開脚跳び越しにおける特性不安,状態不安の解消
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(2) 目次. 第1章 緒言一一一一一一一…一一一一一一…一一一一一一一一一一…一一一一一一”’一嚇 1 第2章 開脚跳びにおける状態不安の解消 第1節 目的一一一一一一一……一一一一…一一一。一一一。一一…一一一…一一 6. 第2節方法一一一一…一一一一…一一一一一一…一一一一一一一一一…一一一…一 6 第3節 結果一一一一一…一一一一一一一一一一一一一一…一一一一一一一一一一一一一10. 第4節 考察晒一一…一………一一一一一一一…一一…一一一一一一一一一一一一一15. 第5節 要約一一…一一…一一一一一一一一一…………一一一…一一一一一一一16. 第3章 開脚跳びにおける特性不安の解消 第1節 目的一…一一一…一一一一一一一一一一一一…一一一一…一一一…一一17. 第2節 方法 第1項 特性不安の具体的対象の測定一一一一一一一一…一一一一一一一…一一17. 第2項特性不安の解消一一…一一一一一…一一一…一一一…一一一一…一一20. 第3節 結果 第1項特性不安の具体的対象の測定結果一一……一一…一一一……一・…一一24 第2項特性不安の解消結果 一一一一一一…一一一…岬一一一一…一一一…一一。一・30. 第4節 考察 第1項Uさん,0さんに自己効力感が高まり,状態不安が低下した部分が見られ たことについての考察一…一一一…一一一…。…一一…一一一…一。一43. 第2項 Uさんの跳び越したにも関わらず,自己効力感が高まらなかったことに ついての考察一…一…一一……一一一一一一…………一一一…一”’−一43. 第3項0さんの特性不安が低下したことについての考察一………一…一一44 第5節要約一一一一一一…一’”一一一一’“”’””””””昌”一””””””一”045. 第4章 総括……………一一”一一一……一一一…一一一一…一一一””…一’”’46. 第5章 今後の課題一一一一一…一一一一一一一一一一……一一一一一一一一一一’”一49.
(3) 引用・参考文献. 謝辞. 資料.
(4) 第1章緒言 今日の子どもたちの教育に関わる状況には,受験戦争の過熱化,いじめや不登校の問題,. 学校外での社会体験の不足など,豊かな人間性を育むうえで阻害要因となるさまざまな問. 題が存在する。体育科学習においても,体力の低下や好き・嫌いの二極化などの問題があ る.このような状況を少しでも改善するため,文部省(現文部科学省)17)は,平成10年. 12月14目に小学校指導要領の全面的な改訂を行った.その中で体育科の目標は,「心と体 を一体としてとらえ,適切な運動の経験と健康・安全にっいての理解を通して,運動に親 しむ資質や能力を育てるとともに,健康の保持増進と体力の向上を図り,楽しく明るい生 活を営む態度を育てる.」とされた.この目標は,現在及び将来ともに楽しく明るい生活を. 営むための基礎作りとして,生涯にわたって運動やスポーツを豊かに実践するための資質 や能力を育て,健康で安全な生活を営む実践力及びたくましい心身を育てることを目指し ている.. この目標を達成するための具体目標として,運動を好きにさせることや楽しいと感じさ せることを目標とする情意的目標,運動を出来るようにさせることを目標とする技能的目. 標,運動について理解させることを目標とする認識的目標,ルールやマナーを守らせるこ とを目標とする社会的目標があり,その中でも情意目標を他の三つの上位目標として設定 している.しかし現在,情意目標を達成されていなくて運動が嫌いであるという子どもは. 少なくない.その原因には,技能的目標や認識的目標,社会的目標の未達成などがあると 考える.その中でも技能的目標の未達成が運動嫌いを作っている大きな原因の一つである. 波多野ら8)は,「学習性無力感の理論を提起し,その中で,運動で努力しても少しも上達し. ないとか,一生懸命やってもいっも負けてばかりいるなどの経験を繰り返していると『い くらやってもだめなんだ』という意図・行動とその結果についての非随伴性の認知が成立 し,運動嫌いになる」と述べていた.また,高橋33)は,「体育科授業を通して運動の技能. 的達成(身体自由の拡大〉などの欲求が実現されたとき,当然運動の楽しさや喜びが獲得 できる.しかし,逆に努力しても一向に技能が獲得されなければっいには運動の回避性を 高め,体育嫌いを生み出すことになる.」また,「最低限の技能の獲得や個人の能力に応じ た向上が保障されなければならない.」と述べていた.これらのことは,情意目標を達成さ. せるためには,子どもに「できた」という達成感,いわゆる技能的目標を達成させる必要 性があることを示唆している。. 1.
(5) しかし,実際の運動場面で技能的目標を達成することは難しい.なぜなら,それには,. 不安・恐怖などの心理的要因,技能や体力の不足,予想外の出来事,体調の善し悪しなど の様々な要因が絡み合っているからである.心理的要因に限定してみても不安,恐怖,緊. 張,自己効力感の無さ,意欲の無さなど様々な要因がある.中でも,技能的目標を達成で きない原因の一っとして,不安,または自己効力感の無さを挙げることができる.これら. のことが原因で技能的目標を達成できないことは,子どもや初心者,一流の選手など運動 を行う多くの者において見られることであった。しかし,特に,子どもや初心者に対して. 不安を解消したり自己効力感を高めたりして,技能的目標を達成させることは,情意目標 を達成させ,行動を活動的・積極的にさせるとともにこれから生涯を通して運動に親しむ ことにっなげることが期待できることから重要なことである.. 心理的要因の一例として取り挙げた不安と自己効力感の関係については,竹中ら35)が,. 「状態不安の改善度は身体的自己効力感と高い相関を示し,ストレス低減などの心理的効 果を期待するなら,自己効力感を高める工夫が必要である.」と述べていたように,自己効 力感を高めることで状態不安が低下するという関係があると考える.. また,不安,自己効力感と技能的目標の達成との関係については,杉原28)は,不安とパ フォーマンスの関係を,「不安は高すぎても低すぎても実力の発揮に障害となる.その中間 に行動の効率を良くする最適なレベルが存在している.」,また,シンガー21)は,「高すぎる. 不安は,パフォーマンスを妨害する.」とし,さらに,徳永ら38)は「自信がある人の行動. として,プレーに集中できる,プレッシャー場面でも平静でいられる,実力発揮を可能に. する」と述べている.これらはいずれも不安と自己効力感と技能的目標の達成が密接な関 係があることを示唆している.. 本研究で取り扱う不安と自己効力感は次のように捉えている.. 霜山25)は,r不安とは,自己存在を脅かす可能性のある破局や危険を漠然と予想するこ とに伴う不快な気分である.恐怖とは漢然とした不安が何かに焦点化され,対象が明らか になったもの」と定義していた.さらに,スピルバーガー26)は自ら提唱した状態・特性不安. 理論の中で,不安を状態不安と特性不安に分類し,状態不安とは,「特定の状況で生起する 不安で一次的なもので時問と共に変化する情動状態である.」特性不安とは,「パーソナリ. ティー特性としての不安で長期にわたって安定した傾性ともいうべきもので,不安への陥 りやすさのような個人差を意味している.」と述べていた注1).そこで,本研究では,技能. 的目標を達成できない要因をより正確に捉えるためにスピルバーガーの理論に基づいて不. 2.
(6) 安を状態不安と特性不安に分類し,扱うこととした.さらに,不安と恐怖を区別せず対象 が明らかになっているものも不安として取り扱うこととした.自己効力感にっいては,バ ンデューラ1)が「ある結果を生み出すために必要な行動をどの程度うまく行うことができ. るかという個人の確信,すなわちある行動を起こす前に個人が感じる自己遂行可能感であ る.」と述べていた.また,岡澤ら20)は運動有能感にっいて,「運動に対する有能感は,自. 分は運動が上手にできるという自信である」と述べていて,これは,運動,行動をうまく できるという自信であることから,自己効力感と同じ意味であると解釈できる.そこで,. 本研究では,自己効力感と有能感を同義語として扱い,バンデューラ,岡澤らの提言と同 様の意味で扱うこととした注2).. さて,事例として,器械運動の学習に目を向けてみる.器械運動には他の運動には無い空. 中での動きや物に対して自分の体を操作するという構造的特性を持っている。また,器械 運動は自分自身で技能の進歩を捉えにくく,「できる」「できない」がよりはっきりする運. 動であり,好き・嫌いの二極化を作り出す可能性を含み持った運動でもあると考える.器 械運動の中でも,特に,跳び箱運動の開脚跳びができなくて跳び箱運動あるいは器械運動 が嫌いという子どもが多い.. それでは,なぜ,開脚跳びができないのであろうか.それは,開脚跳びができるという. 技能的目標の達成にも,不安・恐怖などの心理的要因,予想外の出来事,体調の善し悪し など様々な要因が絡み合っているからである.心理的要因に限定してみてもその中には,. 不安,恐怖,緊張,自己効力感の無さ,意欲の無さなど様々な要因がある.中でも,斉藤 22)が,r跳び箱運動の場合,技術的,体力的な運動差だけでなく,不安感や恐怖心から持て. る力を出し切れない」と述べていたように,跳び箱運動における技能的目標の達成ができ ない主な原因として不安・恐怖を挙げることができる.. そこで現在,教育現場で行われている,開脚跳びをできるようにする方法として,小久 保氏の段階指導(以後,小久保式とする),向山氏の体重移動を中心とした指導などを挙げ. ることができる.これらの指導によって,多くの子どもたちが開脚跳びをできるようにな り,大きな成果をあげている.. これらの指導によって開脚跳びができるようになったのは,おそらく状態不安が解消さ. れたことによるものであり,小久保式では,成功感が自己効力感を高め,状態不安を解消 したと考える.バンデューラ1)は,成功体験と自己効力感の関係について,r自己効力感を. 高めるためには,自分で実際に成功体験を持つことである」と述べていた.状態不安の解. 3.
(7) 消法として,他に,イメージトレーニングや自律訓練法,動作法などを挙げることができ る.しかし,イメージトレーニングや自律訓練法は,教師と子どもの両者に対してそれら. の方法を行うための技能と時間が必要であり,時間が限られている教育現場で多くの子ど もに対してそれらを行うことは効率的ではない.その反面,自己効力感を高める方法は,. その点でより効率的かつ実践的である.さらに,自己効力感を高めることは,その対象だ けにとどまらず、他の対象にも良い影響を与えると考える.しかし,小久保式でもまだ跳 べない者がいる.. その原因として,跳び越せない者が特性不安を感じており,その不安の解消がなされて いないことを考える.しかし,特性不安の解消に関する研究はほとんど成されていなく,. 検索した限りでは見当たらなかった.この原因として,特性不安の解消は,個々に対して 臨床的に取り扱わなければならないことから,一斉授業の中で取り扱いにくいこと,さら に特性不安の解消には長い時問を要することから,研究対象として取り扱いにくかったと. 考える.しかし,この問題をこのままにしてくと,技能的目標を達成できないまま放って. おくことになり,運動に参加しない子どもを作ることになる。これは,体育科の目標であ る生涯を通してスポーツを行う資質や能力を育てることを達成できなくさせることにっな がる.このような問題は,跳び箱運動だけに限らず他の多くの運動においても起こりうる.. そこで,特性不安の低下,解消に着目し,個々の事例に関する研究を行うことは,技能的 目標を達成できなくて取り残されている子どもたちを救うことにっながり,教育現場にと って急務であると考える.. 特性不安とは,過去に恥ずかしい体験や痛い体験など苦痛体験によって感じた嫌な思い が現在の物の見方や考え方,扱い方に影響を与える不安でありトラウマのようなものであ る.また,特性不安の対象には,苦痛体験を何回か繰り返したことによってなったものと 一回の強烈な体験によってなったものがあり,それらは短期間で解消されるものではない。. トラウマについては,久留9)が「トラウマとは,事件,事故,災害などを体験した際の 重い心の傷,またそれ以降その人の生活に影響を与え続けている体験そのものである.」と. 述べている.また,小林16)は,いじめによってそれ以降,人と接することを恐れるように. なり,不登校になった子どもへの援助の方法について述べていて,その際,いじめ体験を トラウマという言葉で表現していないが,その体験がそれ以降その人の生活に影響を与え ている体験であるという点から,久留が言うところのトラウマであると言える.そして,. 小林は,この不登校児のトラウマの解消法として,不安や緊張を下げる反応を獲得させな. 4.
(8) がら,不安や緊張の低い場面から安心感を味わうことを繰り返す.そして,不安や緊張が 下がってきたらより困難な場面に進む方法である「現実脱感作法』を挙げている.具体的 には,まず家庭の中で人と接することに安心感を持たせる,次は適応指導教室の中,次は. 保健室の中,最後はクラスの中でというように,各段階の中で安心して他者と付き合う体 験を重ねていくことによる解消法である。. また,田上36)は,友達に認められなかったことから不登校になった子どもに対する援助. 方法について述べていて,その中で,この不登校児のトラウマの解消法として,対人関係 ゲームを行う方法を取り上げている.これは,人と関わるときの不安や緊張を緩和する.. そして,不安の少ない関わり行動から段階的に不安を克服し,関わりを深めるようにする 方法である.. これらのトラウマ解消法は共通して,人と接することに対して繰り返し安心感を持たせ ていくことで解消する方法,つまり,各段階における人と接することに対する状態不安を 繰り返し解消することで解消する方法であると解釈できる.各段階における状態不安は, 権丈6)が指摘しているように自己効力感を高めることで解消できる.. 以上のことから,特性不安の解消は,自己効力感を高め,状態不安を繰り返し解消する ことで可能であると考える.そして,一回の強烈な苦痛体験を対象とする特性不安は,そ. の対象に対する状態不安を解消することによってより大きく低下し,何回か繰り返した苦. 痛体験を対象とする特性不安は,色々な対象に対する状態不安を繰り返し解消することに よって特性不安は低下,解消すると考える.. そこで,本研究では,状態不安の対象に状態不安を感じさせやすく,目標の達成・未達 成が捉えやすいとともに子どもたちが意欲的に取り組むと考える跳び箱運動を用いて,特 性不安と状態不安の解消過程を自己効力感との関係から事例的に明らかにすることを目的 とした.. 具体目標として,次のように設定した,. 1,開脚跳びにおける「不安定な着地」に対する状態不安を自己効力感を高めることにより 解消すること.. 2.特性不安を強く感じていると判定した2名,UさんとOさんの特性不安の具体的対象を 明らかにし,その特性不安を状態不安を解消することで解消することを目的とした.. 本研究によって得られた結果は,今までの開脚跳びによる指導で跳べなかった者を跳ば せる指導のための基礎的資料を提供するものと考える.. 5.
(9) 第2章 開脚跳びにおける状態不安の解消. 第1節 目的. 開脚跳びにおける「不安定な着地」に対する状態不安を自己効力感を高めることにより 解消することを目的とした.. 第2節方法 1.状態不安を感じさせている運動局面の測定 (1)対象及び実施時期. 平成16年6月に開脚跳びができない学生10名を対象に実施した. (2)測定内容・方法. ①状態不安,特性不安の測定 STAI調査を用い, 開脚跳びを一度行わせた後すぐに実施した.. ②状態不安を感じさせている運動局面の測定. 先行研究,指導者の助言,開脚跳びができない者の意見などから開脚跳び時に感じ. る状態不安にっいて導き出した18項目を助走,踏み切り,着手,着地の4つの局面 ごとに分けて設定し,各質問項目については,リッカート法による4段階の回答肢を. 設定し,その中からあてはまる番号を一つ選択することを求めた.STAI調査後すぐ. に行った.さらに,面接調査と運動結果を記録するためのVTR撮影を用いた.表1 に作成した調査用紙を示した. (3)分析方法. ①状態不安,特性不安の測定 判定は,STAI調査の評価段階基準を用い,「高いj又は「非常に高い」に位置づけ られた者を状態不安が高い,特性不安が高いと判定した.そして,特性不安が低くて. 状態不安が高い者を状態不安を強く感じている者,特性不安が高くて状態不安が高い. 者を特性不安を強く感じている者とした.表2にSTAI調査の女性の評価段階基準を. 示した.資料1にはSTAI調査用紙を示した. ②状態不安を感じさせている運動局面の測定. 4段階の回答に対して,それぞれ次のように得点を与えた.そして,3点又は4点 を選択していた項目内容を,不安を感じている対象と判定した.. 6.
(10) 全く不安と感じない…一…………・………・・………・・一1点. どちらかといえば不安と感じない ……………・一・・2点 どちらかといえば不安と感じる ・……・…………・…3点 とても不安と感じる………・………・・一………………嘲…4点. 調査用紙の中で分類した跳び箱運動の4つの局面の中で,踏み切り局面の中の項目の どれかに不安を感じていたならば,それは「不安定な踏み切り」に対する不安とした. また,着手局面の中の項目のどれかに不安を感じていたならば,それは「不安定な着手」. に対する不安とした.着地局面の中の項目のどれかに不安を感じていたならば,それは. 「不安定な着地」に対する不安とした.そして,その結果と面接調査,VTR撮影の内容 を総合して状態不安を感じさせている運動局面の判定を行った.. 7.
(11) 表1作成した調査用紙 調査日 平成 年 月 日( ) 氏名(. 所属コース(. ). ( )回生. ). 男 ・ 女. 1)から18)には,開脚跳びを行う時に感じると思われる不安について書いています.それぞれの 項目についてどの程度不安を感じますかあてはまる【1・2・3・4】内の数字にOをつけて下さい. 【1・2・3・4】の数字は,次のような意味を表します.. 叙不安と盛鍵ときには一……・…・……………・・……1 どちらかといえば不安と感じないときには”……’…’。’2 どちらかといえば不安と感じるときには……一……・・一…3. とても不安と盛皿ゑときには……一一・・……………………4. 1)失敗して笑われること…………・……・・…………一…・・………一……・一__.___。___、_【1・2・3・4】. 聖. 2)以前と同じ失敗をして,痛い思いをすること……………・…・・……………・…・………【1■2・3・4】. 3)今の練習内容や方法が理解できないこと一・…………一…・………一………・一・一…【1・2・3・4】 4)適切な助走スピードがわからないこと……………一・・…・…・……………・…一……【1・2■3・4】. 踏み切り. 5)踏み切った後,ふわっと跳び上がり,空中で態勢が崩れてしまうこと…………【1・2・3・4】 6)どのくらいの強さで踏み切ればいいのかわからないこと・………………・・…………【1・2・3・4】 7)踏み切った時F跳び箱にぶつかること……………一・…・…・…………・一……・………【182■3・4】 8)踏み切った時,手と脚の両方が地面から離れること…一…・…一一・…・……一…【1・2・3・4】 9)跳び箱に手を着くタイミングがわからないこと一一…………・…一…………・……【1・2・3・4】. 10)着手の時,前のめりになること……一………9…・………一…・…一…………・一…【1・2・3・4】. 着手. 11)着手の時,両腕で体を支えられないこと一………一・…………・……・・……………【1・2・3・4】 12)着手の時,両腕で突き放しができないこと…………一……・…一……・……一・…一一【1■2・3巳4】. 13)手を着く位置がみえないこと………一……・…一一…一・σge………………σ……一{1・2■384】 14)脚を跳び箱にぶつけること一………一…・………一………・一……………・………… 1・2・3・4 15)尻をぶつけること ……・……・……・………………一・………一………・…一一…・一【1■2・3巳4】. 着16)顔から落ちること………・………唇一…・…………・……一………….___…__一。一_【1.2。3、4】 地17)着地点が見えないこと……・…………・一…・…一………・…………一…・・…一・…………【1■2・3・4】 18)マットカ個くて痛いこと……・…………・・…………・一…一……一…………・・…………一【1・2・3・4】. ◎その他に跳び箱運動(開脚跳び)を行う時に,怖さを感じることがあれば書いて下さい. 19) ( )一………・…・・………。………。9…………… 【1■2・3■4】 20)( )…一”””一。●o。”●’”””””’●■”●””D”●。●●”””’【1■2・3・4】. 8.
(12) 表2 STAI調査の女性の評価段階基準 段階. V 非常に高い). 女性. lV. 皿. H. 高い). 普通). 低い). 1 非常に低い). 状態. 51以上. 50∼42. 41∼31. 30∼22. 21以下. 特性. 55以上. 54∼45. 44∼34. 33∼24. 23以下. 2,状態不安の解消 (1)対象及び実施時期. 平成16年6月,開脚跳びができなかった10名を対象に実施した. (2)状態不安の解消法. ①解消内容・方法. 小久保式を用いた.指導者は1名(大学教員62歳)で高さ100cmの跳び箱とロイ ター板を使用した,指導は30分間行った.. ②指導・調査内容 表3に小久保式の指導内容とその過程を示した.. 表3 指導内容とその過程 指導内容. 指導上の留意点. 1,跳び箱の上に座り,体を移動させて跳 ・静かに着地をさせる ・体を倒す勢いを使って跳び越させる. び下りをさせる.. 2.もう一つの跳び箱を使って,段差を変 ・肘を伸すようにさせる えながら,開脚跳びを行わせる.. ・手をかかないようにさせる. ①1段差30cm. ・踏み切りを強くすることを意識させる. ②2段差45cm. ・助走の距離を長くしない. ③3段差60cm. ・踏み切り時膝を曲げることを意識させ. 3.ロイター板だけを用い,開脚跳び. る. を行わせる.. 9.
(13) この指導によって「不安定な着地」に対する不安が解消され,状態不安が解消された かどうかを調査するため,指導前後に,STAI調査と自己効力感調査を行った.. (3)分析方法. 指導前後の状態不安得点,自己効力感得点,局面における不安得点の差の比較をサ イン検定を用いて行った.. 第3節 結果 1。状態不安,特性不安の測定結果. 特性不安が低く,状態不安が高い者8名,特性不安が高く,状態不安が高い者2 名であった.そこで,特性不安が低く,状態不安が高い者8名を状態不安を強く感 じている者とし,特性不安が高く,状態不安が高い者2名を特性不安を強く感じて いる者と判定した.. 2,状態不安を感じさせている運動局面の測定結果. 図1に開脚跳びができない10名の中の一人であるSさんの調査結果を示した. 赤で示したグラフは満点4点中,不安得点が3点または4点の項目で不安を感じて いる項目である.他の9名の調査結果については資料3・1に示した.. 不安得点. 1011 項目番号. 図1 Sさんの運動局面における不安調査の結果 10.
(14) 踏み切り局面の中の項目に不安得点4点があったことから,これはr不安定な踏み切 り」に対する不安を感じているとした.また,着手局面の中の項目に不安得点3点また は4点がであったことから,これは「不安定な着手」に対する不安を感じているとした.. 着地局面の中の項目に不安得点3点または4点があったことから,これは,「不安定な. 着地」に対する不安を感じているとした.そして,これらの結果と面接調査,VTR撮影 を総合して,「不安定な踏み切り」や「不安定な着手」に対する不安は「不安定な着地」. に対する不安が原因で生じていると判断した.これは,運動の終末局面にある不安が原. 因で準備局面や主要局面に不安を生じさせているという結果であったことを表してい る.このような現象は,多くの運動に共通して見られ,学校体育研究同志会5)は,スキ. ーにおいて,「自由に停止したり方向転換ができにくいため,障害物があったりスピー ドがでたらどうしようもないという心理的不安が強くつきまとう』と述べていた.っま. り,スキーでも終末局面である停止することに対して不安を感じていることが原因で準. 備局面,主要局面である滑り出す前や滑っている時に不安を感じるということであると. 解釈できる.この見解からも,状態不安を強く感じさせている運動局面は着地局面であ るという判断は適切だと考え,「不安定な着地」に対する不安であると推定した.残り の9名についても同様に推定した.. 3 「不安定な着地」に対する状態不安の解消 (1)指導内容と運動結果. 表4に指導の内容と運動結果を示した.. 表4指導内容と運動結果 指導内容. 指導者の働きかけ. 運動結果. 1.跳び箱の上に座り体を移. ・8名はスムーズに移動し,. 動させて跳び下りをさせ. 尻をぶつけずに下りることが. る. できた. 2.1段差(段差30cm)に挑戦 させた. ・体を倒す勢いを使って跳. ・8名は前のめりの姿勢もで き,勢いよく跳び越せた. び越させた. 11.
(15) 3.2段差(段差45cm)に挑戦 させた. ・8名はしっかりと踏み切り,. ・しっかりと膝を曲げて,. 脚のカを使って跳び越させ. 勢いよく跳び越せた. た. 4.3段差(段差60cm)に挑戦 させた(1歩の助走). ・8名はリズム良く踏み切り,. ・両手をそろえて着くよう. 勢いよく跳び越せた. にさせた. ・肘を伸ばすようにさせた. ・手を上から叩くように着け. ・手を上から叩くように着 くことを意識させた. 5.ロイター板のみで挑戦さ せた(2歩の助走). ていた. ・助走を二歩行わせ,少し. ・はじめは尻をぶつける,跳. だけ助走のスピードをっけ. び箱の上にまたがる者が多く. させた・. いた.. ・回数を重ねるにつれて跳び. ・手を遠くに着くことを意. 越せた. 識させた. ・8名は跳び越せた ・2名は跳び越せなかった. 状態不安を強く感じていると判定した8名にっいては,小久保式を用い,着地の運動を 繰り返し行わせ,それを成功させることで,徐々に強い踏み切り動作や体重移動ができる ようになり,跳び越すことができるようになった.しかし,特性不安を強く感じていると 判定した2名にっいてはやはり跳び越すことができなかった.. (2)跳び越した8名の成功体験と状態不安と自己効力感の関係. ①成功体験と自己効力感の関係. 表5に指導前後の自己効力感得点の変化を示した.指導後から指導前の得点をひい た時,正の値ならば+,負の値ならば一で示した.これ以降も同様の方法で示した.. 12.
(16) 表5 指導前後の自己効力感得点の変化. (点). 被験者. 1 2 3 4 5 6 7 8. 指導前. 52 48 70 63 63 58 57 61. 導後. 7 67 85 77 69 85 61 78. 符号. 十 十 十 十 十 十 十 十. 8名全員において符号は+であり,自己効力感得点は8名全員において指導前より指導 後の得点の方が高くなった.サイン検定においても片側検定の1%水準で有意であった。. これらの結果は,8名全員が小久保式によって自己効力感が高まったこと表している.つ まり,成功体験と自己効力感の関係には,成功体験をすることによって自己効力感が高ま るという関係があったことを表している.. ②成功体験と状態不安の関係. 表6に指導前後の状態不安得点の変化を示した。. 表6 STAI調査による指導前後の状態不安の変化. (点). 被験者. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 指導前. 50. 78. 60. 47. 70. 64. 67. 67. 導後. 2. 0. 4. 符号. 一. 1 一. 8. 0 一. 嗣. 噛. 一. 5 一. 7 一. 8名全員において符号は一であり,状態不安得点は,8名全員において指導前より指導 後の得点の方が低くなった.サイン検定においても片側検定の1%水準で有意であった.. これらの結果は,8名全員が小久保式によって状態不安が低下したことを表している。. また,表7には,表1に示した調査用紙を用いて調査した運動局面における指導前後の. 不安得点の変化を示した.1番から4番は助走局面,5番から8番は踏み切り局面,9番 から14番は着手局面,15番から18番は着地局面の内容である.. 13.
(17) (点). 表7局面における指導前後の不安の平均点の変化 項目番号. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 指導前. 2.4. 3.2. 2.7. 2.7. 3.0. 2.6. 3.8. 1.9. 2.3. 導後 符号. .0. .5. .0. 一. 一. 一. .1. 一. .9. .5. 一. 一. .1. .0. 一. 一. .1. 一. 10. 11. 12. 13. 14. 15. 16. 17. 18. 2.7. 2.0. 2.2. 2.7. 2.9. 2.9. 3.8. 2.9. 1.8. .9. .9. .4. .0. .9. .3. .0. .5. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. .1. 一. 全ての項目において符号は一であり,各局面における不安得点は8名において指導前よ り指導後の得点の方が低くなった.サイン検定においても片側検定の1%水準で有意であ. った.これらの結果は,8名全員が小久保式によって状態不安が低下したことを表してい る.っまり,成功体験と状態不安の関係には,成功体験によって「不安定な着地」に対す る不安は低下し,状態不安は低下するという関係があったことを表している.個々の結果 は資料3・2に示した.. ③状態不安と自己効力感の関係. 図2に指導前後の状態不安と自己効力感の平均点の関係を示した.. 700 600 不 500 安400 得300. 80.0. ノ ノγ. 1. 70・0己. 65・0効. 600力 55,0感. 点. 500得. 20ρ. 100 00. 75・0自. 4ε0点 40.0. 指導後. 指導前. 一←状態不安 }←一自己効力感. 図2 指導前後の状態不安と自己効力感の関係. 14.
(18) 指導前後で自己効力感得点は高くなるにつれて,状態不安得点は低下した.これは,小 久保式によって自己効力感が高まるにっれて,状態不安が低下したことを表している.状 態不安はSTAIの評価判断基準では,「非常に高い」から「普通」に低下した.っまり,状態. 不安と自己効力感の関係には,自己効力感を高めることによって状態不安は低下するとい う関係があったことを表している.個々の結果は資料3・3に示した.. これらの結果をまとめると,状態不安を強く感じていていると判定した8名において, 小久保式を用いて着地の運動を繰り返し行わせ,それを成功させることで,自己効力感が 高まり,それによって「不安定な着地」に対する不安は低下し,状態不安は低下した.こ. れは,竹中ら35)が述べていた「成功体験を繰り返し行わせ,自己効力感を高めることに よって状態不安を低下させることができる.」と同様の結果であった.. 第4節 考察 はじめに,成功体験,自己効力感,状態不安の三つの関係にっいて竹中ら35)は,「成功. 体験を繰り返し行わせ,自己効力感を高めることによって状態不安を低下させることがで きる.」と述べている.また,バンデューラ1)は成功体験をすることで自己効力感を高める. ことができ,そうして高めた自己効力感は,その個人の行動を変化させ,情動の覚醒や思. 考パターンなどに影響を与えるという見解を示しており,竹中の考えと類似していると言 える.そこでこれらの見解から,成功体験,自己効力感,状態不安には,成功体験を行う. ことによって自己効力感を高める.そして,自己効力感を高めることによって状態不安を 解消するという関係が成り立っていると考える.. 本章では,目的である「開脚跳びにおける『不安定な着地』に対する状態不安を自己効 力感を高めることにより解消すること」は,状態不安を強く感じていると判定した8名に おいて達成できた.. この要因として,次のことを考えた。状態不安の解消については,先述したように竹中,. バンデューラが,「成功体験を繰り返し行わせ,自己効力感を高めることによって状態不安 を低下させることができる.」ことを示唆している.この見解と本研究の結果を照らし合わ. せて考えると,本研究では,小久保式を用い,着地の運動を繰り返し行わせたことによっ. て,着地運動を成功させることができた。この成功体験が着地に対する自己効力感を高め たと考える.岡澤ら20)も,運動を上手に行うことによって有能感を高めることができるこ とを示唆している.よって,このようにして高まった自己効力感が,「不安定な着地」に対. 15.
(19) する不安を低下させ,状態不安を低下させたと考える.. しかし,特性不安を強く感じていると判定した2名,UさんとOさんについては,やは り最後まで開脚跳びができるようにならなかった.Uさんについては,段差30cm,45cm は高く跳べていて,次の段差も余裕を持って開脚跳びができそうであった.しかし,段差. 60cmになると急に跳べなくなった.0さんは,準備運動として行った馬跳びからできな かった。この指導でも,最後まで体重移動ができず,跳び箱の上にまたがってしまい,開. 脚跳びはできなかった.この要因として,特性不安に着目せずに状態不安だけを捉えてそ の対象を推定したことを挙げることができる.特性不安の高い者は状態不安も高いことか ら,今回のように状態不安に着目し,その対象を着地局面の「不安定な着地」に対する不. 安と推定したことには問題はないと考える.しかし,この2名については,その不安の発 生原因が単なるその場の状況からだけで生じたのではなく,今までの苦痛な体験によって 築き上げられた消極的な考え方や感じ方が合わさって生じたことによる複雑な不安であっ たと考える.そのために,小久保式ではそのような不安を解消できず,開脚跳びができる ようにならなかった.すなわち,この2名については,特性不安に着目する必要があり,. 指導法として,小久保式を用いるにしても,2名それぞれの特性不安の対象に基づいた改 良を加えて用いることが必要であったと考える.. 第5節 要約. 状態不安を強く感じていると判定した8名にっいては,小久保式によって自己効力感が 高まることで,「不安定な着地」に対する不安が低下し,状態不安が「非常に高い」からr普通」. に低下した.その結果,開脚跳びができた.. しかし,特性不安を強く感じていると判定した2名については,小久保式によって開脚 跳びができるようにならなかった.この要因として,不安を感じる原因が特性不安にあっ. たことを考えた.そこで,この2名にっいて引き続き開脚跳びを用い,2名それぞれにつ いて特性不安の具体的な対象を推定し,解消することを次章で取り扱うこととした。. 16.
(20) 第3章 開脚跳びにおける特性不安の解消 第1節 目的. 特性不安を強く感じていると判定した2名,Uさんと0さんの特性不安の具体的対象を 明らかにし,その特性不安を状態不安を解消することで解消することを目的とした.. 第2節 方法. 第1項 特性不安の具体的対象の測定 (1)対象及び実施時期. 平成16年10月に特性不安を強く感じていると判定したUさんと0さんを対象に実 施した. (2)測定内容・方法. Uさん,0さんにおける特性不安の具体的対象の測定は,動作分析,面接調査,性 格検査,自己効力感調査を用いて行った.. ①動作分析:開脚跳びを失敗させている具体的箇所を確認するために用いた.表8 に動作を観察する観点を示した.. 表8 動作を観察する観点 動作を観察する観点. 局面 踏み切り. 助走のスピードを生かした踏み切りができる 適切な強さで踏み切ることができる. 適切な方向に踏み切ることができる. 着手. 跳び箱の前方に手を着くことができる. 手の位置が腰より前にできる. 体重移動ができる. 着地. 足をそろえて立って止まることができる. ②面接調査:今の心理状況や特性不安を強く感じるきっかけとなった過去の経験,そ の時の心理状況を確認するために用いた.面接調査内容は表9に示した. 17.
(21) 表9 面接調査の内容. 〈1.過去の経験の回想> 1)失敗あるいは目標を達成できなかったことを繰り返してきた経験の有無とその時. の心境について 2)ケガをした経験の有無とその時の心境にっいて 3)恥ずかしい経験の有無とその時の心境について. 〈2.現在の物の見方,考え方,捉え方> 4)マイナス思考であるかどうかにっいて. 5)跳び箱に対する価値観について 6)すぐに諦めてしまうかどうかについて 7)すぐに満足するかどうかについて. 8)最もやる気になる確率にっいて. <3.性格特性>. 9)過去の性格特性にっいて. 10)現在の性格特性について. <4. その他>. 11)本人が考える跳び越せない原因について. ③性格検査:今の物事に対する考え方や捉え方を確認するためY−G性格検査を用いた.. ④自己効力感調査:今の自分の能力に対する自信や考え方を確認するために用いた.. 調査用紙は表10に示した.. 18.
(22) 表10 自己効力感調査用紙. 調査日平成年月日(). 氏名(. ). この文章は一般的な考えを表しています.それぞれの文章についてどの程度あてはまりますか.. 【1・2・3・4・5】内の数字にOをつけて下さい.【1・2・3・4・5】の数字は,次のような意味を表 します.. そう思わない一・……………・・り…・…一1. あまりそう思わない・……一・一…・’2 どちらともいえない’0”●”…………巳・・3. まあそう思う一………………’”…●…”4 そう思う…・一…・……・・…………一…5. 1)自分が立てた計画はうまくできる自信がある.…一……………・・…一一………・一…【1・2・3・4・5】 2)しなければならないことがあっても,なかなかとりかからない.一……………・・…・・【1・2・3・4・5】. 3)初めはうまくいかない仕事でも,できるまでやり続ける.一……………・…”…一 【1・2・3・4・5】. 4)新しい友達を作るのが苦手だ一……一…・・…一…………・…一………………一【1層2層3置4麗5】 5)重要な目標を決めても,めったに成功しない.……一…一……一…・・……・……・【1聞2・394・5】 6)何かを終える前にあきらめてしまう.…”……”…彫…’……………・………一一…【1・2・3・4・5】. 7)会いたい人を見かけたら,向こうから来るのを待たないでその人の所へ行く.一…【1・2・3・4・5】 8)困難に出会うのを避ける。……・………・…・………………一・・………………・・………… 【1陰2・3■4・5】. 9)非常にややこしく見えることに1よ手を出そうとはしない.……………一…・…一… 【1・2・3・4・5】. 10)友達になりたい人でも,友達になるのが大変ならばすぐにやめてしまう.……一…・【1・2・3・4・5】 11)面白くないことをする時でも,それが終わるまでがんばる.・………一……・一・一 【1・2・3・4・5】. 12)何かをしようと思ったら,すぐにとりかかる.・……………一・・………一……g…一【1・2・3・4・5】. 13)新しいことを始めようと決めても,出だしでつまづくとすぐにあきらめてしまう一【1・2・3・4・5】. 14)最初は友達になる気がしない人でも,すぐにあきらめないで友達になろうとする…一【1・2・3・4・5】 15)思いがけない問題が起こった時,それをうまく処理できなし、.…_…………・………【1・2・3・4・5】. 16)難しそうなことは,新たに学ぼうとしない.・……一………・一……………・…・一・【1・263・4・5】 17)失敗すると一生懸命やろうと思う.・・………………・一………………・……一・…一・…・・【1・2・3・4・5】. 18)人の集まりの中では,うまく振る舞えない.一……………・一…・……………・・一……【1・2・3・4・5】 19)何かしようとする時,自分にそれができるかどうか不安になる.●’…・一………・…・【1・2・3・4・5】 20)人に頼らない方だ、・……………一・……・………一・…一一……”。一…………D”■。’【1暦2聞3・4・5】. 21)私は自分から友達を作るのがうま“一…・9…一……・・一一………・……・一…一・・【1・2・3・4・5】. 22)すぐにあきらめてしまう.一一………一・一一・……一・一……………・9…・…一…【1■2・3・4・5】. 23)人生で起きる問題の多くは処理できるとは思えない.一……………・・一_____【1・2・3・4・5】. 19.
(23) 第2項 特性不安の解消 (1)実施時期. 平成16年10,月から12,月にかけて実施した. (2)Uさんの解消法. ①解消法 Uさんの特性不安の具体的対象は,「成功する見通しが持てないことに対して,自分. はできないと捉えてしまい新しい課題に挑戦できないこと」と推定した.. 本研究では,成功体験をすることで,自己効力感を高め,具体的対象における状態 不安の解消,さらに他の対象での解消を繰り返し行うことによって特性不安を低下,. 解消する方法を用いる.その際の対象は,特性不安を強く感じさせている要因の一っ であること,さらに,特性不安を感じている者がやる気を持って取り組める対象であ. る必要がある.そこで,Uさんの開脚跳びができないという事実,開脚跳びをできる. ようになることに価値があると捉えている事実から,Uさんの状態不安を解消する際 の対象として跳び箱運動の開脚跳びを成功させることを設定した. そこで,「成功する見通しが持てないことに対して,自分はできないと捉えてしまい. 新しい課題に挑戦できないこと」を対象とする特性不安を,跳び箱の高さを徐々に変 え,見通しが持てている環境と大きく環境を変えないで見通しを持てるようにする.. そして,少しの努力で常に成功体験をさせ,自己効力感を高めることで,状態不安を 解消する方法を用いた.. 指導者は,著者と大学教員の2名で高さ100cmの跳び箱とロイター板を使用した. 小久保式のように跳び箱を使って段差を作るのではなく,跳び箱よりも段差を徐々に 変えていくことができ,安定した姿勢で助走,踏み切りができるように,厚さ7cm,. 幅115cmのマットを用いた.また,踏み切り場所を広くし,且っ環境を変えないよ うに常にロイター板を用いた.さらに,より細かな段差の設定ができるように厚さ2cm のマットも用いた.. ②指導・調査内容 表11にUさんの指導内容とその過程を示した.. 20.
(24) 表11 Uさんの指導内容とその過程 指導内容. 指導上の留意点. 1.厚さ7cmのマットを使って,段差を. ・上から叩くようにして手を着くようにさ. 変えながら. 開脚跳びを行わせる.. せる.. ①段差52cm. ・肘を伸ばさせる.. ②段差59cm. ・頭,肩を前に出すように助言する.. ③段差66cm. ・尻が残る場合は,目で見て分かるように,. 尻を着いた位置,頭の位置を示す.. 2.厚さ2cmのマットを使って,段差を. ・踏み切りのリズムを身につけさせる.. 少しずっ変える. ・ロイター板を膝を曲げ,強く踏むように. ④段差67cm. させる.. ⑤段差69cm. ・リズムに合わせて声をかける.. ⑥段差71cm. ・自分の跳んでいる姿を把握するためVT. ⑦段差73cm. Rを見させる.. ⑧段差74cm. ・各段差で自信をもって跳べるようになる. ⑨段差76cm. までじっくりと行う.. ⑩段差78cm. ・跳べない場合は,前の高さに戻って行わ せる.. 3。ロイター板だけを用い,開脚跳びを 行わせる.. 毎時間,動作の改善点を捉えるためにVTR撮影を行った.さらに,各段差の跳び越し 前後にSTAI調査,自己効力感調査を行った.指導記録は資料4・1に示した.. (3)Oさんの解消法 ①解消法. 0さんの,特性不安の具体的対象は,r再び失敗をして苦痛な体験をするかもしれ. ないと感じていること」にあると推定した.0さんは,過去に跳び箱から落ちて,今 も跳び箱に対して不安を感じている,さらに,開脚跳びをできるようになることに価. 21.
(25) 値があると捉えている.これらの事実から,0さんの状態不安を解消する際の対象と して跳び箱運動の開脚跳びを成功させることを設定した.. そこで,「再び失敗をして苦痛な体験をするかもしれないと感じていること」を対 象とする特性不安を小久保式を用いて指導することにより両腕で体を支えること,空 中に浮くことを安定して行えるようにし,開脚跳びを成功させる.そして,それらに 対する自己効力感を高め,状態不安を解消していく方法を用いた.. 指導者は,著者(年齢24歳)と大学教員(年齢62歳)の2名で高さ100cmの跳 び箱とロイター板を使用した。指導はUさんと同じ環境で行った.しかし,Oさんは Uさんのように段差を徐々に変える必要がないため,厚さ2cmのマットを用いてのよ り細かな段差の設定はしなかった.. ②指導・調査内容. 表12に0さんの指導内容とその過程を示した.. 22.
(26) 表12 0さんの指導内容とその過程 指導上の留意点. 指導内容 1.跳び越す高さの跳び箱を二っ並べ,. ・上から叩くようにして手を着くようにさ. その上で体重移動をさせる.. せる.. ・肘を伸ばすようにさせる。. 2。厚さ7cmのマットを使って,段差を. ・頭,肩を前に出すように助言する.. 変えながら,開脚跳びを行わせる.. ・尻が残る場合は,目で見て分かるように,. ①段差38cm. 尻を着いた位置,頭の位置を示す.. ②段差45cm. ・踏み切りのリズムを身につけさせる.. ①段差52cm. ・両脚同時に踏み切るようにさせる.. ②段差59cm. ・跳び越す時の膝を伸ばすように促す.. ③段差66cm. ・ロイター板を膝を曲げ,強く踏むように. ⑦段差73cm. させる.. ・リズムに合わせて声をかける.. 3.ロイター板だけを用い,開脚跳びを. ・自分の跳んでいる姿を確認するためVT. 行わせる.. Rを見させる.. ・各段差で自信をもって跳べるようになる までじっくりと行う。. ・跳べない場合は,前の高さに戻って行わ せる.. ・両脚踏み切りがきちんとできなくて踏み. 切りが弱く,跳び越せない時は跳び箱を 横にして跳び越させる.. 毎時間,動作の改善点を捉えるためにVTR撮影を行った.さらに,各段階の跳び越し 前後にSTAI調査,自己効力感調査を行った.指導記録は資料5−1に示した.. (4)分析方法. 跳び越し前後の特性不安得点,状態不安得点,. 23. 自己効力感得点の比較を行った..
(27) 第3節 結果. 第1項特性不安の具体的対象の測定結果 1.Uさんにおける特性不安の具体的対象の測定結果 (1)動作分析,面接調査,Y・G性格検査,自己効力感調査の結果 1)動作分析の結果(段差73cm時). ①助走のスピードを生かしたふみきりができない ②踏み切りが弱い. ③前方に手を着くことができない. ④腕でブレーキをかけ,運動を中止しようとして体重移動ができない. 2)面接調査の結果(①から⑪は表9に示した面接調査内容の1)から11)と対応する) ①運動を行う時は,いっもできない方に入っていた.自分ができると思う範囲で目標を 立てて取りくむ.体育の授業では,いつもできない方であり,嫌な思いをした.. ②幼稚園の時,バスケットゴールから落ちてしまった,しかし今はその事について何と も思わない.. ③恥ずかしい経験をしたことはない.中学校の時から知らない友達が多くなったため,. 失敗すると思うことを避けてきた.周りのことが気になり,失敗して笑われるかもし れないという不安があった。 ④自分は人よりも努力しないとみんなと同じようにできないと思う.. ⑤跳び箱を成功させることは自分のためになると考える。色々なことに対して自分のた. めにならないと捉えてしまうことは少ない.跳び箱は再びできるようになりたいと思 っている.. ⑥自分のためになると捉えたものは,最後まで諦めず取り組む.. ⑦自分ができると思う範囲の目標を成功すると,それ以上の事には取り組もうと思わな い.. ⑧対象よって異なるが,やらなければならない時は,例え成功率の方が低くても挑戦す る.. ⑨まじめでおとなしい性格であった.. ⑩いつも最悪の事態を考えて行動している.色々なことに必要以上に気になりすぎると. ころがある.大学入試の時,指導をしてもらうために自ら多くの先生に働きかけた, 24.
(28) その結果大学に合格したこともあって自ら働きかけることは大切だと思い,それがき っかけで以前よりも積極的になった.. ⑪段差73cmの時は,跳び越せないと感じてしまっている.どのくらいの力を入れれば 跳べるかなどの感覚のことをいっも考えている.そのため,一度跳べればその感覚が わかるため,次からは思い切って取り組める.. 3)性格検査の結果. 図3にYG性格検査の結果を示した。 ユ Y G憧絡検竃ブロ7イール 碑点. 9 9 , 1∼: 2 9 4 , 6 」 5 ‘. 0 0 2 5 曝. 7 , lo ” 量 , ’9 ’”∼. 7 ● 9 謄 ロ酢巳2. 9 ’1 ” 7 8 9 115 7 5 9 ”. ’ ∼ : 3. ρ 」 3 ‘. 1 2 3 ■ 5. ’ 3. 9 1 2. 省的{. 2 O I ’. 〇一 ’. 服 従 的 A. 会的内向 S. 5 1 5 ■ 7 8 4 5 ‘. 6 5 ご ‘ ‘. 2. 監 2 9 1 3 3. ■ 酢. 7 1 9 旧 5 ン ー. , 10 ” 1! 切. ∼ 3 4 5 ‘ 2. O l 2. ” ∫5 〃 ,●箪G O5 1■ 曾7 ” ’6 ’‘ ”. 5 夢 4 5 ‘. ” ’”2. 鵬 ” 幅 13. 一’”3 ” o g 博 随 嫁 8 , ” ”. 13 博 舗 ” ” 腸 鎗 ’, ”. 8■ 15 ll 1, 1 09 麗 κ ” ’‘ ’ ” ’9 ”. ”.櫨 脚 1. ’3 ” κ. 0 1 2 1 1 5 0. {非活動的 Gのんきでない R思考的内向 丁. 9 ” 匹5 1・ 罐. ” 12 03 1. ” ” ” ” 岡 隠 Io 17 ” ’5 ”. 411 協 17 覧8. ‘ ’5 ’5 〃 ”. 18 岡 ,5 鵬 17 ’3 ’4 25 ’‘. 1驚 12 19 11 15 一 9 ’一.一’ ” ’3 ’一 ’5. 6 7 ● , 隔. m 田 ,7 纏 19 ’‘ ” ’8 ”. 5 鳴 17 旧19 ”5 ’‘ 〃”. 闘 臆 ” A‘ ’8 ” 即. 09 舖 ”. 18 19 鴇. ” ” ”. 6 17 10 ,9 ’7 ’8 ”. ・ 7.91.1酢:硲一5隔騎5旧” 19 19 鵠. 7 9 , ””i〃 ” ” ’」 ’‘ ’7 ” μ ”. 7 ● , 博 11 12 ゆ 、14 晒 瞳 監7 博 19 ” 9 ” ’”3 ’」 ,’‘ 15 ’5 ’7 ’8 ’, ”. 1墜締値o. ーセン. 定 安 不 緒 情. 1 2 」 3 4 5. ”. 人大大質 性難感 つの等繰. 5 ‘ 7 ・’ , ” 〃 ノ’ η. ●8 F. 鎚. 抑気劣神. {客 観 的 0協 調 的 Co r攻撃的でない A曜. ‘ 〃 ”. 5 6 7 ・ 9 1・” 12. O l. 等感小 1. 経質でない N. 匙糊疋.㌦’、‘1∼5 ・ 鴨 ” 鳴 Il. 曝準点. う分. 分の変化小 C. 印 1 8 3 4 5 ’ ∼ 3 ’ 5. 5 9. o go. CINOCR oTAS. うつ性’卜 D. 5. 4. 1 2 3 1 5 書0 ⑳ 30 40 冊 50. OC−N. 茜,tン9“. E糸続儲 3 C系統値 4 A系続値 5 D系統儀 0. 思考自勺外1向}内撒ない. 獅外嵩}主導権描. 図3 UさんのY−G性格検査の結果. プロフィールでの判定を行うと,左寄り型のC型と判定でき,これは,おとなしく,内向 的で消極的であるが情緒的に安定していることを意味している.また,各尺度で判定する と,R:「のんきさ」,S:「社会的外向」の項目得点がそれぞれ0点と1点で,Y・Gの評価 基準の1であった.これは,「のんきでない」,「社会的内向」であることを示している。. 4)自己効力感調査の結果. 合計点が76点で,「困難に出会うのを避ける」,「何かしようとする時,自分にそれがで きるかどうか不安になる」の項目が高い値であった.. 25.
(29) (2)Uさんにおける特性不安の具体的対象の推定. Uさんは小久保式を用いて8段(高さ100cm)の跳び箱を段差66cmまで跳び越すこと ができた.高く跳べていて,次の段差に挑戦しても十分に跳び越すことができそうであ. った.しかし,段差73cmになるとそれまでできていた強い踏み切りや体重移動ができ なく,跳び越せなくなった.そこで,不十分であった踏み切り動作や体重移動の運動を 取り上げ,指導を行った.そして,再び挑戦させたが,それでもまだ跳び越せなかった.. また,Uさんは,段差が変わるとたいていは挑戦するまでに時間がかかり,ためらって いた.いったん跳び越し,成功すると,自信を持って次の大きな段差にも挑戦すること. ができた.しかし,今まで成功していたのと同じ段差であっても,失敗すると挑戦でき. なくなり,そこで運動がストップしてしまった.小久保式では,段差の変化が大きくて 急に高くなることによって何らかの不安を感じ,開脚跳びができなかったと考える.こ. のことから,Uさんは見え方の変化によって何らかの不安を感じていると推察した.っ. まり,段差が66cmから段差73cmに高くなり見え方が変わったことによって不安を感 じ,実際の高さよりも高くみえるといった力動的知覚が生じていると考える.加賀11). は,「不安を感じている時は注意の異常な拡散や狭窄によって,運動の場の認知は正確 さを欠き,自分にとって不都合な非好意的なものとして感じられる.」と述べていた.. これらの事実と各調査の結果からUさんの特性不安の対象を推定することを試みた.. まず,面接調査の自分ができると思う範囲で目標を立てて取り組むこと,自分は人よ りも努力しないとみんなと同じようにできないと思うこと,また自己効力感調査の困難. に出会うのを避けること,何かしようとする時,自分にそれができるかどうか不安にな. るなどの結果から,Uさんは,段差73cmになると,自分のもっている能力では跳び越 せるかどうかどうか分からなく,成功する見通しが持てない状況になった.そして,そ れに対してマイナス思考をし,自分の能力では跳び越せないと考えている.また,これ は失敗することを恐れている,いわゆる完壁主義のような考え方をしている.そこで, 「実際よりも高く感じている」原因が「見通しが持てない高さは跳べないと感じている」 ことにあると推定した.. 次に,「見通しが持てない高さは跳べないと感じている」原因がどこにあるのかを検討 した.その結果,面接調査の「体育の授業はいっもできない方であり,嫌な思いをした」 「周りのことを強く意識しまう」という結果から,Uさんは,今までの生活場面の中で,. 見通しが持てないことを実施し,失敗を繰り返してきた.その結果,その事がトラウマ 26.
(30) になり,見通しが持てない状況に対して,再び失敗するかもしれないと感じてしまって. いる.そこで,「見通しが持てない高さは跳べないと感じている」原因が「今までに見 通しを持てないことを実施し,失敗を繰り返してきた」ことにあると推定した.. 以上のことから,Uさんにおける特性不安の対象は次のような過程で考えることがで きる.その過程を図4に示した。. 塙た ヵつ 箱な. 圃. 刷. く. →. 実際よりも高く感 じている. →. 見通しが持てな. い高さは跳べな いと感じる. 成功する見通しが持てないことに対. 見通しを持てない ことを実施し,失 敗を繰り返した. →. して自分はできないと捉えてしま い,新しい課題に挑戦できない. 図4 Uさんにおける特性不安の具体的対象への過程. 2.Oさんにおける特性不安の具体的対象の測定結果 (1)動作分析,面接調査,YG性格検査,自己効力感調査の結果 1)動作分析の結果. ①助走のスピードを生かした踏み切りができない ②踏み切りが弱い. ③前方に手を着くことができない ④体重移動ができない. 2)面接調査の結果(①から⑪は表9に示した面接調査内容1)から11)と対応する). ①高校の時,合唱コンクールメンバーに入れなかった.その結果,落ち込み,やる気がな. くなった.しかし,落ち込んだのはその時だけで,すぐに次のコンクールに向けて練習 した.. ②小学校6年の時,跳び箱から落ちて骨折した.その結果,現在も跳び箱に対して恐怖を. 感じている. 27.
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安全性は日々 向上すべきもの との認識不足 安全性は日々 向上すべきもの との認識不足 安全性は日々 向上すべきもの との認識不足 他社の運転.
ると思いたい との願望 外部事象のリ スクの不確か さを過小評価. 安全性は 日々向上す べきものとの
本学陸上競技部に所属する三段跳のM.Y選手は
分だけ自動車の安全設計についても厳格性︑確実性の追究と実用化が進んでいる︒車対人の事故では︑衝突すれば当