平 成
26年
度
修 士 論 文
自開 症 者 の 行 動 要 因 の 特 定 を 志 向 した
動 画 ア ノ テ ー シ ョン シ ス テ ム に お け る
教 師 の 気 づ き獲 得 支 援 機 能 の 検 討
兵 庫 教 育 大 学 大 学 院
学 校 教 育 研 究 科
教 育 内 容 ・ 方 法 開 発 専 攻
行 動 開 発 系 教 育 コ ー ス
M13214G
中 澤
由 紀
目 次 第 1章 序 論 .…… … … … …・・:.…… … … 。1
1.1
研 究 の 背 景 .…… … … …11.2
研 究 の 目 的 :.…… … … …・・:…… … … …・・4 第 2章 シ ス テ ム の 概 要 .…… … … 。6 第 3章 ス ト レ ス 要 因 テ ン プ レ ー トの 開 発 と評 価 。… … … 103.1
ス ト レ ス 要 因 の 分 類 .…… … … …・ti・… … … …103.1.1
特 別 支 援 学 校 指 導 要 領 を 用 い た 分 類 .…。::。… … … 103.1.2 TEACCHプ
ロ グ ラ ム の 氷 山 モ デ ル を 用 い た 分 類 .…… … … … 123.2
ス ト レ ス 要 因 テ ン プ レ ー トの 作 成 。… … … …・・:・… … … ….133.3
ス ト レ ス 要 因 テ ン プ レ ー トの 評 価 .…… …:.…… … … … 143.3.1ス
ト レ ス 要 因 テ ン プ レ ー トを 導 入 し た ケ ー ス 会 議 .…… … … …153.3.2ア
ノ テ ー シ ョ ン を ス ト レ ス 要 因 テ ン プ レ ー トに 限 定 し た ケ ー ス 会 議 163.3.3ア
ノ テ ー シ ヨ ン 挿 入 前 に ス ト レ ス 場 面 の マ ー キ ン グ 作 業 を 実 施 し た 際 の ケ ー ス 会 議 。… … … ∴。… … … …18 第 4章 感 情 ア ノ テ ー シ ョ ン 機 能 の 開 発 と評 価 。… … … … 224.1
感 情 ア ノ テ ー シ ヨ ン 機 能.…… … … ∴・… … … 224.2
感 情 ア ノ テ,シ
ヨ ン 機 ′能 の 開 発 .…… … … …234.3
感 情 ア ノ テ ー シ ョ ン 機 能 の 評 価 .…...…… ∴・… … …..`…… … … …23 第5章
ケ ー ス 会 議 を 通 し た 実 践 的 検 討 .…… … … …・・:・… … … …25511
研 究 方 法 .…… …:.…… … … …:。… … … …:..…… … … … …255.2
結 果 と 考 察 .…… … … ■・… … … ….:。… … … 。265.2.1
被 験 者 全 員 が 同 一 ア ノ テ ー シ ョ ン を 挿 入 し た ケ ー ス .…… … … … 265.2.2
被 験 者 間 で 異 な る 感 情 ア ノ テ ー シ ョ ン が 挿 入 さ れ た ケ ー ス.……295.2.3
感 情 ア ノ テ ー シ ョ ン を 挿 入 し た 被 験 者 と 挿 入 し な か っ た 被 験 者 が い る ケ ー ス ._二.…… … …:。… … … …1.…… … ∴。… … … 315.3
全 体 の 考 察 .…… … … …・・,…… … … …・33 第 6章 結 果 と今 後 の 課 題 .…… … … 二・… … … …:・・_二
.…… … …356.1
結 論 .……1..…… …:.…… … … ∴・… … … … ….・・… … … …356.2
今 後 の 課 題 .…… … … ■・… … … 。1・… … … 36 謝 辞 .…… … … … `..…■.:..…… … … ∴・… … … 37 参 考 文 献 .…… … … …1・...」。… … … ■・… … ….:.…… … ….:.….38第
1章
序論
1.1 研究の背景 アメ リカ精神 医学学会 (DSM‐ Ⅳ)で
は,自 閉症者 の特 性 として以下の3点
を挙 げて い る。 ①社会的かかわ りの障害 ひ とと関わる際に行動上の問題 として,相
手の表情や感情,周
囲の雰囲気を理解する ことに困難 さがある。 ② コミ三ニケーション障害 話 し言葉の遅れ,ま
たは欠如 (代わ りのコミュ号ケーションの仕方による補償を伴わ ない)に
よつて, 自分の意思を他者に伝えることが出来ない。 ③異常なほどの常同的パターンや限局 した興味の問題 ´ 異常なほどの常同的で限定された興味 として,普
段の道順や ものの配置に対 して,嫌
悪を示 した り,ル
ァルや勝ち負けに異常に固執 した りすることがある。 自閉症者はこれ らの特徴が何 らかのかたちで組み合わさって表われる障害であ り,重
複 している知的障害の程度,周
囲の環境等によつて表われ方は様々である。つま り°自閉症 といつても,そ
の性質は個々で大きく異なる。自閉症者に多 く見 られる不適応行動 (他 人をつねる,自分 自身を噛む,身
体を前後に揺 らす,手
をひ らひ らさせ るなど,そ
の場 に適 していない行動)は
,こ
れ らの特性が原因で引き起こされた可能性がある。そのた め,学
校現場においては教師が個別で異なる特性を十分理解する必要がある。実際,廣
瀬 (2003)は,授
業中や生活場面における行動の問題は,自 閉症児の学力の高低に関係 なく学級担任が対応に苦慮 していると述べてお り,徳
永 (2007)は,自 閉症の特性を理 解 しつつその特性に応 じた指導を組織で展開す ることの重要性を指摘するなど,特
性理 解に対する教師のニーズは高い。 自閉症者の特性を理解するうえで,不
適応行動を引き起こす要因 (以後,行
動要因と 表記)に
気づ くことが重要である。 自閉症者 に対す る代表 的な療育プ ログラムのTEACCH Program(SCHOPLER 1995)で
は,障
害のある児童生徒が起こした不適応行 動に対 して,何
が行動の引き金になつたのかを解釈 し,行
動を再度起こさせないように 修正するなど,行
動要因に注 目することの重要性を指摘 し,そ
の重要性を氷山モデルで 表現 している (図 1),たとえば,円
滑なコミ手ニケーション手段をもたない児童が相手 に何か要求をするものの,要
求が通 らないケースでは,「ひ とを突き倒すこと」は行動上 (水面上)の
問題であり,「要求を伝 える手段がないこと」が背景 (水面下)に
ある問題 となる。このケースでは,不適応行動を起こした児童に対 して「ひとを突き倒 しません。」等 の注意 を した として も
,行
動要 因 (水面下の問題)に
基づいた対応 ではないため,根
本 的な解決 に結びつかず,場
面が変 わ る と不適応行動 を繰 り返す可能性 があ る。意思表 出の困難 さが不適応行動 の要 因である可能性 が高いため,注
意す るこ とで行動 を修正す るのではな く,対
象児 に適切 な コ ミュニケー シ ョン手段 を獲得 させ ることで,不
適応行 動 を事前 に防 ぐことが出来 る可能性 が高い.こ
の よ うに,背
景 (水面下)に
ある問題 を 捉 えた うえで,行
動上の (水面上)の
問題 を解決す ることが重要であ るが,教
師のスキ ル に よつては氷 山モデル にお ける水面上 に現れた行動 のみ に注 目した表面的な分析 を行 い,「不適応行動 を した ときに ど う対応す るか」や,「不適応行動 を起 こ した場所 に近づ けない」 といった事後対応 に特化 した指導 を して しま うことがある。 そ こで学校現場では,行
動要 因について気づ くことを志 向 した教師の研修 に対す るニ ー ズが高まってい る。研修形式の一つ として特別支援学校 では議論形式が多 く採用 され てい る。要因 として,複
数 の教師でひ とクラスの担任 をす るテ ィー ムテ ィーチ ング体制 で あるため,授
業者 自身 だけでは気づかなかった こ とで も,児
童理解 を含 めた授業 中の 子 ども との関わ り方や,授
業 の進行 な どについて議論 をす る場面が 日常的に多 くあ り, 他者 か らの助言や フィー ドバ ックを受 けることで,新
たな知識 を獲得す る気づ きが発生 す る′点が挙 げ られ る。実際,姉
崎 (2002)は,教
師が 自身で感 じる授 業の問題 ′点や,自 分 では気づかな くて も他 の教師か ら見て改善すべ き点 に焦点 を当てて適切 な評価 をフィ ー ドバ ックす ることの重要性 を指摘 してい る。 田中 ら (2012)は,議
論 は他者 か ら知識 を獲得す ることで気づ きが発生す るのに加 え, 自身 の知識 を他者 に伝 えるこ とに よつて 知識 の再整理や深 い理解 を促進す る効果 がある と述べてい る。 図1
氷山モデル (Schopler1995) 2 ■ひとを突き倒す ■ひとを叩く ■唾を吐き散らす ■ものを投げる議論を用いて教師が行動要因についてスキルを高める方法のひとつ として
,ケ
ース会 議 (ケース・議論)型
の研修が挙げられる。ケース会議 どは:1名
の児童生徒の行動に ついて複数の教師が話 し合い分析 し今後の方針等を検討す る会議のことである。ケース 会議型の研修に関連する実践研修 として,田
丸 ら (2011)は 地域の保育所におけるケー ス会議を含めた保育相談システムの検討に向けた調査を行い,保
田 (2014)は 小学校に おける気になる子のケース会議について調査 した うえで,ケ
ース会議の有効性について 報告 している。 しか し,ケ
ース会議は記憶に頼った議論であるが故に,記
憶そのものが 誤らてぃた り,記
憶に主観が入つて しま うため,客
観的な分析ができなかった りするこ とが課題 として挙げられる。′ そこで
,Rosenblumら
(2004)は,動
画やコンピューター といった技術が発達 した ことで;従
来よりも客観的かつ効率的に振 り返 りを行 うことが可能 と述べていることか ら,動
画を用いたケース会議は,記
憶に頼 ることによる誤 りの防止や,主
観 を排除 した 議論を行 ううえで,有
効であると考えられる。Hyneら
(2008)は 児童生徒の授業の様 子を4台
のWebカ
メラを用いて長時間記録・蓄積するシステムを開発 した.永
森 ら (2010)は,発
達障害児等の問題行動に対 して,幅
広 く,適
切な支援を行 うには実践的 事例の蓄積や協働指導者が必要であるとしWebカ
メラを用いて記録 したものや問題行 動についての電子カルテをWeb上
で,教師間で蓄積・共有するシステムを開発 している。 しか しながら,経
験の浅い教師が動画を用いてケース会議を行 う際は,行
動要因ではな く表面化 した行動のみに注 目して しまい,行
動要因に関連する気づきを獲得す ることが 困難な可能′性がある。 そこで,こ
れ らの問題点を解決する手法のひ とつ として小川 ら (2011)が 開発 した行 動要因の特定を志向した,吹
き出し型動画アノテーション機能 (以下,ア
ノテーション と表記する)を
搭載 したケース会議支援システムVISCO(以
下,Ⅵ
SCOと
表記する) が挙げられる.経
験の浅い教師に行動要因を意識 させるにあた り,自 閉症者は意思伝達 の部分に困難 さがあることから,行
動要因は相手に伝達することが難 しい意思の部分に 存在する′点に注 目し,動
画中で問題行動を起 こしている自閉症者の意思を推測 させ,そ
れを吹き出し型の動画アノテニションで表現 させ ることで,行
動要因について意識 させ るケース会議型の研修支援システムを提案 している。具体的な刊1頁は以下の通 りである。 1)動画中で不適応行動を起こしている自閉症者の意思を推測 させ,そ れを吹き出し型の 動画アノテーションで表現 させることで,行
動要因について意識 させる。【アノテ∵ ション挿入による行動要因への意識づけ】 2),他者や専門家,熟
達者の吹き出し型動画アノテーションを比較参照させ,自 身の推測 の適否について検討を行わせる。【他者 とのアノテ,シ
ョン対比による気づき獲得】 これ らの仮説に基づき,経
験の浅い教師 4名,熟
達者 1名 に対 し,Ⅵ
SCOを
用いたとこ ろ,熟
達者 (専門家)に
よる行動分析の着 目′点の明示化につなが り,参
加者全員 に手軽に行動要因に対する意識づけ
,及
び行動要因に基づいた気づき獲得における可能性が示 唆 された。一方で,藤
井 ら (2011)は,経
験の浅い教師はアクテニションを挿入する際 に,自 身の経験に基づきアノテーションを挿入 した り,「叩きたいんだよ!」 など,表
面 的な問題をアノテーションで表現 した りす る傾向があり,こ
れ らのアノテーションを用 いて,経
験の浅い教師同士で議論 しても,話
題が拡散するなど,行
動要因に関連 した気 づきが発生 しにくい点を課題 として挙げている。 小り││ら (2012)は,Ⅵ
SCOに
おいてス トレスレベルを選択する機能を追力日した。手 続きとしては①個別にアノテーシ ョンを挿入する②挿入 したアノテーションに対 してス トレス レベルを5段
階か ら選択 させる③専門家 とのス トレスレベルを比較参照 し,自 身 のアノテーションとの差異についてワークシー トに記述 させる④再度専門家が注 目した ス トレスレベルの高い場面 と低い場面を被験者に提示する⑤気づいたことをワークシー トに記述 させる,の
5手
順であり,こ
れ らの手続きを踏むことで,個
別に気づきを獲得 できる可能性が示唆 された。ただ し,個
別作業の段階における気づきに着 日したもので あるため,議
論により発生する気づきについては考慮 されてお らず,話
題が拡散するな どといった前述の課題が解決 されたわけではない。また;個
別作業の段階で発生 した気 づきには専門家のス トレスグラフを参照することで得 られたものも多 く含まれてお り, 頻繁に専門家 と連携 して研修を実施することは現実的には困難であることを鑑みると, 専門家がいない状況での気づき獲得を目指す意味は大きい。その意味で,教
師間による 議論を通 して得 られる気づきについて検討することは意義深い。1.2
研究の目的 以上の背景か ら,筆
者 らは教師間での議論を通 した気づき獲得支援を目的 とする。議 論を通 した気づき獲得を実現するうえでの仮説 として,焦
点化 された内容で活発に議論 が行われる状態 (以下,議
論の活性化 とす る)が
,教
師間での気づき獲得において有効 であると考えた。 そこで本研究では,議論の活性化を促進する機能について検討することを目的とする。 さらに,本
機能を用いてケース会議を実施することで気づきが発生するかについて調査 す る.た
だ し,気
づきの内容が適切なものかどうかについては,本
稿 においては考慮 し ない。'
以下,本論文では第2章ではVISCOの
既存システムの概要を説明する。第3章では, ⅥSCOに
追加する機能 として,アノテーションを具体化する際にかかる負担を軽減する ことで,議
論が活`性化するとい う仮説に基づき開発 したス トレス要因テンプレー トにつ いて概説する。第4章
では,ア
ノテーションの具体化を個別で実施するのではなく,協
調的に実施することで議論が活性化す るとい う仮説に基づき開発 した感情アノテーション機能について概説する。第
5章
では,感
情アノテ‐ション機能を用いて実際にケース 会議を実施 した うえで,分
析 した結果について報告 し,第
6章
で結論を述べる。第
2章
システムの概要
本節 では小川 ら (2011)力`開発 したシステ ム機能 について説 明す る。 システ ム開発 は 教育現場 での実運用 を想 定 して,特
別支援学校の教諭 及び専 門家 に対 し助言 を求 めた上 で構築 されてい る.シ
ステムはPC上
で起動す るシステ ムであ り,経
験 の浅い教師 を中 心 とした グループ数名 に よる動画 を用 いた協調 的授業改善 システ ムであ る。動画,発
言 内容 をデー タ共有す ることで遠隔地で も議論す るこ とが可能 となつてい る。 システ ムを起動 し,議
論 に用い る動画 を選択 し,ユ
ーザー名 とアノテー シ ョンの文字 の色 を入力すれ ば, 自動的 に動画 の再生が始 ま る.動
画 については,個
人情報保護 の観 点か らシステ ムを使 用す るユーザーで共有 または準備す るこ とを想 定 し,シ
ステ ムに再 生 され た動画 を保存す る機 能 はな く,使
用者 が挿入 したア ノテー シ ヨンに関連す るデー タのみ保存 され る (図 2)。A.動
画再生 フ レーム 動画再生 フ レームでは,動
画 の再生,ア
ノテー シ ョンの挿入,再
生 ス ピー ドの変更や 早送 りが可能である (図 3)。 動画再生 フ レー ムの機能 は以下の通 りである.B.ア
ノテー シ ョンの挿入 動画再生時 に左 ク リックでア ノテー シ ョン挿入 ウィン ドウ (図4,図 5)が
表示 され, 動画上の人物 の心情 をア ノテー シ ヨン として表現 し,挿
入す ることがで きる。挿入す る 際 に,フ
ォン トの選択,ア
ノテー シ ヨンを動画上 に表示す る時間の設 定 も可能 である. 図2
ユーザーインターフェース 6C.プ
レイヤーコン トローラー 動画画面の下には,以
下のコン トローノレ機能が備わつている (図 6). 【再生スピー ドの調整】スロー,普
通,高
速ボタンを押すことで,動
画の再生スピー ド の調整を行 うことができる。 【動画のコン トロール】動画の再生や一時停止,早
送 り,巻
き戻し,最
初に戻る,最
後 に飛ぶなどを行 う。また,微
調整 として「5秒戻」,「5秒進」ボタンを押すことで,5秒
前,5秒
後の動画に飛ぶこともできる。「60秒戻」「60秒進」も同様に,60秒
前,60秒
後の動画に飛ぶことができる。 【シークバー】現在の再生位置を表示する。また,バ
ーをクリックすることで,再
生位 置を進めたり戻したりすることができる。 【再生時間】現在の再生時刻を表示する。 【ボリューム】ミュー トのON/OFF・
ボリュームの調整が可能。 【文字のサイズ】表示されるアノテーションのフォン トサイズを変更することができる。 【吹き出しをテキス トで表示】挿入されたすべてのアノテーションを「.txt」 形式のファ イルとして保存することができる。 【吹き出しの上書き保存】挿入されたアノテーションに関連するファイルを上書きする ことができる. 【吹き出しの別名保存】挿入されたアノテーションに関連するファイルを別名で保存す ることができる。 【他の人の吹き出しも見る】他者の挿入 したアノテーションを見ることができる。 図3
動 画再 生 フ レー ム 7D.ア
ノテー シ ョンフ レーム 動画上で挿入 され たア ノテー シ ョンがそのままの形 。色で フ レーム内にテ キス トとし て表示 され る (図 7).テキス トの隣にはア ノテー シ ョンを挿入 した 日時が括弧 内に表示 され る。また,ア
ノテー シ ョンフ レー ム内に表示 されたテ キス トをク リックすれ ば,該
当す るア ノテー シ ョンが挿入 され た動画場面が動画再生 フ レー ムで再生 され る。 また,ア
ノテー シ ョンの表示 は 「動画時間順 」,「投稿 時間順」の2種
類 の表示方法が ある。 図5
ア ノテー シ ョン挿入 ウィン ドウ 図4
ア ノテー シ ョン挿入 この人の気持ちを推測 して、文書で表現 して下さい。※ Z呻文字以内 図
6
プ レイ ヤー コン トロー ラーイライラ¨。(2014/00/0118:‖:38, イライラ¨。(20i4/09/0110:10:45) 思い通りにならない、もっとかまってはしい。(20i4/09/01i32■ 37) もヽもヽね!(2014/09/0118i031) いいね!(2014/09/01 ia‖:o4) tヽもヽね!(2014/09/01 iO:12:03) もヽもヽね !(2014/09/Oi 18:iO:46) 鞄をおけたよ。(2014/09/01102059) もヽもヽね!(2014/09/01 i3110:40) もヽもヽね!{2014/09/01 18:i2:00) tヽもヽね!(2014/09/Oi 18:il:16) スケジュールがわかってうれしい│(20i4/09/01188042) イライラ・・。(2014/09/0118:11:Ol) いいね!(2014/09/Oi 101224) いいね│(2014/09/O118‖:22) tヽもヽね!(2014/00/Ol i8:il:22) 遊びたい│かまってはしいなぁ{20i4/09/0:103352) もヽtヽね!(2014/09/Oi 18:12:43) イライラ・・。(2014/00/0110:12159) いいね!(2014/09/Ol 10‖:39) 先生、こっらむもヽてよ―(20‖/09/01103006) イライラ・・。(2014/09/01i8:11:44) イライラ・・・(20i4/09/Oi 18113:04) なんでこっちむかないの?犀ヨCヽてよ(2014/09/01i03037) イライラ・・。(2014/00/Ol i8:││:45) イライラ・・。(2014/09/0118:18:05) イライラ・・。(20i4/09/0118:i2:10) 図
7
ア ノテ ー シ ョンフ レー ム第
3章
ス トレス要因テ ンプ レー トの開発 と評価
現状のシステムの課題 として,例
えば経験の浅い教師の場合,行
動要因を具体的に捉 える部分に困難 さがあるため,ア
ノテーションについても「楽 しいな」「しんどいな」と ぃらた表面的なものとなってしまい,単
純作業になって しま う可能性や,対
象者の意思 (行動要因)を
具体的に言語で表現することができず,挿
入する際に戸惑いが発生する 点などが挙げられる。「しんどいな」 といつた抽象的な捉え方からは気づきが発生せず, 議論が活性化 しないと想定 されるため,「集中力を持続できないため,活
動が しんどい」 のように,ス
トレス要因を具体的に表現することが必要 といえる。そのためには,児
童 生徒の行動を抽象的に捉えた うえで,具
体化す る作業が必要 となる。 しか し,動
画を閲 覧 しなが らス トレ不要因を具体化することは容易ではなく,教 師にかかる負担が大きい。 (こ こで,負
担とは作業的な負担ではなく,ス
トレス要因を具体化する作業にかかる負 担を指す。)結
果,アノテーション内容が抽象的になつたり,挿
入箇所が少なかつたりと いつた問題が発生すると想定される。 そこで,行
動要因をあらかじめ分類 したうえでテンプレー トを作成 し,テ
ンプレー′トの観′
点で動画を視聴すること―
で
,具
体化する際の負担軽減が可能になり,結果,ア ノテ
ーション挿入にかかる負担軽減につながると考えた。ただ し,す
べての行動要因を分類 することは現実的ではないため,教
育現場のニーズが高い不適応行動の要因,す
なわち ス トレス要因に限定 して分類を実施 した。3.1
ス トレス要因の分類 ス トレス要因テンプレー トの作成にあた り,筆者は特別支援学校指導要領 とTEACCH
Progamの
氷山モデルに着 日し,ス
トレス要因の分類を行つた。以下,両
者の観′点から ス トレス要因を分類 した結果について述べる。 3.1.1 特別支援学校指導要領を用いた分類 ス トレス要因分類表作成にあた り,特
別支援学校指導要領にある「自立活動」が,「障 害による学習上又は生活上の困難」に着 日した教育活動であ り,学
校場面においては, ス トレス要因がこれ らの困難 さに該当する場合が多い点に着 目した。そこで, 自立活動 の具体的な事例が掲載 されている特別支援学校学習指導要領解説(文部科学省2009か
ら, ス トレス要因に関連する項 目の抽出・整理を試みた。 まず,学
習指導要領解説における自立活動の事例は,学
習面の困難 さと生活面の困難 さが含まれているため,今
回の調査では,概
念理解や数字の認識の困難 さといつた,学
習面に関する困難 さについては対象外 とした。次に:生
活面の困難 さの観′点で分類を試 10みた ところ
,ス
トレス要因 を健康保持 。身体的要因,対
人 関係 的要因,認
知・感 覚的要 因,状
況理解 に関す る要因に分類す るこ とがで きた。 これ らを更 に,別
途収集 した事例 に基づ き分類 を試みた結果,図
8に
示すサブカテ ゴ リに分類す ることがで きた。以下, 各分類項 目について具体的に説 明す る. 第一 に,健
康保持・身体的要 因 とは, 日常生活 を行 うために必要 な身体 の健康状態 が 原 因でス トレス要因になってい るこ とを指 し,例
えば,体
温調節 が難 しい児童生徒 の場 合,少
しの温度変化 であつて も児童 生徒 の体調 に影響 して しまい,ス
トレスがかか る と い つた事例や ,1垂眠パ ター ンが形成 され ないためにス トレスがかかる事例が本カテ ゴ リ に該 当す る。 第二 に,対
人 関係 的要因 とは,他
者 か らの働 き掛 けを受 け止 めた り,相
手の意思 を汲 み取 つた り,ま
たは他者へ 自らの意思 を表 出す るな ど,人
との関わ りに関連す るス トレ ス要因を指す。例 えば,相
手の感情 を理解す ることが困難 な故 に,対
人的な トラブルが 発生 し,ス
トレスが蓄積 され る事例や, 自分の意 図や意思 を言葉 で伝 えるこ とに困難 さ が あるためにス トレスがかか る事例等 が本分類 に該 当す る。 図8
自立活動 を参考 に したス トレス要因分類表 11 生活 リズムが不形成 健 康 保 持・ 身体 的 要 因 健 康 状 態 が 悪 い 感 情 理 解 の 困 難 さ 集 団 参 加 が しん どい 指 示 理 解 の 困 難 さ 意 思 表 出 の 困 難 さ 平衡感覚のなさ 状 況 理 解 の 困 難 さ 状 況 理 解 に 関 す る要 因 変 化 に対 応 できない困難 さ 予測することの困難さ第二に
,認
知・感覚的要因とは,自
閉症児者をとりまく環境の認知が難 しい,も
しく は認知 しすぎることが原因で,ス
トレスが蓄積 されるケースを指す。例えば,視
覚過敏 や聴覚過敏 といつた感覚過敏性は,感
覚受容器で受容 した (視覚・聴覚)東J激を脳で処 理する際に発生する困難 さであり,結
果 として情報量の多い環境 (例 :散らからた部屋) やノイズの多い環境 (例 :幹線道路沿いの教室)等
は健常者以上にス トレスがかかると いった事例が本分類に該当する。 最後に,状
況理解に関する要因とは,自 閉症者はその場の状況を理解 した り,変
化す る状況に対応 した りすることに対 して困難 さがあるため,こ
れ らがス トレス要因につな がるケースを指す。例えば,授
業中に何をどれだけやればよいのかが理解できずに混乱 する事例や,プ
ールが雨で中止になつた際に,そ
の状況が理解できずに混乱 して しま う 事例等が本分類に該当する。 3.1.2 丁EACCHプ ログラムめ氷山モデルを用いた分類 表面化 した不適応行動には要因があると提唱 し,長
期的にアメリカ自閉症協会で収集 した事例から,分
析整理 し行動要因を示 した Schopler(1995)の 氷山モデルを参考にし て,ス トレス要因を分類 した。氷山モデルでは,日 々の生活を送るうえで起こりうる 120 個の代表的なス トレス要因が整理 されてお り,そ
れ らを以下の8領
域に分類 している。 ①反復行動 と興味のかたより 例)衝
動をおさえる力が弱い。時刻にこだわる。 ② コミュニケーション 例)複
雑な言語に混乱する。 ③遊び と余暇 例)多
動で長 く座つてい られない。認知 と社会性に限界がある。 ④攻撃的な行動 例)衝
動を うまくコン トロールできない。 ⑤ トイ レの使用 と衛生管理 例)水
遊びに対する感覚の異常:ス
ケジュァル変更をいや がる。 ⑥食事 と睡眠 例)食
べ物の概念が欠けている。音に対する過敏。 ⑦行動への対処 例)思
うようにならない とかんしゃくを起こす。 ③地域支援 例)地
域資源に関する情報のなさ。 ス トレス要因分類表作成にあたつて,120項
目の内容には領域は異なるものの類似 した 内容が示 されていたため,120項
目をカー ドに書きだし類似 した内容に関して,グ
ルー ピングすることでカテゴリに整理 した。カテゴリのなかでも,た
とえば “①反復行動 と 興味のかたより"の
領域にある「衝動を抑える力が弱い」と “②攻撃的な行動"の
領域 にある 「衝動をうまくコン トロールできない」 といつたように,合
併できる内容のもの に関しては合わせて 1つ の項 目として分類 し,5個
のカテゴリと28項 目のス トレス要因 に分類整理 したものを専門家 と協議 し表に示 した (図 9)。 9 “3.2
ス トレス要因テンプレー トの作成 3.1の結果に基づき,ス トレス要因テンプレ早 卜の作成を試みた。テンプレー ト作成に あた り,項
目数が多すぎると参照する際に負担がかかる′点が懸念 され る。そこで,特
別 支援学校学習指導要領解説 とTEACCH Programの
氷山モデルに共通する部分を抽出 し た。しか し,そ
れでも項 目数が多すぎると判断 し,特
別支援学校学習指導要領解説にお ける「状況把握の困難 さ」と,氷
山モデルにおけるカテゴリ『周囲の不適応な関わ り方』 の7項
目から,5WlHを
参考にして 「いつ,ど
こで,誰
が,何
を,な
ぜ,ど
のように」 の観点が,動
画を用いて分析を行 ううえで重要であると考え,こ
れ らの観′点を含めたテ ンプレー トを準備することで,負
担軽減を実現できると考えた。 そこで,ス トレス要因テンプレー トとして,5WlHを
軸に12種類を準備 した。5WlH
の観点を意識して動画を視聴 し,動画中の自閉症者の行動と合致した5WlHの
観′点をテ ンプレー トから選択することで,特
定のス トレス要因の観′点で行動要因に気づくことを 促 し,テ
ンプレー トから挿入 した行動要因を用いて議論することで,行
動要因をさらに 深める気づき獲得することが可能になると仮説をたてた。テンプレー トの内容は「いつ やるねん?」 「いつまでやるねん?」 「どこでやるん?」 「どこに行つたらええん?」 「何 図9
氷 山モデル を用いたス トレス要 因分類表 13 カテゴリ 行 動 要 因 と して考 え られ る要 因 社会的な判断力が乏 しい。 認知面 に課題がある( 指示 され た 内容 が理 解 で き ない。 (認知 で き る許 容範 囲 を超 えて い る) 2 危険 が あ る と認 知 で き ない 長期記憶 が難 しい (ルールや決ま りごとを忘れて しま う) 4 興味関心の幅 が狭 く、執着 (こだわつて)しがち 儀式的な手順を踏みたがる (ルーティン) 6 自ら生活 リズム を設計 した り、体調管理、体温調節 した りす ることが難 しい 本来的 な遊びではない遊び方 をす る 自分や他者の感情に 気づき:こくい 相手 の要求 を煮 識 す る こ とが難 しい^ 衝動性 をコン トロールす る力が不十分である. ヽ 特異な感覚。感覚面 での不全性。 身体の諸器に関する こと 触 覚過敏 (触られ た くない) 1 痛み に鈍感 な触 覚過 敏 (鈍感 だ か ら逆 に感 覚 を求 めて しま う) 1 味覚過 敏 (混ざった もの、辛 い ものへ の過敏 な反 応) 13 聴 覚過 敏 (高音 、低 音 、特 定 の音 に対 す る過敏 性) 14 感 覚統合 に問題 が ある 15 特 異 な興 味 にか りた て られ る 特 異 な感 覚 (膀眺 の感 覚 が ない 、常 に空 腹感 が あ る、) 微細や 粗 大 な動 きが苦 手 コミュニケニションが 十分でないことによる フラストレーション 旧手 の行 動 を理 解 す る こ とがで きず 、欲 求不満 に な りや す い 旧手 の気 持 ち を理解 す る こ とが 困難 で あ る 言語 のみ による話や指示へ の理解 が困難 (inputす る際の情報処理能力 が不十分) 意思表 出や気持 ちを他者 に伝 えるこ とがで きない。適切 な方法 での 「要 求、拒否 、注 意喚起」がで きない (output手 段 がない) 、 不適切な関わ り方 隣浩イヒされ て い ない と多動 に な る^(視覚 的 な情報 量 、聴 覚 的 な刺激 、 …etc) 活動 に対 して 、 見通 しが1)てない と (安心 で き ない と)指示 され た行 動 がで きない 見通 しが もて て も、次 に楽 しい こ とや 本 人 が好 む こ とが全 く保 障 され て い ない 25 変化 す る こ とに対応 で きない (場所 、ひ と、 もの 、状 況・・・な ど) 指示があいまいな表現で不安になる。 (いつてどこで、だれ と、何を、どうするの か 、 だね′だ けや る の か を掃 示 され′て い た い 状 沖 に あ る.) 活動 内容 が本 人 の許 容 範 囲 、 キ ャパ を超 えて い る (目標 が高す ぎた) 活 動 内 本 に 対 し て.木人の好 み の 内容 が ほ ぼ ない^全くないした らええん?」 「今か ら何があるん?J「誰 がや るん?」 「誰 とや るん?」 「なんでや る ん ?J「 なんでや らへんの?」「どっちなん ?J「 どうすれ ばいいん?」 の12種類 とす る.
3.3
ス トレス要因テ ンプ レー トの評価 既存 システムにス トレス要因テ ンプ レー トを追加 実装 し,実
際にケース会議 を試行す ることで,本
機能の有効性 と問題 点について明 らかにす る.追
加 したス トレス要因テ ン プ レー トは図10に示す よ うに,画面右上 に常 に表示 された状態 で,ク リックす る と選択 したア ノテー シ ョンが動画 フ レー ム ワー ク上に表示 され る。また,挿
入 したユーザー ご とに色や フォン トを変 えることも可能 である。 本節 では以降,ス
トレス要因テ ンプ レー トで挿入 したア ノテー シ ョンをス トレス要 因 ア ノテー シ ョン と記述 し,従
来手法のア ノテー シ ョンを, 自由記述 ア ノテー シ ョン と記 述す る. 図10
ス トレス要 因テ ンプ レー ト 143.3.1ス トレス要因テンプレー トを導入 したケース会議 【調査 目的】 ス トレス要因テンプレー トを用いて挿入 されたス トレス要因アノテーションと従来手 法の自由記述アノテーションを併用 してケース会議を実施することで
,ス
トレス要因テ ンプレー トの使用が議論の活`性化につながるかについて調査 した。 【被験者】 50代男性教諭 1名,40代
女性教諭 1名,30代
女性教諭 2名, 計 4名 の現職教諭でグループを構成 しケース会議を実施 した。 【方法】1人
1台ずつPCを
使つて自閉症者の意思をス トレス要因アノテーションもしくは: 自由記述アノテーションで表現 させる (図 11)。 その後,他
者が入力 したアノテーショ ンをlVモ
ニタに映 しだ し,比
較参照 させた うえで,挿
入 したアノテーションについて 議論を実施 してもらった (図 12)。 議論場面において,被
験者の指示通 り,早
送 り,巻
き戻 し等のPC操
作は実験者が行つた。また実験者は,議
論中に話題が発生 しなかった 場合,議
論を促す助言を行つた。動画は意思表出に困難をもつ 自閉症児 (1名)の
学校 での様子を撮影 したもの (約 10分間)を
使用 した。 【結果及び考察】 アノテーション挿入に対する負担の軽減を考慮 して,ス
トレス要因テンプレー トを用 意 したものの,結
果,ス
トレス要因アノテーションより自由記述アノテーションの方が 多 く入力 された。また,挿入 された自由記述アノテーションの内容は,「 うるさいよ」「叩 きたいんだよ」などの反抗的な態度や行動を表面的な問題を表現 しているものが多 く見 られた (図 13)。 自由記述アノテーシ ョンが多 くなった可能性 として,ス
トレス要因テンプレー トの意 図を被験者が理解 していない,も
しくは理解 しているが挿入できない,の
2つ
の可能性 が考えられ,い
ずれにせ よ,不
トレス要因テンプレー トに基づ く動画の視聴は困難であ ったといえる。 議論においては,全
体的に自閉症者の内面を分析 した内容ではなく,支
援方法に重′点 をおいた議論が多 く見られた (図 14)。 自由記述アノテーションが多 く挿入 された状態 で議論 した場合,対
象児の行動を表面的に捉えるケースが多 く混在 し,被
験者間で自由 記述アノテーションを相互参照するだけでは,議
論が発生 しなかつたため,筆
者が度々 15議論を促すことがあった。 以上の結果か ら
,行
動要因を踏まえたアノテーション挿入の負荷は高いが,一
方で表 面的なアノテーション挿入の負荷は低いことが,ス
トレス要因アノテーションと比較 し て 自由記述アノテーションが多 く挿入 された要因であると考え られる。そこで,行
動要 因を捉えたアノテーション挿入 とい う観点では,ス
トレス要因テンプ レー トを用いるこ とで負担軽減になるとい う仮説に基づき,ス
トレス要因テンプレー トのみを活用 した状 態で,議
論することで議論が活`性化 したかどうかについて検証することとした。 3.3.2ア ノテーションをス トレス要因テンプレー トに限定 したケース会議 【目的】 ス トレス要因テンプレー トを用いることで負担軽減になるとい う仮説に基づき,使
用 できるアノテーションをス トレス要因テンプレー トに制限することで,議
論が活性化す るかどうかについて検証する。 Ⅳ 図11
個別 にア ノテー シ ョンを挿入す る場面○
①
○
図12
議論場面 16【被験者】 50代男性教諭 2名
,50代
女`陛教諭 1名,20代
男性教諭 1名. 計 4名 の現職教諭でグループを構成 しケース会議を実施 した。 【方法】1人 1台
ずつPCを
使つて自閉症者の意思をス トレス要因アノテーションと自由記述ア ノテニシヨンで表現 させる:そ
の後,他
者が入力 したアノテーションをlVモ
ニタに映 しだ し,比
較参照 し挿入 したアノテーシ ョンについて議論を行つた (図 15)。 議論場面 において,被
験者の指示通 り早送 り,巻
き戻 し等のPC操
作は実験者が行つた。また実 験者は議論中に沈黙が続いた場合,議
論を促す助言を行つた。 動画は3.3。 1と 同下のもの (約 10分間)を
使用 した. 【結果及び考察】 3.3。1と比較すると,ス
トレス要因テンプレー トの枠組みで動画を視聴 し,ア
ノテー ションとして挿入 されたものの,ア
ノテーションが挿入 された場面数は減少 した。この ことか ら,ス
トレス要因テンプレー トから対象児の行動に合致 した項 目を選択すること に困難 さがある可能性が示唆 された。要因として,テ ンプレー トの項 目数を 12個 まで限 定 したが,そ
れでも同時に動画を視聴 しなが らアノテーションを挿入する作業が,被
験 者にとつて負担であると考えられる。また,議
論においては 3.1。1と
同様に,沈
黙する 場面が続き,筆者が助言をした り,議論を促 した りする場面が多 くあつた。要因として, アノテーションが挿入された場面が少なかつたことや,ほ
ぼ同じ場面に対 して,複
数人 が同一の項 目をス トレス要因テンプレす 卜から選択 してお り,被
験者間で差が発生 しな かつたことが,議
論が発生 しなかつた要因といえる。よって,ス
トレス要因アノテーシ ョンの挿入数を増加 させることが必要であり,そ
のためには選択時の負荷を軽減する必 要がある。そこで,議
論を発生 させたい場面をマーキングし,マ
ニキングした場面にス 図13
挿入 されたアノテ,シ
ョン例 17 4j〕44秒 4釧 4千少 4伽 5秒 4伽 6秒 4伽 7秒 4郊 0秒 5ダЮl秒 5づき02希 少 5`き05千 少 5`お09秒 5チM2秒 5'M3秒 5伽 7秒 6づき03千 少 6`か06千 少 6伽 0秒 6伽 7千少 ん ヘ ノヽ ― ノЪrこ。 L、 t」 L_ビニJこっ [ CC「‐ 。t2Ln` ん □段きた■い ロロきげヒい L(2劇 4/03/2513:47:16〕 ん お もしろモ ー な ことは 、すぐ・や りた い 1(2014/03/251353:24〕 わ ――い た の ししソ =(2劇4/00/2513:4714〕 イ可υた らえ ス_ん ?(2014/00/2513:4210) どうす れlゴい しヽん 7(2Cn 4/OB/2513:4211) →力ヽら1可が あ こ静も?(2Cn 4/00/2513:4214〕 うる さい よ (2CI1 4/00/2513:47:45〕 イ可か 言 っrるよ 。(2014/08/2513:47:48) ん キ ャー キ ャーうるさtヽ(2劇4/03/2513:54:47) ん あ れ 見 て :(2Cn 4/0日/2513:48:"〕 うメ3さtヽ(2劇4/00/2513:48:12〕 ん い い 力`lずん に しな さい 1(2014/00/2513:5517〕 ん 何 す るOか な(2Cn 4/08″513:48:34) ん だ め じゃな いか(2Cn 4/03/2513149g〕 ん どうしたの マ(2o14/00/2513:49:25) ん 倒 した ら え え ん ?(2014/OBノ 2513:44:04) ん tヽつ や る ね ん ?(2014/00/2513:4411)トレス要因アノテーションを挿入することで
,行
動要因に関連するアノテーション数を 確保することが可能になると考えた。具体的には,ス トレス場面と推測 したところに「し んどいな」 とテキス トで入力 させた後に,再
度動画を視聴 しながら「しんどいな」を挿 入 した場面に対 して具体的にス トレス要因テンプレー トから行動を考えさせる。 次節では,こ
の手順でアノテーションを挿入 した後に議論することで,議
論の活性化 についてつながるかどうかについて検証 した結果について述べる。 3.3.3アノテーション挿入前にス トレス場面のマーキング作業を実施 した際のケース会 議 【目的】 ス トレス場面を特定 した うえでマーキングを実施 し,そ
の後,マ キ
ングされた箇所 にス トレス要因アノテーションを挿入することで,議
論が発生するかどうかにういて調 査 した。 【被験者】40代
男性教諭 1名,30代
男性教諭 1名,30代
女性教諭 2名. 計 4名 の現職教諭でグループを構成 しケース会議を実施 した。 【方法】1人
1台ずつPCを
使つて,自 閉症者のス トレス場面が含まれた動画を閲覧 し,ス
ト レスと特定 した場面に対 してテキス トで 「しんどいな」と入力する:そ
の後,「しんどい な」 と入力 していた場面に対 して,該
当する項 目をス トレス要因テンプレー トから選択 し,ア ノテーションとして挿入する。同様の手順で他者が入力 したアノテこションをいπ モニタに映 しだし,比較参照 し,挿入 したアノテーションについて議論を行つた(図 16)。 本調査では議論場面においてのPC操
作は,被
験者の代表 1名 が行つた。実験者は議論 で沈黙が続いた場合,議
論を促す助言を行らた。 動画は3.3.1と 同一のもの (約 10分間)を
使用 した。 、【結果及び考察】 本調査ではアノテーション挿入手法を変更 し,は
じめからス トレス要因テンプレー ト を用いて動画を視聴するのではなく,対
象児のス トレス場面に対 して,「 しんどいな」と テキス ト入力を行い,「しんどいな」を挿入 していた場面に対 して,ス トレス要因テンプ レー トからアノテーションを挿入 させ,挿
入 されたアノテーションを比較参照すること で議論が活性化 されたか検討 した。そのため,3.3.2と 比較すると,ス トレス要因アノ 18テーシ ョンが挿入 された場面は増加 した。要因として
,動
画を閲覧するとい う作業 と,12個
のアノテーションを意識する作業を,同
時にかつ常時行 う必要がなくなつたため, 負担の軽減につながつた点が考えられる。ただ し,議
論については活`性化 したとはいえ ない状況であつた。要因として,ス トレス要因アノテーションの大半は,「何 したらええ ん?(What)」 もしくは 「どうすればいいん?(Ho")」
であり,ス
トレス要因アノテ ーション間に差分が生 じなかつた点が挙げられる。ス トレス要因アノテーション間で, 動画内容によつて利用頻度の差が発生す る′点は予想 されたが,極
端に利用頻度の差が発 生 したため,利
用頻度についても考慮する必要がある′点が示唆 された。加えて,被
験者 のアンケー トのなかに,「何 した らええん?」 と「どうすればいいん?」 の内容が類似 し ていて,使
い分けが分からなかつたとい う意見もあり,不
トレス要因テンプレー トの構 成に問題があることが示唆 された。 また,被
験者からス トレス要因アノテーションを見比べても何を話 したらいいのか理 解 しにくく,3.3.2と 比較すると沈黙する回数が減少 したとはいえ,時
折沈黙が生 じ,被
験者にとって不安があったとい う意見が挙げられた。よつて,ア
ノテーション挿入にか かる負担の軽減のみでは議論は活`性化せず,議
論する際のルールを設定するなど,議
論 を活性化 させるための仕組みを構築することが必要であると考えられる。一方で,あ
る 場面をス トレス場面 として捉え「しんどい」とい うテキス トを入力 していた被験者 と, ス トレスのない場面 として何 も挿入 していなかった被験者間で,活発 な議論が発生 した。 このように,被
験者間で捉え方の差分が生 じた際に,議
論が発生する可能 `性が示唆 され た。 19音楽待ちシーン 1さ ん)105。 これ、いいかげんにしないさいサイン 2さ ん
)106.
う―ん。 3さ ん)107.こ
こ笑ってる感 じがするん…、 2さ ん)108。 ね。いやではない。不ll■ではないね
4さ
ん)109.パ
ーテーションで区切つて見えないようにするよリー緒にいる方が いいだよね。 刺激 を受 けて もそ こに友 だちがい るこ とが分かつて るか らど うして るかなつて。3さ
スノ) 4さ ん)111.動
いてるものに反応 してるから。1さ
ん)112.う
たの絵本が好きだから、こうやつて耳にあてて行動が落ち着 くん ですけど。 こうやって音楽だと好きな曲じゃないと…ことばかず とかで、集中できないときは うたの本 とか使つて… 2さ ん)113.ふ
―ん (※網掛け箇所は,筆者が議論のなかで気づきを獲得 したと特定 した場面である。) 図14
支援方法に重点をおいた議論の様子 図15
個別 ア ノテー シ ョン挿入場面 と議論場面 20□
□
図
16
個別アノテーション挿入場面 と議論場面第
4章
感情アノテーシ ョン機能の開発 と評価
4.1
感情アノテーション機能 ス トレス要因テンプレー トはアノテーション挿入にかかる負担軽減を目指 し,ア
ノテ ーションの具体化を支援することを目的に開発 した.し
かし,福
澤 (2002)力`「吟味す るまでもない絶対的な意見や,内
容に広が りをもたない生産性のない意見を交換 したと ころで,議
論は活性化 しない」 と指摘 しているように,個
別でアノテーションを挿入す る段階で,ス トレス要因テンプレー トを用いてアノテーシヨン内容を具体化することは, 議論を発生 させるとい う観′点では逆効果 となる可能性が示唆 された.そ
こで,ア
ノテー ションの具体化を個別で実施するのではなく,協
調的に実施することで,議
論が活性化 すると考えた。 アノテーションの具体化を協調的に実施するうえで,3.3と 同様,議論のポイン トとな る箇所に対 してマーキングした うえで,マ
ーキングされた箇所に対 して具体的なアノテ ーションを協調的に挿入する作業が有効であると考えた。ただ し,3章
の調査において, 被験者間で捉え方の差分が生 じた際に,議
論が発生する可能性が示唆 されたことか ら, 対照的な内容でマーキングできる機能が効果的といえる。 そこで筆者は感情アノテーション機能を考案 した。感情は一般に,喜
,怒 ,哀 ,楽
, 愛,憎
の六情で表現 されることが多いが,こ
れ らをス トレスの観′点で分類 し,ス
トレス を感 じていないであろうと推測できる場面 (以降,ス
トレスフリー場面 とする)を
表現 した 「ポジティブ感情アノテーション (以降,シ
ステムでの表記に従い,【いいね】と表 記)」 と,対
象児がス トレスを感 じているとして推測できる場面 (以降,ス トレス場面 と す る)を
表現 した 「ネガテイブ感情アノテーション (以降,シ
ステムでの表記に従い, 【イライラ】と表記)」 を準備 した。以降,これ らを総称 して感情アノテーション機能 と する.2種
類の感情アノテーシ ョンを用いて,特 定場面に対 してマニキングすることで, 動画中の対象児に対する捉え方の可視化が期待 される。 さらに,感情アノテァションから議論を発生 させるための仕組みが必要 と考えられる。 そこで,議
論する際のルール として,被
験者が挿入 した感情アノテーションが,あ
る特 定場面に2う
以上表示 された場合に,動
画を一度停止 した うえで,そ
の場面について議 論を実施 し,議
論 した内容を踏まえて自由記述アノテーションとして挿入することとし た。 224.2
感情 アノテー シ ョン機能の開発 これ らの仮説 に基づ き,感
情 ア ノテー シ ョン機能 を開発 した。議論 のま とめに関 して は,つ ぶや きボタンをク リック してア ノテー シ ョン挿入 ウィン ドウ(図 17)が表示 され, 議論 したま とめ として推測 した対象児 の気持 ちをア ノテー シ ョン として表現 し,挿
入す ることができる.議論 され た内容 を最大40文字以内でテ キス ト入力す ることが可能 であ る。挿入す る際に,フ
ォン トの選択,ア
ノテー シ ョンを動画上 に表示す る時間の設 定 も 可能である.4.3
感情 アノテー シ ョン機能の評価 【調査 目的】 感情アノテーション 【いいね】【イライラ】(図 17)を使用 して動画を視聴 し,特
定の 場面において議論のルールに基づいて議論することで議論が活性化 されたかの調査. 【被験者】 特別支援教育を専攻 している女性大学院生 3名 で構成 しケース会議を実施 した。 【方法】 1人 1台 ずつPCを
使つて自閉症者の意思をアノテーションで表 現す る際 に, 自閉症 口 ⅥSCO 図17
感情 ア ノテー シ ョン 23者の気持ちを推測 し
,感
情アノテーシ ョン 【いいね】【イライラ】から選んで挿入する。 続いて,他
者が入力 したアノテーションを5rモ
ニタに映しだ し,/比較参照 し挿入 した アノテーションについて議論を行つた (図 19)。 議論で検討 された内容を,動
画フレー ムワーク内にあるつぶやきにテキス ト入力することを一連の流れ として行つた。議論場 面においてのPC操
作及び司会進行は,被
験者 グループ内で代表を決めて行つた。 動画は3章
で用いたものと同様の意思表出に困難をもつ 自閉症児 (1名)の
学校での 様子を撮影 したもの (約 10分間)を
使用 した。 【結果及び考察】 感情アノテーションに 【いいね】を準備 したことで,自 閉症児の意思を 【いいね】と 捉えた被験者 と,【イライラ】として捉えた被験者 との差分が明確 とな り,他
の被験者の 感情アノテーション挿入理由に対する意識が高ま り:結
果,感
情アノテーションの挿入 理由をテーマ とした議論が多く発生 した。また,複
数の被験者が感情アノテーションを 挿入 した場面を停止.させ,順
番に被験者の発言を促すことで,感
情アノテーションを挿 入 した被験者だけでなく,挿
入 していない被験者についても,他
者の意見を参考に しな が ら思考 し,発
言する場面が見 られた。さらに,感
情アノテーションでマーキングした 箇所に自由記述アノテーションを協調的に挿入する作業を通 して発生 した議論の中で,5W lHの
ス トレス要因テンプレ■ 卜に関連 した内容を含む発言が多 く発生 したため, 以降,本
機能を用いて実際にケース会議を実施することとした。③
図18
個別アノテーション挿入場面と議論場面 24第
5章
ケ
Tス
会議 を通 した実践的検討
‐4章
の結果 か ら,感
情 ア ノテー シ ョンを用いて,ア
ノテー シ ョンの具体化 を協調 的に 実施す ることで,議
論が活性化す る可能性 が示唆 され た。そ こで本章では,感
情 ア ノテ ー シ ョン機能 を用いたケース会議 を実際に行い,本
機能 の有効性及び課題 について検証 す るとともに,議
論 が活 性化す るこ とで気づ きが発生す るか ど うかについて検証す る。 本研 究では,行
動要 因に関連す る気づ きを,小
尻 (1998),植 田 (2000)を参考 に し て,「自己の これまでの考 え方や捉 え方 と比較 して,自分ひ と りでは気づ くことがで きな か った新 たな考 え方 を発 見 した場合,ま
たは,す
でに 自己で構築 した行動要 因に関連す る考 え方や捉 え方 に対 して,デ
ィスカ ッシ ョンにお ける発言や動画 ア ノテー シ ョンか ら の情報 によつて,再
考察 され変化 が起 こった場合」 を気づ きの獲得 と定義す る。5.1
研究方法 【被験者】 いずれ も1グループ被験者 3名で構成 し,5グ
ループでケース会議 を実施 した。 グループ 1:(2014.10。27実
施)ヽ40代
女 性教諭 2名,30代
女 性教諭 1名 グループ 2:(2014.10。 29 13:00∼ 実施) 50代男性教諭 1名,40代
女性教諭 1名,30代
女性教諭 1名 グループ 3:(2014。10。29 18:0い
実施) 30代男性教諭 1名,30代
女 性教諭 1名,20代
男性教諭 1名 グルーーライ4:(2014。 10. 30'3随∋ 30代男性教諭 1名,30代
女性教諭 1名,20代
男性教諭 1名 グループ5:(2014:11.04実
施) 50代女性教諭 1名,特
別支援 を専攻 してい る男性大学院生2名 25【方法】 1)自閉症者の意思をアノテーシ ョンで表現する際に,自 閉症者の気持ちを推測 し,感情 アノテーション 【いいね】【イライラ】か ら選んで挿入する。
.
カ アノテーシ ョンをひ とつの動画に集約 し,比
較参照する。3)複
数の被験者が感情アノテーションを挿入 した場面で動画を停止 し,順番に被験者は 発言 して議論す る。 の 議論で検討 された内容を,動画フレームワーク内にあるつぶやきにテキス ト入力する。 これ らの手続きを繰 り返 し行い,動
画が終了した時点で終わ りとした。動画は3章
で用 いたものと同様の意思表出に困難をもつ 自閉症児 (1名)の
学校での様子を撮影 したも の (約 10分間)を
使用 した。5.2
結果と考察 5.2.1 被験者全員が同一アノテーションを挿入 したケース ケース1(日
時 :2014.10.27 対象 :グルニプ 1) 【対象場面】 対象児が机に登ろ うとす る行動を, 教師が制止 した場面 【被験者が挿入 した感情アノテーシヨン】A(30代
女 性教諭) B (40林こプン陛姥妊命)C(40代
女性教諭) イライラ イ ライ ラ イライラ 【考察】 図19に示す よ うに,Cは
「これ多分制止・・・ されたか ら。 この時のィ ライ ラは。」 と発言 してお り,本
場面 をス トレス場面 として認識 していた。 しか し,Bが
「あつ私ね ―靴 下(友
だ ちの靴 下引つ張つた時点で、イ ライ ラ して るんだ と」 と発言 した ことで,Cは
対象児 が靴下 を引つ張 ることに対す るス トレス を感 じていた可能性 について認識 し た うえで,Bに
対 し,「あそ こ友だ ちがお るん?」,「じゃあれ 、友 だちの足 ?笑」の よ う に,内
容 を確認す る発言 がある。その後,Bが
「そ うそ う。だか らど― け !みたいな感 じでイ ラッとしたのか と。そのあ と登 つて る し。」と発言 した こ とで,Cは
意見 を修正 し, 「あぁ―なんかそ こに居 るお前。そ こに居 る君が気 に入 らないみたいな。」と発言 してい る。 ` このケ‐スの場合,感
情 ア ノテー シ ョンは3名共 に共通 していたが,挿
入意 図がそれ 26ぞれ異なつてお り
,協
調的に議論す ることを通 して,被
験者間の差異が明確になった: 差異が明確になることで,各
被験者が 自身の推測を修正 し;気
づきを獲得する様子が う かがえる。 ケース2(日時 :2014.10.30 対象 :グループ4) 【対象場面】 音楽の授業の終わ りに対象児が椅子に座 りなが ら身体を揺 らしている場面 【被験者が挿入 した感情アノテーション】 J (204代ij君`L圭孝姑謂〕)K(30代
女性教諭)L(30代
男性教諭) イライラ イ ライ ラ イライラ 靴下かみ 二巻き戻 し A27:これは何がしたかったのかな。B26:そ
う。これ登 りたいのに… C301これ多分制止・・ `されたか ら。 この時のイライラはbB27:あ
つ私ね―靴下、友だちの靴下引っ張つた時点で、イライラしてるんだとC31:あ
そこ友だちがおるん ?B28:い
るよ。友だちの靴下だよ。 C32:じゃあれ、友だちの足?笑B29:こ
こ登 りたいのに、友だちが登つてるから C33:あつ足 !見えた。B30:そ
うそ う。だからど―け !み たいな感 じでイラッとしたのかと。そのあと登 つてるし。 A28:もちろんそれもあるし。止められたつてイライラかと思つた C34:あぁ―なんかそこに居るお前。そこに居 る君が気に入 らないみたいな6
` B31:あ´ぁ―二つ書いとこ。 A29:え っと友だちが?気に一 C35:友だちがそこにいるのが気になる。気に入 らないかどうかは分か らないけど。 A30:そ うだね。気に入 らないまでいくかどうか分か らないけど。 B32:で、先生がとめたので。 図19
ケース1にお ける議論 の内容 27【結果及び考察】 図20に示すように
,Kは
「私は楽 しかったな。終わっち苺つた…みたいなせつない感。」 の発言に見 られるように,対
象児が楽 しんでいる音楽が終わつてしま うことに対 して, 残念に感 じていると推測 し,【イライラ】を挿入 している。しかし,Jの
「先生が話 して、 早 くおわれみたいな。」や,Lの
「ううん。想いが伝わらないな。次はあっちに行きたい のに。つて指差 してるから。次は給食 とかかな。ちょと飽きているような。まだあるの か―?み
たいな。」を受けて,Kは
他者 と異なる捉え方をしていたことに気づき,「えつ」 と驚く様子が うかがえる。その後Lが
「多分もう長 くて飽きてるよ。早 く終わつて的な。 つぎにや りたいことがあると思 う。」,「もうイライラでしょ。早 く…何かまだあるのかっ て感 じかな。」と発言 したことを受けて,Kは
「じゃそ うですかね。落ち着きないように 見えてきました。」と,対
象児の新たな捉え方に気づき,自 己の捉え方を修正する様子が み られる.こ
のケースにおいても,感
情アノテーションは 3名 共に共通 していたが,挿
入意図が異なっていたため,協
調的に議論することを通 して,被
験者間の差異が明確に な り,自身の推測を修正 し,気
づきを獲得する様子が うかがえる。 音楽終了J50:先
生が話 して、早 くおわれみたいな。L47:う
うん。想 いが伝 わ らない な。次 はあっちに行 きたいのに。 つて指差 して るか ら。次 は給食 とかかな。 ち ょと飽 きている よ うな。 まだ あるのか―?みたい な。K40
J51
K41
L48
J52
L49
ると思 う。K42:そ
うか。 一 しばらくしてJ53:最
後 は ど うしま しょ う。L50
J54
K43
もうイライラでしょ。早 く…何かまだあるのかって感 じかな。 どうですか ? じゃそ うですかね。落ち着きないように見えてきました6 え つ ここ、どうかな。 私は楽 しかつたな。終わっちゃつた…みたいなせつない感。 いや―話が長いから。ちょとイラッとしはじめてるような。 じゃどうします? '
多分もう長 くて飽きてるよ。早 く終わつて的な。つぎにや りたいことがあ 図20
ケ,ス
2にお ける議論 の内容 285.2.2 被験者間で異なる感情アノテーションが挿入されたケース 、ケース3(日時
:2014.10.29
対象 :グループ3) 【対象場面】 対象児が教師に給食メニューを読んではしい と給食カー ドを教師に差 し出すが,読
ん でもらえず教師の足をカー ドで叩いている場面 【被験者が挿入 した感情アノテーション】G(20代
女性教諭)′H(20代
女性教諭)I(40代
女性教諭) イライラ いいオa イライラ 【結果及び考察】‐. 図21に
示すように,Iは
対象児が教師に話を聞いてもらえなかつたため,「私は諦め たイライラ。でも何かを見付けたってのはいいですね。気づかなかつた:」 の発言にみら れるように,対
象児の諦めた気持ちをス トレス場面として捉え 【イライラ】を挿入 して いた。しかし,Hは
Iとは正反対の 【いいね】を挿入 したうえで,「いいね押 したのは( なんか見付けたような気がしたから。」と挿入意図を発言 したことから,Iは
気がついて いなかつた情報を獲得したことから,気づきが発生したと考えられる。本ケースの場合, IとGの
【イライラ】の挿入意図は,類
似 していたことで,Hの
【いいね】が議論のき っかけとなり,Iは
新たな気づきを獲得 したと考えられる。つまり,他
者の感情アノテー ションが,自
身の選択した感情アノテーションと異なるものであつた場合,,他者めアノ テーショシ挿入意図に対する興味が発生 し,議
論が活性化するとともに,気
づきを獲得 している様子がうかがえる。 ケース4(日時:2014.11.4
対象 :グループ5) 【対象場面】 対象児が教師に給食メニューを読んでほしい と給食カー ドを教師に差 し出すが,読
ん でもらえず教師の足をカー ドで叩いている場面 【被験者が挿入 した感情アノテーション】M(20代
男子大学院生)N(20代
男子大学院生)O(50代
女性教諭) いいオQ イ ライ ラ イライラ 29【結果及び考察】