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都市域の拡大と交通システムの変貌 : 京阪神都市圏を例として

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(1)都市域の拡大と. 交通システムの変貌. 一.京阪神都市圏を例として一. 兵庫教育大学大学院学校教育研究科 教科・領域教育専攻社会系コース. M91511E 寒川忠俊.

(2) 目次 1. 序. 1京阪神都市圏における交通の発展 (1)交通手段の歴史的発展過程. 3. 3. ①政府による鉄道建設. 3. ②私鉄の建設. 4. ③都市内交通機関としての路面電車. 6. (2)交通システムの現状と特質. 11 通勤・通学圏の地域分析. 9. 15. (1)京阪神圏各市町村の人口の推移. 15. (2)通勤・通学圏の設定. 19. ①通勤・通学圏の定義. 19. ②大阪市を中心とする通勤・通学圏. 22. ③京都市を中心とする通勤・通学圏. 37. ④神戸市を中心とする通勤・通学圏. 38. (3)通勤・通学圏と交通システム. 皿 京阪神都市圏における交通システムの確立. 41. 49. (1)交通計画. 49. (2)交通の将来展望. 56. 結. 63.

(3) 図目次 1 図1−1. 図1−2 II 図ll 一1 図II 一2. 神戸高速鉄道路線図. l1. 京阪神圏の鉄道網. 14. 研究対象地域のインデックスマップ. 20. 各市町村に常住する通勤・通学者の内 大阪市へのそれが占める割合. 28. (5%圏域,10%圏:域). 図H∼3. 各市町村に常住する通勤・通学者の内 大阪市へのそれが占める割合. 図ll 一4. 他市町村で通勤・通学する者の内 大阪市へのそれが50%以上を占ある地域. 図ll 一5. 30. 32. 京阪神圏各市町村に常住する通勤・. 通学者の1位指向先. 35. 図ll 一6. 京阪神圏各市町村に常住する通学者の1位指向先. 36. 図ll 一7. 大阪の各ターミナルからの乗車時間1時間の範囲. 45.

(4) 表目次 1. 表1−1. 大阪付近の主な鉄道の開通年次. 5. 表1−2. 大阪の衛星都市の市制施行年. 8. 表1−3. 六大都市における路面電車の開業と市営化. 8. 皿 表1−1. 京阪神圏各市町村の人口推移. 18. 表II−2. 研究対象地域のインデックス. 21. 表ll 一3. 大阪市への通勤・通学圏域. 24. 表H−4 表U−5. 大阪市への通勤・通学者数. 24. 京都市への通勤・通学圏域. 39. 表ll 一6. 京阪間各市町に常住する通勤・通学者の内. 京都市・大阪市へのそれが占める割合39. 表H−7神戸市への通勤・通学圏域. 39. 表ll−8 混雑区間の輸送力・通過人員・混雑度推移表. 表1]]一9混雑度の目安 表ll 一10端末交通手段利用状況. 44 46. 皿 表m−1 京阪電鉄における輸送力増強等工事計画 表皿一一2 高速鉄道網等の整備計画. 43. 54 58.

(5) 序. わが国では,とくに経済の高度成長期に顕著な都市化現象が現れ,都 市化や都市圏という視角より,都市機能を分析しようとする研究もさか んになされた。しかし,その多くは,人口の集中や分散,商圏の確立な どを視点とした研究である。. その中にあって,有末武夫(東京・名古屋・大阪における都市の発達 と交通との関係;群馬大学教育学部紀要16(3)1966)や青木栄一一(都市. 化の過程における鉄道交通網の形成と変質一東京周辺における鉄道交通. 網を例として一;交通文化31964)のように,「交通」を都市化現象の ひとつの指標として,地理学的研究を試みようとする動きが現れた。. すなわち,有末は都市圏や交通圏の設定を目的として、鉄道や道路を 流れる交通流の求心性に着目し,また青木は,都市化の進展と鉄道輸送 能力との関係を明らかにしょうとした,,いずれも出色の研究である、,な. お,本論末に本研究に係わる参考文献を掲記した。. 本研究の目的は,京阪神都市域の拡大を対象として,通勤・通学圏の 設定による圏域の変化とその規定要因を考察し,今後の京阪神都市圏に おける、交通システムの基本的なあり方を明らかにしょうとすることで ある,、. その分析方法としては,まず,国勢調査報告を用いて,京阪神各市町 村の人日推移q970−1975,1975−1980,1980−1985)を概観する。次に,1970・. 1975・tg80・1985の各年次の国勢調査報告の通勤・通学集計結果を使用し. て,地域相互間の結合関係の強さを表す計算法によって分析し、通勤・ 通学圏を設定する,、. その計量研究の対象とする市町村は,大阪市を中心とする50km圏に位. 1.

(6) 置し,2府4県にまたがる134の市町村である,, なお,本研究において,通勤・通学圏の設定作業は、大阪市・京都市 神戸市の順序ですすめ,それぞれの圏域の構造と交通システムについて 考察する。. 2.

(7) 1 京阪神都市圏における交通の発展. (1)交通手段の歴史的発展過程. ①政府による鉄道建設 わが国において,東の中心都市「東京」とならぶ西の中心都市「大阪」. は,淀川と大和川との堆積作用によって生じた大阪平野に位置し,瀬戸 内海を前面にひかえる畿内の玄関口として古来より栄え,今日では西日 本全=域にわたる交通の中核的性格を有している。. さて,殖産興業政策をすすめようとする明治政府は,民間資本に大き な期待をよせたが,民間からの鉄道投資の条件が未熟であったことから,. まず政府が鉄道の建設にあたることになった。すなわち,大阪と神戸を 結ぶ鉄道は,東京・横浜間と同時に建設が決定された。東京・横浜間の 鉄道が完成した後,工部省鉄道寮の鉄道頭であった井上勝は,京阪神間 の鉄道建設にカを注ぐため,鉄道寮を関西に移すように上申したことか ら工部大輔山尾庸三と対立し,いったん退官するが半年後に復帰し,鉄 道寮を大阪堂島に移して,阪神間の工事の仕上げを急ぐこととなった。. 京阪神間の鉄道工事は,1870年8月に測量が開始され,天井川の下を 通る3っのトンネル工事,日本で初めての3つの鉄橋工事(東京・横浜 間は当初木橋のみ)も行われ,1874年5月11日に大阪・神戸間32.7kmの 営業が開始された。この間には,神崎(現 尼崎),西ノ宮,住吉,三 ノ宮の各駅が設けられ,当初8往復,後に10往復の列車が運転され,所 要1時間10分であった。. また,1871年5月に測量を開始した大阪・京都問43.lkmは,1877年2 月6日から営業が開始され,この間には,吹田,茨木,高槻,山崎,向日町の. 3.

(8) 各駅が設けられた。これに伴い,京都・神戸間の直通列車も運転されるよ. うになり,所要2時間40分程であった。こうして,京都・大阪・神戸の 3都市が鉄道によって直結されたのである。. かくして,この地域の交通システムは,官設の鉄道によって幹線交通 が築かれ,また大阪市内における城東線と西成線(現 大阪環状線)の 開通と相侯って,大阪市内を結節する環状鉄道の完成をみたのである。. ②私鉄の建設 また,私鉄の建設は,1885年忌阪堺鉄道(現 南海電鉄)の難波・大 和川北岸間の開通に始まる。この阪堺鉄道は,わが国初の純民間資本に よる蒸気鉄道として,資材を工部省が廃止した釜石鉱山の鉄道から譲り. 受けて開通をみたのである。表1−1に見られるように,1900年を境に 私鉄網の形成が急速に進んだ。この時期は,全国的に民間資本による鉄 道建設が活発をきわめた時代である。そして,これらの鉄道の多くは小 規模な鉄道であって,吸収・合併・分離をくり返しながら成長を続けて ゆくことになるのである。ある意味では,この時期が都市化の始まりと も言うことができるであろう。. 1905年,大阪と神戸を結んで走り始めた阪神電気鉄道は,わが国最初 の都市間電車として知られている。この阪神電気鉄道は,私設鉄道法に よったのでは官鉄との並行線と言うことで免許を得るのが困難なため,. 名目上は軌道条例によって特許を受けたが,実際は専用敷を走る区間が 多く,標準軌間の複線で,それまでの路面電車とは違って,アメリカか らの技術移転で高速運転を狙った設計によるものであった。その後,19. 10年には京阪電気鉄道の天満橋・五条間,箕面有馬電気軌道(現 阪急 電鉄)の梅田・宝塚間と石橋・箕面間,兵庫電気軌道(現 山陽電鉄). 4.

(9) 表1−1 大阪付近の主な鉄道の開通年次 開通区間. 開通年 7. 国鉄東海道上大阪一神戸. 77(. 10. 国鉄東海道線京都一大阪. 85(. 18. 阪堺鉄道 難波一大和川北岸(現 南海電鉄う. 95(. 28. 国鉄城東線(現 大阪環状線). 98(. 31. 国鉄西成線(現 大阪環状線). 1902(. 35. 浪速電車軌道 天王寺駅前一住吉公園(現 阪堺上町線). 03(. 36. 南海鉄道 難波一和歌山市全通(現 南海電鉄本線). 05(. 38. 阪神電気鉄道 三宮一出入橋(現 阪神電鉄). 10(. 43. 京阪電気鉄道 天満橋一五条(現 京阪電鉄). 1874(明.. 神戸電気鉄道(後の神戸市電). 箕面有馬電気軌道 梅田一宝塚 石橋一箕面(現 阪急電鉄) 14(大.3. 大阪電気軌道 上本町一奈良(現 近鉄奈良線). 20( 9. 阪神急行・梅田一神戸上筒井 塚ロー伊丹(現 阪急電鉄). 21( 10. 北大阪電気鉄道 十三一豊津(現 阪急電鉄). 24( 13. 阪神電気鉄道 尼崎一千鳥橋(現、.阪神電鉄). 阪神急行 黒川一甲陽園(現 阪急電鉄) 25( 14. 新京阪鉄道 天神橋一淡路(現 阪急電鉄) 南海鉄道 岸ノ里一高野下(現 南海電鉄). 27(昭.2. 阪神国道三韓 西灘一野田(後の阪神国道線). 29( 4. 高野山電気鉄道 高野下一極楽橋(現 南海電鉄). 30( 5. 阪和電気鉄道 天王寺一部和歌山(現 JR阪和線). 31( 6. 新京阪鉄道梅田一大宮(現 阪急電鉄). 35( 10. 東海道線電化. 38( 13. 関西急行電鉄 上本町一名古屋全通(現 近鉄大阪線). 大阪市営地下鉄 梅田一天王寺. 5.

(10) の兵庫・須磨間と都市間電車がたてつづけに開業し,そのほか嵐山電車 軌道,神戸電気鉄道と言ったように,この年は電車ブー一tムが一一斉に開花 したのである。. このようにして,京都・大阪・神戸の三都市が結ばれ,ここに幹線交 通における競合が始まったのである。そして,私鉄各社は営業政策面か ら,沿線の乗車人口の増大を目指して,遊園地の設置や住宅地の建設な どを試みるようになった。その先駆者が阪神急行電鉄(現 阪急電鉄) の小林一一三である。彼は開業時にまず池田市に109,000㎡の土地を開発. し,住宅200戸を建築分譲した。これが民鉄による沿線土地開発の最初 である。以来,沿線各地の宅地の造成分譲,住宅の建築分譲を行った。. 彼のこの経営姿勢は,その後大阪近郊の電車会社がそろって模倣するこ とになるのである。. その後,大阪都心部から奈良,和歌山など郊外へと延びる私鉄網の拡 充が見られ,都心と郊外との結合関係の緊密度を増大してきたのである,,. この時期に建設された私鉄の各ターミナルが,今日の大阪の都心形成に 直接的に多大の影響を与えていると考えられる。このようにして,大阪. 付近の私鉄網が完成し,大阪市の人口が100万人を突破するようになる と,都市化現象が周辺地域へと拡大していった.. 1920年頃以降は,都心部から放射状に延びる路線を基軸に,周辺部へ と路線網が整備・拡充されてゆくのである.この頃には,中産サラリー一一一. マンの占有率が高くなったことが,郊外住宅地域の拡大の一要因となっ たと考えられ,そこで諸私鉄の開通が、彼らの要求である都心と郊外と の時間距離を著しく短縮したことによって,住宅地が周縁へと拡大する 引き金となったことが理解できる。. 6.

(11) そして,表1−2から大阪市を中心とする衛星都市の市制施行の年代を 見ると,1954∼55年の市制施行ブーム以前にすでに20を越す市が数えら. れる。これらは,主要交通路線として考えられる国鉄(現JR)や郊外 電車の沿線に沿って分布している。さらに,大阪市に近接している方が 市制施行年代が早い傾向にある。このことからも,都市郊外の住宅化と 鉄道交通網の発展との間に,密接な関連を有していることは明らかであ る。. ③都市内交通機関としての路面電車 路面電車の出現は,都市近代交通のめばえとも言える。わが国において,. 都市内の交通機関として電車が採用されたのは、1895年2月の京都電気 鉄道(京都市電の前身)が最初である。この京阪神圏において,最も一望・ くから電車の計画が:進んでいた東京をさしおいて営業を始めたのである,、. さらに,1903年9月には大阪市電が開業し(開業当初より市営である点 が特色),続いて1910年には神戸電気鉄道(神戸市電の前身)の開業へ と,市内電車開業の波は及んだのである。そして,これらの路面電車は 1920年代にバスやタクシー一が本格的に実用化されるまで,唯・の近代的. な都市交通機関として活躍するのである。 路面電車は小単位輸送機関 ではあったが,頻繁に運転することによって,都市内交通機関として不 可欠のフリークエント・サービスの機能を満足させ,地域住民の間で好 評を博し,路線網の拡張や車両の大型化など,増大する需要に応えるべ く積極的な対応がなされた。そのため、市民により良いサ.ビスを提供 すると言う名目のもと,民営路面電車の市営化が進められた。. 7.

(12) 表1−2 大阪の衛星都市の市制施行年. 嘱. 1889年 1916. 堺. 1947蘇 方. 吹 田. 48. 茨 木. 崎. 伊 丹. 22. 序和田. 芦 屋. 八 尾. 25. 西 宮. 42. 泉大津. 泉佐野. 36. 豊 中. 43. 高 槻. 50. 富田林. 37. 台 施. 貝 塚. 5]. 寝屋川. 3. 宜. 坐1. 池 田. 口. 一一一一一ll一一一一一一一. 表1−3 六大都市における路面電車の開業と市営化 最初の企業者. 開業年. 東京電車鉄道. 1903. 結梹s街鉄道. P903. 結椏d気鉄道. P904. 横 浜. 横浜電気鉄道. 1904. 1921. 名古屋. 名古屋電気鉄道. 1898. 1922. 京 都. 京都電気鉄道. 1895. 1918. 椏s市. P912. フ並立. 大 阪. 大阪市. 1903. 開業当初より市営. 神 戸. 神戸電気鉄道. 1910. 都市名. 東 京. 市営化年. 備考. 1906年3社を合併して東京 1911. 1917. 8. S道とした後に市営化. 1912∼1918年は民営・市営.

(13) (2)交通システムの現状と特質. 京阪神圏の交通は,大阪を中心としており,その大阪を焦点として集 まり,そして分散してゆく。この地域における鉄道網の主要幹線は,何 と言っても京都・大阪・神戸の三都市を結ぶ路線であり,さらに奈良・. 和歌山などの周辺諸都市とは,まさに網目状に敷かれた鉄道網によって 密接に結合している。. この鉄道網は,第二次世界大戦前より五大私鉄(阪急・阪神・近鉄・ 京阪・南海)を中心に発達し,これら私鉄が通勤・通学輸送においては 主役の座を占めてきた。1960年代以降の高度経済成長期においては,急 激な人口集中や市街地の拡大に対応すべく整備がすすあられてきた。首 都圏では,旧国鉄や営団が財投資金でもって,路線の拡張を積極的にす すめてきたのに対し,京阪神圏では,私鉄が中心となった鉄道網の整備 であったがゆえに,両国の間の建設投資には大きな開きが生じてきた。. 私鉄はあくまでも採算を度外視することができないために,建設投資に は慎重にならざるをえなく,京阪神圏においては,需要の急増に対して も新線建設は比較的小規模なものでしかなく,既存の路線の改良を中心 に乗り切らざるを得なかったのである。. この京阪神圏における通勤・通学輸送には,五大私鉄に神戸電鉄・山 陽電鉄・能勢電鉄・北大阪急行電鉄・泉北高速鉄道などの中小私鉄を加 えた私鉄の果たす役割が非常に大きい。その営業キロにおいても,首都 圏に比べて私鉄の比重が大きく,50%を越えている。それゆえ,京阪神 圏は私鉄王国と称されるのも当然の結果である。. また,私鉄と国鉄(現JR)との競合路線が多いのも大きな特徴のひ とつである。京都一大阪間ではJRと阪急電鉄・京阪電鉄が競合し,大. 9.

(14) 阪一神戸間ではJRと阪急電鉄・阪神電鉄,大阪一和歌山間ではJRと 南海電鉄,大阪一奈良間ではJRと近畿日本鉄道と言うように,主だっ た都市を結ぶ路線は,軒並み競合する路線となっている。そのため旧国 鉄時代より,私鉄各社との間でスピードやサービス面での競争が展開さ. れてきており,直なお,この競争は続けられている。とくにJR移行後 は,サービス面での競争が,激化の様相を呈し始めてきたのである。 この地域における私鉄は,かつて各社のターミナルが異なり(阪急・. 阪神が梅田,京阪が天満橋近鉄が上本町,南海が難波),大阪市中心 部への通勤・通学輸送においては大変不便であったが,1963年12月1日 の京阪電鉄の天満橋から淀屋橋への乗り入れ,1970年3月15日の近畿日 本鉄道の上本町から難波への乗り入れの実現によって,大阪市営地下鉄 御堂筋線を介して,在阪五大私鉄が連絡可能となったのである。そして,. 北のターミナル梅田と南のターミナル難波が結ばれることにより,中心 部への通勤・通学の上でも時間短縮がはかられることになった。. 神戸市においてこの役目を果たしたのが神戸高速鉄道で,これは自社 の車両と乗務員を全く有しない異色の鉄道会社(鉄道事業法の発足に際 して第三種鉄道となる)である。この神戸高速鉄道は神戸市が設立主体 となり,阪急・阪神・山陽・神戸の各電鉄会社が共同出資して設立され た。その設立の意図は,各電鉄を地下において結合させる「ジョイント. 鉄道」たる目的であり,それゆえ各電鉄の特急や急行などの優等列車と 言えども,この路線内においては,各駅に停車することを原則としてき た。なお,1991年より山陽電鉄の特急が大開・花隈・西元町の三々を通 過するようになった。. これによって1968年4月7日に阪急・阪神・山陽・神戸の各社が結び つき,葉鞘の異なる神戸電鉄(神戸電鉄のみ軌間1067㎜,他は軌間1435. 10.

(15) 至三田・有馬・粟生 :. :. 阪急. ,神鉄. :. 湊川 花隈1.Okm 三宮 O..6k,一1..lkniノ}→’一一至梅田’京者B. O. 4km. O. 9km 1. Okm ご. 1. Okm. 至喝’.一〇}○ 姫. 山. 路. 陽西. 代. 高 速長. 田. 大. 新. 高 O. 7km. 開. 開. 速写. 地. 一‘ ” 一至梅田・西九条. 戸 西O. 8ku阪. 元. 神門. 町. 町. 図1−1 神戸高速鉄道路線図.

(16) mm)を除き,阪急・阪神・山陽の各電鉄の間においては,車両ばかりで なく乗務員をも含めた相互乗り入れが実現した。この神戸高速鉄道は,. ターミナルの異なっていた各社(阪急が三宮,阪神が元町,山陽が兵庫 神戸が湊川)を直結したばかりでなく,市営地下鉄を有していなかった 神戸市における,都市内交通機関としての役割をも果たしてきたのであ る。このような相互乗り入れば,改札を出なくとも同じホームで他社線 への乗り換えが可能になり,時間距離の短縮に大きく貢献したと考えら れる。. また,京都・大阪・神戸の各市営地下鉄の大幅な路線延長や相互乗り 入れも,交通システムの変貌にとって大ぎな要因となってきている。京 都市では近畿日本鉄道(1988)と,大阪市では阪急電鉄(1969)・近畿日本 鉄道(1986)と,神戸市では北神急行電鉄(1988)と,それぞれ相互乗り入. れを実施している。この地下鉄と郊外電車との相互乗り入れば,乗り換 えの不便と駅の混雑を解消する手段として,1960年の都営地下鉄と京成 電鉄との間での実施以来,30年を経た今日広く普及してきた。. さらに地下鉄は,従来都市内部における輸送を目的としてきたのであ るが,今日では郊外と都心を結ぶ交通機関としての機能をも有するよう. になってきている。そして,この傾向はますます拡大する様相を呈して きている。. そして,首都圏や中京圏に比して,路面電車の営業キロが長いことが, この京阪神圏における都市内交通機関の特徴のひとつとして挙げること. ができる。激増してきた自動車に押されて,公営のものは相次いで廃止 に追いやられ(大阪市1970.6. 15全廃,神戸市1971.3.3全廃,京都市. 1978.9.30全廃),現在では阪堺電軌(阪堺線,上町線)の18.7km,京 阪電鉄(京津軽,石山坂本線)の25.2km,京福電鉄(嵐山線,北野線). 12.

(17) の11.Okmが営業しており,そのキロ数は54.9kmである。(1991.3末現在). この数字は,三大都市圏計の55.5%,全国計の20.8%にあたるものであ る。. かくして,京阪神都市圏における鉄道網は,路線の延長・相互乗り入 れ・路面電車の廃止などによって,大きく変貌してきている。また国鉄 からJRへの移行も,私鉄各社との競合路線を多くもっこの地域では, 利用者に対するサービスという点においてはとりわけ大きな意味をもっ. てきたと思われる。新生JR西日本は,かつての国鉄時代には思いも及 ばなかったような新しい経営戦略を打ち出し,私鉄各社と真正面から対 抗しようとしている。. 13.

(18) 一. r. t. 一. s 一t・/t・,一… 一・…. 岡 ∵蟹課:1:. f一 〆. 山. 陰. ・/. 本. 篠山。. 電. 線. / .紀.{;ま. 藍本. ’』齢,. 保津飲:. 1. ! /. 妙見ロ. =田/. 能 勢. /. 線. /. /茸 「. 「. .・∴... 景駿.伊丹. ㌦∵.. 西紳中央. 繧薩. 名谷 山陽 鉄. 見. t. _. ・.. 田 N. F. 30. N. 島 三」. ×. 王. :“. N. _貝塚. x. x. ge$. x. 寺 平. 近 鉄. ノ. 天理. 端. 輪 近鉄南. e. .琵・,餅原. 長谷寺. ノ 原. 野. 、#明池泉 南. 内長野. 塾蓄 晦. 7T.Tr〈. .・. ・il・’IY,’, 1・ /iY. @ ....=」:ノ. .”「. 野. 吉野ロ. 線. .阻/. 橿原神宮.. 御所. /. / glj 一. 山甲渓 tt. 奈. 一. D .、一. .・....=..ゴ1.=’・. 矯本. 一 一. s“. 一. 干紀伊中ノ島. 加太i..1... t. JI岬. ”.. E、和歌山. 和歌山. 下井阪. 図1−2. 極楽僑. 京阪神圏の鉄道網 (都市交通年報1990年版より引用). 14. :三♂ 7ili!ドデ. 井. 長.. Dしケ三.:. 多. 瀬. 毎. i. 為. x. ク .. t 、良. t. G. ;t/一. ?』.. ケ. ’. 鉄. 身. 百 毒. ;.=.G ・K. 月. 口. 鋤. 三国ケ丘. 諺・. s. 木津. ’. ゴ x. 50. 関西本線. 奪. 唯. 西. 近’. N. x. 、・…露淡.N・ll. 片町. x. 層塞. 一. 大. 西 九 条. N. 岬. 、執.表. .線 線. 棚 v k套’ 1打. ISb _. N. 、 奈 良. 梨獄一 .’ 線. 尼崎. XXI.:,1 ・1・1. x. 坂. 鉄. 販宇治. 中. 蕪 墨。観纈. ,Nl. 石山寺. 、書. 淡路. 西明石 _.果. N. 北千里”. 阪. 戸. 石山. 幹線. 睾。・磯’. 鉄. 有 塚 馬甲 今. 丘電. 蓉..・葉張部谷套∠. 竃. 二郷. 桂. x. 「.『『三…鋤.’. 粟生/. 木民.. 帥. ./,無難葬.一. ’. 鉄道 含. 叡山∴. ・じ.:. 路 副. / .= ’一 .’ 一r .一: ・. ,’.f. 「. 坂. 、 紅. 大. /. 厄神. \. 北鉄.. ・.・.}「1・.こ.詳;.一. 大村. ェ西緯. 蕨馬. \ 叙. 山.

(19) H 通勤・通学圏の地域分析. (1)京阪神圏各市町村の人口の推移. 各年ごとの国勢調査報告をもとに,京阪神圏各市町村の入口の推移を まとめたのが表II−1である。. わが国における人口移動は,全国の農村的諸県から東京・名古屋・大 阪の三大都市圏への移動が,従来のパターンであったことは言うまでも ないことである。しかし,この古典的とも言えるような一方的パターン は,1970年前後より崩れ始め,地方への還流・郊外化・地方内部におけ る移動と言う新しいパターンが見られるようになってきたのである。. このような中でとくに注目すべき点は,まず第一に,この地域におけ る一大中心都市である大阪市の人口が減少の一途をたどっていることで ある。すなわち,1970年から1975年にかけて6. 8%の減少,1975年から. 1980年中かけては4.7%,1980年目ら1985年にかけては0.5%の減少と なっている。とりわけ,1970年と1985年の比較においては,実に12%の 減少となっている。これが人口移動による流出超過に起因していること は明らかである。これらの流出人口の多くは、周辺諸都市への脱出者で あり,そのため周辺部の衛星都市の人口が急増していることも明らかで ある。. この大阪市と同様に人口減少傾向が見られるのは,大阪市に隣接する. 尼崎市・守口市・門真市などで,1970年と1985年の比較においては,8 %,14%,O. 3%のそれぞれ減少となっている。これら各市に共通して. 言えることは,高度経済成長期に人口の集中が著しく見られたことであ る。しかし,19ブ0年以降には多くの人口流出が見られるようになり,こ. 15.

(20) れまでとは逆に,人口減少に転じるようになったのである。. また,大阪市を中心とする50km圏の市町村における人口減少も見られ る。同様に1970年と1985年の比較においては,京都府の笠置町で11%の. 減少,奈良県の室生村で8%の減少,大宇陀町で4%の減少,高取町で 4%の減少,大阪府の田尻町で14%の減少などが挙げられる。また,大 阪府下の貝塚市・四條畷市・忠岡町・岬町,奈良県下の御所市・三宅町 では1980年から1985年にかけて,人口減少が見られるようになった。. さらに,大阪市に近接する各市においては,人口増加傾向に歯止めが かかり,人口減少には至っていないにしても,鈍化傾向を見せ始あてき ている。それが顕著に見られるのは,大阪府下の豊中市・池田市・東大 阪市・松原市,兵庫県下の西宮市・伊丹市・宝塚市などである。これら 各市は,1975年頃までは人口急増傾向を示していたが,その後,鈍化傾 向が目立ち始めてきている。1980年から1985年の5年間においては,こ れら各市はすべて3%以内の増加にとどまっている。. また逆に,この50km圏において人口増加傾向が顕著に見られる市町村 も少なくはない。とくにその傾向が顕著なのは,兵庫県下の猪名川町,. 大阪府下の豊能町・熊取町,京都府下の八幡市・城陽市・田辺町・久御 山町,奈良県下の生駒市・平群町・三郷町・香芝町・河合町・上牧町な どである。これらは1970年と1985年の比較において,すべてIOO%以上 の増加を示しており,ことに豊能町・八幡市・上牧町では3倍以上にふ くれあがっている。. かかる人口増加の傾向にある各市町に共通している点は,すべて大阪 府と境を接し,しかも大阪市を中心とする30km圏に位置する市町である ことである。この30km圏における人口の爆発的な増加が,ここでの第二 の注目すべき点である。これらの各市町は,通勤・通学現象を規定する. 16.

(21) 要因としての交通手段,交通機関の頻度・所要時間・費用などを考慮し た上で,大阪市への通勤・通学圏として広く認識されるようになったの である。そこで,ますますこれら各市町と大阪市との間の通勤・通学輸 送対策が練られねばならないことも事実である。. さらに,30km圏内外においても50∼100%の増加率を示す市町村が数 多く見られる。兵庫県下の川西市・宝塚市,大阪府下の箕面市・茨木市 高槻市・枚方市・島本町・太子町・河南町・千早赤阪村・河内長野市・. 泉南市・阪南町・美原町,京都府下の宇治市・木津町・加茂町,奈良県 下の奈良市・大和郡山市・斑鳩町・川西町・当麻町などがこれに該当す る。. なお,例外的に50km圏外に位置する三重県の名張市においても人口増 加が顕著で,1970年からユ975年にかけては13.2%の増加,1975年から19 80年にかけては27.4%の増加,ユ980年から1985年にかけては26、9%の増 加と,いずれも増加の一途をたどっている。. このように,かつて人口集中の著しかった京阪神圏の中心に位置する 各市で,人口減少傾向や人口増加の鈍化傾向の地域性が見られるのに対 して,大阪市を中心とする30km圏の各市町村において,爆発的な人口増 加が見られるようになってきたことが明らかになった。. 17.

(22) 表1卜1 京阪神圏各市町村の人口推移 (単位:人) 市町村名 1970年 1975. 1980. 1985. 神戸1288930136060513673901410834. 芦屋 70398762118174587127. 西宮377043400622410329421267 尼崎553696545783523650509115 伊丹153763171978178228182731 87127115773129834136376 川西 宝塚127179162624183628194273 三田 3309e 352613652940716 猪名川 向. 日. 7032 7940 H526 14430. 36988. 45886. 50604. 52216. 長岡京 51414 65557 71455 75242 大山碕 10375 14966 16283 16717 /N. 幡. 22974. 50132. 64882. 72356. 田辺21507300223919844465. 精華 10929138941533416095 山城 8581 9115・94129494 木津 10731118901604916508 8695 8953 897e 13?59 加茂 2721 263} 2506 2429 笠置 3570 3388 3396 37e1. 南山城. 能勢 豊能 池田 箕面 163545 茨木. 9521 9749 IOO24 10389 4930 7e90 12431 16297. 94333 laO268 le1121 101683 57414 79621 104112 l14770. 21e286 234062 25e463. 高槻23110533e570340720348748. 町村名 1970年 1975 1980 1985 早赤阪 501’3 5062 7288 7697 河内長野 51994 66936 78572 91313. 高石 61442668246681566974. 泉大津. 59437 66250 67474 67755. 忠岡 16795177541805317223 和泉 95987118237124322137641 岸和田 162G22 174952 180317 185731. 員塚 73366795068116279591 熊取 13808180322543233542 泉佐野. 77000 86139 90684 91563. 田尻 、8382 7785 7519 7223 泉南 38206467415332460059 阪南 28322373814261249640. 岬20684224232286422326. 生駒 35550488487046186293. 奈良208266257538297953327702. 平群 7899110751685418783 大和郡山 57456 71001 81266 89624. 斑鳩 16892207432575427042 三郷 mO23137711794921606 王寺 14783163311721320265 河 合 7693 12080 15793 18105 安堵 5321 5774 6459 7003 川西 6269 7492 9446 三宅 6430 7853 8560 8536. 9670. 香芝 21205265833631443485 上牧 4483114991645218826 枚方217369297618353358382257 広陵 17355179921842720345 交野 33701527326142564205 田原本 20988 25560 28172 30036 寝屋川 206961254311255859258228 天理 57020629096489469129 摂津 60116767048063486332 桜井 52081543145643958894 吹 田 259619 300956 332418 348948 大宇陀 10930 董0829 10638 10541 豊中368498398384403174413213 榛原 12950128461721018512 7404 7138 島本 16873224042466329549. 大阪2980487277898726481802636249 守. 口. 184466. 178383. 165630. 159400. 門真141041143238138902140592 大東 93136110829116635122421. 室生 7739 7562 明日香. 6573 6650 6987 7109. 橿原 7550895701107316112888 大和高田 53475 58637 61711 65223. 当麻 8516102081291514223 新庄 12915154811663118329 八尾227778261639272706276394 御所 35987375543738736693 四條畷. 37893 52368 50582 50352. 東大阪 500173524750521558522805. 柏原53104635866983673252 高取 9413 9191 8909 9042. 藤井寺. 50414 59515 63726 65252. 松原ll1562132662135849136445 堺. 美原. 羽曳野. 594367. 750688. 810106. 818271. 22191263212931534593. 名張 30862349294448856474 7633 7575 8667 青山 8014 橋本 33334353243591940483. 77134 94160 103181111394. 太子 6374 7384 8741 9996. 河南「8941122621396714390 富田林 75754 91393 97495 102619. 業種 19198360454650850246 18.

(23) (2)通勤・通学圏の設定. ①通勤・通学圏の定義 前節でも少し触れたように,通勤・通学現象を規定する要因としては, 交通手段,交通機関の頻度,所要時間,費用などがあげられる。換言す. れば,これらの諸要因によって通勤・通学距離が規定される。近年の交 通機関の急速な発達によって,通勤・通学圏が拡大し,大阪を中心とす る都市圏も拡大してきている。. 有末武夫は交通圏の具体的事例の中で,通勤・通学圏を「通勤・通学 流動によって,相互に強く結合された地域群」と定義し,「地域相互の 結合関係」,「地:域相互間の結合の強さ」とは,それぞれ通勤・通学流. 動による結合関係,結合の強さを言うことにしている。そして,地域相 互間の結合関係の強さを表現する方法として,地域相互間の通勤・通学 流動の絶対量の大きさによって関係の強さを表現しようとする方法(絶 対結合法)や,ある地域を中心とする通勤・通学流動量の大きさの順番 による方法(最多結合法),地域相互間の流動量を地域の常住人口など で除して相対化してみようとする方法などを用いている。 本稿では,1970年,1975年,1980年,1985年の国勢調査報告の通勤・. 通学集計結果をもとに,これら3つの方法を組み合わせて,京阪神圏に おける通勤・通学圏の設定を試みることにする。そこで,その対象とな る地域は,大阪市を中心とする50km圏に位置する各市町村である。それ に該当する市町村は,兵庫県下の21市町,大阪府下の43市町村(大阪府 全域),京都府下の24市町村,奈良県下の35市町村,和歌山県下の9市. 町,滋賀県下の2市町の2府4県にまたがる合計134の市町村である。 これらを対象地域として,各市町村に常住する通勤・通学者総数の内,. 19.

(24) .一. //e rt’. Y?/. E B. 21. ℃二. 乙. E. N. /. −v一. ・〈 [一. r)ン. ノ、・. Ns.’. 麟、. 24. 23 ,ノ. 5. 33/32. 15. 65. ノ. ^・白. 9>yg. 気ま5s4i 44. 試. 禦 5VX. E染. 5. ””HK. ミ1. .一.一z. ..・rti 6 E. fA 64 ’. .J xvrV 85 g’. 9t)v. 窒?求. ゾ’. o lo 20k nl. .../”N」5,. イ. 図H−2. B4. 92 .’x. 5g,. 94 /N. 83. s.48’k’E. El O・’. ,,t’”’s. .t”. 93. 80. 紹888i5 B6. 52 1ノ. S」. ?ggK7up4 ila)rgl. xx. 56. ,禽 て ×・. r.4t.t,z. 46. 49g. o’. 66. axtsr. 40. つ. 19 S20. 1B.. 17 34.. ..,t・ft・(1・,1. ノ’ 16. 4. f’. ノ. 14. Xs.’. ノ’ .x. 蓉. 13. 28. だ’ ノ. 顧. 1. x. 6. ぐ、. >. 11 7互. sX (. 1. / 22. 研究対象地域のインデックスマップ.. ノ. tpt.

(25) 表II−2 研究対象地域のインデックス. 府県名 1市町村名. 弾子. 2 芦屋 5 伊丹 8 三田. 1 神戸 兵庫県 4 尼崎 7 宝塚. 9 猪名川. i10 向H. 11 14 Iz 20. 長岡京 田辺 木津 南山城. i21 能勢 124 箕面 127 島本 130 寝屋川 133 豊中 136 門真 139 東大阪 大阪府 142 藤井寺 i45 美原 i48 河南 }51 千早赤阪 154 泉大津 157 岸和田 160 泉佐野 163 阪南. 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 55 58. 豊能 23 茨木 26 枚方 29 摂津 32 大阪 35 大束 38 八尾 41 松原 44 羽曳野 4Z 富田林 50 河内長野 53 忠岡 56 貝塚 59. i65 生駒 168 大和郡山 i71 王寺 lT4 川西 奈艮県 i77 上牧 180 天理 183 榛原 186 橿原 189 新圧 192 大淀. 66 69. 京都府 113 八幡 ”6 山城 119 笠置. 三重県 ig3 名張. 61 田尻 64 岬. Z2. Ts rs 81. 84 8ア. 90. 94 青山. 和歌山県195 橋本. 21. 12 大口」崎. 15 精華 18 加茂 池田 高槻 交野 吹田 守口. 四条畷. 柏原 堺. 太子 狭山 高石 和泉 熊取 泉南. 62. 奈艮 斑鳩 河合 三宅 広陵 桜井 室生 大和高田 御所. 6了. 70. Z3 了6. 79 82 8r,’. 88 91. 乎群 三郷 安堵 香芝 田原本 大宇陀. 明H香 当麻 高取.

(26) 大阪市への通勤・通学者がその5%以上を占める地域を大阪市への通勤・ 通学圏と定義することから始め,さらにそれら各市町村(住居)と大阪 市(職場)とを結ぶ交通手段(交通網,通勤・通学輸送対策など)を考 慮し,通勤・通学圏の考察をすすめることにする。 まず初めに,大阪市を中心とする通勤・通学圏について考察をすすめ,. 次いで同様の方法でもって,京都市,神戸市を中心とする通勤・通学圏 について考察し,最後に通学者のみをとり出して,通学圏を考えてみる ことにする。. ②大阪市を中心とする通勤・通学圏 まず,1970年の国勢調査報告の通勤・通学集計結果をもとに,考察を すすめることにする。対象地域内各市町村に常住する通勤・通学者総数. の内,大阪市へのそれが5%以上を占める地域を大阪市への通勤・通学 圏とすると,46市36町10村がこれに該当する。そして,その内の41市25. 町7村では,大阪市へのそれが10%を越えている。これらは,対象地域 とした134市町村のそれぞれ69%,55%にあたる。大阪市へのそれが5 %以上を占める92市町村を除いた残りの42市町村は,交通手段の提供が 不十分であるか,大阪市へ直通する交通手段の提供がないため,実際に. 通勤・通学が難しく,結びつきは弱い。それゆえ,5%圏域には含まれ ないのである。そして,この5%早瀬は,各市町村に常住する通勤・通 学者の1位指向先とほぼ一致する。これら92市町村は,大阪市を中心と する30km圏にほぼ位置する。それゆえ,この30km圏は全域が大阪市への 通勤・通学圏と言える。 この30km圏:域を越えて,大阪市への通勤・通学者の割合が高い地域は,. 22.

(27) 東部方面では奈良県の桜井市,大宇陀町,榛原町,室生村から三重県の 名張市,青山町に至る近畿日本鉄道大阪線の沿線で,南東部方面では奈 良県の大和高田市,橿原市,から明日香村,御所市,高取町,大淀町に 至る近畿日本鉄道南大阪線の沿線である。また,南部方面では大阪府下 の河内長野市から和歌山県の橋本市に至る南海電鉄高野線の沿線,大阪. 府下の泉佐野市,田尻町から泉南市,阪南町,岬町に至るJR阪和線と 南海電鉄南海本線の沿線地域である。. これら各市町村は,大阪市を中心とする30∼50 km圏にほぼ位置し,大. 阪市と直結する鉄道の通る地域である。また,大宇陀町,榛原町,室生. 村,名張市,青山町の1市3町1村は,大阪市への通勤・通学者が5% 以上を占める92市町村の中で,50km圏を越える市町村である。. とくに名張市は,他市町村へ通勤・通学する者の中で7大阪市へのそ れが実に47%にも達している。当然のことながら,名張市は大阪市に対 する近郊住宅地としての性格を強めつつある。その背景には,名張市周 辺をシェアとする近畿日本鉄道が,沿線の乗車人口の増大を目指して,. 営業政策上から宅地造成や住宅建築に力を入れていることも大きく作用 してきたと言える。とにかく,住宅は完成したが都心への足の便が悪い. のでは,そこに入居する人々は当然でてこないであろうから,鉄道会社 がバックとなって,このような近郊住宅地の開発を行うことは決して珍 しいことではなく,全国的に見られる現象のほんの一例にすぎない。 この京阪神圏において,最初にこのような住宅地の販売を行ったのは,. 1910年の箕面有馬電気軌道(現.阪急電鉄宝塚線)の池田市における土 地付き建て売り住宅の販売にまでさかのぼるのである。 さらに,大阪市で通勤・通学する者の総数は2,558,437人目,その内 周辺諸都市からのそれが1,073,426人遅42%を占めている。1960年が29. 23.

(28) 表ll 一3 大阪市への通勤・通学圏域 lG%以上圏域. 5∼10%圏域. 41市25町7村. 5市ll町3村. 1970年. 京都府…6町. 京都府…4町. 奈良県…2市2町3村. 奈良県…5市ll町5村. 三重県…1町. 三重県…1市. 和歌山県…1市. 大阪府…29市10町2村. 大阪府…1市1町. 兵庫県…6市. 兵庫県一一・1市1町. 47市31町3村. 4市7町2村. 1985年. 京都府…1市3町1村. 京都府…2市4町. 奈良県…1市2町1村. 奈良県…7市15町2村. 三重県…1町. 三重県…1市. 大阪府…1町. 和歌山県…1市. 兵庫県…2市. 大阪府・・30市11町1村. 兵庫県…6市1町. 表H−4. 大阪市への通勤・通学者数. 1970 1985 堺. 80570¢. 1216020. 豊中. 78290@. 81790@. 東大阪. 68349@. 70054@. 尼崎. 66535@. 584・19@. 吹田. 56070@. 71986@. 西宮. 54734@. 56752@. 神戸. 38822@. 48439@. 寝屋川. 37777@. 37579@. 高槻. 36956@. 45927@. 枚方. 35609@. 50662@. 八尾. 35213C). 418430p. (単位:人,○数字は順位). 24.

(29) %,ユ965年が35%であったことから考えても,周辺諸都市からの通勤・. 通学者数が年々増加の一途をたどっていることは明らかである。またこ の中で,大阪市への通勤・通学者数の多い上位10市をあげてみると,堺 市・豊中市・東大阪市・尼崎市・吹田市・西宮市・神戸市・寝屋川市・. 高槻市・枚方市と続く。これら各市は,通勤・通学する者の内大阪市へ のそれが占める割合が,神戸市を除いて軒並み50%以上の高い数値を示 しており,典型的な近郊住宅都市と言える。. その他,大阪市への通勤・通学者が50%以上を占める市町は,大阪府 下の池田市・守口市・茨木市・八尾市・富田林市・松原市・大東市・箕 面市・柏原市・羽曳野市・門真市・摂津市・藤井寺市と奈良県下の奈良 市・生駒町・王寺町などがあげられ,これら各市町も近郊住宅都市と言 える。. これまで見てきたように,1970年時において大阪市を中心とする30km 圏は,ほぼ全域が大阪市への通勤・通学圏とみなすことができ,さらに 30∼50km圏においても,通勤・通学の交通手段が確保できる鉄道沿線地 域は,大阪市への通勤・通学圏に入ってきていることが明らかになった。. そして,1975年の国勢調査報告により,各市町村に常住する通勤・通. 学者総数の内,大阪市へのそれが5%以上を占める地域は50市37町5村 で,10%を越える市町村は46市28町3村となっている。1970年との比較 においては,10%を越える剛域が着実に広がっていることが明らかになっ た。新たにこの圏域に含まれるようになった市町村としては,大阪府下 の泉南市,奈良県下の御所市・川西町・明日香村があげられ,この中で もとくに泉南市(8. 8%→15. 6%),川西町(9.9%→19.2%)の2市. 町の増加率が目立っている.. また,1980年において同様に5%以上を占める地域は50市37町5村で. 25.

(30) あり,この数字は1975年と全く変化が見られない。この中で,10%を越. える市町村は47市30町3村で,新たにこの圏域に含まれるようになった 市町として,兵庫県下の猪名川町,京都府下の木津町,和歌山県下の橋 本市があげられ,とくに猪名川町(8.1%→16。9%)の増加率が目立っ ている。. 次に,1985年において同様に5%以上を占める地域は51市38町5村で,. 10%を越える市町村は47市31町3村となっている。ここで新たに5%以 上の圏域に,兵庫県下の三田市,京都府下の南山城村が加わった。とく. に三田市は,大阪市に対する近郊住宅都市として,住宅開発がさかんに. 行われるようになり,1986年のJR福知山線の電化によって大阪までの 時間距離が大幅に短縮され,通勤・通学において神戸市よりも大阪市と の結びつきを一層強めている。. これまで見てきたことから,1970年から1985年にかけて10%を越える 圏域が30∼50km圏にもさらに拡大し,通勤・通学圏の拡大が顕著になっ. たが,5%以上を占める聖域を見ると1970年とほとんど変化が見られな い。このことから,現在の交通体系においては,通勤・通学の時間や距. 離からも,この50km圏が大阪市を中心とする通勤・通学圏のほぼ限界値 と言えるであろう。. さらに,1985年の大阪市で通勤・通学する者の総数は5,170,593人で,. 1970年と比較すると2倍強と増加しており,その内周唖蝉都市からのそ れが2,988, 076人で58%を占めている。ユ970年が42%であったことから. 考えても,大阪市の人口が減少の一途をたどっているのに逆行して,周 辺諸都市からの通勤・通学者がますます増加してきていることは明らか である。その中でも大阪市への通勤・通学者数の多い上位10市をあげて みると,堺市・豊中市・吹田市・東大阪市・尼崎市・西宮市・枚方市・. 26.

(31) 神戸市・高槻市・八尾市と続き,八尾市を除く他の9市は,順序こそ違 いはあるが,1970年と同じ顔ぶれが上位を占めている。. なお,ここで注目すべき点は,1970年には神戸市を除く他の9溢すべ てにおいて,他市町村で通勤・通学する者の内,大阪市へのそれが占め る割合が50%を越える高い数値を示していたのだが,1985年には神戸市 を含め西宮市・枚方市・高槻市において50%を割り込んできた。地域全. 体として,1970年には50%を越える市町は,兵庫県2市(西宮市・尼崎 市),大阪府20市(池田市・箕面市・茨木市・高槻市・枚方市・寝屋川 市・摂津市・吹田市・豊中市・守口市・門真市・大東市・東大阪市・八 尾市・柏原市・藤井寺市・松原市・堺市・羽曳野市・富田林市),奈良 県4市町(生駒町・奈良市・王寺町・三郷町)の合計26市町見られたが, 1975年には合計27市町で変化は見られないが,1980年になると合計16市. 町に減少し始め,1985年には兵庫県1市(尼崎市),大阪府8市(吹田 市・豊中市・守口市・東大阪市・八尾市・松原市・堺市・羽曳野市)の. 合計9市に大きく減少してきている。このことから,周辺諸都市におけ る大阪市への依存度の低下が明らかとなった。これは,既成の大都市へ の集中抑制が功を奏し始めた結果であると言えよう。. ここで,1985年の国勢調査報告の通勤・通学集計結果から通学者のみ を取り出して,通学圏を考えて見よう。各市町村に常住する通学者の内,. 大阪市へ通学する者が5%以上を占める市町村をあげると,合計87市町 村となる。この数は,通勤者をも含あた通勤・通学圏の94市町村と大き な違いは見られない。しかし,10%以上を占める市町村は,大阪府と奈 良県の両府県に限られ,兵庫県には全く見られない。これも大きな特色 のひとつとしてあげることができる。そして,この10%以上を占める市 町村は,能勢町と島本町を除く大阪府全域と,奈良市を含めて大阪府と. 27.

(32) 生. ・. 笏霧. s. 一. /?,. 7.;. / K x. /ノ. O 10. 20 ti・一. 1970 [=コ0. 吻5 睡蓮翻10. !. r. 吻. ’z穿. /.f2. 4 一一”一i.)‘. O 10 20 h 1975. □ 0. 臨ヨ 5. 匿璽璽蟄10. 図H−2 各市町村に常住する通勤・通学者の内 大阪市へのそれが占める割合 (5%圏域, 10%圏域). 28.

(33) !. 磁 ぞ .一”’). ti. 0 望0 20. 1980. □ 0. 吻】 5. 薄雲醗目10. ilO 20. tr 1985翅】5閣璽麹10. 29.

(34) o le 20. _____」 祖. 1970 [iZ] O. am 10塵ヨ20幽30■40. / O 10 20 in. 1975囮0㎜10塵雪20醗30■40 図H−3 各市町村に常住する通勤・通学者の内 大阪市へのそれが占ある割合. 30.

(35) O 10 20. h一. “ 1980. [ZZZヨ 0. ㎜ 10. ∈≡塁ミ塁20. 藍醗鋼野30. !. ・影 ’“t. 1一 .r. Z. ハ. 9. ノ. ノ〆. ノ /. ’. /. r. 砂. (. (. Nr’. O IO 20 la /. 一. 1985囮Ol am 10∈墾20睡翻30. 31. Fコ.

(36) o le 20. ヒ、 1970 □ 0 醗睡璽50. ’o lo 20 in. 1975. [==コ. 0. 擁璽璽50. 図H−4 他市町村で通勤・通学する者の内 大阪市へのそれが50%以上を占める地域. 32.

(37) !( 図∼.≧. ixrwb ノ. ハ. OL巴O ti 1980[==コ0睡璽150. く 瀦偽. .,,f’一一一一〉. v. 賊づ〕. /ヘ. \ノ. ノ〆. \ち 祉. / ノ. ダノ. 、診 / O 1.G 20. L一.ff:’1!..一j’T ”. 樽. 奄. 1985□0臨翻50 33.

(38) の府県境に近い市町村となっている。. これらのことから,通学圏としては30km圏がおよその限界値と言える であろう。大阪市に対する近郊住宅地としての開発が比較的新しく,人 口が爆発的に急増してきた東部方面と南東部方面にとくに広がりを見せ ているが,この通学圏の場合は,通勤圏よりもその輸送に関しては鉄道 への依存度が高くなっている。それゆえ,通学圏は鉄道沿線に延びてい ることがわかる。これもまた大きな特色のひとつである。この通学者の 中で主流を占める高校生の場合は,他府県への通学よりもむしろ自府県 内での通学が中心をなしているため,吸引力の非常に大きい大阪市をか かえる大阪府ではさほど顕著にあらわれないが,京都府・奈良県・兵庫 県等においては,小さな圏域がいくつも見られる。. 34.

(39) ! 1970年 97/. /?. x.. ×. ,.,x’. 気 O IO 20km. ! 1985年. /?. 薦 楽. f//. 気 O 10 20km 図II 一5 京阪神圏各市町村に常住する通勤・通学者の1位指向先. 35.

(40) ! 1970年. /?. ,,1. 〈 O. lO 20k閉. ! 、1985年. 0. 10 20k旧. 図ll 一6 京阪神圏各市町村に常住する通学者の1位指向先. 36.

(41) ③京都市を中心とする通勤・通学圏 大阪市を中心とする通勤・通学圏を見てきたのと同様の方法によって, 京都市を中心とする通勤・通学圏を見てみよう。. 京都市周辺の各市町村に常住する通勤・通学者数の内,京都市へのそ. れが5%以上を占ある地域は,京都府,大阪府,滋賀県の2府1県にま たがり,1970年においては7市25町の合計32市町であった。それが,19 85年においては11市21町の合計32市町であった。数字の上では,この両 年の比較においては変化は見られない。また,10%以上を占める地域も,. 4市15町から8市16町へと数字の上では拡大しているかのごとく見える. が,城陽・向日・長岡・八幡の4町が市制を施行したたあ,これも実際 にはほとんど変化が見られない。この10%以上を占める地域の中でも,. とくに高い数字を示しているのが,宇治・城陽・向日・長岡・大山崎の 5市町で,これは両年の比較においても変わりがない。さらに京都市か. ら北西部,つまりJR山陰本線方面へと通勤・通学圏が広がりを見せて いる。具体的には亀岡市・園部町・八木町・日吉町・丹波町の各市町で, 丹波町を越え瑞穂町に入ると,この数字は大きく下がる。. そして,京都市と大阪市の両圏に含まれる市町が表H−6で示した9 市町である。その中でも,京都府下の長岡京・向日・大山崎の各市町は 完全に京都圏に入り,大阪府下の高槻市・島本町は完全に大阪圏に入る と言える。また,京都府下の市町でありながら,八幡・精華・木津の各 市町も大阪圏に入ると言える。1985年の数字から見ると,精華町におい て京都市と大阪市へのそれがほぼ同じ数字を示していることから,この 精華町が京都市,大阪市をそれぞれ中心とする通勤・通学圏の境界と言 える。. さらに,周辺各市町村に常住する通勤・通学者の内,京都市へ通勤・. 37.

(42) 通学する者の実数を見てみると,1970年においては宇治市(19011人), 大津市(13130入),長岡町(9090人),向日町(8983人),亀岡市(68. 42人)が上位5市町で,1985年においては宇治市(30486人),大津市( 21459人),城陽市(13705人目,向日市(12908人),長岡京市(12790人). が上位を占めている。この両年の比較においては,城陽市(6348人→13 705人)の延びがとくに顕著である。これは,近年城陽市が近郊住宅都 市として,住宅開発が急速にすすめられたことを裏づけるものである。. このように見てくると,京都市を中心とする通勤・通学圏はおよそ40 km圏と言うことができ,その吸引力は大阪市にはとうてい及ばない。こ れには,京都市の市域面積が広く,まだまだ市域内に開発される余地が 多く残されていることも,この通勤・通学圏に大きく関係していると考 えることができる。. ④神戸市を中心とする通勤・通学圏 同様に,周辺各市町村に常住する通勤・通学者の内,神戸市へのそれ. が5%以上を占める市町は,1970年においては8市4町であったが,19 85年においては小野市・吉川町が加わり9市5町となった。これもほと んど変化が見られない。10%以上を占める市町となると,1970年におい ては明石市・芦屋市・播磨町・淡路町・三木市・稲美町・西宮市・加古. 川市の5市3町で,1985年においても全く変わりがなく同じ5市3町で ある。各市町に常住する通勤・通学者の内,神戸市へのそれが占ある割 合が高いのは,明石市(31.2%→32.8%),芦屋市(21。2%→22.0%). で,大阪市や京都市で見られた40%を越すような高い数字を示す市町は 全く見られない。. 38.

(43) 表ll 一一5 京都市への通勤・通学圏域 5∼10%圏域. 3市10町 1970. 10%以上圏域. 4市15町. 京都府…3町. 京都府…2市14町. 滋賀県…2市6町. 滋賀県…2市1町. 大阪府…1市1町. 3市5町 1985. 8市16町. 京都府…1町. 京都府…6市12町. 滋賀県…2市4町. 滋賀県…2市3町. 大阪府…1市. 大阪府・・1図. 表■一一 6 京阪型録市町に常住する通勤・通学者の内. 京都市・大阪市へのそれが占める割合 (1985) 市町村名 高 槻 島 本. 京都市へ 5。7 (%). 精 華. 11.6 31.8 45.8 16.1 26.6 22.0 12.4. 木 津. 7.5. 長岡京 向 日. 八 播 大山崎 田 辺. 39. 大阪市へ. 25.1 (%). 25.7 10.4 6.8. 20.2 11.4 8.0. 12.7 11.3.

(44) 表ll 一7 神戸市への通勤・通学圏=域 5∼10%圏域. 10%以上圏域. 1970. 3市1町. 1985. 4市2町. 5市3町 5市3町. また,この5%圏域が他府県にまたがっておらず,そのすべてが兵庫 県下の市町であるのも大阪市や京都市の通勤・通学圏と大きく異なり, 特色のひとつとして取りあげることができる。. さらに,周辺各市町に常住する通勤・通学者の内,神戸市へ通勤・通 学する者の実数を見てみると,1970年においては明石市(33097人),西 宮市(21154人),尼崎市(10360人),芦屋市(7829人),加古川市(69 41人)が上位を占めている,,1985年においては明石市(43801人),西宮 市(25003人),加古川市(15788人),尼崎市(12213人),芦屋市(9867. 人)が上位を占めている。だが,この中の尼崎市は実数においては多い が,比率においては5%にも達していない。そして,この両年を比較し てとくに顕著なのが加古川市(6941人制15788人)の伸びである。 この神戸市を中心とする通勤・通学圏はおよそ30km圏と言うことがで き,京阪神都市圏の中では最も小さい。阪神間の西宮市・芦屋市・宝塚 市・三田市の各市は,大阪圏と神戸圏の相方に含まれるが,ともに大阪 圏と言った色彩が強い。さらに,尼崎市・伊丹市・川西市・猪名川町の 各市町は,兵庫県下でありながらも完全に大阪圏に含まれてしまってい る。そこで,神戸市への通勤・通学圏としてとくに注目しなければなら. 40.

(45) ないのは,明石市・稲美町・三木市・小野市など神戸市から見て西部方 面の各市町である。阪神間の各市町は,吸引力のより大きい大阪市の圏 域に吸収されてしまっており,神戸圏は神戸市より西の市町が中心となっ ているのである。また,この神戸市も前述の京都市と同様に広い市域面 積を有しているため,市域内に住宅開発の余地が残されていることも大 きく作用していると言える。. 41.

(46) (3)通勤・通学圏と交通システム. 京阪神圏における通勤・通学輸送では,鉄道が重要な役割を果たし,. その50%以上を私鉄に依存してきた。それゆえ,私鉄の輸送体系や輸送 力の推移を見ることによって,通勤・通学圏がより一層明らかになって くると考えられる。. 通勤・通学圏は,通常大きな吸引力をもつ都心と直結する鉄道網に沿っ て拡大し,また都心に直結する交通機関の提供がなされない地域は,都 心との距離とは関係なく取り残されて,その発達が著しく遅れるのであ る。. 周辺諸都市から大阪市への人口流入が増加の一途をたどってきた中で,. 通勤・通学時における混雑をいかに緩和するか,また非能率的な乗り継 ぎの問題をいかに打開するかという論議が,これまで各方面において頻 繁になされてきた。. 鉄道は,ピーク時に対応できるように,目一杯の設備と人員を備えて おかなければならない宿命をもっている。表ll 一8は,京阪神圏におけ る各方面の主な混雑区間の輸送力・通過人員・混雑度の推移をあらわし たものである。. この表からもわかるように,1965年頃が各区間とも混雑度という点で はピークを示している。これを境に,列車回数や列車編成両軸の増加も あって,いくぶん混雑度は緩和されてきている。しかし,まだ混雑時に. は大阪市営地下鉄御堂筋線やJR大阪環状線のように,混雑度が200% を越える区間も残され,「通勤地獄」の解消には至っていない。 この混雑度をはかる目安として,表ll 一9を参考にしたい。これはあ くまでもひとつの目安であって,決して厳密なものとは言えないが,こ. 42.

(47) の表で見るかぎり混雑度が200%になると,毎日の通勤・通学において 相当な圧迫感を感じ,肉体的にかなりの負担が生じてくるが,それ以下 だとそれほど負担は感じられない。そこで,混雑緩和という点では,こ の200%が一応の目標値としておさえることができるであろう。 しかし,これには個人差が大きいことは言うまでもないことである。. また,1970年のJR大阪環状線において,混雑度が300%を越えていた ことは驚くべき数字である。このように,毎日の通勤・通学に費やされ るわれわれのエネルギーの消耗は,大変に大きなものである。. この混雑度の緩和を目指して,JRや私鉄の各社とも対応策を検討し つづけている。だが,線路容量や安全面から考えると,列車回数をもう これ以上増やすことができない極限にまで達していると言って良いであ ろう。. 現在の複線区間で,1時間に25∼26本の列車(京阪電鉄京阪本線は複 々線のため例外)を走らせるのは,ほぼ最大限だと言える。そのため各 社とも,列車編成両数の増加で何とかしのこうとしているのが現状であ る。これもホームの延伸などの対応を考えると,そう簡単には実施でき ない。. また,これは朝夕(とくに朝)のひとときに集中する現象であるがゆ えに,昼間時の乗客数を考えると,これ以上列車編成予料を増やすこと も難しいであろう。昼間時における車両の遊休率から考えても,新造車 両をどんどん投入することは,経営上難しい問題をはらんでいる。朝事 ラッシュ時の乗客の大半は定期客であり,定期運賃の割引率が高いため に実収入がそれほどあがらず,収入面での寄与があまりにも少ないたbil),. 投資に対してf原価割れ」の状態となっている。. また京阪神都市圏においては1大阪都心部への通勤・通学輸送を最優. 43.

(48) 表H−8. 混雑区間の輸送力・通過人員・混雑度推移表 (最混雑1時間). 奪蔑 列車画数通過車両列車編成両数 輸蓬勇 通過人頁 混雑度 (回) (両) (両) (人) (人) (%) 阪急神戸線(神tSJfl一叶三) 5. 8 24 16632 197e 140 7. 5 24 21480 179 75 25 22440 187 80 7.5 26 212 26924 85 8.2 JR東海道線《快速》(高槻→大阪) 8. 8 4 35 1970 6 66 75 1LO 8 10. 6 85 80 8 10. 5 84 85 近畿日本鉄道奈良線(永和→布施). 1970. 25. 100. 4.0. 6. 0 25 150 75 6. 5 25 162 80 8. 2 25 204 85 近畿日本鉄道大阪線(俊徳道→布施). 24 24 24 22. 39831 44680 46956 46872. 239 208 209 174. 3210 7260 935e 8760. 8050 15550 1997e 19470. 14288 21750 23490 29580. 38357 42300 45330 54670. 268. 13981. 268 228 192. 251. 214 214 222. 194 193 185. 5. 7. 17394 19584. ze. 22迂76. 37522 39700 37530 40190. 10450 13060 16320 16329. 25000 28100 29655 29180. 239 215. 1970 75 80 85. 21658 29835 31319 36999. 52e51 66960 63652 63561. 240 224 203. 52200 61723 59213 59495. 221 221. 80 85. 23612 27972 27648 28672. 214 208. 1428a l8480 22400 20160. 44180 50630 53170 49120. 309 274 237 244. 1970 75 80. 106・. 126 136 154. 85 南海本線(湊→堺) 1970 75 80 85. 20 20 22 22. 81. 96 120 120. 4.4 5. 3. 4. 1 4. 8. 5.5 5.5. 京阪京阪線(野江→京橋) 5. 7 188 33 6. 8 36 244 6. 9 38 263 44 306 7.0 大阪市交通局御堂筋線(梅田→淀屋橋) 8. 0 26 1970 208 27 75 2}6 8.0 27 28. 216. 17. 102 132 160 144. 8. 0. 8. 0 224 JR大阪環状線(京橋→桜ノ宮). 197e 75 80 85. 22 20 18. 6. 0. 6.0 8. 0. 8.0. 181. 182 179. 172. (都市交通年報1990年版より作成) 44.

(49) 表ll−9 混雑度の目安 100%. 定員乗車で座席につくか,吊り:革につかまるか,ドア. t近の柱につかまることができる 150%. 一肩がふれあい,吊り革を持てぬ者が半数ほどになるが,. V聞はまだ楽に読める 200%. 身体がふれあい,相当圧迫感はあるが,週刊誌程度な. ソ何とか読むことができる 250%. 列車がゆれるたびに,身体が斜めになって身動きがで. ォず,手も動かせない 300%. 物理的限界に近く,身体に危険がある. 先に,しかも直通輸送を提供する交通体系の確立が早急に望まれ,さら. に必要度を増してくるであろう。そこで,JR,私鉄各社の大阪都心の 各ターミナルから60分の所要時間を要する範囲を図示した。. これを見ると,やはり乗り換えを要せず,都心まで直通する列車の走 る路線ではその距離が延び,前述した大阪への通勤・通学圏である50km 圏を越えていることがわかる。たとえば,JR東海道線(京都方)では, 草津を越えて野洲が60分にあたる。同様に,湖西線方面では堅田あたり となり,山陽線方面では加古川を越えて曽根が60分にあたる。これらの 線区では,新快速のスピードアップや運転本数の増加,運転区間の延伸 により,さらにその範囲は広がりを見せてきている。また私鉄では,近 畿日本鉄道大阪線の名張を越えて桔梗が丘がこの60分にあたる。逆に,. 45.

(50) t. ノ. M”. s. ”. 一. 、. /. ∴,=;.1.』 り ロ ロ. 「 」’■’・」・rr. へ. 亀岡. r∵浴≒「臼=’∴・}. ・し.’.∴’.::.、∵,・. 一. けロ き ヒ コ もロノげ. −. 篠山口. る.….. /t:’ttl”ii. ’.=. 陰. ロ. 、‘;蝉誌堀轡藷 L. 乙㌔・宣、ボ・.・‘;.■.’・:・2L. 本. ’.’・.’∴.」「.... ゴ、=.‘..∵㌔∵. ロ がノァ し. x. 一. =田/. 粟生/. 能. 線. /. =木. /芦. 一 鉄道. 会電 部谷鈴∠ 台. .....n ..一. 有. 伊丹. 層線 戸. 纏匝. 宝 坂 塚新大阪. 北口. t. lr}st. 戸. _. r=’. 1 一春. 一4.:j.:. 30. t. 田. 西 九. .N. 話. Nt・. \諺・. 諺’一\. 一貝塚. ×. x. 、逃明池泉 南. \. .三ヲ. 輪 近鉄甫. 雪. 下寺’. 原. ・/. 線. 井. 1ソ. 橿原稗宮、. 御所. liil. 吉野口. /. 野/ 山甲僕. 一. −「』泥・㌔.』7二..... 奈. 徳. 川. 加太1. 一 一. x. {紀伊中ノ島 ㌔打田 1−. ?a歌山. 山. 下井阪. s. 一. ’. s. 極楽僑. 図III−7.大阪の各ターミナルからの乗車時間1時間の範囲 (都市交通年報1990年版より作成). 46. ?t/ttttttt t/t:t. 帥m囎. 1・’yixi’f 、..∵.//』.’1.ゾ:.’. t 内長野. 簡. ×一一rT”’]r’T’. f t’t. ごき、 ’. .天理. 野. 執 藍z]. 傘認. 平.. 煤ft. 桔梗が丘. 端. 近. 「翫一. x. 寺. 鉄. .鉄. 工. ttt. t. 近. ;:. N. 口. .長. 百. 盗£膿. t 浪. /. 三国ケ丘. x. 島 .i∵’. 1 木津. .生駒. .【季. 50. 関 線. t’. 二. 1近. 西.. x・. 1ヅ’譜.、こ」. 牌 9套. 橋. 』謹諮:・三. 線 線 x’. 丁.. fi:・:“:.:. ’f ’i ’1. NNI.:,:一,,.一. x 、 奈. 梅 片町. x. 一__ひY.導. 、書. 条. N. 岬. 石山寺 ’=.∵・∵. 薪f/s. 大阪 命.. 鉄. 山陽鉄名谷. k.1,r“:::. 販宇治. .亭. 観影. 練. 尼崎. 石山 .幹線. x. 販. 混陽下. 西明石. 見. i・/・i・=,’il X. 業. 塚. 馬甲 今. .::.;一::’t=r x. 北千里. 鉄. 京都. 桂. t.’:’:v::/.L:. 妙見。. ヒ. =∴.庫 杁.... ・怒1:く,二ご㌔㌦・・. 日生中央. ?. /. 大村. ノ. 一. ”’. 西神中. ア. ‘り齢.. /. .....東. 路 山. ロ ロ. 購…糞, 保津峡㌦:. / ’.,. ’∵.∵帝ゴ罵. ・・『・∵「’草 ・4. 大 本. 1. 駄土山. .癌辮. 北鉄.. 〆こ: .・ 1.t..}.:..’t’t/.. 曽根厄神. 4..pe一野洲 \ 坂 、 仁. 線 ∴∵r∵=:,、㍊、.. ’.、tt・ ‘”...=.・・‘「.... に潮 綴. 鞍馬. \叡 山. 山. ノ.

(51) 表且一10端末交通手段の利用状況 利用区間. 年次. 徒歩. 二輪車. 自家用車. 5.7%. 1.4%. 18.0%. 0.8%. 10.9分. パス. その他. 平均所要時分. 居住地から. 1975. 74.1%. @初乗り駅まで. @80. U2.8. P7.5. Q.O. P6.7. kO. P0.5. @85. T8.3. Q5.3. 戟D9. P4.2. n.3. X.9. 1975. 83.8. 0.6. 0.8. 13.7. 1.玉. 10.0. @80. W4.0. P.7. O.6. P2.8. O.9. X.4. @85. W5.6. Q.6. O.4. P0.6. O.8. X.3. 最終降車駅から. ホ務・就学地ま. (都市交通年報1990年版より作成). 都心への直通列車が走らない路線や非電化区間では,所要時間60分の範 囲が50km圏に:達しなくなる。その例としては, JR関西線方面があげら. れ,そこでは加茂を越えて笠置あたりで60分を要してしまう。 そして,表II−10より端末交通手段の所要時間の合計約20分を足し,. 列車の待ち時間などを考慮に入れると,おおむね住居から職場や学校ま での所要時間1時間30分が通勤・通学圏と言える。 またこの表より,通勤・通学者が住居より初乗り駅まで二輪車を利用 する割合が年を追うごとに高くなってきていることも明らかである。都 心・郊外を問わず,各駅に不法駐輪に対応するための駐輪場の設置が強 く望まれるようになってきたこともうなずけるのである。さらに,最終. 47.

(52) 降車駅より職場や学校などの目的地までのバス利用が減少し,これまた 二輪車利用や徒歩が増加してきていることは,都市内部の道路事情の悪 化を如実に物語っている。. 今日においても,さらに都心から遠く離れたところに,都心への通勤・. 通学者を対象とした住宅地の開発がすすめられている。京阪神都市圏に おいて,50 km圏をはるかに越えた地域,また50km圏内であってもこれま. で時間距離を要することにより開発が取り残されてきた地域にまで,開 発の手が入ってきている。そこで,毎日の通勤・通学に要ナる時聞は, さらに延びる傾向が見られるようになってきた。この傾向は,都心近く. でマイホームを持てない人々がマイホ「ムを求めて,またより良い環境 を求めて郊外を目指すかぎり,後をたつことはないであろう。. なお,首都圏で多く見られるようになった新幹線を使った通勤・通学 が,この京阪神圏でも見られるようになってきたのも,このひとつの例 である。. 48.

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