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社会人ラグビー選手の心理的競技能力について : 競技成績・ポジションによる比較

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Academic year: 2021

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愛知工業大学研究報告 第31号A 平成8年 23

社 会 人 ラ グ ビ ー 選 手 の 心 理 的 競 技 能 力 に つ い て

一 競 技 成 績 @ ポ ジ シ ョ ン に よ る 比 較

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苛 吉 田 著 書 き ^" "

Masaya OKAMOTO, U1roak1 TAKATSU, Masayosh1 TAKADA, Yasuto TERADA

Abstract The purpose of th1s 1nvest1gat1on ls to research 00 tra1t psycholog1cal-compet1t1ve ab1l1ty for sen10r rugby players 1n Japan. The subjects are 142 male sen10r rugby players to part1c1pate 1n the Nat10nal Athlet1c Meet1ng・The results are as follows:

BK players are superior to FW players 1n self-confidence and the abil1ty to make the game plans,espec1ally,to pred1ct the game-performance. The players 01 more 1mportant pos1t1on (HO,NO., SU,包 SO,F8) are super10r to the other players(PR,LO,FL,CTB,WTB) 1n self-conf1dence,the ab1llty to make the game plans and co-operat1on,espec1ally,the ab1l1ty of d1c1s1on,to pred1ct the game-performance,judgment and co-oper日t1on. The sem1f1nal1sts are h1gher score 1n the w1ll to have a game than the' players belong to the seventh,e1ghth,n1nth and tenth teams

1はじめに ラグビーのゲームにおいて,筋力,持久力,体格 などの身休的能力が優れていることは有利にゲーム を進めていくのに必要なことである。しかし,身体 的能力が優れていれば素晴しいゲームパフォーマン スを残せるという考えは,現代のスポーツ実践では 適用しない。優秀なスキルとテクニックを備えてい る選手であっても,精神力がゲームパフォーマンス に影響を及ぼし,阻害することも時には見られる。

1

愛 知i工 業 大 学 基 礎 教 育 系 健 康 科 学 教 室 ( 豊 田 市 )

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豊田工業高等専門学校 一 般 学 科 ( 豊 田 市 )

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愛知学院大学 教 養 部 ( 日 進 市 )

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市 郁 学 園 短 期 大 学 商 経 科 ( 犬 山 市 ) 良いパフォーマンスを残すために,精神力が必要で あることは,多くの指導者が指摘していることでは あるが,具体的にはどのような能力があり,必要な のかということは解明されていなかった。 徳永らは,精神力(以下心理的競技能力)の内符 を検討し心理的競技能力診断検査を作成した。この 検査を用いて,いくつかの調査がおこなわれ,パフ ォーマンスを予測するための指標として有効である ことが示唆されている。(1) (2) (3) (4) ラグビーにおいて,身休的能力については,様々' な調査検討がおこなわれてきたが, Iタックルは精 神力だ」などと言われながらも,具休的な心理的競 技能力の調査検討はまだおこなわれていなし、。また, ラグビーにはたくさんのポジションがあり,それぞ れの役割がある。フォワードは,激しいコンタクト

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24 愛知工業大学研究報告,第31号A,平成8年, Vo1.31-A, Mar.1996 を頻繁におこない闘争心をむき出しにプレーをおこ なう。これに対して,パックスは,ランニングやパ ス・キックを使い相手と距離をおいてプレーをおこ なう。では,心理的競技能力は,チームにおける役 割(ポジション)によって異なってくるのか。つま り,フォーワードとパックスの違いによって異なる のか。ゲームを行うとき,ゲームメイクにより重要 な役割を果たすと考えられるフッカー, No.8,スク ラムノ、ーフ,スタンドオフ,フルノてックとそのイ也の ポジションで心理的競技能力に違いがあるのか。体 力的な能力同様,心理的競技能力の差が競技成績に 影響するのか。ラグビー選手の心理的競技能力の調 査は,今後の指導のために有効である。 本研究では,社会人ラグビー選手を対象に以下の ことを調査する。 ポジションによる比較という観点から,フォワー ド選手とパックス選手の心理的競技能力の比較検討 をおこなう。 ゲームでより重要な役割を果たすフッカー, No.8, スクラムハーフ,スタンドオフ,フルパック「以下 縦のポジション」の選手とプロップ,ロック,フラ ンカー,センター,ウイング「以下他のポジション」 の選手による心理的競技能力の差異を比較検討する。 競技成績への心理的競技能力の影響を検討する。 2.調査方法 第

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回国民体育大会(若統国体)ラグビー競技 成年1部に参加した選手142名 (M=25.6才, SD=3. 13)を対象に,心理的競技能力診断検査(DIPCA.2, トーヨーフィジカル発行)を実施した。また,所属 チーム,都道府県,競技経験,ポジションなどを詳 細に知るために作成した,コンディショニング調査 も同時に実施した。各調査用紙は,各チームに郵送 し実施してもらい,試合が始まる前に回収した。 3.分析方法 表1 F W群とB K群の心理的競技能力得点

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F曹(N宥73) BK(N=69) M SD M SD 1 忍耐力 15.田 3.田 15.国 3.19 2 闘争,む 16.町 3.田 17.68 3.34 3 自己実現意欲 16.叩 2.74 17.01 2.68 4 勝利意欲 15.41 3.41 16.38 2田 5 自己コントロール 16.47 2.86 15.89 2.曲 6 リラックス 15.田 3.48 15.田 3.77 7 集中力 16.89 2.田 16.臼 2.71 8 自信 13.37 3.10 H 国 3.11 9 決断力 13.49 S掴 14.41 2.81 10 予測力 12.3凶 3,45 13.岨 2.83 11 判断力 12.85 3.41 13.67 3.04 12 協調性 16.22 3.24 15.58 2.85 1-411技意欲因子 63.78 9.47 曲。13 9田 5-7 精神安定集中因子 ..弱 7国 41.54 8.42 8・9 自信関子 26.86 6.04 掴70 5.63 10・11作戦陣力因子 25.19 6.53 Z1.16 5田 12 箇調性箇子 16.22 3.24 16田 2.83 本P<O.,l 本本p<O.05 表2縦ポジション群と他のポジyョン群の心理的競技能力得点

工さ¥

続ポク (N司8) 他ボジ(N....) M I SD M SD 1 忍耐力 15.25 3.曲 14.91 3.12 2 陣争心 17.43 2.肝 目 白 3.14 3 自己実現意欲 17.曲 2.咽 16.78 2.86 4 勝利意欲 15.あ 3.22 目。曲 3凹 5 自己コントロール 16.13 2.田 16.20 2.掴 6 リラックス 15.宙 3.田 15.31 3臼 7 集中力 16.阻 2.61 16.74 2.75 8 自信 14.50 2.島O 13.47 3.24 9 決断力 14.85 2.73 13.41 3.17 10 予測力 14.15 2.74 12.27 3.25 11 判断力 14.29 2.拓 12.71 3.28 12 協調性 17.21 2.48 15田 3.23 lへ-4週間袋意欲因子 由。血 8.49 64.61 9.75 5-7 精神安定集中国子 岨.29 8.22 48甜 8国 8.9 自信嗣子 29.$ 5.16 28.94 6.10 10・11作験極力因子 28.44 5.35 剖.田 6.担 12 協菌性因子 17,21 2.48 15珂 3.23 t 検 本$ *

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牟 " ・ 奪事 フォワード選手とパックス選手,縦のポジション 選手と他のポジション選手の心理的競技能力を比較 するため,各群の心理的競技能力得点をもとに因子 ・尺度ごとにt検定をおこなった。また,競技成績 による心理的競技能力を比較するため,上位4チー ム「以下上位群」と下位4チーム「以下下位群」に 本P<O.,l 本本p<O.05,本車本p<O.Ol

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社会人ラグピー選手の心理的競技能力について

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5

所属する選手の心理的競技能力得点、をもとに因子・ 尺度ごとににt検定をおこなった。 4.結果と考察 ポジションにおける心理的競技能力の差異を調べ るため,フォワード選手とパックス選手の心理的競 技能力をt検定を用いて比較した。分析の結果,自 信因子においてパツクス群の方がフォワード群より も有意に高い債を示した(表1)。このことから, ノてックス選手は,フォワード選手と比較して, 自信 をもってプレーしていると考えられる。尺度におい ては,自信,決断力ともに有意な傾向しか見られな かったが,フィールドで孤立しがちなパックスでは, これらの能力を兼ね備えた選手が多いのではないか と考えられる。また,作戦能力因子において,パッ クス群の方がフォワード群よりも有意とはいえない が,高い傾向が見られた。特に,尺度においては, 予測力に有意な差が見られた。これは,パックス選 手の方がフォワード選手より予測力に優れていると 考えられる。しかし,現在の日本のラグビーでは (特に個々のチームにおいて),判断力や予測力な どの作戦能力の優れている選手は,パックスに配置 される傾向が多々あることから,このような結果に なったと考えられる。必ずしもパックスに配置され た後に作戦能力が開発されたとは考えられない。 縦ポジション群と他のポジション群の心理的競技 能力の比較をt検定を用いておこなったところ,自 信因子,作戦能力因子,協調性因子において,縦ポ ジション群の方が他のポジション群よりも高い値を 示した(表2)。このことから,縦ポジション選手 は,自信,作戦能力,協調性の能力が他のポジショ ン選手よりも優れていると考えられる。これらの結 果は,縦ポジションの選手は,ゲームメイクに重要 なポジション(戦略を考えたり,戦略の中心を担う など)であるため,特にチームプレー遂行に必要な 決断力,予測力,判断力,協調性に優れている選手 が配置されていると考えられる。縦ポジションの選 手がゲームリーダーを務めることが多いのも, この ような能力に優れているからとも考えられる。 競技成績について,上位群と下位群の心理的競技 能力をt検定を用いて比較したところ,競技意欲因 子において上位群の方が下位群よりも高い値を示し た(表

3

)。このことから,競技成績を左右する心 理的競技能力として,競技意欲が影響すると考えら れる。しかし,上位チームは,常に日本ーを目指し ている東日本・西日本社会人リーグに所属する企業 チームの選手で構成されており,下位チームは,楽 しみを大切にしたクラブチーム所属選手で構成され ているため,競技意欲に差がでたのではと考えられ る。 表3 上位群と下位群の心理的競技能力得点

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上位(N=66) 下位(N=39) t M I SO H SO 倹 1 忍耐力 15担 2.88 14.56 2.67

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2 闘争心 17田 3回 16.67 2.71 * 3 自己実現意欲 17.fil 2.担 16.26 2.58

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4 勝 利 意 欲 16.9岨 2国 15曲 2.田 参参. 5 白己コYトロール 15.田 2,74 16.97 2.93 ' ‘ 6 リラックス 15.剖 3.31 16.国 4..19 7 集中力 16.91 2.37 17.15 2.78 8 自{言 14.17 3.23 13.49 2.95 9 決断力 14.謁 3.15 13.回 2.97 10 予測力 13.96 3開 12.64 3.28 11 判断力 13.日 3.23 13.51 3.05 12 協調性 16.82 3.20 16.59 3.01 1-4競技意欲因子 68.36 7田 62.56 8.74 凶,、 5-7 精神安定集中因子 '8.由 7.18 田.18 9.21 8・9 自信因子 28.42 6.12 Z1.31 5.57 10'11作戦飽カ因子 26.91 5.胃 26.15 5.91 12 lI!阿佐因子 16,82 3.22 16.59 3.01 牢P<O.,l 牢牢p<O.05,牢本木p<O.Ol 5.まとめ 本研究の結果から以下のことが明らかになった0 .フォワード選手とパックス選手といったポジショ ンの差異においては,自信,作戦能力,特に予測力 でパックス選手の方が優れていた。 -縦のポジション選手と他のポジション選手といっ たポジションの差異においては,自信,作戦能力r 協調性,特に決断力,予測力,判断力,協調性が縦 のポジション選手が優れていた。 -競技成績の差異においては,競技意欲で上位チー ムが優れていた。

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愛知工業大学研究報告,第31号A,平成8年, Vo1.31-A, Mar.1996 <参考引用文献> (1)徳永幹雄,金崎良三,磯貝治久,橋本公雄, 高柳茂美,スポーツ選手に対する心理的競技能力 診断検査の開発 デサントスポーツ科学, 12: 178-190,1991 (2)徳永幹雄,橋本公雄; 心理的競技能力診断検査用紙

(DIPCA.1)

トーヨーフィジカル発行 (3) 徳永幹雄,橋本公雄; 九健式心理的競技能力診断検査手引き トーヨーフィジカル発行 1991 (4)徳永幹雄,橋本公雄,高柳茂美,許鍵斐; 謝辞 スポーツ選手の心理的競技能力の「特性」 および「状態」に関する研究 一準硬式野球大会参加選手についてー 健康科学, 16:65-74 本研究をおこなうにあたりまして,中京大学金津 陸先生をはじめ愛知県ラグビーフットボール協会の 皆様にご協力いただきましたことに厚く御礼を申し 上げます。 ( 受 理 平 成8年3月19日〉

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