国土計画における統I-需要予測モデルの開発/
(課題番号10450186)/
平成10年度∼平成12年度
科学研究費補助金(基盤研究(B) (1))/
研究成果報告書
平成i3.年3月
研究代表者 森 杉 毒 害/
00021003721(束北大学大学院情報科学研究科教掛/
文部省科学研究費補助金(基盤研究(B) (1))研究成果報告書
〔研究裸足〕 「国土計画における統一需要予測モデルの開発」 〔課題番号) 10450 1 86〔研究組織〕
〔研究軽費〕
芳 之 久 行 毒幸春 草 杉 永 山 田 森徳林 上 着 者 著 者 表 担 担 担 代 分 分 分 究 究 究 究 研 研 研 研東北大学・大学院情報科学研究科・教授
東北大学・大学院情報科学研究科・助教授
東北大学・大学院経済学研究科・助教授
東京工業大学・工学部・助教授
平成10年度 2, 700千円 平成11年度 3, 300千円 平成12年度 2, 000千円 計 8, 000千円〔研究成果〕
〔1〕論文集・学会誌等(論文発表)
( 1 )上田孝行,高木朗義,森杉毒芳: 「災害脆弱地区の都市整備便益について」 第三回都市直下地震災害総合シンポジウム論文集, pp.481-484 (1998) (2 )上田孝行,壕盛人: 「わが国における近年の土地利用モデルに関する総合フレームに ついて」土木学会論文集 No.625nV44, pp.65・78 (1999) (3 )小池浮司,上田孝行,冨田貴弘: 「高齢者対策としての社会資本整備の国土構造に与 える影響分析」土木計画学研究・論文集 No.16, pp.201・206 (1999) (4)小池淳司,上田孝行,三浦光俊: 「人的資本形成から見た都市群システム分析」 土木計画学研究・論文集 No.16, pp.217-224 (1999) ( 5)武藤慎一,上田孝行,稲垣貴政: 「地域特性と地域相互作用を考慮した地域政策の経 済分析」土木計画学研究・論文集 No.16, pp.2791288 (1999) ( 6 )木村俊宏,徳永幸之: 「地下鉄沿掛こおける女性の平日買物行動の変化分析」 都市計画論文集 No.34, pp.739-744 (1999) ( 7 )林山泰久,森杉毒芳,小抜和裕: 「顕示選考データによる非利用価値の経済的評価と その精度」環境システム Ⅵ)I.27, pp.33-44(1999)(8 )上田孝行,小森俊文,森杉毒芳: 「古典的消費者行動モデルによる便益計測手法の比 較研究」土木計画学研究・論文集 No.17, pp.187・194 (2000) (9 )河野達仁,森杉毒芳: r時間価値に関する理論的考察一私的交通のケースー」 土木学会論文集 No・639/ⅠV46, ppニ53・64 (2000) ( 1 0 )上田孝行,高木朗義,森杉毒芳: 「社会資本整備の費用便益分析における事業効果 と税収変化に関する一考察」土木学会論文集 No.653/ⅠV48, pp.77・84 (2000)
( 1 1 )Hisa Morisugi, YoShitstlgu Hayashi : "Editorial''TranSport Policy 7, pp. 1-2 (2000) ( 1 2 ) Hisa MoriSugi: "Evaluation methodologies of transportation projects in Japan"
Tran印Ort Policy 7, pp.35・40 (2000)
( 1 3 ) YoShitsugu Hayashi ,Hisa Morisugi, : "Internationalcohparison of background conceptand methodology of transportation project appraisal"
Tran印Ort Policy 7, pp.73・88 (2000)
〔2〕講演発表
( 1 )武藤慎一,上田孝行,金沢敏徳: 「都市環境政策評価のための交通・立地統合均衡モ デルの開発」土木計画学研究・講演集 No.21, pp.455・458 (1998) (2 )上田孝行,浅野雄史: 「Repeater性を考慮した交通需要分析」 土木計画学研究・講演集 No.21, pp.621・624 (1998) (3)上田孝行,近藤浩冶,森杉毒芳,小森俊文,末富義幸: 「消費者余剰による便益計測 評価手法の比較研究」土木計画学研究・講演集 No.21, pp.741・744 (1998) (4)河野達仁,森杉毒芳: 「時間価値関数に関する理論的考察一私的交通のケースー」 土木計画学研究・講演集 No.21(1), pp.37・40 (1998) ( 5 )林山泰久:「非市場財の存在価値」土木計画学研究・講演集 No.21(2), pp.35・48 (1998) (6 )森杉毒芳,林山泰久,丹野智之: 「不確実性下における便益定義の計量比較」 土木計画学研究・講演集 No.21(2), pp.447・450 (1998) (7 )木村俊宏,徳永幸之: 「仙台都市圏における買い物交通の世代別変化分析」 東北支部技術研究発表会講演概要, pp.388・389 (1999) (8)浦部品彦,森杉毒男,河野達仁: 「時間制約を明示的に考慮した私的交通行動モデル」 東北支部技術研究発表会講演概要, pp.394-395 (1999) ( 9 )上田孝行,福本潤也: 「空港整備の費用便益分析のための基礎的考察」 土木計画学研究・講演集 No.22(1), pp.81・84 (1999) ( 1 0)木村俊宏,徳永幸之: 「郊外型商業施設立地による買物行動変化分析」 土木計画学研究・講演集 No.22(1), pp.109・112 (1999) ( 1 1 )橋本浩史,徳永幸之: 「通勤および業務需要から見た都市部循環バスシステムの検 討」土木計画学研究・講演集 No.22(1), pp.487-490 (1999)(1 2)小池浮司,上田孝行,宮下光宏:「旅客トリップを明示したSCGEモデルの試み」 土木計画学研究・講演集 No.22(2), pp.107・110 (1999) ( 1 3)冨田貴弘,武藤慎一,上田孝行: 「応用都市経済モデルによる都市交通整備政策の 影響分析」土木計画学研究・講演集 No.22(2), pp.119・122 (1999) ( 1 4)浦部品彦,森杉毒芳,河野達仁: 「時間制約を明示的に考慮した私的交通モデル」 土木計画学研究・講演集 No.22(め, pp.667・670 (1999) ( 1 5 )上田孝行,寛文彦「空間経済の開放性に応じた公共投資の便益帰着分析」 土木計画学研究・講演集 No.23(1), pp.91・94 (200α ( 1 6)首藤敦,徳永幸之: 「災害時緊急物資輸送計画に影響を与える要因の分析」 土木計画学研究・講演集 No.23(2), pp.541・544 (2000)
目 次 1.はじめに・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 2. 土地利用交通需要モデルに関する総合フレームについて・ 2. 1 はじめに・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2. 2 統合フレームの定式化・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・'・ ・ ・ か. 3 各モデルにおけるゾーン設定の考察・ ・ - ・ - - ・ 2. 4 立地者行動に着目した各モデルの特徴の考察- ・ - ・ 2. 5 土地・建物供給行動に着目した各モデルの特徴の考察・ ・ 3 3 4 8 9 10 2・ 6 均衡条件とProgrammabilityに着目した各モデルの特徴の考察- - 12 2. 7 おわりに・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
3. 地域特性と地域相互作用を考慮した人口予測の経済分析・
3. 1 背景・目的・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3. 2 社会経済モデルの定式化・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3. 3 便益定義・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3. 4 交通アクセス改善政策評価・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3. 5 おわりに・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4. 時間価値に関する考察-「私的交通のケース一・ ・ ・ ・ ・ ・ 4. 1 序論・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4. 2 既往研究並びに本研究の考え方・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4. 3 時間価値の理論的比較静学分析・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4. 4 時間価値の定量的変化・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4. 5 結論・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5. 買物行動分析・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ I ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5. 1 はじめに・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ . . . . . 5. 2 対象地域の概要・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5. 3 女性の属性変化・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5. 4 自宅起点の買物交通特性変化・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ - ・ 5. 5 トリップバターン別買物行動分析・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 13 17 17 17 22 22 24 6 6 6 7 5 2 2 2 2 3 38 40 40 40 41 42 445. 6 意識調査から見た都心商業地- - ・ 5. 7 結論・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 6. レクリエーション行動分析と存在便益・ 6. 1 はじめに・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 6. 2 環境質の便益評価モデル・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
6.
3 環境質の利用価値および非利用価値-6. 4 環境質の各価値の計測可能性・ ・ ・ ・ ・ 6. 5 数億実験・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ -16. 6 おわりに・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 8 8 8 1 4 8 0 4 4 4 5 5 6 61.はじめに
1-1 本研究の背景と日的国土計画に必要となる各種の従来の需要予測
モデルは、交通に代表されるように、その行動一般原理に注目することなく、実務的要請に応える
ことにその努力が集中されてきた。事実、交通、
水鳶要、電力、住宅、レクリェーシヨン、雇用、土地、床面着などのさまざまな対象に対して、そ
れぞれ固有の需要予測モデルが開発されている
が、いずれも他の分野への適用については、考慮の対象にすることなく、それぞれの分野の実横に
経験的によく適合するようなモデルの開発が志
向されてきた。すなわち、多くのモデルは、それ
ぞれの総需要(たとえば発生交通)が他の需要量
(たとえば人口)に依存していることには注目す
る。そして稔需要を分母として時間的、空間的に その総需要を配分する方法が一般的である。確かに、いずれの需要モデルも、その総需要を配分す
るに当たっては、その財の価格および質、所得お よびその他の社会・経済変数に関する弾力性を考慮しているが、総需要そのものへの弾力性分析が
不足している。このため、さまざまな政策が各種
の需要に与える影響を整合的かつ明示的に分析
することができない状態にある。 一方、これらのさまざまな需要行動を統一的に説明する理論としてミクロ経済学アプローチを
あげることができる。この分野では、上記に実務
的モデルの欠点である稔東雲の諸要因に関する
弾力性分析が主淡を占めている。しかし、実務モ
デルと対照的に、稔需要分析にとどまり、空間的、時間的に配分するモデルが発達していない。この
ため、国土、地域、都市計画の策定に適用するこ
とができない状態にある。本研究は、上記2つのアプローチの長所を生か
し短所を克服した需要予測モデルの開発をめざ
している。このため、基本的にはミクロ経済学ア
ブローチに立脚する。すなわち、世帯の行動を効用最大化行動、企業の行動は利潤最大化行動(あ
るいは費用最小化行動)として定式化し、各財の
鳶要および供給関数を導出する。導出された需要関数は、いかなる財に関しても、必ず、総需要と
その比率の形に表すことができることを示す。し
たがって,稔需要分析にはミクロ経済学の手法を
適用することができ,比率分析には行動分析の手
法を適用することができることを示す。
次に市場が均衡しているとの仮定の下に、導出
された関数の妥当性の検討方法とパラメータ推
定方法を示す。最後に、本アプローチはミクロ行
動理論に基づいているので、各種の財またはサービスの変化による効用水準の変化を統一的に便
益に変換した定義にもとづき、かつ、行動を観測することによる便益の計測が可能であることを
示す。 1-2 本研究の成果本研究では、まず、国土計画に必要となると思
われる人流、物流、通信、住宅、土地,各種施設
訪問者数、上水道、電力、雇用に関する需要およ
び供給予測手法の現状を調査した。その結果、基
本的な理論フレームに関しては、本報告書第2章
に示すように,人口、雇用、経済力指数の地域別予測モデルである都市的土地利用モデルのあり
方に焦点を当てた代表的な既存研究の問題点を
考察した.その成果は以下のようにまとめること
ができる.住宅立地行動はロジットモデルが使われてい
るが,想定する効用関数型が問題である.特に,ロアの定理で誘導することができる各種の財へ
の需要関数との整合性がとれていない.企業の立
地行動予測モデル,土地の供給関数,市場均衡,投資を明示的に示す動学的現象のモデル化につ
いては,試行錯誤の状態にある. 次に,第3章に示すように,現況の地域経済モ デルが注目していないが,国土計画にとって重要
となる都市とヰ山間地域における相互の外部性
による居住人口の変動を予測分析するモデルの
開発を行った.特に,都市人口は,中山間部の自
然や水資源滴蓑などの外部性を享受しており,一 方,中山間部の人口は,都市に出かけて集積の経済という外部性を享受していると見なすことが
できる.この外部性を内部化したときの人口と差
異を計測することができるモデルを構築した.以上の人口予測モデルで地域別の基本的なサ
ービスに対する予測が可能となったので,第4章以降に示すように,個別の財に関する需要予測モ
デルの開発を行った.すなわち,
第4章では,時間価値と時間を要する財の消費
活動との関係に着目した需要予測モデルの提案
を行っている.ここでは,価格,所要時間,利用可能時間,所得の変化が時間価値に与える影響の
定性的感度分析を理論的に行うことに成功した.
この点は,従来に研究では達成されていない成果である.さらに,時間価値を与件として需要を予
測する現行の方法を改良する必要を指摘すると
同時に, CES効用関数を仮定した場合の時間価値と需要の同時予測方法を提案した.
第5章は,予測モデルのための事実認識に関する成果を示す.すなわち,仙台市における都市公
共交通利用者の行動実態を把握するために,仙台 市地下鉄の女性の買い物行動を調査した.その結 莱,郊外に住む年輩の女性は都心での買い物を望 んでいるが,交通が不便なために取りやめている. 一方,若い世代は,都心郊外ともに比較的よく利用していることが判明した.したがって,社会階
層別の交通行動モデルが必要であることがわか
った. 第6章は,環境の存在価値の計測が可能なレク リェーシヨン行動モデルの提案を行っている.こ こでは,適切な効用関数型を設定して誘導した需 要関数を適用すると,人々のレクリェ-シヨン行動結果から利用価値のみならず存在価値をも計
測することが可能であることを示した.加えて,
利用価値と存在価値の両者の存在性その相対的
大きさを検証することができるために十分な効
用関数型についても提案している.以上の研究成果においては,いずれもミクロ経
済モデルに依拠しており,したがって,整合性にある形であらゆる財の鳶要モデルに適用するこ
とができるという点で統一性を有している.しか
し,実際に重要と思われる各種の財に関する予測 ができるような大型モデルの開発は,行っていな い.むしろ,本研究では全ての財に関する需要予 測モルを構築するのはなく,他の分野への適用が 可能な理論的問題点の解明に焦点を当てた.この 点での成果はあるが,本研究が十分な理論的研究 を行えなかった分野としては,物流と防災サービ スに関する需要予測モデルがある.また,世帯以外の主体である企業と政府,並びに各種社会組織
の行動モデルの理論的進化も残された課題であ
る.2.土地利用交通需要モデルに関する総合フレームについて
2.1はじめに(1)閉脚
わが国の土木計画分野においてIも7 0年代後半から 8 0年代前半にかけて精力的に土地利用モデルの開発 (例えば,中村他1981,1983)ll 2)が進められ,その通用実 績も多く蓄積されてきた四m血ct d(1988)3)など参照). 当時のモデル開発に当たっては,それらに先行して欧米 で開発されていたモデルがベースとなっているものの, わが国の各モデルはそれぞれに特散を有している.そし て,確如く滴進や概念についての各モデルの相互関係は 必ずしも明確ではなかった(例えば,河野・氷鍬1981)4), 佐々木(1984)5)における指摘を参照).青山(1984)Pでは, 当時にいたるまでの各種土地利用モデルの開発経緯と 特徴についての0帽Vkwを記述しているが,そこから ち,土地利用モデルをめ(・る状況がまさに大袈裟に言え ば百家争鳴とも言える状況であったことが伺える. そのような時期を経て, 8 0年代後半からは,わが国 で開発が進められた土地利用モデルには,筆者の見る限 りいくつかの共通の方向が見て取れる.その第一は,交 通需要予測において既に定着・普及しつつあった離散選 択行脚レ,具体的にはロジットモデルを導入してい ることである.この点に関しては,Ana<1982)7)の影響も 非常に大きい.そして,第二は,わが国におけるモデル 開発として不可欠と言える土地市場のモデル化を明示 的に行っていることである.そして,第三に,これらの 二つの点を理論的に整合したフレームでモデル化する ために,都市経済学の理論,あるいはより「酸性を持つ 多市場同時均衡理論さらには「股均衡喝漁に立脚しよ うとする方向である.このような方向は,モデルの実際 の政策立案への応用を念頭においた場合,二つの背景が あったと思われる.一つには,モデルの経済学的な意味 解釈を充実させて説得力を増し,かつ,様々な立地要因 を明示的に取り込むという必要性があったことである. もう一つには開発車戯玩斜度の検討・導入への関心が 土地帰着便益を明示的に計量可能なモデルを指向させ たことであったと考えられる.しかし,このような共通 方向が見て取れるにも関わらず,各モデルを説明した論 文では依然としてモデル相互間の共通特性と差異につ いての明示的な議論が乏しいとの印象を受けるのは筆 者のみではないと思われる. "では,これらの土地利用モ デル相互間の共通特性と差卿斬lJ的特鞠を明らかにす る必要はないのであろうか. " これへの回答は,土地利用モデルと並行してわが国の 土木計画学分野において積極的に開発されてきた交通 モデルの方へ目を転じれば明らかであると思われる.わ が国の脚レ研究も,土地利用モデルと同様に先行 していた欧米のモデルをベースにして進められてきた ことは周知の通りである.現在でも交通モデルを扱った 研究は土木計画学分野の大半を占めており,交通計画の 実務においてもモデルの適職ま定着している.需要・パ フォーマンス均衡の概念に基づく統合配分手法などの 理論的8こ椿字財ヒされたモデルも,実務への普及は完全で はないものの,その考え方は多くの専門家に受け入れら れている.このような状況が実現している最も大きな理 由は,筆者が考える範囲では,各モデルがW軸原則 や蜘型均衡間藍に代表される理論的枠組みを共 有しており,かつ,そのもとでモデル相互間の関係を明 らかにすることに大きな努力が払われてきたことにあ ると思われる.翻って,土地利用モデルに関しては,上 述のようにそれらの努力が十分ではなく,そのため,土 地利用モデルに取り組もうとする新瑞研究者が行う自 主学習に大きな困難が生じ,かつ,計画実務側からの土 地利用モデJhの理解を狭いものとし,それらが相まっ てわが国での土地利用モデルの発展・普及がスローダウ ンしていると思われる.このように考えると,本質的に は上記のような共通方向を有すると思われるにも関わ らず相互関係が未だ不明確な複数の土地利用モデルを 取り上げ,それらを統合的な理論フレームの中で位匿づ けることにより,各モデルの共通特性と差異をここで明 らかにすることは十分に意義があると言える. (2)本研究の目的とアプローチ 本稿は,前節のような問蜘こ基づき, 8 0年代後 半以降に土木計画学分野において開発された5つの土 地利用モデルを取り上げる.そして,それらのモデルが 共通して依拠することができる統合フレームとして,そ れらを多市場同時均衡の立場から構築される土地利用 モデルを定対ヒする.そのフレームに基づいて,各モデ′ ルが共通して有している理論的特性と個別的差異を明 らかにすることを目的としている. 本稿は以下のように構成されている.まず最初に,上 記の鮫合フレームとしての土地糾用モデルを定式化す る.具体的には, 1)空間経済システムに登坂する経済 主休とその合理的需要・供給行動およびロジットタイプ の立地選択行軌 2)土地・建物市場における需給均衡と空間経済システム全体での立地均衡,を「股性を持っ た関数により定式化する.次に,そのフレームを用いて, 取り上げた各モデルの特徴を考察する.すなわち,フレ ームに登場する各関数の形式を特定化することにより, 取り上げた5つのモデルのそれぞれが誘導されることを 示す.また,共通の特性を論じる隙には,後述する理由 により,取り上げるモデルの中でランダム効用とランダ ム付け値の両方を同時に用いたモデルについT'Gも理論 的な観点からいつくかの問題点があると考えられるた め,筆者が理解する範囲内で各モデルの意図に沿いなが ら,それらのモデルのオリジナルに対して代替的な形式 を提示して,それを採用することによって各モデルがフ レームに統合化されうることを示す. 無論,ここで取り上げるモデルは,土地利用モデルの 世界的な開発状況から見れば,きわめてわずかな一部で しかない.しかし,前節に述べたような開発上の共通方 向を本質的に有しているものとしては,それらのモデル は一つのFループをなし得る.また,いずれもわが国の 都市域に対して実際に通用された実績を有している.従 って,これらのモデルは今後の計画実務へ普及していく 可能性が最も大きく期待されるモデルであり,これら5 つのモデルを対象として統合化の方向を探ることは意 義があると思われる.当然,今後わが国で開発されてい く土地利用モデルや海外のそれも射程に入れ,さらに一 般性をもった統合的フレームを模索していくことは必 要であり,本稿はそのための中間ステップでもあると考 えている. (3)取り上げるモデルとその選定理由 本稿で取り上げる土地利用モデルは,次の基準で取り 上げた. A土木計画学分野の研究者を中心として開発され たもの. B.立地主体総数を「定として,ロジットモデルによ る立地配分を行うもの. C.土地市場または建物市場を明示的に取り込み,多 市場同時均衡理論に立脚するもの. D.わが国のいずれかの都市圏を対象として適用さ れた実績を有するもの. これらの基準で以下の5つのモデルを議論の対象とす る. ・ K'MmfL 柏谷(1986)8) 蜘血ni ・ Ogtd1987)野 ・ MOM雌証. 森杉・大野・宮晩1991)lO) 大野( 1 993)1 1 ) ・ HM一 林・土井・奥田(1990)12) 林・土井(1989)13)
・ RtJRBJW-MODtL M的ztdo ・ Kibam<1990)14) M的m血et al(1993)15) ・U… tb血・ N血m ・ fhTakmi・ TdJSbmi( 1 993)I Q 平谷・中村・墳・上田(1993)17) 上田( 1 995)1 i) 22統合フLrムの定式化 (1)定式化に際しての前提 本稿で示す統合フレームとしてのモデルは,以下のよ うな主な前提に基づき定式化される. A.モデルで対象としている地域は複数のゾーンに分割 されている.ゾーンはそれぞれ同じ土地属性や経済社会 属性を有すると見なせ,かつ,その中で建物・土地地代 が唯一に定義されている範囲として設定される.従って,
モデルi脚レである.
B.対象する地域に立地する立地者は,その属性に応じ て複数のタイプに分類されており,各タイプ毎の稔立地 音数は外生的に与えられている.すなわち,都市経済学 で言うC3d Ciyの想定に従ったモデルである. C.各ゾーン毎に土地市場または建物床市場が形成され ている.同じ属性の土地は代表的土地所有者に所有され ており,そこから供給され,また,建物床も代表的な開 発者によって供給される. D.立地者は,立地する各ゾーンにおいて,効用を最大 にするように土地(建物末)を消費し,かつ,最も高い効 用が達成できるゾーンへと立地しようとする.ただし, その際には,不確難を伴うため,立地行動は確率的選 択行動として表される. E.各ゾーンの開発者と土地所有者はそれぞれ利潤が最 大になるように土地または建物の供給を行う.ただし, 土地供給行動には,立地行動と同様に不確難を伴うた め,確率的な供給として表される. F.立地が均衡した状態は,どの立地者ももはや立地ソ ーンを変更してもそれ以上高い効用を達成できる可能 性がなくなった状態として定義される.また,土地市場 または建物床市場の均衡は,集計需要と集計供給が」致 して清算された状態として定義される. (2)変数・関数の定義 まず,本稿でのモデルの定封ヒに際して必要な変数と 関数について以下のように定義しておく. i ∈(1,・-,I) :ゾーンを表す添字 k ∈ (I,-,K) :立地者タイプを表す添字 m ∈〈1,-, M) :土地所有者を表個定義から土地の 属性グループも意味する)(i e)I乃:代表的土地所有者mが土地を所有しているソ
ーンを表す添字の集合
∪Ⅰ巾=tl,・・・,I), and I〃nI.,.=Q) for alJ m≠m
llI (i e)Ik :立他者タイプkが立地選択可能なゾーンを表す 添字の集合 ∪Ⅰ▲ ≡(1,-,∫) i NA. ∈R+:立地者タイプ別・ゾーン別の立地者数 N. =lN..,-,Nu] ∈R三:立地者タイプkについての ソーン別の立他者数N..からなるベクトル ∫ Nq =∑N. ∈R. :立他者タイプ別の稔立地者数 FL=‖ N = lNL/・・,NK] ∈Rfxt :立地者タイプ別の立地音数 ベクトルNAからなるモデル全体の立地分布ベクトル RL ∈R. :ソーンiにおける建物床地代 R=lR.,-,Rt] ∈R三:各ゾーンにおける建物床地代 R,からなる床地代ベクトル P, ∈R. :ソーンiにおける土地地代 P=lPI,-,P,]∈Rt. :各ゾーンにおける土地地代月 からなる土地地代ベクトル E. ∈R.6 E. ∈R.6:ゾーンiにおける外生的な立地場 所属性仲項目からなる)を表すベクトル E=lE.,・・・,El]:ソーンiにおける外生的な立地場所 属性E,からなる立地場所属性ベクトル C. =e・.(N)∈RT :ゾーンiにおいて立地分布Nに依 存して内生的に決まる瑚弼酢馳Ⅰ項目からなる)杏 表すベク[)レ,すなわち,外部性を表す項 e=lel,・-,C,] :ゾーンiにおいて立地分布Nに依存 して内生的に決まる淵雛師Ⅰ項目からなる)を表 すベクトルC,からなるベクトル a▲ =【a.1,・・・,aW):立他者タイプkの立地魅力度を規 定するパラメータのベクトル α = 【α.,-,α∬】 :各立地者タイプの立地魅力度を規定 するパラメータのベクトルα上からなるベクトル Q, ∈R. :ゾーンiにおける集計建物蘇供給量 Q=lQI,・・・,Q,] ∈R: :各ゾーンiにおける集計建物床 供給量Q,からなる乍クトル LP ∈R. :ゾーンiにおける集計土地需要量 LD =lLF,-,LP】 ∈R三各ゾーンiにおける集計土地需 要量LFからなるベクトル Z` :ゾーンiにおける集計建物味需要・供給量を規定 する外生変数からなるベクトル Z =【Zl,-,ZJ】:各ゾーンにおける集計建物沫需要・ 供給量を規定する外生変数ベクトルZ一からなるベクト ノレ Lデ∈R. :ゾーンiにおける集計土地供給量 LH ∈R. :土地所有者mの土地所有量 LS =lLf,-,L;]∈R三:ゾーンiにおける集計土地 供給量Lfからなるベクトル W. :ゾーンiにおける集計土地供給量を規定する外 生変数からなるベクトル W = lW"-,Wl] :各ゾーンにおける集計土地供給量を 規定する外生変数ベクトルWLからなるベクトル
VA. =V(R"C,,E一,a.,Y.) :立地者タイプkがソーンi において享受する立噛魅力度(間接効用)
V. =Vkl,・・・,Vu] ∈R三:立地者タイプkについてのソ ーン別の立地魅力度牝からなるベクトル V=Vl,-,VK] ∈RfxJ:各立地者タイプ別の立地魅 力度ベクトルVkからなるモデル全休での立噛魅力度ベ クトル 2TJD =,rD(R"P.,Z,,P) :ゾーンiにおける代表的開 発者の利潤 P = lPl,-,PHJ :代表的開発者の建物床生産技術を表 すパラメ.-タからなるベクトル 27三=方L(pd,wH,Y) :代表的土地所有者mの利潤 YコlYl,-,YH-】 :代表的土地所有者の選好を表すパラ メータからなるベクトル(各ゾーン共通) P/ I..に属す添字のゾーンについての土地地代から なるベクトル q止=q(Yk,R,,e,,E.,ak) :立地者タイプkに属する 個々の立地者がゾーンiにおいて消費する出物和 両帝 Yk :立地者タイプkの立地者の所得 M(YA,R,,C,,E"ak) :立他者タイプkの立地者がゾ ーンiに立地した場合の所得の限界効用 a七-忠- avk・Ok;i, ‥立牌タイプkの立蝉のゾ ーンiに対する立魅雛ヒ率
NJ- Nun. - NwaV.,C.;i)】- N打OV..・・・,Vp,C.;t・) ‥
二出魅戴杜ヒ率と立地音数の関係 S(ち,eA) :立地者タイプkの立地選択比率を表すロ ジットモデルにおける期待最大観相関数(満足度関数) ek :立地者タイプkの立地選択比率を表すロジット モデルにおけるパラメータ e=leI,-・,eK]:立地者タイプ別のロジットモデルに おけるパラメータekからなるベクトル なあ Rは実数全体の集合を表し, R.は正の実数 全体の集合を, R〝は〝次元実ベクトル全休の集合を表 す.ただし,表記が阪経になるのを避けるため,次元数 が明らかな場合やその変数の値域が実数全体をとる場 合には,特にそれを明示しておらず,それ以外の場合の み変数が属す集合を明示している. (3)統合フレームのモデル構造 a)立地者の土地㈱消費行動 立地者は,立地したゾーンにおいて,予算制約のもと で土地(建物床)価格と立地場所属性を所与として効用を 最大にするように土地(建物和消費量を選択する.その 結果として達成される効用の水準間接効用)を立地魅力 度と呼ぶ.ミクロ経済学における通常の効用最大化行動 の定対ヒでは,その日的関数としていわゆる直接効用関 数を与え,それから間接効用関数を導出するが, varian(1992)19)に示されているような直接効用関数と間 接効用関数の間の双対性に着目すれば,直接効用関数を 特定化することと間接効用関数を特定化することは等 しい.従って,立地者の適好を表現する隙に直接効用関 数あるいは間接効用関数のいづれを用いても差し支え ない.そのため,ここでは,間接執弔関数としての性質 を満足する立地魅力関数が定義できるものとし,それを 以て立地者の最適土徴建物床)消費行動を表現する. b)立地選択行動 立地者は前記の各ゾーンにおける立地魅力に応じて 立地敵を行う.それは,次のような数理最適化問題を 基礎として,それから導出されるロジットモデルにより 表されるものとする.これは,宮城・小川(1985)20)の意疎 において立地者タイプ別のグループとしての効用最大 化行動を表すと解釈し得るものであり,また,効用の不 確実性がガンベル分布に従う場合の危険回避者の期待 効用最大化行動とも解釈できるものである.
S(vA・eA, - nT,!.(abVb -(i)ab(hob・ - I,) (1,
S・t・ ∑aA.=1
Jd▲
これから,周知の以下の満足度関数と立地選択比率が求 められる.
all exp(OA VA. ) ∑ exp(C.V.f ) E'eTt (3) 立地者行動を確定的な選択行動として表現する場剣も 上の数鴫酎ヒ問麓において,パラメータekが十分に大 きい場合に相当し,いわゆるエントロピ「項が無視でき る場合になる. ¢)均衡条件 モデルにおける均衡は,次のような条件式からなる連 立方程式の解として定義される. 立桝衡条件
exp(OAV(Yk ,R, ,eL (N),EL ,ak ))
∑exp(ekV(Yk ,R, ,e,I (N), E.. ,ak ))
′∈It for au t'efl,・・・,I)and for all k∈tl,・・・,K) (4) NAl = NwaA, for ou t'∈〈1,-,I) ad for all k ∈(1,-,K) (5) 建物市場の清耗射牛 - ∑N.,qbq(YT.,R"C,,E,,a.) 'Q(R.,P.,Zl,P) = 0 A(I∈Il)
Jor OLJ i∈(1,-,I) (∼
ただし, k(i ∈IA)は, iを要素として含む集合のラベル
kを意味する. 土地市場の清芹条件
Lf(p.,,W_,Y) - LL'(R,,P"Z,,A) = 0
/Dr all i∈11,・・・,I) LPd m∈il,・・・,M) (7)
市場の清算条附ま,各ゾーン毎に定義され,それらが同 時に満たされる状態として均衡が定義されるため,この モデルは,多市場同時均衡の概念に基づいていることに なる・なお, pmはベクトルであるが, 1:・はスカラであ ることに注意されたい. (4)均衡のPrograTTT由i =ty 均衡問産をそれに対応した数理勧酎ヒ間麓に変換して 解くことができるという性質をここでは蜘m血1秒 と呼ぶことにする.すなわち,均衡条件を表す方程:和不 等式)が数理最新ヒ問題の1時の条件と一致し,両者をそ れぞれ解いても同一の解が得られるという性質である. この性質は,交通切断レにおける蜘Ⅲ1の 定式化による数哩私財ヒ問題の解とW叫原理による 均衡解が一致するというよく知られた対応と同じであ る.この対応が均衡解の探索を効率化するという点で積 極的に活用されるのと同様に,土地利用モデルにおいて も有用である.多市場同時均衡の理論的フレームにおい ては,ある条件のもとでは,多市場同時均衡が社会的稔 余剰の最大化と等価であることNhrhn(1992),上田 (1992fl)が示されている.従って,ここで示した統一フ
レームのモデルの均衡もある条件のもとでは
PrtWの性質を有し,均衡解の探索にそれを活 用することが可能である. しかしながら, h喝mIIIInddib,の性質自体は,上に述 べたようにある条件のもとで満たされるものであり,そ の条榊も市場を介しない外部性が存在しないこと,す なわも, 1)立地余剰関数に直接に含まれる立地分布に依 存した要因が内生的に変化しないこと(e, (N) = 6, )であ り,また, 2)立地者毎に所得の限界効用が一定 (M(・) = MWk)と見なせることが必要である. (たと えば,直接軌弔関数がある財について線型に書ける(準線 型執用関数)場合など. )この場合には,以下のような形 式の稔余剰最大化問題により,立地配分と土地柄格・建 物床価格の均衡解が得られる. sw(E,e-,Z,肝,a・0・B,Y, -悪妻款・sm,Oh, ∫ 〟 ・ ∑2rD(R,,PE,ZL,A) ・ ∑7rL(pn,wH,r) L=l JRz 1 この教職酎ヒ開票の」噂の条件を求め,以下のような Rqyの恒等式,蜘血gの補藍,そして,ロジットモデ ルの満足度関数の性質を用いれば,求めた一階の条件は ゾーン別・タイフ別の立地者数も内生化した上で,土地 市場と建物市場における清算条件に一致する.- ∑N.,a(V..(・)-,Vu (・),C.;iね(rT. ,耳,ち,E,,a.)
I(J∈Ⅰ▲)
+ Q(尺,Pf,Z,,P) = 0
fo, all i∈〈1,-,I) (9)
L: (P.,,W"Y) - LD(R"P, ,Z,,A) = 0 /DT all i∈(1,・・・,Ii - (10) ただし,ここで,以下の性質を用いている. Rqyの恒等式 些坦--両面▲ ・q(Ri,i,,E,,a.) `訳. fbtdknsの補題 Q, =Q(R"P"Z,,A) = ゐD(RL, Pl,Z,,A) Lat, LF = LD(R,,P,,Z,,P) =-L: = Lf (p.,,,W..,Y) = あか(Ri,P,,ZL,P) a', ゐL (p." W.汁 ,γ) ai (ll) (12) (13) (14) 満足鹿轍の性質 ab-aV・・OA;L・,=篭だ (19 都市括動の相互連関が「層強くなり,また,都市環境の 改善保全が重要な政策課題として一層強く認識されて いる現在においては,外部性を内生化した分析は不可欠 である・この立場からは, prtwを活かすこと は断念せざるを得ないと一見思われるが,実は,外部性
を内生化したモデルの場合にも,依然として
榊の性質は解の探索に有用な場合もある.
外部性に関する変数として組み込んだ立地分布につい てはそれを一旦は固定した上で上記の問題を解き,その 解が一旦は固定した立地分布に収束して一致するまで このプロセスを繰り返すことにより均衡解を探索する という方法が可能である.このプロセスの中の子問題に おいて, n耶曲1秒淵ま有用である.無論,外 部性の性質によっては均衡解が存在しない場合や解が 一意でない場合もあり,さらにこのような解法の収束性 等についてもより詳細な検討が必要である.なお,この 方法の基本的考え方は,変分不等式の解法の一つ oQquanv(1994fZ)として提案されているのと同じであ る. 2.3各モデルにおけるゾーン設定の考察 各モデルの基本的構造の特徴はゾーンの設定に見る ことができ,また,それは土地利用モデルにおいて土地 供給における用途・供給量等に関する制的条件をどのよ うに想定するかという問題に関わってくる. ¶めk lは 各モデルにおけるゾーン設定を統合フレームのモデル におけるゾーンのラベルに対応させて整理したもので ある. K'MWm., HM., RURBAN-MODE.は同じ構 造のゾーン設定を行っていると解釈できる.これらの原 モデルでは土地属性を同じくする範囲をソーンとして いるが,統合フレームのモデルでは一つの二日物市 場が成立してそこで一つの土職建物床)価格が存在して いる範囲をゾーンとして定義している.これらのモデル は同じ属性を持った土地であっても立地者タイプ毎に 取り引きする際の土地価格が異なっているため,統合フ レームに対応させると,立他者タイプと土地所有者の組 み合わせ(k,a)毎にソーンが設定されていると見る ことができる. M地 伜(.ヨHネニ F覲 血ddZXXt血kxh H G、VD8ネヌ)'r bkxa始 友 ヌ UhiGdFlanxd r Ⅰk Ii KJvKm 亦メ イニメ之茶 テ 陳粐篦┫トメ鋳 Ik=((k,I),-,(k,〟)) 薄モメd槌メ陳粐篦┫ニメ鋳 M…巴. 俣ルi c ツメトメ Ik=(1,...,M) Fモメ メ HM. 亦メ イニメ b テ 陳粐篦┫トメ鋳 Ik=((k,I),...,(k,M)) Fづメc ニメ陳粐篦┫ニメ鋳 RURBAN収一 亦メ イニメ b ト鋳ツ粐篦┫トメ鋳 Ik=((k,1),...,(k,M)) Ii メc ニメ陳粐篦┫ニメ鋳i=m∈〈1,-,〟) Ik =(I,・・・,M)⊂〈1,・・.,叫 Im =(m) 従って,この考え方からは一つのゾーンは同じ土地属 性を有している土地の集まりではあるが,地上の物理的 に捉えられたある範既の地区と必ずしも対応せず,あく までもモデルに登場する経済主休にとっての選択肢と してしか意味を持たない.ただし,実際には同じ土地属 性を有する地区の中に異なるタイプの立地者が立地し ているという状況は表現される.すなわち, I. I ((1,m){・・,(K,m))となっているため, mというラ ベルの土地所有者は(k,m)というラベルで表されたゾ ーンの土地市場へ土地を供給している.原モデルにおけ るゾーンはⅠ.に含まれるラベルのゾーンを一つにまと めたものをソーンと取り扱っていると言える.これらの 3モデルの元来の意図は同じ属性を有する土地に異っ たタイプの立地者が立地しようとして立地競合が生じ ることを明示的に取り扱おうとしたものである.しかし, 原モデルでは同じ土地属性を有する土地に対して異な ったタイプの立地者は異なった価格で土地を需要して いるため,市場における一物一触の原則が成立していな い.そこで,統合フレームでは一つの土地価格が成立す る範囲をソーンの単位とするように設定している. MOM・hK)DtLとtJNITI収.は同じ土地属性を持 つソーンに対しては一つの土地価格が成立するように ソーンが設定されており,同じゾーンに異なったタイプ の立地者が混在している場合にはどのタイプの立地者 も同じ土地価格で土地を需要していることになる.従っ てこれらのモデルでは一物1両の原則が成立している. 2.4立地者行動に着目した各モデルの特徴の考察 立地者の行動モデルは大きくは蛸建物)の消章(生 動行動を反映する最速消費行動と立地選択行勤に分け られる.後者については榊島で取り上げたどのモデルも ついては,統合フレームでは最適消費(生動の結果達成 される間接効用(利潤)関数として一般化されているが, 各モデルの原モデルはその関数形を特定化したもの であり,また,土徴物消費量の可変性の扱いについ て相違が見られる.これの観点から各モデルの特徴を整 理したのが¶血k2である.
まず第-に間接効用関数の設定については,
MOM収.とRtJRBANJmRはコプ・ダグラス型 の効用関数を採用しており,効用は通常のミクロ経済学 における取り扱いと同様に無次元量で表されてる.それ に対して, K棚丑., HM一, tW-MODEL は間接劾用がそのまま貨幣タームで表される形式を採 用している.すなわち,これは間接効用関数が所得につ いて観劇耕痢関数が合成財について練物である場 合であり,このような形式の効用関数は準線形効用関数 と呼ばれる.このような関数のもとでは,消費者余剰が直接的に間接効用関数の一部になり,特に
tJNげⅠⅧ一では建物床サービスを消費することに よる消費者余剰がいくつかの項の線形和として表され る間接効用関数の中の一つの項となっている.準線形効 用関数を用いることの利点の一つは,それが直接に立地 者の余剰を表しているため,その変化をもって直ちに便 益とすることができることである.すなわち,等噺的偏 差や補償的偏差などの定義による便益に比べて計測が 容易である.もう-つの利点は,後述するような桝の性質が成立するために重要な役割を果
たすことである.これについては関連する節において詳 述する.次に,土地(建物)消費量の可変性についての各 モデルを比較する.土地消費量についてはKMODELと ⅠⅡX脚丑.では外生的に固定されており,個々の立 地者の行動から内生的に決定される構造にはなってい ない. ロジットモデルによる同一の形式を有している.前者に TdLde2 C叩血mofLeca血ndrzKdyIEm血血andhdyidLd dend血血 M凪 佇ニ F& 以ネネツ hxBvidLddemi OhdirEdtdibTCqTd) 佇ヌ( N G ネネコ U止血dFkanxdMの丑. 蒜$テユb 夢テ やニV「トV槌 イ q舷=q(Yk,RL,e..,Ei,ak) ●- 蒜"聒 " R$V鎚; イ鍔&イツ q.k=1H…皿. 庸"ユ R$R& イ鍔&" ヨ"粫ニ竊鋳 q.k=q-.A(=eXOgenOuS)
M雌. 蒜"モユ R$V鎚; イ鍔 カニ貮B箋 貳蝟イ カ ンxキV6( ヨニニイ qh-pkf
tW-MODa 庸"籐4墜R& イ剃ナ%Fヨ問 ニ ヨ'2 qik=a-叫
M棚., …乱は立地者の巌酎ヒ
行動から瑚撃関数が導出されている.しかし,それ らの4つのモデルは建物床面積の消費については明示的に扱っていない.土地消費面積を外生とする
KWDRとHM一ではそれと同時に各土地区 画の建物床面積を外生的に与えている解釈される. MM巳.とRtJRBJW-MWRは土地消費面積は 可変であるが,建物末面積はモデルでは明示的に扱われ ておらず,しかも,効用関数には直接的に土地消費面槍 が変数として取り込まれているため,土地面積に比例し て建物味面積が消費されていると解釈せざるを得ない. 従って, T血k 2でもそれらのモデルのオリジナルにお ける土地需要量はそのまま建物床面積への需要を表し ているものと解釈して整理している.このような想定が 採用されている理由として,第-に,土地利用モデルが 先駆的に開発されてきた欧米においては建物と土地が 一体的な不動産として取り引きされ,土地需要と建物宋 需要を分離してモデル化することに帝陸的な意義が乏 しかったと考えられる.第二に,我が国においては建物 床に関するデータが十分には整持されておらず,それを モデルで考慮することが「股には非常に困難であった と考えられる. Uhm-MWRだけは建物床市場を明示 的にモデル化しているため,立地者は建物味を需要し, 土地ま開発者によって需要されるとしている.立地者の 建物床に対する需要は立地者の効用最大1折手動と整合 的に定義されており,モデル内で内生的に決定される. 土地消費量の可変性を考慮することは長明的な分析 においては重要であり,また,都市郊外部での新規開発 が予想されるような地域での分析の場合には必要性が 高い.また,建物床消費量の可変性を考慮することは土 地の高度利用が促進されるような場合や容積率規制の 政策効果を分析する場合には必要である.特に,我が国 においては容積率の上限まで建物床が実現していない 地区が多く見られ,それらの高度化を促進するための 様々な施策の効果を分析する上で建物床を明示したモ デルを用いるべき場面は多いと考えられる. 2.5土地.建物供給行動に着目した各モデルの特徴 の考察K-MODfL, H以}MODEL, RtJRBJNA40DRでは
ランダム付け値理論によってある同一の属性を有した 土地が複数のタイプの立地者に対してそれぞれ供され る確率を定義している. 付け値関数は,各タイプの立地者が同一の属性を持つ 土地に対して提示する価格タームでの支払い意志額と して表現されたものであり,立地者の通好のみから導出 される.しかし,それだけでは立地均衡や土地市場にお ける裁定条件として完結しない.すなわち,土地所有者 が最も高い価格を提示した主体に対して,自ら有してい る土地をある種の最適化行動(土地供給により得られる 地f鵬村ヒ行動)にしたがって供給することにより 初めて最大付け値が実現される.しかし,付け値を関数 として表現する隙に立地者の効用関数の情報が用いら れるため,付け値理論そのものが立地者行動であるとの 誤解が生じてきた面が否めない.事実、これらのモデル 恥bk3 C叩騨血nofA辞噂血明地fq山 MOD】丑. キ'7 D 4y& U血Ft3n血MODEL 犯cヤナ2 ナrナ童鋳
K-MmR 版6#ヤカU ブ&"笏ニヨf & Fメ
∑exp(74!k,i) k'=1 HM. 版6"耿カU ブ&"カニ葢竰菷ヨgv Fメ ∑exp(PRk,.+lnN.,) k'=1 ●- 犯cヤツヨ ωW vV踟W2
RURBANⅧ一 版6"耿カU 免 "箒紋粐剃ニヤヲ & Fメ
∑exp(ylnRk.i+lnNt.)
lJNlrⅠⅧ一 犯cモ カW ぷ着 燃ヨ Bメ竰エ2停 綴テ「メ竰エテ「ヤ では,実現される最大付け値を土地所有者者の土地的拾 行動の結果であるとは明示的に位置づけてはいない.こ れに対して本稿では,結果として実現される最大付け値 が土地所有者の最適行動を反映したも句であることを 明示的に捉えるものとする.それによって,他のモデル と同様に統合フレームに含み得るものとする.これらの モデルにおいて採用されているランダム付け値理論は ロジットモデルによる土地供給行動に帰着している.そ こで,既に示した立地選択行動の巌酎ヒ間藍による定式 化と同様に,土地所有者の効用・利潤最大化行動として みたランダム付け値批念は以下のように定式化される.
叫,;.lB(RL ・ ZL ,(訓渦軒)]LH
s・t・ EL,=L" J∈L (16) ただし, KⅦ刃証.とHⅨ}MODI丑.では, B(R(I..) , Z.. ) = R(A,.) + hNq (17カ オリジナルのRU陀仏M粧しでは, B(R(I_),Z(.I)) ≡ lnR(I.-) + ln N., (17・b) しかし,利潤関数と整合的に供給関数が定義されるため, すなわち,可積分条件が満たされるためには, M粧し や帆と同u(17.a)の形式でなければならない. M…乱では土地供給量がゾーン別に外生的に与 えられており,土地所有者の行動は明示的には取り扱わ れていない.ただし, MOM-MODZLでは資産選択行動 に着目した土地供給行動のモデル化が試みられており, それをMOM-MmⅢ一に組み込むことが意図されていた かも知れない. UNl汀雌一は土地供給は立地者に対して行われ るのではなく,建物床を供給する開発者に対して行われ るという想定になっている.これについては次に説明し ていくが, uN汀Ⅰ胤は適当に区切られた期間毎に 静野匂衝が成立するとして,土地供給のメカニズムは前 期までに供給された土地に加えて今期に残存する供給 可能面積の一部が新規に供給されるという構造になっ ている.残存している土地を今期は供給しないで留保す ることと,今期の新規供給にあてることの間の選択を2 項選択ロジットモデルで表現している.そして,残存土 地両横が減少していくにつれて,前期までの供給分と今 期の供給分を合わせた土地供給量が利用可能面取初期 の残存土地面硬挿こ近づき,土地供給量が非弾力的になっ ていくように定式化されている.以上のような各モデル における土地供給関数はT鵬k 3のようにまとめられ る. 建物床の機軸こついては, tJNIⅦ.以外のモ デルでは考慮されてないため,それらのモデルでは建物 床供給量は土地供給面積に比例していると暗黙に仮定 されていると解釈される.従って,それらのモデルに仮 に開発者が導入されて土地投入量に比例して建物床を 供給していると鰍すれば, Tabk 4のような開発者の 建物床供給と土地(要鞄需要関数が想定されていると見 なすことができる. Tdbk4廟血gvFdy血血汀aZdddfwkd M皿一 vw' 諸 ネニ AggrqpderEd血kdUhiBdFtamed MODEL ツ耻 「ナ"簀「% LF=LD(尽,I:.,Z.,P)
Ⅹ収一 ツ耿テ 粭ツツ LF=hiL,. (hiis坤10也dlt) 中 沫8ンxネヌDE FヌB HM. 屯トi4 L?=h,L.. (A,.is甲由丘ctoeacht) 中や譌7 6亶V6"ヨニツ竰 MOM収一 屯テ 板粐 L?=hiLi (hiis申∝盛cb血llt) 中 沫9 ノu(ネヌF ネトツ
R]mJuWR
ツ耿テ
や萃粐
L?=hiL.
(hiis甲∝i丘cb∝llL) 中や譌9 ネ ヘニ6' Fツ竰 UNlⅧL 粤ユ 靂G 、ァ ヤ LF=P.P2呼I:一針l Ubm-MDDRの建物床供給は開発者が土地と資本 を投入して利潤最大化行動に基づいて建物床を生産し て供給しているものとしてモデル化されている.この行 動は通常のミクロ経済学における生産・供給行動をその まま採用しており,特段にそれ以上の工夫がなされてい る訳ではないため,これ以上の説明は行わない. 以上のような考え方に従って,各モデルの建物床の供 給関数と土地需要関数はTdbk4のように整理される. 2.6均衡条件とprqpnynabl'rbに着目した各モデル の特徴の考察 (1)均衡条件と付け値概念 本稿の統合フレームでは,土地市場・建物床市場はゾ ーン毎に需給均衡が成立しており,多市場同時均衡の構 造になっている.それら以外の財・要素についての均衡 は考慮していないため,ミクロ経済学における通常の一 般均衡モデルとは異なり,いわゆるワルラス法則拙乱立 していない.しかし,複数の連関した競争的な市場が 同時に均衡しているという意味ではワルラス均衡と類 似の構造をしていると言える. MMELとtWLMODRはこの構造を明示的 に採用しているが,それら以外のモデルは蛸建物の 需給均衡をモデル化するに当たって付け値概念を採用 しているため,新都市経済学におけるアロンソ型の均衡 概念に基づいている一と考えられる.しかし,付け値概念 を用いることは確定的均衡の場合に解析的に均衡解を 求める際には有効であるが,ランダム付け値理論ではそ の長所は「股には発拝されない. MOD】証. 匪&貶、 蒭ネネィR U血触和血 .- Hエリ橙 vイやツト6イツ韶V脾 ネネ簀「% ツ霽ニ萃 なカな< ツ 敦ネx 敦ツ
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・真poQp-A.餌L-i-机(i)h(e-,.exp(灯.,).粥:)]
既に示したように,ランダム付け値確論を用いた土地 需給均衡は統合フレームの多市場同時均衡の構造の中 に取り込むことができる. (2)ランダム効用とランダム付け値の両者を同時に用い たモデルの問題点について ランダム効用理論とランダム付け値理論を同時に採 用しようとするHM.とRtJRBjN-MCDfLの着 想は,立地者側の不確難と土地所有者軌の不確実性の 両方をモデルに反映させようとするものであると解釈 できる.経済均衡モデルの「股的な立場として,需要者 と供給者はそれぞれ独立の行動規範に従って行動し,そ れが集計需要・供給に反映されて市場価格を通してそれ ぞれの行動にフィードバックされるという構造になっ ている.しかし,それらの2モデルでは立地者の効用関 数をランダム効用理論で用いながら,ランダム付け値理 論において再度その効用関数の情報を用いて付け値関 数を導出して用いている点で,需要者行動と供給者行動 の両方に同じ効用関数を反映させている.需要者と供給 者が独立の経済行動主体であると見なせない.従って, それらのモデルでは通常の経済均衡モデルから見た場 合に,それと同じ意味での均衡概念を用いているのか, あるいはそれ以外のどのような均衡概念を用いている のか,判然としていない. ランダム効用とランダム付け値の両者を同時に用い たモデルの問題点については,本稿の付録においてその 間悪点の一つを示しておく. (3) ProgramTdi =tyから見た各モデJ欄の考察 PtDgranEtdhhbrの性質が持つ有用性は既に説明した 通りであるが,各モデルのオリジナルにおいては,KA肌, HⅨ}MODI証., U…乱はそれが険
討されているが,他のモデルでは行われていない. 榊についての捉え方は各モデルで幾分異な っており, KJvKlt)fLではエントロピーモデルタイプの 最適化間麓からロジットタイプのランダム付け値理論 による立地配分が導出されている. HM.では ランダム効用理論とランダム付け値理論を一つの二重 制約型のエントロピーモデルに練合し,それを最適化閉 塞として解いている.また,宮城・小川(1%5)で示され た共役性理論を用いてそれと等価な別の形式の最適化 問麓も導出している. UZQrr-MDDtLはvadan(1992)に 示されている社会的稔余剰の最大化間麓と多市場同時 均衡の等価性に着目して,それにロジットモデルのログ サム関数の特性を組み合わせて,立地選択を含む多市場 同時均衡問題を社会的余剰の最大化問題として定式化 している.これ古城こ上田(1992)で示されたものを土地 利用モデルとして書き改めたものである. ランダム効用理論とランダム付け値理論の両方を同 時用いたモデルには既に述べたような問題点があるた め,それらのモデルを本稿の統合フレームと整合するよ うに解釈した上で,各モデルに対応する最適化問麓を T血k5にまとめてある. 2.7おわりに 本稿では,わが国において近年開発されてきた土地利 用モデルを取り上げ,それらを包含する統合フレームを 示し,その特定化された形式として取り上げた各モデル を位置づげ,それを通じて各モデルの特徴を明らかにし た.しかしながら,実際の土地利用分析の作業において, どのモデルを用いるのが適当であるかは,言うまでもな く,その分析の意図,適用地域の特性,データ利用の可 能性,作業労力等を勘案して決められるべきである.場 合によっては,本稿で示した統合フレームの範囲内であ れば,例えば,あるモデルの立地断レと別のモ デルの土地所有者の土地供給行動モデルを組み合わせ て新たなモデルとして組み立てることが可能であり,言 い換えれば,モデルをワンセットで選ぶだけでなく,パ ーツ毎に選んで組み合わせて適用するという方法が実 現しうる.そのような賂創ここそ,個々に選んだパーツ の組み合わせが,理論的に整合しうることを保証する基 礎として,本稿で示した鎗合フレームが意義をもつもの と考えている. 本稿で取り上げた土地利用モデルが統合フレームに 包含されるということは,逆に,統合フレームとして示 したモデルの問題点・限界がそのまま各モデルに共通す るそれらであると言える.同時にそれらは今後のわが国 における土地利用モデル研究の方向を意味するものTt・ もあるので,ここで若干ふれておく.まず,第-は,動 学化の方向である.本稿で取り上げたモデルも,将来の 複数時点に通用し,それぞれの時点において静学均衡が 成立しているとすれば,その解を追跡することで土地利 用変化を見かけ上は動的に分析することができる.また, 海外で開発されたものも含めて土地利用モデルにはタ イムラグを先験的に入れて動学モデルとしているもの
もある.しかし,それらの方向は経済主休の行動モデル, あるいはミクロ経済学的基礎が明示的に動学化されて いないという意味で問題がある.そのため,モデルに登 場する経済主体がある時間視野のもとで最適行動を行 うことを明示的8こ取り扱う必要がある.第二には,均衡 概念そのものの間寵であり,不均衡現象の表現を行うこ とである.勅封ヒと関連して,立地変更や土地区画変更 に伴う調整費用を明示するなどして不均衡現象の生じ る原因をモデルに導入して,それによる現象再雛のテ ストを積み重ねる必要がある.これらの2点は,取り組 むのが極めて困難な課麗であるが,土地利用モデルのド ラスティックな発展を目指す限りは避けられない課麓 である. 本稿での各モデルに対する解釈は,言うまでもなく, 筆者単独の理解に基づくものである.従って,それらの 解釈に理論的な誤りや喜期牢が含まれているとすれば,そ れは全て筆者が責を負う.その意味で,現在あるいは今 後において土地利用モデルの開発に携わる研究者,ある いは同様の理論的な基盤を有する交通モデルの研究者 から,幅広く本稿に対してご批判を湧き,本研究のフレ ームのさらなる改良に結びつけることができればと考 えている.とりわけ,ここで取り上げた各モデルの開発 者から誌上あるいは学会等の場で直接にご批判頂けれ ば筆者にとって今後の研究を進める上で何よりの刺激 である. ここで取り上げた各モデルにおいて,関連する他のモ デルとの相互関係についての議論が十分でなかったと 見る筆者の立場からは,共通の理論的基盤を模索するこ とこそ最塾要課藍であることを再度強調しておきたい. 本稿で示したフレームが一つのたたき台となっていれ ば幸いである. 付録 RlJRABNAWRにおいてランダム効用理論とランダ ム付け値理論を同時に用いることの問畏点 通常の効用最大化問題は次のように定式化される.
V(RA.,YA - TA"Q"q▲) ≡ ZZK y(zA"qA.,Q,,qA) (Al.a) Z.q
S・LI ZA. +RA,qJ. =Yk -TA, (Al.b)
ここで, V(・) :闇妾効用関数 u(I) :直接効用関数 r :所得 Z :合成財消費量 q :土地消費量 R :土地地代 T :交通費用 q :立地者の選好を表すパラメータ Q :環境水準ベクトル k :立地者のタイプを表すラJVレ J :ソーンを表すラベル 効用最大化問題から汝のような需要関数が導出される. q.. = qy(R,.,Y. - TT..,a,U.)
ZA. =Z(礼,Y* - TA"QA.,qA)
都市経済学において伝統的に用いられる付け値関数は 次のように定義される.
BA, = B(㌔,YA -TA"Q,,qA)
= max (Yr T.rz..)/q.. J.7 S・t・ u(Z山,q山,Q,,qA) =VA, この最適化問題から付け値関数と整合的な土地需要関 数が同時に導出される. q.. = qB (V."Yr T..,Q,,q.) = qv(Bh.,Y. - T."Q,,q.) (A4) 朝粥亨経済学における確定論的均衡では,どの立地断こ おいても.どの立地者タイプにおいても,付け値が各立 地場所毎の土地市場の均衡価格に一致しており,
BAi = RA, (A5)
このとき,実現している土地需要を効用最大化から得ら れる需要関数(A2.a)で考えても,付け値島村ヒから得ら れる需要昭恥は)で考えても両者は一致する.
q.・ I qv(礼,Y. l T..,a,a.)
= qv(ち,ri - TT.i,Q,,U.) (A6)
効用関数と付け値関数については次の関係が成り立つ.
VA. = V(RA"YA - TA,,Q"qk)
BA, - B仇,Y- -TA"Q,,U.)
(A7.a) (A7.b) そして,確定論的な均衡の定義として, V..=V.=maxtnl,・・・,Vp) fw N.,>0 (6.a) R..-R. =maDt(RL,,・・・,R.(,) /0, Lb >0 (6.a) このとき,以下が成り立つ.
V., =V(Rぉ,Y. -T."Qi,q▲) =V(Rと,Y. -T..,Q,,q▲) ≡ V.
a., = B(吃,Y. - T..,Q,,U.) = B爪,Y. -T."Q,,q▲) -RL
土地需要について,実現している土地需要を効用最大化 から得られる需要恥.a)で考えても,付け値最大化 から得られる需要恥)で考えても両者は-致する.
qぉ-qJ仇,Y-一㍍,a,q-) -qv(Bh,Y-一花・Q,・q-) (A6)
= qy(R..,Y. - T."負,q.) - qv(尽,Y.一㍍,a,U.) 一方, RURZLANWRでは,その想定している均衡に おいて摘;市経済学における確定的均衡との関係で見て どのような均衡晩念であるかは判然としないカう,立地場 所(ソーンi )に立地している任意の立地者(タイプk )杏 取り上げたとき,その効用関数に入る土地市場均衡価格 はログサム関数で次のように定義されている. R>(i)lm(是expp-,) ・AS, 榊ナ値関数に入る立地者の均衡効用水準も,ログサム関 数で次のように定義されている. V:=(i)lm(吉exp(avb・,) (A9, このとき, RtJRBAN-MCDtLでは,ゾーンt'に立地して いるタイプkの立地者の効用水準とその付け値はそれ ぞれ以下のように定義されている. V.. = V(R:,Y. - T.i,Q,,q.) (AIO.a) B.. = B(吋,Y. - T..,Q,,U.) (A10.b) しかし, 「股に以下のような関係が成立する.
V., = V(R,',Y. -TH,Q,,U.) ≠V(Rぉ,Y. -T."Q,,q.)
BH = B(吋,yT. I T..,Q,,q.) ≠ B(吃,Y. -ち,Q,,q.)
さらに,土地需要についても,
qB(吋,Y. -T..,QJ,q.) ≠qv(R,',Y. -T."Q"U.)
従って,RtJRZIJNWDRでは効用最大化から導出され る土地需要行動と付け値最大化から導出される土地需 要行動が一般には整合していない. RURJ3JM_MOOR では,効用関数とランダム付け値関数のパラメータの間 の関係を規定する条件が土地需給が恒等的に一致する ために導出されるとしている.しかし,その条件のもと で土地需給が一致するための数学的な展開は示されて いないため,その条件がどの程度一般性を持っているか は判析できない.また,仮にその条件が成立するとして ち,需要者と供給者という本来は独立した経済主体に対 してそれらの逮好に依存したパラメータにモデルで先 験的に条件を課すことの意味は慎重に検討されなけれ ばならない.さらに,恒等的に需給が十致するための条 件であるとすれば,価格メカニズムによって需給が一致 するという市場モデルの特性に根本的に抵触する可能 性がある.この点に関する理論的な不明さは是非とも解′ 消されなければならない. 参考文献 l)中村英夫林良観官本和明:広域酢市圏土断り用交通分 析システム,土欄文集No.335, pp. 141-152, 1983.
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