音楽基礎理論の導入に関する比較研究(Ⅰ)
―ピアノのための初級教本を主たる対象として―
山 野 誠 之*
(平成元年10月31日受理)
AComparative Study of the Application of Fundamental
Theories of Music(1)
一Based on the Primary Courses for the Piano一
Seishi YAMANO
(Received, October 31,1989)
(序)
音楽の表現に主体的にかかわろうと志す人を,古典音楽の表現の世界へと自然に導き入 れることは,一般に考えられているほど易しいことではない。一般に,音楽教育者の直面 する障害め一つは,「生徒の表現意欲を喪失させる理論的事項の存在」であり,このこと を指摘する人は多い。楽典や音楽理論は本来,表現や亨受の助けとすべく形成されたもの ではなかったか? 本論はこの認識に立却し,音楽理論の基礎を有効;適切に導入する方式 を明らかにすべく計画されたものである。ここでは学習者の年令は特に規定しない。ただ し,文字と数字に慣れていない幼児は一般に除かれる。研究素材は,基本的にピアノのた めの初級教則本によることとし,必要に応じて他の鍵盤楽器のための教則本や教則:本以外 の曲集も参考とする。
教則本の選択は,次のような規準に従った。1)ピアノのための初級教則本であること 2)日本語に翻訳されているもの 3)原著が出版された国および日本において,現在一 般に使用されているもの 4)テクニックの向上だけでなく,音楽理論の理解や表現力の 向上などが総合的に意図されているもの
このような規準に従って,本論では次の5種を選択した。すなわち,『メトード・ロー ズ ピアノ教則本』(フランス),『グローバー・ピアノ教本』(アメリカ),『トンプソン現 代ピアノ教本』(アメリカ),F.バイエル『バイエルピアノ教則本』(ドイツ), M。 P.
※ 長崎大学教育学部音楽教室
ヘラー『若い人のためのピアノ教室』(ドイツ) この中で数巻におよぶ教則本について は,本論の性格上,第1巻を主たる対象とし,必要に応じて第2巻以下を参照した。従っ て,論述の中で用いられる「前半」「後半」,あるいは「序盤」「中盤」「終盤」等の部分を 示す用語は,特に明記しない場合はすべて,第1巻の部分を指す。
理論的事項の導入においては,様々な記号を伴うので,本論における「記号」の概念構 成をあらかじめ行っておきたい。
〔表1〕
1四一「
名 称・
標語
符旺(狭義)記号一
(例)
……
̀llegro, dolce, etc.
・一E咄・茅・tq
略語…一………・・f,dim., sfz, rit.,8va● , etc.
(に対するslurなど {
命に対するfermataなど
上例から解かるように,「記号」は広義に用いられる場合と狭義に用いられる場合とに 分かれる。また,「標語」や「符号」は広義の「記号」概念に包括される。常に略語の形 で用いられるもは,狭義の「記号」と合わせて,「符号」としてまとめられる。言うまで もなく「標語」は,それを「記号」と呼ぶ場合の名称と一致する。
第一章 演奏記号(Vortragsbezeichnungen)
コ本論では「演奏記号」を広義にとらえ,これを次のように分類して、論述の項目とした。
1)Tempoを表す記号(Tempo記号) 2)Dynamikを表す記号(Dynamik記号)
3)Phrasingを表す記号(Phrasing記号) 4)曲想を表す記号(曲想記号) 5)そ の他の記号
〔註1〕 M.P. Heller:Lehrgang fUr Junge K:lavierspieler(Neu gestaltet von O. V. Irmer)では, Vor・
tragszeichenとしてDynamik記号だけを挙げているが,論述においては,一般に広義に解される。
「Tempo記号」は一般に,Allegroのような標語やメトロノーム標示によって示される。
「Dynamik記号」は一般に, fや〉のような符号によって示される。 crescendoやdimi−
nuendoのように略語でないものも,通常cresc.やdim.の形で用いられる場合には,符 号として分類できる。「Phrasing記号」は,通常((slurスラー)によって記される。
「曲想記号」は一般に, :Lustigゆかいに のような標語によって示される。 Tempo記 号の代りに用いられることもあり,これと並記されることもある。dolceや1eggieroなど も,曲想を表す標語として,「曲想記号」に含めることができる。((スラー)と legatoは,意味の上ではほとんど同義と考えられる。しかし機能的には,前者はPhras−
ing記号として,後者は曲想記号として用いられるので,分類上は明確に区別すべきであ る。「その他の記号」には,σや8va …のような符号(記号または略語)があり, simile 同様に のような標語も見られる。oはPhrasing記号として用いられる場合も少なくな
いが,延長記号として用いられる場合もあるので,「その他の記号」として取り扱った。
「演奏記号」に関する研究を進めるために,まず各教則本における「演奏記号」の導入 状況を大まかに把握しておく必要がある。これを表によって示そう。
〔表2〕
教則本
メトード・ローズ
グローバー トンプソン バイ エルヘ ラ 一
項 目 部分
1
∬ 皿1
皿 皿 1 皿 皿 1 皿 皿1
皿 皿Tempo 記号
○ ○ ○ ○ ○Dynamik 記号 ○ ○ ○
Phrasing 記号 ○ ○ ○ ○
曲 想 記 号 ○ ○ ○ ○
その他の記号 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
「・,皿・皿はそれぞれ・教購(V・1・1)の部分を示す・
10印は,その部分でひととおりの導入力桁われることを示す・
1〈○や(〉は・2つまたは3つの部分1・わたって白しい i記号撒第に多くまたは少なく導入されることを胴丸
[寸胴騨それぞれそ轍初めて導入され
1 1
」
この表から,各項目の導入状況を次のように指摘することができる。①Tempo記号と Phrasing記号は,ほとんどすべての教則本において冒頭もしくは序盤から導入される。
②Dynamik記号と曲想記号の導入時期は,教則本によってまちまちである。③その他の 記号は,おおむね中盤から終盤にかけて導入される。④最も特徴的な導入方式は,グロー バーとメトード・ローズに見られる。グローバーは,その他の記号を除き,すべての項目 を序盤に導入している。メトード・ローズはDynamik記号を終盤にかけて導入している 点で,他の教則本と大いに異なる。⑤トンプソン,バイエルおよびヘラーは,中間的な導 入方式を採用している。
以上の概観をふまえて,各教則本の具体例に即して,さらに研究を進めよう。
§1.Dynamik記号に規則性を与え,フレージングに伸縮性を与える一 『メトー ド・導引ーズ ピアノ教則本』の方式
〔表2〕から明らかなように,演奏記号の各項目は,教則本の同じ部分にまとめて導入 されるのではなく,間隔を置いて無理なく導入されている。「その他の記号」としては,
。(fermata)が終盤に用いられる。
〔Tempo記号〕
この教則本においては,Tempo記号は序盤には用いられず,「ゆかいに」「ひじょうに おちついて」「いばって」などの曲想標語が,冒頭から用いられている。Tempo記号が導 入されるのは,教則本の中盤からである。
(Dynamik記号〕
Dynamik記号は,後半に入って,まずアクセント符号から導入される〔Chanson bret−
tonneブルターニュの小唄〕。これを受けて,明快なアクセントを持つ舞曲が続く〔Valse Alsacienneアルザスの円舞曲〕。∫やρはく 〉しと共に,教則本の終盤に,全体の
まとめの性格をもって,ρ〈∫〉ρのような形で導入される。また著者は,Dynamik記 号をただ単に物理的音量の強弱としてとらえるのではなく,音楽的表情のレベルの変化を 示す規則として理解するよう求めている。たとえば,第6課一表情の練習一規則「音
が上っていくときには,表情はだんだん強くなります。音が下っていくときには,表情は だんだん弱くなります。」と述べている。舛の記号は,バイエルやヘラーにおけると同様 に,導入の段階では意識的に避けているかのごとくである。このことは,∫とρの中間 のDynamikを「中くらいに強く」という積極的概念として規定し,「中くらいに弱く」
という消極的概念をとりあえず排除したものと理解してよかろう。また,Dynamikの変 化を最も明快に導入するための,伝統的なメトードであると考えてよかろう。
Methode RoseではDynamik変化のコントラストが巧みに図られている。〔例〕Car−
navale de Venice「ヴェニスの謝肉祭」では,ρ〈〉のパターンと吻〉〉のパター ンとが対比させられ,楽曲区分を明確にすると共に,各部分の表情の違いを浮き上がらせ ている。また,〔例〕M610die irlandaise「アイルランドの歌」では,同じ∫〉ρのパター ンのずれによる対比が生み出されている.すなわちげ〉ρ匝と∫i>ρ匝であり,
r己」 rr fr〔μr
後者のアウフタクトは大変効果的である』〈〉の長短もまた,同一素材のコントラス トを作り出している。
〔Phrasing記号〕
スラーは,両手の練習に入って程なく導入される。導入の際に,「スラーはいくつかの ちがった高さの音符にかけられたしるし」であること,「音が絶対に切れないようになめ らかに」弾くべきことを述べている。スラーを実際に活用するに当たっては,次のような メロディへ
音楽的配慮と細心の注意が注がれている。①旋律が滑らかに表情を持っている時に用い ている。②アーティキュレーショソやフレーズの切れ目を明確iにする必要がある時に用い ている。③通常は上声部の旋律(右手)と下声部の旋律的な部分(左手)に用いるが,ア ルベルティ・バスでもレガートで優しい表情を出す必要がある時はスラーをつけている。
〔例〕Air d autrefois rむかしの歌」④マルカートの性格をもった部分(弦楽器のデタシ ェ奏法のような部分)や同音反復が多い部分には,一般にスラーは用いていない。しかし,
同音反復がメロディーの中に含まれていても,滑らかに表情を与えるべき時にはスラーが つけられている。⑤フレージングに柔軟性を与えるために,モティーフの性格に応じてス ラーの長さに多様性を持たせている。特に曲の末尾(Coda)の部分において特徴的にあら われる。〔例〕Dodo,:L enfant do!「よい子よ,ねんねしな」⑥スラーのある所とない所を
(弦楽器と金管楽器のように)対比させる。〔例〕Chanson bretonne rブルターニュの小 唄」(→形式の展開)
バイエルに見られるような「小節線をまたぐスラー」に対するこだわりはない。フレー ズの開始拍と終無下の違い,フレーズの長短,アクセントの有無などによって,表現の息 づかいを多様で:豊かなものとしている。
トンプソンに見られるDrOP&Rollについては言及していない。
〔曲想記号〕
すでに述べたごとく序盤から用いられている曲想標語が,中盤からはしばしばTempo 記号と並記される。〔例〕「ゆっくり,とても感傷的に」(Chanson du Soir夜の歌)
〔その他の記号〕(§1の冒頭を参照)
§2.序盤に導入した演奏記号や表現要素を音楽的に結合して,生徒の音楽性を高める 一 rグローバー・ピアノ教本』の方式
〔表2〕から明らかなように,グローバーにおいてはメトード・ローズと異なり,演奏 記号の各項目が同時に,教則本の冒頭から導入されている。その他の記号は,Ofermata が第1巻の後半に,曲の中間休止として導入される。
〔Tempo記号〕
エチュード(手の形やタッチ,運指などの基礎練習)を除いた第一曲「ちょうちょう」
のModeratoをもって導入される。この教則本ではTempo記号を機械的に標示するので はなく,曲のタイトル(標題)と曲想の展開に最もふさわしい標語が選ばれ,Tempo記 号の第一印象を正しく確かなものにしている。(例「古い柱時計」Allegretto) また,速 度標語に加えて,メトード・ローズに見られたような曲想記号も用いられている。たとえ ばGailyたのしく,Levelyいきいきと, Sadlyかなしく,などのごとく。
Tempoの変化を示す記号は, rit.が序盤から多く用いられ, a tempoは終盤に導入され る。
〔Dynamik記号)
練習曲の冒頭から∫をもって導入される。練習曲の前にまどめられている理論的な事項 の中で, ア(FORTE)フォルテ=つよく ρ(ρ伽。)ピアノ=よわく が示され,両者は対 比的に導入される。曲の中では,同一声部(または全声部)のスラーのある2音に∫ρを つけ,トンプソンにおけるDrOP&Ro11に相当する練習を行わせている。また∫とρを声 部間のバッテリーとして対比させている。
〔例〕「アイス・スケート」第1巻の半ばにおいて, 吻メゾ・フォルテーややつよく と 〃ψメゾ・ピアノーややよわく を,やはり対比的に理解させ,曲の中ではフレー ズごとに対比させて導入している。すなわち,〃グー〃zρは対比の程度においてmezzo(半 分,少し)というように理解される。この教則本では,ガρ,吻;〃zρの4つの基本的 Dynam取記号が,ほぼ万遍なく用いられている点が,バイエルやメトード・ローズなど
と異なる特徴のひとつとなっている。
〈と〉は第1巻の半ばにおいて,説明なしに導入される。短い音型を反復しな がら上行するパッセージに対して長いくが当てられ,同様の音型の反転反復によって 下行するパッセージに対して長い〉が当てられている。〔例〕「ぐるぐるまわれ」
文字Cresc.とDim.並びに符号くと〉,及びそれらの意味についてのまとまった説明 は,スタカートとアクセントの展開がひと通り行われた後に,これらの要素を総合する練 習曲の提示と共に行われる。〔例〕「歯ブラシのマーチ」ここでは,反復保続される。 の 全音符の上で,スタカートで音階的に上行する3度の重音に対して長いくが与えられ,
ひき続き下行する3度に対して長い〉が与えられている。(→形式の展開)また「た のしいなかま」では,中間休止としてのσフェルマータが,<の表情を伴って導かれ ている。一見何でもないことのように思えるが,この〈Oは末尾の〉と呼応して おり,記号の使い方における音楽的な配慮の一例として挙げられよう。「くじゃく」では 吻くρ(subito)が試みられる。
上述のごとく,この教則本(vo1.1)の後半に入ると∫のスタカートが用いられ,これ に続いてアクセント符号が説明と共に導入される。〔例〕「走れ幌馬車」この曲では,低声 のブールドソ,すなわち完全5度(時には短6度)の重音連打につけられる強拍上のアク セントと,上声のメロディーにおけるいわゆる「レガートの中のアクセント」との同時的 結合が図られている。エスニックな表現への意欲を起こさせるすぐれた練習曲の一例であ る。(→形式の展開)また,「ふねがでる」では,描写的な減七の和音における,スタカー
ト符号とアクセント符号の結合が行われている。我々はここから,著者の教育的意図,す なわち,すでに導入された記号や表現要素を音楽的に結合し総合することによって,生徒 の表現力を高めようとする意図をうかがい知ることができる。
〔Phrasing記号)
Phrasingについては,教則本の冒頭において,「音楽の基礎」として次のような説明が なされている。 レガートーなめらかに音をつないでひく。スラー一音符のうえ(
またはした_にあるカーブをえがいた線。フレーズー音楽のことば。スラーのしるし がついている。 このように,スラーがPhrasing記号であることを,「表現に不可欠の基 礎理論」として,最初から明確に示している。さらに, 先生へ として,フレーズの奏 法に言及している。すなわち, フレーズのはじまりの音は,腕をやわらかくおろす動作
(do㎜一a㎜touch)を,最後の音は,腕をやわらかくあげる動作(up−arm touch)で,お わりの音をやや短かめに切ります。 この説明は,トンプソンにおけるDrOP&Ro11に相 当する。練習曲への導入に当たっては,2つの音にかけられたスラーについて,はじめの 音を∫で,おわりの音をρで行わせている。Phrasing記号と強弱記号のこのような結合に よって,do㎜一aml tuochとup−arm touchの徹底を図っている。また,このような短い フレーズの後に休符を置き, フレーズの区切りを明確に しているのも,この教則本の 導入時における特徴のひとつである。生徒は,区切られたフレーズに対する取組みをつみ 重ねるうちに,「区切って練習する」という習慣を知らず知らずのうちに身につけるであ ろう。ただ注意すべきことは,フレーズの大きな流れを見失わないように指導することで
ある。
なお,低声部にはアルベルティ・バスの機械的な動きは避けられており,一旋律を支える 長い和音を除き,すべてにフレーシング記号が付けられている。
〔曲想記号)
グローバーには,英語で標示された曲想標語が多く用いられている。Tempo記号の項 で触れたものの他に次のような標語が用いられている。〔例〕「ビッグ・ベソのワルツ」
Moderately隠やかに「くじゃく」Leisurelyゆったりと「クィーソをたたえるうた」
(Vol.2)With dignity荘重に
dolceについては, Vol.2の巻末に,音楽用語として挙げられ,「やさしく」という意味 が与えられている。
〔その他の記号〕
8va◆とSimileについては, Vo1.2の巻末に,音楽用語として説明がなされている。
§3.演奏記号を規定する音楽的根拠を豊富な実例から発見させ,生徒の表現力を総合 的に高める J.トンプソン『現代ピアノ教本』の方式
〔表2〕から明らかなように,トンプソンにおいては,Tempo記号とDynamik記号お よびPhrasing記号は教則本の冒頭から導入されている。発想標語は中盤から導入される。
Ofermataも同様である。従って,トンプソンは教程の導入期に多くの演奏記号を与える という点でグローバーと共通し,アメリカ的な特徴をよく示していると言える。
〔Tempo記号〕
Tempoの表示は,最初はメトロノーム表示で与えられ,続いて文字の標語(Moderato など)との併用が行われる。メトロノーム表示は,M.M.」=60−120のように,練習の 過程を考慮して,幅が与えられている。第2巻からは,標語だけが与えられ,メトロノー ム表示は行われないので,その設定は教師か生徒自身によって決められることとなる。
rit.は第1巻の序盤から用いられている。
(Dynamik記号〕
Dynamik記号は,第5曲「白鳥」において基本的な5種の符号,すなわち蛎ゑガ勿,
吻が1曲の中にすべて導入されている。曲の後には,この曲で用いられる 表情記号 の意味について解説がつけられている。〃2ρは「中位に弱く,half or moderately soft」な
ど。第22曲「舞い落ちる木の葉」では,∬と勿を加えて, どれだけ音色の明暗をつけら れるかためしてごらんなさい と生徒を促している。すなわち,∬と勿を「明暗の鋭い コントラスト」として感じ取らせることを,指導目標としている。第2巻では,dolce leg−
gieroやρdolceがDynamik記号として用いられており,このことはDynamik記号とし てのρが,「弱さ」という概念だけを含むものではなく,「軽さ」や「やわらかさ」の概念
としばしば結びつくものであることを示している。クレシェンドとディミヌエソドは Dynamik標語が提示された直後の第6曲で,臨時記号と同時に導入される(fisとb)。こ のことは,機能的には借用和音の持つ和声的Dynamikを契機としてDynamik記号を導 入する一方式を提示するものと言える。アクセント記号は,第1巻の半ば,前述の第22曲 で導入される。〃zρ〈〉〉のごとく用いられ,クレシェンドで上行する分散和音 の到達点として,きわめて自然な形で導入されている。
文字によるdim.(dimin.)とcrescは第2巻から用いられている。曲の末尾や段落へかけ て,きわめて効果的に用いられている。〔例〕「私のおや指をとびこせ」「おどけた曲」ま た,第2巻ではAllarg.も効果的に用いられている。第4曲「メヌエット」で,〉と 共に用いられているのは,誤用と認められる。
〔Phrasing記号〕
Phrasing記号としてのスラーは,練習曲の冒頭から導入される。「小さな手のための教
本」においては,「スラー」という用語を用いないで,次のような説明がすでになされて いる。 いくつかの音符がカーブした線でつながれているのは,フレーズと呼ばれ,これ は音楽の文章ですよ,ということです 著者は,レガートと同じ意味におけるスラーとい う語をあえて用いず,まず「フレーズ」という形式概念を具体例によって子どもの意識に 定着させようとしている。生徒は練習を開始するや否や,音楽はいくつかのフレーズの連 なりによってできていることを理解するのである。(→形式の展開)著者はまず,この理 解を「2音のフレーズの奏法」に集中させ,打鍵のテクニックとしてのrDrOP&Roll奏 法」を確実に習得させることを目指している。この奏法に関しては,次のような指示がな されている。 はじめの音符は腕をそっとおろす感じで弾き,つぎの音符は腕と手を上方 内側へ回転させるように動かす感じで弾きます。
「小節線をまたぐスラー」と「小節線をまたがないスラー」が万遍なく体験できるよう に,教材(曲)の配列に工夫がなされている。第26曲「ナイトとレディ」では,上声に「ま たぐスラー」を,下染に「またがないスラー」を同時的に結合し,スタカートとの継時的 対比と共に,アーティキュレーションの緻密な展開を図っている。
M.P.ヘラーに見られるようなアーティキュレーショソの砲声的説明はなく,必要に 応じて随時行われている。
〔曲想記号〕
曲想標語は『小さな手のためのピアノ教本』の末尾の連弾で一応使われているが,第1 巻では,半ばの第23曲「オランダのダンス」において, Lively元気よく,生き生きと が民族的な舞曲の重いアクセントと結合して用いられている。また後半の第40曲「そり」
では, Playfully陽気にはしゃいで が,跳ねるような歯罷れのよいスタカートと共に用 いられている。
〔その他の記号〕
トンプソンでは,∩フェルマータの多様な用法が示されている。①終止点や区分点とし てのフェルマータ。〔例〕第50曲「ジョン・ピール」 ②中間休止としてのフェルマータ。
〔例〕第41曲「小さなボウビープ」第2巻第14曲「なつかしいヴァージニアへ私をつれて 帰っておくれ」①②共に強拍上のσと弱拍上のOの区別が認められ,タイで連結された第 コ
2の音符につけられた0も見られる。
〔註2〕 指揮法においては,命に声部間のずれがある場合に,タイを用いてOの位置をそろえる操作が求 められる。
§4.演奏記号と曲想がよく一致した同質の練習曲を十分に与え,生徒の表現力を漸進 的に高める一 『バイエルピアノ教則本』の方式
〔表2〕
表から明らかなように,バイエルにおいては,Tempo記号とPhrasing記号は教則本の 冒頭から用いられているが,Dynamik記号は中盤から導入される。曲想記号は,中盤か
らdolceとlegatoが用いられ,後半にはleggieroとmarcatoが用いられている。、
〔Tempo記号〕
拍子記号の上方には,標語として常にTempo記号が置かれ,曲想記号が置かれること はない。第1曲にはTempo Moderato.(Maβige Bewegung.一Moderate time.一
Mouvement mod6r6.)が掲げられている。ζのことは, Tempo記号として用いられる AllegroやAllegro moderato, Andante, Comodoなどは,一か月例外を除いて, Tempo〜
という標語の省略表記であることを示しており,些細なことであるが興味深い。〔例〕An−
danteはTempo Andanteを略記したものである一適度にゆるやかなテンポ。同様に,
ヨコ コ
ComodoはTempo Comodoの略記一都合のよいテンポ,普通の速さ。
バイエルにおいては,曲想と Tempo記号の一致においてすぐれた実例が見られる。
No.64のComodoやNo.99のAdagioがそのよい例である。 No.64では第2小節のアクセン ト符号,及び第4小節の〈 〉という2つの異なるタイプのアクセント符号が,
Comodoすなわち 都合のよいテンポ による練習課題として与えられる。 No.99では ゆ るやかに の中で,dolceのニュアンスを持ち,前打音によって柔らげられた(心理的に はむしろ強調された)「レガートの中のアクセント」を,3拍目すなわち第2の強拍に置 き,次の小節における4短目のふくらみと対比させるという課題が巧みに設定されている。
Tempoの変化に関する記号は用いられない。
〔註3〕 Adagioのように本来副詞丁であるものを除き,形容詞の男性形と理解すべきであろう。なお,ほ とんどのTempo記号は名詞としても用いられる。また,英語化した場合には副詞としても用いら れる。
〔Dynamik記号〕
Dynamik記号は,リズムの展開へ入る頃No.53から∫をもって導入され, No.60までに アクセント符号や〈〉〔註4〕およびcresc. dimを含めて一通りの導入が終わる。はじ めはノ;〃ザおよびdolceがそれぞれ単独で順次導入される。 dolceの英語訳softlyと仏語訳 douxは,曲頭に他のDynamik記号がない場合には,ρとほぼ同じニュアンスで用いられ
ることを示している。続いて〈〉とアクセント記号〉が使われた後,文字による符号 cresc. dim.が導入される。 crescやdim.は比較的長いスペースを必要とする場合や,他の 記号や音符などのためにくと〉が印刷しにくい場合に用いられている。第60曲では,
小節線をまたく・タイの導入によって,アクセントが前の音符に移動させられ,シンコペー ションを形成している。(→リズムの展開)No.57には∫とρのコントラストによるエコー 効果の活用が見られる。教則本の後半に入ると,様々なレベルにおけるDynamikの対比 が図られている。
〔例〕No.80では,吻の平板なモティーフに,反復部の〈〉〈〉が対応する。
No.90における∫のレガート(アルベルティ・バス)とρのmarcatoとの対比,さらに,
1egatoの中のアクセント符号〉とmarcatoの中のアクセント符号くとの対比。 subito P 面白いことに,バイエルピアノ教則本には〃Zρは一度も使用されていない。このことの 意味については,他のメトードとの比較検討を終えた後に改めて考察したい。
〔註4〕 〈〉は,通常はcresc. dim.に対応する符号であるが,〈〉の長さやテンポ,〉との呼 応関係など,一定の条件においては,〉と同様に一種のアクセント符号と見なされる。
(Phrasing記号〕
バイエルでは,第1曲(3手連弾,生徒は右手上声のみ)の第1変奏からスラー(slur)
が用いられており,あらかじめ次のような説明が挿入されている。 音と音とはたがいに つながっていなければなりません。そのためには,押さえている鍵盤を,次の鍵盤を打つ
までに早く離してしまわないようにすることが大切です このように,slurに対する説明 としてはレガートの性格を損わないようにという注意を与えているだけであるが,実際の 練習としては,同音の連打と小節線をまたぐスラーを交互に設定しているので,トンプソ
ンのDroP&Ro11やグローバーのdown−arm touch, up−arm touchと同様の訓練ができる ようになっている。
〔曲想記号)
dolceは本来は曲想記号であるが, Dynamik記号の項で述べたように,ほとんどρと同 じ意味のDynamik:記号と考えてよいであろう。このことは,とりわけ語彙の少ない幼児 を指導する場合に考慮すべきことがらでもある。Ieggieroは第80曲に導入されている。原 典には説明はなく,日本版では 軽く という説明が補足されている。この記号はもっぱ
ら,左手の分散和音がリズムのバッテリーをなす時に用いられている。No.90には∫の legatoと対比されたρのmarcatoが置かれている。 marcatoの部分にはホルン5度が見ら
れ,フレーズの区分点(第4小節と第8小節)のアクセントと共に,表現の課題が与えられ る。すなわち,狩の情景を想像させるような遠近感を音で表す,描写的表現の課題である。
〔その他の記号〕
8㌦は,まず教師と生徒が連弾を行う際に導入され,生徒の弾く右手(上声)に用いら れている。No。100とNo.104においては,この符号は同一フレーズの1オクターヴ上での 展開,もしくは確保を行う際に現れる。oはNo.84で用いられ, 少なくともその音符や 休符の長さの2倍くらいに延ばします という説明がなされている。oに対するバイエル の説明は,1880年にこの教則本が日本に紹介されて以来,そのあまりにも大きな影響力の ために, 2倍くらい という杓子定規の観念を固定させてしまった。フェルマータは,
第一義的には「拍打の停止」を意味し,「音の延長」はその結果の一側面である。No.84 の最後の和音につけられたOは,この意味における音の延長によって終止感を強めている にすぎない。バイエルには,音楽的展開の要素となる◇の用法は全く見られないのである。
§5.ニュアンス表現の基礎をρのレベルに置き,フレージングにおけるzasurの多様 性を体験させる一M.P.ヘラー『若い人のためのピアノ教』の方式
〔表2〕から明らかなように,ヘラーにおいては,Tempo記号はDynamik記号が教則 本の開始後間もなく導入される。一方,Phrasing記号と曲想記号は教則本の中盤にさし かかる頃から使用が始まる。Qは序盤から使用され, simileと81は終盤に導入されてい る。 ・
〔Tempo記号)
T・mp・記号は,生徒が休符浄白子に慣れ瀕・第11曲「小さな紹曲」のM・d・・at・
をもって導入され,Allegretto, Allegro, Andantinoと続く。
ヘラーでは,次に示す条件において,曲頭のTempo記号が表示されないことがある。
すなわち,①Tempoそのものが曲名となっている場合 〔例〕 第68曲 「モデラート」
第69曲 「アレグレット」 ②曲名が舞曲の名称であり,その性格からTempoや曲想が 容易に推定できる場合 〔例〕第64曲「ワルツ」第70曲「ガヴォット」 ③民謡などの広 く知られた旋律による場合 〔例〕第16曲「ちょうちょう(五月はすべてを新しくする)」
第48曲「美しいミソカは…」 ④行進曲の場合のように,Tempoに幅を持たせる必要が
ある時 〔例〕第57曲「タッタッタッと元気に進め」 ⑤性格的に標題により,曲想や Tempoが規定される場合 〔例〕第45曲「固い決心」
第46曲「ひとりぼっちの羊かい」第47曲「まじめな考え」 ⑥楽典の理解や奏法の修得
コ び
を目的とした教材である場合〔例〕第54曲
以上のことから,ヘラーにおいてはTempoの設定を,生徒の感受性と教師の判断力に 委ねる場合が少なくないことが分かる。特に条件⑤の場合においては,Tempoの設定自 体が,生徒にとって努力する価値のある創造的行為となるのである。
Tempoの変化を表すrit.は,中盤から用いられる。〔例〕第43曲「からくり時計」
〔註5〕 この曲は,タイの理解と奏法の説明のための教材であり,曲名はつけられていない。
〔Dynamlk記号〕
Dynamik記号は, Tempo記号に慣れた段階で,比較的早くから使用される。その説明 は,上拍が導入された後,cresc. dim.〈〉を含め,演奏記号(Vortragszeichen)と して簡潔に説明がなされている。これを受けて,第18曲「静か,静か,物音は何も聞こえ ない」では,ρと勿の対比による「静かさ」の表現課題が与えられる。第19曲「ワルツ」
では,ρ〈〉のフレーズに同一モティーフによる平板な∫を対置させ,再びρに戻る。
そこで低声にメロディーを移し,上声に短いオブリガートを歌わせた後,上声ヘメロディー を戻して〉でしめくくる。
このように,ヘラーはDynamikの導入に際し,「ρのレベルにおける感受性と表現力の 酒癖」に力を注いでいることがわかる。
第20曲「小さな歌」からは吻が用いられる。ヘラーは,中位のディナーミクを吻に 限定し,基本的には〃zρを用いない方式を採用している。唯一の例外は,第56曲「小さな 行進曲」の第3フレーズ〃zρ〈〉〈〉である。作曲者C.ッィルヒャーは,第1
・第2フレーズにおける舛一∫〉の平板な曲調を受けて,第3フレーズの美しい旋律 を,〃Zρのレベルできわめて表情豊かに,効果的に表現している。
ヘラーはこの曲を採用することによって,「〃ψのレベルは,ρにおける感受性と表現力 を一層高めたものである」という理論を主張するかのごとくである。すなわち,
Dynamikにおける中位の概念は吻によって代表されることとなる。
〔表3〕
ニュアンス概念
基礎概念 中位概念 高位概念
勿〜②〜吻 [画 [圃
Dynamikの増減を示す符号〉と文字cresc.を,同時的に併用して表現を深める好例が,
第47曲「まじめな考え」の第2〜第4小節に見られる。この間,〉を伴う短いモティー フが3回展開され,同時にcresc.によって全体的な表現のレベルを次第に高めるよう意図 されている。(作曲者はC.グルリット)
〔譜例1〕
き
5 5 3 4 竃 3 1 4 2
ア 〉一。7 esc.
●
,
(M.P.ヘラー著,0. v.イルマー新訂,山野誠之訳『若い人のためのピアノ教室』P.29より)
〔Phrasing記号〕
第1曲「はじめてのこころみ」に次のような註がつけられている。 楽曲は滑らかにつ ないで,レガートにひかなければなりません。また,どの音も,次の音が鳴り始めるまで ずっと聞こえているようにひくことが大切です 著者はここで,まず表現の一般原則とし ての1egatoを規定し, 滑らかにつなぐ ための条件が,個々の音のしっかりとしたイン し コ
トネーショソーここでは打鍵一にあることを指摘している。
Phrasing記号としてのスラーは,説明抜きで第19曲「ワルツ」から導入される。オブ リガートの短い断片を含め,様々な長さのスラーが上声に与えられる。低音部記号が使わ れるようになると,低声にもスラーがつけられる。
教則本の中盤からスタカート符号が導入される。〔例〕第37曲「木のぼりをする猿」こ の曲では,音階のフレーズ(slur)と開音の連打(3度のスタカート)が同時的に結合さ れ,左右交互に展開される。スラーによる「滑らかさ」とスタカートによる「明快さ」が 互いに印象を高めあっており,生徒はこれを鮮明に表現するために,それぞれに応じたテ
クニックを要求される。第35曲と第36曲は,そのための予備練習となっている。
このようにして,生徒にスラーとスタカートの演奏体験をさせた後,Phrasing記号に ついての簡潔かつ三世的な説明が行われる。ヘラーは,Phrasingに関して「実践を先に」
という方針を採っていることが分かる。説明は次のようになされている。 いくつかの音 がまとまって動くときは,1本の弧線(スラー)がつけられます。スラーが切れるところ で手を離し,指を取り去ることが大切です 音符の上や下につけられた点は,その音を スタカートでひかなければならないことを意味します。つまり,つき離すようにひくので す このように,ヘラーはPhrasing記号としてのスラーを,音の「動きのまとまり」を 示す符号として説明している。このことは,スラーに対する生徒の理解を助けるものであ
る。
スラーの終わりの音符の処理,すなわち音の取り方は,グローバーにおけるup−arm touchに近い説明となっている。また, OPortamento, portatoについても説明の中に加
えられている。 1
〔註6〕 バイエルでは,スラーの条件として,イントネーションよりも「指の離し方」に注意を向けてい る。
〔曲想記号〕
ヘラーでは,Tempo記号の書かれる位置に曲想記号が置かれる場合もある。〔例〕第20 曲「小さな歌」Andantino(ziemlich ruhig)ここでは()の中に(かなりゆったりと)
という曲想記号がドイツ語で挿入されている。第34曲「少し上手になった気分」には,
Lustig r喜ばしい気持で」という曲想が, Tempo記号の位置に記されている。第61曲「フ ランスの踊り一ミュゼヅト」では, Musette, Allegro,1ustig のように,舞曲の名称と Tempo記号および曲想記号「うきうきした気持で」が併記されており,教則本の発想標 語として興味深い。第63曲「楽しく,そして悲しく」は, Rondo という形式用語がTempo 記号として用いられる例を示している。ここでは,.「ロンドのように軽快な曲想で」とい アコう意味に理解されるべきである。第65曲「人形の踊り」には Heiter 「明るく」,第66曲
「子どものマーチ」には Energisch 「元気よく」が用いられている。
〔註7〕 ちなみに,この曲の形式はAABAであり,ロンド形式を採っていないが,全体として,性格的 にロンドの雰囲気をただよわせている。
〔その他の記号〕
ヘラーでは,トンプソンと同様に,Oの多様な用法が示されており,すべて説明なしに 導入されている。すなわち,①終止点や区分点としての0 〔例〕第31曲「2つの譜表を 両手で同時にひく練習」 第45曲「固い快心」 ②中間休止としてのO 〔例〕第36曲
「ボールあそび」 第43曲「からくり時計」 第59曲「チロルの人たちは陽気で楽しそう」
この例の中で特に興味深いものは,第45曲と第59曲である。前者では,oは第3フレー ズの8小節目強拍に置かれているが,その直前にゲネラル・パウゼ(4分音符の総休止)
が置かれるので,フレーズの終止感は,その起点が1小節前へ移動せしめられる。その影 響によって,本来は区分点で毒るはずのドミナント音(e)は,次のフレーズ(Reprise)
霧物識騰脳漿灘轍箏鷹見醗尊慮雛概
して,大きな効果を期待することができる。更にこのOは, 延ばす符号 としての機能 コを果たさず,そのかわり「拍の再打」の意識を必要とするのである。
終盤の「四手のためのピアノ曲」から,第1ピアノに8 幽…が使用される。8 .semp「e
(bis zum shluss)若しくは8va semP「e(bis zum schluβ)「終わりまで常に1オクターヴ高く」と表示され
ることもある。
左手の音型のフレージングを同様に続ける場合に,simileという記号を用いる例が,第 53曲「おや,アウグスティソぼうや」の変奏に見いだされる。
〔註8〕 Broc㎞aus−Riemann−Musiklexikonは, Zasurについて次のように説明している。「…Zasurと は,音楽を構成するまとまった単位〔モティーフ,テーマ,楽段(大楽節),区分〕に輪郭を与え,
若しくはその内的区分をはっきりさせるための句読法を指す。zasurは,第1義的には休符として 現れるが,フェルマータやフレージング,和声法,ディナーミク,楽器法などによっても表現さ れ得る。特にはっきりした中間休止は,予期せぬ中断から生じる。…」
〔註9〕 指揮法において,Oで停止した後に再び拍打を起こす時, Oの拍をもう一度打つことを指す。
〔参 考 楽 譜〕
ERNEsT VAN DE VELDE:METHODE ROSE, Editions VA:N DE VELDE 1947
エルネスト・ヴァン・ド・ヴェルドrメトードローズ・ピアノ教則本』安川加寿子油気,音楽之友社
David Carr Glover and Louise Garrow:Piano Student
デイビッド・カー・グローバー,ルイス・ギャロウ『グローバー・ピアノ教本』 東亜音楽社
Jo㎞Thompson:JoHN THoMPsoN s MoDERN CouRsE FoR THE PIANo, The Willis Music Company, Ch1−
cinati, Ohio
ジョン・トンプソン編,大島正泰訳『トンプソン現代ピアノ教本』 全音楽譜出版社
Ferdinand Beyer:Vorschule im Klavier−spiel Op.101, C. F. Peters, Leipzeg
フェルディナント・バイエル『新訂バイエルピアノ教則本』 音楽之友社
M.P. Heller:Lehgang f直r J㎜ge Klavierspieler(Neu gestaltet von Otto von Irmer),Musikverlag Richard
Birnl)ach, BerlinM.P.ヘラー著,0. v.イルマー新訂,山野誠之訳『若い人のためのピアノ教室』 音楽之友社
W.A. Mozart:KlavierstUcke(herausgegeben von B. A. Wallner),G. Henle−Verlag−Duisburg
W.A. Mozart:Klaviersonaten, Band 1,Band 2,Wiener Urtext Edition Beethoven:Klaviersonaten, Band I,∬, G. Henle−Verlag M廿nchen−Duisburg
〔引用・参考文献〕
Broc㎞aus−Riema㎜一Musiklexikon 2(herausgegeben von Carl Dahlhaus und Hans Heinrich Eg−
gebrecht), F. A. Broc㎞aus・Wiesbaden, Schott s S6㎞e・Mainz 1978〔Artikel Vortragsbezeichn㎜gen,
Zeichen u. Zasur〕
Ebenhard Thiel:Sachw6rterbuch der Musik, Kr6ner, Stuttgart 1977
音楽大事典,平凡社 1981〜1983伊和中辞典,小学館 1983 独和大辞典,小学館 1985
岩波英和大辞典,中島文雄編,岩波書店 1985 ・ 新国語中辞典,三省堂 1970
広辞苑(第三版),新村出編,岩波書店 1985