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油圧システムのパワーマッチ制御に関する基礎的研究

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Academic year: 2021

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Title

油圧システムのパワーマッチ制御に関する基礎的研究( 内容

の要旨(Summary) )

Author(s)

粥川, 浩宣

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(工学) 甲第006号

Issue Date

1995-03-24

Type

博士論文

Version

publisher

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/1727

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏名(本籍) 学位の種類 学位記番号 学位授与年月日 専 攻 学位論文題目 学位論文審査委員 粥 川 浩 宣(岐阜県) 博 士(工学) 甲第 6 号 平成 7 年 3 24 日 生産開発システム工学専攻 油圧システムのパワーマッチ制御に関する基礎的研究 (主査)教授 武 藤 高 義 (副査)教授 小 鹿 丈 夫 教授 山 下 新太郎 論文内容の要旨 パワーマッチ制御は,近年,動力の節減を主目的として,射出成型機や建設機械を中心に 実用化されているが,その電子制御化に基づく高性能化の達成が重要な開発課歴となってい る. 油圧システムの駆動・制御法は,基本的にポンプ制御方式と弁制御方式に2大分類される. 現在,高速・高精度の制御が求められる油圧システムにおいては,ほとんどの場合,弁制御 方式が採用されている.しかしながらこの方式にかかわる最大の問題は,動力効率の点にあ り,制御弁から排出される常時の流体エネルギ損失を避け得ない. 動力効率の視点からみたときの理想的な油圧駆動とは,時々刻々のポンプ出力動力(=圧 力×流量)を,負荷アクチュエータが必要とする動力に常に一致するように(ポンプを)制 御することであり,これはポンプ制御方式の採用によってはじめてその達成が可能である. 動力制御の具体的方法には,制御量として選ばれる圧力,流量またはパワーに応じて,それ ぞれ圧力マッチ制御,流量マッチ制御またはパワーマッチ制御(ロードセンシング制御とも 呼ぶ)の3種類の方法がある.ここにパワーマッチ制御は,圧力マ、ソチと流量マッチの両制 御法を組合せて行われ,原理的に最も理想に近い制御方式である. 近年,理想的なポンプ制御方式を達成すべく,負荷アクチュエータが要求する動力に応じ て,直接に可変容量形ポンプ(の斜板傾転角)を制御してパワーマ、ソチを実現するポンプ (仮りに,理想形ポンプと称する)が開発され,実用化の段階を迎えつつある.これら電子 ・油圧制御に基づく理想形ポンプに対して,従来のパワーマッチ制御では,流量制御弁の前 後差圧△pを油圧的にロードセンシング弁ヘフィードバックする方式が用いられていた.こ の方式による動力制御では,ロードセンシング弁や流量制御弁などを含むため,システムの 構成が複雑化し,またある大きさの圧力損失(△p=0.6∼1肝a程度)が常に発生する,な どの欠点が存在した.さらに,ロードセンシング弁などの存在により,応答が不安定または

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-9-振動的になりやすく,その抑制のためにループゲインを低下させた結果として,勤特性が少 なからず劣化する点,また,流量制御から圧力制御への急速切換え時に高いサージ圧力が発 生して,応答性能が著しく悪化することがある点,などが重要な問題として指摘されている・ 以上のような背景下に,本研究では,上記した問題点の低減または解消につながるシステ ムの一構成法を採用している.本システムの構成法に関する第1の特長は,制御量である負 荷圧力および負荷流量をセンサによって検出し,その信号をポンプ斜板の傾転角へ電気的に フィードバックする方式にある.この方式の採用にともない,斜板用アクチュエータの回路 はシステム本体と油圧的に遮断された構成法としている.その主なねらいは,ロードセンシ ング弁などの不安定化要因の除去,システム構成の単純化,電子制御化の実現,などにある・ 第2の特長として,斜板用アクチュエータの駆動法として,高精度のディジタル制御化がは かられやすい差動Pl・VM法を採用した点があげられる.なお,コントローラについては,単 純な制御則であるPD制御則によって設計している・ さて,パワーマッチ制御とは,制御量としての負荷圧力と負荷流量を選択的に切換えなが ら,負荷パワーを目標パワーに一致させる制御である.したがって,パワーマッチ制御の達 成に対しては,圧力マッチおよび流量マッチの両制御がそれぞれ独立して実施されることが 前提となる.そこで本研究では,上記のシステム構成法を採用したときの圧力マ、ソチ,流量 マッチおよびパワーマ、ソチ制御の三様の場合を取り上げている.ここに,圧力マ、ソチ制御の 場合には,負荷として,容量負荷およびオリフィス負荷が接続された2種類のシステムを対 象とする圧力制御について,また流量マ、ソチ制御の場合は,油圧モータが接続されたシステ ムを対象とする(モータの)回転数制御(すなわち流量制御)について検討している.さら に,パワーマッチ制御の場合には,まずそのための簡潔・合理的なパワーマッチ制御アルゴ リズムを構築し,次に,射出成型棟の物理モデル(2種類)を対象とするパワーマッチ制御 について検討している.それらに関する実験と数値シミュレーションによる検討結果は次の ように要約される. (1)ロードセンシング弁などを用いない本システムの構成法によれば,パワーマッチ制御 においても不安定化傾向は認められなかった.また,圧力または流量マッチ制御が行われる 際に,負荷外乱に対するロバスト性も確認された.これらの結果に基づけば,パワーマッチ 制御システムを安定化するための重要な指針が得られた. (2)本パワーマッチ制御アルゴリズムの適用によれば,目標値の設定領域内で,円滑な切 換えに基づく良好な応答性能が得られた.これにより,本アルゴリズムが実用上の有効性を もち,また,本研究で採用した電子・油圧式パワーマッチ制御システムが有用であるとの見 通しを得た. (3)応答性能に関する実験結果とシミュレーションの結果はほぼよい一致を示した.これ により,本研究で用いた数学モデルの妥当性が確認された.

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-10-論文審査の結果の要旨 本論文は、油圧システムの省エネルギー化を達成する上で重要となるパワーマッチ制御を 主題としている。油圧システムの駆動法は、基本的に弁制御方式とポンプ制御方式に2大分 類されるが、パワーマ、ソチ制御はポンプ制御方式の代表的な手法である0弁制御方式によれ ば、高速・高精度の制御がなされるものの、多大なエネルギー損失を伴う0それに対して、 ポンプ制御方式に属するパワーマ、ソチ制御によれば、高速性・制御精度の点では弁制御方式 に劣るものの、エネルギー効率の向上が原理的に図られやすい0このような背景から、パワ ーマ、ソチ制御のおける一層の省エネルギー化を達成しつつ、システムの高速化・高精度化を 図ることが現下の重要な開発課歴となっている0本論文はこの課題に応えることを第一義的 な目的としており、その解決法をシステムの電子制御化を図りつつ見い出そうとしている0 以下に本論文の主な成果を各章ごとに評価する。 まず第1章においては、従来方式のパワーマ、ソチ制御系における諸問題点を挙げ、その中 で、最も重要な改善点が、システムの安定化にあることを指摘している0そして、安定的に 駆動・制御するための具体的なシステムとして、従来の油圧フイ}ドバ、ソク方式を廃し、電 子フィードバ、ソク制御方式の採用を提案している0この方式は、差勤PWM(パルス幅変調) 法によって駆動される油圧ロータリアクチュエータを用い、これによってポンプ斜板の傾転 角を制御する方式のもので、従来法と比べて、システム構成の簡素化、電子制御化の達成な どに顕著な特長が認められる。本方式を採用したパワーマッチ制御システムの制御方法、設 計法、応答性能ならびに勤特性シミュレーションの方法などが第3章以下で述べられている0 第3章は、油圧システムのシミュレーションを実施する上で最も重要となる管路要素のシ ミュレーション法について論じている。本来、分布定数系モデルで表される管路要素に対し ては、従来、合理的なシミュレー→ション法が見い出されていなかったが、本論文で提案した 方法によれば、高精度かつ簡便・高速にシミュレーションが行えることを明らかにしている0 本方法は、単にパワーマ、ソチシステムのみならず、油圧システムー般のシミュいションを 実施する上で極めて有用な役割を果たすものと評価される0 第4章は、パワーマ、ソチ制御を実現する2大前提の一つとなる圧力マ、ソチ制御を取り上げ、 比較的簡単な制御則に基づいて設計された制御系の応答惟能を実験とシミュレーションによ って調べている。その結果、本制御系が安定かつ良好な制御性能を有することを明らかにし 第5章は、パワ}マ、ソチ制御を実現する二つめの前提となる流量マ、ソチ制御を取り上げ、 比較的簡単な制御則に基づいて設計された制御系の応答惟能を実験とシミュレーションによ って調べている。その結果、本制御系が安定かつ良好な制御性能を有することを明らかにし ている。 一11一一

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論文審査の結果の要旨 本論文は、油圧システムの省エネルギー化を達成する上で重要となるパワーマッチ制御を 主題としている。油圧システムの駆動法は、基本的に弁制御方式とポンプ制御方式に2大分 類されるが、パワーマ、ソチ制御はポンプ制御方式の代表的な手法である0弁制御方式によれ ば、高速・高精度の制御がなされるものの、多大なエネルギー損失を伴う0それに対して、 ポンプ制御方式に属するパワーマ、ソチ制御によれば、高速性・制御精度の点では弁制御方式 に劣るものの、エネルギー効率の向上が原理的に図られやすい0このような背景から、パワ ーマ、ソチ制御のおける一層の省エネルギー化を達成しつつ、システムの高速化・高精度化を 図ることが現下の重要な開発課歴となっている0本論文はこの課題に応えることを第一義的 な目的としており、その解決法をシステムの電子制御化を図りつつ見い出そうとしている0 以下に本論文の主な成果を各章ごとに評価する。 まず第1章においては、従来方式のパワーマ、ソチ制御系における諸問題点を挙げ、その中 で、最も重要な改善点が、システムの安定化にあることを指摘している0そして、安定的に 駆動・制御するための具体的なシステムとして、従来の油圧フイ}ドバ、ソク方式を廃し、電 子フィードバ、ソク制御方式の採用を提案している0この方式は、差勤PWM(パルス幅変調) 法によって駆動される油圧ロータリアクチュエータを用い、これによってポンプ斜板の傾転 角を制御する方式のもので、従来法と比べて、システム構成の簡素化、電子制御化の達成な どに顕著な特長が認められる。本方式を採用したパワーマッチ制御システムの制御方法、設 計法、応答性能ならびに勤特性シミュレーションの方法などが第3章以下で述べられている0 第3章は、油圧システムのシミュレーションを実施する上で最も重要となる管路要素のシ ミュレーション法について論じている。本来、分布定数系モデルで表される管路要素に対し ては、従来、合理的なシミュレー→ション法が見い出されていなかったが、本論文で提案した 方法によれば、高精度かつ簡便・高速にシミュレーションが行えることを明らかにしている0 本方法は、単にパワーマ、ソチシステムのみならず、油圧システムー般のシミュいションを 実施する上で極めて有用な役割を果たすものと評価される0 第4章は、パワーマ、ソチ制御を実現する2大前提の一つとなる圧力マ、ソチ制御を取り上げ、 比較的簡単な制御則に基づいて設計された制御系の応答惟能を実験とシミュレーションによ って調べている。その結果、本制御系が安定かつ良好な制御性能を有することを明らかにし 第5章は、パワ}マ、ソチ制御を実現する二つめの前提となる流量マ、ソチ制御を取り上げ、 比較的簡単な制御則に基づいて設計された制御系の応答惟能を実験とシミュレーションによ って調べている。その結果、本制御系が安定かつ良好な制御性能を有することを明らかにし ている。 一11一一

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第6章は、本論文の核心部をなすもので、第4、5章で得られた成果に立脚して、パワー マ、ソチ制御を取り上げている。まず、パワーマ、ソチ制御を合理的に実施するための制御アル ゴリズムを提案し、次いでそのアルゴリズムに基づく制御系を設計し、これによって得られ た制御系を射出成型楼モデルに適用して実験とシミュレーションを行っている。その結果、 本制御系が安定かつ良好な制御性能を有することを明らかにしている。 以上によれば、本論文で提案した制御アルゴリズムが実用上の有効性をもち,また,本論 文で採用した電子制御方式のパワーマ、ソチ制御システムが有用であることが明らかにされて いる。さらに,本論文で提案されたシミュレーション用数学モデルの妥当性も確認されてい る. 本論文によって得られた知見と成果は、工学上および工業上、重要な貢献をなすものであ ると判定される。

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