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秋季有明海湾奥部における底質の再懸濁に関する現地観測

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Academic year: 2022

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(1)II-055. 土木学会西部支部研究発表会 (2008.3). 秋季有明海湾奥部における底質の再懸濁に関する現地観測 佐賀大学大学院工学系研究科 学○笠置尚史 佐賀大学有明海総合研究プロジェクト 正 山本浩一・速水祐一・濱田孝治 佐賀大学理工学部 正 大串浩一郎 1.はじめに 有明海湾奥部は日本有数の干潟を擁し,アサリ,サ ルボウ,タイラギ等の採貝や海苔養殖が行われている. 近年,透明度の上昇や底質の細粒化(泥化)1)が問題に なっているが,これは懸濁物質の動態が社会問題にな っていることを示す.その問題解決のためには現地で の懸濁物質の動態を明らかにし,さらに数値シミュレ ーションによって再現する必要がある.懸濁物質の動 態で重要な底泥の再懸濁には底面直上の流体の運動と ともに,底質の種類によって再懸濁速度が異なること が予想される. そこで本研究では,有明海湾奥部において特性の異 なる底質(砂泥質,泥質)を対象に,再懸濁特性の違 いを明らかにすることを目的として,研究を行なった.. また,SS 濃度と濁度の関係を得るために Kx1 にて底 面直上 20cm 水と表層水を 10 サンプル採水し濁度と SS 濃度を測定した.Sx1 についても別日程で採水し,SS 濃度と濁度の関係を得た. (2)再懸濁速度解析方法 超音波流速計によって得られたデータを用いて(1)式 により底面せん断応力を求め,(2)式によって音響強度 を SS 濃度に換算し,(3)式で鉛直 SS フラックスを算出 した.ただし,  b は鉛直上向きである.  b  w.  x ' w'   v y ' w' 2. 2. (1). EL  A log10 C+B. (2). J z  C ' w'. (3). 2.研究方法 (1) 観測方法 図-1 に観測地点を示す.図-1 は,2005 年 8 月に行っ た底泥調査の結果であり,Mdφ7~8 程度の Sx1,Md φ3~4 程度の Kx1 を観測地点に選んだ. 観測は Sx1 において 2006 年 11 月 2 日午前 7 時~11 月 3 日午前 7 時(中潮),Kx1 において 2007 年 11 月 8 午前 7 時~11 月 9 午前 7 時(大潮)に超音波流速計 (Nortek Vector),濁度計(ATU5-8M)を海底に設置 し計測を行った.それぞれの設置位置は海底面上 0.22 m,0.2 m である.超音波流速計は Sx1 地点においては 16Hz,160 サンプルで 5 分バースト,Kx1 では 16Hz, 480 サンプルで 1 分バーストとした.. ここで,  b :底面せん断応力, vx ' :x 方向の乱れ速 度(m·s-1),v y ' :y 方向の乱れ速度(m·s-1), w' :z 方向の 乱れ速度(m·s-1), EL :反射音響強度(dB),C :SS 濃度 (mg/l), C ' :SS 濃度変動成分(mg/l), J z :鉛直 SS フ ラックス(g m-2s-1), A , B :定数,<>は平均操作を 示す. (3) 底質の分析方法 Sx1,Kx1 にてエクマンバージ採泥器を用い採泥を行 い,直ちに表層 1cm の泥の粘度を回転粘度計(東機産 業,TVC-5)を用いて測定した.また,採取した泥か ら表層 1cm を分取し,実験室に持ち帰り湿潤密度・含 水比・乾燥密度・強熱減量・粒度を測定した.粒度は 泥質の Sx1 ではレーザ回折式粒度分布測定装置(島津 SALD-3100)を用い,砂泥質の Kx1 では 106μm 以下 の粒径は同測定装置を用い,それ以上の粒径の試料に ついてはふるい分析を行い,2 つの結果から粒径加積曲 線を描いた.表-1 に底質の分析結果を示す. 表-1 地点 Kx1 と Sx1 の底質の性状. Sx1. Sx1. Kx1. Mdφ Mdφ. 7.38. 2.47. 含泥率(%). 99.90. 14.80. 含粘度率(%). 44.20. 6.91. 298.27. 49.21. 含水比(%). km. 12.34. 1.43. 湿潤密度(kg/m3). 1173.11. 1689.05. 乾燥密度(kg/m3). 294.56. 1132.00. ベーン剪断強度(Pa). 142.04. 63.60. 強熱減量(%). 図-1 調査対象海域(●は係留観測地点). -275-. Kx1.

(2) II-055. 土木学会西部支部研究発表会 (2008.3) (b) Kx1 (砂泥質). (a) Sx1 (泥質) 7. Depth [m]. Depth [m]. 7. 3.5. 0 2006/11/2 7:00. 2006/11/2 13:00. 2006/11/2 19:00. 2006/11/3 1:00. 0 2007/11/8 7:00. 2006/11/3 7:00. 250. 0 2006/11/2 7:00. 2006/11/2 13:00. 2006/11/2 19:00. 2006/11/3 1:00. Jz [gm-2s-1]. Jz [gm-2s-1]. 2007/11/8 19:00. 2007/11/9 1:00. 2007/11/9 7:00. 2007/11/8 13:00. 2007/11/8 19:00. 2007/11/9 1:00. 2007/11/9 7:00. 0.25 0 -0.25 2006/11/2 7:00. 2006/11/2 13:00. 2006/11/2 19:00. 2006/11/3 1:00. 2007/11/8 13:00. 2007/11/8 19:00. 2007/11/9 1:00. 2007/11/9 7:00. 2007/11/8 13:00. 2007/11/8 19:00. 2007/11/9 1:00. 2007/11/9 7:00. 250. 0 2007/11/8 7:00. 2006/11/3 7:00. 0.5. 0.5 0.25 0 -0.25 2007/11/8 7:00. 2006/11/3 7:00. 1. τb [Pa]. 1. 0.5. 0 2006/11/2 7:00. 2006/11/2 13:00. 2006/11/2 19:00. 2006/11/3 1:00. 0.5. 0.25. 0 2006/11/2 7:00. 11/02 7:00. 2006/11/2 13:00 11/02 13:00. 2006/11/2 19:00. 11/02 19:00. 2006/11/3 1:00. 2006/11/3 7:00. 11/03 1:00. 0.5. 0 2007/11/8 7:00. 2006/11/3 7:00. 水平流速 [ms-1]. τb [Pa]. 2007/11/8 13:00. 500. C [mg/ℓ]. C [mg/ℓ]. 500. 水平流速 [ms-1]. 3.5. 11/03 7:00. 0.5. 0.25. 0 2007/11/8 7:00. 11/08 7:00. 2007/11/8 13:00. 11/08 13:00. 2007/11/8 19:00. 11/08 19:00. 2007/11/9 1:00. 11/09 1:00. 2007/11/9 7:00. 11/09 7:00. 図-2 Sx1 と Kx1 における観測結果 (左図が Sx1(2006 年),右図が Kx1(2007 年), それぞれ上から深度,SS 濃度 C,鉛直 SS フラックス Jz,底面せん断応力τb,水平流速を示す. ). 0.5 0.4 -2 -1. Jz [gm s ]. っても Sx1 の 0.05Pa 程度時の J z であった.これは,. Sx1 Kx1. Sx1 は含泥率がほぼ 100%であるのに対し,Kx1 は含泥 率が 15%程度で約 85%が砂であるため Sx1 と同程度の  b であっても底質粒子が再懸濁されにくいと考えられ. 0.3. る.また,乾燥密度も Sx1 の方が低く,再懸濁されや すくなる要因の一つと考えられる.. 0.2 0.1 0. 図-3. 4.おわりに 0.2. 0.4 0.6 τbb [Pa]. 0.8. 1. Sx1 と Kx1 における Jz とτb の関係. 3.研究結果と考察 図-2 に Sx1 と Kx1 での水深,SS 濃度, J z ,  b の時 系列変化,図-3 に Sx1 と Kx1 での J z と  b の関係を示 す.観測期間での平均水平流速は Sx1 が 0.14m·s-1, Kx1 が 0.21m·s-1 であり, 最大流速はそれぞれ 0.34m·s-1, 0.38m·s-1 が観測された. 流速は Kx1 の方が大きく,Sx1 より Kx1 の方が大きい J z がはたらいているが,C と J z は Sx1 の方が大きい. 図-3 を見ると Sx1 は 0.1Pa 前後でも再懸濁している のに対し,Kx1 では J z が小さく,  b が 0.8Pa ほどであ. 本研究では,秋季有明海湾奥部の泥域・砂泥域にお いて底質の違いによる再懸濁特性の違いを明らかにす ることを目的として,泥域と砂泥域における鉛直 SS フ ラックスと底面せん断応力の関係を調べた.その結果, 底質の再懸濁速度には流速以外に含泥率・乾燥密度・ 含水比が関係していると推定された. 今後は Mdφが 4~5 程度の底質についても同様の調 査を行って,底質の再懸濁にそれぞれの底質の特性が 影響を与えているか定量的に示したいと考えている. 謝辞 国土交通省国土技術政策総合研究所,国土交通 省九州地方整備局筑後川河川事務所には濁度計,超音 波流速計を貸与していただいた.ここに記して感謝申 し上げます. 参考文献 1)大隈斉, 江口泰蔵, 川原逸朗, 伊藤史郎(2001):有明海湾奥部の底 質及びマクロベントス, 佐賀県有明水産振興センター研究報告, 20 号, pp.55-62. -276-.

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