論文内容要旨
論文題名 : Relationship Between Coronary Fractional Flow Reserve and
Computational Fluid Dynamics Analysis in Moderate Stenosis of the Coronary Artery
冠動脈中等度狭窄に対する冠血流予備量比(FFR)と 流体力学解析の関係について
専攻領域名: 生体機能・形態解析領域 氏名 : 橘髙大介
内容要旨
冠血流予備量比(Fractional Flow Reserve:FFR)は、冠動脈の中等度狭窄に対して経皮的 冠動脈形成術(Percutaneous Coronary Intervention:PCI)が必要か否かを評価するために行 われる。近年、数値流体力学(Computational Fluid Dynamics:CFD)解析による画像診断支 援が注目されている。脳血管領域においては、未破裂脳動脈瘤のうち、どの瘤が破裂に至 るのかを予測する研究が行われている。しかし、冠動脈に関してはCFD解析を利用した研 究は少ない。本研究は、本研究は、冠動脈の中等度狭窄に対して心臓カテーテル検査で行 うFFRと心臓CT画像を用いて行うCFD解析の関係を明らかにし、冠動脈CFD解析の壁面 圧力(Wall Pressure :WP)および壁面剪断応力(Wall Shear Stress:WSS)が心筋虚血の評価 に用いることができるか検討を行った。
本研究は、心臓CT検査を行い、局所的な狭窄を認めた症例において、3カ月以内に心臓 カテーテル検査を施行しFFRを測定した症例を後方視的に収集した。心臓CT 画像を用い てCFD解析を行い、WPとWSSを算出しFFRと比較した。CFD解析結果とFFRの比較は、
右冠動脈、左前下行枝、左回旋枝の 3 群に分け各セグメントごとに比較した。心臓カテー テル検査のFFRにおいて,FFR<0.08であった120症例を陽性、FFR≧0.80であった109症例 を陰性とし、各冠動脈のWSSにおけるReceiver Operating Characteristic (ROC)解析を行い、
WSSのCut-off値を算出した。
冠動脈の中等度狭窄に対するFFRとCFD解析のWPに相関は認められなかったが、WSS は相関を認めた。WSSはFFRを施行し、PCIを行った120症例とPCIを回避した109症例 において、PCIを行った症例の方が有意に高かった。また、各冠動脈におけるFFR<0.80の WSSのCut-off値を算出することができた。
冠動脈の中等度狭窄に対して心臓カテーテル検査で行う FFR と心臓 CT 画像を用いた CFD解析のWSSは相関を示した。よって、心臓CT画像よりCFD解析のWSSを算出する ことで冠動脈の心筋虚血評価が可能であることが示された。