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組織 コンフ リク トと管理者行動

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(1)

組織 コンフ リク トと管理者行動

ミ ドル ・マネ ジメ ン トの役割 コ ンフ リク トと コンフ リク ト解決 の実証研究

高 橋 正 泰

目 次

Ⅰ は じめに

問題の所在

1.役割 コンフ リク トと諸特性

2.

コンフ リク トの解決

Ⅲ 研究方法

1.データの収集

2.

測定 と結果

Ⅳ 考察 と議論

結 び

55〕

(2)

Ⅰ はじめに

環境の変化 に適応す るために組織 は様 々な行動をとるが,その組織行動 にお いて管理者 は重要 な存在である。実際の ところ,管理者 は組織の中で多 くの役 割を担 ってお り (e.g.,Mintzberg,1973),その役割間の コ ンフ リク トは管理 者の行動 にとって重要 な問題であるといえ る。組織 における役割 コンフ リク ト

と役割唆昧性 に関す る研究 につ いて は,1950年代以来多 くの研究成果が報告 されてい るが,組織 との関係 において必ず しも一貫 した結果が出てい るわけで はない (Jackson& Schuler,1985:16)。 しか しなが ら,組織 内に発生す る コンフ リク トは確かに管理者の行動や成果 と少なか らぬ関係を もってお り,組 織 コンフ リク トが適切 に処理 されない場合,組織のパ フォーマ ンスが低下す る

こと (Kahnetal.,1964)は共通の認識 とな っている

以上の問題意識を基底 として, ミドル ・マネ ジメン トの抱え るコンフリク ト の問題を中心に調査研究す ることは組織行動を理解す るために重要な ことの一 つであると考え られ る。 この ことか ら,本研究調査 は組織 における役割 コンフ リク トに注 目し,わが国の企業,その中で も ミドル ・マネ ジメ ン トを対象 に, 管理者行動 と組織が役割 コンフ リク トといかに関係 しているか, また管理者 と

していかにコンフ リク トを処理 しているか, さらに組織内で発生す るコンフ リ ク トをいかに捉えているかを調査研究 した ものである。

Ⅱ 問題の所在

1.役割 コンフ リク トと諸特性

公式組織 は地位 とそれに関係す る種 々の役割のシステムであ り,組織内の地 位 にある人 は一連の役割セ ッ トを もっていて,その地位 占有者 には多 くの役割 期待が要求 されている (高橋,1983)。そこにおいて組織 は客観的組織 として認 識 され るが,また同時に組織 は心理的組織 として も認識 され る 役割の概念 は 社会的概念であると共 に心理的概念で もあ る (Roos&Starke,1981)。 これ ら組織の役割理論か ら,役割 コンフ リク トの研究については役割唆昧性 と一緒

(3)

組織コンフリク トと管理者行動 57 に研究 されているが,両者 と組織の諸変数間の関係 については意見が一致 して いるわ けで はない (e.g.,Schuler,Aldag

,&

Brief,1977:125;Fisher

&

Gitelson,1983:330)。 この ことにつ いて は,過去 の役割 コ ンフ リク トと役 割暖昧性の研究成果をメタ分析 したJackson&Schuler(1985)の研究が注 目

され る この研究を手がか りとして, ここでは特 に ミドル ・マネ ジメ ン トが直 面す る役割 コンフ リク トに注 目して,役割 コンフ リク トと組織内の諸特性およ

び個人すなわち ミドル ・マネ ジメ ン トに関す る諸特性 との関係を検証す る。

役割 コ ンフ リク トと組織行動 の諸特性 問の関係 につ いて は,Jackson&

Schuler(1985)を参考 に して以下の概念を設定 した。組織行動 に関す る変数を 組織変数 として,その内組織特性 については組織 コンテクス トを,そ して個人 に関 しては個人特性,情緒特性,行動特性を考える これ らの特性 と役割 コン フ リク ト問の関係 について,従来の研究を支持で きるかを第一 に検討す る。

(1)役割 コンフ リク ト

役割 コンフ リク トは管理者のパ フォーマ ンスに強い影響 を もってお り,役割 占有者 が矛 盾 す る役 割 期 待 に直面 した場 合 に役 割 コ ンフ リク トを生 ず る

(Gross,Mason,

&

McEachern,1958)Rizzo,House,

&

Lirtzman (1970)によれば,役割 コンフ リク トは矛盾す る要求の知覚 に基づいて相互関連

した4つの タイプに分類 され る すなわち,(1)一人 もしくはそれ以上の役割 セ ンダーによって矛盾 した要求が役割 占有者 に課せ られ るセ ンダ一間 コンフ リ

ク ト,(2)同時に2つ以上の地位 にある場合の役割間 コンフ リク ト,(3)時間や 資源の利用可能性,そ して個人能力が期待 され る役割行動 に合わない場合のセ ンダー内 コンフ リク ト,そ して(4)役割 占有者の内的基準 もしくは価値 と明確 となった役割行動 と矛盾す る場合のパーソンー役割 コンフ リク ト,がそれであ る。以上 の役割 コ ンフ リク トの測定 にはRogers

&

Molnar(1976)の開発 し たスケール l)を使用す る。

1)野 中 他 (1978:220)の邦訳を使用 した。なお,本調査ではRogers&Molnar

(1976)の逆スケールを用いた。

(4)

(2)組織特性

組織特性 としては組織 コンテクス トを考え,以下の要因を考慮す る。

組織 コンテクス ト (彰職務の多様性2)

Hackman

&

01dham(1980)が開発 したJDS (JobDiagnostic

Survey)の一部を使用 した。得点が高いほど,職務遂行す る上での多 様性が高い。

②職務の自律性

上記JI)Sの一部を使用 し,得点が高いほど職務の 自律性 (独立性 も しくは自由度)が大 きい。

③職務か らのフィー ドバ ック

上記 JDSの一部を使用。得点が高いほど,職務 自体か ら職務遂行及 び遂行結果か らの情報を得 ることがで きる。

④職務の完結性

上記JDSの一部を使用 し,得点が高いほど職務の全体性,統合性な い し完全性 (部分的あるいは断片的ではない)が高い。

⑤職務の意義

上記JDSの一部を使用。得点が高いほど,職務が職場,会社あるい は社会 に対 し重要な意義を もっていると考え られる

⑥参加

仕事やそれに一関す る意思決定にかかわる程度で,得点が高いほど参加 の程度 は高い。

⑦公式化の程度

組織の公式化の程度を,職務を遂行す る上での手続 きの複雑 さの程度

2)職務の多様性以下,職務の 自律性,職務か らのフィー ドバ ック,職務 の完結性,職 務の意義, ローカス ・オブ ・コン トロール,職務遂行能力,不安傾向,職務関与, 組織 コ ミッ トメ ン ト,努 力の強 さの調査項 目につ いて は,柿 (1987)によるもの を使用 した。

(5)

組織 コンフ リク トと管理者 行動 59 とコ ミュニケーシ ョンの困難性,権限の明確化 ・仕事の標準化および組 織の硬直性の程度で測定する。得点が高いほど公式化の程度 は高い。

(3)個人特性

① ローカス ・オブ ・コン トロール (IE LocusofControl)

Rotter(1966)が開発 したスケールをValecha(1972)が短縮 した もの を 使 用。 この ス ケ ー ル は個 人 の パ ー ソナ リテ ィを tnternals Externalsの傾向に分類す る。前者 は自己の行動を 自ら決定 しコン ト

ロールす ることができると信 じているタイプであ り,達成動機が強 く, 意欲的である。他方,後者 は自己の行動を環境 (運,他人か らの影響な ど)か ら左右 され,支配 されると信 じているタイプであり,無力感が強

い。

②職務遂行能力

仕事 を遂行す る上 での諸 問題 を理解 し,解決す る能力を意味 し, Wagner& Morse(1975)が開発 したスケールを使用。得点が高 いほ

ど,職務遂行能力は高い。

③年齢 (4)情緒特性

①職務満足

職務 に対す る満足感を,仕事全般 3),仕事 自体,職場の人間関係 (職場 の上司,同僚,および部下 との関係),職場の環境,給与,昇進/考課 (会社 の考課 システムの公平 さと上 司か らの評価 に関す る測定 で,得 点が高 い ほど,考課 の公正 さ と適正 な評価 を受 けて い ると感 じて い

る) によ り測定。得点が高 いほど,職務満足 は高 い。

②不安傾向

Pennings(1976)の開発 したスケールを使用。不安を感 じていればい るほど,得点が高い。

3)仕事全般 については,付表3の設 問 Ⅱの18.19.20.21.22.を集計 した。

(6)

(卦緊張の必要性

職務を遂行す る上での緊張感を測定。緊張の必要性が高 ければ,得点 も高い。

④職務関与

職務関与 とは, 自己の全体的イメージにおける職務の重要性を示 し, 職務遂行 に積極的な気持ちを生む。得点が高いほど,職務関与 は高い。

Lodhal& Kejner(1965)が 開発 した ス ケ ー ル を Lawler& Hall (1970)が短縮 した ものを使用す る。

⑤組織 コ ミッ トメ ン ト

Porter,Steers,Mowday,& Boulian(1974)が 開 発 した OCQ (OrganizationalCommitmentQuestionnaire)スケ ‑ル を使用 す る 組織 コ ミッ トメ ン トは,組織関与 (自己の全体的イメージにおけ る組織の重要性),組織への一体化 (組織の方針, 目的な ど組織規範の 受容度),組織忠誠JL、(組織 に対す る愛情,所属願望をあ らわ し,組織 の一員であ りたいと思 う気持 ち)か ら成 ってお り,得点が高いほど組織 に対す るコ ミッ トメン トが高 い。

(5)行動特性

①努力の強 さ

Mitchell

&

Albrigh t(1972)に よ る OAQ (Officer Attitude Questionnaire)の一部を使用。得点が高いほど,努力 している。

② 自己評価

仕事をす る上で, 自分をどの程度評価 しているかを測定。得点が高い ほど, 自己能力の評価が高い。

2.コンフ リク トの解決

コンフ リク トをどの様 に認識 し,対処す るかは,管理者行動の中で も重要 な 問題で あ る。 これ までの研究か らコンフ リク ト4)の解決方法 には,以下 の5

4)この場合のコンフリクトは,おもに職務遂行上の意見の対立などのコンフリクト状 況を中心的問題 とす る。

(7)

組織コンフリク トと管理者行動 61 つの方法が認識 されている

(1)問題解決

コンフ リク ト状態 にある当事者たちが問題点 につ いてオープ ンに情報交換 し,徹底的 に検討 しあい,当事者すべて に とって最良 の解決 を はか る方法で, 対面解決,直視, 「ウイ ン‑ウイ ン」式解決法,統合,協調 ともいわれ る。

(2)撤 回

回避 とも言われ る方法で, コンフ リク トを避 けるために問題 や 自己の利益 を一部撤 回す る方法。

(3)強制

当事者の一方が権限的命令を発揮 して, 自己の都合で一方的な解決 をはか る方法。

(4)宥和

共通 の利益が強調 され,対立を覆 い隠 して しま う方法。

(5)妥協

コンフ リク トを解消す るのに用い られ る伝統的な解決方法で,当事者の妥 協を はか る方法。

一般 にコンフ リク トの解決方法 と して多 くの研究 は,問題解決 もしくは対面 解決 の方 法 が最 も好 ま しい と して い る (Follett,1941;March

&

Simon, 1958;Blake,Shepard,& Mouton,1964;Lawrence& Lorsch,1967;

Likert& Likert,1976;Thomas,1976,1979)これを踏 まえて, コ ンフ リ ク トの解決様式を考察す るとともに, これ らコンフ リク ト解決 の行動様式が実 際の管理者 の行動 としてどのよ うに使用 されているかを検討す る。

以上 の ことか ら,本研究ではコ ンフ リク ト研究における基礎 的な概念 に関す 3つの仮説 を設定 し,組織 コンフ リク トと管理者行動を検証す る。

仮説 1 役割 コ ンフ リク トは組織の諸変数 に影響 され る

仮説 2 組織 に発生す るコンフ リク トは組織 にとって有効である。

仮説 3 管理者 はコ ンフ リク トを処理す るために,その解決法 と して問題解

(8)

決を最 も多 く使用す るであろう

研究方法

1.データの収集

本研究は平成22月か ら同年 4月にかけて東証 Ⅰ部上場企業の6礼 (製造 3社,金融業 2社,商社 1社) と非上場の流通 ・卸売業 1社の ミドル ・マネ

ジメン トを対象 として収集 したデータを分析 した。

データの収集 は質問票を各会社の窓 口となって もらった ものを通 して回答者 に配布 して もらい,回収 は回答者各 自の判断で調査者に直接返送す る方法 と各 会社で取 りまとめて調査者に返送 して もらう方法を採用 した。回答者 は合計で

185名,平均年齢 は43歳であった。

2.測定 と結果

(1)役割 コンフ リク トと組織行動の諸特性

役割 コンフ リク トの程度 は中程度であ り,Rogers

&

Molnar

(

1976)の結果 と大 きな差 はみ られず,ほぼ同程度であるが,強いて比較す るとコンフ リク ト の程度 は若干強いよ うである。中には非常に強いコンフ リク トに直面 している 者 もいる。 しか し,総 じて調査対象者 はそれほど強いコンフリク トを感 じてい るわけではないようである。なお, この役割 コンフリク トの測定の信頼性を示 す クロンバ ッ‑の

α

係数 は .548であった。

組織変数の中での特性をみると, ミドル ・マネジメン トの仕事への積極性が み られ るようである。組織 コンテクス ト変数の職務の意義,参加の程度,そ し て組織 コ ミッ トメン ト,努力の強 さはいずれ もスケールの平均を上回 ってい

る。それと関連があると考え られるが,仕事での自己の能力評価 は,かな り高 い値を示 している (5ポイ ン ト・スケールで平均4.022)。 また,職務の多様 性 (7ポイ ン ト・スケールで平均 5.081,以下同 じ),職務の 自律性 (5.201), 職務か らのフィー ドバ ック (5.038),職務の完結性 (4.924)もポイ ン トが高

く,担当す る仕事 は単調な ものではな く,管理者の職務 は自己裁量権を もった

(9)

組織 コンフ リク トと管理者行動 1 各変数の記述統計表

63

N

平均値 S.

D.

最小値 最大値

1.役割 コンフ リク ト 2.職務 の多様性 3.職務 の 自律性

4.職務か らの フィー ドバ ック 5.職務の完結性

6.職務 の意義 7.参加

8.公式化の程度 9.ローカス ・オ ブ ・

コン トロール 10.職務遂行能力

ll.年齢 12.仕事全般 13.仕事 自体

14.職場 の人 間関係 15.職場の環境 16.給与

17.

昇進/考課

18.不安傾向 19.緊張の必要性 20.職務関与

21.組織 コ ミッ トメ ン ト 22.努力の強 さ

23.自己評価 I

183 31.640 4.960 185 5.081 1.132 184 5.201 1,110 185 5.038 1.120 184 4.924 1.454 185 5.178 1.249 184 3.391 1.039 185 17.616 3.499 167 5.054 2.408 184 13.484 2.861 185 43.157 5.338 184 14.930 3.425 184 3.141 .970 185 3.162 .930 185 2.768 1.076 185 2.670 .969 185 6.108 1.694 185 9.005 2.115 185 4.481 .635 185 9.497 2.737 185 49.205 6.561 185 7.486 1.356 185 4.022 .884

2 nU

1221110062511112322142∬pAqZf 777777580421 084555595555052521161

(10)

まとまった ものであるよ うである さ らに, ミ ドル ・マネジメ ン トの傾向をみ ると,特徴的な ことは仕事 における緊張の強い必要性 (5ポイ ン ト・スケール で,平均4.481)であって,仕事を遂行す る際には高 い緊張感が求 め られ る。

また,役割 コ ンフ リク トとの相 関 もあ り, r

ー.224であ った。それ ほど強 い相関で はないに して も,緊張の必要性 と役割 コンフ リク トとの問に負の関係 がみ られた ことは注 目すべ きことであろ う。

つ ぎに,役割 コンフ リク トと組織行動 に関す る諸特性の関係をみ ると,それ ほど高い相関ではないが,い くつかの変数 に相関関係がみ られ る。その中で一 番高 い相関を示 したのは昇進/考課 (

r

ニー∴311)であ り,以下職務満足の 中の仕事全般 (rニ ー.296), ローカス ・オ ブ ・コン トロール (r‑ .289), 公式化 の程度 (r‑ .271),職務 の多様性 (rニー.257),参加 (rニー.248) の順であ った (付表2)。また,Jackson

&

Schuler(1985)との比較 は,表 2

2 役割 コンフ リク トと関連諸変数の相関 相関変数 Jackson良Schuler(1985) .‑ノ

赤いノケT

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(11)

組織 コ ンフ リク トと管理者行動

65 の通 りであ る5'。 本研究で は,役割 コ ンフ リク トとの関係 において職務 の 自 律性,年齢,関与 との相関は十分認め られなか った。また,職務か らのフィー ドバ ック, ローカス ・オブ ・コン トロール,仕事 自体,仕事仲間,給与 におい て,役割 コ ンフ リク トとの相 関が一応認 め られたが,Jackson& Schuler (1985)とは異な った結果がでている

さらに,役割 コンフ リク トと組織の諸変数間についての関係を考察 した もの が表3である。各モデルはステ ップワイズ回帰分析を用いてモデル構築 した も ので,SLENTRY ‑ .50レベルまでの変数 を取 り入れたモデルであ る モデ 1の調 整 済R2 .224, モ デ ル 2の調 整 済R2 .235で, モ デ ル 3 AdjustedR2‑ .240で あ り,モデル 3が説 明モデル と して最 も適合 してい

ただ,モデル

2

およびモデル

3

とも多 く影響を もつ変数 は公式化の程度, ローカス ・オ ブ ・コ ン トロール,昇進/考課で あ り, ほ とん どこの3変数 に ょって説明す ることが出来 るので,モデル 1と比較 してみ ると,他の変数を考 慮 して も説明モデル として は大 きな差 はないよ うである。

3

役割 コンフ リク トと組織変数 の回帰分析 モデル

(N‑163)

役割 コ ンフ リク トを従属変数 と した回帰モデル

独立変数 モデル

1

モデル

2

モデル

3

1 .公式化の程度

2.ローカス ・オブ ・

コ ン トロール

3.

昇進/考課

4.

職務 の 自律性

5.

職場 の人 間関係

6.

緊張の必要性

Adjusted R2

F

.263*** .249*** .252***

.219** .229** .219**

.286*** .261*** .256*** .111 .124**

‑.129* .121

.096 .224 .235 .240 16.854*** 11.099*** 9.608***

*P<.10

**P<.01

***P<.001

5)Jackson

&

Schuler(1985)

との比較 につ いて は,本研究で調査 した項 目と共通

した ものを選択 した。

(12)

(2)コ ンフ リク トの認識 とコンフ リク ト解決

組織 内に発生す るコンフ リク トに関す る ミ ドル ・マネ ジメ ン トの認識 をみ る と,組織管理 におけるコンフ リク トの有効性 と必要性 はいずれ も平均 をかな り 上 回 っていて ( 4), コ ンフ リク ト・マネ ジメ ン トの基本 的概念 と一致す る 認識 で あ る (Robbins,1974;Thomas,1976;高橋,1988)。 この コ ンフ リク トにつ いての評価か ら, コンフ リク トは管理 において重要 な要因であ ることが わか る

4 コンフリク トの認識

N

平均値 標準偏差

コンフリクトの有効性 181 3.492 .952 コンフリク トの必要性 184 3.413 .960

5 コンフリク トの解決方法

部下とのコンフリク ト 部下同士のコンフリクト 解決方法

N

平均値 標準偏差

N

平均値 標準偏差 問題解決

回 避

146 3.027 1.101 134 3.060 1.024 131 3.084 .945 134 3.142 1.005 124 2.580 .955 120 2.542 .986 91 2.418 1.012 87 2.391 1.135 76 1.316 .716 73 1.411 .895

どのようにコンフ リク トを解決 しているか, とい うコンフ リク トの解決方法 については,管理者 としての立場か ら部下 との間, また部下 間の コンフ リク ト を解決す る方法 と して 「問題解決」,「妥協」,「強制」の方法が多 く使われて

(13)

組織 コンフ リク トと管理者行動 67 いる。回答のあった解決方法の うち, どれ くらいその方法を使用するかについ ては,管理者 としての立場か ら部下 との問,また部下間のコンフ リク トのいず れ も問題解決 と妥協が多 く用い られてお り,ついで強制の順である。ただ,強 制に関 してみ ると,使用す る解決方法 としては問題解決及び妥協 と比べ るとや や使用頻度が少ない。また,「宥和」,「回避」の二つの方法を使用す る管理者 は少な く,用いたとして もその使用頻度 は非常 に少ない。つ ぎに, これ らの解 決方法が, ミドル ・マネジメン トによって認識 されているのかに関す る結果を み ると,Lawrence

&

Lorsch(1967)の結果 と興味あ る比較がで きる。格言 による因子分析の結果6)( 6),本研究調査ではLawrenee&Lorschの対 面解決 と強制の因子負荷が変わ ってお り,因子 2として点線内の ものが,そ し て因子 3として実線内の因子負荷が抽出された。宥和については因子負荷の値 には差 はみ られ るものの同様の結果であった。

6

コンフ リク ト解決方法の識別

因子負荷

因 子 と 格 言 Lawrence 本研究a

&Lorsch(1967)

対面解決

とことん突 きっめれば、 きっと真理がわか る。

井戸を掘 るな ら、水が出るまで。

正 しい決定 は場数か らではな く、知識か ら生 まれ る。

三人寄れば文殊の知恵。

強制

力 は正義な り。

無理が通れば道理が引 っ込む。

いさざよ く戦 う者 は、負けたとして も次の 日を生 きのびる。

理屈がわか らない者 には、 とにか く実行 させよ。

Ⅲ 宥和

仇 には恩で報いよ。

柔 よ く剛を制す。

まるい言葉でまるく納める。

石をぶつけた ら、綿のボールを投げ返せ。

0.57 0.50 0.41 0.41 0.56 0.47 0.45 0.39 0.42 0.41 0.41 0.38

a本研究の因子分析の因子負荷の数字 は,バ リマ ックス回転を した ものである。

6)質 問はLawrence

&

Lorsch (1967)の短縮 した ものを用 い,解析 において は対 面解決,強制,宥和の各質問項 目について因子分析 を行 った。

(14)

Ⅳ 考察 と議論

調査対象 となった ミドル ・マネジメン トの特徴をみると, ミドル ・マネ ジメ ン トは仕事を こなす職務遂行能力を もっていると自信をもってお り,それが 自 己評価につなが り,また仕事 に対す る努力の強さと関係 している また,職場 の人間関係 と仕事 自体の相関は強 く

(r

‑ .639),参加 との関係

(r

‑ .431)を みて も密接な相関がある。 したが って,職務遂行能力が高 ければ高いほど,仕 事 自体 についての満足の程度 も高 く (r‑ .418), さらに仕事全般 についての 満足の程度が高いほど参加の度合 も強い (

r

‑ .477)といえ る。 これ らの こ とか ら, ミドル ・マネ ジメン トは職場の人間関係 と仕事 自体か ら影響を受 けな が ら,仕事遂行 に自信を もち,意思決定に積極的に参加 し,また,あまり不安 を感 じないで一生懸命努力 し,その結果 として高い自己能力評価を もっている

といえそ うである。

この ミドル ・マネ ジメ ン トの特性か らみると,役割 コンフリク トとのパーソ ナ リティ要因の関係が理解で きるようである。相関分析か ら役割 コンフ リク ト に影響を もつ組織変数 として昇進/考課,仕事全般, ローカス ・オブ ・コン ト ロール,公式化の程度,職務の多様性,参加があるが,特に個人特性の変数で あるローカス ・オ ブ ・コン トロール 係数 ‑ .686)との関係 は注 目すべ き 結果である。Jackson& Schuler(1985)のメタ分析 においてはローカス ・オ ブ ・コン トロール と役割 コンフリク トに相関がみ られないのに対 し,本調査で は回帰分析モデルをみて もかな りの影響 を もっていると理解で きることであ この ことは,管理者がExternalsの傾 向を示す ほど,役割 コンフ リク ト は強 くなることを示 してお り,組織その ものに関係す る変数ではな くて,管理 者のパーソナ リティが影響を もつ とされ るのである。 自己のコン トロールでき

ない要因に影響 されると考え るExternalsの傾向を もつ管理者が,役割 コン フ リク トを強 く感 じるのは,今回の調査で明確 となった管理者像か らすれば当 然であろう。また,回帰分析か ら,職務の自律性,職場の人間関係,緊張の必 要性 も役割 コンフ リク トに少なか らず影響を もっているようである

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組織コンフリク トと管理者行動 69 以上の ことか ら, ここで設定 した組織行動 に関す る組織変数が,全てではな いに しろ役割 コンフ リク トに影響を もつ と確認 されたので,仮説 1は部分的で はあるが支持 され ると考え られ る。

また仮説 2につ いてみ ると,組織論お よび管理論で議論 されているよ うに, コンフ リク トの重要性 は, ミドル ・マネ ジメ ン トの コンフ リク トについての認 識結果をみると確認 された と考え られ る。つまり, ミドル ・マネ ジメ ン トはコ

ンフ リク トが組織の改善や活性化にとって有効な要因であることを認識 してい るのであ り,仮説 2は支持 された。管理者が経験す るコンフ リク トについての 捉え方 は, コンフ リク ト・マネ ジメン トの概念である 「コンフ リク トは組織 に おいて悪で はな く,その処理の仕方 によ って善 とな る」(Thomas,1976)を 支持 していると考え られ る。 しか しなが ら, コンフ リク トの解決方法 に関 して は,仮説3を支持 しているとはいえない。調査結果をみると問題解決,妥協 は はば同程度であって,必ず しも問題解決が多 く用い られているわけで はない。

特 に,問題解決 と強制 については, ミドル ・マネ ジメン トの認識が必ず しも従 来 の研 究 と一 致 して い る よ うで は な い よ うで あ る。 た だ, 本 調 査 で は Lawrence&Lorsch(1967)の尺度を 日本の格言 にかえた ものを使用 したが,

この格言に対す る日米の認識の違いを十分考慮す る余地があると考え られ るも のの,調査結果か らミドル ・マネ ジメ ン トが もつ問題解決 と強制の意識 におい ては,欧米の管理者の認識 とは異なる日本的管理意識が影響 しているもの と考 え ることがで きよ う 多 くの 日本的経営の研究にみ られ るように, 日本の経営 組織及 び管理 システムには欧米 と比べ違いがあることが報告 されている。その 中で も日本的経営の意思決定 システムを代表す る 「根回 し」的な管理 は, コン フ リク ト解決 に大 きな影響を もっていて,その背後 にある運命共同体的な共通 の価値体系を共有す ることによるコンフ リク ト解消 メカニズムがあるか もしれ ない (高橋,1982)。 したが って, 「人本主義」を信条 としてきている日本企業 におけるコンフ リク トの解決方法 として,現時点では 「根回 し」を考えた方が よいのか もしれない (加護野 他,1983)。今後 はこの ことを十分踏 まえ,組織 の文化的要 因を考慮 して さ らに精微化 した コンフ リク トの研究を進 めてい く

(16)

必要があると考え られる。

Ⅴ 結 び

本稿においては二つの 目的があった。一つは企業の ミドル ・マネジメ ン トが どの程度役割 コンフ リク トを経験 し,その役割 コンフ リク トを もた らす組織要 因は何か,そ してその結果が従来の研究を支持できるか,であった。第二 は管 理者が企業で コンフ リク トをどの様に考え,それを処理,すなわち解決 してい るか, とい うコンフ リク トの解決方法を研究す ることであった。第‑の 目的に おける仮説 1は部分的に検証で きたものの,影響変数については欧米での従来 の研究結果 とは違い,管理者のパーソナル要因が役割 コンフ リク トの重要な影 響要因であることが判明 した。 この ことは,今回の調査研究の方法に全 く問題 はないとはいえないが,わが国 と欧米では企業の管理 システムや管理者の価値 観 ・性格, 日本の社会性などの影響があると考え られる。 この ことは第二の目 的であるコンフ リク ト解決について もいえることで,いわゆる日本的経営の特 徴が反映 しているのか もしれない。 このよ うに,本稿 は組織 コンフリク トにつ いてのパイロッ ト研究ではあったが,欧米でのコンフリク トに関す る研究 とは 異なった 日本的なコンフ リク ト研究の必要性が ここで認識 され,国際化の視点 か らも重要な組織研究の示唆が得 られたと思われる。

現在,企業においては,管理 コス トの減少 と組織の活性化,およびコ ミュニ ケーションの改善等の様 々な理 由か ら, ミドル ・マネジメン トの削減を意図 し たフラッ ト組織への組織変革が実行 され る例を しば しばみることがで きる。 し か しなが ら,機能的立場か らすれば,従来の ミドル ・マネ ジメ ン トが担 ってき た機能が不必要になるわけではない。その意味では, ミドル ・マネジメン トに はこれまで とは異なった役割が期待 され るか もしれない。組織の環境への適応 を念頭にいれなが ら,組織のコンフリク ト・メタファーを十分に検討 し,今回 の調査研究の反省の上に立 って,更なる組織 コンフリク トの調査研究が必要で あろ う

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組織 コンフ リク トと管理者行動 参 考

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表 2 役割 コンフ リク トと関連諸変数の相関 相関変数 J a c k s o n良S c h ul e r( 1 9 8 5) .‑ノ 赤いノケT /レ 一意H」いン多自らの性 スコののか化特力織務務務加式人 一組職職職参公個ロ 年情 職(BidWF九( 不 コ 関行 目\tノ4iZq スイク性性フテ橡律のブト醍Y,nlacン

参照

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