 当。
b
本研究で は昇進 と考課 の測定項 目が該 当.
C 本研究で は不安傾 向が該 当。
d
この相関係数 は"Truer ' ' であ る.
I信頼 区間
90%で
,0.00値 は含 まない。
*
p<.05・*p<、01
・*・p<.
001
( 2) コンフ リク トの認識 とコンフ リク ト解決
組織 内に発生す るコンフ リク トに関す る認識 の度合をみ ると,組織管理 にお
けるコンフ リク トの有効性 と必要性の平均値 はいずれ も中央値
(5ポイ ン ト・
管理者行動の比較
表
3コ ンフ リク トの有効 性 と必要 性
105
項 目 高 橋
(1991)本 研 究
N 平均値 標準偏差 N 平均値 標準偏差 コンフ リク トの有効性
184 3.492 .952 79 3.608 854コンフ リク トの必要性
184 3.413 .960 79 3.165 1.080スケ ール) を上 回 って いて ( 表
3) , コ ンフ リク ト ・マネ ジメ ン トの考 え方 と 一致す る認識で あ る
(Robbins,1974;高橋
,1988;Thom as,1976)O コ ン フ リク トの有効性 ( 平均値
‑3.608,5ポイ ン ト・スケール) の評価 か ら, コ ン フ リク トは管理 において重要 な要 因で あ ることがわか る。
回答 のあ った解 決方 法 の うち, どれ くらいその方 法 を使 用 す るか につ いて は,管理者 と しての立場 か ら部下 との間で は,問題解決 と妥協 が多 く用い られ
表
4部下 との コ ンフ リク トの解 決方 法
解決方法 高 橋
(1991)本 研 究
N 平均値 標準偏差 N 平均値 標準偏差 問 題 解 決
妥 協
強
制宥 和
回 避
146 3.027 131 3.084 124 2.580 91 2.418 76 1.315
1.101 72 3.306 1.043 .945 74 3.084 .935 .955 66 2.303
′
.744 1.012 52 2.327 1.061 .716 47 1.340 .479表
5部 下 同士 の コ ンフ リク トの解 決方 法
解決方法 高 橋
(1991)本 研 究
N 平均値 標準偏差 N 平均値 標準偏差 問 題 解 戻
134 3.060妥
協
強
制宥 和
回 避
134 3.142 120 2.542 87 2.391 73 1.411
1.024 68 1.005 64 .986 63 1.135 46 .89 41
3.279 .960 3.344 .895 2.302 .873 2.152 1.010 1.293 .512
106
商 学 討 究 第
46巻 第
1号
てお り,ついで強制の順である。ただ し,強制についてみると,使用する解決 方法 としては問題解決及び妥協 と比べ るとやや使用頻度は少ない。他方,部下 間のコンフリク トでは,問題解決,妥協,および強制が同程度で多いという結 果であった。また,どち らの場合で も, 回避の方法を使用する管理者 は少な く,
この方法の評価 は一致 していると思われる。
つ ぎに, これ らの解決方法が,管理者によって認識 されているのかについて は,Lawre
nce&Lorsch (1967)で使 った格言 による因子分析の結果をみると,本研究調査で は
5つの因子 に識別を試みたが,その内容 は
Lawrence&
Lorsch (1967 ) とかな り異なっていた。 したが って,コンフリク ト解決の 方法 については
Lawrence&
Lorsch (1967)との関連で十分 に特定で きな か っ
た 。ス トレス
6)の平均値 は
28.99(α‑.46)でスケールの中央値を若干下回っている程度で,職場ではそれほどス トレスは感 じていないようである。ス トレス の原因である個 々のス トレッサ一別 にみてみると( 表
6) , 職務の唆昧性によっ てス トレスを感 じる程度 は
3.62であり,以下職務責任か らの圧力によるス トレ スが2.
51 ,そ し
で悩みをス トレッサ‑す るものとして職務遂行能力欠如3.
10, 職務遂行意欲減退3.
82, 仕事を とるか家庭を とるかによる悩みは
2.33であった。
ちなみに,家庭での悩みによって仕事に影響が出るかについては
,2.45であま り影響がないとしている。さらに,仕事上の不安傾向は
6.23( 仕事の不安 と仕 事による緊張か らくるス トレスを集計)
7)であった。
表
6をみると,管理者 は職務処理能力 ( 平均で4.
14であり,非常に自己の職 務遂行能力 に自信を もっていて,職務遂行能力 と自己評価の
r‑.53,
p<.001
に もあ らわれているようである)があると自負 してお り,その点か ら多 く のス トレスを感 じることはな く,また家庭 と仕事 は明確に区別 されており,家
6)ス トレスは表6
の
1,2,6,7,8,9,10,ll,12を集計 した。なお,高橋
(1993:236)の注7
)での表
1は付表
2の間違いであるので,ここで訂正したい。
7)
高橋
(1993:248)で
13の質問事項が欠落していた
。13の質問は 「 あなたの仕事は
あなたを緊張させ,神経をピリピリさせることがある。」である。
管理者行動の比較
表
6ス トレス関係変数の平均 と標準偏差
107
変
数 高 橋
(1993)本研究
α平 均 標準偏差 平 均 標準偏差 1.職務の暖昧性によるス トレス
2.
職務責任による圧力
3.
ス トレスによる仕事‑の影響
4.職務の処理能力
5.
職務遂行する上での緊張の必要 性
6.
職務遂行能力の欠如
7.職務遂行能力減退
8.家族の理解
89.
仕事の優先度
10.
仕事をとるか家庭をとるかの悩 み
l l .家庭の悩みによる仕事への影響
12.不安傾 向
3.89 0.89 3.62 1.07 2.70 1.20 2.51 1.10 3.35 1.07 3.19 1.07 4.02 0.88 4.14 0.72 4.48 0.63 4.51 0.60 520579513213232 74nUO64911000111 025831880333132 147001980010011
2.61 1.02 2.45 0
.
95 6.39 1.66 6.23 1.61α1. 2.
は
N‑79, 7.は
N‑78、 他 は
N‑80で あ る。
b
家族 の理解 につ いて は逆 スケールであ り,得点が低 いほど理解度 は高 い。
庭 よ りも仕事を特 に優先 させてはいないよ うであ る ( 家庭 を犠牲 にす る程度 は,平均が
3.08でスケールの中央値である) 。 しか し,それは仕事 に対す る家 族の理解の程度か ら解釈すれば,かな り自分では家族が 自分の仕事を理解 して くれていると思 っていることに起因 しているよ うである ( 仕事 についての家族 の理解度 については, 平均が
1.85でかな り理解 して くれていると感 じている)0
役割 コンフリク トとス トレスの相関係数 は
・30 (P<.05)で若干の相関関
係がみ られ るよ うであ る.他方,役割暖昧性 との関係 で は, r‑
‑.23 (p<.05)
で負の関係がみ られ,興味深い結果であるといえよう
。ス トレス と組織変数 との関係 をみてみ ると( 付表
1) , 仕事全般
(rニー.38,
p
<.001) ,仕事 自体 (r ニ
ー.30,p く
.01),および職場の人間関係 (r ニー
36,p<.01)とい った職務満足要因 と自己評価 ( r
ニ ー.32,p<.01)に有意
108
商 学 討 究 第
46巻 第
1号
な相関が認め られ る
8)。また,ス トレスを従属変数 として組織変数,役割 コ ンフ リク ト,および役割暖味性 との因果関係をステ ップワイズ回帰分析す る と,有意水準
.05のモデル
(R2‑.28)で, 自己評価 ( 標準偏回帰係数 は
‑.46 ,p<.01),仕事全般の満足 ( 標準偏回帰係数 は‑
.39,p<.01),職務遂行能 力 ( 標準偏回帰係数 は
.35,.
p<.05)であった。 しか し,職務遂行能力につい ては,相関分析では有意な関係がみ られなか った。
組織変数 間の関係 をみてみ ると ( 付表
1) ,仕事 自体 と職場 の人 間関係 (r
‑.70,p
<.001),そ しそ組織 コミッ トメン ト (r
‑55,p
<.001)および 努力の強 さ (r
‑.52,p<.001)で,職務遂行能力 と努力の強 さ (r
‑.53, p
<・001)およ̲ び自己評価 ( r
‑・53,p
<・001 ),また昇進/考課 と組織 コミッ
トメ ン ト ( r
‑.53,p<.001) ,年齢 と職務関与 ( r
‑.52,p<.001 ) ,そ して 職務の多様性 と仕事 自体 ( r
‑.51,p
<.001 )には,かな りの相関関係がみ ら れる。公式化の程度 は,職務の多様性,年齢,および職務満足関係に負の関係 がみ られ,またローカス ・オ ブ ・コン トロールは, 職務の意義, 職務遂行能力, 年齢,職務関与,努力の強さ、 , 自己評価に負の相関があった。
職務の多様性,職務の自律性,職務か らのフィー ドバ ック,職務の意義,参 加,職務遂行能力,年齢,職務関与,組織 コミッ トメン ト,および努力の強さ といった変数が他の変数 と多 くの相関関係を示 している。 これ らの関係をみる と,全体 としては職務関係 と評価関係,および努力 とコ ミッ トメン トには明 ら かに関係が認め られている。また,年齢が多 くの変数 と有意な関係を示 したこ とは興味のあるところである。反対 に,給与,不安傾向,および緊張の必要性 には,若干の変数を除けば他の変数 との関係 は多 くは認め られない。
8)
付表
1の ス トレス と不安傾 向には r
‑.57,p<.001と高 い相 関係数が示 されて い
るけれ ども, これ はス トレス尺度 の中に不安傾 向 も含 まれているか らであ ると考 え
られ る。それ故. ここでは除外 した。
管理者行動の比較
109Ⅳ
考察 と議論
役割 コンフリク ト,役割酸味性,およびス トレスについては,管理者 は役割 コンフリク トに比べると強い役割暖味性を感 じてお り,それは組織での地位が 高 くなるほど,より役割唆昧性を経験す る
(Hammer&
Tosi,1974;Kahn eta1.
,1964)とい う傾向に一致 しているけれども,いずれ も強 く感 じてはい ないという結果であるので,仮説
1は支持 されない。また,役割 コンフ リク ト
図 1 役割 コンフ リク ト,役割唆昧性,およびス トレス各変数の関係 ( 数字は相関関係)
‑.49***
*p<.05
**p<.01 'H p<.001
110
」
商 学 討 究 第
46巻 第
1号
とス トレスを感 じる程度 については,高橋
(1991,1993)9)と同 じような結果 であるので仮説
6は支持 されない。
役割 コンフリク ト,役割暖昧性,およびス トレスと組織変数 との主要な関係 を表わ した ものが,図 1である。役割 コンフリク トと役割唆味性には先にみた よ うに関係 が み いだせず,他方役割 コ ンフ リク トとス トレス には r
‑.30(p<.05)の正相関があ り;そ して役割唆昧性 とス トレスの関係では
r
ニ ー23
,
p<.05と若干ではあるが負の関係がみ られる。そ して特徴的であるのは, ス トレスと役割暖昧性にマイナスの関係が示されたことである。役割 コンフリ ク トと役割唆昧性 は,通常欠勤,低い満足,低い職務関与 といったネガティブ な側面 と関連 しているとされる ( Sc
huler,Aldag,&
Brief,1977)那,今回 の研究では,役割唆昧性は職務関与 に r
三 .28(p<.01 ) という関係を示 し, また組織 コ ミッ トメン トと職務の意義 にはともに r
‑.38(p<.001 ) と正の 関係を示 している。 この関係については,ー 確定的ではないが 日本人の もってい るとされる暖昧性の受容能力 と関係 しているようである。集団内の役割暖昧さ を理解 しなが ら管理活動を展開 してい くといった管理行動を もつ 日本人管理者 にとって,役割曖昧性 はス トレス要因 とはな らないと解釈できるのか もしれな
い。
しか しなが ら,役割 コンフリク ト,役割暖味性,およびス トレスには,いず れ も強い関係を示 していないことか ら,仮説
2を十分に支持することはかなり 困難である
。また,ス トレスを従属変数,役割 コンフリク トと役割酸味性を説 明変数 として重回帰分析を してみると
,AjustedR2は
.014,そ して役割 コンフ リク トと役割暖昧性の標準偏回帰係数 は
.16(p‑.187)と
‑.ll(p‑.339)であり, このモデルか らみて も仮説
2は支持されない。
役割 コンフ リク トと組織変数 との関係をみると,職務か らのフィー ドバ ッ ク,参加,そ して努力の強さに負の関係がみ られるものの,他の組織変数 との 関係 は公式化の程度 を除いて十分認め られない。 したが って,重回帰分析の結
9)
高橋
(1991,1993)においては,役割唆昧性について調査していない。
管理者行動 の比較
111巣か らして も役割 コンフリク トと組織変数の関係において仮説
3は部分的では
あるが支持 され る。つ ぎに,高橋
(1991 ) と比較 して特 に公式化の程度 との 関係をみると,同様の関係がみ られて,やはり
Jackson&Schuler (1985)の結果 とは異なっている ( 表 1) 。 さらに,役割 コンフ リク トと職務満足を含 む情緒特性をみると,高橋
(1991)と
Jackson&
Schuler(1985)とは違 っ て,今回はほとんど有意な関係をみとめることができない。 この ことは役割 コ ンフ リク トをほとん ど感 じていない とい うことか らきているとも考え られ る が,いずれにして も大 きな特徴 ということができよう
。したが って,役割 コン フリク トと組織変数に関 しては,部分的ではあるが仮説
6を支持できると考え られる
。役割暖昧性については役割 コンフリク トに比べると,仮説
3は十分支持 され ているようである
。つまり,役割 コンフリク トとは対照的に,役割唆昧性につ いてみると,組織変数 とかな りの関係を認めることができる。 しか し,公式化 の程度および不安/緊張を除 くと,
Jackson&
Schuler(1985)の結果 とは 逆の結果である。 この ことは,役割 コンフ リク トと役割暖昧性において,十分 有意ではないが結果 としては若干の逆相関が認め られることによって も理解 さ れる
。特徴的な こととしては,役割暖昧性 と職務の多様性,職務か易 のフィー ド バ ック,参加,年齢,仕事全般,仕事 自体,仕事仲間, コ ミッ トメ ン ト,関 与,そ して 自己評価 に有意 な正相関が認 め られ ることであ る。直感的 には
Jackson&
Schuler(1985)のマイナス相関が妥当のよ うに思われ るが, こ れについてはどのように解釈すればよいのであろうか。
役割暖昧性の信頼度係数が低いことに注意す る必要があると思われ るが,辛
がか りは日本人の役割暖昧性の捉え方 と調整役 としての役割にあるように思わ
れる。 日本的経営の研究か ら,菓議制度 に代表される集団責任制 といった集団
主義的行動を特徴 とする,ある意味では責任の所在を唆味に し,集団行動での
役割分担に特徴を もつ管理 システムでは,常に役割唆昧さが同居 していると考
え られる。その役割唆昧性に関す る日本人特有の行動を考えると, 日本人管理
112
商 学 討
究第
46巻 第 1 号
者にとって役割唆昧性は特に管理活動の障害になっているわけではないと理解 でき,本研究での役割暖味性に関す る結果を理解す ることができよう
。ま た ,
L.A.の 日本人スタ ッフは通常の管理職務 とは別 に, 日本の本社 との 連結役 として本社の意向 と現地 スタッフとの調整をより重要 な役割 としてい る。 この組織の二重構造での,いわゆる一般的な管理活動は,ある程度マニュ アル化 され,学習は容易であるが, 日本の本社 とのバ ランスを微妙にとり,本 社の意向をスムーズにいきわた らせ るという,特異な役割によって分析結果を ある程度 は説明で きるか もしれない。 したが って,
L.A.の管理者 には職務の 十分な把握 と理解があるので,職務か らのフィー ドバ ックにこだわる必要が削 減 されて も,あまり役割暖昧性を強 く感 じないと理解できそ うである。さらに,
図
2組織 ス トレスと役割 コンフ リク トの諸関係
α (高橋
,1993:240). 3 4
日 +α 数字 は相 関関数
*
p<.り5* *
p<.01* **p<.001