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中学校における生徒指導主事のリーダーシップに関する研究

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Academic year: 2021

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(1)中学校における生徒指導主事のリーダーシップに関する研究                            専攻 学校教育学                            コース 学校心理学コース.                            学籍番号M09038J                            氏名 増田 佳英. 第1章 問題の所在と研究目的  学校教育現場において問題行動の多様 化・広域化が進むなかで、生徒指導場面での. と他の教師(6名)についてインタビュー調査 (半構造化面接)を行う。. ①生徒指導主事の苦悩と支えについて. 組織的対応がこれまで以上に求められてい.  苦悩についてはr教師間の連携がとれな. る。しかし、生徒指導主事と他の教師との間. い」、「生徒の指導が難しい」というカテゴリ. に十分な連携が取れず、組織的な対応が行え. ーに、また、活動の支えについてはr自分の. ない場合が少なくない。本研究においては、. プライド」、「家族」、「生徒の頑張り」、「職員. 生徒指導主事と他の教師との意識の差につ. の協力」というカテゴリーに分類された。. いて検討し、協働的生徒指導体制を基盤にチ.   r連携がとれない」に関しては、全生徒が. ームワークを機能させるうえで、求められる. 自分たちの生徒であるという意識が低く、職. 生徒指導主事のリーダーシップのあり方を. 員問の生徒指導による共通理解が得られず. 明らかにすることを目的とする。. 足並みがそろわないことがあげられた。また. 第2章 生徒指導主事の職務とリーダ. 問題についての情報や報告が遅れることで. ーシップの発揮に関する質的分析. 後追い指導になることを懸念している。生徒.  (1)生徒指導主事の職務の行動記録から. の情報が指導と対応に直結するため、生徒指. 方法 県内公立中学校の生徒指導主事(男性. 導主事は、同常的な情報交換による連携を求. 教師)の」週間の行動記録を行う。. めている。r生徒の指導が難しい」について.  学校現場における生徒指導主事の行動記. は、問題の複雑化、広域化が進むなかでの迅. 録から、その仕事の内容は主にr毎日の活動」、. 速な対応・対処が求められることや家庭の教. r生徒対応」、r校内連携」、r校外連携」に分. 類された。管理職、同僚、関係機関など、広. 育力の低下により問題行動を繰り返す生徒 .の指導が入りにくいことや生徒指導主事と. 範囲にわたって連携のための活動を行って. して役割上、常に生徒に毅然とした態度で接. いることがわかった。問題行動への対応・対. すること等があげられた。. 処は、個々の生徒・保護者への対応と指導を.  生徒指導主事の活動を支えているものと. 含め、職員朝礼、会議や教育委員会への報告、. しては、自分のプライド、家族の支え、役割. 関係機関との連絡調整などがあげられ。また、. にもとづく教師の協力、そして、生徒への支. 生徒の現状把握は登下校時の行動観察や;保. 援における校内外のサポートの存在があげ. 健主事との情報交換などから得られている。. られた。. 生徒指導主事は日々間題行動への対応に追. ②生徒指導主事と他の教師のリーダーシッ. われているが、問題が後追いになることに不. プに関する意識の違い. 安を感じ、未然防止に意をつくして、登下校.  生徒指導主事については「保護者対応」、. 時の指導、巡回、管理職や同僚、関係機関と. 「生徒対応」、「校内連携」、「校外連携」のカ. の情報交換を重要視している。1日の活動記. テゴリーに分けられ、他の教師についてはそ. 録から見られる校内連携のマネジメントに. れに『地域対応」が加えられた。リーダーシ. おいて、特にリーダーシップを発揮している. ップが発揮される場面として、生徒指導主事. ことがわかった。. (2)生徒指導主事へのインタビュー調査か ら. 方法 県内公立中学校の生徒指導主事(6名). は、問題生徒や保護者への対応に加え、校内 連携の具体化をあげているのに対して、他の 教師は直接・間接的な保護者や生徒への問題. 対応を中心にリーダーシップを期待してい. 一68一.

(2) ることがわかった。.  認識に比べて現実の平均点が特に低い項. 第3章生徒指導主事のリーダーシッ. 目として、マネジメントのr生徒指導に関す. プに関する量的分析. る専門的知識に精通している」という項目、. ①生徒指導主事のリーダーシップの構成要. 同僚性については、r教員の一人ひとりの長. 件. 所を生徒指導に活かすことができる」という. 方法 県内公立中学校の生徒指導主事(122. 項目、問題対応については、r生徒指導上の. 名)と他の教師(403名)に対して生徒指導主事. 問題解決過程の動向を把握する」という項目. のリーダーシップについての質問紙調査を. があげられた。. 行う。.  生徒指導主事は、リーダーシップを発揮す. 生徒指導主事と他の教師を対象に、生徒指導. るうえで、生徒指導上の目標達成をめざして、. 主事がリーダーシップを発揮する上で必要. 指導に関する専門的知識、生徒指導に関する. とされる要件について検討した。主因子法に. 研究・計画的な取り組み、同僚の個性を把握. よる因子分析の結果。第1因子は生徒指導目. しお互いが協力できる関係づくり、問題解決. 標の推進や協働的研究等から成る「マネジメ. 過程を把握して適切かつ迅速な対応を行う. ント」(α=.868)、第2因子は同僚の失敗をフ. マネジメント、および同僚性の重要性を強く. ォローする等から成るr同僚性」(α=.869)、. 意識している。しかし、現実にはそれらが実. 第3因子は問題対応について明確な指示を. 現できずに苦悩している。. 与える等から成る「問題対応」(α=.793)、第. 第4章 総合考察と今後の課題. 4因子は恐そうな雰囲気等から成るr個人的.  生徒指導主事は連携を推進するために全. 資質」(=.634)と命名された。. 体を見通すrマネジメント」や、その前提と. ②生徒指導主事と他の教師の意識の差. しての他の教師の個性の理解と個々の教師.  抽出され4因子に関して生徒指導主事と. の専門性の活用によるr同僚性」が重要だと. 他の教師との意識の差についてのt検定を打. 考えている。しかし、他の教師は「マネジメ. つだ。. ント」や「同棲性」よりも、重大事案におけ. Tab1e1 生徒指標主■と他の教師別平均得仁とSDおよ誠検定の絡黒. る問題対応についてのみリーダーシップを 求める傾向がみられる。そのことが、生徒指.      生.         SD        SD  t. マ  ジメント    39,68  3.1フ1     30j王1  4.809  6.84榊. 同僚性    35,96 3.他2   32切 4−024 7.1羽軸 間1一対日;      23」01   1.324      22,51  2−206  3,105納. 賃人的貫賃  10−45 2.242   1α09 2−355 1.45. 導主事のリーダーシップに関する他の教師 との認識のズレを生み、協働的生徒指導体制.  生徒指導主事がリーダーシップにおいて. の構築を困難にしていると考えられる。問題. 「マネジメント」と「同僚性」を重要と考え. 解決的な生徒指導に終始せず、開発的・予防. ているのに対して、他の教師は、生徒や保護. 的な生徒指導を推進していくためには、生徒. 者への問題対応の成否を重要視している。こ. 指導目標や問題行動への対応についての方. の認識のズレが、協働的機能に影響を及ぼし. 針や対策を立てることが重要である。その不. ていると考えられる。. 可欠な前提として、生徒指導主事と他の教師. ③生徒指導主事自身のリーダーシップに関. との間で、生徒指導主事のリーダーシップに. する認識と現実との養. ついての認識と共通理解を図る必要がある。. 生徒指導主事自身がリーダーシップに必要. そのためには、生徒指導の内容や協働的体制. と考える要件について認識と、それが実際に. に関する共通認識を得るための研修体制の. 発揮されているかどうかという現実との差. 整備が求められる。. についてt検定を行った。. 主任指導教員 小林 小夜子. Tab1e2 生徒指導主裏の認識と現実の平均得値とSDおよびt検定の結集.     ___跳__ __」魁_         SD        SD. マ  ジメニ’ト    39,68   3・一丁一      33・84  4・9−9  14・05榊. 同僚性    35,96 3.432   30.45 4316 14・2恥林 間田対応   23,07 1.324   1舳2 2.8万 13。頸榊 信人的資質  10.45 Z242   1皿68 2.121 1.11. 一69一. 指導教員  新井 肇.

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