金沢大芋 十 全 医学 会維 誌 第9
(
債 第3 号 3 9 7‑41
7 (1 9
81)幼 者家兎 股 関節 へ の 異物 注入 に よ る大 腿 骨 骨 頭月巴大 に関 する研 究
金沢 大学整 形外 科 教 室( 主 任
:
野村 進 教授)長 治 孝 . 堆
( 昭和
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年4
月1
甘受 付)3 9 7
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大 腿 骨 骨 頭 肥 大, Co x a
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! 大 腿 骨 骨 頭 過 形 成犀
々 の
病 的 股 関 節 状 態に
おい て
発生す る と言わ れて い
る大 腿骨 骨 頑 肥 大は, 最 近 特に
注 目を集めて い
る問 題で
あ る.こ の
問 題に
対して
, その
定 義や表現方 法な どの
基本的 事 柄が 一 定して い
ない
た め, 報告 者に
よって
大 腿骨 骨 頑肥大.c o x a m a g n a
.大腿骨 骨 頑過形 成tと
い
う種々 の
名 称が用い
ら れて
き た. 193 5 年,F
e r g u s o n
ら1 } 2 )は大腿骨 頚 部 周辺の
硬 化性 病 変に
よ る循環 障害が骨 頭 骨 端 線へ
の
栄 養 障 害を生じ, その
結 果C O X a p
la n a
が発 生す る と報 告し,こ の
循環障 害がC O X a p
la n a
を惹 起 する は ど重篤で
ない
時I
F 大腿 骨 骨頭, 頸 部
の
拡 大を起 すもの に
対し,C O X a m a g n a
と命名し た,
大腿 骨 骨 頭 肥 大と は骨 頑 すな わ ち大 腿 骨 中 枢 端
の
関 節軟骨に よって
被覆さ れて い
る部 分が肥 大して
rく る も
の で
, その
範 囲は関 節 包 内の
骨, 軟 骨に限ら れ た もの
で
あ り, 又,C O X a P
la n a
と は厳 密に
区 別さ れ る, 大 腿骨骨頑肥大は先天股 脱
の
観 血 的 整 復 術 後, あ るい
は保 存的整 復 後に
し ば し ば 認 め ら れ, 時に
化膿性3 ), あ るい
は山 過性 股 関節 滑 硬 膜 炎ト6 )に
引き続き発 生す る,先 天 股睨の
観 血 的整 復 術 後に
認 め ら れ る大腿骨 骨 頭肥大に つ い て
,坂巻ら7 Iは手 術 侵 襲や 臼童 形 成 不 全が密 接に
関 与す る と述べ
,畠 中鋸は観 血 的 整 復 術に
お け る関 節唇 切 除 群に
おい て
大 腿 骨 骨 頑肥大が高 率に
発生し た と報 告 し,臼 蓋形 成 不 全が大き く 関与して い
る と述べ て い
る, 一方, 岩 崎ら9鳩 , 手 術 侵 襲に
よ りs y n o v
it
is
が起り,そ れ
に
伴う大腿骨 中 枢 部の
血 流 増加が発 生の
原 因で
あ り, 臼 蓋形成 不 全は大腿骨骨 東肥 大の
結 果で
あ る と述べ て い
る, 又, 松尾佃は, A.c
ir c u m
fle x a
fe m o r
is の
結 毅. あ る
い
は大腿骨 骨 頭 靭 帯 切 除に
よ る血 流の
変 化 が大腿骨 骨 頭肥大に
関 与 する と述べ て い
る,一 方,実 験 的 研 究に
つ い て
.畠 中1 1 1は助 若衆 兎股関節軟 骨 性 臼蓋 ( 人の
関 節 唇に
相 当す る部)の
部 分 的 切 除を 行い
, 大 腿 骨 骨 東 肥 大. 骨 頭 扁 平化, 大 腿骨 頚 部 前捻 増 大 等を高 率に
発 生さ せ た,又,長 谷 川ら1 2 Iは生 後1 〜2 週
の
家 兎股 関 節 包 切 除, 関 節唇 切 除を施 行, 術 後 6過
で C O X a m a g n a の
発 生を 認 め, その
原 因と して
手術操 作
に
よ り股 関 節に
充 血を惹 起し, 骨 頭への
軟 骨 下 経 路か らの
栄 養 供給を増 加さ せ, 同時に
関節 唇 切 除や円 靭 帯 切 除 等に
よって
関 節 腔が拡 大し, そ れ に よ る de c o m p r e s s
io n
がc o x a m a g n a の
発生を助 長す る と述べ
た.一 方. G
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ら1 8 )は幼 君 家 兎 股 関 節に S u r
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を注入し, 大腿 骨 骨 頑,臼 蓋の
肥 大を作 製し た. 肥 大は関 節 軟 骨 部の
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よ る もの で
, 軟骨 細胞 及び軟 骨 基 質の
過形 成で
あ る と 報 告して い
る が, その
詳 細な組 織 像に つ い て
記載が行 わ れて い
ない
.著 者は今 回 関節 内に異 物を注 入す る 2 種
の
実 験を行い
, 大腿 骨 骨 頭肥 大との
関 係と その
成 因に つ い て
検 討 を加え た. 第1に
, 先 天 股 脱 整 復術に
み ら れ る大 腿 骨 骨 頑肥大は, 手術 侵 襲を加え た場 合に
多発 す る とこ
ろ よ りt 手術の
際に
使用 す るゴ ム
手 袋に
付 着して い
る外 科 用タル ク
が 股関 節に
何ら かの
影響を与え るの で
は ない
か と考え, 外 相 用タル ク
を幼 若家 兎股 関 節 包 内に
注 入 す る実 験を行っ た. 第2に
,ペ ル テ ス
病の
治 療 方 法の
一つ に
, 扁 平, 壊死に
陥っ た大腿骨 骨 頑の
修 復を促 進す る た めに
, 臨 床 的に
股 関 節に
肝 油 注入 を行う方 法 An
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を辻らI 4 } や B
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it 5一 が報 告して い
る が, 肝 油が大腿 骨 骨 頭
の
修 復を促 進 する な ら ば, 大 腿 骨 骨 頑肥大の
発 生
に
対して
も何ら かの
影 響を与え る か も し れ ない
と 考え,幼 君 家 兎 股関 節に
肝 油を注 入す る実 験を行っ た・動物は術 後1 週毎
に
屠殺し,大 腿 骨 骨 頭,臼 蓋の
計測,及び
レ ン ト
ゲン
撮 影を施 行,病理組 織 学 的に
も検 索し,療
に
関 節 軟 骨の
変 化と大 腿 骨 骨 頭肥大の
関 係を 調査し た.材 料 及び 方 法
1. 実 験 材 料
:
生 後2 〜 4 週 まで の
体 重1 2 0 〜 3 0 0g の
白 色 幼 若 家 兎5 0羽を使用 し た・2. 実 験 方 法
: エ
ーテ ル
麻 酔 下で
, 幼 君 家 兎右 股 関 節 管 外側よ り関 節包に
達し,Ⅰ群で
は外 科用 タル ク
( 珪 酸マ
グ ネシ ウ ム
)の
生理食 塩 水 懸 濁 液 ( 30 %) , Ⅱ群で
は市 販の メ
ガ ネ肝 油を そ れ ぞ れ関 節 包が膨 隆す る まで
( 約 0.2 山) 注 入 する. 注 入 後, 筋 膜 皮 膚 縫 合 し, 術 直 後よ り下 肢の
自 由な運 動を許し た. 術 後1 週毎に
実 験 動 物を屠 殺し, 術後6 週 まで
観 察し, Ⅹ線 撮影, 肉眼的 観 察, 大 腿骨 骨 頭, 臼蓋
の
計測 を行っ た後,1 0 %中 性ホ ル マ
リン に て
固 定. E D T A ・fo r m o
l脱灰法に て
悦 灰し,パ ラ フ ィ ン
包理の
上, 切 片 標 本を作 製し た.そ の
後 切 片に
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‑0 染 色,t O
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染 色をほ
どこ
し, 病理組 織 学 的 検 索に
供し た.X 線 撮 影は Ko
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k X ‑Om a t
M film
( 微 粒 子フ イ ル ム
) 使軋 3 5 K V ,5 0m
A ,3s e c
, 照射 肢 位は(F ig
.1)の
如 く 行っ た. 肉眼的 計 測に
は 1 / 2 0m m
まで
測 定で
き る副尺 付ノ
ギス で
, Ⅰ群2 7 羽 中2 1 羽, Ⅲ群2 3 羽 中1 7羽の
骨 頭 臼 意の
各 部 位を 3 匝Ii 則定し,その
平 均 値を とっ た.残り 1 2 羽は骨 頭,臼蓋,関 節包を 一 塊と し
て
取り出し,組 織 学 的検 索
に
供し たの で
測 定 不能で
あった. 各測 定 値よ り骨 頭 肥 大 化 指 数 及び種々 の
増 加 率を求め た(Fi
g
. 2) . な お, 左股 関 節を対牌群と し た■成 績
1 . Ⅰ群 (珪 酸
マ
グ ネシ
ウム
注 入群) 1) 肉 眼 的 観 察i
) 大 腿 骨 骨頭Fi
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家兎股関 節へ
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異物注 入に
よ る 大 腿 骨骨 頭 肥大の
研 究 3 9 9蜃一
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肉眼的計 測は 2 1 動
こ
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b le
l).肥大の
程 度 をみ
る為に
, 手 術 側 骨 頭の
桟 径×
縦 径×
高さの
積を対 贋群の
同じ積で
除し, 1 0 0 倍し た数 値を骨 頭 肥 大 化 指 数と規 定す る と. 2 1羽 中2 0 羽( 9 5 %)に
1 0 0 以上の
数 値を示し た. 一 見 明ら かに
大 腿 骨骨 頭肥大を 呈 す る もの
, す な わ ち肥 大 化 指 数1 2 0 以上は 1 2羽 (5 7 %)で
あっ た. 大腿 骨 骨 頭 肥 大は術 後2 過 よ り 認 め, 肥 大を 呈 す る例
で
は 4 〜 5 週 群に
おい て
肥大の
程 度が最も大き く, 6 過群で
は 肥大の
程 度が少な く な る傾 向が み ら れ た.骨 頑 扁平 化を み る為
に
, 骨 頭 縦 径 増 加 率 ( 手 術側の
縦径と健側の
縦 径の
差を健 側の
縦 径で
除し, 1PO 倍した数 値) と骨 頭
の
高さの
増 加 率 ( 手 術 側の
骨 頭の
高さと健 側
の
骨 頑の
高さの
差を健 側の
高さで
除し 1 0 0 倍し た数 値) を用い て
調べ て
み る と(F ig
.3), 骨 頭 縦 径 増 加率が高さの
増 加 率よ り高い
例 ( 差が 5 % 以上), す な わ ち骨 頭 扁 平 化を意 味 する もの
は 3 例で
あ り, 逆は 7 例に
認 め た. 残り 1 1 例は ば ぼ球形に
肥 大して い
た.関 節 包は術 後2 過 以後
に
背 側 部 臼蓋の
付 着 部の
肥 厚 を 認 め, 肥厚の
程 度は骨 頑肥大の
程 度と ほ ぼ関 連を有 して い
た が, 経 時 的な関 係は見い
出せ な く, 腹 側 部 臼 蓋の
付 着 部及 び他の
部 位は健 側と同 様で
あ り, 変 化を 認 め な か っ た. な れ 肉眼的に
関節 包の
充血の
有無は 判 別し得な かっ た.大腿骨 骨 頑
の
光 沢は術 後1 過で
は健 側と同様で
, 色 は蒼 白 色を 呈 し, 術 後2 週,3 過で
光沢 を減じ, 白色をFi
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呈し
て い
る. 術 後4 週 群以降は更に
その
程 度が強く な り, 荷 電 面の
骨 頭 軟 骨 面は粗 造で
あ っ た (P bo
to s
l ,2) .
追) 臼 蓋
臼 善 部は術 後 1 週
で
は健側と殆ど同じ状 態を 呈 し,術綾2濁 以 後
で
は日 登 背 側 部が臼 蓋 腔に
一致して
, 臼 書 内腔の
拡 大を思わ せ る様に背 側に
膨 隆 突 出し, その
程 度は骨 頭 肥大
の
程 度と比 例し, 骨頭肥大 例の
全 例に
認め た (P ho t o
4).臼 玉 内 陛は術 後1 週
で
は変 化を 認 め ない
が, 2 週以 後で
は日豊 軟 骨 表 面が粗 造で
. 光 沢を減じ, 大 腿 骨 骨 頑 肥 大の
程 度が大きい
程その
程 度が強かった (P ho t o
3 ) .
臼玉辺緑
の
軟 骨 性 臼 蓋 ( す な わ ち人の
関 節 唇に
相 当 す る部)の
幅の
増 大を測 定 値よ り検 討す る と (Ta
b le
2) , 背 部
の
軟 骨 性 臼蓋の
幅の
増 大を認め, 増 大の
率は 8 〜 133 %で
, 5 0 % 以上は 2 1 例 中1 3 例( 61.9 %)で
あ り,こ
れ らの
もの
は骨 頭肥大 化 指数1 2 0 以上の
骨 頭肥 大を伴う もの
1 2 羽と,骨 頭 肥 大 化指 数1 1 8.2 を 呈 す る 例で
あっ た(Ta
b le s
l,2).骨 頭 肥 大と軟 骨 性 臼 葦の
幅 の増 大との
間に は危 険 率5 %(α
= 0 .0 5)で r
= 0.8 63 を呈す る相 関 関 係を 認 め た.臼 蓋 内 腔
の
径を横 径 ( 東 側一足側)、 縦 径(背 側一腹 側)に
分け る と.横 径は 1 6 羽に
拡 大を 認 め,拡 大率5 % 以 上は 1 2 羽 (5 796), 縦 径ほ 1 9 羽に
拡 大を認め. 拡大 率5 % 以上は 1 5羽 (7 1.4 %)に
認め,( 構 径+
縦径)×
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C‑ユ0 6.0 5.8 5 6.2 6.5 4.8 5.8 1 2 3.5
C‑ 5 6.4 6.4 5.9 5 6.0 5.2 5.6 5 1 0 9.6
C‑4 W
4 W
6.9 ■7.6 6.4 7.0 ■6
.4 7.0 1 3 1.2
C‑2 9 7・
.3 7.9 7.0 7.8 6
.7 7.4 1 3 3.3
C‑3 0 .6.6 7.2 6.2 6.5 5.4 6.6 1 3 9.8
C‑1 Z 占.6 7.2 6.5 5 6 .4 5 5.4 6.5 1 2 9.3
C‑2 4
5 W
7.8 8.占 7.4 5 鱒・6 6.5 5 7.4 1 4 8.8
C‑2 5 7.0 7.8 6.4 7.4 5.8 6.0 1 3 3.3
G l O 7.5 5 8.0 7.2 7.2 6.8 7.1 1 1 0.7
C‑5 W 7.2 7.6 6.8 7.0 7.0 7.0 1 0 8.6
C・2 1
6 W
7.4 8.r■ 7.2 7.9 6.4 7.0 1 3 1.3
C・2 3 7.4 ・ 8.1 . 7.0 7.4 6.5 7.1 1 2 6.4
C‑1 1 7.2 ■■8
.0 7■
.5 7.4 6.2 6.6 1 1(i.7
C・6 W ・ 7.9・ ノ 8.5 7.5 7.4 7.5 8.3 5 1 1 8.2