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<シンポジウム>200海里時代の水産増養殖技術の展望

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<シンポジウム>200海里時代の水産増養殖技術の展望

誌名

誌名 200海里時代の水産増養殖技術の展望 著者

著者 財団法人 東京水産振興会, 掲載ページ

掲載ページ p. 1-126 発行年月

発行年月 1978年11月

農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat

(2)

〈シンポジウム>

  200海里時代の

昭和53年11月

(3)

ま え  が  き

 わが国の水産:業は,食糧需給の要請から戦前戦後を通じて,生産増強一点張り で進んできたことは周知のとお・りであります。

 したがって,その内容をみると漁場の拡大と漁携方法の強化に終始しだことも 今さらここに申し上げるまでもありません。

 しかし,世界的な入口の急増により,需要の拡大が必然的に乱獲をもたらす結 果となり,加えて最近は沿岸国の地先優先を基盤とする200カイリ時代に入って

わが国の水産業は好むと好まざるとにかかわらず,漁場の縮少と漁獲物の制限等 により,180度転換の余儀なきに至っているのが現実の姿であります。

 そこで,200カイリ時代の重要な対策としてクローズアップしてきたのが,沿 岸漁業の見直しと増養殖技術の画期的な推進であります。本会もまたこρような 観点から,本年度事業の一環としてこの問題を取り上げることにしました。

 幸い財団法三三永くるまえび研究所顧問高橋清三郎氏に企癒と司会を語願い し,それぞれの専門分野に齢ける権威者のご参加を賜わり,4圏にわたって部門 別のシンポジウムを開催したので,その内容を一冊の本に取りまとめ水産関係者 の参考に供することにし懐した。これが水産振興の一助となれば真に幸甚であり

ます。

 終りに,この企画にご賛同をいただき,時節柄きわめてご繁忙中のところを,

毎園のシンポジウムにご参画を煩わし,終始懇切に指導の労をとられた水産庁の 本間開発普及課長ならびに寸暇をさいてご参加下さった講師の諸先生に対し深く 感謝の意を表する次第であります。

  昭和53年11月25日

      財団法人 東京水産振興会       会  長 久 保 田 栄

(4)

シンポジウム

    「200海里時代の水産増養殖技術の展望」について

 現在日本の水産業が当面している最大の問題とも言うべき「200カイリ対策」の中 で,特に強く要請されているのは,今後国際的な規制によって減少する遠洋漁獲 物を補なう手段として,沿岸近海の水産資源を積極的に開発培養することに加え て増養殖の推進による生産の増強とそれら資源の効率的な利用を蹴ることである。

幸いにして我が国における水産増養殖の技術は長年にわたる生物学的研究の積上 げと,それを利用した飼育培養技術の発達により目覚しい進歩を遂げ,世界の 最高水準を行くものとして国際的にも高く評価されている。しかし乍ら冒頭に述 べた「200カイリ対策」として要請される不足量を充足するためには,従来開発され た水産:増養殖の技術丈では不充分であり,緊急に新技術の開発を進めなければな らないことは当然である。

 昨52年,鈴木農林大臣の委嘱により開かれた「水産を=考える会」の答申に於 いても,水産資源の維持培養について,更で我が圏周辺水域の有効利用を図るため,

その水産資源の状況を適確に把握するシステムを整備することが不可決であり又 中高級魚貝類の需要増大傾向に対して水産増養殖がその供給の上で大きな役割を

:果して来て居り,今後一層その重要性が高まるであろうと:考えられるので,種づ くり,放流技術の開発等に一層力を入れる必要があり,また漁場の生産力を高め るいわば畑づくりも重要であり魚礁の設置,増養殖場の造成等沿岸漁場の整備開 発,環境制御技術の開発等にも積極的に取組むべきである。特に海洋牧場,沖合 養殖,貝類の立体増殖等従来の技術,手法に必ずしもとらわれない漸新かつ総合 的な方式による増養殖システムの開発に取組むべきである云々 との提書を行な って居る。

 勿論濁においても既にこのような事態の起ることを予見して昭和49年に沿岸

(5)

漁場整備開発法を制定して翌5G年度から増養殖の推進に必要な生産基盤の整備 開発及び漁場環境の維持保全対策を内容とする大掛りな諸事業を発足させ,さら

にその規模も年を追うて飛躍的に拡大しつ』あることはまことに妥当なこと\言 わざるを得ない。

 唯,こ\に要請される新しい水産増養殖施設や漁場の造成はいずれも土木工学 的な高度の技術手法を駆使して進められなければならないのみでなく,水産増養 殖の技術もまた,前述曜¢水産を考える会 の提言にもある通り,まん然と従来の 技術手法にとらわれず,漸新かつ総合的な方式による増養殖システムの開発に取 組むべきだと言うことであって,このことは単にそれらの試験,研究関係者の努 力だけで解決できるようなことではなく,行政思至は勿論闘係業界の協力に加え て国民多数の認識と理解によって達成できる大きな問題であると言えよう。

 この意味で今般本会がこれを取り上げ,一般の認識をさらに深めるための手段 として,シンポジウムの開催とその内容の印刷刊行を企図した次第である。

〈シンポジウムの主題とその進め方〉

 ひとくちに水産増養殖と言ってもその包含するところが相当広範囲であること は言うまでもない。が大別するといわゆる種作りと畑作りに加えて本来の水産養 殖の3つに分類できそうであり,これに加えて資源の管理をどうするか団主要な 検討課題であろう。そして資源の問題が基礎的なものであることも当然と言える ので,今般のシンポジウムを次の4つの部問に分けて進めてみることにした。

 1 新しい資源管理の在り方。

 H 沿岸漁場の整備開発について。

 還 栽培漁業の今後の進め方。

 W 養殖業の筆陣の方向Q

 がこれらの主題の背景となる諸条件や,殊にシンポジウムに参加して貰う諸先 生の都合などで必ずしも上記の順序で開催するわけにはゆかないので,実際には

(6)

 1 昭和52年12月10日 栽培漁業の今後の進め方。

 嚢 昭和52年12,月17日 養殖業の発展の方向。

 璽 昭和53年1月21日 沿岸漁場の整備開発について。

 W 昭和53年2月10日  新しい資源管理の在り方。

 の順序で開催せざるを得なかった。

 また,この4つのシンポジウムを通じてその都度参加した講師の諸先生方に診 願いしたことは,このシンポジウムの趣旨が,前述したごとく,200カイリ対策を広

く国民大衆にも理解していただくことにあるので,討論の内容を,ともすれば陥 りやすい専問用語を駆使する学術会議的なシンポジウムとなることを避けて,で きる丈平易な用語で進めて貰うよう要請したことである。

 そのためあるいは論旨が低調に流れた場合もあるかも知れないが,それ等は偏 えに。司会者の責任であって,諸先生:方の本音ではなかったことを特に付言して 置きたい。

 いずれにせよ,今回ご登場願った講師各位が200カイリ対策の花形旗:手として,

例外なくきわめて多忙な方々許りであるにか玉わらず,時間を差繰って御参加い ただき,日頃の蕊蓄を傾けていただいたことは本会にとりまことに光栄に過ぎな いことであり,重ねて深く感謝を申し上げる。

(7)

 浅野 一郎  市村 武美  井上 正明  小川 良徳  菅野  尚  佐藤 重勝  須田  明

○高橋清三郎  谷川 高士

』中村  允  能勢 健嗣  長谷川 彰  平沢  豊  平野礼二郎  古沢  徹  本田 昭郎  丸山 為蔵  三村 悌二  奥谷喜世志  伊藤 銀一  佃  朋紀

○シンポジウム参加者名簿

   く50音順敬三略》

水産庁研究部研究課課長補佐 日新海洋開発株式会社開発事業部長 神奈川県水産試験場増殖研究部長 東海区水産研究所増殖部主任研究官 東北区水産研究所:増殖部長

東北区水産:研究所長 水産:庁研究開発部参事官 藤永くるまえび研究所顧問 水産庁研究部資源課長

農林水産省土木試験場水産土木第3研究室長 淡水区水産研究所増殖部長

東京水産大学教授 東京水産大学教授 東京大学農学部教授

(社)瀬戸内海栽培漁業協会生産部長 水産庁振興部課発課長

淡水区水産:研究所養魚研究室長 水産庁研究部研究課研究管理官 財団法人東京水産振興会常務理事

財団法入東京水産振興会 財団法人東京水産振興会

      ○印は司会者

(8)

まえがき

シンポジウム「200海里時代の水産増養殖技術の展望」について,

シンポジウム参加者名簿

1 新しい資源管理のあり方………・・…・……… 1 耳 沿岸漁場の整備開発について………・・……・ …4g 盤 栽培漁業の今後の進め方………・… …  89 W 水産養殖業のあり方………・・…・………     ・119 参考資料………・一………… ……・・…・157

(9)

翻 シンポジウム〈200海里時代の水産増養殖技術の展望〉

1 新しい資源管理のあり方

         昭和53年2月10日開催

ご出席者(50音順)

市村武美 日新海洋開発株式会社開発事業部長

菅 野   省  東北区水産研究所増殖部長

佐藤重勝 東北区水産研究所長

須 田   明  水産庁研究開発部参事官 長谷川   彰  東京水産大学教授

本 間 昭 郎  水産庁研究開発部開発普及課長

高橋清三郎 司会

(10)

       目     次

1. つくる資源 ………・φ・………

2.猿払のホタテ資源の変遷 ………・・… ………

3. サグ稚魚の海中飼育放流 ……… ・……… … ………

4.回帰を左右する記銘はどうなる ………・・…・………

5.初期減耗を小さくするには ………・・…・………・・…・………

6。 沿岸資源調査と海域総合開発 ………・・…・…………

7.海洋牧場の考え方 ………

8.海洋牧場の進め:方 ………・・………・

9.マダイの種苗生産技術の進歩 ………・・…・………・一…………

10.管理主体をどう考えるか ………

11。新しい資源管理のあり方く須田明〉………一・………

 王 海洋牧場とは ………一・・………

 H 過去における資源造成の実績と問題点 ………

 頚 海洋牧場を支える技術 ………・・…・………

 N 海洋牧場開発への国の姿勢 ………・・…・………

1

4 7 9 10 15 16 19 21 26 39 39 40 44 46

(11)

「新しい資源管理のあり方」

司会  本日は,「新しい資源管理のあり方コということで海話いただくわけで   す。この取り上げ方も相当変わってきているように,私は感じて論ります。

  ことに,色々な関連の技術が進んできて,それに対する国の要請・国民の要   請といったようなものが強く出てきているといったことから,新しい資源管   理についての考え方がでてくるんじゃないかと思い蜜す。

   実は,本日は,サケなどに展開されている新しい増殖技術の問題は勿論,

  53年度から開始されることになった水産増養殖総合化技術,所謂,海洋牧   場技術の開発も主要なテーマとして討論していただくのですが,生憎海洋牧   場研究担当主査である須田さんが,よんどころない用事で出席でき蚕せんで   したので,須田さんには誌上参加(本文末尾参照)を願うことにして進めて   参りたいと存じます。

   最初に佐藤さんから概括的に:診話し願いたいと思いますが。

つく る資源

佐藤  「新しい資源管理のあり方」といいますと,今蜜でのような,自然に存   在するものを獲るんではなく,資源を作り,管理していくという印象を抱く   だろうと思います。

   最近,増養殖が世間の注目を浴びるようになって,私が特に感じていること   は,考え方というのが非常に技術の進歩を阻害していたりするということな   んです。従来の,獲るのをセーブするという資源管理の考え:方では,実際   の面でそぐわないところが出てくるわけですQ6,7年前までは, 「栽培漁業   というけれど,クルマエビの種ができたというけれど,実際に自然の生産に   どれだけ寄与しているのか」, 「瀬戸内海では,クルマエビの漁獲量が500       −1一

(12)

tまで落ち込んだのに,昔の水準ま・で増えるなど考えられないんじゃないか!,

しかし,瀬戸内海でのクルマエビの漁獲量が現在は1,200t位に上がってい ますから,増えてきたことは認めますが, 「じゃあ,自然との関連はどうだ」

という話が依然とあるわけですQこういう考え方をしますと,「打つ手はな い」, 「これ以上管理しようもない」, 「セーブしなくてもいいんじゃない か」という話にもなりますし,これ以上増やす手立てを考えるという気分も

なくなります。これは,成魚段階の話でしたが,種苗生産の段階でも同様な 話なんです。東北のアワビの種苗生産で,自然のものですと,50万粒の卵 から親になる数は2,3個になってし蜜います。今,我々がやっている種苗

生産でも,普通生残率は10%とか,15%なんですQところが,菅野さん

が指導しているカキ研究所の技術ですと,80%以⊥にもなるわけです。自 然では生残率の低いのが当り前なんですが,10%でも相当にいい成績なの に,80%以上にもなると異常だという感じを持つ人がいるわけなんです○

そうしますと,技術をそれ以上に発展させる意欲もなくなりますし,またで きないわけです○「自然に:あるものを獲る」 という資源の見方と,「これ から作っていく」 という資源の見方は非常に違うということで,これから の技術開発なり,資源管理の前提条件になると思い蜜す。

 これまでの技術の発展のしかたをみますと,入間が使う姿勢,例えば,あ る種を作り,その種を使って実際に生産してみたところ,利益があったとい うことは,(そういう技術が生産に使われるということじゃなくて,)むし ろ種苗生産の技術自体が,産業の中で改良され,改善されて使われているん です。したがって,ある意味では使えるような技術であれば,発展し確立さ れるんですが,使う方の人間の立場と合わない技術を作りますと,なかなか 使われないということは,最近色々な例ではっきりしてきていると思うんで すQですから,我々が技術を発展させるためには,作る技術を人間の生産形 態に:どうマッチさせるか考えながら作っていかなければいけないと思うわけ ですQ細まかい技術論は色々ありまして,例えば,作る場合に,諦めてし頑

(13)

  つたものは,生産にマッチしない形で取り上げてしまったんではないかと思   うんです。ですから,もう一回見直してみれば,生産にマッチすることもで   てくると思います。種苗放流などの場合で考えられることは,入間の作った   種苗というのが,自然の種苗と違うということだと思います。人間が育てた   特徴を有した種を,その後どのようにして育てるかということと組み合わせ   て考えると,種の性質が生きてゆくということもあるわけです○また,単に   種の問題ばかりでなく,その後の生産形態をも結び付け,技術を開発すると   いうことにもなるわけです。種から後の段階になりますと,資源の問題にな   り督すQ

   今までのところ,種作りにしろ,人間の生産形態に合致するもの,すり合   わ.せがう葺くいっているものについては,それだけ発展してきているわけで   す。しかし,将来資源が沢山できてきますと,今の格好が間に合わなくなると   いうことがでてくると思います○そうしますと,そういうことが起きるから   資源を増やさない,という考え方がでてきますとマイナスになると思います。

  そういう意味で,まず最初の段階として,生産にマッチするような資源の作   り方というものが,いくつかの種類で成功していますQこれからは,増えす   ぎて困まる,という形を起こさないように,自然以上の生産を人間の力で作   る,しかも,人間の生産形態にマッチするというふうにしていかなければな   らないだろうと思います。

司会  確かに,私もそういう考え方を持っていたんですが,単なる資源の保護,

  培養ではなく,積極的に, 「作る漁業」といった形で,真の再:生産を発展さ   せるんだという意味では,私共が昔やって細りましたカキとか,ノリは,そ   れなりにかなり進んでいました。最近は,ホタテ,アワビ,或いは,ワカメ   というように,新しいものがでてきました。また,サケ・マスの大量培養技   術の開発ということも,水産:庁で考えられて診られます○この仕事は,承る   ところによると,菅野さんは中心人物の澄一人ということですし,佐藤さん   から詮話のあった,カキ研究所での一今井さんが相当熱心にやられた仕事       一3一

(14)

ですが一貝類,海藻の資源の再開発といった仕事を含めて,菅野さんから 澄溶いただきたいと思います。

猿払のホタテ資源の変遷

菅野  佐藤所長から出てきた問題を補足するような形になると思いますが,「つ   くる資源」ということで,一番典形的な例は,北海道の猿払なんです。この   猿払は,北海道で非常に注目を浴びているんです。このことは,農林水産技   術会議の大きなテーマなんで,その内容を簡単に申し上げますと,明治の初   めごろから,ホタテの漁:場が開発されてきまして,漁獲量が増えてみたり,

  減ってみたりした時代が約80年位続きました。研究者が判断した,この栄   枯盛衰の中味は,資源が変動しているのではなく,採る側の入間の条件によ   り変動をもたらしているということです。非常に景気のいいときには,動力   化,機械化,省力化ということで,資源にアタックした結果減少してしまつ   たわけです。そして,暫く休んだ後,また新しい漁具漁法が開発され再びピ   ークができるという具合に,繰り返していたようなんですが,昭和20年頃   から,25,6年頃にかけて目茶苦茶な漁獲強度の開発が行われたため,昭   和25年以降,40年頃にかけてまったく採れなくなってしまったんです。

  大正初期から,猿払村の地先では,8万t位の生産があったところなんです   が,乱獲の結果,つい最近まではほとんど採れなかったんですQその当時の   「資源を作る技術」というのは,とにかく採らないでいれば資源は回復する   に違いないという,ありとあらゆる教科磐にでてくるような方法を使ってい   凌した。

   猿払は10年間禁漁をしたにも拘わらず,一向に資源が回復してこなかっ   たんです○

   その当時,和久井さんは, 「とにかく,人間が資源を駄目にしてしまった   のだから,種苗をそこに蒔いてやれば,資源が回復してくるはずだ○」とい

(15)

うことで,、母貝集団という言葉を考えだしたんです。その時,佐藤所長と私 がいっしょになり,素晴しい考えだということで,それを考え方の上で実証

してみようということになり蓬した。一:方,漁業協同組合は,その考え方に 組合の生命をかけたんです○ところが,猿払の組合は,以前から乱獲してい たので,非常に評判の悪い組合でして,北海道庁に借金の申し込みをしても 断わられ,結局,猿払村の財政で金を保証し,且つ,水揚げ高の5%を,必 ず積み立てる等,色々な条件を付けて,道信漁連だと思うんですが,そこか

ら資金を借りたわけです。また,村の方は,当時4千万円の村の財政から,

2千万円をホタテの種苗買付資金として保証したという背景も,金融面にあ り蚕した。従って,この借金を返済するために,組合員を7万円の月給制に:

して,水揚げ高の13%を漁業協同組合に積み立てるという強行体制を施い た結果,組合員数が64入になったんです。64人だけでホタテの養殖に取

り組み始めたんですが,漁場は20数年荒れたままになっていて,ホタテは ごく一部しかいなく,ヒトデばかりだったんです。そのヒトデを取り,約3 cmか4c田の一年を越した種を大量に蒔いたんです○

 種の開発の歴史は,昭和董i年から佐呂間湖で始まりまして,1cmの種萬 を漁場に蒔くということが長年続いたんですが,効果が全く漁民に認められ なかったんです。ところが,昭和46〜7年頃に,佐呂間湖で作った種を一 年佐呂間湖で飼いますと,(冬期間,成長が止まりますので,障害輪という 印がつく。)大きさが4cmか,5c田になるわけです。それを蒔きますと一 網走水産試験場の仕事なんですが一非常に歩留りが良く,常呂(トコロ)

の海では,約80%という結果がでてき蚕した。蓬た漁師も,1c田の種の時 には関心を示さなかったものが,4c田の種を蒔いた毅階では,種の効用を認、

めたということで一入工のものと,天然のものとでは,容易に障害輪で区 別が容易にできました一,漁師は自信をもっていたんです。丁度運良く,そ

の時にぶつかり,猿払では,ヒトデを取り除き,大量に,5,6千万円の種 を蒔いたんですっその結果,その瞬間から一6月に蒔いたんですが一,蒔        一5一

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  いたものが卵を生んだんではないんですが,その地先に天然のホタテが大量   に発生する現象も現われてきました。1年目はここ,2年目は別の漁場とい   うように,ホタテは種を蒔いてから採り上げるまで4年がかりですから,漁   場を5つばかり作り,種を蒔いては4年目に全部とり上げるというシステム   をこしらえていったわけです○その時に:,かっての乱獲の技術,根こそぎと   ってしまう技術が素晴しい勢いで役に立ちはじめたわけです。しかし,先程   も言いましたように,最初に放流したら,その年の春から天然のものが増え   始め,毎年同じ現象がどんどん出てき蓑して,漁場に種を蒔いてそれだけを   収穫すればいいものが,天然発生のホタテ資源が,どんどん沖にむかって拡   がっていったんです○そして,漁協は,64人の組合員が5枚の畑を耕すに   必要な船と,加工場をこしらえていきました。現在,この漁協は,沖合の資源   を余剰の形で,加工処理に手があいた場合に採るという仕組みを作り,嬉し   い悲鳴をあげているんです。

   入間が手を加えた種苗を,大量にある場所に入れますと,ホタテのポピュ   レーションが持っている不思議な性質一自分自身のポピュレーションを大   きくしていくようなもの一に,見事に変わってき寮した○このように,漁   協単位でやっていたものが,沖合の資源を使いこなせないわけですから,こ   の資源をどういうふうな形で使わせるか,また,増え始めた資源をどうコン   トロールするか,という問題もあります。

   入間が種を使って増やすことができる, しかも,資:源は自ら増えていく性   質を有していることに,意外と気がついていないと思い蜜す。これは,サケ   も同様で,帰ってきた魚から卵をまた再生産して,人間が増やすことができ   るんです○

司会  ホタテの4cmの種苗を蒔いたら,すぐに天然発生が出てきたということ   なんですが,そのへんの時間的な経過はどうなっているんでしょうかQ 菅野  蒔いた時期が5,6月頃ですから,ちょうどホタテの産卵期にもあたっ   ているんです。種を蒔いた瞬間に増えたというのは,色々な見方ができるで

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  しよう。今まで,ヒトデが周囲をカバーし,年とったホタテが片鵬に:追いや   られて,毎年産卵していたのかもしれません○それが,ヒトデを取り除いた   結果,天然発生したのかは問題があるところなんですが,ただ,種を蒔いて   新しいポピュレーションを作ったということはいえると思いますQホタテの   親がいるところには,ホタテの子供が定着するというからくりで,再生産能   力が回復してきたという説明もできますし,また,そういう見方をすること   が十分可能だと思います。

司会  サケ・マスについても訟願いします○

サケ稚魚の海中飼育放流

菅野  佐藤所長が,7年前からシロザケの養殖ということで始めたんですが,途   中から放流を考えるべきだということで,私が引き継いで別枠研究でやって   訟り蚕すQ

   この原理を簡単に説明しますと,現在日本では大ざっぱに10億粒の卵が   取り扱われ,放流されて訟ります。北海道艀化場の色々なデータによります   と,日本の沿岸を離れる該でに90〜95%が初期減耗をしてしまっている   ことが確実にいえると思います。増殖屋がその段階で何を考えるかというこ   とになると,まず一つは,川から河口に下がるまでに一特に長い川であれ   ば典型的なんですが一,食害による減耗ということです。河川により異なる   んですが,20〜40%の減耗が既にその川にあるんです。サケが河口に降   りた段階では,河口付近の汽水の,少し甘い塩分の処にしばらく滞留して,

  更に砂浜の波打ち際から,深さ10m位のところに1ヵ月滞留し,それから   北洋へと回遊していますQ

   まず,我々が簡単にできることは,川の生活史を切ってしまうこと,つま   り,川の中に減耗があるのであれば川での放流を止め,河口に減耗があるの   であれば河口での放流を止めて,生管に収容して,そこから放流してやると        一7一

(18)

いうことで,実験をしているところですQこれは,水産庁の指定研究として

昭和48年から岩手県の山田という所でやって澄ります。昨年,4年魚で

帰ってきた結果では,回帰率が7.3%でした。川と山田湾で生活している時 期に大きな減耗があれば,生讐の中で飼ってやることで,普通よりも回帰率 は数倍良くなるはずだということであったわけです。当時,5%ということ

も考えましたが,実際岩手県のその地域での園帰率は,沿岸来遊を含め約1

%位ですから,それよりも大きくなれば見事に証明されるんだということで した。ところが,実験をやってみましたところ,先程のような7.3%という 結果がでてきましたQしかし,今の別枠研究では,7.3%というのはきわめ て当り前で,10%以上ないと,サケについて非常に問題になってくると思 います○北海道では2%,東北で1%の回帰率といわれてい蓬すが,残りの 98〜99%が帰ってこないということなんです。ですから,川に放流した サケは,必ずしも川に帰ってこないんじゃないか,という説が,つい2年前 まで圧倒的にあったんですQ大学の先生や教科書には,放流した所に帰って くるということですし,95%が帰ってくるというデータもあるわけですQ しかし,95%が帰ってくるというのは,帰ってきた魚についての95%で すから,残りの90数%はアメリカに行ったり,別な川に行ってしまうんで はないかということで,実のところ,その地域に帰ってくるという話は信じ

られていなかったんです○増殖屋というのは, 「帰ってくる」 という基本 に立っていますが,つい最近まではサケが川に帰ってくることを,日本で誰 も信じていなかったんです。その地域に,もし帰ってくるのであれば,サケ の増やし方というのは,もっと積極的に:できたはずなんです。しかも,人問 が減耗をカバーできるのは,サケが北洋に行く玄でですから,それをカバー

してやればいいとか,生箕の中で飼ってやろうということも,誰かが気づい たっていいはずなんです。それが,何故でてこなかったかを考えれば,日本 のサケに関心を持っている5,6入を除いては,サケはその川に帰ってくると いうことを考えていなかったんではないかと思うんです○

(19)

回帰を:左右す1る記銘はどうなる

 もう一つ重要なことは,指定試験研究で, 「海中飼育放流」ということをや ってみて,今まで気付かなかったことがでてきたわけです。川の臭を記憶す るという記銘の問題で,生箋で飼うものですから,そういう問題に気付くわ けです。ところが,山田でやった実験では,放流した生貰の場所に最初にど うも帰ってきて,それから川に帰ってくるらしいんです○この記銘の問題で,

東大の上田さんの澄話では,ニワトリなどのプリンティングという記銘は,

ヒヨコが晦化して,ある時間が経つうちに動くものを親と決めるということ があるんです。しかし,サケの場合は,ニワトリの場合と違い,成熟するま で連続して記銘の問題が続いているんじゃないかということなんですQ川は 川の記憶があり,川の入口の記憶があり,海の記憶,鼠本の沿岸の記憶があ

り,北洋に帰っていく記憶がずうっと続いていて,北洋で成熟していくとそ の記憶がもとに戻っていくんじゃないだろうかということが考えられます。

そうし蓑すと,生箸を使ってやりますと,今までのサケの購…化放流事業は,

川でサケを漁獲する人たちがやっていて,最近までは,獲る人たちは,川で 放流されているものを獲るという認識を持っていなかったわけですQところ が,海中飼育をやってみますと,放流した場所に帰ってくるようですから,

もっと極端なことを言うと,定置の傍で放流すれば,その定置に帰ってくる という話にもなります。また,記銘の問題をいじりますと,川の記憶を少し 遠ざけて,川に帰ってくるんじゃなくて,最初に地域に帰ってこさせ,最後 に川に帰ってこさせるようなことも可能になります。この記銘という問題は,

白旗さんが日光で澄やりになったヒメマスの実験では,二沼間で完了すると いうことですし,岩手県の例では,1gのシロザケの稚魚を川に持っていっ て,川の上流から放しますと,二日聞で川を降りるわけです○ですから,シ

ロザケの記銘というのは,そんなに長時間ではなく,一週間以内の,非常に 短時間で記銘が起るらしいんです○そうなってきますと,川で放流するだけ       一9一

(20)

  ではなくて,色々なところがら放流してやりますと,そこにサケが帰ってく   るということで,とり方,新しい資源の作り方という問題で,色々なことが   考えられるようになりましたQそれが,私どもの海中飼育放流グループのね   らいなんです。私どもの研究は,今の記銘の研究,回帰率を10%以上にす   る技術の確さをもう一度確認するという,二つの大きな柱がります○

佑藤  菅野さんが, 「他の人が,サケは川に帰ってこないんじゃないかと考え   ている」 といわれたんですけれど,そういう入に聞き返し蜜すと,「帰っ   てくる」 というんです。しかし,多くの魚が帰ってこないと思っていた入   が,最初は多いような印象があったんです。

   この仕事を,最初に私が考案し,本間さんがその研究費を水産庁の予算に   計上してくださって取り組んだんですが,その時代まで誰も取り組まなかっ   たということを考えれば,どうも,本当に川に帰ってくるということが,感   覚としてなかったんじゃないかと思われるという話なんです。

司会  「昔,海中飼育をどうして考えなかったのか」といわれると弱いんです   が,私も行政の立場からサケの艀化事業に7,8年夢中になって取り組んだ   過去があるんで,確に帰ってくるということは信じていましたQ90数%の   減耗は,その当時では,止むを得ない,防ぎきれない減耗なんだということ   を,多くの人は考えていたんじゃないでしようか。

長谷川  初期減耗に対する評価が,少し弱かったのではないでしょうか。クル   マエビも3cm位までは,意外と減耗の中に占める食害は大きいようですQ 3   c皿蜜で飼うか飼わないかに:より,その後の生残率は随分違うという比較認識   が少し弱かったんではないかと思います。

初期減耗を小さくするには

菅野  この海中飼育をやる前の段階として,北海道の大きな川を中心にやった   給餌飼育という方法を北海道の方々が開発し,回帰の問題,初期減耗の問題

(21)

  に手をつけたということは,非常に大きなステップだと思います。それがあ   って初めて,海中飼育ということに気がついたと思うんです。

本聞  補足して澄いた方がいいと思うのは,サケはあくまでもモデルとして注   目を浴びていい魚種ですし,歴史的にみてもそういう位置にある魚種だとい   うことです。初期減耗をなんとかしようとする努力というのは,サケ以前の   問題として,瀬戸内海の栽培漁業で始められたという歴聖的な位置ずけだと   思い俵す○そういう給餌放流の持つ意味が,客観的に注目され,それをサケ   が取り込んで,給餌放流を河川で使訟うとしたんです。ところが,使う川に   は限度があるという考え方がでてきて,川を離れた形でのサケ資源の増殖と   いうのは考えられないんだろうか,例えば,ハッチエリー中心型のサケ・マ   ス増殖が考えられないんだろうか,ということもあるでしょうが,それとて   も淡水の資源に先行き限度があり,また,放してから,途中の川に迷入した   り,食べられてしまうという減耗も,そういう方式では防ぎきれないはずで   すQそうしますと,舞二三を川の一番下流に持っていくという考え方も出て   き蚕すし,それとのつながりで,海で育ててその中の減耗を,皆入間の手で   カットしたらどうなるんだろうかということになるんじゃないだろうかと思   います。

佐藤  今に:なってみて,非常に誤解され易いのは,種苗を強くするという問題   と,中間を保護してやるという問題は,若干レベルが違うと思います。餌付   け放流の段階で,淡水で餌付けするよりは,海の:方が成長は早いし,色々な   意味で場所もあり,大きな種苗を作るという問題と,菅野さんが言われた中   間を保護してやるという考え方の二つがあると思い寮す○この二つの考え方   を,人によっては強健な種苗を作るだけだというふうにとられているところ   もあって,園帰率が10%というと不思義に:多い,驚異の数字だというふう   な考え方も出てきているんです○しかし,実際は大きな種苗と,沖に出てい   く前のものを保護するという2つを,海でいっしょにやっているところが,

  サケの海中飼育放流の問題点だと思います○

      一1!一

(22)

市村  種苗の問題で,私共クルマエビの養殖を20年前からやり始めて,ポス   トラーバで放流するようになったんですが,初期減耗が甚だしいんです。そ   れに気付いた時,中間育成池を作りまして,そこで餌の問題等色々な研究を

  した結果,1g,2gで放してやると歩留りが,8,9割位まで上がったお

  けです。今,佐藤さんが診っしゃいました,入間が管理生産した,人口艀化   した種と,自然の種と大変違うということは,何かの面で,人間の技術が不   在のために,本来の種苗の生長を示していなかったんではないかと思い蓬すQ   ブリの場合の養殖も矢張り同じようだと思い蚕す。

長谷川  佐藤さんが言われた,種苗の強さと大きさの話で,強さというのは,

  生残率を良くする上で意味をもっていると思うんですけれども,大事なのは   大きさではないかと思います。全体を概括的にとらえてみますと,どうもホ   タテの生き残りも,越年で25㎜とか,30㎜の殼長の問題,アワビもその   ような殼長で生き残りが良くなるんです○クルマエビをみてみますと,外敵   のいないところでは,10m孤位のポストラーバでも,それ以上大きくなって   からの死亡率も同じ位なんですが,外敵がいるような海域だと30㎜位にな   らないと,どうも安定した生き残りがないんですQ小さい種というのは,沿   岸域がナーサリーなんですが,逆にそこに訟ける食いつ,食われつの構造の   中では,海域によって違うんでしょうが,30㎜位の大きさというものがあ   るんではないでしょうか。そういう意味では,佐藤さんの言われた大きさと   いう問題もあります。

司会  食害の魚というのは,地域的にある程度決まってきますね。

長谷川  それは微妙みたいです。自然界の中では,どちらが早く大きくなるか   で関係が逆転するということですからQ

佐藤  サケを放流するにしても,例えば,今できている種苗をいつ放すのか,

  餌の問題と,サケを捕食する魚の回遊具合などが,自然界では非常にうまく   いっているわけです○大きさだけでやると失敗してしまうということは,そ   ういうところにあるんです○

(23)

菅野  シロザケの海中飼育の場合,川から放流された群れは,5月から6月位   になりますと,沿岸にいなくなるわけです○それが,水温の目安で15度と   か,湾の中では11度なんですQ今のところ,沿岸に:滞留している期間を,

  とにかく生筈の中で飼うので,大きさに応じて放すんではなく,期間に応じ   て飼って放すということなんです0

   10月,11月回帰群を使う場合,5ヵ月位飼いますと,大きさが10gを

  越えて15g位になる可能性があるわけです。ただ,川の水温が低いところ   では,5,6月頃までかかっても5g位にしかならないところもあるんです。

  しかし,基本は,沿岸の減耗がある時期,つまり,普通の状態で北洋に帰え   るまでやるということで,その地域にあった大きさにしてやり,食害の構造   餌の構造をどうやってのり越えるかということになると思います。

長谷川  他の種類でも同じではないでしょうか○クルマエビの場合でも,何セ   ンチと固定したら駄目なんで,今言われたような生物学的な内容との関係で   大きさが決まってくると思います。

佐藤  ある意味では,オリンピックの記録のようなもので,一種をある段階で   増やしてみると,それから経験として,本当にそのもの自体が目標だったの   かどうかわかってくると思います。自然というのは,色々複合された初期減   耗の要因を含み,種苗にとっては非常に大きいわけですが,入間の力で克服   していけると思います。例えば,アワビの場合などは,95%生きるといわ   れていますし,実際,産業的な技術にしていく場合,どこがポイントか探究   できるようになると思いますQこれからは,この段階で色々なものができて   いくんだと思うんです。それをやるかやらないかは,人間の取り組み方と,

  できた場合にそれをどう使えるかということが,今後非常に大きな問題にな   ってくると思いますQ

司会  菅野さんの澄話にある海中飼育というのは,非常に画期約な一つの技術   だと思いますが,ただ日本海のようなところでは,どこまでやれるのかわか   らないと思います。

      一!3〜

(24)

   山形県鳥海山の山麓を流れる,吹浦にそそいでいる月光川の場合,産卵場   のあるところは,走り纏とびの選手が飛び越えられる位の川幅なんです。そ

  の川に,毎年3万5千尾から4万尾が湖上するんで,盛期には1日に3千尾

  も醐るんですが,この川は先程,菅野さんも澄っしゃつたように,河口まで   の距離が非常に短いし,川の中で給餌飼育をしているんです。河口の汽水の   地帯というのも極めて狭まいんで,調べてみないとわかりませんが,河口付   近ではごく短時間しか滞留しないんじゃないかと思います。この様な条件で,

  放流数から計算した回帰率は3%から3.5%位にもなるんです。ですから,

  地域的にそういった新しい考え方をやっていくと,面白いものが確にでてく   ると思うんです○

長谷川  関連しまして,資源学の:方でも自然死亡率というのが一番のポイント   なんです○しかし,どうも資源学に澄ける自然死亡率というのは,今の澄話   の中では,食害などの生物的な内容で考えられています○ところが,生物的   な内容が,あまり対象が大きくて追跡できないようなペラジッタなものを扱   っていたこともあるでしょうが,どうも,そこが放置されていた傾向もあっ   たのではないかと思いますQその点で,栽培漁業と言われているのは,自然   界に訟ける生き残りについて,生物学的な光をあてたという点で,大きな意   味をもっているんじゃないでしょうか○

司会  今の長谷川さんからでた問題ですが,確かに資源調査といった場合に,

  死亡率・生残率を調べることは,非常に:大きなポイントになるだろうと思う   んです○

   水産庁の予算で,沿岸の資源調査が15億円,沖含が65億円というよう   に,大きな位置を占めていますし,新らたに水産増養殖総含化技術の開発が   1億円の予算で調査が始まるということなんですが,それについて,本間さ   んどうでしょうか。

(25)

沿岸資源調奪と海域総合開発

本閥  沿岸資源の調査の中では,増殖的な観念は,現時点に訟いてはないんで   す。あくまでも, 「とる漁業」 という建前の中で,日本周辺の二百海里内   の,獲り残しの資源問題とか,これまで利用してきた資源についての利用の   仕方とかを積極的に考えていくということなんです。そのためには,現状把   握が前提だということで,我が国の二百海里内の重要な魚介類について,資   源研究の立場からのアプローチがなかったから,やっていこうということに   なったわけです。私共の立場からすれば,資源調査を組む段階で,我々が増   殖対象と考えている沿岸の資源も,積極的に資源調査の対象にすべきだとい   う主張をしたんですが,残念ながら二百海里時代を迎えての,藏本周辺の漁   業情勢の変化をうけて仕組まれた資源調査だけに絞られたわけです。しかし,

  今後の資源調査に対しては,もっと増殖的な立場から,さわれる資源も,資   源調査なり,資源生態調査の薄象になるべく早い機会にやるべきだと思いま   す〇

   二番目の問題ですが,研究者の中から自然発生釣に意欲的な技術化につい   ての,チャレンジということがあった⊥で,海域の総含開発技術というもの   がでてきたんではなかったというところに,私共研究行政に関連している立   場のものからすれば,どこから手を付けたら良いのか,一寸迷うような問題   ではあるんです。ただ,沿岸漁場整備開発法の第16条にあるように,仮り   に,これまでやってきた栽培漁業を敢えて,種作り中心の技術というように   抑へ込み,沿岸漁場整備開発のようなハードウェアを,海の中に計画的に配   置するという,考え方の環境作りとも上手に結び付ける必要性があるという   問題意識からすれば,従来から考え方がありましたし,最近のそういう社会   的な背景をうけ,新しい名前,プロジェクトを設定して,意欲的にそういう   方向での仕事を更にもう一度仕組んでいくという面では,願ってもないチャ   ンスなんだし,これをむしろ活用すべきだろうと思っているんです。内部的       一15一

(26)

に言葉の論議で, 「栽培漁業と海洋牧場というのは,同義異語ではないか」

等ということもあるんですが,敢えてその辺のことに拘泥する必要はないと 割り切っているということなんです○

 海域総合開発ということが言われだしたことに関連して,大変素朴に考え てみて,いくつか感じていることがあるんですG一つは,海域の総合開発と いうのは,新しい生態系を作るために,色々な手段を総合化するという言い 方なりを,かなり抽象的に言っているんですQそういうものを組み立てる具 体的な素材は,佐藤所長や菅野さん,或いは長谷川さんから出ている,サケ

・マス,ホタテ,クルマエビなどです。ただ,そこで十分詰め切れていない 問題として,新しい生態系というものを考える場合に,ホタテの場合,クル マエビの場合といったような,特定種をベースにした海洋牧場・総含開発を 自指しているのか,生物の側からみた,かなり複合された生態系の海洋牧場 を考えるのかという点が,まだ明確にされていないような感じがあるので,

将来そういう問題が海洋牧場を推進していく上で,研究会なり検討会の論議 の中で十分固められるはずのものだと思うんですが,ここでもそういう意識 をはっきりさせておいた方がいいんじゃないかと思います。

海洋牧場の考え方

司会  市村さん,今の本間さんからのご提案の問題ですが,どうでしょう。

市村  海洋牧場というのは,それぞれの考え方があるわけで,今菅野さんから   診話のあったホタテというのも,一つのホタテの海洋牧場だと思い俵す。色   々な生物がからみ合ってくるだろうと思うんですが,アワビ牧場とか,クル   マエビ,ガザミの牧場などが現にあるわけです○本間さんがおっしゃられた   ような意味での総合的,かつ多種類の牧場は,我々の中では整理がしにくい   し,またできないということなんです。むしろ,単一種類の定着性の強いよ   うな甲殼類なり,或いは魚類一タイなど一を中心にしたように,何か主目的

(27)

  を一つ決ゆた牧場というのがいいだろうと思います○

司会  ただ,本間さんも蟹頭に指摘されたように,海洋牧場の考え方には,必   ずしも水産庁の中から自然発生的に出てきた意見じゃなかったんだというこ   とにふくみがあるのと,また,従来我々が取り組んできたカキの養殖とか,

  ナマコの養殖とかいうものは,二百海里対策として,今更海洋牧場と呼ぶの   は論かしいから,もっと違った生態系的なものでなければいけないというこ   ともあるんじゃないでしょうか。

市村  海洋牧場に慶いて,例えば,タイの全生涯というのは技術的に不可能で   すから,三年魚とか四年魚位まで入間の手で管理してやるということが,海   洋牧場という考え方になるんじゃないかと思いますQ単一種の牧場が幾つか   集まってくると,やがて多種類のものを対象に:した,「海洋牧場」 という   ものが:考えられてくるんではないかと思います○

本間  とくに,長谷川さんに澄聞きしたいのは,海洋牧場を漁業概念として位   置ずけない限り,日本の沿岸漁業者が定着しないだろうと思うんです。また,

  定着させなければ,海洋牧場の意味も失せてくると思います。これまでの栽   培漁業の展開でも,単一種方式というのは,地域全体の受益という点からす   れば,非常に偏りをもつんです。それが,漁場紛争のもとになりかねないと   思います。

   今後の沿岸漁業振興が,金看板としての海域総合開発とか,海洋牧場とい   う形で,不特定多数の入に受益させることができるような漁業管理というふ   うに考えられがちなんですし,理想の形としてはそういうものがあると思う   んです。ただ,そこへ辿り着くまでの色々な可能性としては,どういう考え   方をしていったらいいかということは,重要な問題だと思うんです。

長谷川  評論家の立場で発言することになって,ちょっと夢がなさすぎると思   いますが,例えば,クルマエビの栽培化というものでさえ随分手聞がかかっ   ていたのに,一挙に総合ということになり蚕すと,人工衛星を手がけ始めて,

  いきなり宇宙の彼方に飛ばすようなことだと思うんです。今までの観念の低       一17一

(28)

  いレベルからみれば,単一種を踏み固め,所謂自然のレベルを越えた生物生   産力を作ることができるという観点が必要だと,佐藤さんが言われたわけで   すが,だからといって,単一種の無限の生物生産の展開は考えられないんだ   ろうと思います○例えば,クルマエビを,一定尾数以上放流してやりますと,

  あまり効果がないということがあるんです○環境が有している一つの定量的   なものが,科学的には朱だ明確にされていないんですが,やはりでてくるん   です。逆に言うと,ある一定量までくれば,好むと好蜜ざるとに拘わらず,

  その海域における生産力の増加は,別の種を利用するという形に展開せざる   を得ないということなんです○私が渋すぎるのかもしれませんが,そういう   形での展開こそが正道じゃないかと思います。一挙にやりますと,生態系の   概念で均衡論に入ってしまって,どうにもできないのではないかという感じ   がするんです○

本間  社会経済的な立場での問題意識というのを,十分頭に置かなければなら   ない,という意味では,佐藤さんや菅野さんから,もう少し,そのへんの将   来の考え方というのを知話していただきたいと思うんです○

司会  佐藤さんや菅野さんのご意見を伺う前に,本間さんに一寸澄聞きしたい   のですが,水産庁の53年度予算は随分大きなものになっているわけですが,

  その中で相当重要だと思われる水産増養殖総含化技術の開発に1億1千万円   しか計上しなかったというのは,何か特別な事情でもあったんでしょうか。

本間  実は,技術会議の方で予定している大型研究の申で,海洋牧場に必要な   技術開発というのをやっていく見通し,想定があるものですから,そういう   ものと抵触しない範囲で,部分技術として今まで開発されたものの中で,現   地に使えるような若干の技術だけについて,今回水産庁の予算の中でやると   いうことで,スタートを切っているわけです。

(29)

海洋牧場の準め方

佐藤  海洋牧場という言葉は,日本的じゃないんで非常を(使いにくいですし,

  感じとして実態を境わしていないと思うんです。養殖・増殖というものです   と,日本では非常に:わかり易いけれど,外国ではカルチャーの方がわかり易   いんですQまた,沖縄海洋博の時に,オーシャンランチという言葉を使った   んですが,今や欧米でも普通に使われているようです○まさに,海洋牧場の   直訳そのものなんです。国際的にみれば,海洋牧場の名前の方がいいという   感じは,急速に拡がると思います。ですから,名前の問題というのは,そん   なに気にしなくてもいいんじゃないかと思い該す。それよりは,名前の中で   何をやるかという話になると思います○

長谷川  名前の方は二の次にして,栽培漁業といわれる技術の意味を私なりに   考えてみますと,生物生産に人間が関ξする場合,経済の立場からですと,

  種の段階で生産力を調整できるということは,ある意味ではテープな,エフ   ェクティブな対応なんです○ところが,もう少しそれを越えた技術レベルで   海洋牧場が問題になるとすると,種を入れる場合の隈界は,自然の持ってい   る最抵限の餌のキャパシティが一つの限界たらざるを得ないと思うんですQ   ただ,種をいじるという技術をとらえた上で,もうちょっと大きいレベルで   環境そのもののキャパシティを増やすというような体系で,技術を考えよう   としているのかどうかということなんです。これは,環境をいじることです   から,金のオーダーが種をいじる場合と違ってくるんです。農業ですと,基   盤整備というようなことで,莫大な国家投資をしているわけですが,漁業の   場合,そういう国家投資が可能かということですQ

佐藤  栽培漁業を始める時は,種作りばかりをやるのではなかったんですし,

  栽培漁業というものが法律用語にならないんで,水産庁の先進的な方々が苦   労して,現実的にしてきたんだと思います○栽培漁業協会がつくられる時の   理念の中には,種作り・場作り・入作りという未だに実現されていないもの       一19一

(30)

がありました○

 南の方で,クルマエビがやっと種作りの面で卒業生を出すくらいのところ にきた段階なんです。栽培漁業のイメージからすると,作った人が矛盾なく 獲れ,効果が認められるところまでは,部分的にしか到達していないわけで す。栽培漁業で種を作ってやって,よそでも利益があるという格好で,獲る 人,作る入,地域セクトなどがなくなってやれる段階蓬できていないわけで す○つ俵り,栽培漁業がまだ種苗生産の技術段階で試めされているにしかす

ぎないんです。

 ホタテ貝のように,作った場所で採るだけは今の技術レベルでできるんで すが,増え過ぎても困るという問題が新たにでてきます。増えすぎて困る理 由は大きさが揃わないということで,このことは,流通の場に:とってはきわ めて大切なことなんですQ形が不揃いでは,商品にならないということです から,自然の生産を無闇に増やすことより,計画的に増やした方が良いとい

う問題が起こってくるんです○

 このように,栽培漁業の原点ということで,種苗の段階から放流効果のあ る段階にさしかかったところだという理解をまず持っていた方がいいと思い ますQですから,栽培漁業を,これから発展させていかなければならないし,

海洋牧場ということで,技術会議の別枠研究の中でも,もっと大きく包んで,

技術を検討していく段階だと思うんです。

 海洋牧場が原形として,海の生産力の⊥限の問題,増えた時に出てくる問 題等を考慮しつつ,漁業的に結びついた基本になる種類を増やしていくとい う意味での複合を考えた方がいいと思うんです。漁業を一種類のものでしま すと,季節労働になってしまって,どうしても他の種に頼らざるを得なくな

りますから,当面は海洋牧場のキースピーシィズを何種類か作り上げ,その 中で生物生産力の制限要素まで掘り下げていってみるということです。地域 が狭まいと,すぐに上限にいってし蜜いますから,サケなどの例のように,

シロザケが棲んでいるすべての地域も含め,どこまで魚が増やせるか,また,

(31)

増えた時にもう少し魚を少なくして,太らせた方がいいのか,また何年で帰 ってくるかということも含め,どんな魚を作るのか,生産力の上限がどうい

うふうに作用するのか,蓑だまだわからない段階なんです。既に,水産:増殖 の国際会議(FAO)で,成育場所でのキャリングキャパシティ(生産力の 問題)ということを考えなければならないと提起されているんです。我々も,

増殖的な見地から海洋牧場を考えれば,そこまでいくと思います。量そのも のの外に,最終的には商品の性質もコントロールするということになります と,今の栽培漁業のレベルより話が大きくなり,要素も別になってくると思 います。栽培漁業は,伸ばしていかなければならないし,海洋牧場は,大き な意味で,そういうものまで追求していかなければならないと思います。具 体的にパッとやられると,そういうスケールの大きな話ができなくなってし

葦って,すぐハードウェアをどう配置するかとか,今あるものをただ組み合 わせただけでできるかということになってくると思いますQ栽培漁業の,20 数年の歩みの中でみますと,結局考え方が大事だと思います。我々が獲得し てきたこの教訓を,海洋牧場の中で生かせなくなってし蜜うかもしれません から,そこを一番注意して,もう少し大きいスケールにしていく必要がある んじあないでしょうか。

マダイの種苗生産技術の進歩

本間  佐藤さんが言われるような形で受けとられない面もかなりあるような気   がするんで,もう少し先でその議論をしてもらったらと思うんですQ

   訟話の中にあったことに関連して,養殖と増殖のかかわり合いが,海域利   用というものでみますといくつかティピカルな例がでてくるんです。たとえ   ば,養殖ものが増えてきたために天然のものを駆逐するタイプ,これはかっ   てのカキやアコヤ貝がそうであったし,ワカメも中間的な格好になってしま   っているんです。ところが,ホタテ貝の場合はどういうタイプなのかという       一21一

(32)

  こともあります。

   魚類養殖を考えてみた場合に,最近の種苗生産の技術では,マダイについ   て養殖でみれば,いい卵をもった,産卵親魚を大景に抱え込んで澄り,おそ   らく全国で千万とか,数百万というオーダーになると思われます。これがマ   ダイの種苗生産技術を加速度的に発展させていると見るべきで,その辺の評   価はきちっとすべきじあないかと思いだしたんですQマダイの資源生態をみ   ると,3年魚位のもの黛では,比較的地先にいて動かないんですが,未成魚   なんです。産卵能力をもった成魚の資源評価が,資源研究者によりやられて   いないのでわからないんですが,仮りにマダイの親を生管の中に抱え込まな   かったとすれば,漁業でかなり大きな部分を獲られてし葦う可能性をもった   マダイの資源のはずなんです。それを抱え込んで産卵親魚蚕で育てている状   態です。それが,ユ千万尾を越えるオーダーになり,一尾につき120,130   万粒の卵を生む可能性をもっているはずですQそうし蜜すと,従来いわれて   いる自然のストックで,資源の添加に役立つであろう資源の量と,養殖で抱   え込んでいる量とを,どういうふうに並べて評価するのか,また,海洋牧場   なり,栽培漁業を展開していく上で,どういうふうに考えるべきなのか問題   になってくると思います。過去にも,定着性のもので例はあったんですが,

  それはどちらかというと天然ものを駆逐する形だったのが鰭ものになって初   めて両立形が考えられるということですから。

佐藤  増養殖の場合,種類一つができるごとに,今までは一つずつ考え方を作   っていかなければならなかったんです。しかし,共通の原理というものが,

  そろそろ色々なものにでてきていいんじゃないかと思うんです。先程来,色   色な話をしていても,一見違うような話なんですが,通して考えてみた場合,

  同じ貫き方の考えができるようになってくると思うんです。今までは増養殖   の学問を,増養殖学と名のっていたんですが,あまり増養殖学自体の共通の   考え方を作り上げていなかったので,非常に問題になってきたんだと思い寮   す。地蒔と養殖の問題など蓑だ色々出てくるんです。そういう意味で,この

(33)

  問題を共通性で考えることはできるんではないかと思うんですが,菅野さん   から地蒔の話をしていただいてから,その話をしたいと思います。

菅野  マダイの養殖は,危険な落し穴に落ちるような気がするんです。という   のは,陸奥湾でホタテの種が採れるようになってから,養殖が物凄く盛んに   なりました。その種を買って,岩手県,宮城県で養殖が始まってきましたQ   今では,陸奥湾だけで採苗が行われていたものが,ホタテのラーバが40日   位の浮遊期間があるものですから,幸か不幸か,流れにのって陸奥湾から出   て南下していくわけですQちょうど40日位経つと,岩手県の北部でも採苗   ができるんです○全く同様に,岩手県で養殖をやってい蚕すし,宮城県でも   養殖をやっていますから,そこで発生したラーバが南下して,千葉県沖の水   深60mくらいのところで採苗器を入れますとホタテの種苗を採取できるん   です。そういう意味で,今までみたこともないような形で,ラーバの供給が   人工的に可能になっているんです。ところが,岩手県で採った種が,いい年   もあれば悪い年もある,宮城県で採った種もいい年もあれば悪い年があるん   です○どうもそういうことを考えますと,やたらに母員集団をどこかで増や   したからといって,必ずしもどこでも増えていくとは限らないんです。マ   ダイの場合,私なりの感覚では,自然に卵を生む場所に親魚を大量に確保し   てやれば可能性としてあると思いますが,全く離れた養殖場で蓄養した親魚   から生まれる卵というものは,直接に:自然のポピュレーションを大きくして   いく添加群につながらないんじゃないかと思うんです○

本間  減耗の問題は,もう一つ別に:あると思うんです○マダイの場合を考えて   みますと,今まで非常に限られた場所で産卵すると書われてきたんですけど,

  至る所に産卵場ありという感じすらするんですQ事実,資源生態調査の結果   を集約してみると,どうもそんな感じがするんです。

帯村  しかも,産卵深度などもまちまちなんですQ

本間  だから,ものの本に:書かれていたマダイの生態というのは,あやしいと   いう感じすらするんです○今の意見を無条件で肯定して欲しいという気持は       一23一

参照

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︵原著三三験︶ 第ニや一懸  第九號  三一六

高田 良宏 , 東 昭孝 , 富田 洋 , 藤田 翔也 , 松平 拓也 , 二木 恵 , 笠原 禎也

参加メンバー 子ども記者 1班 吉本 瀧侍 丸本 琴子 上村 莉美 武藤 煌飛 水沼茜里子 2班 星野 友花 森  春樹 橋口 清花 山川  凜 石井 瑛一 3班 井手口 海

表4 区市町村 千代田区 中央区 港区 新宿区 文京区 台東区 墨田区 江東区 品川区 目黒区 大田区 世田谷区 渋谷区 中野区 杉並区 豊島区 北区 荒川区 板橋区 練馬区

疎開先所在地 勢多郡大胡町 群馬郡総社村 群馬郡総社村 勢多郡黒保根村 勢多郡富士見村 群馬郡古巻村 群馬郡古巻村 勢多郡北橘村