• 検索結果がありません。

集積回路内多結晶シリコン抵抗の電気的トリミング に関する研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "集積回路内多結晶シリコン抵抗の電気的トリミング に関する研究"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

集積回路内多結晶シリコン抵抗の電気的トリミング に関する研究

著者 加藤 浩太郎

雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

巻 19

ページ 248‑250

発行年 1998‑03‑30

出版者 静岡大学大学院電子科学研究科

URL http://hdl.handle.net/10297/1576

(2)

氏名0(本

 

 

 

 

(神奈川県

)

学位 の種類

 

 

 (工

)

学位 記番号

  

工博乙第

  73  

学位授与の日付

  

平 成 9年 3月 22日

学位授与の要件

  

学位規程第5条第 1項 該当

学位論文題目

  

集積回路内多結晶シリコン抵抗の電気的 トリミングに関す る研究

論 文 審 査 委 員   (委 員長)

教 授 田 部 道 晴

 

教 授 藤 安

 

教 授 川 徳 三

 

教 授 中 義 助教授

 

喜多尾

 

道火児

論 文 内 容 の 要 旨

1.研究の背景

アナログ集積回路においては回路素子のわずかな製造誤差が回路性能に深刻 な影響 を与える。この ため トリ.ミ ング技術(少数の抵抗の微調整によつて回路全体の製造誤差が補正で きるように回路 を構成 してお き、製造後にそれらの抵抗値 を調整することによつて高精度回路を実現する技術)が重要な位置 を占めている。 しか し、 レーザー トリミング法 に代表 される従来の トリミング技術 は、集積回路技術 への適合性や トリミング精度等に問題があ り、これに代わる新 しい トリミング技術の開発が待 たれて いた。この ような情況下において、筆者は多結晶シリコン抵抗体が純電気的な手段で トリミングで き ることを見出 した。すなわち、不純物 を高濃度 に含む多結晶シリコン抵抗体に高電流密度の通電 を行

うと、通電解除後の抵抗値は通電前の抵抗値 より低 くなることを見出 した。 この現象 を利用 した多結 晶シリコン抵抗体の電気的 トリミング技術は従来技術の問題点 を一挙 に解消で きる可能性がある。ま た、この現象は高不純物濃度多結晶シリコンを多用する現在の集積回路技術 に対 して設計上の制約条 件になるという意味において も重要である。

2.研究の内容

以上の背景 を踏 まえ、以下の4項 目について検討 した。

①多結晶シリコン抵抗体の通電による抵抗値低下現象(ト リミング現象)の特徴 を実験的に明 らかにす ること。

② この現象の物理的メカニズムを理論的に明 らかにすること。

‑248‑

(3)

③ この現象を利用 した多結晶シリコン抵抗体の電気的 トリミング技術を実用化すること。

④ この トリミング技術の実用性を実証するために、この技術を用いて14ビットDA変換器を実現するこ と。

3。 研究の結果

(1)ト リミング現象の特徴

実験的検討により以下のことが明らかになった。 トリミング現象が生 じるための条件は、多結晶シ リコンに含まれる不純物の濃度が約

1× 1●

°cm‐3以上であること、通電電流密度が約

1× 106A/cil12以

上で あることの2つである。不純物の種類はAs、

P、

Bの いずれでもよく、その添加方法 も問わない。この現 象は次のような特徴をもつ。① この現象は単結晶シリコンでは起こらず、多結晶シリコンに特有の現 象である。②通電によって変化するのはキャリアの移動度であつて、キャリア濃度は変化 しない。③ トリミングに伴って抵抗温度係数が変化する。④ トリミングは40%程度まで可能であ り、 トリミング 精度は±0。01%が容易に得られる。⑤ トリミングで低下 した抵抗値は、

 

トリミングに用いた電流より小

さい電流

(た

だし閾値以上)を流すことにより、初期値に向かって回復 させることができる。

(2)ト リミング現象のメカニズム

トリミング現象は融解・偏析モデルによってよく説明できる。このモデルによれば トリミングは次 3段階で起こる。①多結晶シリコン中の境界層(結晶粒 と結晶粒の間の層)の一部が高電流密度の通電 によって局部的に融解する。②通電停止後の固化過程で不純物の偏析が起こり、その結果、境界層内 の不純物濃度が局部集中を起こす。③境界層の電気伝導度が不純濃度に対 して非線形な依存性をもつ ために、不純物の局部集中とともに境界層の抵抗が低下する。このモデルから導かれる抵抗値変化の 理論式は実験 とよく一致する。また、 トリミング現象に関して今までにわかっているすべての実験事 象はこのモデルで矛盾無 く説明することができる。

(3)ト リミング技術 としての実用化

実用上の唯一の問題点は トリミング後の抵抗値の安定性であったが、この問題 も過剰 トリミング法 という特殊な トリミング方法を開発することにより完全に解決された。この方法を用いれば、

 

トリミ

ング後1∞℃で100年間放置 した後の抵抗値変化をoool%以 内に抑えることは容易である。過剰 トリミン グ法を用いた多結晶シリコン抵抗体の電気的 トリミング技術は以下の特徴をもつ。①集積回路技術ヘ の適合性がよい。② トリミング精度が高い。③ トリミング後の抵抗値安定性が高い。④ トリミングの や り直 しが何度でもできる。⑤高価な トリミング装置を必要としない。これらの特徴は従来の トリミ ング技術の問題点をすべて解消するものである。

(4)14ビ ットDA変換器の各ビットに多結晶シリコンによる補正用抵抗を設け、これを トリミングする ことによってDA変換器の製造誤差を補正することを試みた。 トリミング電流は各ビットの入力端子か ら供給できるように回路を工夫 したので トリミング電流用の特別な端子は不要である。試作 した14ビ DA変換器の初期精度は9ビット相当の精度であつたが、上位6〜 8ビットを トリミングすることにより 15ビット相当の高い精度を実現することができた。 トリミング精度に余裕があるので16ビットDA変 器を実現することも十分可能である。

‑249‑

(4)

論 文 審 査 結 果 の 要 旨

集積回路で多用 される高不純物濃度多結晶シリコンは、あるしきい値以上の電流密度で通電すると その抵抗値が低下する。すなわち、多結晶シリコンは、一定の条件が満たされれば、その抵抗値 を電 気的な手段で トリミングすることができる。本論文は、この トリミング現象の実験的・理論的解明と、

この現象を利用 した電気的 トリミング技術の14ビットDA変換器への適用について述べた ものである。

本論文は銘 章 より構成 されている。

1章は序論であ り、研究の背景、 目的、および本論文の構成について述べている。

第2章 では、多結晶シリコンの電気的 トリミング現象を実験的に詳細 に調べ、 トリミング可能条件 と して、①不純物濃度が約

1020cm 3以上であること、②通電電流密度が約

1× 106A・

(m‐2以上であるこ と、の2つが必要十分条件であることを明 らかに している。

第3章 では、 トリミング現象の物理的メカニズムを理論的に検討 し、この現象を矛盾な く説明で きる

「融解・偏析モデル」を提案 してい。 このモデルでは、結晶粒間の境界層の一部が通電 によって局部的 に融解 し、通電停止後の固化過程で不純物の偏析が起 こるために境界層内の不純物分布が変化 し、そ の結果 として境界層の抵抗値が低下すると考える。 このモデルか ら導かれる抵抗値変化の理論式は実 験 とよく一致することを示 している。

第4章 では、 トリミング後の抵抗値の安定性 を詳 しく調べ、抵抗値変動 を抑制する手段 として「過剰 トリミング法」を提案 している。過剰 トリミング法によつて、 トリミング後1∞℃で1∞年間放置 したと きの抵抗値変化が±0。01%以内に収 まるような高い安定性が得 られることを示 している。

第5章 では、電気的 トリミング技術の応用例 として14ビツトDA変換器への応用について述べている。

電気的 トリミングの適用 を前提 とした最適 な回路形式 について述べた後、予備試作で明 らかになった 寄生抵抗の影響、スイッチング トランジスタのアーリー効果による加算則の破れなどについて分析 し、

対処策を示 している。次に、これらの対策 と電気的 トリミング技術 を併用 して実現 した14ビッ トDA変

換器について、その回路構成、製造プロセス、 トリミングプロセス、特性 について述べている。実現 した特性 は、精度、動作速度、消費電力などについて極めて満足すべ きものであった。

第6章 は、結論である。

以上の成果は、工学上寄与するところが大 きく、博士

(工

)の学位 を授与するのに十分 なものであ ると認定する。

‑250‑

参照

関連したドキュメント

う電気抵抗値の変化を示す.材齢 4 日までは N,BB お よび BC の抵抗値はほぼ同程度となったが,材齢経過に 伴い BB, BC の抵抗値は N

気 J丹= 中放置による合成樹脂杭層板の沿層絶縁抵抗 〃付・Pぶ・¢・f /\ ・トJ・り

電気化学 第29巻 平井,福田:乾電池陽極合剤の組成および内部回路網抵抗の測定

図-4,5 に N および BB の電気抵抗値と質量変化率の 関係を示す.N,BB において,質量変化に応じて電気抵抗

そこで、著者等はコンクリートの状態を簡易的に非

図-4 にセメント種類を変化させた場合の材齢経過に伴 う電気抵抗値の変化を示す.材齢 4 日までは N,BB お よび BC の抵抗値はほぼ同程度となったが,材齢経過に 伴い

車 両には 様々な抗 力が有 り、 転がり 抵抗や空 気抵 抗 、勾配 抵抗など が挙げ られ る。そ の中でも 空気 抵 抗を軽 減出来れ ば、車 両の 燃費や 速度、走 行安 定

それぞれのつなぎ方の全体の抵抗 を計算して関係を見いだす。 ・オームの法則の復習