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『枕草子』における程度副詞の表現性~特徴的用法の数語を中心に~

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Academic year: 2021

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(1)∼特徴的用法の数語を中心に∼. 『枕草子』における程度副詞の表現性. 教科・領域教育専攻 言語系(国語)コース. M08124K 岸本成宏. 1 研究の目的  古典作品には非常に多くのr程度を修飾する. 1,他の品詞からの転成について. 副詞」が見られる。特に高度の程度を修飾する. 2,程度副詞「いと・いたく・いみじく」の特. 類の程度副詞などは同一の作品・文中に多く見.  徴. られ、それら数語が同様に程度を修飾し、同じ. 2節 程度副詞研究の一視点喀観性と主観. 「はなはだ・たいそう」という意味であったと.    性」. は考えにくい。本研究では、それら程度副詞が. 1,「客観・主観」という視点で見る「いと・. それぞれどのような表現性の違いを持つのか.  いみじく」. ということを明らかにし、また、程度副詞研究. 2,「量的な語」と「いと・いみじく」の表現. ではこれまであまりふれられていなかった「程.  性の関連. 度副詞の表現性と文の構造との関連」を明らか. 3節 『源氏物語』と『枕草子』における程. にしていくものである。そのうえで、「対象に.    度副詞使用の差から. 関する評価」という主観性・客観性に深く関わ る内容を多く含んだ作品である『枕草子』を対. 第2章 『枕草子』における程度副詞. 象として、程度副詞が持つ「客観性・主観性」.  1節 『枕草子』の性質と「客観・主観」と. という性質に着目し、文が表現する内容が客観.     いう視点. 的であるか主観的であるかによって程度副詞.  1,研究対象としての『枕草子』の価値. が使い分けられていたということを証明して.  2,『枕草子』に見られる程度副詞. いく。.  2節 高度(極度)の程度を示す程度副詞  1,形容詞を修飾する場合のrいと・いみじく」. 2 論文の構成.  2,動詞を修飾する場合の「いと・いたく・い   みじく」. 序章 はじめに.  3,評価としての意味を伴うrいたく・いみじ.  1節 程度副詞研究のこれまで.   く」.  2節 本稿の目的について.  4,未解決の課題 形容動詞を修飾する場合   の「いと・いみじく」. 第1章 古代語における程度副詞研究.  5,まとめ.  1節 r程度副詞」の確認と、特徴的な程度.     副詞. 一250一.

(2) 3節低度の程度を示す程度副詞. て使い分けられていたことを確認する。. 1,程度副詞「すこし・いささか・やや」の.  第二章では『枕草子』を対象資料として、「い.  特徴. と・いたく・いみじく」三語が『枕草子』にお. 2,『枕草子』における「すこし・いささか・. いてr客観性・主観性」という性質の違いから、.  やや」. 被修飾語にとどまらず、文の内容が客観的であ. るか否かに関わって用いられたということを. 第3章同時代の日記作品における「高度の. 明らかにしていく。.     程度副詞」.  また、rいと・いたく・いみじく」と同様に、.  1節 同時代の目記作品における検証. 低度の程度を示す副詞にも「客観性・主観性」.  1,『紫式部目記』における「いと・いた. に関わる使用が見られるか、ということを検証.   く・いみじく」. する。.  2,『更級日記』における「いと・いたく・.  そして第3章では『枕草子』において見られ.   いみじく」. た傾向を同時代の他の目記作品と比較し、終章.  2節三作品の比較から. の中で「いと・いたく・いみじく」の使用には 『枕草子』にのみ見られる特徴があることを明. 終章 本稿のまとめと今後の課題. らかにし、また今後の展望についても述べる。.  1節 『枕草子』における程度副詞の表現性     と文の構造の関連について. 4 研究成果と展望.  2節 今後の課題.  本研究によって辞書などで同様の意味で修 飾を行うと捉えられている程度副詞のうちrい. 3 論文の概要. と・いたく」は喀観性」、rいみじく」はr主.  まず序章ではこれまでの程度副詞研究の流. 観性」という本来の語義と関連した性質を残し. れから、個々の程度副詞の表現性を明らかにし. ていることが分かった。また、r客観性・主観. ながらr語の副詞」として捉えられる程度副詞. 性」という観点で『枕草子』に現れる用例を見. が文全体の構造とどのように関わるのかとい. たとき、それらの程度副詞の表現性にかなり忠. うことを明らかにすることが必要であること. 実な使用が見られた。. を述べる。.  本稿では「いと・いたく・いみじく」の三語.  第1章では「程度副詞」として扱うものには. に重点を置いて分析を行ったが、未だふれてい. どのようなものがあるのか、また、高度の程度. ない程度副詞も多い。今後は本稿で例外として. を示す副詞の中から「単に中立的に程度修飾を. 現れたものや「客観・主観」という分類で処理. おこなう」という特徴をもった「いと・いたく・. できなかったものをさらに詳細に分析すると. いみじく」の三語に着目し、その表現性と文の. ともに、今回扱わなかった程度副詞と文の構造. 構造の関連を見ていくことを述べる。また、先. の関係についても考察していきたい。. 行研究によって示された喀観性・主観性」と いう視点で程度副詞の用例を分類することを 述べ、さらにその視点と関わる「量・質」とい う二類に分類した場合、rいと・いみじく」が. 主任指導教員   田中雅和. その語義から生じる「客観性・主観性」によっ.  指導教員    田中雅和. 一251一.

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