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可解な5次方程式について

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Academic year: 2021

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(1)平成15年度 学位論文. 可解な5次方程式について. 科ス宏 究一 研コ規 教系迎 校然 学自大 院攻− 学専7 大育 学教7 大域1 育領2 教・ 庫科o 兵教M 育.

(2)    ユ23  123  1234  123  12. 序. 準備. 群論の基本事項..... 環と体の基本事項.... 体の拡大と分解体..... 55の可解な可移部分群. 対称群と交代群...。. 可解群....,...... S5の可解な可移部分群.. Galois理論. 体の拡大の自己同型 ベキ根拡大 ........ Galoisの基本定理 多項式の可解性...... 可解な5次方程式・その1. 可解性の判定方法..... 可解な5次方程式の解法,..  5次方程式の解法例1. 可解な5次方程式・その2. Spearman,Williamsの定理.  5次方程式の解法例2 参考文献. 1  94 9   5 45 45 97 3   7 77 78 4   8 6    4  4  8 14    18 18 24 28    31 31 343. 目  章0 章1 章乞2 2  2  章a3 3  3  3章 11  1   4 44  4  章丘ε. 5. 次.

(3) 本論文のテーマは,有理数係数の5次方程式が可解であるかどうかを判定するD.S.Dummit の方法について考察することである..  方程式とは未知数を含む等式であり,方程式を解くとは,その等式を満たす未知数の値 (方程式の根〉を求めることである.ただし,本論文では未知数が1つの方程式のみを考察 の対象とする..  B.C。2000年頃(Babylonia)にはすでに,1次方程式α」r+δ=0はおろか2次方程式 α¢2+伽+c=0,3次方程式αz3+わ¢2+oz+d=0を計算で解く方法が知られていたと. いわれる.2次方程式α♂+伽+c=0の根は. 一わ±〉弼 2α. である.この根は係数α,δ,cから四則演算とベキ根をとる操作のみを使って表示されてい. る.このときベキ根によって根が表示されるという.3次方程式はCardano(1501−76)によ り,4次方程式はその弟子Ferrari(1522−65)によって,その根がベキ根によって表示される. ことが16世紀前半に示された.このようにベキ根による根の表示ができるとき,方程式は 可解であるといい,可解でないとき非可解であるという..  Gaussの代数学の基本定理(1799)によれば,複素係数方程式は必ず複素数根を持つ。し かし5次方程式の根を「ベキ根によって表示する」という問題は長い間未解決であった. 1824年,Abelは「一般には,5次以上の方程式は非可解である」という結果を発表し,5次 以上の方程式の根は必ずしもベキ根によって表示することができないことを証明した.た. だしが一1=0のように有理数体Q上既約でない5次方程式は可解である.また既約な 5次方程式で可解なものも存在する.例えばz5+15∬+12=0などがその例である。  可解な方程式と非可解な方程式の違いの本質を見抜いたのはGalois(1811−32)であった。. 体Fに係数を持つ方程式∫(¢)ニ0に対して∫(劣)が1次式の積に分解するFの拡大体が. 存在する。そのうち最小な体Eをノ(の)=oの分解体という。EのFを固定する自己同 型群の元は∫(コじ)=0の根の置換を引き起こす.拡大E/FをGalois拡大,この自己同型群. をG乱lois群という,Galoisは現在,群論の基本概念として知られている,剰余類分解,正 規部分群,組成列等の概念を最初に用い,「方程式には対応する根の置換群(Galois群)が. 1.

(4) 0.序. 2. あり,その構造が5次方程式の可解性を決定している」ことを示した。方程式にGalois群 が対応し,方程式がベキ根で解けるかどうかが,そのGalois群が可解であるかどうかで判 定できるというGaloisにより得られた成果は,現在ではGalois理論として知られている. 群論によると,冗次対称群Sηはπ≦4のとき可解であるが,η≧5のとき可解でない.こ. れが5次以上の方程式に根の公式の存在しない理由である.Galoisは,方程式の解法の本 質が根の置換のなす群の構造にあることを見抜いたのである..  さて,5次方程式の可解性を判定する直接的な方法はないのかという疑問が生じる.Dum.. mitは与えられた5次方程式から導かれる6次分解式を利用して判定する方法を見出した.. S5の可解な可移部分群は幸運にも,巡回群Z5,2面体群1)10,S5のSylow5部分群の正 規化群恥oの3種類に限られる,Dummitは現oによって固定される元を導入し,その元 を有理数体Qに添加することで乃oの不変体を構成した.さらに,判定条件「5次方程式 が可解であるための必要十分条件は6次分解式がちょうど1つの有理数根を持つことであ る」を導いた.これより,与えられた5次方程式の係数から6次式を計算し,それが有理数. 根を持っかどうか判定すればよいことになる,本論文では,Dummitの判定法と解法を示 した後,可解な3項5次方程式に関するB.K.SpearmanとK.S.Williamsの定理にっいて も考察する..  以下,論文の構成について述べる..  1章では,後章で必要となる群,環,体についての基本事項について説明する.§1.1では 正規部分群,剰余群,準同型定理,Sylowの定理,2面体群などについて説明する.§1.2では. イデアルによる剰余環,素体と体の標数,多項式についての除法の定理,既約多項式と既約 性の判定法などについて説明する,§1.3では体の拡大と拡大次数,分解体の存在と一意性な どについて説明する..  2章では対称群,および可解群に関する定理を証明し,S5の可解な可移部分群を決定す る.§2.1では対称群,交代群を定義し,対称群の生成系を求め,交代群が3−cycleで生成され. ること,5次の交代群が単純群であることなどを示す.また,§2.2では可解群の基本事項に. ついて説明する.最後の§2,3ではη≧5のときSηが非可解であることを証明し,S5の可. 解な可移部分群の位数が5,10,20のいずれかになること,逆にこれらを位数とする部分群 が可解な可移部分群であることを証明する..  3章ではGalois理論について説明する.§3.1では,体の拡大の自己同型群,特に多項式の. 分解体の自己同型群について考察する.π次多項式の分解体の自己同型群がη次対称群の 部分群に同型であること,その位数が拡大次数に一致することなどを証明する。§3。2では,. ベキ根拡大を定義し,方程式がベキ根によって可解であることと,方程式の分解体がベキ根. 拡大体に含まれることとが同値であることを示し,可解な方程式の自己同型群が可解群に なることを示す.§3.3では,不変体,Galois拡大,Galois群などの概念を導入し,Galois拡.

(5) 0.序. 3. 大の中間体とGalois群の部分群とが一対一に対応する,というGaloisの基本定理を証明 する。§3.4では,方程式がベキ根により可解であることと,そのGalois群が可解群である. こととが同値であることを証明する.これより可解な既約5次方程式が,S5の可解な可移 部分群をGalois群にもっ方程式として特徴づけられる..  4章では,本論文のテーマであるDummitによる有理数係数既約5次方程式の可解性 を判定する方法と,可解な5次方程式の解法について述べる.§4,1では既約5次方程式. ∫(¢)=0の5個の根の4次同次式θを導入し,2章で示したS5の可移部分群に関する結 果を基に,θの6個の共役を根に持っ6次分解式∫20(劣)が1っの有理数根を持つことと, ∫(z)が可解であることとが同値であることを導く。§4.2では有理数係数の可解な既約5次. 方程式∫(z)=・0から定まるLagrange分解式と,Lagrange分解式を5乗して得られる式 へのGalois群の作用を通して,∫(劣)の係数と∫20(∬)の有理数根の有理式として表示でき. る定数の存在を導く.また,それらの定数を用いて∫(劣)の根が復元できるしくみを明らか. にする.§4.3では可解な3項5次方程式に対して,その解法を例示する..  5章では,3項5次方程式                z5+αz+δ=0 が可解であることと,係数α,δがある形のパラメータ表示を持つこととが同値である,とい. うSpearmanとWilliamsの定理を証明し,このパラメータ表示を用いて根を求める方法を 明らかにする.§5.1では3次方程式のCardanoによる解法と同様に 紛一ζ勉、+ぐ2ゴ%2+く3ゴ賜3+ζ4ゴ%4(ブー0,_,4). を根に持つ5次方程式が♂+αの+わ=0に一致するためのu1,u2,u3,u4の満たすべき条. 件を導き,これを利用してSpearman,Williamsの定理を証明する.§5.2では可解な3項5 次方程式の解法を例示する.  なお,主たる参考文献は,群論では[3],Galois理論では[5]である。また,田代敏和氏によ. る本学修士論文[7]においてもGalois理論が扱われているが,そこでの主題はHermiteに. よる楕円関数を用いた5次方程式の解法であり,本論文のテーマである可解な5次方程式 とは異なることを申し添えておく,.  最後に,本論文作成にあたり,2年間ご指導頂いた松山廣先生を始め,ご助言いただいた 自然系数学分野の諸先生方,さらにはこのような機会を与えて下さった兵庫県教育委員会, 並びに兵庫県立淡路高等学校長を始めとする諸先生方に,心より感謝申し上げます..

(6) 1章準備 1章では,後章で必要となる群,環,体についての基本事項について説明する,. ただし,定理の証明は一部を除いて省略し,参考文献を明記するにとどめた.ま た,集合,写像,同値関係,線型代数学についての基本事項は既知とした.. §1.1では正規部分群,剰余群,準同型定理,Sylowの定理,2面体群などについ て説明する。§1。2ではイデアルによる剰余環,素体と体の標数,多項式について. の除法の定理,既約多項式と既約性の判定法などについて説明する.§1.3では 体の拡大と拡大次数,分解体の存在と一意性などについて説明する. なお,この論文を通して次の記号を用いる.  Z = {0,士1,士2,±3,_} 整数全体. Q一{畠娠㍗≠・}有理数全体.  R=実数全体  C = {α+刎α,δ∈R}複素数全体(ただし¢は乞2=一1を満たす). また,「孟ならばβである」ことを頃 =⇒ B」と表すことがある.. 1.1 群論の基本事項  集合0の2元α,6に対してσの元を一つ対応させる規則をσ上の演算という.α,δ に対応する元を演算記号・などを用いてα冶などと表しα,わの積と呼ぶ.この論文では, 特に混乱の恐れがない限り,演算記号・は省略する. 空でない集合σに演算・が定義され,次の(1)∼(3)を満たすときσを群という. (1)演算は結合法則を満たす。すなわち,任意のα,δ,c∈(7に対して(αδ)c=α(わc)が成.   り立っ.. (2)ある元ε∈(穿が存在して,任意のα∈(7に対してeα=αε=αを満たす.. (3)任意のα∈(7に対して,ある元δ∈(7が存在しての=魔=θを満たす. 4.

(7) 5. 1。準備.  定義の条件(2)を満たすθは一意に定まる.eを0の単位元といい,以下,1と表すこと にする.数宇の1と異なることに注意されたい..  群σの元αに対して条件(3)を満たすδは一意に定まる。このδをαの逆元といいα一1 と表す..  群0の元α,δがの=魔を満たすとき,α,δは可換であるという.任意の2元が可換 である群をAbel群,または可換群という..  0がAbe1群のとき,演算記号を+,単位元を0と表し,加法群ということがある.  群σの元の個数(濃度)を位数といい,Ioiと表す.集合Sの元の個数も同じ記号ISlで 表すことにする.位数が有限の群を有限群という..  群σのη個の元α1,α2,…,αηのこの順序を変えない演算のしかた(括弧のくくり方). は何通りもあるが,その結果は常に等しい(一般の結合法則)。これよりαと整数ηに対し て,αのベキ譜が次のように定義される.. αη=.                   一          α. 湘{. η>0のとき 冗=0のとき 冗<0のとき. 一η個. 群0の元gに対してgm=1となる正の整数mが存在するとき,そのようなmのなかで 最小のものをgの位数といいIglと表す。そのようなmが存在しないとき,gの位数は無 限であるといい,lgl=Ooと表す..  群σのすべての元がある元gのベキとして表されるときσを巡回群という.このとき, gをσの生成元といいσ=〈g>と表す。. 定義1.1(部分群)群σの空でない部分集合∬が次の条件を満たすとき,πをσの. 部分群といいE〈σと表す. (1)α,δ∈∬ならばαわ∈Hである. (2) α∈Eならばα一1∈∬である.. 部分群はそれ自身,群である..  σの部分群丑とg∈(7に対してgπニ{gん1ん∈E}をgを含むEの左剰余類, ∬g={んg Iん∈E}をgを含むHの右剰余類という.(7はHの左(右)剰余類に分割さ れる.ここでgH=g’∬となる条件がg−1g’∈Eであることを注意しておく.  群σにおける部分群Eの左(右)剰余類の個数をσの指数といい[σ:H]と表す..

(8) L準備. 6. 定理1.2(Lagrangeの定理,[3,Theorem2.11,Corollary2.12]) Glが位数g の有限群のとき次が成り立つ.. (1)σの部分群Hの位数んはgを割り切る.特に[θ:H]=旦が成り立つ..                         ん (2)σの元の位数は有限でgを割り切る。 群σから群Eへの写像幹:σ→πが,任意のα,δ∈0に対してψ(αδ)=ψ(α)妖δ)を. 満たすときψを準同型(写像)という.特にψが全単射のとき幹を同型(写像)という。同. 型ψ:0→∬があるときθと丑は同型であるといいσ望Eと表す.ψが準同型のと き妖1)ニ1,ψ(α一1)=ρ(α)一1が成り立っ,.  準同型幹:θ→Eに対して      KεT(ψ)={α1α∈σ,ψ(α)=1},  17n(幹)={幹(α)1α∈(3}. とおき,κε7(望)をψの核,1m(ψ)をψの像という。.  KεT(ψ)はσの正規部分群,∫m(幹)はπの部分群である.またψが単射である条件 はKε7(甲)={1}となることである..  群0の元Z,Ψ∈σに対してg=gzg『1となるσの元gが存在するとき,偲とッは共 役であるという.(7の部分群∬,κに対しても,K=gHg『1={gんg−11ん∈H}となる. g∈σが存在するとき,∬とKは共役であるという.0の元gによる共役をとる写像.             o∋劣←→卿一1∈σ はσの自己同型(σからσへの同型)である.従って共役な部分群は互いに同型である.. 定義1。3(正規部分群)群σの部分群Hが,任意のg∈σに対して.           gEg−1={9ん9−1匝∈珊=H を満たすとき,Eを0の正規部分群といいH≦σと表す. 任意の群において,それ自身と{1}は正規部分群である.Abel群の部分群はすべて正規部 分群であり,指数2の部分群も正規部分群である..  H≦(7のとき,任意のg∈Glに対してgH=Hgが成り立つ..

(9) 1.準備. 7. 定理1.4(剰余群)H≦(7のときHの剰余類全体を0/Hとおき,θ/Hに演算を              (gH)(9’H)=99’丑. と定義すると0/Eは群になる。これをσのHによる剰余群という.. σ/Eの単位元は1Hニ∬であり,gEの逆元はg−1丑である.またθが有限群のとき 1σ/HIニIq/旧1である。.  以下,単位元のみからなる群{1}を単に1と表すことがある。. 定義1.5群σ≠1の正規部分群が1とσ自身のみであるときσを単純群という. 定理1.6(準同型定理,[3,Theorem2.24])@Gl→Hが準同型のとき次が成り立つ.              σ/Kε7(ψ)製1m(ψ). 定理1.7([3,Theorem2.201)群σの部分群H,Kに対して.              IH∩κIIEKI=IHIIKl が成り立っ,ただしHK={硫1ん∈E,κ∈K}である, 定義1.8(群の直積)H,Kを群とする.直積集合E×Kの2元(ん,κ),(ん’,κ’)∈E×K. に対して演算を次のように定義すると∬×Kは群となる.この群をEとKの直積と いう..             (ん,κ)(ん’,κ’)=(んん’,鮪’). 定理1.9([3,Theorem2.291)E,Kが群σの正規部分群であり,EK=(7,E∩K= {1}を満たすならばσ蟹H×Kが成り立っ.. 整数αが整数δを割り切るとき,すなわちδ=αcを満たす整数cが存在するとき,αゆ と表すことにする。正の整数ηと整数α,わに対して,η1α緬が成り立つとき,α…わ (modη)と表し,αとわはπを法として合同であるという..  θを位数ががmの有限群とする.ただしpは素数,p†肌とする,σに位数がグの部 分群Pが存在するとき,PをσのSylow p部分群という.なお,位数が素数pのベキで ある有限群をp群という.Sylow p部分群はp群である,.

(10) 1.準備. 8. 定理1.10(Sylowの定理,[3,pp.78−79】)0を有限群,pを1σ1の素因数とする.こ のとき次が成り立っ.. (1)σにSylow p部分群が存在し,それらは互いに共役である.. (2)σの任意のp部分群∬に対して,Eを含むSylow p部分群が存在する.. (3)0のSylowp部分群の個数を7とすると7≡1(modp)が成り立っ, 群σのSylow p部分群がただ1つのとき,それが正規部分群であることは上の定理の(1) から明らかであろう..  またSylow p部分群の元の位数がpのべきであることから次の系が導かれる.. 系1.11(Cauchyの定理,[5,付録B,系G.141)pが群θの位数の素因数ならば(7 は位数pの元を含む.. 群σの部分集合Sに対してSを含むσの部分群すべての共通部分はまたσの部分群と なる([3,Theorem2。5]).これをSで生成された部分群といい〈S>と表す,0の元αに対 して〈α〉の位数は元αの位数に一致する。.  位数が素数pである群σの部分群の位数はLagrangeの定理より1またはpである.ゆ えに0の元α≠1に対して〈α〉=σとなる。すなわち素数位数の群は巡回群である。. 定義1。12(2面体群)次の条件を満たす2つの元α,わで生成される群を2面体群とい い,P2ηと表す..          1αi=η(η≧2),1δ1=2,励=α一1. P2ηの位数は2ηである.次は可解な5次方程式のGalois群を考察する際に必要となる定 理である.. 定理1.13([3,Theorems4.19−201)位数2p(pは素数)の群は巡回群か2面体群であ. る.またgがg<pかつg切一1なる素数とすると,位数四の群はすべて巡回群で ある.. 1.2 環と体の基本事項  集合Rに2つの演算,加法+と乗法・が定義され,次の(1)∼(4)を満たすときRを可 換環という.. (1)Rは+について加法群である..

(11) L準備. 9. (2)任意のα,δ∈Rに対して面=わαが成り立っ. (3)任意のα,δ,c∈Rに対して(αδ)c=α(δc)が成り立つ.. (4)ある元1が存在して,任意のα∈Rに対してα1=αが成り立つ. (5)任意のα,δ,c∈Rに対してα(わ+c)=α6+αoが成り立っ.. 可換環Rにおいて加法の零元0と乗法の単位元1は一意に定まる. 以下,本論文では1≠0と仮定し,可換環を単に環と呼ぶことにする.. 環Rの部分集合Sが次の条件を満たすときRの部分環であるという..  ●1∈S  ・α,δ∈Sならばα一δ∈Sかっαδ∈Sが成り立つ.. 部分環はそれ自身環である.また環Rの任意の元αに対してα0=0α=0が成り立つこ とを注意しておく.. 定義1.14環Rの0でない2元の積が常に0でないときRを整域という. 環Rが整域になるための条件は簡約法則.             7α=7δ,7≠0 =⇒ α=δ が成り立つことである..  環Rの元αに対してαδ=1となる元δ∈Rが存在するときαを単元という.また,こ のときわ=ヅ1と表し,δをαの逆元という.. 定義1.150でない元がすべて単元であるような環を体という.. 体Rの部分環で,それ自身体であるものをRの部分体という.体Eの部分体からなる集 合{丹}歪∈1に対して,共通部分∩乞∈1瓦はまたEの部分体となる.体Eの部分体β,0を. 含むEの部分体すべての共通部分をB,0の合成体といいB V Oと表す..  体の0でない元はすべて単元であるから,任意の2元の積は0になり得ない。従って体 は常に整域である..  任意の整域Rに対して,Rを部分環として含む体Rで,Rの任意の元は,Rのある2 元α,δ(≠0)によってαδ一1と表すことができるものが存在する.盈をRの商体という. 整域の商体は同型を除いて一意である([4,1章,定理1。2])..

(12) 10. 1.準備. 定義1.16(環準同型)環Rから環Sへの写像幹:R→Sで次の条件を満たすものを 環準同型(写像)という.ただし7,〆はRの任意の元を表す. ψ(7十〆)=ψ(7)十ψ(〆), ψ(7〆)=ψ(7)ψ(〆), ψ(1)=1. 環準同型ψが全単射のとき環同型(写像)といい,このときRとSは(環)同型である という.. イデアル. 定義1.17環Rの空でない部分集合1が次の条件を満たすときRのイデアルである という.. (1) α,δ∈∫ならばα一わ∈1である,. (2)γ∈R,α∈1ならば7α∈∫である。 環Rの元α1,_,αηに対して 1={7・α、+…+7ηαη17¢∈R,乞二1,_,η}. とおくと1はRのイデアルである、このような∫を{α1,_,砺}で生成されるイデアルと いい1=(α1,_,απ)と表す..  環Rのイデアル1は加法群Rの部分群であることから剰余群R/1が存在する・ここ でR/1の2元7+1,〆+1の積を(γ+1)(〆+1)=7〆+1と定義すれば,この定義は well−deHnedである.すなわち7+1=5+1,T’+1=3’+1のとき7−5,〆一5’∈1であ るから7〆一55’=T(〆一5’)+5’(卜5)∈1となり,7〆+1=55’+1が成り立つからであ る,この積によりR/1が環となることは容易に確かめることができる([5,5章,定理11]).. 定義1.18(剰余環)R/1を環Rのイデアル1による剰余環という.. 正の整数πの倍数からなる集合πZは環Zのイデアルである.一方,p.7で定めた関係≡ (modη)はZ上の同値関係であり,このときの同値類はηを法とする剰余類と呼ばれ,剰. 余環Z/ηZの元に一致する.以下,剰余環Z/ηZをZηと表す.特に素数を法とする剰余環. をZpと表すことがある、なおZπでその加法群を表すこともある。加法群Z冊は位数πの 巡回群であることを注意しておく..  剰余環Z/ηZの元δが単元である条件は(α,π)=1,すなわちαとηが互いに素である ことである.これより次の定理が得られる..

(13) 1。準備. 11. 定理1.19([5,3章,定理81)Z。が体であることと,ηが素数であることとは同値で ある,. 定義1.20(素イデアル)環Rのイデアル1(≠R)が条件「面∈1ならばα∈1また は,b∈1」を満たすとき,1を素イデアルという..  1が環Rの素イデアルであることと,剰余環R/1が整域であることは同値である([5,7 章,定理25])。.  体Fの部分体すべての共通部分をFの素体という.素体自身も部分体である.体の素 体は◎かZpに同型である。([5,7章,定理31]).. 定義1.21体Fの素体がQに同型のときFの標数は0であるといい,体Fの素体 がZpに同型のときFの標数はpであるという、  体の標数は0か素数である.以下標数pという場合pは素数であるとする。  一Fの標数がpのとき1+…+1=0が成り立つ.これより次が導かれる([5,7章,定理.          一            P個 32])。. (1)任意のα∈.Fに対してpα=α+…+α=0である。.               一                P個. (2)任意のα,わ∈Fに対して(α+δ)が=αが+グが成り立っ.ただしκは正の整数.. 多項式環.  環Rに対して,次の形の式∫(灘)をωを変数とするR係数多項式という。ただし αo,...,砺∈Rとする..           ∫(劣)=α。+α、Z+α2僧2+…+αη劣η. ここで偏がをκ次の項,砺をκ次の係数という..  R係数多項式全体のなす集合をR囮とおくと,R囮は通常の加法,乗法により環とな る([5,pp。12−13]).R囮をR上の多項式環という,さらに,環R[∬]上のッを変数とする多. 項式環をR@,初と表して2変数多項式環という.同様にη変数多項式環R[苅,_,劣司が 定義される..  さてR囮∋∫(z)≠0において磯≠0となる最大の整数κを∫(の)の次数といい ∂(∫)=κと表す。このとき偽を最高次係数という.なおαoを定数項と呼ぶ.また,最高. 次係数が1の多項式をモニック多項式という..

(14) 12. 1.準備. 以下八α)=0を満たすαを方程式∫(灘)竃0の根,または単に∫(劣)の根という。  さて,Rが整域のとき0でない多項式∫,gに対して∂(∫g)=∂(∫)+∂(g)が成り立つ.. これより次の定理が得られる.. 定理1.22([5,3章,問題13])Rが整域であれば,R囮も整域である, 同様にη変数多項式環R[苅,_,Z司も整域である、体F上のπ変数多項式環F[苅,_,¢司 の商体をπ変数有理関数体といいF(苅,_,賜)と表す。. 定理1.23(除法の定理,[5,3章,問題171)Rは整域とする,R係数多項式∫(∬)と R係数モニック多項式g(∬)に対して ∫(¢)=g(z)g(コr)十7(劣), r(の)=0または∂(7)<∂(g). を満たすR係数多項式g(の),7(∬)が存在する.  g(z)を∫(z)をg(z)で割った商,T(z)を∫(の)をg(劣)で割った余りという,.  ∫(劣)をg(¢)で割った余りが0のときg(z)は∫(z)を割り切るといいg(コr)げ(灘)と表 す.またこのときg(劣)を∫(灘)の因子(約数)という。.  なお,上の定理はRが体のときにはg(∬)がモニックでなくとも成り立つことを注意し ておく..  次数が1以上,∂(∫)一1以下の因子を持つ多項式∫(z)を可約(多項式)という。.  次数が1以上の多項式で可約でないものを既約(多項式)という。  Rが整域のとき,∫(コロ),g(灘)∈R囮のモニックな共通因子d(z)で次の条件を満たすもの を∫(詔),g(z)の最大公約多項式といい4(偲)=(∫(灘),g(劣))と表す。.  ●八z),g(ω)の任意の共通因子c(詔)に対して6(z)l d(z)  (∫(∬),g(劣))=1のとき,∫(劣)とg(詔)は互いに素であるという。.  最大公約多項式が整数の場合と同様にユークリッドの互除法で求められることから次の 定理を得る.. 定理1.24([5,6章,系18])Fを体Eの部分体,∫(z〉,g(∬)∈F国⊆E囮とする, このときE囮における∫(∬)とg(記)の最大公約多項式はF囮における∫(劣)とg(z) の最大公約多項式と一致する.  Fが体,∫(の)∈.F囮のとき,α∈Fが∫(灘)の根であるための必要十分条件は,¢一αが ∫(¢)を割り切ることである([5,6章,系211).これより次の定理が導かれる..

(15) 13. 1,準備. 定理1.25([5,6章,定理22])Fは体とする,∫(灘)∈F[∬]の次数が飢≧0)のとき. 汽¢)はF内に高々η個の根を持つ.. 多項式の既約性の判定  ここではQ係数多項式が既約かどうか判定する方法について述べる. 補題1.26∫(∬)=αo+α1z+…+α湛η∈Z[z】とする。量が∫(詔)の有理数根で(7,5)=1. のとき71α0,51砺が成り立っ。 Proof式∫(葦)=0を考察すればよい(詳細略)、. 闇.  σ:R→Rが環準同型であれば           σ*:R同∋Σ》→Σσ(7乞)z乞∈荒囮 で定まる写像σ*:R囮→R囮も環準同型である.. 定理1.27([5,8章,定理34】)Rを整域,Fを体とする。σ:R→Fを環準同型とし, σ*:R囮∋Σ7乞♂→Σσ(勾♂∈F囮を対応する環準同型,p(の)をR係数モニック 多項式とする,σ*(p(z))がF回で既約のときp(劣)はR囮で既約である..  この定理はZ係数多項式の既約性の判定に有効である。例えば∫(z)=♂一物一1∈Z囮 に対してσ:Z→Z2を自然な環準同型として,定理1.27を適用する.σ*(∫(z))=¢3+ω+1. は,Z2内に根を持たないのでZ2上既約である,ゆえに∫(∬)はZ上既約であると判定で きる、このとき∫(ω)はQ上で考えても既約である([5,8章,定理39])。. 定理128(Eisensteinの判定法,[5,8章,定理40】)∫(の)=αo+…+α溺η∈Z囮に 対して         P十απ,plα信(乞=0,...,π一1),P2十α。. を満たす素数pが存在すれば∫(劣)はQ上既約である。. 系1.29pが素数のときΦp(詔)=ザ『1+ぜ一2+…+¢+1はQ上既約である, Proof. 蜘+・)一((灘+・罪一・)/¢一卍+バ2+…+(1)詐1+…+P.

(16) 1.準備. 14. が成り立っ.ここで            (1)一P(P−1)●●llP一κ+1) であるから1≦κ≦p−1のとき(p,κ!)=1より(鴛)はpの倍数である。従ってEisenstein. の判定法よりΦp(z+1)はQ上既約となり,このときΦp(∬)もQ上既約である.  .  Φp(¢)をp次円周等分多項式という,. 1.3 体の拡大と分解体  この節において.F,Eは体であるとする.. 定義1・30(体の拡大)Fが体Eの部分体のときEをFの拡大体であるといいE/F と表す.EγFを単に(体の)拡大ということがある。またF⊆β⊆Eとなる体βを 拡大E/Fの中間体という。.  体の拡大El/Fが与えられたとき,Fの元cによる加法群Eの元αのスカラー倍を,E における積cα∈Eで定義すると,EはF上のベクトル空間となる.. 定義1。31(拡大次数)体の拡大E/Fに対してEをF上のベクトル空間と見なした ときの次元を拡大E/Fの(拡大)次数といい[E:.列と表す.[El:列が有限のとき E/Fを有限次拡大という。. [E:F]=ηのとき,EをFのη次拡大ということがある. 補題1。32([5,10章,補題49】)E/B,B/Fが有限次拡大のときE/Fも有限次拡大で あり,次式が成り立つ..             [E:F]=[E:B][β:F]. F係数多項式∫(劣)がF囮において1次式の積として表されるとき∫(劣)はFで分解す るという.. 補題1。33([5,7章,系291)p(z)∈.F囮が既約のとき剰余環F囮/(p)はp(劣)の根を. 含むFの拡大体である, p(¢)をπ次既約多項式,体E=F囮/(p)に含まれるp(z)の根をαとおけば,EはF のη次拡大であり,EをF上のベクトル空間と見たときの基底として1,α,α2,.。.,απ一1を 選ぶことができる([5,10章,定理451)。.

(17) 1.準備. 15. 定理1.34([5,7章,定理301)1次以上の多項式∫(灘)∈F囮に対して∫(灘)が分解す. るようなFの拡大体Eが存在する.  拡大E/、Fとα1,...,απ∈Eに対してFとα1,...,απを含むEの部分体すべての共通部 分をF(α1,_,απ)で表し,.Fにα1,_,αηを添加した体という。.  特に,Eが1つの元αを.Fに添加して得られるとき,すなわち,E=F(α)であるとき E/Fを単純拡大という,.  Fの拡大体Eの元αがF同の,ある0でない多項式の根であるときαはF上代数的 であるという.αがF上代数的でないときF上超越的であるという..  Eの任意の元がF上代数的であるような拡大E/Fを代数拡大という。 定理1.35([5,10章,定理46])有限次拡大は代数拡大である。. 定理1.36(最小多項式,[5,10章,定理471)Fの拡大体Eの元αがF上代数的で あるとき,αを根にもつF係数モニック多項式で最小次数のものp(z)が一意に存在 し,次が成り立つ。p(ω)をαのF上の最小多項式という. (1)p(¢)は既約である,. (2)αを根にもつ任意の∫(劣)∈F国に対してpげが成り立っ, (3)F囮/(p)からF(α)への同型写像幹でFの元をすべて固定し,妖¢+(p))=α.   を満たすものが存在する. (4) [F(α):F]=∂(P)である.. 上の(3)の¢のようにFの2つの拡大体の間の同型写像でFの元を固定するものをF同 型という.. 定義1.37(分解体)∫(z)∈F囮が分解する最小のFの拡大体を∫(¢)の分解体と いう..  最小の拡大体という表現はこの時点では適当でなく,極小の拡大体というべきである.し. かし後で述べるように∫(劣)が分解する極小の拡大体はすべてF同型となり,同型の意味 で最小ということができる..  例えばω(≠1)を1の3乗根とするとコg3−1∈Q囮はCで分解するが,分解体は,Q(ω) である。.

(18) 16. 1.準備.  定理L34より任意のF係数多項式∫(z)を分解するFの拡大体Kが存在する.α1,_, αηをκにおける∫(劣)の根とするとE=F(α1,_,αη)は∫(劣)を分解する極小のFの拡. 大体である.すなわちEの真部分体では六z)は分解しない.. 定理1.38([5,10章,定理48])任意のF係数多項式に対してF上の分解体が存在 する.. 以下,分解体の一意性について述ぺる.. 補題1。39([5,10章,補題50】)σ*:F[z]∋Σ7〆卜〉Σσ(γ乞)♂∈F同を体同型. σ:F→Fから導かれる環同型とする。p(z)∈F囮が.F上既約のとき,p*(∬)= σ*. p(灘))∈F囮もF上既約となる,またβをp(z)の根,β*をp*(z)の根とすると,. σを拡張する同型∂:F(β)→F(β*)で∂(β)=β*となるものが唯一つ存在する。. Proofσ*:F囮→F囮が環同型であることから,定理1・27を(σ*)一1に適用すればp*(コr). の既約であることが導かれる。一方,環同型σ*:F国→F同によって,イデアル(p(詔)) はイデアル(p*(コr))に移る・従ってσ*から体の同型ψ:F囮/(p)→F囮/(p*)が誘導され. る.ψは        ψ(c+(P))ニσ(c)+(P*),  ψ(z+(P))=∬+(P*). を満たす。ここで定理1、36,(3)の同型に注意すれば F(β)→F囮/(P)偽・戸[の]/(P・)←→F(β・)・. を合成した同型∂が得られ,補題の条件を満たす。σの拡張で∂(β)=β*となるものが唯. 一っであることは明らかである.                        ■ 定理1.40([5,10章,定理51])σ:F→Fを体同型,σ*:.F回→.F回をσから導 かれる環同型とする.∫(コr)∈F同のF上の分解体をE,∫*(劣)=σ*(∫(コσ))∈F囮の. F上の分解体をEとすれぱ次が成り立つ. (1)σを拡張する同型δ:E→Eが存在する. (2)∫(¢)の根が互いに異なるとき,[E:.F]個のσの拡張δが存在する,. Proof(1) [E:Flについての帰納法で証明する。IE:F]=1,すなわちE=Fのとき ∫(の)はF囮において1次因子の積になる.このとき∫*(コg)もF囮において1次因子の積. となるからE=Fとなる.従ってδ=σとすればよい.  [E l刑>1のとき,∫(劣)の2次以上の既約因子p(z)を選び,p(¢)の1つの根をβ(∈E). とする.p*(劣)∈戸囮をp(劣)に対応する既約多項式として,β*∈Eをp*(z)の根とす.

(19) 1.準備. 17. る。補題1.39よりσを拡張する同型∂:F(β)→戸(β*)で,∂(β)=β*となるものが存. 在する。EはF(β)上の∫(劣)の分解体でEは戸(β*)上の∫*(劣)の分解体である.また [E:Fl=[E:F(β)】[F(β):列であるが[F(β):列≧2より[E:列>[E:F(β)]であ. る.従って帰納法の仮定より∂の拡張δ:E→Eが存在するが,∂はσの拡張であった からδはσの拡張である..  (2) ここでも[El:司についての帰納法を用いる。[E:F]=1,すなわちEニFのと き,σの拡張はσの1個のみであるから,この場合は成り立つ.  [E:列>1のとき,∫(劣)は次数が2以上の既約因子p(∬)をもつ。ここで∂(p)=4と. おき,p(の)の1つの根をβとする.δがσのEへの任意の拡張であれば,δ(β)=β*は p*(z)の根になる。∫*(劣)の根はすべて異なるので,p*(z)はEにちょうどd個の根をもつ.. 補題L39よりσのF(β)への拡張δがd個存在する。EはF(β)上の∫(∬)の分解体で, EはF(β*)上の∫*(ω)の分解体である・また[E:F(β)]=[E:.列/dであるから,帰納法. の仮定よりd個のおのおのの拡張∂に対して,ちょうど[El:.F(β)]ニ[E:刑/d通りのEl. への拡張が存在する,従ってσの,Eへの拡張は[E:列個存在する、.  逆にσの任意の拡張7:E→EをF(β)に制限すれば上述の4個のいずれかになる. 従ってTはこれをEに拡張したものであるから上の[E:Fl個のいずれかに一致する。ゆ えにσの拡張はちょうど[E:.列個ある.                   匿 系1.41任意のF係数多項式∫(z)に対して,その分解体は互いにF同型である.. Proof F=F,σをFの恒等写像として定理L40を適用すればよい.. ■. 定義1.42∫(¢)∈F囮が(z一α)2を因子にもつとき,∫(z)は重根をもつという.重 根をもたないとき,∫(z)はF上分離的であるという。 F係数既約多項式p(ω)の導関数p’(z)が0でないとする・このとき∂(p’)〈∂(p)が成り. 立つ.またpの既約性からpとp’は1次以上の共通因子を持たない。ゆえにp(∬)は分離. 的である.これよりFの標数が0のときF係数既約多項式はすべて分離的であることが わかる..

(20) 2章S5の可解な可移部分群 方程式のGalois群は根の置換群と見なすことができる.Abe1により証明され. た一般5次方程式の非可解性は5次対称群S5の非可解性に由来する.また, 本論文のテーマである可解な5次方程式のGalois群はS5の可解な可移部分群 となる.この章では後章で必要となる対称群,および可解群に関する定理を証 明し,S5の可解な可移部分群を決定する.§2.1では対称群,交代群を定義し,対. 称群の生成系を求め,交代群が3−cycleで生成されること,5次の交代群が単純 群であることなどを示す.また,§2.2では可解群の基本事項について説明する.. 最後の§2.3ではη≧5のときSηが非可解であることを証明し,S5の可解な可 移部分群の位数が5,10,20のいずれかになること,逆にこれらを位数とする部 分群が可解な可移部分群であることを証明する.. 2.1 対称群と交代群  集合Xからそれ自身への全単射をX上の置換といい,X上の置換全体のなす集合を Sxと表す。Sxの2元σ,7の積σ7をz∈Xに対してστ(劣)=σ(7(z))により定まる置. 換と定義すれば,Sxはこの積に関して群となる.SxをX上の対称群という,Sxの単位 元は恒等写像1である..  Xがη個の元からなる有限集合のとき,X={1,_,瞬としてよい.このときSxをη 次対称群といいSπと表す。IS物1=π!である..  Sπの元σを.            σ一G、ゐ::1の と表す.このとき.            ゴーCl)?1::嚇 である.. 亀の元σが,相異なる湘の文字α・,…,αmに対して置換(蟹:::耽)を引き起 18.

(21) 2.S5の可解な可移部分群. 19. こし,他の文字をすべて固定するとき,長さmの巡回置換,または単にm−cycleといい, σニ(α1,_,%)と表す。特に2−cycleを互換という..  次の補題は容易に導くことができる(証明略)。 補題2.1(1)σ=(α1,_.,%)の位数はmである, (2)σ∈Sπ,τ=(α1,...,%)のときσ7σ一1=(σ(α1),_,σ(%))である。 (3) (α1,α2,_,αm)=(α1,α皿)…(α1,α3)(α1,α2)である..  cycleは上の補題の(3)より互換の積として表される.一方,任意の置換は互いに共通文. 字を含まないcycleの積に分解される。例えば       (摺llll)一(・,乳3)(4〉(鍬6,7)一(・,乳3)(卿. である.従って任意の置換は互換の積として表される.ここで置換を互換の積として表す 仕方は何通りもあるが,現れる互換の個数の偶奇性は一定である.偶数個の互換の積として 表される置換を偶置換,奇数個の互換の積として表される置換を奇置換という([3,pp.6−91)..  なお,上のように置換を互いに共通文字を含まないcycleの積に分解することをcycle分 解という。補題2.1,(3)より次の補題が得られる.. 補題2.2Sηは互換により生成される,. 系2.3(1)Sπは(1,2),(1,3),_,(1,π)により生成される.. (2)Sηは(1,2),(2,3),_,(η一1,η)により生成される。. (3)Sπは(1,2),(1,_,η)により生成される. (4)Sηは(1,2),(2,。..,π)により生成される,. Proof(1) 乞≠ブがともに1と異なるとき,互換(乞,ブ)が(乞,ブ)=(1,乞)(1,ゴ)(1,¢)と表さ. れることから,任意の置換が(1,2),(1,3),.。,(1,η)の積として表される。従って任意の置換 が((1,2),(1,3),_,(1,η)〉に含まれるので,Sη=〈(1,2),(1,3),_,(1,η)〉が成り立つ,.  (2) 1,乞,ブが互いに異なるとき(1,ゴ)=(¢,ゴ)(1,乞)(乞,ゴ)であるから.  (1,3)ニ(2,3)(1,2)(2,3),(1,4)=(3,4)(1,3)(3,4),_,(1,冗)=(η一1,π)(1,η一1)(η一1,π). が成り立つ。従って(1,乞)(2≦乞≦η)はすべて(1,2),(2,3),_,(η一1,η)の積として表.

(22) 2.S5の可解な可移部分群. 20. される.ゆえに       Sη=〈(1,2),(1,3),_,(1,η)〉⊆〈(1,2),(2,3),_,(η一1,η)〉. となるのでSη=〈(1,2),(2,3),_,(η一1,η)>が成り立っ。  (3)  σニ(1,2),7=(1,2,..。,η)とおくと.      τστ一1一(2,3),72σ7−2一(3,4),.....,τη『2σブ(%一2)一(η一1,η). となることから          Sπ=〈(1,2),(2,3),_,(π一1,物)〉⊆〈σ,7>. を得る。よってSη=〈σ,7〉が成り立っ,  (4)  σ瓢(1,2),ρ=(2,3,_、,η)とおくと.       ρσρ一1=(1,3),ρ2σρ}2一(1,4),_。.,ρη一2σρ一(η『2)一(1,η). が成り立つ.従って          Sη=〈(1,2),(2,3),_,(π一1,π)〉⊆〈σ,ρ〉. よりSπ=〈σ,ρ〉が得られる,. ■. 補題2・4pを素数とする.Spの部分群Hが1つの互換と1つのp−cycleを含めば,. H=Spである, Proof一般性を失うことなくHに含まれる互換をσ=(1,乞),p−cycleを7ニ(1,ゴ2,_,ゴp) としてよい.7,72,_,τP−1の中に(1,乞,κ3,_,んp)なる形のものが現れるからσ=(1,2),. 7=(1,2,_,p)としてよい。このとき,系2.3よりH=鼻が成り立っ.      ■  Sπの偶置換全体のなす集合を.塩とおきπ次交代群という.偶置換と偶置換の積が偶置 換であることから塩はS。の部分群である.σが偶置換のときψ(σ)=1,奇置換のとき ψ(σ)=一1とψ:Sπ→{±1}を定義すればψは準同型である.ここでKeT(ψ)=・4ηであ るから。4π≦Sπである。またη≧2のとき1m(卯)={士1}となるからSη/、4π蟹{士1}が 成り立つ。これより[S.:、4π1=2,すなわちレ4η1二害が得られる。. 補題2.5η≧3のとき。4ηは3−cycleにより生成される.. Proof、4ηの任意の元は偶数個の互換の積で表される.互換2つの積が1でないときは.

(23) 2.S5の可解な可移部分群. 21. (乞,ブ)(κ,Z)か(乞,ブ)(ゴ,κ)のいずれかである・ただし,乞,ブ,ん,」は互いに異なるとする・ここで.        (乞,ブ)(κ,ど)=(¢,ゴ,κ)(ブ,ん,♂), (¢,ゴ)(ゴ,ん)・=(乞,ゴ,κ). が成り立っことから塩の任意の元は3−cycleの積として表される.ゆえに塩は3−cycle で生成される.                               一. 群の集合への作用  群σの元gと集合Xの元zに対してXの元g(劣)が定まり,次の条件を満たすとき,. Xをσ,setという.またこのときσはXに作用するという. (1)任意のg,ん∈σと任意のコp∈Xに対してん((g(∬)))=(んg)(劣).. (2)任意のz∈Xに対して1(z)=z。 σ一set Xの元灘に対して.             o(∬)={9(∬)19∈σ}. をωを含むGL軌道という.また.             σ・一{9∈σ19(の)一叫 はσの部分群になる.(為をzの固定群という..  X=0(z)となるω∈Xが存在するとき,Xを可移なσ一setという.またこのときσ. はXに可移に作用するという.Xが可移な0−setであることと,Xの任意の2元z,Ψ に対してg(劣)=“となるg∈σが存在することとは同値である。.  群σの集合Glへの作用を,群σの元gと集合0の元のに対して,gによる共役をとる 操作g(劣)=卯g−1と定めれば,これは群σの集合Glへの作用となる。このときの¢∈σ. を含む軌道をωを含む共役類という.また灘の固定群.              {9∈σゆ=93r9}1} をzの中心化群といい0σ(偲)と表す..  同様にσはσの部分群全体のなす集合に共役をとる操作で作用する.このときのHの 固定群.              {9∈σIgHg『1=研 を遅の正規化群といいノVσ(H)と表す。.

(24) 2.S5の可解な可移部分群. 22. 定理2.6([5,付録B,定理G。10])有限群θが集合Xに作用しているとする.この. とき灘∈Xに対して                    1σI            IO(z)1=[σ:σ3,1=一                    Io灘1 が成り立つ.特にIXlニηで,σが可移に作用しているときは1σ1=η1σ、。1が成り立つ.. 定理2.6から有限群σがそれ自身に共役により作用する場合に,定理2.6を適用すると 劣を含む共役類の元の個数=[(銑0θ(灘)1. が成り立つ.またθが部分群全体の集合に共役で作用する場合に適用すると Hに共役な部分群の個数=[σ:瓦G(H)1 が成り立っ.. 可移群  対称群Sxの部分群をX上の置換群という.X上の置換群σは自然にXに作用する. この作用が可移であるときσをX上の可移群という.  S。の元σが生成する巡回部分群〈σ〉がX上の可移群であることと,σが冗一cycleで あることとは同値である.また定理2.6よりS。の可移部分群の位数は脆の倍数である.. 定理2.7Sπの可移部分群σが(η一1)qcJθと互換を含めばσ=Sπである、 Proof Sηの可移部分群σに含まれる(π一1)一cycleをσ=(2,3,_,冗),互換をτ=(乞,ゴ). として一般性を失わない.(7の可移性よりρ(乞)瓢1となるρ∈σが存在する.このとき δニρ7ρ一1=(1,κ)が(7に含まれる。このときσはσεδσイ∈σ,(‘=1,2,_,η一1)の形. の元を含むことから互換(1,2),(1,3),_,(1,η)をすべて含む.従って,系2,3よりσ=Sπ. である.                          ■ .A5の単純性 補題2.8すべての3−cycleは且5で共役である.. Proof S5に3−cycleは5×4×3/3=20個存在する.補題2,1(2)より,S5の3−cycle全 体は1つの共役類をなす。σ=(1,2,3)とおくと[S5:0s,(σ)1=20より10s,(σ)1=6で.

(25) 2.S5の可解な可移部分群. 23. ある.ここで          Os,(σ)={1,σ,σ2,(4,5),(4,5)σ,(4,5)σ2}. であることから10A,(σ)1ニ3である。従って[.A5=OA,(σ)]=20となり,。45におけるσを. 含む共役類は20個の元を含む.すなわちS5の共役類に一致する.ゆえにすべての3−cycle は、45において互いに共役である.                       一 定理2.9。45は単純群である.. Proof H≠1を、45の正規部分群とする.∬の元の。45における共役はすべてEの元 であることを注意しておく.Eの元σ≠1を任意に選ぶ.適当に共役を選び直すと,σの cycle分解は(1,2,3),(1,2)(3,4),(1,2,3,4,5),(1,2,3,5,4)のいずれかとなる。σ=(1,2,3). のときは補題2.8よりEにすべての3−cycleが含まれ,補題2.5よりπ瓢.45が得られる.  σ二(1,2)(3,4)のとき,τニ(1,2)(3,5)とおくと. 7σ7−1=(1,2)(4,5)∈E より (7σ7−1)σ=(3,5,4)∈∬. となることから∬=。45が得られる.  σ=(1,2,3,4,5)のとき7=(1,3,2)に対して7στ}1=(3,1,2,4,5)∈Hとなる.これよ. り(7στ一1)σ一1=(1,3,4)∈Hが得られ,、45=∬が成り立つ。.  σ=(1,2,3,5,4)のときもT=(1,3,2)に対して(7σブ1)σ一1=(1,3,5)∈Hとなり,. 。45=πが得られる..  以上から。45の正規部分群は1または、45自身であることが示されたので,。45は単純群. である.                          ■ 、4.はη≧5のとき常に単純群であることが知られている([3,Chapter3,Theorem3。111)。. 系2.10S5の正規部分群は1,、45,S5のみである.. Proof H≠1をS5の正規部分群とするとE∩・45≦・45が成り立っ。定理2.9より・45が 単純群であることから,E∩、45=1またはH∩、45=。45が成り立っ..  H∩。45=、45のとき,、45≦Hとなりπ=、45またはH=S5を得る..  H∩.45=1のときはん¢、45となるん∈Hが存在するのでE。45=S5が成り立っ。こ こで定理L7より              1丑ノ15卜1∬∩ノ151 1S51.           旧1=     =一=2                1且51  1ハ51 が成り立つ.ゆえにんは位数が2の奇置換であるから互換である.適当に共役を選び ん=(1,2)としてよい.このときκ=(1,2,3)に対してκんκ『1ん=(1,3,2)∈Eとなり.

(26) 2.S5の可解な可移部分群. 24. lHI二2に矛盾が生じる.ゆえに∬∩。45=1は起こりえない.以上より∬≠1が。45ま たはS5であることが示された.                      一. 2.2 可解群  群σの部分群列             σニσo≧σ1≧・一≧σπ=1 でq_1≧q(1≦乞≦η)を満たすものをσの正規列という.  0の2元灘,ッに対して,[詔,y卜灘騨一1〃一1とおき,zとΨの交換子という.またσの交. 換子すべてで生成された部分群をσの交換子群といい(γと表す.            0’=〈@,刎1灘,ツ∈Gl> である・ 任意のg∈Glに対してg[Z,Ψ]g−1=[gZg−1,g”一1】よりgσ’g−1⊆σ’が成り立っ.ゆえに. σ’はσの正規部分群である.. 補題2.11σの部分群∫∫について次は同値である. (1)∬はσ’を含む. (2)Hはθの正規部分群であり,剰余群(7/∬は肋θ」群である. Proof(1)=〉(2) ん∈H,g∈σに対してgんg−1=(gんg−1ん一1)んが成り立っ.仮定より. gんg−1んd∈Hであるからgんg4∈Hを得る.ゆえに∬≦!(穿である。また[ッー1,∬一1]=. ガ1ゴ1μ∈0’⊆Hに注意すれば      (の正∫)(ツH)=(∬ツ)H・=(zΨ[Ψ一1,z−1])E=(μ)E=(gH)(¢∫ヲ). が成り立つ。よってGl/EはAbel群である。  (2)⇒(1) 剰余群(7/HがAbel群であることから,任意のz,シ∈0に対して.      (吻H=(盟)(幽=(幽(記E)=(μ)H⇒z−1ガ1コrツ∈H. が成り立つ.従ってHは任意の交換子を含むのでσ’⊂Eが得られる.      ■  σ(o)=(7,σ(1)=σ’,σ(乞+1)=(σ(乞))’(乞≧0)と定めて得られるσの部分群の列は,上. の補題より正規列            σニσ(0)〉(7(1〉〉(穿(2)[>..._.

(27) 2.θ5の可解な可移部分群. 25. をなす。これをσの交換子群列という。交換子群列の剰余群σ(乞)/σ(乞+1)(乞≧0)はAbel 群である.. 定理2.12群0について次の2条件は同値である.. (1)σの正規列σ=Glo≧Gl1≧…≧q=1でα一1/0バ1≦乞≦η)がすべて肋ε」   群であるものが存在する, (2)σ(亡)={1}となる番号むが存在する.. Proof(2)⇒(1) 0=0(o)≧Gl(1)≧…≧Gl(診)=1は(1)の条件を満たす正規列である。.  (1)⇒(2) Gl¢≧σ(乞)が成り立っことを乞についての帰納法で証明する.Gl/01はAbel. 群であるから補題2.11よりσ1≧Gl(1)となり¢=1のときは成り立っ.乞≧2として乞一1 のときは成り立つと仮定すると,0乞一1≧Gl(乞一1)である.ここで((72−1)’≧(σ(¢一1))’=Gl(乞). であるが,(穿乞一1/qがAbe1群であるから(穿乞≧((穿乞一1)’≧σ(信)が成り立っ.従って乞の場. 合も成り立つことが示された.                      ■ 定義2。13(可解群)定理2。12の条件を満たす群σを可解群という。またこのとき(7 は可解であるという.. 定義よりAbel群は可解である.. 系2.14可解群の部分群,剰余群はそれぞれ可解群である. Proof Eを可解群σの部分群とするとE(乞)≦σ(乞)(乞≧0)が成り立っ。θが可解群であ. るから0(む)=1となる番号孟が存在する.このときE(む)<σ(孟)=1となるのでHも可解 群である..  可解群σの正規部分群をノV,ψ:σ→σ/ノVを自然な準同型として,(7/ノV=(穿とおく。 σの交換子は(γ!〉/ノVに含まれるので(σ)’≦σ’ノV/1Vが成り立っ。同様に (0)(2)≦σ(2)N/N,(0)(3)≦σ(3)N/N,,(0)(¢)≦0(君)N/N=N. が成り立つのでθも可解である.. ■. 定理2.15/Vを群σの正規部分群とする.このとき(7が可解である条件はノ〉,0/N がともに可解であることである.. Proofσが可解のときは系2.14よりノV,σ/1〉は可解である。逆に1V,(ヌ/ノVが可解であ. るとすると,定義より正規列. 0/1V≧(71/1〉≧……≧ση/ノV=1, 1V≧1V1≧……≧鑑=1.

(28) 26. 2.S5の可解な可移部分群. で剰余群がAbe1群であるものが存在する,このとき正規列.         σ≧θ1≧…≧σπ=ノV≧ノV1≧…≧砺=1 一. の剰余群がAbel群となるのでθは可解である。 補題2.16有限肋ε」群0≠1は素数指数の正規部分群を含む.. Proof lOIの素因数の個数κについての帰納法で証明する.κ=1のときは1が素数指数. の部分群である,κ>1としてκ一1のときは成り立っと仮定する。Iqを割り切る素数. pを1つ選ぶと,Cauchyの定理より位数pの元gが存在し,H=〈g〉はσの真の正規部 分群になる,従って剰余群(7/丑には帰納法の仮定から素数指数の部分群ルf/Hが存在す. る.このときMはσの素数指数の部分群である.                ■ 定理2.17有限群(7≠1が可解となるための条件は,(7の正規列. σ=ハAo≧1V1≧……≧塩=1 で,剰余群璃_1/鑑(1≦乞≦m)が素数位数の巡回群となるものが存在することである,. Proofσに定理の条件を満たす正規列が存在すれば,定義より0は可解である。  逆に有限群σ(≠1)が可解群であるとして,定理の条件を満たす正規列が存在すること をσの位数に関する帰納法で証明する.(7が素数位数のときは明らかに成り立つ.Glの. 位数が合成数とすると,可解群の定義からθの正規列 σ=(穿o≧(71≧……≧ση=1. で,剰余群(7¢一1/q(1≦乞≦π)がAbel群であるものが存在する.ここで(7≧Gl1である としてよい。補題2。16より(穿/(71の部分群N1/(71で指数が素数のものが存在する,N1に. 帰納法の仮定を適用すれば,正規列. N1≧N2≧… ≧鑑=1 で剰余群鑑_1/鑑(1≦乞≦m)が素数位数の巡回群であるものが存在する.このとき正 規列. 鑑=1.            σ=ハAo≧ノV1≧・. ・・…. は定理の条件を満たす0の正規列である..                 1.  定理より次の系が得られる..

(29) 2.S5の可解な可移部分群. 27. 系2.18可解群は素数指数の正規部分群を含む.. 定理2.192面体群は可解である. Proof Glを次の条件を満たす元α,δで生成される位数2ηの2面体群とする. 1α1=η(η≧2),1δ1=2,わαδ=α一1. このときN二〈α〉は指数2の正規部分群であり,正規列(穿≧ノV≧1の剰余群は巡回群と. なる.ゆえにθは可解である.                         ■. p群の可解性  群σに対して Z(σ)={g∈σ1任意のz∈σに対してgz=灘g}. をσの中心という。Z(σ)はσの可換な正規部分群である。またg∈Z(σ)に対して ∬卯一1=gが任意のZ∈(7について成り立つから,gの共役はgのみである.. 補題2.20Gl≠1がp群のときZ(σ)≠1である. Proof Gl=Z(σ)∪01∪…∪0鴨をσの共役類への分割とする。ここでq(1≦¢≦η). は元の個数が1より大きい共役類とする,p22で示したように,qg乞∈qとすると1σ」= [Gl:0σ(勾]が成り立つ・従って.                   ル             1θ1=lz(σ)1+Σ1ασσ(99乞)1                   乞;1 が得られる.ここでLagrangeの定理より各乞に対して[(先OG(コじ乞)]はpの倍数である.. 従ってpは,IZ(σ)1を割り切ることになり,Z(σ)≠1が導かれる.        1. 定理2.21p群は可解である,. Proof p群σの位数に関する帰納法で示す.(7=1のときは明らかに可解である.次に 1σ1>1とすると,補題2、20よりZ(σ)≠1である。Z(σ)=0ならばσはAbel群であ るから可解である、Z(0)≠(7とすると剰余群(刃Z(σ)は帰納法の仮定より可解である。. Z(σ)も可解であるから,定理2.15よりGlは可解である.以上で定理が証明された. ■.

(30) 28. 2,S5の可解な可移部分群. 2.3 35の可解な可移部分群 定理2.22Sηは1≦η≦4のとき可解,π≧5のとき可解でない.. Proof肌<πのときSmはSηの部分群に同型である。従ってSηが可解のときSmも可 解である.ゆえにS4が可解であり,S5が非可解であることを示せばよい.ここで          γ={1,(1,2)(3,4),(1,3)(2,4),(1,4)(2,3)}. とおくとy≦S4であり,正規列S4〉、44〉V〉1において,剰余群S4/、44,、44/γ,W1の. 位数は,それぞれ2,3,4となる.従って剰余群はすべてAbe1群である.ゆえにS4は可解. である.次にS5が可解であると仮定すると,その部分群・45も可解となる.A5は単純群 であるから正規列は。45〉1のみであり,剰余群。45/1鯉、45がAbel群でないことから矛盾. が生じる.ゆえにS5は可解でない。                     ■  上の証明中,、45の非可解であることが示されていることに注意されたい。. 補題2。23Hを群0の指数ηの部分群とすればKε7(幹)≦πとなる準同型ψ:σ→ Sπが存在する,. Proof究をGlにおける丑の(左)剰余類全体のなす集合とする.Glの元αに対して             卯α:究∋gH←一〉α911∈究. と定義すればψ、はπ上の置換を引き起こす.従って写像 4):σ∋α一〉∼oα∈S究. が定まる,α,δ∈σに対して     ψαb(gE)=(αわ)gHニα(δ9)H=望、(わgH)=ψα(ψわ(gH))=ψ、ψδ(gH). よりψ、b=幹、吻,すなわち似αδ)ニψ(α)ψ(δ)が成り立つからψは準同型である。また. α∈Kε7(ψ)とすると,任意の9πに対してαgE=gH,特にαπ=Eが成り立っこと からα∈Eが得られる.ゆえにKεγ(艀)≦Hである。以上でκεγ(ψ)≦πとなる準同. 型ψ:σ→S究の存在が示された.一方1究1=ηよりSπはSηと同一視できるので,定理. の主張が導かれる。                             ■ 補題2.24指数が4以下の可解部分群をもつ群は可解である..

参照

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