ポーラスコンクリートの強度特性と 応用技術に関する研究
2005年6月
熊本大学大学院自然科学研究科
大谷俊 浩
一目次一
第1章 序論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 1 1.1 研究背景および目的
1.2 既往の研究 1.3 本論文の位置付け 1.4 論文の構成
第2章 製造技術の確立 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 10 2.1 序
2.2 突き回数の検討 2.3 振動締固め時間の検討 2.4 2章のまとめ
第3章 強度特性に及ぼす影響因子・・・・・・・・・・・・・・・… 21
3.1 序
3.2 壁効果の影響
3.3 結合材の分布状態の影響 3,4 空隙率および骨材粒径の影響 3.5 骨材強度の影響
3.6 結合強さの影響
3.7 その他の影響(ヲア抜きの影響)
3.8 3章のまとめ
第4章 圧縮強度理論 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 53 4.1 序
4.2 モデル骨材実験 4.3 トラスモデル理論 4.4 4章のまとめ
第5章 圧縮強度およびヤング係数推定式の構築・・・・・・・・・… 64 5.1序
5.2 圧縮強度推定式の構築
5.3 圧縮強度推定式の適用性の検証 5.4 ヤング係数推定式の構築 5.55章のまとめ
第6章 耐久性(乾湿繰返し抵抗性)・・・・・・・・・・・・・・・… 73 6.1序
6.2 ポーラスコンクリートの乾湿繰返し抵抗性
6.3 粗骨材および結合材種類の違いによる影響 6.4 6章のまとめ
第7章 応用技術の開発・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 87 7.1序
7.2 木炭混入緑化ポーラスコンクリートの開発 7.3 自己充填型曲げ補強ポーラスコンクリートの開発
7.4 産業副産物を有効利用した藻場復元用ポーラスコンクリートの開発 7.5 7章のまとめ
第8章 結論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 122
謝辞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 125
発表論文等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 127
論文要旨(英文)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 131
第1章
序論
L1研究の背景および目的
ポーラスコンクリート(Porous Concrete)は,外国では No−fine Concrete ,国内では まぶしコ ンクリート などと呼ばれていたが,近年,ポーラスコンクリートとして統一されてきている。ポー ラスコンクリートの利用の歴史は意外と古く,1852年のイギリスでの利用が起源とされており,国 内では1960年代以降に利用され始めている星・2)。
ポーラスコンクリートは,表面にペーストまたはモルタル(以下,本論では骨材同士を結合する材 料として 結合材 と表す)を薄く絡ませた粗骨材同士を点と点で接合したもので,最大の特徴は,
内部に連続した多量の空隙を有していることである。その形状特性から,通気性,透水・保水性,吸 音性,ガス吸着性などの機能特性を有しており,また,植物の根の伸長および定着基盤,陸上または 海中の小動物の棲家(ハビタット)としての利用も期待される。近年は,環境問題への取り組みとし て,それらの機能特性が大変注目されており,環境負荷低減効果や環境共生を目的として様々な利用 が進められている。その施工実績の多くは,河川や道路の植栽型のり面の保持基盤や透水性の道路舗 装であるが,その他に吸音や三二などの利用も行われている3・4・5・6)。
このように,多くの施工実績を積んできているポーラスコンクリートであるが,材料および調合の 選定,混練および打設方法は各社の独自のノウハウで行われており,これまで製造方法に関する統一
された指針は存在していなかった。そのため,2003年に日本コンフリート工学協会でポーラスコン クリートの製造・施工指針(案)3)がまとめられ,ポーラスコンクリートの製造方法が確立されるよ うになりつつある。しかしながら,力学特性については,未だ十分に解明されていないのが現状であ る。これは,「ポーラスコンクリートは構造部材として十分な強度を持たせることはできず,また,
内部鉄筋は錆び,マトリックスとの付着力も得られないため鉄筋による補強もできない」という認識 が強く,強度より機能が優先されて研究が進められてきたことが原因である。しかしながら,ポーラ スコンクリートの補強には,外気と遮断したプレストレス,外部よりパンチングした鋼板やメッシュ 繊維シートの貼り付けなど,その機能を阻害せずに補強することも可能な方法も考えられ,その環境 負荷低減に対する優れた機能を考えれば,独立した構造部材としての利用も含め,より広い用途を考 慮すべきである。その場合,ポーラスコンクリートの力学特性を解明し,理論的にも裏付けられた調 合設計法の確立が必要不可欠である。また,耐久性能についても十分な検討は行われておらず,耐久 性能についてのデータの蓄積も急務の課題である。
一方,環境面について考えると,ポーラスコンクリートは,上述のように,主に環境共生を目的と した利用が多く,このような用途として利用されるコンクリート材料として産業廃棄物や副産物を有 効利用することができれば,さらなる環境負荷低減が可能となり,より環境にやさしいコンクリート
となる。しかしながら,そのような骨材は,一般に,天然骨材と比較して吸水率が高いことや品質の ばらつきが多いため,コンクリートの品質へ及ぼす影響も大きい。したがって,そのような骨材を有 効利用するためには,力学特性を解明し,それらの品質がコンクリートの物性に及ぼす影響を定量的
に評価する必要がある。
そこで,本論文では,ポーラスコンクリートの利用促進を図るために,ポーラスコンクリートの品 質を保証できるように,適切な製造条件を確立し,物性に及ぼす影響因子の特定およびその影響を定 量的に評価することで基礎物性を把握するとともに,環境負荷を低減可能な材料(産業廃棄物および 副産物など)を積極的に有効利用するための方法を探る。さらに,それらを基に応用技術としてポー
ラスコンクリートの新たな用途開発を行う。
1.2 既往の研究
1.2.1 はじめに
ポーラスコンクリートに関する研究成果や施工指針については,日本コンフリート工学協会が設置 した「ポーラスコンクリート設計・施工法の確立に関する研究委員会」の報告書3)をはじめとし,
いくつかの文献にまとめられている2・5・6)。以下,これらの文献を中心にポーラスコンクリートの研 究および利用の現状をまとめる。
L2.2 製造
ポーラスコンクリートを製造する際に使用する一般的な材料,調合,混練および打設などの条件を まとめると表1.1のようである。まず,使用材料としては,セメントに普通ポルトランドセメント,
早強ポルトランドセメントおよび高炉セメントB種が主に使用されている。粗骨材には,天然骨材 砕石および再生骨材等が使用されているが,実積率を減少させ空隙率を確保することを目的に粒度を そろえたものが一般に用いられている。
ポーラスコンクリートの調合方法は,一般的なコンクリートのそれと異なり,粗骨材とそれらを結 合する結合材および空隙の大きく分けて3つを構成要素とし,粗骨材を最密充填したときの空隙部分 から所定の空隙量を差し引いた残りを結合材で充填するようにして各材料の単位量が決定される。つ まり,基本的には,結合材量を調整することで,空隙の量が調整されることになる。このように,ポ ーラスコンクリートの調合は,骨材の実積率をもとに決定されるため,粗骨材の水分量の変動が粗骨 材の単位量の変化のみならず,製造したコンクリートの空隙率に連動するため,粗骨材の水分管理は 非常に重要な要素といえる。また,調合のときは粗骨材の実積率を使用するが,実際には粗骨材の表 面には結合材が存在しており,各骨材の接点部分に入り込むことで骨材の実積率は低下するため,ポ ーラスコンクリートの製造・施工指針(案)3)では,実積率に補正係数(0.95〜0.98)を乗じて調合 計算を行っている。各調合条件としては,結合材の水セメント比は20〜30%と非常に低く設定され,
高性能AE減水剤によりフロー値が150〜230mm程度の粘性が高いものに調整されている。これは,
結合材の粘性が小さいと結合材が自重や振動締固めで垂れやすくなるため,それを防止するためであ る。また,フロー値の設定条件に大きな幅があるが,これは使用する粗骨材の形状や表面粗度,締固 めを行う機材の能力等により大きく締固め性状が変化するためであり7),各条件における結合材の最
上L1ポーラスコンクリートの一般的な製造条件
項目 種類,範囲等
使用材料 セメント 普通ポルトランドセメント,早強ポルトランドセメント,
xFセメントB種
粗骨材 天然骨材砕石,再生骨材 混和剤 高性能AE減水剤 調合 水セメント比 20〜30%
フロー値 150〜230㎜
練混ぜ方法 セメントペースト先練り,一括練り
締固め方法 のり面 バックホウバケットの面押さえ,振動コンパクタ 道路舗装 アスファルトフィニッシャ
工場製品 振動台,プレス成型,加圧振動
適なフロー値の選定方法はまだ確立していない。空隙率は使用する骨材の実積率と目標強度により制 限されるが,最大で30%程度であり,一般に透水性を期待する場合は15%以下,植生を期待する場 合は15%以上が設定されている。
練混ぜ方法は,一つまたは複数のミキサを用いてセメントペーストを先練し,粗骨材と練り混ぜる 方法と,一つのミキサを使用して水以外の材料を空練りし,水を投入する方法の2種類に大別される。
前者は結合材の粘性の管理が容易であるが,手間がかかる特徴がある。一方,後者は手間はかからな いが結合材の粘性の管理が難しいという特徴があり,それぞれの特徴を考慮して練混ぜ方法が選定さ れている。
締固め方法は,打設箇所で異なり,のり面への打設時はバックホウのバケットの面で押さえる方法 や振動コンパクタで締固めを行う方法が採られており,道路舗装では,アスファルトフィニッシャが 用いられている。また,工場製品では振動台,プレス成型や加圧振動などが用いられている。
1.2.3 力学特性
ポーラスコンクリートの形状は,粗骨材同士を点と点で接合したものであるため,図1.1に示すよ うに,入力された力は接点を介して粗骨材に伝達され,接点部分に作用する引張およびせん断力を結 合材が負担することになる。したがって,ポーラスコンクリートの力学特性に影響を及ぼすものは,
粗骨材強度と接点を拘束する強さ(以下,結合強さ)である。それぞれの影響因子は表1.2のように 整理されるが,接点の拘束力に影響を及ぼす因子が非常に多く,ポーラスコンクリートの力学特性は 一見シンプルにみえるが,これが力学特性を複雑にしている原因と考えられる。
これらの影響のうち骨材強度,水セメント比,混和材,骨材粒径および空隙率については,その影 響度が大きいと考えられており,それらに関する研究が多く報告されている。骨材強度の影響につい ては,骨材種類を変化させた場合,骨材の形状や表面粗度の影響も加味されることになるが,石灰石 砕石,蛇紋:岩砕石および硬質砂岩砕石の3種類の粗骨材を変化させた実験:では圧縮強度に大きな差が 認められ,石灰石,蛇紋岩,硬質砂岩砕石の順に小さくなるとの報告がある8)。また,原コンクリー
トの強度を変化させて製造した再生骨材を用いた実験9)では,原コンクリートの強度が小さい方が,
粗骨材
結合材
表1.2 力学特性に影響を及ぼす要因
主要因 関連因子
骨材強度 骨材種類
材齢 養生方法 結合材強度関連 セメント種類
水セメント比 接点の拘束力
(結合強さ) 混和材
付着強度関連 骨材形状
骨材表面粗度
間接的要因 骨材粒径
(接点面積の変化) 空隙率
図1.1力の伝達の様相
圧縮強度が小さくなるとしている。以上のように,使用する粗骨材の強度がポーラスコンクリートの 強度特性に及ぼす影響は大きいことは明らかとなっているが,定量的な評価には至っていない。
水セメント比の影響については,一般的なコンクリートと同様に水セメント比(水結合材比)の増 加とともに圧縮強度は低下するとするもの10),その影響が小さいとするもの11),逆に水セメント比 の増加とともに圧縮強度は増加するとするものも存在し12),統一した見解に至っていない。これは,
ポーラスコンクリートの結合材は,骨材表面に均一に分布し,かつ振動締固めにより垂れないために 適した条件の範囲が存在し,固すぎても,逆に柔らかすぎても強度に影響を与え.ると考えられ,この
ことがこのような見解の相違を生じた原因と考えられる。
混和材の影響については,強度向上を目的とした研究に注目すれば,鋼繊維13),鉱物繊維のワラ ストナイトと高炉スラグ微粉末の併用14),ネット状のポリプロピレン繊維15>などの繊維の混入によ
り圧縮強度には補強効果は期待できないが,曲げおよび引張強度が増加することが報告されている。
また,フライアッシュ,高炉スラグ微粉末やシリカフユームなどの粉体系材料の混入による明確な強 度増加は確認されていない13・16・17)。このように,混和材料によってポーラスコンクリートの圧縮強 度を明確に増加させることはできないようである。
骨材粒径の影響については,骨材粒径が大きくなるほど圧縮強度が低下しているものと18・19・20・21)
あまり明確な影響はみられないものがあり22・23・24・25),これも統一した見解に至っていない。この ような結論に至った原因として,村尾ら26)が指摘しているように,ポーラスコンクリートの圧縮破 壊形態には結合材,結合材と骨材界面および骨材破壊の3種類が存在し,その支配的破壊形態によっ て傾向が変化したことが考えられる。
空隙率が力学特性に及ぼす影響は非常に大きく,多くの報告がみられるが,空隙率が増加するにし たがい圧縮強度は低下し,その関係は,指数関数25・27)や対数関数ll),また部分的に直線で近似され ているものもあるが28),大きな相違はみられない。
1.2.4機i能特性
ポーラスコンクリートは,前述のとおり,その機能特性を利用した,透水・排水・保水性舗装,緑 化コンクリート,吸音コンクリート,藻汐・魚礁コンクリートなどが実用化に至っている。それらに 関する研究の現状としては,各用途における機能を高めたり,耐久性の確認および向上に関するもの,
産業副産物や廃棄物の可能性などを中心に多くの研究が行われている3・29・30)。
これらの機能性コンクリートでは,力学特性以外にも透水性や吸音性などの機能特性が要求される ため,それらに関する研究が数多く報告されている。透水性は,空隙率と骨材粒径(空隙径)が大き な影響要因であり,空隙率が大きくなるほど指数的に増加し,骨材粒径が大きくなるほど減少する傾 向が示されているが,骨材粒径の影響に関する定量的な評価には至っていない31・32)。実施工の際に は,排水性舗装では1〜1.5mm/sec,緑化の場合は30mm/sec程度が目標とされている3)。
吸音性については,堂園ら33)が基礎的な研究を行っており,管内法垂直入射吸音率測定によって,
砕石6号および7号を用いて空隙率を20%以上,かつポーラスコンクリート厚さを10cm以上とすれ ば400〜500Hzの周波数帯のピーク吸音率を0.8以上とすることができ,ポーラスコンクリートが優 れた吸音特性を有していることを示し,また,ポーラスコンクリートの厚さを厚くするほど,背後空 気層の厚さを厚くするほど,吸音ピークが低周波側に移行することを示している。その他,吸音効率
をあげる目的で多孔質な,ぼら34)や木炭35)を粗骨材として使用した場合の検討も行われており,
それぞれ吸音効率の改善効果を得ている。
1.2.5 耐久性
ポーラスコンクリートの強度を低下させる要因は,表1.3に示すように外的なものと内的なものに 分けられる。外的なものとしては,積載荷重などの物理的なもの,乾湿繰返し,凍結融解,中性化な
ど,一方,内的なものとしては,アルカリ骨材反応が挙げられる。乾湿繰返しおよび凍結融解につい ては,ポーラスコンクリートが水辺に設置され,乾湿繰返しや凍結融解作用を受けやすい環境にある ことが多く,また,ポーラスコンクリートの骨材周辺の結合材は非常に薄いため,これらの影響は最 も懸念される事項であるが,これらに関する研究は少ない。評価方法として乾湿繰返しについては,
日本コンフリート工学協会では「ポーラスコンクリートの乾湿繰返し試験方法(案)」3)が示されて いる。一方,凍結融解については,普通のコンクリートの試験方法であるJISA1148(コンクリート の凍結融解試験方法)において水中凍結融解試験方法(A法)と気中凍結水中融解試験方法(B法)
があるが,A法で甚大な劣化を生じるとする報告36)と, B法では明確な劣化を生じなレ}とする報告 37)があり,ポーラスコンクリートの凍結融解に対する耐久性およびその評価方法は確立していない。
耐久性は,ポーラスコンクリートの品質を保障するうえでも必要であり,劣化要因の特定および影 響度の把握などに関する検討が急務の課題とされている。
表1.3ポーラスコンクリートの劣化要因
外的要因 内的要因
乾湿繰返し,凍結融解,中性化,
すり減り,繰返し荷重,植物の影響
アルカリ骨材反応
1.3 本論文の位置付け
ポーラスコンクリートは,このように多くの可能性を持った材料であり,これからの環境問題に関 して大変注目される技術である。しかしながら,製造技術が確立されつつあるが,規格化には至って いない。さらに,力学特性も十分に解明されておらず,材料の変更による影響が予測できない状況に あり,これらのことが経験のない業者が容易に取り扱うことのできない理由となっている。
本研究は、そのようなポーラスコンクリートの利用に関して残された課題である最適な結合材の粘 性の評価方法や材料特性を盛り込んだ強度推定式を提案し,またポーラスコンクリートの更なる可能 性を見出すための応用技術を検討するなど,今後,様々な材料を利用する上で必要となることを明ら かにする点に特徴を持ち,この成果がポーラスコンクリートを利用することの手助けや利用促進につ ながるものと考えられる。
1.4 論文の構成
本論文は,ポーラスコンクリートの物性に及ぼす使用材料および締固め条件などの様々な要因につ いて検討することで,ポーラスコンクリートの基礎物性を把握するとともに,耐久性に対する検討を 行い,それらを基にポーラスコンクリートの応用技術を開発することを目的としている。
本論文は以下に示す8章より構成されている。
第1章では,研究の背景および目的について,ポーラスコンクリートの研究および利用の現状と問 題点について言及し,本研究の目的について述べ,また,論文の構成を説明する。
第2章では,ポーラスコンクリートの製造技術の確立のために,最適な突固め回数および振動条件 について検討する。
第3章では,ポーラスコンクリートの強度特性に影響を及ぼす要因と考えられる,壁効果,結合材 の分布状態,空隙率,骨材粒径,骨材強度,結合強さ,コア抜きなどの各要因について検討を行い,
各要因の影響度について整理する。
第4章では,ガラスビーズおよびアルミナボールを理想球体骨材としてポーラスコンクリートモデ ル供試体を作製し,第3章での実験結果と比較検討するとともに,骨材のブリッジ効果を考慮したト ラスモデル理論によってポーラスコンクリートの圧縮強度特性の理論的な説明を試みる。
第5章では,第3章および第4章の実験結果をもとに,ポーラスコンクリートの調合設計に必要不 可欠な圧縮強度およびヤング係数の推定式の構築を行う。
第6章では,ポーラスコンクリートの耐久性について,試験方法の検討や結合材および骨材種類が 乾湿繰返し抵抗性に及ぼす影響を検滑する。
第7章では,ポーラスコンクリートの応用技術として,木炭により植生能力を向上させた緑化ポー ラスコンクリート,簡便な曲げ補強が可能な自己充填型曲げ補強ポーラスコンクリートおよび磯やけ が発生した海域における生態系復元のための産業副産物を有効利用した藻場復元用ポーラスコンク
リートについての開発研究を行う。
第8章では,以上の研究成果について総合的に結論を述べる。
【第1章の参考文献】
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15)加賀谷誠,大野誠彦,鈴木徹:舗装用繊維補強ポーラスコンクリートの品質改善効果,セメント・
コンクリート論文集,No.56, pp.304−310,2002
16)天羽和夫,西岡守,上月康則,西野賢太郎:混和材を高含有したポーラスコンクリートの基礎的 研究,セメント・コンクリート論文集,No.50, pp.370−375,1996
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18)松川徹,玉井元治,杉野守,芦田馨:緑化コンクリートの空隙性状,コンフリート工学年次論文
報告集,Vbl.18, No.1, PP.999−1004,1996
19)張日紅,中澤隆雄,新西成男:ポーラスコンクリートの空隙率が圧縮強度と応カーひずみ関係に 及ぼす影響,セメント・コンクリート論文集,No.51, pp.864−869,1997
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21)坂井忍,水口裕之,上月康則,村上仁士:ポーラスコンクリートの水質浄化機能に及ぼす空隙特 性,高炉スラグおよびゼオライトの影響,コンフリート工学年次論文報告集へbl.23, No.1,
pp.169−1174, 2001
22)吉森和人,上野雅之,岡本享久,下山善秀:ポーラスコンクリートへの植栽技術,コンクリート 工学年次論文報告集Vb1.18, No.1, pp。1011−1016,1996
23)平岩陸,田中清人,谷川恭雄,森博嗣:ポーラスコンクリートの調合設計法に関する基礎的研究,
コンフリート工学年次論文報告集Vbl.23, No.1, pp.121−126,2001
24)天羽和夫,河野清,木下義康,三岩敬孝,金澤英爾:魚礁用多孔質コンクリートに対する骨材粒 度,粒径の影響,セメント・コンクリート論文集,No.47, pp.718−723,1993
25)川上洵,徳重英信,諸橋民昭,和田一朗:超軽量ポーラスポリマーコンクリートの物理的性質,
セメント・コンクリート論文集,No,54, pp.544−549,2000
26)村尾 健,湯浅幸久,三島直生,畑中重光:砕石並びに再生骨材を用いたポーラスコンクリート の圧縮強度性状に関する実験的研究,日本コンフリート工学協会ポーラスコンクリートの設計・
施工法と最近の適用例に関するシンポジウム論文集,pp.71−76,2002.5
27)湯浅幸久,畑中重光,三島直下,村尾健:ポーラスコンクリートの圧縮強度に及ぼす結合材強度 の影響,コンフリート工学年次論文報告集Vbl.26, No.1, pp.1425−1430,2004
28)例えば,吉田宗久,玉井元治:ポーラスコンクリートの耐久性に関する実験的研究,コンフリー ト工学年次論文報告集Vbl.24, Nα1, pp.1185−1190,2002
29)ポーラスコンクリートの設計・施工法と最近の適用性に関するシンポジウム 委員会中間報告・
論文集,(社)日本コンフリート工学協会,2002.5
30)ポーラスコンクリートの設計・施工法と最:近の適用性に関するシンポジウム 論文集,(社)日 本コンフリート工学協会,2003.5
31)野田悦郎:ポーラスコンクリート舗装の現状と課題,ポーラスコンクリートの製造とこれからが わかる本,(株)セメントジャーナル,pp.50−58,2001.9
32)黒田保,井上正一,吉野公,田中秀一:再生骨材の緑化コンクリートへの適用性,コンクリート 工学年次論文報告集Vbl.21, No.1, pp.181−186,1999
33)堂園昭人,岡本享久,藤原浩巳,上野雅之:管内法によるポーラスコンクリートの吸音特性に関 する基礎的研究,コンフリート工学年次論文報告集VbL 19, No.1, pp.679−684,1997
34)張雪梅,中澤隆雄,今井富士夫:ポーラスコンクリートの吸音特性に関する検討,コンクリート 工学年次論文報告集Vbl.24, No.1, pp.1161−1166,2002
35)玉井元治,計良善也,橋本圭司:NOxを吸着する吸音性コンクリート,セメント・コンフリー ト論文集,No.51, pp.870−875,1997
36)玉井元治:まぶしコンクリートの動弾性係数と凍結融解に対する抵抗性,第43回セメント技術 大会講演集,pp524−527,1989
37)片山博,河野広隆:実環境を考慮した河川護岸ポーラスコンクリートの水中凍結融解耐久性,日 本コンフリート工学協会ポーラスコンクリートの設計・施工法と最近の適用例に関するシンポジ ウム論文集,PP.135−138,20035
第2章
製造技術の確立
2.1序
ポーラスコンクリートの製造方法については,2003年に社団法人日本コンフリート工学協会にお いて委員会が設置され「ポーラスコンクリートの製造・施工指針(案)」としてまとめられている1)。
しかしながら,当指針(案)では具体的な練混ぜ方法や締固め方法は明記されていない。それは,ポ ーラスコンクリートの性状が練混ぜや締固めを行う機材や方法によって大きく変化するだけでなく,
使用する材料や調合によっても大きく変化するためである。したがって,練混ぜ方法や締固め方法は,
個々の使用する材料や調合に適した方法を試し練りなどによって調べているのが現状である。
そこで,本章ではポーラスコンクリートの製造技術を確立するために,締固め方法について検討を
行った。
2.2突き回数の検討
2.2.1 はじめに
(社)日本コンフリート工学協会による「ポーラスコンクリートの物性試験方法(案)」の「ポー ラスコンクリートの供試体の作り方(案)」1>では基本的にJIS A l132(コンクリートの強度試験用 供試体の作り方)に準拠しており,供試体寸法についてのみ具体的な数値が決められている。JIS A 1132には,突き棒を用いる場合,コンクリートを一回に投入する層厚および各層ごとの突き回数の 規定が設けてあるが,普通コンクリートを突き棒で締め固めるのと,ポーラスコンクリートを締め固 めるのは目的が異なっており,ポーラスコンクリートを十分に締め固めるために必要な突き回数は異 なっているものと考えられる。その目的の違いとは,普通コンクリートの場合はコンクリートの投入 の際に入り込んだ大きな気泡を追い出すのが主たる目的であるのに対し,ポーラスコンクリートの場 合は骨材が最密充填になるように締め固めることである。
そこで,適切な突き回数を求めることを目的に,寸法の異なる供試体に対しそれぞれ突き回数を変 化させた供試体を作製することで,突き回数と締固めの程度の関係について検討した。
2.2.2 実験方法
実験に使用した材料を表2.1に示す。セメントは高炉セメントB種を使用した。また,粗骨材には 硬質砂岩砕石5号および6号の粒径の異なる2種類の骨材を使用した。
調合は表2.2に示すように,セメントペーストは水セメント比を25%で一定とし,フロー値を高性 能超減水剤で約200㎜に調整した米占性の高いものとした。また,骨材の実積率より求めた空隙容 積をセメントペースト容積で充填する割合を示すセメントペースト空隙充填率は,代表的な値である 40%で一定とし,そのときの目標の空隙率は砕石5号が255%,砕石6号が25.9%であった。
戸倉方法はセメントペーストを先練りする方法とし,まず,セメント,水および混和剤を容量50 リットルのモルタルミキサに投入して120秒間練り混ぜた。次に作製したセメントペーストと骨材を 容量100リットルの2軸ミキサに投入して60秒間練り混ぜてポーラスコンクリートを作製した。
型枠はφ100×200㎜(プラスチック製),φ150×300㎜(簸)およびφ200×400㎜(紙製)
の3種類の円柱型枠を使用した。コンクリートの投入方法は表2.3に示すように,1回に投入するコ ンクリートの層の厚さをJISに準拠して10cmとなるように,φ100㎜,φ150mmおよびφ200mm
表2.1使用材料
セメント 粗骨材
混和剤
高炉セメントB種:密度:3.049/cm3 硬質砂岩砕石5号
表乾密度:2.61g/cm3,吸水率:1.78%,
粒径:13〜20㎜,実積率:57.5%
硬質砂岩砕石6号
表乾密度:2.62g/cm3,吸水率:1.64%,
粒径:5−13㎜,実積率:56.8%
高性能AE減水剤(ポリカルボン酸系)
表2.2 調合
単位量(kg/m3)
調合 粗骨材
嵭゙
W/C
i%)
CP白血
i%)
目標 tロー値
i㎜)
目標
ヲ
i%) C W G SP
1 5号 200±10 25.5 294 73 1500 1.53
2 6号 25 40 25.9 299 75 1488 1.55
W/C:水セメント比,CP陥:セメントペースト空隙充填率, C:セメント, W:水, G:粗骨材, SP:混和剤
の型枠に対し,それぞれ2,3および4層詰めとした。また,突き回数はJIS規定である7cln2あたり に1回を基準として,その値に対して0.75,1,1.5および2倍の4水準とした。
作製した供試体は,材齢2日で脱型を行い,20℃水中養生三二14日で容積法による連続空隙率お よび全空隙率の測定を行った後,再び20℃水中養生を継続して三二28日で圧縮強度試験に供した。
両空隙率の算出方法を以下に示す。
4・1一(%一略 巧)/飾・1・・〔al〕
(〃』一〃つ/ρw ×100 〔2.2〕
4=1一 巧
ここに,バ。:連続空隙率(%),濯 :全空隙率(%),曜1:供試体の水中質量(g),%:一定質量になっ たときの供試体質量(g),恥:24時間気中放置後の供試体質量(g),ρw:水の密度(g/cm3),巧:供試 体容積(cm3)
表2.3 コンクリートの投入方法と各層の突き回数 各層の突き回数(対JIS基準)
型枠寸法 i㎜)
投入
w数 0.75倍 1倍 1.5倍 2倍 100×200 2 8 11 17 22 150×300 3 19 25 38 50 200×400 4 33 44 66 88
図2.1打ち継ぎ面のくびれの様子 (砕石5号 各層8回突き)
圧糊鍍試験は,容量2000姻の万能三二職を用いて,φ100×200㎜およびφ150×300㎜
の供試体は硫黄による両面キャッピング,φ200×400㎜の供試体は石膏による両面キャッピングを 施して行った。なお,供試体は表乾状態とした。図2.1に供試体写真の一例を示すが,粒径が大きい 砕石5号で各層の突き回数が少ない供試体には,打ち継ぎ面でくびれが生じていた。
2.2.3 実験結果および考察
表2.4に実験結果一覧を平均値で示す。連続していない独立した気泡を示す連続空隙率と全空隙率 の差は1%前後と小さな値を示し,調合条件の違いによる影響はみられなかった。また,表中の砕石 6号・φ150mm・突き回数19回の圧縮強度は,強度試験測定ミスにより,そのデータを削除している。
図2.2および図2.3に全空隙率と各層の突き回数の関係を示す。田中の破線は調合より算出した目 標空隙率である。図より,ばらつきはみられるが,骨材粒径およびセメントペースト空隙充填率の違 いに関わらず,突き回数の増加とともに全空隙率は低下し,JIS基準の1.5倍以上でほぼ横ばいの値 を示す傾向にある。したがって,空隙率の測定結果からはJIS基準の1.5倍の突き回数でポーラスコ ンクリートが十分に締め固められたものと考えられる。
図2.4および図25に圧縮強度と各層の突き回数の関係を示す。図より,骨材粒径およびセメント ペースト空隙充填率の違いに関わらず,突き回数の増加とともに圧縮強度は増加し,JIS基準の1倍
または15倍以上でほぼ横ばいの値を示す傾向にある。したがって,圧縮強度の測定結果からもJIS
表2.4実験結果 使用
恪゙
型枠寸法 i㎜)
各層の ヒき回数
@(回)
連続
ヲ
i%)
全
ヲ
i%)
圧縮強度
iN/㎜2)
8 33.1 33.8 4.65
ll 31.4 32.4 8.03
φ100×200 14 305 31.6 6.38
22 30.4 31.4 8.32
19 29.2 30.1 7.05
25 28.0 29.1 9.28
砕石
T号 φ150×300 38 26.7 27.9 9.54
50 265 27.7 10.7
33 27.6 28.0 9.78
44 27.6 28.0 9.71
φ200×400 66 26.0 26.6 10.8
88 25.1 25.9 11.1
8 26.8 27.1 ll.4
ll 26.8 27.2 12.2
φ100×200 14
25.5 26.1 12.8
22 25.1 26.0 13.0
19 25.2 25.9
一
25 23.7 25.0 14.9
砕石
U号 φ150×300 38 22.8 24.6 13.1
50 20.3 22.4 14.4
33 23.3 24.3 14.9
44 23.4 24.1 15.0
φ200×400 66 21.1 22.1 16.7
88 20.3 21.7 16.7
基準の1.5倍以上の突き回数でポーラスコンクリートが十分に締め固められていると考えられ,必要 以上の締固めはエネルギ戸の浪費となるため,空隙率と圧縮強度の両結果からJIS基準の1.5倍の突
き回数が妥当であると考えられる。
34 32
30
ま
再28
欝、、
畑24
22 20
砕石5号
繍嚇醐営 脚■剛縣 欄脚騨臓 繍■■鱒
圭糠闘1
0.5 1 1.5 2 2,5
JIS基準に対する突き回数比
図2.2 全空隙率と突き回数の関係(砕石5号)
34 32
30
ま
颪28
只H26 24 22 20
一}一φ100×200㎜
一[トφ150・300㎜
+φ200・400㎜
繍一網 レ標空隙率(25.9%)
砕石6号
■繭■■臓一 欄繍鵬鵬冒 曜■■■■■
0511522.5
JIS基準に対する突き回数三
図2。3 全空隙率と突き回数の関係(砕石6号)
18 16
稽14 葦12
膿1。
羅
因8
6 4
一()一φ100×200n㎜
→コーφ150x300mm
十φ200×400mm
砕石5号
18 16
略14 葦12
慧1。
婁
出8
6 4
砕石6号
一〇一φ100×200mm 一ローφ150×300mm 一△一φ200・400㎜
0.5 1 1.5 2 25 0.5
JIS基準に対する突き回数比
図2.4 圧縮強度と突き回数の関係(砕石5号) 図2.5
l l.5 2 25
JIS基準に対する突き回数比
圧縮強度と突き回数の関係(砕石6号)
2.2.4 まとめ
本実験では最適な突き回数を選定することを目的に,寸法を変化させた3種類の型枠で突き回数を 変化させた供試体を作製し,空隙率および圧縮強度を測定した結果,以下の知見を得た。
D粒径が大きな骨材を使用し,型枠寸法が小さい場合,打ち継ぎ面でくびれが発生しやすく,強度 に対する影響が大きいと考えられることから,成型時に特に注意が必要である。
2)型枠へのコンクリートの投入方法として,型枠へ1回に投入するコンクリートの層の厚さを約 10cmとし,突き棒による各層の突き回数をJIS基準の15倍である約4.6cm2に1回の割合で突き 固めれば,十分に締め固めることが可能である。
2.3 振動締固め時間の検討
2.3.1 はじめに
前節において,突き棒による締固めのみによる最適な締固め量について検討を行った。実際には,
ポーラスコンクリートは振動締固めが行われており,過度の振動エネルギーを与えた場合,結合材に 垂れが生じ,強度低下を引き起こす可能性がある。したがって,最適な振動締固め量の検討は非常に 重要である。最適な振動締固め量は,もちろん結合材の粘性により変化するが,その他に粗骨材の粒 径によって変化すると予想される。
そこで,最適な振動締固め量を求めることを目的に,結合材の水セメント比,フロー値および細骨 材セメント比,また,粗骨材粒径を変化させた供試体に対し振動台による振動締固めを行い,各条件
における最適な振動締固め量を求めた。さらに,ガラス繊維を混入し,繊維による結合材の垂れの抑 制効果について検討した。
2.3.2 実験方法
表25に使用材料を示す。セメントは高炉セメントB種を使用し,粗骨材は粒径の異なる3種類の 硬質砂岩砕石を使用した。表2.6に調合を示す。調合は骨材粒径,水セメント比および結合材種類(ペ
ースト,モルタルおよび繊維混入)の影響を調べるために,各条件を表に示すように変化させた計 17調合とした。なお,結合材のフロー値は,所定の値を満足するように高性能AE減水剤の添加量 を変化させて調整した。
コンクリートの練混ぜ方法は,まず容量5リットルのモルタルミキサでセメントペーストを作製し セメントペーストが粗骨材表面に均一に絡むまで手練りで十分に練り混ぜた。
振動実験には小口面にアクリル板を酉己して中の状況が分かるようにした100×100×400㎜の鋼製 型枠を使用し,型枠にコンクリートを2層で詰め,各層87回突き棒で突き固めた後,振動台(振動 数3000脚,振幅1.5㎜)により振動を加え,振動時間と底面に溜まる結合材の高さの関係を計測
した。
表2.5使用材料 セメント 高炉セメントB種
@密度:3.04/cm3 粗骨材 硬質砂岩砕石5号
@表乾密度:2.64cm3,吸水率:1。02%,粒径:13〜20 mm,実積率:55.9%
硬質砂岩砕石6号
¥乾密度:2.62/cm3,吸水率:1.64%,粒径:5−13㎜,実積率:56.8%
硬質砂岩砕石7号
@表乾密度:2.60/cm3,吸水率:L70%,粒径:2.5〜5mm,実積率:54.6%
細骨材 混合砂
¥乾密度:2.60/cm3,吸水率:2.57%,最大寸法:2.5㎜
混和材 ガラス繊維(非開繊タイプ)
@維径:13.5μm,岬町:13㎜,密度:2.809/cm3,引弼鍍:1500N/㎜2,
с塔O係数:74×104N/㎜2,ストランドの太さ:40/1000m 混和剤 ポリカルボン幽幽高性能AE減水剤
表2.6調合
単位量(kg/m3)
調合 粗骨材
D種類
WIC
D(%)
SIC
i%)
目標
ヲ
i%)
繊維
ャ入量
ikm3)
混和剤
Y加量
iC×%) C W S G GF
フロー
l(mm)
1 0.40 503 126 一 1476 一 174
2 5号 0.45 503 126 一 豊476 一 196
3 0.47 503 126
一 1476 一 233
4 0.46 487 122
一 1488 一 192
5 6号 0 0.55 487 122 一 1488 一 231
6 058 487 122 一 1488 一 263
7 25
0.46 525 131
一 1420 一 213
8 7号 0 055 525 131 一 1420 一 237
9 15 0.58 525 131 一 1420 一 263
10 0.63 377 94 188 1476 一 162
11 5号 05 0.70 377 94 188 1476 『 191
12 0.77 377 94 188 1476 } 210
13 0 354 106 177 1476 一 161
14 5号 0.30 354 106 177 1476 一 191
15 30 0.5 0.50 354 106 177 1476 一 238
16 0.20 354 106 177 1476 5.0 179
17 5号 0.5
0.50 354 106 177 1476 5.0 232
注)WIC:水セメント比, SIC:細骨材セメント比, C:セメント, W:水, S:細骨材, G:粗骨材,
GF:ガラス繊維
2.3.3 実験結果および考察
図2.6に結合材垂下高さと振動時間の関係を示す。図より結合材垂下高さと振動時間の関係は結合 材フロー値および骨材粒径に関係なく直線による近似が可能であることが分かる。その近似した直線
30
25
%自20
1哩
輔ト15
くロ10
5
0
: ⑱
Hf≒2.01t−1.97 一醗 ∵砕石5号 IWIC=25%
1−SIC=0 一
⑱ 174㎜
國 196㎜
A233㎜
砕石6号 WIC;25%.
S!C=0 一一..一 一囲
孟
圏:
: ⑱
Hf=250【■658
⑦ 192㎜
囲231㎜
ム263㎜
0 5 10 150 5 10
砕石7号 WIC=25%一 SIC=0
③ 213㎜
圏237mm 企263㎜
:酢1陛蜘
.:.一一群1,鯉◎・
:一 6 一
,:一一一印誉134t=31、8
30
振動時間(秒)
25
漸ε20 憧ト15 醐 くロ10
5
0
振動時間(秒)
150 10 20 30 振動時間(秒)
40
H昆16・3.51: 熊2.15。121
:一 S一A 諱f一
一h鼈鼈黶F一一砕右,号一
: WIC電5%
一 一 :一 一SIC自D5 一
L ⑧ ⑧ 162㎜
團 191㎜
A210mm A
脱」5t423 1
、 l Hf=1.71t.7.77
−1 @ 一, 砕石5号 一 1 ・ WIC=3α%
曜@一冒 S/C=0.5 一
⑧ 161㎜
囲 191㎜
企238㎜
0
Hfつ.49tめ22 1
F㊧
一 一 一 一 一 一 一㊧ 一 ・ 一 一
継=1.85レ9,93
1 1砕石5号 一一 @ 一一WIC=30%
, , SIC=0.5
一一・一一一一Kラス繊維混入
⑧ 179mm
團206㎜
5 10 15 20 振動時間(秒)
25 0 5 10 15 20 25 0
振動時間(秒)
図2.6 結合材垂下高さと振動時間の関係
5 10 15 20 振動時間(秒)
25
表2.7最適振動時間算出結果
調合 粗骨材
嵭゙ WIC
i%)
SIC
i%)
目標
ヲ
i%)
繊維 ャ入量 ikm3)
混和剤
Y加量
iC×%)
フロー
l(㎜)
最適振動
@時間
@(s)
1 040 174 0.98
2 5号 0.45 196 3.36
3 047 233 0.45
4 0.46 192 2.64
5 6号 0 0.55 231 2.25
6 058 263 1.12
7 25
0.46 213 23.7
8 7号 0 055 237 18.4
9 15 0.58 263 8.62
10 0.63 162 2.79
11 5号 05 0.70 191 5.63
12 0.77 210 L63
13 0 161 4.54
14 5号 0.30 191 1.38
15 30 0.5 0.50 238 1.97
16 0.20 179 5.37
17 5号 0.5 050 232 250
と横軸との交点が最適な振動時間であるとみなし,各近似直線より最適な振動時間を算出した。その 結果を表2.7に示す。
骨材粒径の違いが最適振動時剛こ及1ます影響を図2.7に示す。図より砕石5号のフロー値174㎜
のものを除き,フロー値の増加とともに最適な振動時間が減少していることが分かる。砕石5号のフ ロー値174㎜の髄な振動時間が短くなっているが,これは減水剤の量が関係していると考えられ る。つまり,減水剤の量が少なく減水剤の効果が十分でない場合,フロー値は小さいが,粘性も小さ いため,最適な振動時間が小さくなるものと考えられる。また,粗骨材粒径の違いの影響をみると,
骨材粒径が小さいほど最適な振動時間が増加することが分かる。これは,骨材粒径が小さいほど単位 容積あたりの骨材表面積が増加するため,結合材膜厚が減少し,結合材が垂れ難くなるためであると 考えられる。さらに,砕石6号および7号では,結合材膜厚が薄いことから,結合材が垂れ難く,最 巌動時間の騰なピーク値を示さなかったが,砕石5号については,フロー値が190〜200㎜で 明確なピーク値を示す結果となった。これまで最適フロー値として,材料や製造条件によって大きく 変化するが,150−280㎜の範囲の値が提示されている2〜7)。この最適振動時間が最も高い位置は,
結合材が最も垂れ難い最適なフロー値を示しているものと考えられるが,この手法で測定した値はそ の中間の値を示した。したがって,この手法でも最適なフロー値の測定が可能であることが分かった。
図2.8に細骨材セメント比の違いが最適振動時間に及ぼす影響を示す。結合材を細骨材セメント比 が0.5のモルタルとした場合も,セメントペーストの場合と同様に,最適振動時間はフロー値が 190㎜前後でピーク値を示すことが分かった。また,その髄フロー値よりもフロー値が小さな範 囲では,結合材をセメントペーストとしたものより,モルタルとしたものの最適振動時間が長くなっ ており,結合材をモルタルにすることで垂れを生じ難くなることが分かる。しかしながら,フロー値 が190㎜を越えると髄振動時間は急速に減少し,セメントペーストの場合の最適振動時間と同程 度の値を示すため,モルタル化による垂れの防止効果は見込めないことが分かる。
図2.9に水セメント比の違いおよび繊維混入が最適振動時間に及ぼす影響を示す。水セメント比が