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電気抵抗値を用いた養生期間内における強度推定手法の一提案

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Academic year: 2021

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キーワード 電気抵抗値,強度, 養生機関 ,推定手法

連絡先 〒135-8548 東京都江東区豊洲 3-7-5 芝浦工業大学 Tel:03-5859-8356 E-mail:[email protected]

電気抵抗値を用いた養生期間内における強度推定手法の一提案

芝浦工業大学 学生会員 ○原沢 蓉子 佐藤工業(株) 正会員 三坂 岳広 芝浦工業大学 学生会員 一ツ柳 陸 芝浦工業大学 正会員 伊代田 岳史

1. はじめに

コンクリート構造物を安全かつ長期に渡って供用する には,求められる性能を確保する必要があり,そのため には養生が重要である.しかし型枠存置の状態では,脱 型時期を判断することができず,さらに脱型後の強度発 現を把握することができないため,早期脱型の問題が生 じる場合がある.また,一般的に水和反応のモニタリン グを可能とするシステムは構築されていない.そこで,

水分逸散のない状態におけるコンクリートの電気抵抗値 を測定することで,水和反応に用いられていない残留水 分を計測し,水和反応の経過を把握できると考えた.こ の電気抵抗値は,物質中の電気の流れにくさを表し,測 定方法,配合,外環境によって影響が及ぼされると考え られる.測定方法,外環境においては既往の研究が多く 存在するが,配合が及ぼす影響についての研究は少ない.

本研究では,W/Cおよびセメント種類を変化させたコン クリートの電気抵抗値の測定および異なる養生期間にお ける強度試験を行った.その結果から電気抵抗値と水和 反応の関連性を把握することにより,電気抵抗値を用い て養生期間内に強度を推定する手法を考案することを目 的とした.

2. 試験概要

2.1 電気抵抗値の測定

コンクリートの配合は表-1に示すように単位水量を一 定とし,W/Cおよびセメント種類を変化させることで,

電気抵抗値に与える影響について検討した.図-1に電気 抵抗値測定用の供試体概要図を示す.100×100×400mmの 角柱供試体に電極を設置してコンクリートを打設した.

翌日脱型し,測定面をラップ,測定面以外をアルミテー プで覆うことで水分の逸散を防いだ.打設および養生は 温度20℃,相対湿度60%の環境下で行った.

図-2に示すように電気抵抗値の測定は四電極法を用い て行った.測定深さ30mm,通電長さ2mmとなるように,

通電位置を制御し,電極を供試体側面の中央に40mmの

間隔で一列に設置して,電気抵抗値を測定した.既往の 換算式1)では測定深さを考慮したものが存在しないため,

本研究では比抵抗値を算出せず電気抵抗値を用いて比較 を行った.電気抵抗値は材齢56日まで測定した.

2.2 圧縮強度試験

圧縮強度試験用の供試体はJISに基づき作製し,型枠 存置期間を養生期間とした.養生期間は1, 3, 5, 7, 28日と 設定し,各養生期間の脱型時における圧縮強度を脱型強 度とした.また,各養生期間終了後脱型し,温度20℃,

相対湿度60%の環境下で気中暴露した後に 28 日圧縮強

度を測定した.測定した電気抵抗値とそれぞれの強度と の関係を検討した.

表-1 コンクリートの配合

図-1 供試体概要図

図-2 四電極法概要図

W C BFS S G

45 46 382 0 808 971

55 48 313 0 869 968

65 50 265 0 928 949

BB 48 188 125 868 965

BC 55 50 92 219 903 927

172

単位量(kg/m

3

) セメント

種類 W/C

(%) s/a (%) N

40mm

2mm

V

30mm 40mm

100mm 100mm 400mm アルミテープ

ラップ

土木学会第68回年次学術講演会(平成25年9月)

‑771‑

Ⅴ‑386

(2)

3. 結果および考察

3.1 配合が電気抵抗値に与える影響

図-3にW/Cを変化させた場合の材齢経過に伴う電気抵 抗値の変化を示す.材齢3日までは抵抗値に大きな差は 見られないが,材齢経過に伴いW/Cが小さいほど抵抗値 は大きくなり,その差は次第に大きくなった.これは,

単位水量が一定のため,W/Cが小さいほどセメント量が 増加し,水和反応に用いられる水分が多くなることで,

コンクリート内の水分量が減ったためと考えられる.

図-4にセメント種類を変化させた場合の材齢経過に伴 う電気抵抗値の変化を示す.材齢4日まではN,BBお よびBCの抵抗値はほぼ同程度となったが,材齢経過に 伴いBB, BCの抵抗値はNより大きくなった.また,高 炉スラグ微粉末の置換率が大きいほど抵抗値は大きな値 となった.

3.2 電気抵抗値と強度の関係

図-5および図-6に脱型直前の電気抵抗値と脱型強度の 結果を示す.電気抵抗値の増加に伴い,脱型強度は増加 する傾向を示し,いずれの配合においても,脱型直前の 電気抵抗値と脱型強度には相関関係が認められた.図-5 よりW/Cが変化した場合でも本研究の範囲ではその傾き はほぼ同程度であった.また図-6より高炉スラグ微粉末 を置換した場合は,置換率が大きくなるにつれて直線の 傾きが小さくなる傾向がみられるような結果となった.

図-7 に脱型直前の電気抵抗値と28 日強度の関係を示

す. W/Cおよびセメント種類を変化させた場合において,

電気抵抗値の増加に伴い,28日強度は増加する傾向を示 した.W/C55%に比べ 65%は

脱型直前の電気抵抗値の 増加は小さいが

28

日強度は同程度を示した.

これらに は相関関係が認められ,このことから,電気抵抗値を測 定することで養生期間内に強度を推定できる可能性が示 唆された.

4. まとめ

1)電気抵抗値はW/Cやセメント種類の影響を受ける.

2)脱型直前の電気抵抗値と脱型強度および28日強度に

は相関性が認められ,養生期間内に強度を推定できる 可能性が示唆された.

本研究は前田記念工学振興財団の研究助成により実施し たことを付記する.

参考文献

1)構造物表層のコンクリート品質と耐久性能検証システム研究 小委員会(JSCE335 委員会)第二期 成果報告書およびシン ポジウム講演概要集,土木学会,コンクリート技術シリーズ No.97,2012

図-3 W/Cと電気抵抗値の関係

図-4 混和材混入と電気抵抗値の関係

図-5 W/Cを変化させた電気抵抗値と脱型強度の関係

図-6 混和材を混入した電気抵抗値と脱型強度の関係

図-7 脱型直前の電気抵抗値と28日強度の関係

0 2 4 6 8 10 12

0 14 28 42 56

電気抵抗値(kΩ)

材齢(日)

N-45% N-55% N-65%

0 5 10 15 20 25

0 14 28 42 56

電気抵抗値(kΩ)

材齢()

N BB BC

0 5 10 15 20 25 30 35 40

0 2 4 6 8 10

脱型強度(N/)

電気抵抗値(kΩ)

N-45% N-55% N-65%

0 5 10 15 20 25 30 35

0 5 10 15

脱型強度(N/)

電気抵抗値(kΩ)

N-55 BB BC

10 20 30 40 50

0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0

28日強度(N/)

脱型直前の電気抵抗値(kΩ) N-45% N-55% N-65% BB

土木学会第68回年次学術講演会(平成25年9月)

‑772‑

Ⅴ‑386

参照

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