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α-GF を糖供与体として 10 mM グルコース,マルトース,スクロース,イソマルトー

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2016 年 2 月 12 日

フッ化糖を用いた酸塩基触媒変異酵素による糖転移反応に関する研究

生物資源科学専攻 応用分子生物学講座 分子酵素学 米山 琢馬

1.背景と目的

糖質加水分解酵素には加水分解反応に加えて,糖転移反応も起こすものがある。糖転移反 応によって生成された糖転移産物は通常の加水分解によって分解されるため,糖転移産物の 収量を制御するのは難しい。故に,ニゲロースやコウジビオースといったオリゴ糖が含まれ る製品は依然として高価である。これらのオリゴ糖を如何に高い収率で得るか,その研究が 多く行われている。その 1 つに,加水分解に必要な触媒残基に変異導入することで糖転移産 物の加水分解を抑制し,糖転移産物の合成や蓄積を試みた研究がある。例えば,求核触媒残 基に変異を導入した glycosynthase と呼ばれる酵素は,β-glucopyranose fluoride (β-GF) を糖供与体とし,ラクトースやガラクトースを糖受容体として糖転移反応をするという報告 がある。本研究では,

Aspergillus niger

由来の α-glucosidase (ANG) の野生型酵素と一般 酸塩基触媒残基に変異を導入した酵素 (D660N,D660A)を用い,これらの変異酵素がフッ化糖 (α-glucopyranose fluoride,以下 α-GF) を糖供与体として糖転移反応するかどうかを調 べた。

2.方法

10 mM

α-GF を糖供与体として 10 mM グルコース,マルトース,スクロース,イソマルトー

ス,および pNPG を糖受容体として,37℃で 0,10,20,40,60,80,100,120 分,24 時間 反応させ,各々の反応生成物の経時的変化を TLC で観察した。また 25 mM

α-GF と野生型 ANG

および変異酵素を 37℃で 0,30,60,120,180,240,300,360 分,24 時間反応させて,反 応生成物の経時的変化を TLC で観察した。

3.結果と考察

ANG の一般酸塩基触媒残基(D660)の変異酵素, D660N と D660A を精製した。これらの変異酵 素と野生型 ANG を

α-GF と各種糖質を受容体として反応させたとき,野生型酵素の糖転移反応

の受容体となる糖は,グルコース,マルトース,スクロースの 3 種類であったことが TLC 分 析の結果から分かった。野生型 ANG と D660N,D660A の糖転移産物を TLC で分析して現れたス ポットの位置を比較したところ,野生型 ANG と変異酵素によって生じる糖転移産物は異なる ことが分かった。しかし,野生型 ANG と比べて一般酸塩基触媒残基の変異酵素では糖転移反 応による産物がほとんど得られなかったことが分かった。ANG の一般酸塩基触媒残基の変異 酵素による糖転移産物が得られないのは,受容体の求核性が低く,塩基として十分に作用せ ず,糖供与体に対して求核攻撃が起こりにくいため,ANG の一般酸塩基触媒残基の変異酵素 による糖転移反応が野生型酵素と比べて起こりにくいと推測される。

参照

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