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抵抗(発熱)式電気精錬炉の電極間抵抗

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302 安藤:抵抗(発熱)式電気精錬炉の電極間抵抗 昭和36年

抵抗(発熱)式電気精錬炉の電極間抵抗

Resistance between Electro4es of an Eleetric Smelting Furnance

安  藤  政  夫*   Masao ANDO

1。ま えがき

 抵抗発熟式電気精錬炉(カーバイド炉,合金鉄炉など) の電極問抵抗(炉内抵抗)を知ることは設備を経済的に 設計し,安定な運転をするために非常に大切なことであ る.しかし,この抵抗の正確な計算は困難である.  したがって電極間抵抗についてはいろいろな式が発表 されており,それらは相賀,丸山によってまとめられ, 彼らの研究とともに発表きれているが1),それらの関係 式の間の不一致はかなり著しい.  またこれらの研究は1本の電極が平面(炉床)と対立 する場合のものであるから,電極問隔の影響は考えられ ていない.  実際の電気炉では電極閻隔は重要な問題であるから, 筆者は1∼3本の電極が平面と対立する場合を考え計算 を進めてみた.この計算では炉と電極の形状に関する 2,3の仮定を置き,かつ炉内容物の固有抵抗を従来計 算されたものと同様,炉内で一様としているので,結論 として1つの近似式を得たのであるが,電極間隔につい ては興味ある結果となった.

2。電極が1本のとき

 仮定として無限に広がる平面(炉床)に垂直に1本の 電極が対立し,その電極の形状は回転だ円体であるとす る.そして図1に示すようにこの回転だ円体の半分が電 導性内容物(コークス,熔融物など)内にあり,電極お よび炉床の電導度はこれら内容物に比べて非常に大きい とする.そうすると電極面と,炉床はそれぞれ等電位面 と考えられる。  以下このような場合の

2つの面間の抵抗(電極        闇「

間抵抗)を計算する.       b/2

      a

 (A)電極が扁平回転

馨円体(円盤)のと  電極の内容物への浸せ き深きが浅くて,図1で ‘魂≧bのときを考える. このような場合の抵抗は みノ2hく0.7であれば近似

    匡協

轟    h

 平面(炉床)

      !

 図1 電極と炉床の関係 寧新日本窒素肥料株式会社東京工務部(東京都千代田区丸の内2の3)

∠L

、、、 ノ, y

h

X

十l h

a _日

τ日:恥

眠d−I!

」二⊥

\十イ1

図2 回転だ円体とその鏡像 的に鏡像を考えることに よって求められる.  すなわち図2で平行2 平面の中央にだ円体の回 転軸が,平面に垂直にお かれた場合のだ円体と2 平面間の抵抗を求め,そ

の2倍を電極と1平面間

の抵抗とすればよい.

 まず2平面の存在を考

慮しないときの円盤の電

位g。は円盤より流出す

る電流を1,導電物質の 固有抵抗をρとして

   ρ1

甲・= sin−11/α》  12二α2一δ2 (1) で表わきれる2).

 しかし2平面の存在に

よりその鏡豫が考えら れ,第一鏡像は図示のよ うに円盤の中心を原点と して,原点より±2んの 位置にある.この鏡像が円盤に及ぽす電位ρ・は第一鏡 像が2つあることを考えて・

    ρ1

  ρ・一一πsiゴ11/412+16h2   (2)

となる.  同様にして第二鏡像によるものは     ρ1

  卯2=万sin−1碑Z2+64ん2   (3)

である.鏡像は正負交互に無限にあるから結局円盤の電

位9は

 甲=卯〇十9、+甲2十…… 一掛iゴ差+2且(一・)・㎡4β+14ηん)/

       (4)

となる。  以上から電極一1平面間抵抗Rは図2で躍軸を含み, 2平面に平行な平面の上または下半分だけをとって考え ると

(2)

電気化学第29巻

安藤=抵抗(発熱)式電気精錬炉の電極間抵抗 303

R−2ψμ論lsi帰

   +2濫(一・)竹・》ヂ+14πh)/   一妥α・ε・αイr{siガ1畜    +噛(一・)・si萄β+14nh)/ (5) となる.  (5)式のα、εは   6’=6/α,hノ霊h/α       (6) とし,さらに電気炉ではh>αであるから近似的に

  %≒嘉e’n差チ2一器) (7)

と表わしうる.  (7)式においてδ’→0すなわち電極下面が円板として 内容物質に接するときのα、εは

   (転)㈱結(・一幕)  (7)

となり,ゐ’→1すなわち電極が半球として内容物に浸せ きされるときのα、3は (娠)朔一÷(・一帯) (7”) となる.  (B) 電極が長軸回転だ円体のとき  電極の浸せき深さが深くなって6’>1になると(7)式 は利用できなくなる.このときは(1)式に相当するg。3) は

  偽一銑1喋辛錫母 (8)

となり,鏡像の影響を考慮すると(4)式に相当するgは

卯課、/ln癬主1+2謹1−1)嘱舞矧(9)

となる.  したがって電極一1平面間抵抗Rは(5)式の代わり に

R論/1n綴著

  +2ぎ、(一・)㌦雛ll争

偽’一

呈、Iln爆圭1+2藷一・)㌔1舞矧

       (10)

と書き換えられる.  (10)式のα1’は(7)式におけると同様の条件から   乾’≒}ll耳(δ將一1一器} と表わしうる.この式でケ→1のときは   (儀・)開一}(・一器) (11) (11〆) ざ 0.5 0.4 0.40 0.3 0.30 0.25 0.20 0.15 0.10 0.05 bノ富3.0  2.  2.O  o 1.

0

1.0

0

\ \ 一1. 、¥ 1.5 2.0 2,§ セルゲーエフ />\、 、、 、

5

、、 、 、 、、 、  、

0

  1)  0.1 0.2  0.3  0.4  0.5  0.6  0.7        列2乃, 図3 ゐ=1.0∼3.0における6’12ゐ’とα、の関係 となつて(7’)式と一致する.これらの計算結果のうち (7’),(7〆ノ).したがって(11”)式はすでに計算されてい る5).  図3には〃=1。0∼3.0における6//2hノとα、(α・ε またはα、,)の関係を示した。δ’/2ん〆;6/2んであるから これは電極の浸せき深さの割合を示していることにな る.  なお図ではセルゲーエフの模型実験値も点線で記入し た.  この実験には内容物として水を,炉床の代わりに鉄板 を使用した,電極の直径αは50規那,水ソウ内の水の

深さhは50,100,150mmの3種類である,測定の

結果によると.αユは6/2hが同じであればほとんどh に関係なく一定であったという。  計算値と測定値の不一致は,主として電極形状による ものと考えられる.セルゲーエフは電極として回転だ円 体の代わりに平らな底をもつ円筒を使用している.した がって測定値が本文の計算値よりやや小さく出るのは理 解できる.  すなわち回転だ円体の等価直径は単なる円筒の直径α

      より小きくなるから,当

      婁

      然抵抗Rは大きくな

      る。

       次に内容物が無限に広

      がる場合でなく,図4に

      示すように直径6,高き

      がhの円筒で,6/hシ0.5

      の時は円板電極と平面間

      の抵抗R。は次のように

 図4 内容物が直径cの円筒    のとき        なる6). a 電極

h

C

(3)

304 安藤1抵抗(発熱)式電気精錬炉の電極間抵抗

昭和36年

  峠告(・一幕+多6一鍔)・♂如(・2)

 ♂→。。のとき,この式は(7’)式に一致する.(12)式 において〆一2。0,h’=LOのときには()内第二項 は0.221,第三項は0。0864となる.  したがって内容物を無限に広がるとしたことは,実際 の電気炉と相違するが,その影響にあまり大きいもので なく,きらに電気炉における発熱は電極付近のごく限ら れた一部であることが想豫される.

3.電極が2本のとき

 大型の電気炉は特殊のものを除き電極は複数本の場合 が多い.複数本の場合は,これら電極間に電圧を加える 場合と,同じ電位すなわち並例として使用する場合とで は平面に対する各電極の抵抗は異なったものになる。  問題を考える前に(1),(8)式をもつと一般的な形に 書き換える.たとえば図2で回転だ円体の中心よりの座 標を(諾,ッ)とするとこの点の電位妖−,ッ)は  α》δでは(1)式の代わりに

      ρ1 _1

 9(鈎ツ)=万7sin

      21

  ×》(2論・+(2,)・+一ソ)・(1’)

であり  4くゐでは(8)式の代わりに

蜘)一揚1nl葺縣紛)

となる.  したがって図5で,回転だ円体1,2から流出入する 電流をろ,Z、とすると各だ円体の電位玩,匹は1,2 の形状が等しいとき次のように与えられる.      ρ       ρ   凪=π(1・α+為β)・匹π(加璃β)(13)  ここにα,βは(1’)式の成立する範囲,すなわちα ≧6では

謝塵四南}/

D

a

h

与 正1 12

h

図5 二平面にはさまれた2つの回転だ円体

h

1

Rlo R12

2

       (14) となり,(8’)式の成立する範囲,すなわち・z≦みでは

1二妻畷馨誠判

×ln雛篶il舞器圭llil 、

(15) R2P 図6 電極ト2平面間の抵抗 」 である.ここにDは電極中心距離を表わす.  (13)式より

  ろ穿鵬+ゐ(K一砺)} (・6)

であるが,{}内第一項は電極1と炉床(平面)間の, 第二項は電極1,2間のみの電圧,電流の関係を与える ものである.  電極形状が等しいからろについても同様な関係式が 得られるので,図6を参照して電極1または2と平面間 の抵抗をR、。,R2。とし電極1,2間だけの抵抗をR、2と すると,(16)式から得られるそれらを2倍して

        

  Rlo=R20=一(α;十β)      (17)

       α

     ρ(α2一β2)

  R、2=一       (18)

     α  β となる.(17),(18)式から1本の電極の中性点に対する 抵抗R。は次のように計算される.         1     ρ

  Rs=      #一(α一β)  (19)

    (1/1∼10)十(2/R12)   α  (14),(15)式におけるαの近似式については(7),(11) 式に示したが,βについてもカーバイド電気炉などでは P/l》1,D’=Dノα>2。5,クく2,h’>1を満足するから

  β≒}(あ器)   (2・)

で表わされる.したがってこのときのα一βは  α≧みのとき

・一β≒}ei写痔i響癒)

αく6のとき

・一β≒}(1n(箒雫)一毒)

」「

/㊨

となる.これらの近似式の誤差は電気炉の寸法比では10 %をこえることはない.

(4)

電気化学第29巻

安藤:抵抗(発熱)式電気精錬炉の電極間抵抗 305 0。4 0.3 0.3 0.2 更 10.2 も 0.1 0.1 0.05 \ 、 〆=3.0 /2.5   2

0

セ レゲー

、、 、 、 、

0

  0  0.1  0.2  0.3  0.4  0.5  0.6  0.7       わ”2んノ 図7 h’;1.5,D’=2.0∼3.0におけるゐ’!2ゐ〆   とα一βの関係 0.4 0.3 0.30 0.2 ㍗0.2 も 0.15 0。1 0.0 楼 D’  謂3.  .5マ  2, セノレゲーエフ、 、、 、、 、 、 、、 、 、   0  0.1  0.2  0・3  0.4  0.5  0.6  0.7       列2ゐρ 図8 ゐ’=2.0,jD’二2.0∼3,0における6’ノ2h’   とα一βの関係 0.4 O.3 O.3  0.2 ㌣ む0.2 0.1 O.1 0.0 D〆;3.0 2.5

20

セルゲーエフ 、 、、 、 、  、  (21)式にはh〆が含まれていないことは興味のある ことで,以上の条件のもとでは電極1,2間の合成抵抗 は近似的には平面の存在,すなわち導電性の炉床の存在 を無視しうる.  図7,8,9はそれぞれ〃=1.5,2.0,2.5における ゐ72h’とα一βの関係を,(14),(15)式について計算し たものである.これらではいずれもD’=2・0∼3。0にお ける関係であるが,参考のため同時にセルゲーエフの関 係も点線で示した.  2本の電極間に電圧が加えられるのではなく,2本の 電極が並列に使用きれるような場合,たとえば大型の黒 鉛化炉,セントジョセフ式電気亜鉛還元炉などでは,並 列使用によって1本当りの抵抗は増加する.その関係は (17)式で示きれる.  結局並列使用によって電極1本当りの抵抗はβだけ増 加するのに対し,電極間抵抗は電極1本当りβだけ減少 することが(17),(19)両式からわかる.  次に(18),(19)式から   R、2/R3=(α+β)/β       (22) を得られるが,カーバイド炉などではα》βであるから

  R、2》Rε      (23)

となりR、2は電流通路としては大きい役割を果きない・

4.電極が3本のとき

三相電気炉で,電極が図10に示すように正三角形配 置の場合を考えてみる.電極1,2,3の電位,電流を それぞれU,V2,73,1、,12,13とすると(13)式に相 当して次式が得られる。

   

v、=一一く1、α+12β+4β)   2α

  ρ

72一・一くろβ+ろα+z3β)   2α

  ρ

v3=・一(1、β+12β+13α)   2α

(24)  この式でα,βは(14),(15)式で示したものと同一 である.  (24)式をたとえば1、について解くと   0  0.1 0.2 0.3  0.4  0.5  0.6 0.7       ∂’/2乃’ 図9  ゐ,=2.5, 工)’=;2.o∼3。O lこお}ナる 6//2h’   とα一βの関係 図10 3本の電極の正三角形配置

(5)

306 安藤=抵抗(発熱)式電気精錬炉の電極閲抵抗 昭和36年

  2α1

1・= 7巴(α『β)2+(玩弘)(αβ一β乳)   十(V71一予㌔)(α∫β一β2)}      (25) となる.ここに      αββ   ∠=βαβ二(α一β){α(α一β)一2β2}      ββα である.この式から電極1,2,3だけと平面間の抵抗 R、。,R2。,R3。は(17)式に相当して         ρ4 ρα((影十β)一2β2  R・・=R2・二R3・=万(α一β)2=万 α一β        (26) となり,電極相互間だけの抵抗をR、2,R23,R3、とする とこれは(18)式に相当して         ρ   ∠    ρ α(α十β)一2β2

 R12;R23=R3、=一   コー

        ‘z β(α一β)  α      β

       (27)

となる.  (26),(27)式から1本の電極の中性点に対する抵抗R、 は       1    ρ(o∫一β)((z十2β)

R3一      一       (28)

   (1/Rlo)+(4/R12)  ‘τ   α十3β となる. 一般にα》βであるから(28)式は近似的に

     

  R5≒一(α∫一β)      (28’)

    α

となるが,これは(19)式と比較して明らかなように, 電極が2本のときのそれに等しい.  以上は電極が正三角型配置のときの関係であるが,一 直線上に3本置かれる場合についても同じ方法で求める ことができる.

      5.解の検討

 計算を進めるに当って用いたおもな仮定をまとめてみ ると  (A) 電極を回転だ円体とし,その軸長方向の半分が 内容物に浸せきされているとした。  (B)炉内容物は平行2平面に制限きれ,無限に広が るものとした.  (C)鏡像法を用いた.  (D)炉内容物の固有抵抗を一定とした. などであるが・実際  表1電気還元炉内容物の固有

の炉との不一致は   抵抗ρ

品 1ρ(Ω…) の一例である.  他方,カルシウムカーバイド炉の電極1本当りの抵抗 R。は,電極直径αをcmで表わしたとき   R5≒o、1685/α (Ω)       (29) であるという8).この式には電極それ自身の抵抗も含ま れているのであるが,これは小きいので炉内容物のみの ものとして考える.  一方,(28’)式のρに表1の値を代入すると

    0.56

  R8二一(α一β)      (28”)      α であるから(29)式と(28”)式を比較して   α一β=0.3 となる.したがって炉が図7の状態であればみ’/2h’≒ 0・15となる.これがどの程度事実と一致するかは今後 の研究に待たねばならぬ.  セルゲーエフは前記の報文でρは鉛還元炉で1.8∼ 2・0Ω・cm,銅ニッケル還元炉で4∼6Ω・cmであり, 6/2hは2,000kWくらいの炉では実測によると,0。35 ∼0.45であると述べている. 25 > )

 22

鯉 ㌍ ) 20 田 鯉 鰯

 175

鯉 0 10 20 30 40 50

     浸せき深さ(cm) 図11 ニッケル還元炉の電極浸せき深さと電極   電圧の関係 12,000kW 一定 一トー 1 一一… 一 ; 1 1 2 o 塁

1

5

冒 一 −  図11はニッケル還元炉で炉入力が常に12,000kWに なるようにしたときの電極の浸せき深きと相電圧の関係 を示したものである’).電気炉の諸元が明示きれていな いので以上の結果を検討する資料にはならないが,適当 な仮定のもとでは図7∼9の曲線にほぼ一致する.  次に電極問隔の影響について考えてみよう.抵抗式電 気炉では,従来D’はほぼ2.5付近になるように設計

されているが,図7∼9からP’の電極抵抗R。に及ぼ

す影響はきわめて小きいことがわかる. これは∫22), (23)式からも理解できることである.  ぴは電気炉の諸性能に大きい影響をもつことを考え ると,従来の値はいま一度検討さるべきではないかと思 う. (D)にょるものが最 も大きいと考えられ る.したがって固有 抵抗ρはその平均値 を考えるのが普通で

あるが,表1ηはそ

製 フェロマンガン(標準品) シリコクローム フェロシリコン 75% カルシゥムカーバィド 銑  鉄 フェロクロームカーパィド 0.38 0.44 0.50 0.56 1.QO 2.00

      6.・む  す  び

 炉内容物の固有抵抗が炉内で一様であると考え,電炉 電極の形状寸法に2,3の仮定をおいて,電極が1,2, 3本あるときの電極間抵抗を求めてみた.

 (1)電極が1本あるときの炉床との抵抗について

(6)

電気化学 第29巻 平井,福田:乾電池陽極合剤の組成および内部回路網抵抗の測定 307 は,従来幾多の研究が発表されているが,それらとここ で求めた結果とはあまりよく一致していない.相賀,丸 山との不一致は主として電流通路の考え方からきたもの である.セルゲーエフの水ソウ実験とは傾向的には似て いるが,値そのものは,電極の浸せき深さの大さいとこ ろであまりよく一致しない.これは電極形状の仮定の相 違によるものである。  ここで行なわれた内容物が無限に広がるという仮定は 電極間抵抗に大きい影響を与えず,抵抗のほとんどは電 極近傍にある.すなわち発熱は電極近くで行なわれると いいうる.  (2) 電極が2本以上ある場合の研究はあまり見当ら ないが,従来経験的に電極中心距離と電極直径の比D〆 はおよそ2.5くらいにとる. ここに得られた結果では 1γが2くらいでも電極間抵抗に大きい変化はなく,き らに電極と炉床間抵抗に比べて,電極相互間だけの抵抗 はきわめて大きい.  D’は抵抗式電気炉の性能に大きい影響を与えるので 特に大型炉では従来の値はいま少し検討さるべきではな いかと考える.  (3) 三相炉で電極3が本ある場合の,電極1本当り の抵抗は電極が2本のときのそれとあまり相違なく・せ いぜい10%程度小さいだけである.  以上がここで得られた結果の大要であるが,ここでの 計算結果が実際に利用きれるまでには,なお多くの実測 結果と比較検討きれるべきであろう.  今まで発表きれた実測結果はきわめて少ないが,電気 炉進歩のためには,できるだけ多くそれが行なわれるこ とを期待する.  セルゲーエフ氏はその実験内容についての筆者の質閤 に対し親切な回答を寄せられた.深く感謝する次第であ る。       (昭35−9−14受理)

文献

1)相賀頒一郎,丸山茂,本誌26,469(1958)・ 2)谷安正,“静電場”P・207(昭17)河出書房, 3) 谷 安正,ibid。,p、236. 4) CepreeB(セルゲーエフ),3∬eKTp取qecTBo(エレクトリチェス   トボ)7,45(1959),   実験については私信で確認した, 5)谷安正,“静電場”p・301・322・(昭17)河出書房・ 6)谷安正,ibid・,P・305・ 7)M Morkramer,“Dimensionierungsgrundlagen von Elek−   tro−Reduktions6fen”第4回国際電熱会議報告No。311(1959)。 8)青野武雄,工化10,1095(三956)・ 9)F,Walter,“Die gnmdlagen der elektrischen Ofenheiz−   ung”Ha皿dbuch der technischen Elektrochemie4Bd,I   Teil S−290(1950)Geest&Portig、

乾電池陽極合剤の組成および内部回路網抵抗の測定*

Meas皿rements of the Composition of the Bobbin an−the Resistance

    of the Network within the Bobbin in Dry Ce1】s

平井竹次,福田雅太郎林

Taketsugu HIRAI,Masatar6FuKuDA

1.緒

曇自  乾電池の陽極合剤は,二酸化マンガン粉末と炭素粉末

の均一混合物にいわゆる調合液を含浸きせたBlack

Mixりを成型したものである.この中で,二酸化マンガ ンは陽極活物質として使われ,炭素は炭素棒に至る電子 電流の通過回路としての役割をもち,この両者で多孔性 電極が形成されている.また,調合液はこの多孔性電極 内に吸蔵されて電解液としての役割をもっている。この 合剤の構成条件は,従来より使用する二酸化マンガンや 炭素の種類および粒度,両者の配合比,調合液景および 成型圧などによって規定きれている1〉。したがって,構 成条件をいろいろ変えた場合,でき上がった合剤の諸性 穿二酸化マンガン乾電池の化学(第U報)Chelni6try of Manga−  n鯉Diox置de Dry Cells(Part“) 電気化学協会第27回大  会(昭和35年4月26日,宝塚ホテル)で発表, 林松下電器産業株式会社中央研究所(大阪府北河内郡門真町) 質もいろいろ異なるものと考えられる.すでにカーボン ブラックのみを加圧した場合の抵抗変化2),二酸化マン ガンと炭素の混合物を加圧した場合の電極抵抗3)・4)は報 告されているが,調合液を含んだ合剤のいろいろな性質 についてはほとんど報告きれていない.そこで,本報で は乾電池の放電性能に関連すると思われる合剤の4つの 特性値を設定して,構成条件を変えた場合のこれらの特 性値の変化を検討して,所要の放電規格に見合う合剤の 構成条件を考察した・

2.合剤の特性値

 乾電池の放電に伴う変化を解析するのに必要な合剤の 特性値としては,次の4つが関係するものと考えられ る.すなわち,  (a)合剤の単位体積中の二酸化マンガン量(二酸化、 マンガン量*1) 二酸化マンガンは,陽極電位を維持す

参照

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