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「かしこ」考

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Academic year: 2021

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(1)!. し. こ﹂. 一. 真. 下. 良Б. へず 用事 の み。 か し こ. 藤 本 さ ま  御 前 に. (99). 略 し たも のと いわ れ る から であ る。 形容 詞 の省 略 形 は、 古 代 には よく 用 いら れ た。 ﹁す く な し﹂ ︵ 少 な し︶ が ﹁人 ず. ﹁かし こ﹂ は、 ﹁謹 言 ﹂ が漢 語 である のに対 し、 国 語 であ る。 と いう のは、 ﹁か し こし﹂ と いう 形容 詞 の語 尾を省. こと は、 人 の知 る と ころ であ る。 そ し て又、特 に女 性 用 語 であ る と信 じ ら れ て いる こと も 確 か であ る。. 末 尾 には ﹁か し こ﹂ と いう 語 が 用 いら れ て いる。 ﹁か し こ﹂ は この文 例 のよう に、 書 簡 の文 末 を示 す 挨 拶 語 であ る. 樋 口な つ子. じ候 へども 、 先 日 の御 返 事 ま で に右申 上候。 う も れ木 原 稿 は 一昨 々日さ し出 し申 候 。 御 落 手 下 さ れ し哉 。 何 も 取あ. し つか へあ り てお 引受 む つか し く と の こと。 さ る う へは 又雑 誌 の御 都 合 も あ ら せら る べく 、 も は や御 承 知 かとも 存. 先 日は御 邪 魔 申 上 候 。 そ のふし御 話し の付 録 の こと、 き のふ竜 子 ぬし に逢 ひ、 物 が た り 合 せ し に、 御 同 人 は少 し さ. 樋 口 一葉 の手 紙 であ る。. 夕 )ゝ. σ32.

(2) (Iθ θ. )631 「 か し こ」 考. 遠 し ︶ が ﹁と ほ の み か ど﹂ のよう に ﹁と ほ﹂ と な る、 と い う よ う く な﹂ のよう に ﹁す く な ﹂ と な り、 ﹁と ほし﹂ ︵ に、 形 容 詞 のあ る も の に見 ら れ る 現 象 であ るか ら、 不 自 然 な形 でな い。. ﹁か し こ﹂ の原 形 の ﹁かし こし﹂ は お そら く ﹁畏 し ﹂ であ ろ う。 ﹁畏 し﹂ は ﹁お それ 多 い﹂ と いう意 味 の 語 で あ. 、 る。 だ か ら ﹁か し こ﹂ が書 簡 形 式 の末 尾 に用 いら れ た のは、 男 性 の ﹁謹 言 ﹂ や ﹁敬 具 ﹂ な ど と 同 様 に 名 宛 人 に対 す る 差 出 人 の心持 を 表 わ す も の であ る。. 二. 、 ﹁か し こ﹂ が使 用 さ れ て いる の は、 古 代 では単 独 でな く、 主 と し て ﹁あ な﹂ と い コ詠嘆 を 示 す 語 と つ ら な って ﹁あ な か し こ﹂ と いう 形 で用 いら れ て いる場合 が多 い。. あな. あな. あな. 安名. 執奈. 阿奈. 阿那. 阿那. く ら  枕 草 子. ン つ  古 今 集   十 八. にく  遊 仙 窟. な め  遊 仙 窟. あ な ・た ふと︶ 催 馬 楽 太 不止 ︵. あ な ・み にく ︶ 神 武 紀 瀾禰句 ︵. あ な oを か し︶ 新 撰 字 鏡 乎加 之 ︵. あ な ・さ やけ ︶ 古 語 拾 遺 佐夜 憩 ︵. あ な ・お も し ろ︶ 古 語拾 遺 於茂 志 呂 ︵. ﹁あ な﹂ が形 容 詞 の語 幹 や そ の他 の形 に ついた ﹁あ な o o﹂ の形 はすと ぶる多 い。. あな.

(3) 郎 三 下 真 63θ (Iθ I). あ な ・か ま  源 氏 物 語 ・御 法 ﹁あ な か し こ﹂ も 、 これ ら と同様 に盛 ん に用 いら れ た 。. え立 てる まじき 殿 の内 か な、 あ な かし こ、 あ な かし こと、 し り へざ ま に居 ざ り し ぞき て、 ︵ 源 氏 物 語 ・御 幸 ︶. う べかぐ や姫 の好 も し が り た ま ふ にこ そあ り けれ、 と 宣 ひ て、 あ な か し こと て、箱 に入 れ た ま ひ て、 ︵ 竹 取物 語 ︶. 俊 蔭 涙 を流 し て答 ふ、 あ な か し こ、 此 の山 を たづ ぬる こと 、 はげ し き いは ほ ほむ ら出 づ る ま で、 け だも の のはげ し き 中 を わけ、 ︵ 宇 津 保 物 語︶. これ ら の例 に現 わ れ て いる ﹁あ な かし こ﹂ は、 ﹁あ な ﹂ と ﹁か し こ﹂ と の合 成 であ る こと は いう ま でも な い。 し か. し 診 説 と も いう べき 異 説 が、 古 来 行 なわ れ てき た。 た と え ば 塵 添 塩 嚢抄 や下学 集 や斉 東 俗 談 な ど では、 ﹁上 代 は家 を. 作 る こと を せず 、 人 々は穴 居 し て いたた め、 土 中 に いる 恙 虫 が 人 を刺 し て病 気 になら し め た。 そ れ で居 所 の ﹁穴 を か. し こく ﹄ 閉 じ て、 恙 虫 の出 る のを防 いだ ﹂ こと から、 ﹁恙 を 防 げ、 達 者 で居 な さ い﹂ と いう 意 だ と す る の であ る。 后. 宮 名 目 抄 によれば ﹁惣 じ て祝 詞 の奥 にむ かし は唱 え侍 な り﹂ と し て ﹁上 古 の世 、 天 照大 神 が 天 の岩 戸 から出 でさ せ給. う た時 、 八百 万 の神 た ち が ﹁あ な﹂ と感 じ、 ﹁かし こ﹄ す な わ ち ﹃お そろ しく う やう やし い﹂ と 感 じ申 し て、 祝 い寿 いだ。 そ の ことば か ら出 た﹂ と し て いる。. と も あ れ ﹁あ な か し こ﹂ は、 ﹁あ あ お それ多 い﹂ ﹁あ あ も った いな い﹂ な ど と いう意 味 にち が いな いが、 そ の意 味 だ け でな く、 強 い詠嘆 の ﹁あ な﹂ に引 か れ て ﹁か し こむ ﹂ 意 が つけ加 わ る。 す な わち ﹁あ あ お それ 多 い ︵ あ あ も った いな い︶、   だ から 自 分 は 十 分 つ つしも う﹂ と いう よう な 自粛 自 戒 の気 持 が含 まれ て いる こと に注 意 し な け れば なら な い。 こう いう気 持 が あ れ ば こそ、 ﹁謹言﹂ と 同 じく、 書 簡 の末 尾 に用 いら れ た のであ ろう。 この ﹁あ な か し こ﹂ は、 準 漢 文 体 が流 行 す る ととも に漢 字 が当 てら れ て、 ﹁穴 賢﹂ と表 記 さ れ る ことも あ る よう に な った 。 こ の表 記 は、 か つて ﹁準 漢 文体 ﹂ ︵ 甲南 国文 第 二十 号 ︶ の章 でも 触 れ た よう に、 国 語 の漢 字表 記 法 の 一現 象.

(4) 2)629 (Iθ. 「 か し こ」 考. であ る か ら 、 鎌 倉 時 代 ころ か ら 現 われ る。. 国 の者 な と、 お の つか ら 落 ま う てく る事 あ ら は、 も てな し て、 よ によ に糸惜 せさ せ給 ふ へし い つれ を も 殊 に糸 惜 し く し 給 へか し、 穴 賢 ζ く、. 自 是 行 た る者 は、 わ れ を 思 は は、 当時 所 知 所 領 を し ら す 候 と も 、 さ やう の論 を す へき様 な し. 又小 山 の者 共 、. 、. 、 件 のさ ま たけ、 止 さ. せ給 ふ へく 候 ⋮ ⋮ ⋮委 事 は宗 光 かも ち た る文 に申 た る な り 、 よ ろ つ能 く計沙 汰 す へし、 穴 賢 ヽ く ︵ 文 治 元年 ︶ 正月 六 日                      源頼 朝. 尊 鎮 親 王︶ 委 細 之 儀 、 承行 事 、 以 大 輔 禅 師 令 申 候 、 ⋮ ⋮ ⋮万 貴 様 期 面 謁 之 折 候 也、 穴賢 々々、 ︵. 世尊 寺 経 ヂ︶ 右 依 有 数 志、 渋 谷 新 兵 衛 尉 時 重 授 二千 石 畢、 穴 賢 々 々、 莫 軽 莫 軽 、 ︵. 数 日又 閣 筆 恐 欝 候、 今 春 如 何 様 にも 参 拝 念 願候 、世 上 事 無 為 之 条、 尤 珍 重候 ⋮ ⋮ ⋮老 憬無 益 の物 数 奇 を か しく 候 条 西実隆 ︶ 条 々期 参 拝 候、 穴 賢 々 々、 申 さ せ給 へ、  T 一 こ の ﹁か し こ﹂ は音 韻 転 訛 を し て ﹁か し く ﹂ とも な る。 三. 、 ﹁あ な か し こ﹂ の流 行 は、 ついに書 簡 にま で及 ぶ。 そ の時 代 は い つご ろ から か明ら か でな いが 平 安時 代 の中 期 か. ら の例 が 発 見 さ れ、 鎌 倉 時 代 ︵そ の 一例 が前 記 ﹁東 鑑 ﹂ 所 載 の頼 朝 の書 簡 であ る︶ を経 て、 室 町 時 代 にな ると、 は な. は だ 多 く な る。 も と よ り ﹁あ な かし こ﹂ は如 上 の意味 であ る か ら、 男性 も もち ろ ん使 って いる。 し た が って女性 用 語. と 考 え る こと が 謬説 であ る こと は いう ま でも な い。 、 ︵ 源氏物 語 ・ な ご り と宣 は せ た る こそ ⋮ ⋮ ⋮恨 め し う 思 ひ た ま へら る れ、 よ ろ づ は今 、候 ひ てなむ、 あ な か し こ 寄生木︶.

(5) 郎 三 下 真 び28 (Iθ 3). 八月 待 つほ ど に、 そ こにび び し う も てな し た ま ふと か、 世 に いふ め る、 それ はしも 、 う めきも き こえ てむ 、 あ な か し こ、 ︵ 蜻 蛉 日記︶. 先 日御 返事 委 承 候 にき、 抑 あ ふ か の庄 事、 な を な を親 正 にあ つけ た ふ へく 候 、 河 北 方 を可 預給 候 、 親 正 にも さ て ま ふ かく の沙 汰 ハ、 つか ま つり 候 ハレ、 又 そ のよ し ハみな め し お ほせ 候 ぬ、 た た と く とくあ つけ た ふ へく 候 、 こ か ま に半 ち か ま さ申 候 へく候 、 あ な か しく、 ︵ 後 略︶ ︵ 永 治 二年 ?︶ 二月 六 日            源 ︵ 為 義︶在判. 猶 々 つき. あ か松 の律 師 、 所 り やう ど も 、 こなた に候 を、 そんち し候 ハで、 さ り が たき 人 ど も に ハから ひ て候 、 そな た さ ま にび んぎ よき 事候 ハバ、 いそぎ御 ハから ひ候 べく候 、 あ な か し く ︵足 利尊 氏 ︶ 御 法楽 御 せ いま こと に数 お ほき事 に て候 に、 と り ど り の御 ふ ぜ い、 御 よ ぶ んま でれ き れき と、 毎 首 申 バか り な 存 く 候 、 ⋮ ⋮ 公条 卿 も こと の ほ か、 ふ ぜ いも な き物 ど も みせ候 事 に て、 せ う し に て候 、 か た が た よく 御 心 え候 て御 申 入 候 、 あ な か し く、  T一 条 西実 隆 ︶. ま こと にあ ら た まり候春 のし る しも か ひあ る め でた さ、 いよ いよ 天 下 を だ やか に、 国 々お さ まり 、 し候 ハぬ御 祝 ども、 とく 御 ま いり候 て申 さ れ候 と可 申 候 、 あ な か し く 、 ︵ 後水 尾 天 皇︶. 蘭 奢 待 の香 、 ち かき 程 は秘 せら れ候、 今 度 ふり よ に勅 封 を の べら れ 候 ハバ、 可為 祝 着 候、 此 よ し な を 勧 修 寺 大 納言 申 上 候 べく 候 、 あ な か し く 、 ︵正親町 天 皇 ︶. 仰 のよ し う け給 候 ぬ、 いよ いよ御 き嫌 よく な ら せら れ、 め でた く ぞ ん じ候 、 巳刻伺 公仕 べき よ し、 か し こま り 候 、 此 よ し よ ろしく 御 心 得 候 て御 さ た頼 入候、 あ な かし こ、 ︵ 有 栖 川 熾 仁親 王︶ かく て ﹁あ な か し こ﹂ は、 手 紙 の末 尾 に用 いら れ る語 と し て定 着 し てし ま う。 は ては は るか後世 にな る が、 俳 諧 古 選 に、 ﹁ 冬 ご も り虫 けら ま でも あ なか し こ﹂ ︵ 貞 徳︶ とあ る よ う に、 物 事 の最 後 を表 わす語 と な ってし ま う の であ.

(6) 4)627 (Iθ. 「か し こ」 考. ZO. 。. 四. 、 穴賢︶ は書簡 のどう いう場合 に使 われたかc これ に ついては 室町時代 の ﹁書札作法抄﹂ に次 の ﹁あなかし こ﹂ ︵. よ う にあ るc 、 、 一、 主 モト ョリ家 人 ノ モト ヘノ状 ニ ハ、 大 略 穴 賢 卜書 但 謹 言 卜書 人 モ アリ 武 家 ニ ハ如 此 ノ事 家 々 二用 ヰ カ ヘタ ノ 、 、 ド リ、 オ シナ ベ テ ハ穴 賢 卜書 タ ル ヲバ難 ズ ベカ ラズ 家 子 ニ ハ恐 々謹 言 卜書 ベ シ 但 家 士 モ人 ニヨ ル事 ア レ モ大 略 ハ如 此 、. す な わ ち 室 町 時 代 ︵お よび そ れ 以 後 ︶ では、 家 人 に出 す 書 簡 は ︵お そら く和文 脈 であ る が︶ ﹁あ な か し こ﹂ を 慣 用. っ し た こと、 男 子 の用 いる ﹁穴 賢 ﹂ は 、 も う 一つの末 尾 の挨 拶 語 ﹁謹 言 ﹂ 又 は ﹁恐 々謹 言﹂ と匹敵 す る 程 度 の語 であ. た こと な ど が わ か る。 、 、 この後 者 に つい て は、 た と え ば 毛 利 輝 元 の書 状 を 見 る と 末 尾 を ﹁恐 々謹 言﹂ と 書 いたも のも あ れば ま た ﹁恐 々. 、 恐 々か しく、 ︵ 下 野守 宛 ︶ 輝 元. 、 陣 夫 以 下之 事 、 如 前 々⋮ ⋮ ⋮自 然 御 油 断之 儀 候 者 、 取 上 不 申 候. 。 か しく ﹂ と 書 いた も のも あ って、 両 者 は ま った く 同 様 に用 いら れ て いた ことが わか る 友 田代 官 之 儀 、 御 方 申 談 候 間 、 宮 嶋 江御 調 不 及申 如寿 寺宛︶輝 元 間、 此 者 可 申 候 、 恐 々謹 言、 ︵ 栗 備 申 趣 承 知 候 、 於 我 等 、 内 々不 可 有 忘 却 之 由 、 可 被 仰 聞候. 、. 尊 鎮 親 王︶ 期 面 謁 候 也 、 か しく   ︵. あ な か し く ︶ は や が て ﹁あ な ﹂ を落 と し て、 単 に ﹁か し こ﹂ ︵か しく︶ が書 簡 末 尾 の挨 拶 語 と し ﹁あ な か し こ﹂ ︵ て、 普 通 一般 に用 いら れ る。 態 染 愚 墨候 、 今 日無 御 差合 者 、 午 時 光 臨 所 希 候.

(7) 真 下 三 郎 σ26 (Iθ 5). 此 間 者 、 久 御 見 廻 も 不申 入、 致 迷 惑 候 、 ︵ 尊 純 親 王︶ 自 田舎 之 両巻 井 尊 翰 両 通被 下候 、 畏 入存 候、. 一筆申候、尚使者可申入候、 かしく、 ︵ 細川幽斎︶. 右 自 然 致 祇 候 可 申 上 候 、 可 預 御 心 得候 、 か しく 、 ︵ 宗 碩︶. 源 氏 好 御 本被 下次 第 、 可 写 献 候 間 、 此 よし能 々申 給 へ、 か し く、. 昨 日之 御 能、 終 日見 物 候、 役 も 出 来 候 、 不 及申 候 、. 尊 書 過 分 存 候 、 然 者 山 門恵 光 坊 へ被 仰 遣 候 由 、 御 尤 二候 、 ⋮⋮⋮隙入申候 ハバ、重而 日限可申入候、かしく、 ︵ 桂 宮 智 仁 親 王︶. 先 剋尊書拝見、恭奉存候、其刻対客故、昨 日之酔裏者、狂歌清書遅延候、任賢慮如此候、委曲昌叱 へ申 候、 か し 里村紹 巴︶ く、 ︵. 明 後 日悦 炊 以. 柳人 に. 此 よし いか程 も よ ろ し き. 一日仰付 られ候、く わんおんぎ ょう、 ただ今進上申候、とくかき申候 へ共、 ⋮⋮このよし御 つゐ での時分、 しかる べきやう に御心え候 て、御 ひろう頼存候、 かしく、 ︵ 尊純親 王︶ 院 御 所 様 よ り と お ほ せら れ候 て、 を う山 第 二年 の御 かう でん、 銀 子 五枚 下 さ れ候 、 やう に御 心得 候 て申 上 ら れ 可給 候 、 か しく 、 ︵ 近 衛 尚 嗣︶. よ べ申ご とく、此くれにかならず かならず期入存候、 かならずかならず まりを興行申入ま いらせ候、 む かひて参 て申 入候、 かしく、 ︵ 後奈良天皇︶. 坊 主 に ハまだ な ら ね ども、 ふた し た る は ち をあ く れ ば、 はち ひら き 也 、 あ さ ま し き ま で旨 候、 後 、 可 有 同 心候 、 無 壺 之 月 すず し く候 、 か し く、 ︵ 近 衛 信 ヂ︶. 大閣 ヘハ、け ふは参候まじく候、宗和事、さ候 ハバき つね候 べく候、ば かされ候 て、無念無念、 かしく、 ︵ 近衛信 尋︶. ﹁謹言﹂ は漢語 の熟語 であるから、漢字を主とす る男性 の書簡 に用 いられたが、 ﹁あなかし こ﹂ ︵ あなかしく ・か.

(8) 6)625 (Iθ. し こ ・か し く︶ は 国 語 の か な書 き であ る か ら、 和 文 の書 簡 の場 合 か、 相 手 が女 性 か子 供 であ る場合 に、 用 いら れ る の. が 似 つか わ し い。 は た し て、 そ のよ う に書 き 示 し て いるも のがあ る。 鎌 倉 時 代 の ﹁消 息 耳 底 秘 抄 ﹂ に ﹁女 房 許 ヘノ消. 示 し て、. と ﹁か しく ﹂ を 用 い て いる ことも 、 三光 院 実 枝 公 の著 と いわ れ る ﹁三内 口決 ﹂ に、 ﹁女 房 奉 書 之 御 請 ﹂ の書 き 方 を. よ し 御 心 え 候 べく 候 、 あ な か し く 、. 女中 一 云 々、 末 にあ な か しく、 ︵園大 暦 、 文 和 四年 二月 十 一日︶ 状 於二 吉 田神 主兼 豊 進 三 宛 女 房 書 状 様 ﹂す な わち 女 房奉 書 の責 任 者 た る匂 当内 侍 に対 し ては、 も そう であ る。  一条 兼 良 の ﹁桃 花 藁 葉 ﹂ の中 に﹁. 礼 にな る と い って いる。 改 ま った場 合 は ﹁謹 言 ﹂ の類 を 用 いる の であ る。. つま り 武 家 の用 いる ﹁穴 賢 ﹂ は、 心 安 い間 柄 の人 と と り や りす る書 簡 に書 くも のであ り、 公家 方 に対 し て使 っては無. 穴 賢 之 事 略 儀 候 欺 。 心安 間 な ど へは書 候 か。 公家 の御 方 には最 略儀 之 由被 仰候 。 時 元 な ども 左 様 に申 候 つ。. 一、 穴 賢 と も 書 候 事 人 に より文 章 に よ る事 欺。. 書 く のは 不 似合 いだ と し て いる。 さ ら に、 武 家 の書 札 礼 であ る ﹁細 川 家 書 札 抄 ﹂ にも 、 次 のよ う にあ る。. す な わ ち子 供 宛 て の書 簡 でも 、 本 文 を 漢 字 で書 けば 、 末 尾 の挨 拶 語 は ﹁謹 言﹂ と な る のが普 通 で、 ﹁あ な か し く ﹂ と. 書 テ、 アナ カ シ ク ト書 ン コト ハ不 相 応 ノ ョシ申 人 アリ。. 児 ノ状 ハ女 ノ文 二似 タ リ トイ ヘド モ、 真 字 二書 時 ハ恐 々謹 言 ナド ト人 ニ ヨリ テ書 タ ル モ子細 ナ シ、 文章 ヲバ真 字 ニ. 性 宛 の場 合 と比 較 し て、 次 のよう に い って いる。. と あ って、 ﹁穴 賢 ﹂ は か な の書 簡 に書 く も のだ と い って いる。 ま た ﹁書 札 作 法 抄 ﹂ には、 子 供 へ出 す書簡 に つい て女. 又 仮 名 文 ノ終 ノ書 止 ヲバ、 大旨 穴 賢 く くと書 也 。. 息 事 ﹂ と し て、 女 性 宛 て の書 簡 の書 き 方 を 説 いた中 で、. 「 か し こ」 考.

(9) 郎 三 下 真 624(lθ 7). ︲心 へ候 て、御ひろう候 へかし、かしこ ︰⋮⋮かしこまりてうけ給候ぬ、なに壌に⋮⋮⋮このよし、よく御. と ﹁かし こ﹂を用いていることも、みな女性との応答には ﹁あなかしこ﹂ ﹁かし こ﹂を用いてしかるべき旨を示し て いる の であ る。. ﹁か し こ﹂ が な ぜ女 性 に ふさわ し いか 、 いろ いろ推 察 が加 えら れ るが、 ま ず ﹁あ な か し こ﹂ ﹁かし こ﹂ が国 語 であ. って、 和 文 の書 簡 に最 も 似 つか わし いと いう 点 が考 えら れ る。 女性 の書 簡 は ほ と ん ど み な和文 であ る。 か な の多 い和. 文 であ る から、 女 性 は、 お のず から末 尾 の語 と し て、 これ ら の語 が使 いや す い の であ ろう。 女 性 に は、 元 来 ﹁ま な 乳 母 の ふ み︶ こと は明 ら か であ る。 ︵ 漢 字 ︶ は女 の このむ ま じ き 事 ﹂ と いわ れ て いた ︵. ま た 男 性 も、 女性 に書 簡 を出 す 場合 には、 多 く 和文 を採 用 し た ので、 ﹁謹 言 ﹂ よ り も ﹁か し こ﹂ を使 用 し た こと も 考 え ら れ る。. か よ う な点 が、 理屈 でなく て感 情 や好 み の面 から、 女 性 自身 ﹁か し こ﹂ を 専 用 す る よう にな ったと 思 わ れ る。 逆 に. いえ ば 、 男性 は、 つい に書 簡 にか なを採 用 せず 、 漢 字 ば か り の準 漢 文 体 で書 く よ う にな った ため、 それ にふさ わ し い. 漢 語 の ﹁謹 言﹂ を専 ら 用 いる よう にな って、 つい には男 女 に よ る使 用 の区 別 が生 じ てし ま った と考 えら れ る。 た と え. ば 次 の例 のよう に、 同 じ男 性 が書 いても 、 漢 字 の多 い書 簡 の場 合 は ﹁謹 言 ﹂ を 用 い、 か な の多 い場合 は ﹁か し こ﹂ を. 使 う と い ったも のが多 い。 そ し て前者 は 対 男 性 、 後 者 は対 女性 ︵ま た は対 子 供 ︶ の場 合 であ る。 伊 達政 宗 の例 を 掲 げ よ う。. 先 度 者 、 即御 出 干今 、 々 々、 帰 次第候 、昨 日者、 早 々御 残 多 候、 明 日者 、 登城 可 仕 候間 、 其 刻 可申 承 候 、 恐 性 謹 言 二月 廿 九 日            正宗 松 右 衛 門 尉 人 々御 中. 桜 の いわ ゐ と候 て、 さ う さ う、 文 、殊 更 た るさ か な、 も く ろく のご とく 給 候 、 誠 幾 久 しく と敷 々に御 入候、 め でた.

(10) 8)623 (Iθ. 「 か し こ」 考. く か し く、. 五も じ ま いる. ま さ宗. 尚 々 こな た へよ び 申 事 、 や が て 日ど り を 可 申 候 、 お も て に ゑゐ じ ゆ御座候 て、 あ ら あ ら申 候 、 か しく、 五. ﹁あ な か し こ﹂ ︵ あ な か し く ︶ や ﹁か し こ﹂ ︵か し く︶ は、 鎌 倉 時 代 ころか ら、 よう やく 女性 の書 簡 の末 尾専 用 の 挨 拶 語 と し て の姿 勢 を か た め てく る。 梶 原 景 時 室 の書 簡 であ る。. こ つの さ う ︵ 木 津 庄 ︶ の こと 、 さ り ふ み ︵ 去 文 ︶ ニ ハを よ は ぬ こと に候、 ゐ ん せ ん ︵ 院 宣 ︶ を はく た さ れ候 う へに. 誰 ︶か さ さ ︵ は、 た ︵ 支 ︶ へ申 候 へき、 か つは を う な ︵ 女 ︶ の み に候 ヘ ハ、 し さ いし ら ぬ こと に候、 ゆ ひ そ ︵ 由 緒︶. 候 は は、 か ち は ら ︵ 梶 原 ︶ も か まく ら ︵鎌 倉 ︶ と の にも 申 さ たし候 は ん にも 、 そ ん じ候 は んを はし さ いし らす 、 さ. り ふ み にを よ は ぬ に、 そ れ に候 はす と ても 、 ゐ ん せ ん のう へに は、 たか ささ へ申 候 へき、 いか にも ノヽ は から ひさ た 候 へし、 あ な か し こ. 書 簡 の 一変 形 と見 ら れ る譲 状 でも、 女 性 が書 く 場 合 は和 文 でし た ため ら れ、 し た が って ﹁あ な か し こ﹂ で閉 じら れ Z O。. わ か さ の国名 田 の庄 のゐ ん の丁 ︵ 庁 ︶ の御 く た し ふ み、 国 司 の丁 せ ん、 く ゑ んと も く し て、 ひ め こせ ん ︵ 姫御 前 ︶. にゆ つり ま いら せ候 、 こ の庄 は相 伝 のり や う、 つのく に のま の庄 にか へて申 た て候 、 ゐ ん せ ん に、 し そ ん相 伝 し て. し る へし と候 へは、 ま た く 他 のさ ま た け 候 ま し く候 、 あ ま き み の いき て候 は ん か き り は、 わ か さ たを か せ給 候 や う. に、ひと へにしらせさせおはしまし候 へと候、又さたのものともさうゐ候ましく、かくれならぬことの日にそ へて.

(11) 真 下 三 郎 622(Iθ 9). まさ り 候 ては、 お の つか ら の こともそと て、 か く 申 候 な り、 あ な か し こ、 安 元 二年 二月 六 日  あ ま ︵ 伊 与内侍︶ は ん 江 戸時 代 にな る と、 この傾 向 は決 定的 にな る。 元 禄 の合 類 節 用集 に、 穴 賢 、 事 出 二旧事 記 ヽ 今 世 婦 人書翰末、 必載 二賢 一字 ヽ 則 是 実、 辞門︶   曾口 とあ って、 こ の間 の状 勢 を 示 し て いる。 ま た宗 長 手 記 の、 女文 か し こか し こと書 き 捨 て て とあ る のも そ れ を裏 付 け るも の であ る。. 加 賀 の千 代 女 の辞 世 の句 と 伝 え ら れる次 の句 も 、 ﹁か しく ﹂ が女性 の書 簡 の末 尾 語 であ る と いう性 質 を踏 まえ て、 はじめ て意 味 が徹 底 す る。 月 を 見 てわ れ は こ の世 を か し く 哉. かよ う に江 戸 時 代 では ﹁か し こ﹂ は女性 専 用 の よ う にな ってし ま ったが、 そ の か げ に は、 書 簡 の指 導 書 とし て こ の. 時代 に何 百 と出 板 さ れ た ﹁女 用文 章﹂ の類 が、 そ の文 例 にほと んど ﹁かし こ﹂ ︵か し く ︶ を 使 って、 ﹁このよう に書. く べし﹂ と奨 励 し た ことも 、 大 き な影響 を 及 ぼし た と 思 わ れ る。 た とえば次 のよ う な 文 例 であ る。. わざ と 一ふ で染 め 参 ら せ候 、 そも じ様御 気 分 あ しく 御 座 候 よ し、 いかが、御 心 も と な く 存 じ参 ら せ候、 定 め て此 ほ. ど の寒 気 ゆ へと す いし 参 ら せ候 、 ず いぶ ん油 断 なく 御 薬 ま いり候 かし、 此 さ か な 一折 し ん じ参 ら せ候、 く ハしく は. 御 げ んも じ に申 上 げ 参 ら せ候 、 かしく 、      ︵正徳 二年 二月、 柏 原 屋板 ﹁女 用智 恵 鑑 ﹂ ︶ そ の他 の女 性 の書 簡 を 掲 げ よ う。. あ ふ せ ノ\ にかわ る御 こと ば のす ゑより し て は、 心 へが た ふ候 、 そな た は か ほど ま で御 な さ け し た ふ身 の、 何 と て.

(12) )621 (IIθ. 「 か し こ」 考. 渉 々し く そ へう べし や、 か し く 、 ︵ 芳 野太 夫 ︶. 身 は う き く さ のさ そ ふ水 にま か せ候 へば、 御 う た が ひは さ る事 な が ら、あ ささ ふか さ 、 ついには か く れ あ るま じく 候、 か し く 、  公一 代 目高 尾 太 夫 ︶ エ ハ. ﹁か し こ﹂ ︵か しく ︶ は 種 類 が ふえ る。 ﹁め でた く か しく ﹂ ﹁あ ら あ ら かしく ﹂ ﹁草 々か し く﹂ な ど であ る。. ﹁め でた く か し く ﹂ は書 簡 の内 容 が め でた い場 合 に用 いら れ るЭ こ の表 現は江 戸 時 代 には じ ま ったら し い。 貞丈 雑 記 によれ ば 、 次 の よう にあ る。. 目出 度 か し く と 女 の文 留 様 の事 、 京 都 将軍 の頃 ま で の古 書 古 案 じ等 に見 えず、 と め はあ な か し こと書 く な り。 め で度 か し く と 留 る事 、 世 の風 俗 と な りし は御 当 代 の事 と お も は る る也。. 以下 ﹁め でた く か しく ﹂ を 用 いた書 簡 を示 そ う。 内 容 を見 る と、 いず れもめ でた いも のば か り であ る。. 今 日 ハ御 幸 二て御 ざ候 、 か し く 、 め でたく 存 ま いら せ候 、 う へさ ま御 きげんよく な ら せ、 泰、 め でたく存 じま いら. せ候、 猶 御 け ざ ん に て申 入 ま いら せ候、 め でたく か しく 、 西 第 ま いる     ︵ 飛鳥 井 雅 章 ︶. 一日 ハは るば る と て御 見 参 に入、 御 ミめ よ く し ほら し く 、 御 り は つに、 御せ いじ んあ そ バし候 を 見 ま いら せ、 御 う れ しく 思 ひ ま いら せ候 、 め でた く か しく、. さ やう の御 心ば へ御 尤 儀 あ そば し候 へば 、 御 手 も は やく あ がら せ ら るるよし に て候 、 め でたく 又 々かしく、 ︵ 和 久 半 左 衛 門︶. 仰 のよ し に て、 文 のやう う け給 候 、 このご ろ は さ え か へり候 べく 候 へども、 いよ いよ御 機 嫌 よく わ たら せお ハし ま. し候 よ し、 う け給 り候 て、 め でた く、 よろ こび う け給 候 、 ⋮ ⋮ ⋮猶 ち かきうち、 御 社 にま いり て申 ま いら せ候 べく.

(13) 真 下 三 郎. 近 衛 家 熙︶ 候 、 いか ほど も よ ろ しく 御 沙 汰 候 て、 給 り候 べく 候 、 め でたく か しく、 勾 当 内 侍 ど の へ  ︵. 豊臣 秀 吉 が朝 鮮 に出 兵 し た文 禄 の役 の時、 本 陣 にし た 肥前 の名 護 屋 に滞 在 中、 す な わち 文 禄 二年 八月 五 日、淀 君 か. 右 は 二通 と も 樋 口 一葉 の書 簡 であ るが、 前 者 は久 し く 会 って いな い人 の近 況 を たず ね が てら に、出 版 社 に原 稿 を送. 樋 口お く ら 殿. 二十 九 年 五月 十 三 日    樋 口  夏. 御 暇 いた だ き 参 ら れ候 やう、 至 急 申上 候、 早 々か し こ. な は ぬ事 これ あ り候 ゆ ゑ、 御 前 様 なら び に母 こと と も ども 取 いそぎ 参 りく れ よと の事 に候 間、 此 む ね先 生 に御 願 ひ. 前 略 御 ゆ る し 下 さ れ度 、 陳 ば 国 も とより俄 の状 参 り 、 姉 上 お半 ど のの病 気 の次 第 に重 り 候 由、 右 に付 相 談 せ ねば か. 大 は じ様. 十 七 日                な つ. な が ら の我 ま ま御 ゆ る し下 さ る べく候 、 あ ら ノヽ か し こ. だ御 帰京 遊 ば さ れず 候 や、 御 様 子 御 う かが ひ申 上 候 、 別 封 相 か はら ず の物 さ し出 し置 候 間 、 よ ろ し き様 に願 度、 例. 俄 に秋 か ぜ の身 にし む様 に てお ど ろかれ申 候 、 御 か は りも いら せら れ ず や、 久 しく 時 子 様 に御 めも じ申 上 ず、 いま. 次 に ﹁あ ら あ ら か し こ﹂ と ﹁早 々かし こ﹂ の例 を掲 げ よう。. く 候 、 め でた く か し く 、. は やば や と申 こし候 間 、 す な わ ち このなは、 ひ ろ いご と可 申 候 、 ⋮ ⋮ ⋮や が てノ\ が いぢ ん可 申 候 、 心 やす く候 べ. は やば や と ま つり 人 お こし候 事 、 まん ぞく に て候、 そも じ より れ い申 候 べく 候、 さ だ め てま つり ご を ひろ い候 て、. と名 づ け、 夫 人 の北 政 所 に知 ら せ た が、 そう いう め で た い書 簡 の末 尾 は、 当然 ﹁め でたく か しく ﹂ で結 ば れ る。. ら 男 児出 生 の知 ら せ を受 け た。 喜 色 満 面 の秀 吉 は、 そ の児 を ま ったく ﹁ひろ った﹂ 子 の如 き も のと し て、 ﹁ひ ろ い﹂. (III) 62θ.

(14) (112)σ 】9. 助 ゝし こ」 考. った旨 を知 ら せ た も の で、 ﹁あ ら あ ら かし こ﹂ と 書 いた 例 、 後 者 は国 元 へ病 人見舞 に いそぎ 帰 ら れ た い旨 を申 し 送 っ た も の で、 ﹁早 々か し こ﹂ と書 いた 例 であ る。. これら の書 簡 を 書 いた 一葉 は、 博 文 館 から出 し た ﹁日用百 科 全 書 ﹂ の第 十 二篇 にあ た る ﹁通 俗書 簡 文 ﹂ にお いて、 末 尾 の挨 拶 語 に つ い て、 次 のう る に解 説 し て いる。. 今 も猶 ﹁め でた く か し こ﹂ と 書 く 人 あ り、 こは 道 理 ︵こと わ り︶ た が へる由 。 正 しく は ﹁あ な かし こ﹂ と書 く べき. な れ ど、 唯 に ﹁か し こ﹂ と し た るも よく、 ﹁早 々﹂ ﹁あ らあ ら ﹂ な ど添 ふる は、文 のさ ま に よ るな り。 ︵ 文 のかき や う︶. ﹁文 のさ ま によ る﹂ と は内 容 如 何 に よ ると いう こと であ る。 す な わち 書 簡 の内容 が 用件 の概 略 を ざ っと述 べた よう. な 場 合 の末 尾 は ﹁あ ら あ ら かし こ﹂ と 書 か れ、 内 容 が さ し せ ま った 用件 に終始 し て いる よう な 場合 は ﹁早 々かし こ﹂ と な る の であ る。.

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