• 検索結果がありません。

分譲マンションの共用施設におけるコミュニティ活動についての考察 : 兵庫県・大阪府・京都府の大規模分譲マンションを事例に

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "分譲マンションの共用施設におけるコミュニティ活動についての考察 : 兵庫県・大阪府・京都府の大規模分譲マンションを事例に"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

規模分譲マンションを事例に

著者

笹倉 麻衣

雑誌名

KGPS review : Kwansei Gakuin policy studies

review

22

ページ

11-14

発行年

2016-03-31

(2)

分譲マンションの共用施設における

コミュニティ活動についての考察

-兵庫県・大阪府・京都府の

大規模分譲マンションを事例に-

笹倉 麻衣

【修士論文概要書】

1.研究の背景・目的・手段 現在多くのマンションで「コミュニティ」を販売上の PR ポイントとしており、その PR ポイントを具現化する形で多種多様な共用施設が供給されている。 本研究では「分譲マンションにおいてどのような共用施設(ハード)及びそれに付 随するソフトサービス、つまりコミュニティ活動のあり方が、居住者にコミュニティ に対する満足感をもたらすのか」という問いに対して、コミュニティに対する満足感 には、コミュニティ活動の活性化が必要であり、コミュニティ活動の場となるデベロ ッパーが供給する共用施設(ハード)や付随するソフトサービスが①多様であるほど (多様性)、②利用・参加のハードルが低いほど(容易性)コミュニティ活動を活発 化させ、コミュニティに対する満足感に繋がる、といった仮説を持ち実証していくこ とを目的とする。 調査方法は、大阪府、京都府、兵庫県の 2000 年以降に供給された 300 戸以上の大 規模分譲マンションの販売時のパンフレットを用いて、共用施設の供給傾向を明らか にする。(調査①) さらに、同じく大阪府、京都府、兵庫県の 1976 年以降に供給された 300 戸以上の 大規模分譲マンションの理事長を対象にアンケートを行い、共用施設でのコミュニテ ィ活動の現状を明らかにし(調査②)、調査①の結果と組み合わせて統計分析を行う ことでコミュニティ活動を活発にする共用施設のあり方を明らかにした。 2.調査①パンフレット調査 パンフレット調査では、大阪府・京都府・兵庫県の102 事例を基にまず共用施設を 8 グループ47 種類に分類し、エリアや建て方、共用施設に付随するソフトサービスの内容 などの分析を行った。 その結果、まず始めに共用施設は日常生活施設、趣味施設(団体)を中心に多種多様な ものが供給されており、現在では2000 年に比べて平均共用施設数が約2倍になっている ことが分かった。次に、郊外と都心部、板状マンションとタワーマンションで共用施設数

(3)

の比較を行った場合、いずれも前者の施設数が大き くなる傾向にあることが明らかとなり、さらに タワーマンションにおいては集会施設に特化した 共用施設の供給を行っていることが分かった。 さらに、従来ハード(共用施設)のみを供給して いたデベロッパーが、ハードに付随するソフト サービスを展開、さらに近年においてはその運営 までもセットにして分譲しているという傾向が 明らかとなった。これらは消費者のコミュニティに 対する欲求に応える形で供給されており、「コミュ ニティ」という単語を販売時のパンフレットに使用 する分譲マンションは増加し続けている。一方で、 本調査において「コミュニティ」の単語をパンフレ ットを使用した分譲マンションとそうでない分譲マ ンションに共用施設数、内容に有意な差はないこと が明らかとなり、分譲マンションにおいて「コミュ ニティ」という言葉が一人歩きし、その実態はまだ まだ玉石混淆であるといった実情が明らかとなった。 3.調査②アンケート調査 アンケート調査では、兵庫県・大阪府・京都府で過去供給された分譲マンション247 棟 のリストのうち、既に入居を開始している242 棟の管理組合理事長を対象にアンケート 調査を行い、52 件の返信を得た。アンケートでは、①マンションの管理状況や入居実態 に関するもの②共用施設の利用状況に関するもの③理事長のコミュニティ活動に対する関 心に関するもの、の3点を調査した。 調査から共用施設の利用状況を見ていくと、利用頻度は集会施設・公園施設で高く、ま た利用料が無く、予約の手続きも不要といった容易性の高い共用施設の利用頻度が高いこ とが明らかとなった。 次に共用施設で行われているソフトサービスを見ると、竣工時点でデベロッパーが準備 しているソフトサービスでは不十分であり、「祭り」を中心に住民発意で入居後多くのソ フトサービスが発案・運営されていることが明らかとなった。またそれらのソフトサービ スの活動場所として集会施設が最も多く、次いで公園施設となり、多く供給されている趣 味施設(団体)などではソフトサービスが行われていない事が分かった。このことから、 コミュニティ活動を行う場としては、用途を限定した共用施設を多く供給すること(多様 性)よりも、自由度が高く人が集まれる十分なスペースを供給する方が適しており、そう いった場は自発的にソフトサービスが生み出されやすい環境になっていると言えよう。 また、共用施設のハード的な外部利用及びソフトサービスへの外部参加も一定数見られ、 1 集会室 2 キッチン付集会室 3 外部利用集会室 4 キッズルーム 5 保育施設 6 セキュリティ内公園 7 セキュリティ外公園 8 温泉 9 足湯 10 ミニショップ 11 カフェ 12 食堂 13 自動販売機コーナー 14 ウォーターサーバー 15 美容室 16 ランドリー 17 ゲストルーム 18 プール 19 フィットネス 20 テニスコート 21 バスケットコート 22 多目的コート 23 体育館 24 ゴルフスタジオ 25 パター練習場 26 ゲートボール場 27 自転車専用ガレージ 28 自習室 29 PCルーム 30 ライブラリールーム 31 シアタールーム 32 ギャラリースペース 33 リラクゼーション 34 バーベキュー施設 35 田んぼ・畑 36 クルーザー 37 キャンピングカー 38 茶室 39 囲炉裏部屋 40 ログハウス 41 カラオケ 42 ビリヤード 43 スタジオ 44 ラジオ局 45 工作室 46 グルーミング室 47 ドッグラン 趣味施設(個人) グループ 共用施設名 ペット施設 趣味施設(団体) Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ Ⅷ 集会施設 子育て支援施設 公園空間 日常生活施設 運動施設

(4)

セキュリティを販売上のPR として分譲したマンションであっても一定年数が経過すると 外部に対して一部開放していることが分かった。このことから、デベロッパーがマンショ ンを設計する際やソフトサービスの企画検討時に地域との相互利用を念頭に置いた開発を する必要があるだろう。 さらに、分譲マンションでのコミュニティ活動に対する意識としては多くのマンション でコミュニティの必要性や自らのマンションでのコミュニティ活動の不足を感じているも のの、外部に委託してまでコミュニティ活動を活性化させようといった意識は薄く、住民 のみで運営が始まった後の外部からの介入は難しいといった現状が見え、コミュニティ活 動のきっかけづくりとしてデベロッパーが分譲時に共用施設、ソフトサービスそして運営 手法についてどれだけ下準備をしておけるかが重要となってくることが明らかとなった。 4.調査①②より-考察 調査①②の結果から、本研究の仮説である、コミュニティ活動への満足感とコミュニティ 活動の活性化の相関関係については前節で実証された。また、容易性についても調査②か ら事前予約や利用料といったハードルが無い共用施設がより利用されやすい傾向にあり、 さらに共用施設の利用率の高さがコミュニティ活動の活性化に繋がっていることが分かっ た。次に多様性については様々な種類の共用施設が供給されているものの、実際にコミュ ニティ活動が行われているのは圧倒的に集会施設と公園空間であることが明らかとなった。 デベロッパーが多種多様な共用施設を供給することはコミュニティ活動の活性化には繋が

(5)

るものの、その前提として十分な広さを持った集会施設と公園空間を供給することが重要 であろう。また、本調査から分譲マンション内では共用施設を中心にコミュニティ活動が 行われていることが分かった。さらに本調査では共用施設やそれに付随するソフトサービ スを地域へ開放している分譲マンションも一部見られた。この傾向が進むことで、共用施 設が分譲マンションの住民のみならず地域住民にとっての共用空間となりうるだろう。一 方で賃貸率が高くなるとコミュニティ活動の衰退、コミュニティの満足感の低下に繋がる ことが明らかとなった。この問題の背景には賃貸入居者は区分所有者と比較して管理組合 の運営の関わり方に制限がかかるといったことがある。今後分譲マンションにおける賃貸 率は上昇することが想定され、管理組合やコミュニティ活動について賃貸入居者が区分所 有者と同じように参加できる仕組みづくりが必要であると考える。 またこれらの調査結果を踏まえてデベロッパーは、集会施設・公園空間を中心としてコ ミュニティ活動が行える柔軟な場づくりとそこで行われるソフトサービスのマンション間 での共有化を行うことでコミュニティ活動に対して寄与できると考える。 6.今後の課題と展望 本調査で見えてきたマンションの共用施設の外部への開放は大規模マンションのコミュ ニティ活性化のみならず、地域のコミュニティ活性化、にも繋がるであろうと考える。引 き続き調査を行い分譲マンションの共用施設と地域への開放性についての研究を深めるこ とで、本研究から見えてきた共用施設が分譲マンションにとってだけではなく地域にとっ てのコミュニティ活動の核となりうることを明らかにしていきたい。

参照

関連したドキュメント

問についてだが︑この間いに直接に答える前に確認しなけれ

これらの先行研究はアイデアスケッチを実施 する際の思考について着目しており,アイデア

Instagram 等 Flickr 以外にも多くの画像共有サイトがあるにも 関わらず, Flickr を利用する研究が多いことには, 大きく分けて 2

相談件数約 1,300 件のうち、6 割超が東京都、大阪府、神奈川県をはじめとした 10 都

脱型時期などの違いが強度発現に大きな差を及ぼすと

こらないように今から対策をとっておきた い、マンションを借りているが家主が修繕

夫婦間のこれらの関係の破綻状態とに比例したかたちで分担額

第一五条 か︑と思われる︒ もとづいて適用される場合と異なり︑