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学位論文作成状況(3)

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Academic year: 2021

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学位論文作成状況(3)

著者 武内 律志

雑誌名 金大考古

39

ページ 9‑10

発行年 2002‑07‑24

URL http://hdl.handle.net/2297/2898

(2)

の編年案の提示となる。提示した編年案に基づき、

当該窯業の海上交易参入以前(14 世紀代)の特徴、参 入後の技術革新と品質変化とその要因を解明する。

3.現在までの研究進行状況

1997~98 年、チャオプラヤー流域に分布する窯場 群について、窯跡踏査による窯業技術調査を行い、

輸出陶磁を生産する以前のシーサッチャナライ窯と 北部タイ諸窯が、窯詰め技法、窯構築法、窯道具に おいて共通し、これらの窯場群が同一の窯業技術系 統に属することを明らかにした。

2000 年夏季以降、タイ輸出陶磁器の編年研究を目 的とした東南アジア海域発見の沈没船積載陶磁器の 調査を行った。タイ・マレーシアの 4 箇所の施設・

博物館収蔵の沈没船 12 隻から発見された陶磁器約 1300 点(中国・ベトナム・タイ)について調査を行っ た。そして、海難記録や沈没船から発見された中国 銭・中国陶磁器を手がかりに、各沈没船の年代推定 を行い、生産地研究成果をとり込んだ上で、14 世紀 後葉~16 世紀後葉を約 30 年間隔にて 7 時期区分し たシーサッチャナライ陶磁器の編年案を作成した。

4.課題と論文作成の見通し

目下の課題は、2002 年 3 月に調査を行ったマレー 半島東海岸沖発見の 5 隻の沈没船積載陶磁器をタイ 輸出陶磁器の編年案に追加する。そして、各時期に おける変化の要因を同時期に流通する中国陶磁器の 変化に着目して明らかにする。今年度の論文完成と 提出を目指す。

5.研究業績

(論文・研究ノート・報告)

佐々木達夫, 楠 寛輝, 向井 亙「北部タイ Wiang Bua, Ban Bo Suak, Phan 窯跡採集陶磁器の素地観察」『金 沢大学考古学紀要 25』: 74-117,2000

向井 亙「東南アジア陶磁器研究の到達点」「シーチ ャン島沖第 2 沈没船」「クラム島沖沈没船」『季刊考 古学』第 75 号: 22-23, 58-59, 64-65,2001 向井 亙「沈没船資料に基づく、タイ・シーサッチャ ナ ラ イ 施 釉 陶 磁 器 盤 形 の 変 遷 」『 貿 易 陶 磁 研 究 』 No.21: 75-89,2001

(研究発表・講義)

野上建紀, 向井 亙「東南アジア周辺の沈船遺跡―南 シナ海・タイ湾を中心に―」日本貿易陶磁研究会第 21 回研究集会,青山学院大学,2000 年 9 月

向 井 亙 「窯 跡 出 土 品 か ら み る タ イ 陶 磁 の 系 統 と 編 年」東洋陶磁学会平成 12 年度第 10 回研究会, 金沢 大学,2001 年 3 月

向井 亙「東南アジアのやきもの」『専修大学総合科

目Ⅱ』, 2002 年 5 月 6.研究助成受給

日本科学財団平成 14 年度笹川科学研究助成金 研 究課題「沈没船資料に基づく 16・17 世紀におけるタ イ輸出陶磁器の編年研究」助成額 300,000 円 公益信託西田記念東洋陶磁史研究助成基金平成 14 年度研究助成金 研究課題「中世、タイ産輸出コン テナ陶磁器の基礎的研究」助成額 500,000 円

学位論文作成状況(3)

武内律志(国際社会環境学専攻 2 年)

1.学位論文題目

「ヘラクレスの東方伝播と執金剛神の成立」

2.学位論文の目的

ガンダーラ仏教美術の多くの仏伝浮彫において、

仏陀のそばに執金剛神が表現されている。この神に ついては 19 世紀中頃から研究が行われてきたが、職 能・性質など未だ不明瞭な部分が多い。ガンダーラ 以前および同時代の仏教美術にこの神がほとんど存 在しないことから、執金剛神はガンダーラ美術にお いて創出され、ガンダーラ美術の担い手であるクシ ャン族の信仰が出現の要因となっていると推測でき る。以下の問題点を検討しながら、執金剛神に対す る考察を通して、地中海世界から日本にいたる文化 の交流を明らかにすることが本稿の目的である。

1. 執金剛神の出現と表現における文化的背景から ガンダーラ美術を再検討する

2. 西アジア・中央アジアにおけるヘラクレスの影 響の流れの中の執金剛神の位置付け

3. 仏教東漸に伴う執金剛神の職能・図像の変化の 文化的背景の検討

3.現状における研究進行状況

現在資料を収集し、位置、姿勢、服装、ヴァジュ ラの形状・持ち方などの項目を設定し、図像の分析 を行っている。現状では、図像は非常に多様であり、

各要素は特に相関なく組み合わされているといえる。

図像が多様であることから、特定の持物であるヴ ァジュラが、執金剛神の職能を考察する上で重要で あるといえる。クシャン朝では執金剛神の他に、オ エーショー神もヴァジュラを持物としている。オエ ーショーは雨や水と関連した職能を有しており、ク シャン族にとり最重要な神であった。また執金剛神 の悪龍退治のエピソードは雨と関連している。従っ て、執金剛神の職能・性質は雨と関連しており、そ のガンダーラ美術における出現にはクシャン族の信 仰が関与していると現段階では考えている。

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4.研究業績 (論文)

武内律志「中央アジアにおけるナナー女神の性質」

『 古 代 オ リ エ ン ト 博 物 館 研 究 紀 要 』 , 19: 55-73, 1998

田辺勝美, 山内和也, 石田恵子, 石渡美江, 岩井俊 平, 近藤さおり, 武内律志, 津村眞輝子, 中島裕子, 古庄浩明, 柳生俊樹, A. ヴォスコフスキー, D. ル サーノフ「ダルヴェルジン・テパの発掘(2000 年度 調査の概報)」『古代オリエント博物館』, 21: 89-151, 2000

5.今後の研究の課題

1. 雨と関連した執金剛神がガンダーラ美術で表現 されるようになった過程の解明。

2. 執金剛神の図像表現における他文化の影響の解 明、特に服装に見られる西方の影響が、どのような 過程で採り入れられたかの解明。

3. 西アジアにおけるヘラクレス信仰の文化的背景 の解明。

4. 中央アジアから日本までの執金剛神の図像・職 能の変容の背景の解明。

6.学位論文作成の見通し

現在、基礎データの収集ならびに簡単な分析を行 なった段階である。ガンダーラ美術における執金剛 神の職能・美術表現の解明に 1 年半、西アジア・中 央アジアにおけるヘラクレスおよび執金剛神の研究 に 1 年半、計 3 年をめどに博士論文を作成したい。

7.奨学金 日本育英会

学位論文作成状況(4)

西野範子(国際社会環境学専攻 1 年) 1.学位論文題目

「フーラン村の窯業史」

2.学位論文の目的

本論文の目的は、10 世紀から現代まで陶器生産を 行う「フーラン村」の物資文化をめぐる社会環境を 明らかにし、ヴェトナム窯業の手工業としての位置 付けや、生活、社会の変遷を追うことである。考古 学、民族学の両者の方法を用いて分析する。「フーラ ン村」は、ヴェトナム北部の紅河デルタを流れるカ ウ川右岸に位置し、バックニン省クエヴォー県に所 属する。

3.研究進行状況

本年度はフーラン村の近現代史の調査研究を行う。

2001 年 12 月から 2002 年 1 月のフーラン村での住み

込み調査では、民族学的手法より、参与観察と聞き 取り調査を中心として、1920 年代から現在までの歴 史的変遷を追い、原料採取から製品に至るまでの生 産技術、生産体制や社会的分業等を明らかにした。

2002 年度の今後の予定として、流通、販売、消費、

使用法など、生産後の陶磁器の行方を追い、陶磁器 の“一生”を把握するため、考古学的視点で民族学 的調査を行う。

4.論文作成の見通し

2003 年度から、「フーラン村」の発掘調査を行い、

分類、編年案を作成する。2004 年もしくは 2005 年 には、論文をまとめたいと考えている。

5.研究業績 (論文・著作)

Noriko Nishino「フーラン窯業村」ヴェトナム語)

『考古学の新発見 1996』: 379-380, 1996 (ヴェト ナム語)

Nishimura Masanari, Hoang Van Khoan, Nguyen Quoc Hoi, Trinh Hoang Hiep, Nishino Noriko, 「ナムデ ィン省ヴーバン県タインロイ社ソムズォンライゴア イ 、 ソ ム C 地 点 の 試 掘 調 査 」『 考 古 学 的 新 発 見 1997』:633-637, 1997.(ヴェトナム語)

Nishimura Masanari, Nishino Noriko, Trinh Hoang Hiep, Hirano Yuko, Han Van Khan, Nguyen Quoc Hoi

「ナムディン省ヴーバン県タインロイ社の試掘調査 報告」『考古学の新発見 1998 年』: 453-457, 1998.

(ヴェトナム語)

西野範子「ベトナム陶磁大生産センターの一窯址- ホップレー窯址と出土遺物について」『金大考古』第 25 号: 4-8, 1998

Nishino Noriko, Nishimura Masanari「李陳朝期陶 磁器の重ね焼き技法についての一考察」『考古学の新 発見 1999 年』: 581-583, 1999.(ヴェトナム語)

Nishimura Masanari, Nishino Noriko, Mukai Ko, Han Van Khan, Nguyen Quoc Hoi 「ナムディン省ヴ ーバン県タインロイ社の第 3 次試掘調査」『考古学の 新発見 1999 年』: 372-377, 1999.(ヴェトナム語)

西 村 昌 也 , 西 野 範 子 , Trinh Hoang Hiep, Nguyen Quoc Hoi「1997 年夏期考古学調査の概報」『百穀社 通信 第 8 号』: 158-182、1998

西村昌也, 西野範子, 平野裕子, チン・ホアン・ヒ エップ, 向井亙「1998 年度と 1999 年度の夏期考古 学調査の概報」『百穀社通信 第 10 号』: 95-145, 2000

Nishino Noriko, Nishimura Masanari「ナムディン 省ミーロック県コンチェー、コンティン遺跡陶磁器 の年代、製作技術と役割について」『考古学の新発見 2000 年』: 552-557, 2000(ヴェトナム語)

Noriko Nishino, Trinh Hoang Hiep, Nishimura

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参照

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