ビジネスゲームによる数理的社会認識の育成 ( 2 )
一中学校経済未学習生徒のゲームパ フォーマンスー
福田 正弘*
(2005年 10月31日受理)
BusinessGameandMathematical‑SocialUnderstanding
( 2 )
‑ Game‑perform anceoftheLowerSecondary SchoolStudents befbreleamlngEconomicsin SocialStudies‑
MasahiroFUKUDA* (ReceivedOctober31,2005)
1 研究 目的
ビジネスゲーム遂行時の意思決定では どんな知識 ・能力が決定的な働 きを演 じてい るの か。社会科 で習 う経済の知識か,それ とも別 な能力 か。本研究 は, 中学生が ビジネスゲー ムを遂行す る上で,現行の社会科の学習が どのような意味を持 ってい るか を明 らかにす る0 我々は,中学3年生 に,大学教育で用い られているビジネスゲーム (YBG‑横浜国立大 学 ビジネスゲームシステムのベーカ リーゲーム) をプ レイ させ る とい う実験授業 を行い, 中学生のゲームパ フォーマ ンス を探 ったOその結果,実験 に参加 した中学 3年生 は大学生 と同等 レベル のゲームパ フォーマ ンスを示 し,彼 らは満足で きる水準で ビジネスゲームを 遂行 できることが明 らかになった (福 田,2005b)。そ して,我 々は, 中学校公民的分野の 経済の学習 を終 えた程度の経済初学者 でもビジネスゲームを充分 に理解 し,遂行す ること がで きる と結論 した。
現在,わが国では,中学校社会科公民的分野の経済学習 を対象 にしたもの として,内閣 府 (日本経済教育セ ンター)の 「牛井屋経営 シ ミュレーシ ョン」 (http://www.keikyoICenter,
or.jp/jigyo/main.htmDや消費者教育支援センターの 「ドングリマーケット」払ttp://www.consumer‑ educationjp/DMG/),起業家教育.com (アン トル ビー ンズ)の 「や ってみ店長」 をはじめ と す る一連 の教材 ソフ トウェア (http://www.kigyokakyoiku.com/) な ど,官民 をあげて,数多 くのゲー ミング ・シ ミュレーシ ョン教材 が開発 され供給 され てい る。我 々の研究成果 は, こ うしたゲー ミング ・シ ミュレーシ ョン教材導入の動 きに客観的な実践的根拠 を与 えるも のである。
ところで,我々が研究 を遂行す る中でい くつかの課題 が発生 し,その解決 が求め られて いた。その一つが, ビジネスゲームを うま く遂行できるのは経済 を学習 した者 だけか,つ
*長崎大学教育学部初等教育講座 (社会科教育)
18 長崎大学教育学部紀要 教科教育学 No.46 (2006年)
ま り中学 3年生でない とビジネスゲームはできないのか とい う問題 であった。それ は,経 済の学習 を終 えた生徒でない と,ゲームで放 り組 む店舗経営の ビジネスモデル を理解す る ことができず, ビジネスモデル を理解 できない生徒 はゲーム を上手 くで きないであろ うと い う仮説が実験授業 で必ず しも支持 されなかった ことによる。つ ま り,生徒 のゲームの成 績 と 「理解」 の間に相関が見 られ なかったのである。社会科 での経済学習‑ゲームでの ビ
ジネスモデル の理解‑ ゲームの成功 とい う形成関係仮説 を考 えていた我々に とって,それ は大 きな反証 ともい えるイ ンパ ク トのある事実であった。
そ こで,今回我々は, この仮説 を再検討す るために実験授業 を計画 した。検証すべ き課 題 は次の3つである。す なわち,
① 経済未習者 がゲーム を満足 に遂行 で きるか どうか
② 経済未習者 がゲー ムのモデル を理解 で きるか どうか
③ ゲームのモデル理解 はゲーム成績 に関係 があるか
の3つ である。以下,実験授業 の概 要 とその結果 について報 告す る。
2 研究方法 2.1仮 説
本研究 に臨む我 々の仮説 は,先述 したもの を修正 し,次の よ うにした。
ベーカ リーゲームを遂行す るのに必要な知識 は,ゲームのモデル に対す る体系的機能的 知識である。それ は,ゲームに登場す るベーカ リー (パ ン屋) の経営 を支配 してい るビジ ネスモデル と,ベーカ リー経営 に伴 って産出 され る損益 を支配す る損益モデル についての 理解 である。 この2つのモデル を理解す るには,ゲームシナ リオ を丹念 に読み,そこに記 述 されてい る内容 をゲームで求 め られ る行動 に変換 して出力 できるよ うに,チャー ト図や 数式 として記述 できることが必 要 になる。 しか し,そ こでは,例 えば会社の種類 について の定義的知識 の よ うに,今 日の社会科 で一般的に教 え られてい る経済一般 の知識 は必ず し も必要 とは されていない と思われ る。それ ゆえ,ベーカ リーゲームの よ うな ビジネスゲー ムの遂行 には,経済制度 についての定義的知識の学習 を主 とす る社会科 の学習 は必ず しも 前提 とされ ないのではないか と考 えた。
従 って,本研究 では,
①社会科 で経済の学習 を終 えていない生徒 でも, ビジネスゲームを満足 できるレベル で 遂行 で きる
②社会科 で経済の学習 を終 えていない生徒でも, ビジネスゲームのモデル (ビジネスモ デル,損益モデル) を理解 で きる
③生徒 の ビジネスゲームのモデル理解 は,ゲームパ フォーマ ンス と関係 があ り,理解 の 優れ た生徒 (チーム) はゲームパ フォーマ ンスにも優れてお り, よいゲーム成績 を修 める
の 3つ の仮説 を立てた。
2.2被験者
本研究では,社会科で経済の学習 を終 えていない生徒 として, 中学 2年生 を被験者 とし た。被験者 の生徒 は,諸般 の事情で, 中学校 3年生の実験授業 を実施 した学校 の生徒 では な く,異なった学校の生徒である。被験者は38名,1つのクラスの生徒全員である。また,
このクラスの生徒 は全員ベーカ リーゲーム をプ レイす るのは初 めてである。原則 として 3 人 1チームで グルー プ分 けし,合計13チームでゲーム を実施 した。
2.3実験授業
実験授業 は2005年3月 に,YBGのベーカ リーゲーム を用 いて実施 した。実施環境 は, 可能 な限 り中学3年生の実験授業 と同 じになるよ うに配慮 した。す なわち,授業時数 を2 時間の連続授業 (事前説明20分,事前 アンケー ト15分,ゲーム60分,事後 アンケー ト ・ 解説20分) にし,ゲームシナ リオ を事前 に配布 してお き,生徒 が事前 に学習 で きるよ う にした。 さらに,生徒 にゲーム中の電卓使用 を促 し,入力 内容 を熟慮 して意思決定す るよ う励 ま した。
授業 の模様 を写真1‑ 4に示す。
写真 3 写真4
2.4デー タ収集 と検証方法 2.4.1デー タの収集方法
本研究 でのデー タの収集方法 は次の通 りである。
まず,生徒 のゲームパ フォーマ ンスについては,YBGのシステムに保存 されてい るデー タを用いた。具体的 には,各チームのゲームの成績 デー タ と,各チームの ラウン ドごとの 入力 デー タ と経営デー タである。 特 に,後者 に関 しては,生徒 の表面的なゲーム成績 だけ でな く,ゲームに込 め られ た経営学概念 に対す る生徒 の理解状況 を見 るために,生徒 の意
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思決定の結果か らp比 とDs比 (福田,2005b)の2つの指標を算定 し,データとして用いた。
ここで,P比 とは,各チームのラウン ドごとに一意的に決まる損益分岐価格peと実際に 決定 した価格Pとの遊離比率 (1‑Pe/P)である。 この値 が大 きいほ ど利益 が出ているこ とにな り, またマイナスである限 り利益 は生 まれない。一方,Ds比 とは,受注数Dと供 給数Sとの遊離比率 (1‑D/S)である。 この値 がプラスだ と供給過剰 で売れ残 りが生 じ 廃棄損失が発生 してい ることになる。 逆 にマイナスだ と供給不足で販売の機会損失が発生
してい るこ とになる。 この値 をゼ ロに近づ けることが よい経営の条件 とな る。
次 に,生徒のモデル理解 に関す るデータは,事前のアンケー トか ら得た。事前ア ンケー トでは,モデル理解 (ビジネスモデル と損益モデル) についての生徒 の理解 を見 る設問を 設 けた。前 回の中学 3年生 を対象 とした実験授業の際 にも問題 となった (福 田,2005b)よ うに, この設問には正 しく生徒 の理解 を測 っているのか とい う技術的な疑 問があったため, 今 回は次の よ うに改 良を施 した。
す なわち, ビジネスモデル の理解 を問 う設問では,以前行 った よ うに生徒が ビジネスモ デル の図 を全 く最初 か ら描 くとい うのではな く,部分が描 かれた図にビジネス要素 (5要 秦) を加 え,図を完成す るとい う方法 をとった。生徒 が描いた要素数 をカ ウン トし,得点
とした (5点満点)。
また,損益モデル の理解 を問 う設問では,売上 げや変動費用,固定費用 を含 めた総費用 とい う損益 にかかわ る4項 目の式 を書かせ,最後 に利益式 を書かせ るとい う方法 をとった。
正 しい式 の記述数 をカ ウン トし,得点 とした
( 4
点満点)。本研究では, これ ら2つの設問に対す る生徒 の得点 をゲームのチーム ごとに集計 し,そ の平均値 を とってデー タ とした (9点満点)。
2.4.2検証方法
仮説 の検証方法 は次の方法で行 った。
① について
まず,生徒のゲーム成績 グラフを,前回の中学 3年生のそれ と単純比較す る。次 に,ゲー ム成績 の高位 (1位),中位 (7位),低位 (最下位)のチームのDs比 とp比のグラフを, 前 回の中学3年生 のそれ と比較す る。
② について
比較対象 とな る中学 3年生 のデー タがないので,モデル理解 の得点 か ら評価 す る。
③ について
② のデー タをゲーム成績順 に並べ,各チームのモデル理解 の得点 とゲーム順位の相関関 係 を見 ることによって判定す る。 この作業 は② の作業 と同時的 に行 う。
3 結 果
3.1ゲームパ フォーマ ンス
今回実験授業 を行 った中学2年生のゲーム成績 は,図1の通 りである。 中学3年生のゲー ム成績 (図2)と比較す ると,同等かそれ以上の成績 であること,そ して各チームの利益 の伸び具合が同様であることが窺 える。 よって,本実験授業の被験者である中学 2年生は, ベーカ リーゲーム をプ レイでき,満足 できる レベルのゲームパ フォーマ ンス を示 した とい える。
図1 中学校2年生のゲーム成績 (2005年3月実施)
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‑20000
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図2 中学校3年生のゲーム成績 (B校2005年1月実施)
次 に,ゲーム成績 の高位 (1位), 中位 (7位)低位 (最下位)のチームが示 した p比 とDs比 の グラフを, 中学3年のそれ と並べて掲示す る (図3)0
わずか3チームの比較 であるが,図3か ら, 中学2年生 も中学3年生 と同じよ うに,そ れぞれのゲーム成績 に対応 した p比,Ds比 の動 きを示 してい る。す なわち,高位 のチー ムは p比 がゼ ロよ り大 き く,Ds比 もゼ ロに近 い とい う利益条件 を満 た しなが ら, その変 動幅 も小 さく安定 してい る。中位 のチームは,最初利益条件 を満足で きず にい るが,徐 々 に条件 を満 た し,変動幅 も小 さくなって安定 してい く。それ に対 し,低位 のチームは利益 条件 を満足す ることはな く,変動幅 も大 きいままで安定す ることはない。 この よ うに,経 営上の正 しい意思決定ができるとい う観点か ら経営学概念 の理解 を捉 えた場合, 中学 2年 生 も中学 3年生 と同様 の理解傾 向を示 してい るとい える。つ ま り,ゲームの成績 とい う外 面的な一致 だけか らでな く,意思決定の内実 とい う内面的な一致か らも, 中学 2年生が中
長崎大学教育学部紀要 教科教育学 Nd.46 (2006年)
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. ∵ / 丁..\八 .A . i,,.*上1/7 2 3\ヽ4//5'も6//7\い
I \!'/ V ≠
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中 3 ‑12位 図3 P比 (◆右 目盛) とDs比 ({左 目盛)
学3年生 と同様 のゲー ム遂行能 力 を持 ってい る とい え るので あ る。
3.2モ デル 理解 とゲーム成績 の関係
で は, ビジネ スゲーム を遂行す る際 の前提 とな るモデル の理解 は ど うで あったか。 ここ では,作業 の遂行上,仮説② と仮説③ の検討作業 を同時進行 させ,生徒 のモデル理解 とゲー ムパ フォー マ ンスの関係 を示 した表 1と図4を掲 示す る。
表 1 モ デル理解 とゲーム成績
ビジネスモデル肇解maX=54.005.004.002.003.002.334.004.003.502.002.332.252.00 損益モデル理解maX=4 4.004.003.003.334.00 3.003.672.333.004.00 3.67 1.002.67
9
8 3
◆
◆ ◆
◆◆◆
2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1
図4 ゲーム順位 とモデル理解
生徒 のモデル理解 は, ビジネ スモデル理解 は平均4.1点 (満点5点),損益 モデル理解 は平均3.1点 (満点4点),両者 の合計7.2点 (満 点9点) でか な り高い得点 を示 してい る。 中学3年生 との比較 デー タはないが, この数字 か ら中学 2年生 も充分 にモデル を理解 してい る と判 断 して よい と思われ る。
表1と図4か ら,生徒 のモデル理解 はゲームの成績 (ここではゲー ムの順位) と相 関関 係 を持つ ことが直感 され る。ちなみ に両者 間の相関係数 を算 出す ると,‑0.723であった.
これ は両者 間 にかな りの相 関が あるこ とを示唆す る値 である。 ただ順位 との相 関は,順位 が高い ほ どモデル理解 の得点が高い傾 向があ るとい うことを示す だ けで,両者 間の因果 関 係や形成 関係 を示す わ けではない。
4 考 察 4.1結 論
以上 の実験授業 の結果 か ら,本研究 で設定 した仮説 について次 の よ うに判 断す ることが で きる。
仮説① について
仮説(彰は, 「社会科 で経済 の学習 を終 えてい ない生徒 で も, ビジネ スゲーム を満足 で き
24 長崎大学教育学部紀要 教科教育学 No,46(2006年)
るレベル で遂行できる」とい うものであったが,実験授業の結果,経済未習 の中学 2年生 で もビジネスゲームを十分満足できるレベルで遂行 で きると判断 を下せ る。 しかも,それ は,ゲームの結果 としての成績 だけではな く,ゲーム中の意思決定のプ ロセスにおいて も い える。
仮説② について
仮説② は 「社会科 で経済の学習 を終 えていない生徒 で も, ビジネスゲームのモデル (ビ ジネスモデル,損益モデル) を理解 で きる」とい うものであったが,本研究で採用 した測 定方法 で採取 できたデー タか ら, 中学2年生 はゲームのモデル を十分 に高い レベル で理解 で きてい る と判 断で きる。
仮説③ について
仮説③ は 「生徒の ビジネスゲームのモデル理解 は,ゲームパ フォーマンス と関係があ り, 理解 の優れた生徒 (チーム) はゲームパ フォーマ ンスにも優れてお り, よいゲーム成績 を 修 める」 とい うものであったが,本研究では両者 間の相 関関係 は認 め られたものの, どち らが原 因で どち らが結果 か とい う両者 の因果的な関係 ない しは形成的な関係 を確認す るま でには至 らなかった。
4.2含 意
以上 の結論か ら, 冒頭 に述べた経済制度 に関す る一般的定義的知識 を教授す る今 日の中 学校 での経済学習 は,経済的な意思決定 を行 うビジネスゲームを遂行す るための必須要件 ではない ことが明 らかになった。
これ は,現行 の社会科 の経済学習 に対 して批判 的な意味 を持つ ことになる。それ は, ビ ジネスゲームで必要 とされ る能力が社会科 の学習 とは関わ りない ところで育 ってい ること である。 ビジネスゲームで培 うスキルが社会科で育てるべ き学力の全てではないにしても,
ビジネスゲームの よ うな意思決定 を必要 とす る場面で生 か され る知識や能力 を社会科が与 えるべ きである と考 えるのは 自然 な ことであるし,正 当な考 えで もある。
こ うした考 えか ら,内閣府 (2005)の報告 が,生徒 の合理的意思決定能力 を育成す るよ うに体系的な経済教育の整備 を提言 し,モデル教材 としてシ ミュレーシ ョン教材 を開発す るに至ったのである。ま さに現状 の社会科‑の批判 を,代案 と教材 の提示 とい う緩やかな 形 で示 したもの と解釈 で きる。
本研究の結論 は,現在 の中学校社会科 に対 して,合理 的な意思決定 の必要要件 となる能 力 の育成 に注力すべ きであることを示 してい る。直哉 にいえば,社会科 を学んだ生徒 と学 んでいない生徒が, ビジネスゲームで同じパ フォーマ ンス を示す よ うな ことでは社会科の 意義がない とい うこ とである。
4.3課 題
では,その場合,果 た して,育て るべ き意思決定の必要要件 となる能力 とは何であろ う か。本研究では,それ をゲームのモデル理解,つ ま りビジネスモデル の理解 と損益モデル の理解 とし, ビジネス を構成す る諸要素の関係づ けや利益算 出の数式 の定立 をその具体的 内容 と考えてきた。ベーカ リーゲームでは,壁徒 は,ゲームシナ リオを読んで,ベーカ リー 店 の経営要素 を機能的 に関係づ け,経済行為 とお金 の流れ を頭 の中に描いてい く。 さらに このゲームでは,材料仕入れ,生産,販売 に時間差 があるため,意思決定の時間的落差 も 考慮 に入れなけれ ばな らない。 こ うして生産 を維持 しなが ら,利益 を極大化す るために,
売 り上 げ と費用 の関係 を常 に考慮 してい く必要がある。 こ うした思考 は, システムの構成 要素間の論理 的関係 を兄いだ し, もの とお金 の流れ を推測 した り,意思決定 の結果 をコス
トや利 益 の関係 で見 る とい った数理 的 な思考 に他 な らない。
一般 に, ビジネスゲームにお ける意思決定 は経済的概念 に基づいた合理 的意思決定 とい われ るが, ビジネスゲームにおいて意思決定が合理 的であるためには,思考 が数理 的でな けれ ばな らないであろ う。 そ うだ とすれ ば,経済 にお ける合理 的意思決定 の基盤 とな る経 済的概念 は数理 的思考 の発達 をまって形成 され る とい うことにな るのではないだろ うか。
そ して,数理 的な思考 は社会科 の体系 とは別 の ところで発達す るわ けだか ら,子 どもの経 済的概念 は社会科 とは別 な ところで形成 され てい る とい うこ とにもな るのではないか。
本研究 では,生徒 のモデル理解 をキー に据 え生徒 のゲームパ フォーマ ンスの規定要因 を 探 る とい う課題 に挑戦 したが, ゲームでの意思決定 にそれ らが ど う関わってい るのか とい う形成 関係 の導 出まで には至 らなかった。 この課題 について, さらな る探求 を続 けたい。
文 献
福 田正弘(2005a).社会科 にお ける数理 的モデル認識 , 長崎大学教 育学部紀要教科教育学 44,15‑24.
福 田正弘 (2005b). ビジネ スゲー ム による数理 的社会認識 の育成 , 長 崎大学教育学部紀 要教科教 育学45,ト13.
内閣府経 済社会総合研究所 (2005).経 済教 育 に関す る研究会 中間報 告 .