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自治体向けクラウド型防災システムの紹介(2013年8月13日版)

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. Vol.2013-IS-125 No.5 2013/9/12. 自治体向けクラウド型防災システムの紹介 (2013 年 8 月 13 日版) 小倉卓也†1 田村元臣†2. 概要:本稿は,2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災にて表出した,自治体防災業務の脆弱性を補完する「防災 システム」を紹介するものである.当該システムは,発災後 72 時間以内の対応を迅速かつ正確に実行し, 「減災」を 達成することを目的としている.. 1. はじめに. このように、発災直後は様々なインフラが災害の影響を 受け,情報入手が困難だったり情報が錯綜してしまう傾向. 防災業務は,その目的を「減災(発災後 72 時間以内)」. にある.したがって,いかに迅速に正確な情報を入手し,. と「被災者支援(発災後 72 時間以降)」の 2 種類に大別す. それらの情報を必要としている住民等へ発信するかが初動. ることができる.そして,減災は人命保護に繋がる極めて. の明暗を分けることになる.. 重要なものである.しかし,東日本大震災(2011 年 3 月 11 日)では,初動の遅れから未曾有の被害に繋がってしまっ. 3. システムによる解決策. た地域も多かった.今回は,迅速かつ正確な初動を実現し,. 発災時において人海戦術的な対応ではおのずと限界が. 一人でも多くの人命を保護することを目的としたシステム. ある.したがって,ICT を利活用した対策が必要である.. をご紹介する.. 2. 自治体防災業務における課題. そこで私たちは,前述のような課題を踏まえ,「より迅 速かつ正確に情報を収集し」,「あまねく関係機関で当該情 報を共有」,「必要な情報を漏れなく速やかに住民へ展開で. 発災後には,どのようなことが被災地で起こっていたのだ. きる」システムを開発した.具体的には発災時でも影響を. ろうか.弊社が実施した被災地への聞き取り調査では,自. 受けにくいパケット通信網を利用し,モバイル端末から. 治体職員や地元住民から発災時における様々な課題を聞く. (GIS を利用した)正確な位置情報や被災現場の写真を現. ことができた.その課題は下記 3 点に収斂される.. 場から報告できる機能を実装した.また,報告された情報. (1) 情報収集の正確性・迅速性の欠如. はひとつのデータベースに集約し,時間・場所を問わず全. (2) 情報連携不全による意思決定の遅延. 関係機関が共有できる仕組みとした.更に多様な媒体に対. (3) 情報配信の不効率性. して一元的に情報配信できる機能も実装した.これにより,. つまり,被災状況を迅速かつ正確に把握することが難しく,. 前述の課題を解決することが可能である.. 収集した情報も関係機関で共有・連携できていなかったた. その他,発災時の混乱状況にあっても円滑・容易にシス. め意思決定が遅れ,住民に対して正確な避難情報等を伝達. テムを利用できるよう,業務未経験者(大学生)によるワ. できず,被害が広がったということである.. ークショップを開催し,高い操作性を検討・実装した.さ. 自治体職員からは「担当職員の土地勘の有無に拘わらず 現地に派遣され調査を行ったため,位置情報を正確に報告 できなかった」 「現地から報告しようとしても電話が輻輳し. らに,利用団体の地域性に柔軟に対応するため容易なカス タマイズ性を具備したプラットフォームを採用した.. ていたため,帰庁後の報告となり迅速性を欠いた」 「収集し. 4. なぜクラウド型システムなのか. た情報は紙で保存していたため,必要な情報を迅速に取り. 防災システムは,有事の時こそ利用できなければ意味をな. 出すことができず,対策本部の意思決定や住民からの問合. さいない.しかし,東日本大震災では,自庁設置のシステ. せにスムーズに対応できなかった」 「避難情報を広報する際. ムが庁舎もろとも被災し,まったく利用できなかったとい. には広報車や戸別訪問等で対応したため伝達効率が低かっ. う団体も少なくなかった.したがって,堅牢なデータセン. た」等の意見が寄せられた.. タにシステムを預け・利用するというクラウド方式は防災. 一方,住民からは「役所からの情報提供がなく,被害状. 業務の特性に合致したものである.接続回線においても固. 況や食料支給・給水情報等を把握できず,独力で対応する. 定通信・移動通信・衛星通信と冗長性が組みやすく,高い. しかなかった」等の意見を聴くことができた.. 信頼性を確保できる点が大きな特長である. さいごに,本システムが自治体防災業務の一助となり,. †1 (株)ジーシーシーシステム一部 †2(株)ジーシーシー企画部. ⓒ 2013 Information Processing Society of Japan. 少しでも減災に寄与できることを祈念する.. 1.

(2) Vol.2013-IS-125 No.5 2013/9/12. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. 会社概要. 自治体向けクラウド型防災システムの紹介. 株式会社ジーシーシー 株式会社ジ シ シ. All Rights Reserved, Copyright © 2012, GCC Inc.. 創. 社. 名. 立. 名. 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー39F. 代表取締役社長 宇陀 栄次. 平成12年(2000)年4月. 株式会社セールスフォース・ドットコム. 者. 代. 4億円. 会 社 所 在 地. 表. 全世界におけるクラウドのリーディングカンパニー セールスフォース・ドットコム(以下SFDC)」は1999 年に米国で創業し、クラウドに専門特化した企業で す 創業以来 一貫してクラウドによるシステム構 す。創業以来、 貫してクラウドによるシステム構 築・運用を提唱し、全世界を牽引してきました。日本 でも2000年に創業、現在では、国内におけるクラウ ドのリーディングカンパニーとして官民問わず高く評 価されています。. 410名(平成24年8月現在). 本. 金. 資. ウエストオフィスタワー19F. 大阪市北区梅田2-2-2ヒルトンプラザ. ■名古屋オフィス 名古屋市西区牛島町6-1. ■大阪オフィス. 3. 導入支援コンサルティング/トレーニングサービスの提供 導入支援 サ グ/ト グサ ビ 提供. 2. クラウド型CRM アプリケーション「 Salesforce CRM 」の提供. 「 Force.com 」の提供. 1. アプリケーションの基盤となるクラウド型プラットフォーム. 約1,200億円 (米国含む全世界). 員. 点. 容. 数. 業. 内. 従. 業. 年 間 売 上 高. 事. 拠. All Rights Reserved, Copyright © 2012, GCC Inc.. 名古屋ルーセントタワー40F. 1. 3. 会社概要. 名. 株式会社ジーシーシー. 群馬県前橋市天川大島町1125. 社. 9,000万円. 代表取締役社長 松平 緑. 地. 593名(平成25年8月現在). ■東京西支社. ■東京支社. ■茨城支社. 埼玉県熊谷市筑波2-15三井生命熊谷ビル9F. 東京都立川市曙町2-37-7コアシティ立川7F. 東京都墨田区江東橋4-29-12 8F. 水戸市城南2-1-20南ウィング水戸ビル8F. All Rights Reserved, Copyright © 2012, GCC Inc.. ■埼玉支社. ■泉沢ファクトリエ 群馬県前橋市泉沢町1250-15. 5.全号に付帯するインテグレーション及びソリューションサービス. 4.ネットワークサポートサービス. 3.PCソフト開発及びサポートサービス. 2.情報サービスにおけるシステム設計及びプログラム開発. 1.電子計算機及びその関連機器による情報サービス業. 金. 昭和40(1965)年12月27日 昭和 ( )年 月. 者. 在. 員. 上. 89億円(平成24年度実績). 立. 本. 売. 点. 容. 数. 創. 表. 社. 業. 間. 内. 高. 名. 代. 会. 資. 従. 年. 業. 所. 創業以来47年にわたり自治体業務に専門特化 弊社は情報処理専門企業として、「地方公共団体 の行政効率向上/住民サービス向上による地域社 会への貢献」という極めて明確な事業目的を掲げ 会への貢献」という極めて明確な事業目的を掲げ、 1965年に設立されました。 以来45年以上にわたり、行政事務に専門特化した 情報サービスを提供することにより、全国でも独自 のポジションを築いて参りました。現在では、その経 験と実績、変わらぬクオリティに対し、全国の多くの お客様から高い評価をいただいております。. 事. 拠. 1.防災業務とは. All Rights Reserved, Copyright © 2012, GCC Inc.. 2. 4 4. 2. ⓒ 2013 Information Processing Society of Japan.

(3) Vol.2013-IS-125 No.5 2013/9/12. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. 1.防災業務の目的 (1)防災業務の目的. 発災後72時間以内. 減災. 2.課題. 発災後72時間以降. 被災者 支援 All Rights Reserved, Copyright © 2012, GCC Inc.. All Rights Reserved, Copyright © 2012, GCC Inc.. 5. 7 7. 1.防災業務の目的. (2)参考:発災時における被害者の救出主体. 通⾏⼈. 友⼈ 隣⼈ 友⼈・隣⼈. 家族. ⾃⼒. 救出者. 1.7%. 2.6%. 28 1% 28.1%. 31.9%. 34.9%. %. 公助 1.7%. ⾃助・共助 97.5%. ⾃助 公助 共助の別 ⾃助・公助・共助の別. 阪神・淡路大震災にて被害者が誰に救助されたか. 救助隊. 0 9% 0.9%. 現地から報告ができないため迅速性 に⽋ける(回線途絶・輻輳時). 情報収集の正確性・ 迅速性の⽋如. 報告結果が紙で蓄積されるため、デ ータ集計や可視化しづらい. 報告結果が紙で蓄積されるため、必 要な情報を取り出しにくい. 情報連携不全による 意思決定の遅延. 複数媒体への情報配信処理が分散 化しているため迅速性が低下. メールやtwitterなど、⾼齢者層への メ ルやtwitterなど、⾼齢者層への 訴求が難しいツールによる情報配信. 広報⾞や⼾別訪問など⼈海戦術に 頼った情報配信による効率の低下. 情報配信の不効率性. All Rights Reserved, Copyright © 2012, GCC Inc.. なぜなら、家屋倒壊等に巻き込まれた場合、存命 時間は72時間と言われているからです。多くの命 を救うためには、一刻も早い情報配信が必要とな ります。. 行政(公助)による救出は、わずか「1.7%」にすぎ 行政(公助) よる救出は、わず 」 すぎ ず、ほとんどが自助・共助での救出となっていま す。したがって、救出を行うための「正しい情報」 が迅速かつ確実に住民に届いている必要があり ます。. 97%が自助・共助による救出。住民への情報伝達が極めて重要。. その他. 出典元『日本火災学会:1995年兵庫県南部地震における火災に関する調査報告書. 2.課題. 派遣場所の⼟地勘がないため報告 場所の正確性が低い. 報告結果が紙媒体で⼀箇所に集中 するため関係機関で情報を共有でき ない. (1)防災業務に係る自治体の課題. ⼝頭や紙による報告が多いため詳細 な情報を把握できない ⼝頭で段階的に報告されることにより 伝⾔ゲームのように正確性が低下. All Rights Reserved, Copyright © 2012, GCC Inc.. 6. 8. 3. ⓒ 2013 Information Processing Society of Japan.

(4) Vol.2013-IS-125 No.5 2013/9/12. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. 3.システム全体像. 4.課題への解決策. All Rights Reserved, Copyright © 2012, GCC Inc.. 9 9. 3.システム全体像 (1)システム全体像 情報収集 初動 情報収集・初動. 情報共有 可視化 情報共有・可視化. インターネット網. 【地図情報システム】. ①防災気象情報 ②避難勧告・指⽰情報 ③本部設置(庁舎周辺被害状況) ④被害即報(消防庁4号-1) ⑤被害総括情報(消防庁4号-2) ⑥避難所 ⑦救護所 ⑧ヘリポート ⑨道路状況 ⑩⽀援要請. 【防災情報共有データベース】 クラウド⽅式. 72時間以内の応急活動に必要な防災情報の収集・共有、可視化. 気象防災情報 (気象・震度情報等). 被害状況 (携帯・スマホ等からも可能). (参集指令・回答). 職員指示メール. 【他システム連携】. 気象防災情報二次配信 ・気象防災情報二次配信 ・災害情報広報システム ・道路情報システム(H24) ・医療ネット(H25). 情報配信. 住民への適切・迅速な情報配信. 【公共コモンズ】 避難勧告・指示・被害状況 本部・避難所設置状況等. 【エリアメール】 避難勧告・指示. 【⺠間サイト(Yahoo等)】 避難勧告・指示・避難所. 【⾃治体ホームページ】 知事報告等. クラウド上 防災システム. 対策本部. All Rights Reserved, Copyright © 2012, GCC Inc.. 対策の優先順位 決定の容易性. 迅速な意思決定. 防災DB. All Rights Reserved, Copyright © 2012, GCC Inc.. インターネット網. 被災 現場. 被害情報. 自治体担当者または住民. 状況写真. 現場からデータ形式で情報発信。意思決定の迅速化や二次被害の拡大を防止. (1)情報収集の正確性・迅速性の確保. 4.課題への解決策. インターネット網. 11 11. インターネット網. All Rights Reserved, Copyright © 2012, GCC Inc.. 10. 12. 4. ⓒ 2013 Information Processing Society of Japan.

(5) Vol.2013-IS-125 No.5 2013/9/12. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. 4.課題への解決策 (2)情報連携・共有の確保. 共有. 本庁(対策本部). 情報の一元管理により全関係機関で情報を共有. 情報の⼀元化. 出先機関. 防災システム. 共有. 多⾓的な分析. 共有 警察. 場所を問わない情報共有. 共有 消防本部. 様々な機関と情報共有. All Rights Reserved, Copyright © 2012, GCC Inc.. 13. 4.課題への解決策. (3)多様な媒体へ一元的に情報配信. 携帯事業者. ……NHK・⺠放各社等. ……docomo・au・SoftBank d S ftB k. 新聞社. ……新聞各社. ポータル事業者 ……Yahoo等. 放送事業者. 公共コモンズ. 防災システム. IP告知端末. ⾃治体ホームページ. 防災⾏政無線. All Rights Reserved, Copyright © 2012, GCC Inc.. 等. 防災ラジオ(⼾別受信機). その他配信メディア. 自治体担当者. 強力な情報配信機能により、ステークホルダへの速やかな周知を実現. ⼀度の処理で様々な 媒体へ情報を配信. SNS. その他のSNSも連携可能. 住 ⺠. ご提案システム 優先度の⾼い業務順に ボタンを設置. A市. A市機能. C村機能. C村. All Rights Reserved, Copyright © 2012, GCC Inc.. B町. B町機能. 当該団体の特性に応じた個別 の機能を付加することが可能. C村. 団体規模・運用の違いに寄らず 全団体が同一システムを利用. B町. 防災システム. A市. 防災システム. ⼀般的な防災システム. 当該団体の運用特性に応じたカスタマイズが可能. 4.課題への解決策. 防災業務未経験の 学⽣によるワーク ショップを開催. 4.課題への解決策. 使いやすいシステム とは何かを検討. All Rights Reserved, Copyright © 2012, GCC Inc.. 一覧・参照. 【⻘ボタン】 【⻘ 】. (5)団体ごとのカスタマイズ容易性. 【⻩ボタン】 【⻩ 】. 確認. 15. (4)シンプルかつ直感的なインターフェイス 「誰でも使いやすいシステム」をご提供. 【⾚ボタン】】 【⾚. 入力. 14. 16. 5. ⓒ 2013 Information Processing Society of Japan.

(6) Vol.2013-IS-125 No.5 2013/9/12. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. 4.課題への解決策 (5)団体ごとのカスタマイズ容易性. SIerによる 開発/運用. SIerによる 開発/運用. SIerによる 開発/運用 統合エンタープライズ アプリケーション 基盤. 基本アプリケーション基盤 (ユーザ認証 / スケジュール / 文書管理等). SIerによる による 開発/運用. 柔軟なプラットフォーム構造によりカスタマイズ容易性を確保. 【 般的なASP S S】 【一般的なASP・SaaS】. SI による SIerによる 開発/運用. All Rights Reserved, Copyright © 2012, GCC Inc.. 仮想化した基本ソフト資源 (OS / ミドルウェア) 仮想化したハード資源 (サーバー / ストレージ / ネットワーク). 5.安全性・永続性. All Rights Reserved, Copyright © 2012, GCC Inc.. 17. 19 19. 4.課題への解決策 (6)スケーラビリティの柔軟性. 発災時. 発災時の一時的なユーザ増加にも柔軟に対応 通常時. 縮退時. All Rights Reserved, Copyright © 2012, GCC Inc.. 必要な⼈数を必要な時だけ増減することが可能. 5.安全性・永続性 (1)冗長化されたデータセンタ. 場合により. バックアップサイト. メインサイトとバックアップサイトの設置により確実にシステムを保全. メインサイト. 障害発生. 即時切替え. 年 年間、数十億レベルのセキュリティ投資を実施 数 億 ベ キ 投資を実施. 物理的な安全性に加え、⾼度なセキュリティ環境も整備. All Rights Reserved, Copyright © 2012, GCC Inc.. 18. 20. 6. ⓒ 2013 Information Processing Society of Japan.

(7) 6.まとめ. All Rights Reserved, Copyright © 2012, GCC Inc.. 21 21. 6.まとめ. 共有. 媒体を通じて住⺠に情報配信. 配信. 迅速、正確な情報収集・共有・配信により減災を実現. 収集. 関係機関で対策検討. 防災システム. 被害状況を収集. All Rights Reserved, Copyright © 2012, GCC Inc.. 22. 7. ⓒ 2013 Information Processing Society of Japan. Vol.2013-IS-125 No.5 2013/9/12. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report.

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