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幸福度と環境配慮行動の関連性

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2016 年度卒業研究

幸福度と環境配慮行動の関連性

学籍番号 氏名

1362071 陳野 健哉

指導:枝廣 淳子教授

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2 目次 1 章 序論(研究背景・研究目的)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.3 2 章 本論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.5 2.1 先行研究・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.4 2.1.1 幸せアライアンスの幸福度調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.4 2.1.2 『幸福感と環境配慮行動の関係性―JGSS-2008 による分析―』・・・・・・・P.4 2.1.3 『経済・社会・環境の側面に着目した幸福度研究』・・・・・・・・・・・・ P.6 2.1.4 『環境配慮型製品における環境ブランド戦略の重要性に関する研究』・・・・ P.7 2.2 大学生を対象としたアンケート調査の実施・・・・・・・・・・・・・・・・・P.8 2.2.1 使用した調査票・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.8 2.2.2 調査方法・その選定理由・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.9 2.2.3 調査結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.9 2.2.4 アンケート調査結果の分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.31 2.2.5 調査結果の考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.35 3 章 まとめ・考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.36 参考文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.37

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3 1 章 序論(研究背景・研究目的) 「環境配慮行動」。この言葉を強く思い、考え出したのは今から5 年前に起きた東日本大 震災である。この出来事は非常に大きな衝撃となり、私たちの記憶に今でも強く残っており 様々なことに影響が出た。当時は節水や節電などの環境配慮行動は強く行われており、計画 停電が行われ、環境意識がとても強くなったのではないか。 しかし、5 年経った今では当時よりも環境配慮行動をする人が少なくなったように感じる。 これからの社会では環境配慮行動を自らしていくことが必要であると考える。 その理由は私がこの大学で 4 年間を通して学んだ授業で、これからは環境問題がどうい う風になるかは今の若者次第で変わっていくという話があったからだ。今、環境配慮行動を 積極的にすることで持続可能な社会になっていき、これから過ごしやすい社会にするため に今、私たちが努力を行うことで変わっていくというものだ。環境意識を高く持つことや、 環境配慮行動をすることの大切さは多くの人が認識しているが、実際に行動する人はあま りいないと考える。大事なこととは分かっていても何もしないでいてしまう。私はその理由 として「幸福度」が関係しているのではないかと考えた。幸福度が高ければ、環境配慮行動 を自らするようになる、逆に幸福度が低ければ、環境配慮行動をしないという関係があるの ではないか。私はこのように幸福度と環境配慮行動が関連しているのかを調べるためにこ の研究を行おうと考えた。 震災が起きた当時は連日テレビや新聞などほとんどの媒体で震災について報道されてい た。そして計画停電が行われるようになり、節電や節水を行わなければならないというある 種の大きな強制力が働き、多くの人が環境配慮行動に取り組むようになった。それは強力な ある種の強制力の元、今自分の生活の中で「当たり前のように暮らす」ということ、また「水」 や「電気」の大切さを強く実感し、そこに幸せを見出すことができその結果、幸福度が高ま り、環境配慮行動の実施と繋がったのではないか。いつ何が起きるか分からない、その中で、 朝起きて、ご飯を食べて、新聞やテレビを見て、お風呂に入り、夜寝るという「当たり前の 生活」を「今」送ることが「大事なこと」と気付くことで幸福度の上昇に繋がったのではな いかと考える。 確かに計画停電が起きたことで「当たり前」の生活ではないが、限られた中での資源で生活 を行うことで幸福度を高めることが出来たのではないかと考える。 しかし、今では当時のようにテレビなどの媒体を通じての報道はあまり行われることが 少なくなった。計画停電は行われなくなり、ある種の強制力が無くなった今では当時よりも 自由に色んなことが出来るようになった。それにより「当たり前の生活」が普通のようにな ってしまい、そこに幸せを感じることが少なくなったのではないか。 その結果、幸福度が下がったというよりもより大きな幸せを求めるようになり環境配慮行 動を意識的にする人が少なくなったのではないか。その結果、幸福度の低下により環境配慮 行動をしなくなるということに繋がるのではないかと考える。 私はこの研究で幸福度と環境配慮行動の関連性を調べることによって幸福度が高ければ

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4 環境配慮行動をし、逆に幸福度が低ければ環境配慮行動をしないのかということを明確に することを目的としている。これにより、関連性が分かれば、環境配慮行動をする取り組 みを行うことが出来れば、幸福度も高めることが出来るのではないか。これらの関連に結 びつきがあるかどうかを明確にする。 2 章 本論 2.1 先行研究 私は環境配慮行動と幸福度の関連性を調べるにあたり、先行研究を調べた。また、シア トルを拠点とする市民団体「幸せアライアンス」についても調べた。 ここでは、どのような先行研究がおこなわれているのか、幸せアライアンスの調査はど のようなものかを紹介していく。 2.1.1 幸せアライアンスの幸福度調査 1 つ目に幸せアライアンスとは、シアトルを拠点とする市民団体で、ブータンのGNH (国民総幸福量・Gross National Happiness)を元に、コミュニティや自治体、大学、企 業でも使えるよう独自の国民総幸福度指標を開発し、多くの人々が使える指標づくり、調 査、発表などの活動を行っている団体である。 幸せアライアンスの調査は幸福について様々な角度から調べ、色んな角度から見ること が出来る。そのため、今回の私の調査でも幸せについて色んな角度から調査出来ると考え たため、使用しようと考えた。 詳しくは2.2.3 で説明する。 2.1.2 『幸福感と環境配慮行動の関係性―JGSS-2008 による分析―』 環境配慮行動と幸福度の関わりについて、以下の論文ではこのように紹介されている。 『幸福感と環境配慮行動の関係性―JGSS-2008 による分析―』によると、『節電、マイ バックの使用、故障物品の修理、再生製品の購入、無農薬・有機野菜の購入などの環境配 慮行動の頻度が高いほど、弱い持続可能性への態度がポジティブであるほど、幸福感が高 かった。より興味深いことに、公共交通の利用や強い持続可能性への態度では幸福感との 関連が見られなかった。これらの結果は、動機づけ的な視座から統一的に解釈可能であろ う。マイバック使用などの金銭的負担が小さい環境配慮行動はそれを行うか否かは個人の 意志という内発的動機づけによるところが大きかったのに対して、公共交通の利用などの 金銭的負担が大きい環境配慮行動はそれを行うか否かは金銭的要因という外発的動機づけ による度合いが大きかったと考えられる。 また、弱い持続可能性の考え方は環境配慮的活動における主体の裁量を認めるものであ

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5 り、内発的動機づけを反映しやすかったのに対し、強い持続可能性の考え方は環境容量を 侵さない範囲で人間活動を許容するという環境配慮を義務的に捉えるものであり、外発的 動機づけを反映しやすかったと考えられる。このような動機づけの差異が環境配慮傾向と 幸福感の関係性に影響を与えたと解釈できる。 経済的状況が異なる集団間では幸福感と環境配慮傾向の関連の仕方が異なることが示唆 された。階層低群では幸福感との関連が見られたのはマイバックの使用、故障物品の修 理、無農薬・有機野菜の購入の3 つであった。 また、経済的不安が低い群では節電頻度、マイバックの使用、故障物品の修理が幸福感 と関連し、不安中群では節電頻度、マイバックの使用、無農薬・有機野菜の購入が幸福感 と関連したのに対し、不安高群では無農薬・有機野菜の購入頻度のみが幸福感と関連して いた。 以上を要約すると、環境配慮行動と幸福感の関連は経済水準が高い人々よりも低い人々 の方が全般的に弱い傾向にあるが、無農薬・有機野菜の購入に限っては逆転現象が見られ た。経済水準が高い人々では、環境配慮行動が内発的動機づけによって規定される程度が 大きく、環境配慮行動により幸福感を向上させやすかったと考えられる。 一方、経済水準が低い人々では、環境配慮行動が外発的動機づけによって規定される程 度が大きく、環境配慮行動により幸福感を向上させにくかったと考えられる。幸福感と環 境配慮行動の両方を向上させるためには土台となる経済的な豊かさがまず必要とされると いう可能性を示唆する。これを踏まえると、経済的に困窮した人が多い発展途上国では、 環境配慮行動が幸福感の向上に寄与しにくいことから、自発的な環境配慮行動が生じにく いと考えられる。 なお、本研究で見られた幸福感と環境配慮傾向の関連性は、それほど強いものではなか った。これは、本研究で用いた幸福感尺度が人生に関する総合的な評価を問うものであ り、個々の環境配慮行動によって生じる幸福感の変動が大きくないことに起因すると考え られる。 ただし、幸福感の測度を変更した場合にはより強い関係性が得られる可能性が指摘でき る。弱い持続可能性の考え方は幸福感の向上に寄与しうるものであるのに対して、強い持 続可能性の考え方は幸福感と環境負荷低減の両立が困難であると考えられる。これを踏ま えると、環境負荷低減に向けて国民全体の協力を呼びかける際には、弱い持続可能性の考 え方に基づくメッセージ作成が効果的であると考えられる。 次に、持続可能性を高める上で有効な施策について考えると、低次欲求の充足度によっ て幸福感と環境配慮の関連が異なるという結果は示唆に富む。 低階層に属する人々や経済的不安を抱える人々は環境配慮行動に従事したとしても、それ により幸福感を得られにくいため、幸福感と環境配慮行動の両立は困難であると考えられ る。』(竹橋,p. 151-152)

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6 2.1.3 『経済・社会・環境の側面に着目した幸福度研究』 次に、『南山大学大学院 博士論文 経済・社会・環境の側面に着目した幸福度研究 2014 年1 月 15 日』では、『環境問題への懸念は幸福要因として、平均所得や社会関係資本ほど には大きな影響を持たない。 所得水準の低い国ほど、幸福な人が地域環境問題を懸念するという因果関係の傾向が強 い。つまり、所得水準の高い国ほど、地域環境問題への懸念が幸福度を低下させるという 因果関係の傾向が強い。 このような現象には、生活水準が大きく関連していると思われる。すなわち、所得水準 の低い国においては、人々が生活に経済的な余裕がないので、環境問題をあまり問題視し ない。結果として、環境問題を懸念するのは、経済的に余裕があって環境問題についても 考える余裕がある、幸福な人だけである。 一方、所得水準の高い国においては、生活水準が高く、人々はより良い環境の質を求め る余裕があるので、環境問題への懸念がかえって幸福度を低下させることがある。所得水 準の低い国では、平均所得の上昇や経済発展が幸福度に対してプラスの影響を持つという 傾向が強い)を踏まえれば、何ゆえ多くの途上国の地域住民が環境政策に対して消極的に なりがちであるかを説明できる。それは、環境面よりも地域の経済発展を優先し、平均所 得を上昇させた方が、幸福度が向上するからである。従って、途上国で環境問題対策を促 進する際には、先進国と途上国の意識の差を考慮する必要がある。 主観的幸福度を中心に考えれば、環境保全と経済発展の両立という先進国の考え方は、 途上国の地域住民にとって急を要する課題ではないかもしれない。 生存重視の価値観の国ほど、幸福な人が地域環境問題を懸念するという因果関係の傾向が 強く、地域環境問題への懸念が幸福度を低下させるという因果関係の傾向が弱い。 つまり、貧困で自分の生存問題を考える必要のある(幸福でない)人々は、生活水準向 上のために経済発展を優先する。 一方、自己表現重視の価値観の国ほど、地域環境問題への懸念が幸福度を低下させると いう因果関係の傾向が強く、幸福な人が地域環境問題を懸念するという因果関係の傾向が 弱い。つまり、生存問題を考える必要のない(既に幸福な)人々だけが、環境問題を問題 視し、その対策の重要性を強く認識する。所得水準の低い国ほど幸福な人が環境問題を懸 念するという因果関係の傾向が強いことである。 これに対し、相違点としては、環境問題への懸念が幸福度を低下させるという因果関係 がどの国にも存在しないことである。地球環境問題では地域環境問題よりも、人々から環 境政策に積極的な協力を得るために、さらに高いレベルの幸福な生活を確保する必要があ る。というのは、幸福度に直接的なマイナスの影響がない地球環境問題に対し、人々が環 境行動を行う動機付けがないためである。 生存重視の価値観の国ほど、幸福な人が地球環境問題を懸念するという因果関係の傾向 が強い。その理由に関しては、地域環境問題での説明と共通している。つまり、生存問題

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7 を深く考えなければならないような社会において、環境問題を懸念する(余裕がある)の は、その中で比較的裕福で幸福な人だけである。 経済面と社会面を改善することで人々がより幸福になれば、環境意識が高まり、環境政 策への積極的な協力も求めやすくなる。特に、地球温暖化など国際環境問題に関しては、 人々の生活に直接的な影響がないため、問題を認知しても環境行動に移りにくいと思われ る。先進国においては、経済が発展していても人々が所得や人間関係などで精神的な問題 を感じていれば、環境問題対策に真剣になれる心の余裕が少ないであろう。一方、途上国 においては、経済的な余裕も精神的な余裕も環境問題対策に必要である。』 (TITHIPONGTRAKUL,2014,p.78-82,124) 2.1.4 『環境配慮型製品における環境ブランド戦略の重要性に関する研究』 『環境配慮型製品における環境ブランド戦略の重要性に関する研究』によると、『環境 保護への関心や取り組みたいという意識は全般的に高まっているが、環境保護行動の実行 度はあまり増加していない。今までも様々な調査や研究で環境問題に対する意識と行動の 乖離が指摘されている。様々な要因や対策が考えられるが、根本的な問題解決は容易では ない。 問題の一つに、「環境に配慮した行動」が一般的に必ずしも良いイメージで捉えられて いない可能性がある。厳しい節制やゆとりに欠けた生活を意味すると受け取る個人も多い かもしれない。豊かな生活と環境保護という2つの選択肢から1 つを選ぶと感じるかもし れない。それでは個人の幸福と社会や将来世代という他者の幸福を天秤にかけることにな る。ジレンマが生じるのである。他者の幸福が実現しなければ幸福になれない自己が存在 するからである。そもそも、環境への配慮と個人の幸福は両立できないのだろうか。これ らが両立できる方法を考えることのほうが先決である。 環境を保護するための取り組みは個人および社会全体が幸福になるための取り組みであ る。そのためには個々人が環境に配慮した行動を取ることが重要である。人々の日常行動 を厳しい法規制や倫理で拘束することで、より高い効果が得られるかもしれない。今後、 地球環境が大きく変化することがあれば、人類も含めた多種多様な生命が生存できない状 況となることも考えられる。自らの種が存続できたとしても、厳しい制約条件の下での生 活となるかもしれない。もし人間活動が地球環境の変化に大きな影響を与えているとした ら、少しでも早期に対処する必要がある。今すぐに人々の生活を厳しく規制するほうが、 より豊かな生活も維持できるかもしれない。 しかし、それでは自らの幸福を実現するためという環境保護という第一の目的が達成さ れない。人は選択する自由を持たなければ決して幸福にはなれないからである。』(高久美 和子2006,p.5)

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8 2.2 大学生を対象としたアンケート調査の実施 以上の先行研究や幸せアライアンスについて調べていく中で、環境配慮行動と幸福度が 関わっているということ明らかになった。そこで、東京都市大学の学生はどう考えている のかに興味を持ち、今回の調査を行った。 2.2.1 使用した調査票 今回私が行った調査の調査票は参考文献に載せるが、ここでは一部紹介をする。 内容は以下のようになっている。 10 段まであるハシゴを想像してください。人生をハシゴと考え、最上段が最高の状態、一番下 が最悪の状態だとします。 1. 最下段が 0、最上段が 10 とすると、あなたの現在の人生は何段目だと思いますか?(番号 に○を付けて下さい) 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 最悪の人生 最高の人生 1 全般的に、どの程度、現在の生活に満足していますか? 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 全く満足していない 100%満足している 以下の文章に、どの程度あなたは同意しますか。 1 私は目的と意味のある人生を送っている。 1 全くそう思わない 2 そう思わない 3 どちらでもない 4 そう思う 5 非常にそう思う 1 あなたは、「地域社会の一員である」という感覚がどの程度ありますか 1 非常に弱い 2 どちらかというと弱い 3 どちらともいえない 4 どちらかというと強い 5 非常に強い 1 あなたは東日本大震災の後、節電や節水などを意識的に行なうようになりましたか? 震災前から行なっていた場合は「6」を選択して下さい。 1 全く行なわなかった 2 震災から半年くらいは行なっていた 3 震災から 1 年くらいは行なっていた 4 震災から 1 年以上たっても行なっていた 5 現在でも行なっている 6 震災前から行なっていた 以上のように1 つの設問に対して選択式で回答をしてもらった。一部記述式もあるが、 ほとんどが選択式の回答方法である。

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9 2.2.2 調査方法・その選定理由 私は環境配慮行動と幸福度のアンケート調査を行った。幸せアライアンスの調査でこの 調査では幸福度について様々な角度から見て調査を行っているため、今回の私の調査でも 使用しようと思った。 11 月上旬から授業内にアンケート調査の時間を頂いて調査を行ったり、友人や後輩に調 査協力を依頼して、調査を行ったりした。 私は対象として大学生を選び、今回は東京都市大学の学生54 人を対象に調査を行っ た。その理由としては、東日本大震災が大きい。東日本大震災を経験した時、私は高校1 年であった。当時の出来事は5 年経った今でも鮮明に覚えている。そしてエネルギーとい う物に対してもとても考えさせられた出来事であった。 私は大学生(当時高校生、中学生)を対象にしたのは、大きな衝撃を受けた私たちがこ れから社会の一員として活躍していく世代でもある。これから大人になっていく世代がど のように感じ、考えたのかが気になったため、対象を大学生にしようと決めた。 2.2.3 調査結果 ここでは、私が行った調査の結果を紹介する。本調査は様々な角度から幸福について調 べているため、多様な結果を得ることが出来た。そして環境配慮行動と幸福度は密接に関 わっているのかも見ることが出来た。 今回の調査からは3 つのタイプが生じる可能性がある。1 つ目は、幸福度が高い人の方 が、環境配慮行動をするという可能性。2 つ目は幸福度が低い人の方が、環境配慮行動を するという可能性。最後に幸福度と環境配慮行動には関係がないという可能性である。今 回の調査から3 つの可能性があるという仮説を立てながら調査を行った。その結果を表を 載せながら書いていこうと思う。 また、今回の調査はサンプル数が48 と少なく、また無作為抽出も行っていないため、 パーセンテージがおよそ10%以上違う場合のみ「差がある」と考えて分析を行っている。 Q1 キャントリルの梯子(分割済み) と Q13_1(分割) 環境意識 のクロス表 Q13_1(分割) 環境意識 合計 震災後も意識 するようにな らなかった 震災後に意識 するようにな った 震災前から意 識していた Q1 キャントリル 1(低) 度数 3 9 4 16

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10 の梯子(分割済み) Q1 キャントリル の梯子(分割済み) の % 18.8% 56.3% 25.0% 100.0% 2(中) 度数 1 11 3 15 Q1 キャントリル の梯子(分割済み) の % 6.7% 73.3% 20.0% 100.0% 3(高) 度数 2 10 5 17 Q1 キャントリル の梯子(分割済み) の % 11.8% 58.8% 29.4% 100.0% 合計 度数 6 30 12 48 Q1 キャントリル の梯子(分割済み) の % 12.5% 62.5% 25.0% 100.0% 表 1 まず、最初の分析結果である、キャントリルの梯子と節水・節電の頻度のクロス分析であ る。 「最上段が最高の状態、一番下が最悪の状態だとし、 最下段が 0、最上段が 10 とする と、あなたの現在の人生は何段目だと思いますか?」という質問と、「あなたは東日本大震 災の後、節電や節水などを意識的に行うようになりましたか?」という質問のクロス集計を 行なったところ、震災前では幸福度と環境配慮行動の関係は見られなかった(表1)。 また、震災後ではキャントリルの梯子のスコアが中程度の人(15 人中)のうち、73.3% (11 人)が、意識して節水や節電などの環境配慮行動をしていた。 それに対し、キャントリルの梯子のスコアが高い人(17 人)と低い人(16 人)で、意識し て環境配慮行動をしているのは、それぞれ58.8%、56.3%と、スコアが中程度の人に比べて 低かった(表1)。 つまり、主観的幸福度が中程度の人の方が、意識して節水や節電などの環境配慮行動をし ている傾向が見られた。 Q2 生活満足度(分割済み) と Q13_1(分割) 環境意識 のクロス表 Q13_1(分割) 環境意識 合計

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11 震災後も意識 するようにな らなかった 震災後に意識 するようにな った 震災前から意 識していた Q2 生活満足度(分 割済み) 1(低) 度数 2 11 5 18 Q2 生活満足度(分 割済み) の % 11.1% 61.1% 27.8% 100.0% 2(中) 度数 1 11 3 15 Q2 生活満足度(分 割済み) の % 6.7% 73.3% 20.0% 100.0% 3(高) 度数 3 10 5 18 Q2 生活満足度(分 割済み) の % 16.7% 55.6% 27.8% 100.0% 合計 度数 6 32 13 51 Q2 生活満足度(分 割済み) の % 11.8% 62.7% 25.5% 100.0% 表 2 次に生活満足度と節水・節電の頻度のクロス分析である。 「全般的に、どの程度、現在の生活に満足していますか?」などの4 つの質問と「あなた は東日本大震災の後、節電や節水などを意識的に行うようになりましたか?」という質問の クロス集計を行なったところ、震災前では幸福度と環境配慮行動の関係は見られなかった (表2)。 また、震災後では生活満足度のスコアが中程度の人(15 人中)のうち、73.3%(11 人) が、意識して節水や節電などの環境配慮行動をしていた。 それに対し、生活満足度のスコアが低い人(18 人)と高い人(10 人)で、意識して環境配 慮行動をしているのは、それぞれ61.1%、55.6%と、スコアが中程度の人に比べて低かった (表2)。 つまり、生活満足度が中程度の人の方が意識して節水や節電などの環境配慮行動をして いる傾向が見られた。 Q3 精神的豊かさ(分割済み) と Q13_1(分割) 環境意識 のクロス表 Q13_1(分割) 環境意識 合計

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12 震災後も意識 するようにな らなかった 震災後に意識 するようにな った 震災前から意 識していた Q3 精神的豊かさ (分割済み) 1(低) 度数 4 11 3 18 Q3 精神的豊かさ (分割済み) の % 22.2% 61.1% 16.7% 100.0% 2(中) 度数 1 12 6 19 Q3 精神的豊かさ (分割済み) の % 5.3% 63.2% 31.6% 100.0% 3(高) 度数 1 8 4 13 Q3 精神的豊かさ (分割済み) の % 7.7% 61.5% 30.8% 100.0% 合計 度数 6 31 13 50 Q3 精神的豊かさ (分割済み) の % 12.0% 62.0% 26.0% 100.0% 表 3 次に精神的な豊かさと節水・節電の頻度のクロス分析である。 「あなたは目的と意味のある人生を送っていますか?」などの 5 つの質問と「あなたは 東日本大震災の後、節電や節水などを意識的に行うようになりましたか?」という質問のク ロス集計を行なったところ、精神的な豊かさのスコアが中程度の人(19 人中)と高い人(13 人中)のうち、31.6%(6 人)、30.8%(4 人)が震災前から意識して節水や節電などの環境 配慮行動をしていた。 それに対し、精神的な豊かさのスコアが低い人(13 人)で意識して環境配慮行動をして いるのは、16.7%と、スコアが高い人に比べて低かった(表 3)。 つまり、精神的な豊かさが高い方が、意識して節水や節電などの環境配慮行動をしている 傾向が見られた。 また、震災後では幸福度と環境配慮行動の関係は見られなかった(表3)。 Q4 健康(分割済み) と Q13_1(分割) 環境意識 のクロス表 Q13_1(分割) 環境意識 合計

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13 震災後も意識 するようにな らなかった 震災後に意識 するようにな った 震災前から意 識していた Q4 健康(分割済 み) 1(低) 度数 3 14 6 23 Q4 健 康 (分 割 済 み) の % 13.0% 60.9% 26.1% 100.0% 2(中) 度数 1 11 2 14 Q4 健 康 (分 割 済 み) の % 7.1% 78.6% 14.3% 100.0% 3(高) 度数 2 7 5 14 Q4 健 康 (分 割 済 み) の % 14.3% 50.0% 35.7% 100.0% 合計 度数 6 32 13 51 Q4 健 康 (分 割 済 み) の % 11.8% 62.7% 25.5% 100.0% 表 4 次に健康と節水・節電の頻度のクロス分析である。 「この 1 週間の間に、どのくらい私はエネルギーに満ちていると感じましたか?」などの 4 つの質問と「あなたは東日本大震災の後、節電や節水などを意識的に行うようになりまし たか?」という質問のクロス集計を行なったところ、震災前では幸福度と環境配慮行動の関 係は見られなかった(表 4)。 また、震災後では健康のスコアが中程度の人(14 人中)のうち、78.6%(11 人)が、意識 して節水や節電などの環境配慮行動をしている。それに対し、健康のスコアが低い人(23 人) と高い人(14 人)で、意識して環境配慮行動をしているのは、それぞれ 60.9%、50.0%と、 スコアが中程度の人に比べて低かった(表 4)。 つまり、健康が中程度の人の方が意識して節水や節電などの環境配慮行動をしている傾 向が見られた。 Q5 一週間のうちに自分が楽しめることに使える時間 と Q13_1(分割) 環境意識 のクロス表 Q13_1(分割) 環境意識 合計 震災後も意 識するよう にならなか った 震災後に意 識するよう になった 震災前から 意識してい た

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14 Q5 一週間のう ちに自分が楽し めることに使え る時間 あまりない 度数 1 2 2 5 Q5 一週間のう ちに自分が楽し めることに使え る時間 の % 20.0% 40.0% 40.0% 100.0% 一部の時間はそ うだ 度数 3 19 9 31 Q5 一週間のう ちに自分が楽し めることに使え る時間 の % 9.7% 61.3% 29.0% 100.0% ほとんどの時間 がそうだ 度数 2 10 2 14 Q5 一週間のう ちに自分が楽し めることに使え る時間 の % 14.3% 71.4% 14.3% 100.0% すべての時間が そうだ 度数 0 1 0 1 Q5 一週間のう ちに自分が楽し めることに使え る時間 の % 0.0% 100.0% 0.0% 100.0% 合計 度数 6 32 13 51 Q5 一週間のう ちに自分が楽し めることに使え る時間 の % 11.8% 62.7% 25.5% 100.0% 表 5 次に時間のバランスと節水・節電の頻度のクロス分析である。 「普段、一週間のうち、自分が楽しめることにどのくらいの時間を使うことができます か?」という質問と「あなたは東日本大震災の後、節電や節水などを意識的に行うようにな りましたか?」という質問のクロス集計を行なったところ、一週間のうちに自分が楽しめる ことに使える時間があまりない人(5 人中)のうち 40.0%(2 人)が震災前から意識して節 水や節電などの環境配慮行動をしていた。 それに対し、一週間のうちに自分が楽しめることに使える時間がほとんどの時間を使え る人(14 人)と一週間のうちに自分が楽しめることに使える時間が一部ある人(31 人)で 意識して環境配慮行動をしているのは、それぞれ 14.3%、29.0%と、一週間のうちに自分が

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15 楽しめることに使える時間があまりない人に比べて低かった(表 5)。 つまり、一週間のうちに自分が楽しむことに使える時間がない人ほど、意識して節水や節 電などの環境配慮行動をしている傾向が見られた(表 5)。 また、震災後では一週間のうちに自分が楽しめることに使える時間がほとんどの時間を 使える人(14 人中)のうち、71.4%(10 人)が、意識して環境配慮行動をしていた。それに 対し、一週間のうちに自分が楽しめることに使える時間が一部の時間は使える人(31 人) とあまり使えない人(5 人)で、意識して環境配慮行動をしているのは、それぞれ 61.3%、 40.0%と、ほとんどの時間を使える人に比べて低かった(表 5)。つまり、一週間のうちに自 分が楽しめることに使える時間がある人ほど、意識して節水や節電などの環境配慮行動を している傾向が見られた。 また「あまりない」と回答した人は、震災前からと震災後から意識している人がほぼ同数 (40%程度)なのに対して、「一部の時間がそうだ」から「すべての時間がそうだ」と回答 した人は、「震災後に意識している人」が多い。 まとめると、「あまりない」と回答した人は震災前から意識する人が比較的多いのに対し て、「一部の時間がそうだ」から「全ての時間がそうだ」と回答した人は、震災後に意識す るようになった。 Q6 生涯学習等の機会(分割済み) と Q13_1(分割) 環境意識 のクロス表 Q13_1(分割) 環境意識 合計 震災後も意識 するようにな らなかった 震災後に意識 するようにな った 震災前から意 識していた Q6 生涯学習等の 機会(分割済み) 低 度数 2 24 8 34 Q6 生涯学習等の 機 会( 分 割 済 み ) の % 5.9% 70.6% 23.5% 100.0% 高 度数 4 8 5 17 Q6 生涯学習等の 機 会( 分 割 済 み ) の % 23.5% 47.1% 29.4% 100.0% 合計 度数 6 32 13 51 Q6 生涯学習等の 機 会( 分 割 済 み ) の % 11.8% 62.7% 25.5% 100.0% 表 6

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16 次に生涯学習等の機会と節水・節電の頻度のクロス分析である。 「スポーツやレクリエーション活動に参加する機会に満足していますか?」などの 4 つ の質問と「あなたは東日本大震災の後、節電や節水などを意識的に行うようになりました か?」という質問のクロス集計を行なったところ、震災前では幸福度と環境配慮行動の関係 は見られなかった(表6)。 また、震災後では生涯学習などに触れる機会のスコアが低い人(34 人中)のうち、70.6% (24 人)が、意識して節水や節電などの環境配慮行動をしていた。それに対し、生涯学習 などに触れる機会のスコアが高い人(17 人)で、意識して環境配慮行動をしているのは、 47.1%と、スコアが低い人に比べて低かった(表 6)。 つまり、生涯学習などに触れる機会が低い人の方が、意識して節水や節電などの環境配慮 行動をしている傾向が見られた。 Q7 コミュニティ(分割) と Q13_1(分割) 環境意識 のクロス表 Q13_1(分割) 環境意識 合計 震災後も意識 するようにな らなかった 震災後に意識 するようにな った 震災前から意 識していた Q7 コミュニティ (分割) 1(低) 度数 4 14 4 22 Q7 コミュニティ (分割) の % 18.2% 63.6% 18.2% 100.0% 2(中) 度数 1 8 3 12 Q7 コミュニティ (分割) の % 8.3% 66.7% 25.0% 100.0% 3(高) 度数 1 9 6 16 Q7 コミュニティ (分割) の % 6.3% 56.3% 37.5% 100.0% 合計 度数 6 31 13 50 Q7 コミュニティ (分割) の % 12.0% 62.0% 26.0% 100.0% 表 7

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17 次にコミュニティへの帰属意識と節水・節電の頻度のクロス分析である。 「あなたは、地域社会の一員であるという感覚がどの程度ありますか?」など 7 つの質 問と、「あなたは東日本大震災の後、節電や節水などを意識的に行うようになりましたか?」 という質問のクロス集計を行ったところ、周りとの繋がり(コミュニティ)のスコアが高い 人(16 人中)のうち、37.5%(6 人)が、震災前から意識して節水や節電などの環境配慮行 動をしていた。 それに対し、周りとの繋がり(コミュニティ)のスコアが低い人(4 人)で意識して環境 配慮行動をしているのは、18.2%と、スコアが高い人に比べて低かった(表 7)。 つまり、周りとの繋がり(コミュニティ)が高い方が、意識して節水や節電などの環境配 慮行動をしている傾向が見られた。 また、震災後では幸福度と環境配慮行動の関係は見られなかった(表7)。 Q8 社会的サポート(分割) と Q13_1(分割) 環境意識 のクロス表 Q13_1(分割) 環境意識 合計 震災後も意識 するようにな らなかった 震災後に意識 するようにな った 震災前から意 識していた Q8 社会的サポー ト(分割) 1(低) 度数 5 17 4 26 Q8 社会的サポー ト(分割) の % 19.2% 65.4% 15.4% 100.0% 2(中) 度数 0 5 4 9 Q8 社会的サポー ト(分割) の % 0.0% 55.6% 44.4% 100.0% 3(高) 度数 1 10 5 16 Q8 社会的サポー ト(分割) の % 6.3% 62.5% 31.3% 100.0% 合計 度数 6 32 13 51 Q8 社会的サポー ト(分割) の % 11.8% 62.7% 25.5% 100.0% 表 8 次に社会的サポートと節水・節電の頻度のクロス分析である。

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18 「自分の人間関係にどの程度、満足していますか?」など4 つの質問と、「あなたは東日 本大震災の後、節電や節水などを意識的に行うようになりましたか?」という質問のクロス 集計を行ったところ、社会的サポートのスコアが中程度の人(9 人中)と高い人(16 人中) のうち、44.4%(4 人)、31.3%(5 人)が震災前から意識して節水や節電などの環境配慮行 動をしていた。 それに対し、社会的サポートのスコアが低い人(26 人)で意識して環境配慮行動をして いるのは15.4%と、社会的サポートが高い人に比べて低かった(表 8)。 つまり、社会的サポートが高い方が、意識して節水や節電などの環境配慮行動をしている 傾向が見られた。 また、震災後では幸福度と環境配慮行動の関係は見られなかった(表8)。 Q9 環境の質(分割) と Q13_1(分割) 環境意識 のクロス表 Q13_1(分割) 環境意識 合計 震災後も意識 するようにな らなかった 震災後に意識 するようにな った 震災前から意 識していた Q9 環境の質(分 割) 1(低) 度数 1 10 5 16 Q9 環 境 の 質 (分 割) の % 6.3% 62.5% 31.3% 100.0% 2(中) 度数 3 13 5 21 Q9 環 境 の 質 (分 割) の % 14.3% 61.9% 23.8% 100.0% 3(高) 度数 2 7 3 12 Q9 環 境 の 質 (分 割) の % 16.7% 58.3% 25.0% 100.0% 合計 度数 6 30 13 49 Q9 環 境 の 質 (分 割) の % 12.2% 61.2% 26.5% 100.0% 表 9 次に環境の質と節水・節電の頻度のクロス分析である。 「あなたの周りの自然環境はどの程度、良い状態ですか?」など 5 つの質問と「あなたは

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19 東日本大震災の後、節電や節水などを意識的に行うようになりましたか?」という質問のク ロス集計を行ったところ、幸福度と環境配慮行動の関係は見られなかった(表 9)。 また、震災後でも幸福度と環境配慮行動の関係は見られなかった(表 9)。 Q10 政府への信頼(分割済み) と Q13_1(分割) 環境意識 のクロス表 Q13_1(分割) 環境意識 合計 震災後も意識 するようにな らなかった 震災後に意識 するようにな った 震災前から意 識していた Q10 政府への信 頼(分割済み) 1(低) 度数 4 18 5 27 Q10 政府への信 頼( 分 割 済 み ) の % 14.8% 66.7% 18.5% 100.0% 2(中) 度数 1 5 2 8 Q10 政府への信 頼( 分 割 済 み ) の % 12.5% 62.5% 25.0% 100.0% 3(高) 度数 1 8 6 15 Q10 政府への信 頼( 分 割 済 み ) の % 6.7% 53.3% 40.0% 100.0% 合計 度数 6 31 13 50 Q10 政府への信 頼( 分 割 済 み ) の % 12.0% 62.0% 26.0% 100.0% 表 10 次に政府への信頼と節水・節電の頻度のクロス分析である。 「どの程度、私の住む市や町の自治体には、腐敗が蔓延していると思いますか?」など 4 つの質問と「あなたは東日本大震災の後、節電や節水などを意識的に行うようになりました か?」という質問のクロス集計を行ったところ、政府への信頼のスコアが高い人(15 人中)

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20 のうち、40.0%(6 人)が震災前から意識して節水や節電などの環境配慮行動をしていた。 それに対し、政府への信頼のスコアが中程度の人(8 人)と低い人(27 人)で意識して環境 配慮行動をしているのは、それぞれ 25.0%、18.5%と、スコアが高い人に比べて低かった(表 10)。 つまり、政府への信頼が高い人ほど、意識して節水や節電などの環境配慮行動をしている 傾向が見られた。 また、震災後では幸福度と環境配慮行動の関係は見られなかった(表 10)。 Q11 生活水準(分割済み) と Q13_1(分割) 環境意識 のクロス表 Q13_1(分割) 環境意識 合計 震災後も意識 するようにな らなかった 震災後に意識 するようにな った 震災前から意 識していた Q11 生活水準(分 割済み) 1(低) 度数 3 14 4 21 Q11 生活水準(分 割済み) の % 14.3% 66.7% 19.0% 100.0% 2(中) 度数 1 10 3 14 Q11 生活水準(分 割済み) の % 7.1% 71.4% 21.4% 100.0% 3(高) 度数 2 8 6 16 Q11 生活水準(分 割済み) の % 12.5% 50.0% 37.5% 100.0% 合計 度数 6 32 13 51 Q11 生活水準(分 割済み) の % 11.8% 62.7% 25.5% 100.0% 表 11 最後に生活水準と節水・節電の頻度のクロス分析である。 「全般的に、ご自身の経済状況について、どの程度ストレスを感じていますか?」など 4 つの質問と「あなたは東日本大震災の後、節電や節水などを意識的に行うようになりました か?」という質問のクロス集計を行ったところ、生活水準のスコアが高い人(16 人中)の うち、37.5%(6 人)が震災前から意識して節水や節電などの環境配慮行動をしていた。 それに対し、生活水準のスコアが中程度の人(14 人)と低い人(21 人)で、意識して環境

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21 配慮行動をしているのは、それぞれ 21.4%、19.0%と、スコアが高い人に比べて低かった(表 11)。 つまり、生活水準が高い人の方が、意識して節水や節電などの環境配慮行動をしている傾 向が見られた。 また、震災後では幸福度と環境配慮行動の関係は見られなかった(表 11)。 Q1 キャントリルの梯子(分割済み) と Q13_2 あなたのご家庭は、日常的に節電や節水等を行なってい ますか のクロス表 Q13_2 あなたのご家庭は、日常的に節電や 節水等を行なっていますか 合計 ほとんど行な っていない 時々行なって いる 頻繁に行なっ ている Q1 キャントリル の梯子(分割済み) 1(低) 度数 1 5 10 16 Q1 キャントリル の梯子(分割済み) の % 6.3% 31.3% 62.5% 100.0% 2(中) 度数 4 9 2 15 Q1 キャントリル の梯子(分割済み) の % 26.7% 60.0% 13.3% 100.0% 3(高) 度数 2 13 2 17 Q1 キャントリル の梯子(分割済み) の % 11.8% 76.5% 11.8% 100.0% 合計 度数 7 27 14 48 Q1 キャントリル の梯子(分割済み) の % 14.6% 56.3% 29.2% 100.0% 表 12 ここでは自分の家庭が日常的に環境配慮行動をしているかどうかを聞いた。 なお、ここでは家庭の環境配慮行動を尋ねているが、家族の中には回答者も含まれるため、 回答者本人も環境配慮行動をしていると解釈して分析している。

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22 最初に、キャントリルの梯子と環境配慮行動のクロス分析である。 「最上段が最高の状態、一番下が最悪の状態だとし、 最下段が 0、最上段が 10 とする と、あなたの現在の人生は何段目だと思いますか?」という質問と、「あなたのご家族は、 日常的に節電や節水等を行なっていますか?」という質問のクロス集計を行なったところ、 キャントリルの梯子のスコアが低い人(16 人中)のうち、62.5%が(10 人)が環境配慮行 動を頻繁にしていた。 それに対し、キャントリルの梯子のスコアが中程度の人(15 人)と高い人(17 人)で、 環境配慮行動を頻繁にしているのは、それぞれ13.3%、11.8%と、スコアの低い人に比べて 低かった(表12)。 つまり、主観的幸福度が低い人の方が、環境配慮行動をしている傾向が見られた。 Q2 生活満足度(分割済み) と Q13_2 あなたのご家庭は、日常的に節電や節水等を行なっていますか の クロス表 Q13_2 あなたのご家庭は、日常的に節電や 節水等を行なっていますか 合計 ほとんど行な っていない 時々行なって いる 頻繁に行なっ ている Q2 生活満足度(分 割済み) 1(低) 度数 3 10 5 18 Q2 生活満足度(分 割済み) の % 16.7% 55.6% 27.8% 100.0% 2(中) 度数 3 9 3 15 Q2 生活満足度(分 割済み) の % 20.0% 60.0% 20.0% 100.0% 3(高) 度数 2 9 7 18 Q2 生活満足度(分 割済み) の % 11.1% 50.0% 38.9% 100.0% 合計 度数 8 28 15 51 Q2 生活満足度(分 割済み) の % 15.7% 54.9% 29.4% 100.0% 表 13 次に生活満足度と環境配慮行動のクロス分析である。 「全般的に、どの程度、現在の生活に満足していますか?」など 4 つの質問と、「あなた

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23 のご家族は、日常的に節電や節水等を行なっていますか?」という質問のクロス集計を行な ったところ、生活満足度のスコアが高い人(18 人中)のうち、38.9%(7 人)が、環境配慮 行動を頻繁にしていた。 それに対し、生活満足度のスコアが低い人(18 人)と中程度の人(15 人)で環境配慮行 動を頻繁にしているのは、それぞれ 27.8%、20.0%と、スコアが高い人に比べて低かった(表 13)。 つまり、生活満足度が高い人の方が、環境配慮行動をしている傾向が見られた。 Q3 精神的豊かさ(分割済み) と Q13_2 あなたのご家庭は、日常的に節電や節水等を行なっていますか のクロス表 Q13_2 あなたのご家庭は、日常的に節電や 節水等を行なっていますか 合計 ほとんど行な っていない 時々行なって いる 頻繁に行なっ ている Q3 精神的豊かさ (分割済み) 1(低) 度数 2 8 8 18 Q3 精神的豊かさ (分割済み) の % 11.1% 44.4% 44.4% 100.0% 2(中) 度数 5 11 3 19 Q3 精神的豊かさ (分割済み) の % 26.3% 57.9% 15.8% 100.0% 3(高) 度数 1 8 4 13 Q3 精神的豊かさ (分割済み) の % 7.7% 61.5% 30.8% 100.0% 合計 度数 8 27 15 50 Q3 精神的豊かさ (分割済み) の % 16.0% 54.0% 30.0% 100.0% 表 14 次に精神的な豊かさと環境配慮行動のクロス分析である。 「あなたは目的と意味のある人生を送っていますか?」など 5 つの質問と「あなたのご 家族は、日常的に節電や節水等を行なっていますか?」という質問のクロス集計を行なった ところ、精神的な豊かさのスコアが低い人(18 人中)のうち、44.4%(8 人)が、環境配慮 行動を頻繁にしていた。

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24 それに対し、精神的な豊かさのスコアが高い人(13 人)と中程度の人(19 人)で、環境 配慮行動を頻繁にしているのは、それぞれ30.8%、15.8%と、スコアが低い人に比べて低か った(表14)。 つまり、精神的な豊かさが低い人の方が、環境配慮行動をしている傾向が見られた。 Q4 健康(分割済み) と Q13_2 あなたのご家庭は、日常的に節電や節水等を行なっていますか のクロス 表 Q13_2 あなたのご家庭は、日常的に節電や 節水等を行なっていますか 合計 ほとんど行な っていない 時々行なって いる 頻繁に行なっ ている Q4 健康(分割済 み) 1(低) 度数 2 17 4 23 Q4 健 康 (分 割 済 み) の % 8.7% 73.9% 17.4% 100.0% 2(中) 度数 2 7 5 14 Q4 健 康 (分 割 済 み) の % 14.3% 50.0% 35.7% 100.0% 3(高) 度数 4 4 6 14 Q4 健 康 (分 割 済 み) の % 28.6% 28.6% 42.9% 100.0% 合計 度数 8 28 15 51 Q4 健 康 (分 割 済 み) の % 15.7% 54.9% 29.4% 100.0% 表 15 次に健康と環境配慮行動のクロス分析である。 「この1 週間の間に、どのくらい私はエネルギーに満ちていると感じましたか?」など 4 つの質問と「あなたのご家族は、日常的に節電や節水等を行なっていますか?」という質問 のクロス集計を行なったところ、健康のスコアが高い人(14 人)と中程度の人(14 人)の うち、42.9%(6 人)、35.7%(5 人)が、頻繁に環境配慮行動をしていた。 それに対し、健康のスコアが低い人(23 人)で、環境配慮行動を頻繁にしているのは、17.4% と、スコアが高い人と中程度の人に比べて低かった(表15)。

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25 つまり、健康のスコアが高い人の方が、環境配慮行動をしている傾向が見られた。 Q5 一週間のうちに自分が楽しめることに使える時間 と Q13_2 あなたのご家庭は、日常的に節電や節 水等を行なっていますか のクロス表 Q13_2 あなたのご家庭は、日常的に節 電や節水等を行なっていますか 合計 ほとんど行 なっていな い 時々行なっ ている 頻繁に行な っている Q5 一週間のう ちに自分が楽し めることに使え る時間 あまりない 度数 2 1 2 5 Q5 一週間のう ちに自分が楽し めることに使え る時間 の % 40.0% 20.0% 40.0% 100.0% 一部の時間はそ うだ 度数 1 19 11 31 Q5 一週間のう ちに自分が楽し めることに使え る時間 の % 3.2% 61.3% 35.5% 100.0% ほとんどの時間 がそうだ 度数 4 8 2 14 Q5 一週間のう ちに自分が楽し めることに使え る時間 の % 28.6% 57.1% 14.3% 100.0% すべての時間が そうだ 度数 1 0 0 1 Q5 一週間のう ちに自分が楽し めることに使え る時間 の % 100.0% 0.0% 0.0% 100.0% 合計 度数 8 28 15 51 Q5 一週間のう ちに自分が楽し めることに使え る時間 の % 15.7% 54.9% 29.4% 100.0%

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26 表 16 次に時間のバランスと環境配慮行動のクロス分析である。 「普段、一週間のうち、自分が楽しめることにどのくらいの時間を使うことが出来ます か?」という質問と「あなたのご家族は、日常的に節電や節水等を行なっていますか?」と いう質問のクロス集計を行なったところ、一週間のうちに自分が楽しめることに使える時 間があまりないという人(5 人中)と一週間のうちに自分が楽しめることに使える時間が一 部の時間がそうだという人(31 人中)のうち、40.0%(2 人)と 35.5%(11 人)が、環境 配慮行動を頻繁にしていた。 それに対し、一週間のうちに自分が楽しめることに使える時間がほとんどがそうだとい う人(14 人)で、環境配慮行動を頻繁にしているのは、それぞれ 35.5%、14.3%と、自分が 楽しめることに時間を使えない人に比べて低かった(表16)。 つまり、自分が楽しめることに時間を使えない人ほど、環境配慮行動をしている傾向が見 られた。 Q6 生涯学習等の機会(分割済み) と Q13_2 あなたのご家庭は、日常的に節電や節水等を行なっていま すか のクロス表 Q13_2 あなたのご家庭は、日常的に節電や 節水等を行なっていますか 合計 ほとんど行な っていない 時々行なって いる 頻繁に行なっ ている Q6 生涯学習等の 機会(分割済み) 低 度数 5 20 9 34 Q6 生涯学習等の 機 会( 分 割 済 み ) の % 14.7% 58.8% 26.5% 100.0% 高 度数 3 8 6 17 Q6 生涯学習等の 機 会( 分 割 済 み ) の % 17.6% 47.1% 35.3% 100.0% 合計 度数 8 28 15 51 Q6 生涯学習等の 機 会( 分 割 済 み ) の % 15.7% 54.9% 29.4% 100.0%

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27 表 17 次に生涯学習などに触れる機会の質問と環境配慮行動のクロス分析である。 「スポーツやレクリエーション活動に参加する機会はありますか?」など 4 つの質問と 「あなたのご家族は、日常的に節電や節水等を行なっていますか?」という質問のクロス集 計を行なったところ、幸福度と環境配慮行動の関係は見られなかった(表17)。 Q7 コミュニティ(分割) と Q13_2 あなたのご家庭は、日常的に節電や節水等を行なっていますか のク ロス表 Q13_2 あなたのご家庭は、日常的に節電や 節水等を行なっていますか 合計 ほとんど行な っていない 時々行なって いる 頻繁に行なっ ている Q7 コミュニティ (分割) 1(低) 度数 1 14 7 22 Q7 コミュニティ (分割) の % 4.5% 63.6% 31.8% 100.0% 2(中) 度数 3 6 3 12 Q7 コミュニティ (分割) の % 25.0% 50.0% 25.0% 100.0% 3(高) 度数 3 8 5 16 Q7 コミュニティ (分割) の % 18.8% 50.0% 31.3% 100.0% 合計 度数 7 28 15 50 Q7 コミュニティ (分割) の % 14.0% 56.0% 30.0% 100.0% 表 18 次にコミュニティと環境配慮行動のクロス分析である。 「あなたは、地域社員の一員であるという感覚がどの程度ありますか?」などの 7 つの 質問と「あなたのご家族は、日常的に節電や節水等を行なっていますか?」という質問のク ロス集計を行なったところ、幸福度と環境配慮行動の関係は見られなかった(表18)。

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28 Q8 社会的サポート(分割) と Q13_2 あなたのご家庭は、日常的に節電や節水等を行なっていますか の クロス表 Q13_2 あなたのご家庭は、日常的に節電や 節水等を行なっていますか 合計 ほとんど行な っていない 時々行なって いる 頻繁に行なっ ている Q8 社会的サポー ト(分割) 1(低) 度数 3 15 8 26 Q8 社会的サポー ト(分割) の % 11.5% 57.7% 30.8% 100.0% 2(中) 度数 2 5 2 9 Q8 社会的サポー ト(分割) の % 22.2% 55.6% 22.2% 100.0% 3(高) 度数 3 8 5 16 Q8 社会的サポー ト(分割) の % 18.8% 50.0% 31.3% 100.0% 合計 度数 8 28 15 51 Q8 社会的サポー ト(分割) の % 15.7% 54.9% 29.4% 100.0% 表 19 次に社会的サポートと環境配慮行動のクロス分析である。 「あなたは、自分の人間関係にどの程度、満足していますか?」などの4 つの質問と「あ なたのご家族は、日常的に節電や節水等を行なっていますか?」という質問のクロス集計を 行なったところ、幸福度と環境配慮行動の関係は見られなかった(表19)。 Q9 環境の質(分割) と Q13_2 あなたのご家庭は、日常的に節電や節水等を行なっていますか のクロス 表 Q13_2 あなたのご家庭は、日常的に節電や 節水等を行なっていますか 合計 ほとんど行な っていない 時々行なって いる 頻繁に行なっ ている Q9 環境の質(分 1(低) 度数 1 15 0 16

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29 割) Q9 環 境 の 質 ( 分 割) の % 6.3% 93.8% 0.0% 100.0% 2(中) 度数 4 7 10 21 Q9 環 境 の 質 ( 分 割) の % 19.0% 33.3% 47.6% 100.0% 3(高) 度数 2 6 4 12 Q9 環 境 の 質 ( 分 割) の % 16.7% 50.0% 33.3% 100.0% 合計 度数 7 28 14 49 Q9 環 境 の 質 ( 分 割) の % 14.3% 57.1% 28.6% 100.0% 表 20 次に環境の質と環境配慮行動のクロス分析である。 「あなたの周りの自然環境はどの程度、良い状態ですか?」など 5 つの環境の質に関す る質問と「あなたのご家族は、日常的に節電や節水等を行なっていますか?」という質問の クロス集計を行なったところ、環境の質のスコアが中程度と回答した人(21 人中)と高い と回答した人(12 人中)のうち、47.6%(10 人)、33.3%(4 人)が、環境配慮行動を頻繁 にしていた。 それに対し、環境の質のスコアが低いと回答した人(16 人)で、環境配慮行動を頻繁に しているのは、0.0%と、環境の質のスコアが高いと回答した人に比べて低かった(表 20)。 つまり、環境の質が高い人の方が、環境配慮行動をしている傾向が見られた。 つまり、環境配慮行動をする時に、身の回りの環境の質が重要な要素であることが推測さ れる。 Q10 政府への信頼(分割済み) と Q13_2 あなたのご家庭は、日常的に節電や節水等を行なっていますか のクロス表 Q13_2 あなたのご家庭は、日常的に節電や 節水等を行なっていますか 合計 ほとんど行な っていない 時々行なって いる 頻繁に行なっ ている Q10 政府への信 1(低) 度数 3 18 6 27

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30 頼(分割済み) Q10 政府への信 頼( 分 割 済 み ) の % 11.1% 66.7% 22.2% 100.0% 2(中) 度数 2 1 5 8 Q10 政府への信 頼( 分 割 済 み ) の % 25.0% 12.5% 62.5% 100.0% 3(高) 度数 3 8 4 15 Q10 政府への信 頼( 分 割 済 み ) の % 20.0% 53.3% 26.7% 100.0% 合計 度数 8 27 15 50 Q10 政府への信 頼( 分 割 済 み ) の % 16.0% 54.0% 30.0% 100.0% 表 21 次に政府への信頼と環境配慮行動のクロス分析である。 「どの程度、私の住む市や町の自治体には、腐敗が蔓延していると思いますか?」などの 4 つの政府に関する質問と「あなたのご家族は、日常的に節電や節水等を行なっています か?」という質問のクロス集計を行なったところ、政府への信頼のスコアが中程度の人(8 人中)のうち、62.5%(5 人)が環境配慮行動を頻繁にしていた。それに対し、政府への信 頼のスコアが高い人(15 人)と低い人(27 人)で環境配慮行動を頻繁にしているのは、そ れぞれ26.7%、22.2%と、スコアが中程度の人に比べて低かった(表 21)。 つまり、政府への信頼が中程度の人の方が環境配慮行動をしている傾向が見られた。 Q11 生活水準(分割済み) と Q13_2 あなたのご家庭は、日常的に節電や節水等を行なっていますか の クロス表 Q13_2 あなたのご家庭は、日常的に 節電や節水等を行なっていますか 合計 ほとんど行な っていない 時々行なって いる 頻繁に行なっ ている Q11 生活水準 1( 度数 4 10 7 21

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31 (分割済み) 低) Q11 生活水準 (分割済み)の% 19.0% 47.6% 33.3% 100.0% 2(中) 度数 2 10 2 14 Q11 生活水準(分 割済み) の % 14.3% 71.4% 14.3% 100.0% 3(高) 度数 2 8 6 16 Q11 生活水準(分 割済み) の % 12.5% 50.0% 37.5% 100.0% 合計 度数 8 28 15 51 Q11 生活水準(分 割済み) の % 15.7% 54.9% 29.4% 100.0% 表 22 次に生活水準と環境配慮行動のクロス分析である。 「全般的に、ご自身の経済状況について、どの程度ストレスを感じていますか?」などの 4 つの生活水準に関する質問と「あなたのご家族は、日常的に節電や節水等を行なっていま すか?」という質問のクロス集計を行なったところ、幸福度と環境配慮行動の関係は見られ なかった(表22)。 2.2.4 アンケート調査結果の分析 以上が、今回私が行った調査の結果である。 今回の結論では幸福度と環境配慮行動に密接な関係があるということが出来なった。し かし、幸福度のカテゴリーによって3 つの傾向が見られた。1 つ目に幸福度が高く環境配 慮行動をするタイプ、2 つ目に幸福度が低いが環境配慮行動をするタイプ、そして 3 つ目 に幸福度と環境配慮行動が関連していないタイプの3 つである。このそれぞれのタイプに ついて調査結果を分析する。 震災前と震災後で表れたタイプはどうだったかを書いていく。最初に震災前である。 まず、1 つ目のタイプである幸福度が高ければ環境配慮行動をするタイプは表 3(精神 的な幸せ)、7(コミュニティ)、8(社会的サポート)、10(政府)、11(生活水準 経済) がそれを表している。この中で特に幸福度が高く環境配慮行動をしていると出ているのは 表7(コミュニティ)、10(政府)、11(生活水準 経済)である。 つまり、繋がりが強い人、政府を信頼している人、生活水準が高い人は震災前から意識 して節電や節水などの環境配慮行動をする人が多い。 ここから、人間関係を大事にしている人、国を動かしている人を信頼している人、そし て経済的な生活水準が高い人は気持ちのゆとりがあり、震災前から環境配慮行動をしてい

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32 ると考えられる。特にコミュニティや生活水準というのは私たちが生活していく中で最も 重要となる項目である。これらが豊かであれば人が生きていく上でとてもゆとりをもって 生活を送ることが出来ると考えている。 2 つ目のタイプである幸福度は低いが環境配慮行動をするタイプになったのは 1 つであ る。 表5 の 1 週間のうちに自分が楽しめることに使える時間の項目である。この項目におい ては、自分が楽しめることに使える時間があまりないと答えた人の方が震災前から意識し て環境配慮行動をしていると答えている。逆に自分が楽しめる時間が多いと答えた人で震 災前から意識して環境配慮行動をしている人は少なかった。 そして3 つ目のタイプである幸福度と環境配慮行動に関係が見られなかったタイプの震 災前から環境配慮行動をしていたかという問いと幸福度のカテゴリーのクロス集計では表 1(キャントリルの梯子)、2(生活満足度)、4(健康)、6(生涯学習などに触れる機会)、 9(環境の質)がその傾向が表れた。例えば、自分の人生が良いと回答した人でも環境配 慮行動をするというわけでもなく、逆に自分の人生が良くないと回答した人が環境配慮行 動をしないというわけではない。幸福度が高いから環境配慮行動をすると言うことが難し い結果となった。 では震災後はどうだったであろうか。 1 つ目に幸福度が高く環境配慮行動をするタイプの傾向が見られたのは表 1(キャント リルの梯子)、2(生活満足度)、4(健康)、5(時間のバランス)である。 これは前述の震災前とは全く異なることが分かる。 つまり、震災前はコミュニティとの繋がりが強い人、政府への信頼がある人、生活水準 経済が高い人は、環境配慮行動をしていたが、震災後はこれらの項目で、環境配慮行動と の関連は見られなかったのだ。 そのうち表1(キャントリルの梯子)、2(生活満足度)、4(健康)は幸福度が高いより も中程度の人が高かった。普通よりぐらいもしくは普通よりも良いと答えた人の方が環境 配慮行動をする傾向が見られた。自分の人生を楽しんでいるかどうか、今の自分の生活に 満足しているか、自信の健康などは高くなくても普通よりも良ければ、環境配慮行動を意 識してするということが分かった。 つまり自分に最も関係がある項目、自分自身のことである項目はそこまで高くなくても 意識して環境配慮行動をするということが推測される。 震災前と震災後の全体を見て言えることは、項目によって出る傾向が異なるため、一概 に幸福度を高める取り組みをすれば環境配慮行動をするという結果にはならないというこ とである。 2 つ目に幸福度が低いが環境配慮行動をするタイプの傾向が見られたのは表 6(生涯学 習などに触れる機会)、8(社会的サポート)である。生涯学習、社会的サポートの項目は 幸福度が低いが環境配慮行動をすることが分かった。

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33 この2 つの項目のうち震災前から意識しているのは表 8(社会的サポート)である。 スポーツやレクリエーションに参加する機会などの項目は低くても環境配慮行動をす る。参加する機会が無くても、その人にとって大きな影響を与えないためなのではないか と考えられる。 社会的サポートはやはり人が生きていく上で大事なものであるため、これを大事にして いる人は震災前から意識して環境配慮行動をしているため、震災後に意識をし出す人が少 なく、震災後のみを見ると幸福度が低いが環境配慮行動をすると読むことが出来る。 最後に幸福度と環境配慮行動が関連していないタイプでその傾向が見られたのは表3 (精神的な幸せ)、7(コミュニティ)、9(環境の質)、10(政府)、11(生活水準 経済) である。 震災前に意識しているかという問いであった表と今回の問いであった表で同じものは表 9(環境の質)のみであった。自分の周りの環境というのは幸福度と環境配慮行動にあま り関係がないということが分かった。これは震災前でも震災後でも関係がないということ である。 また精神的な幸せ、コミュニティ、政府への信頼、生活水準の項目で関係が見られない と出たが、いずれも共通点があり、それは何というと幸福度が高く震災前から意識して環 境配慮行動をしているということである。 震災前から意識している人が多いため、震災後は少ないという傾向が表れた。これは震災 後に環境配慮行動をしなくなったというわけではなく、震災前から行っている人が多数で あるため震災後から意識してする人がもともといなかったという解釈が出来る。 そのため、震災後の結果のみを見ると幸福度と環境配慮行動に関連がないと読むことが 出来る。 また幸福度を高めれば環境配慮行動をする結果にならなかったが、幸福度が低ければ環 境配慮行動をするという結果になった項目は少なかった。多くの項目が幸福度が高く環境 配慮行動をするか、幸福度と環境配慮行動は関係ないという結果が出た。 ほとんどの項目を通して分かったことは震災前と震災後を比較して意識して環境配慮行 動をする人が大幅に増えていることが分かった。全体で約63%上昇していた。これは幸福 度の低い高いに関わらず全てが上昇しているのである。 次に環境配慮行動を頻繁に行っているかどうかである。 1 つ目のタイプである幸福度が高く環境配慮行動をするタイプは表 2(生活満足度)、4 (健康)、9(環境の質)、10(政府)である。 特に表2 は幸福度が高い人が環境配慮行動を頻繁にしている。他の表 4(健康)、9(環 境の質)、10(政府)は高い人よりも中程度の人が頻繁に行っている。 その中でも表10(政府)はその傾向が強い。表 2(生活満足度)は現在の生活にどの程 度満足しているかという生活満足度の項目であったが、自分の生活に密接に関わっている ため大事に考えている人が多いということ、この項目に関しては高い方が頻繁に行うとい

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