『枕草子』における程度副詞の表現性~特徴的用法の数語を中心に~
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(2) 3節低度の程度を示す程度副詞. て使い分けられていたことを確認する。. 1,程度副詞「すこし・いささか・やや」の. 第二章では『枕草子』を対象資料として、「い. 特徴. と・いたく・いみじく」三語が『枕草子』にお. 2,『枕草子』における「すこし・いささか・. いてr客観性・主観性」という性質の違いから、. やや」. 被修飾語にとどまらず、文の内容が客観的であ. るか否かに関わって用いられたということを. 第3章同時代の日記作品における「高度の. 明らかにしていく。. 程度副詞」. また、rいと・いたく・いみじく」と同様に、. 1節 同時代の目記作品における検証. 低度の程度を示す副詞にも「客観性・主観性」. 1,『紫式部目記』における「いと・いた. に関わる使用が見られるか、ということを検証. く・いみじく」. する。. 2,『更級日記』における「いと・いたく・. そして第3章では『枕草子』において見られ. いみじく」. た傾向を同時代の他の目記作品と比較し、終章. 2節三作品の比較から. の中で「いと・いたく・いみじく」の使用には 『枕草子』にのみ見られる特徴があることを明. 終章 本稿のまとめと今後の課題. らかにし、また今後の展望についても述べる。. 1節 『枕草子』における程度副詞の表現性 と文の構造の関連について. 4 研究成果と展望. 2節 今後の課題. 本研究によって辞書などで同様の意味で修 飾を行うと捉えられている程度副詞のうちrい. 3 論文の概要. と・いたく」は喀観性」、rいみじく」はr主. まず序章ではこれまでの程度副詞研究の流. 観性」という本来の語義と関連した性質を残し. れから、個々の程度副詞の表現性を明らかにし. ていることが分かった。また、r客観性・主観. ながらr語の副詞」として捉えられる程度副詞. 性」という観点で『枕草子』に現れる用例を見. が文全体の構造とどのように関わるのかとい. たとき、それらの程度副詞の表現性にかなり忠. うことを明らかにすることが必要であること. 実な使用が見られた。. を述べる。. 本稿では「いと・いたく・いみじく」の三語. 第1章では「程度副詞」として扱うものには. に重点を置いて分析を行ったが、未だふれてい. どのようなものがあるのか、また、高度の程度. ない程度副詞も多い。今後は本稿で例外として. を示す副詞の中から「単に中立的に程度修飾を. 現れたものや「客観・主観」という分類で処理. おこなう」という特徴をもった「いと・いたく・. できなかったものをさらに詳細に分析すると. いみじく」の三語に着目し、その表現性と文の. ともに、今回扱わなかった程度副詞と文の構造. 構造の関連を見ていくことを述べる。また、先. の関係についても考察していきたい。. 行研究によって示された喀観性・主観性」と いう視点で程度副詞の用例を分類することを 述べ、さらにその視点と関わる「量・質」とい う二類に分類した場合、rいと・いみじく」が. 主任指導教員 田中雅和. その語義から生じる「客観性・主観性」によっ. 指導教員 田中雅和. 一251一.
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