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福島県立医科大学 学術機関リポジトリ

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Academic year: 2021

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Fukushima Medical University

福島県立医科大学 学術機関リポジトリ

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Title Experimental fasciitis induced by local bleomycin

administration: a possible murine model of human eosinophilic fasciitis( 内容・審査結果要旨 )

Author(s) 伊藤, 崇

Citation

Issue Date 2020-03-24

URL http://ir.fmu.ac.jp/dspace/handle/123456789/1083

Rights

DOI

Text Version none

(2)

論 文 内 容 要 旨

氏名

し め いE

いとう たかし

伊藤 崇

学位論文題名

Experimental fasciitis induced by local bleomycin administration : a possible murine model of human eosinophilic fasciitis

(マウス筋膜へのブレオマイシン局所注射による筋膜炎の誘導:好酸球性筋 膜炎マウスモデルの可能性)

好酸球性筋膜炎は、皮下筋膜のびまん性炎症を生じ、皮膚硬化を引き起こす疾患である。 皮 膚から筋膜までの生検では、リンパ球および形質細胞による著しい筋膜肥厚および炎症性細 胞浸潤が示され、完成した組織においては真皮から皮下組織にかけて強い線維化が認められ る。 好酸球の浸潤は診断に有用だが、病気の初期段階でのみ見られるとされる。本実験では ブレオマイシンを皮下に注射することで、マウスの筋膜に炎症および線維化を誘導できるか を確認した。実験には

Hos:HR-1

マウスを用い、

PBS

投与群

9

匹と、

BLM

500

μ

g/ml

) 投与群

9

匹の背部

2

か所に、それぞれ試薬

100

μ

l

1

1

回皮下注射した。両群のマウス に対して、週

5

回の頻度で皮下注射を継続し、

2

週目、

4

週目、

6

週目に注射部位から皮膚生 検を行った。採取した皮膚サンプルを用いた皮筋膜厚の測定では

4

週目、

6

週目に

BLM

群 のマウスでコントロール群と比較して有意な肥厚が確認され、エラスチカ・マッソン染色で は筋膜内の膠原線維の増生が認められた。トルイジンブルー染色における観察では、

2

週目 と

4

週目で、

BLM

群の皮筋膜部に浸潤するマスト細胞数が増加した。ダイロン染色下での 好酸球の観察においては、

BLM

群の好酸球数は、

2

週目で

PBS

コントロール群より有意に 増加していたが、

4

週目には減少し始め、

6

週目で

PBS

群を下回った。また、我々は筋膜・

筋の凍結切片を用いてリアルタイム

PCR

を行い、サイトカイン・ケモカインの遺伝子発現レ ベルの増減についても確認した。

TNF-

αの

mRNA

レベルは、

4

週目の

BLM

群で最も高く なり、

2

週目の

PBS

群と比較して有意な差を認めた。

TGF-

βは、

2

週目の

BLM

群において もっとも

mRNA

レベルが増強し、

PBS

群と比較して有意に高かった。好酸球性筋膜炎にお いて、皮下の線維化が起こる機序は明らかになっていないが、本症の病態には好酸球が何ら かの役割を担っていると考えられている。

in vitro

の実験下では、好酸球が

TGF-

βなどの

fibrogenic cytokine

を産生することや、線維芽細胞の増殖活性やコラーゲン産生能を亢進さ せることが報告されており、我々の実験においても、マウスの筋膜内に浸潤する好酸球数と、

それに併せた

TGF-

β発現レベルの有意な増加が確認された。我々の知り得る限り、好酸球

性筋膜炎のマウスモデルはなく、本研究は、局所ブレオマイシン投与が炎症性筋膜炎を誘発

することを示唆している可能性がある。

(3)

学位論文審査結果報告書

令和2年1月31日 大学院医学研究科長様

下記のとおり学位論文の審査を終了したので報告いたします。

【 審査結果要旨】

名 : 伊藤 崇( 皮膚科学講座)

学位論文題名 :

Experimental fasciitis induced by local bleomycin administration:

a possible murine model of human eosinophilic fasciitis

(マウス筋膜へのブレオマイシン局所注射による筋膜炎の誘 導:好酸球性筋膜炎マウスモデルの可能性)

本研究は、ブレオマイシン

(BLM)

のマウス皮下注入による筋膜での炎症、および 線維化の誘導の有無を解析した論文である。

解析の結果、

PBS

投与群と比較して、

BLM

投与群では筋膜肥厚と膠原線維の 増生レベル、および好酸球数と肥満細胞の浸潤数で有意な増加を観察した。ま た、リアルタイム

PCR

による筋膜・筋組織での

TNF-

α、および

TGF-

βの

mRNA

発現レベルの解析でも

BLM

投与群で発現レベルの有意な増加を認めた。学位申 請者は、以上の所見は、マウス皮下への

BLM

投与により炎症性筋膜炎が誘発さ れたことを示唆する所見であるとし、本研究で提示した

BLM

皮下投与マウスは ヒト好酸球性筋膜炎モデルマウスになりうると結論した。

上記内容を主旨とする申請論文に対して、令和2年1月7日4号館5階第3 ゼミナール室で学位審査会が行われた。その結果、実験方法、データの解析法 と表示法、既存のブレオマイシン誘発性強皮症モデルマウスと本モデルマウス との差異に対する考察等に関して各審査委員から不備が指摘され、修正学位論 文の提出が求められた。

令和2年1月22日、申請者から修正学位論文が提出された。再審査の結果、

修正学位論文において、各審査委員の指摘事項に対する未修正事項や修正事項

に対する不備が認められたため、各審査委員から修正学位論文の再提出が求め

られた。

(4)

令和2年1月28日、申請者から再修正学位論文が提出された。再々審査の 結果、各審査委員の指摘事項に関して適切な回答または修正が認められたと判 断された。

以上の審査の結果、ヒト好酸球性筋膜炎の新規モデルマウスの創出に繋がる 可能性を示した本研究論文に対して、学位授与に値すると判断された。

学位論文審査委員 主査 関根 英治

副査 佐藤 秀三

副査 伊藤 浩美

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