山形大学大学院教育実践研究科年報第 号
$'+' 児に対する 667 を主とする自立活動による通常の学級での指導効果
学習開発分野()尾 崎 夕 香
本研究は,自立活動の個別指導が,所属する通常の学級における学習場面で発揮 する効果を明らかにすることを目的とした。対象児は,$'+' があり,通常の学級に 在籍する小学 年生である。個別指導として,自立活動の指導着席行動・学習ルー ルの定着等を行い,学級で見られる効果について観察によって明らかにすることを 試みた。その結果,対象児の自己理解につながり,指導時には学習態度の変化が見 られ,学校内でも離席及び私語の減少等,指導効果が表れる場面が見られた。
[キーワード] 自立活動,ソーシャルスキルトレーニング,注意欠陥多動性障害,通常の学級
1 問題の所在
$'+' について
注意欠陥多動性障害以下,$'+' とするは,「年 齢あるいは発達に不釣り合いな注意力,又は衝動 性・多動性を特徴とする障害であり,社会的な活 動や学校生活を営む上で著しい困難を示す状態で ある文部科学省,」とされている。 年 に $'+' が通級指導の対象となって以来,通級に よる指導を受けている $'+' 児は増加傾向にあり,
年から 年で約 倍となっている文部 科学省,。小貫らは,$'+' のつまずき の一つとして,「注意のつまずき」を挙げており,
「低年齢の場合には,授業中の離席が起こるケー スもある。注意のつまずき!は集団場面への「参 加」そのものを難しくするため〈社会性のつまず き〉に発展することが多い。」と述べている。その ため,$'+' 児は,低年齢から個別指導を取り入れ て支援し,早期に改善を図ることが必要である。
個別指導と通常の学級の関連について 発達障害児に対する個別指導として,学校現場 でも行われているのが,通級による指導である。
年には,高等学校でも通級による指導が導入 され,学齢期の個別指導が児童生徒の学習・生活 場面において,重要な役割を果たしている。一方 で,石田らは,通常の学級と通級指導の課 題として,「通級指導は個に応じた指導の視点のみ ならず,通級指導が通常級での学習・生活にいか なる影響を及ぼすのか,あるいは直接的に学級担 任と共同して学級経営や授業作りに参画すること
で通級での指導を高め生かすことが必要である。」 ことを挙げている。個別指導による学習効果は,
筆者が /' 児に対する指導で検証しているが,学 級内での般化の有無を確認できていない。
先行研究から見えた課題
このような先行研究から,個別指導を通常の学 級での学習・行動の変容を見据えたものにしてい くことが,児童・生徒の学習能力や集団適応能力 の向上に対して有効であることが明らかになった。
その一方で,通級指導教室のような個別指導の場 面と,児童・生徒の主な学びの場となる通常の学 級での学習との連携が図られないことも多い。特 に,$'+' をはじめとした発達障害児は,通常の学 級で集団に適応することが難しい場合が多い。以 上の点から,発達障害児の集団適応効果をより強 化できるようにするために,通常の学級における 個別指導の具体的な効果を検証すること及び,個 別指導の内容と学級での指導・支援との連携の在 り方について研究をする必要がある。
2 目的
本研究の目的は,通常の学級に在籍している小 学 年生の女児に対して,ソーシャルスキルトレ ーニング以下,667 とするを中心とした自立活 動の指導を行い,通常の学級において効果を示し ているか,また,それはどのような効果かを検証 することである。 年次では,個別指導を行い,
翌日に対象児が在籍する通常の学級での学習を参 観することで,個別指導が学級内で効果的となる
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要因を明らかにする。 年次には, 年次の課題を 踏まえて,学校との連携を図った指導を行い,そ れぞれの指導・支援の在り方を明らかにする。
3 方法 対象児童
対象児は,< 市内の小学校で通常の学級に在籍 している小学 年生の女児である。学習面での困 り感はなく,対象児自身の学習意欲が高い。通級 による指導は行っていないが,医師から $'+' の 診断を受けており,服薬をしている。担任との関 係は良好であるが友人との関わりが少ない。
実態調査
指導にあたり,対象児の特性や実態を把握する ため,認知検査と行動観察,&RQQHUV を実施した。
①.$%&Ⅱの結果
.$%&Ⅱの結果,認知能力は で平均の値であ った。このことから,学習面における困難は少な いことが分かる。また,対象児は,継次処理能力 に比べ,同時処理能力の方が強い能力であること,
視覚的な長期記憶や視覚処理,量的知識が強い能 力であり,聴覚的な短期記憶が弱い能力であるこ とが分かった。以上の結果から,同時処理能力や 視覚処理能力の強さを活かして,視覚的,運動的 手掛かりを指導の中でも活用することとした。
②&RQQHUV の結果
&RQQHUV は,教師,保護者,本人に対する質問 紙調査であり,$'+' 及び $'+' と関連性の高い問 題を評価・特定するものである。この結果から,
対象児は多動性衝動性が特に強いことが分かる。
また,保護者や本人よりも,教師による評価の数 値が高かった。このことから,対象児の問題行動 が,家庭より学校内で多いことが分かる。さらに,
本人の評価では,$'+' の傾向が少なく,回答時の 評価に妥当性が見られない部分があった。対象児 は完璧主義的な傾向があり,できないことを認め にくく,自己理解が難しいようである。指導では,
対象児が自分の言動を客観的に捉えられるように,
実際の場面を想定して言動を考えたり,自分の学 習の様子を確認したりする活動を取り入れる。
③行動観察
認知検査と並行して,着席行動及び学習態度の 課題を確認した。約 時間の検査で,離席回数は 回であり, 項目が終了するたびに離席があっ た。学校での聞き取りでも, 月の離席が非常に
多く,気になることがあるとすぐに離席するとの ことであった。また,突然検査項目との関連がな い内容の話をし始める様子が見られ,衝動的な言 動が多いことが窺えた。
指導の実際
保護者からの主訴は,授業に集中できるように,
着席行動を含めた生活面の指導を行って欲しいと のことであった。そこで,指導では,着席行動及 び学校生活での適切な行動について 667 を中心と した個別指導を行った。
①指導期間 ;; 年 月~ 月の か月間
②短期目標
年次の指導における短期目標は,学習時にお ける,適切な姿勢や態度を身につけることができ ること及び日常の生活場面における適切な行動を 考え,行動することができることの点である。
③予備実践 月から 月 計 回
予備実践は,本実践を行う前に,オンラインで 実施した。学習時の約束を指導者と共に検討,決 定した。また, 分間着席した状態で学習を続け ること,学習の約束を守って行動することについ て,前時の自分の姿をふり返り,問題の行動の改 善点と次時に向けた目標を考える活動を行った。
④本実践 月から 月 計 回
本実践では,予備実践での結果を受けて,着席 行動及び学習の約束についてのふり返りの活動を 続けるとともに,対象児の学校での言動を参考に した 667 カードを使用して,社会生活,学校生活 の在り方を考える学習を行った。さらに,対象児 は,自分ができないことを認めることが難しかっ た。そこで,不適切な行動があった際には,カー ドを渡すようにし,カードの枚数を指導の最後に 行う自己評価に反映させることとした。指導にあ たり,指導項目及び指導段階を整理した表 。 通常の学級での様子観察
指導の翌日に,対象児が在籍する学級で授業観 察を行った。観察時には,指導での約束を基準と したチェックリストを用いて評価をし,様子が変 容するかどうかを確認した。リストでは,指導に おける学習の約束の内容から抜粋したものに加 え,積極性が見える場面として,挙手発言の回数 を記録した。また,チェック項目以外で,学習意 欲や適切な行動,不適切な行動については,その 他として記述方式で記録した。さらに,指導の前 後で担任に,&RQQHUV の質問紙調査を行った。
山形大学大学院教育実践研究科年報第 号
$'+' 児に対する 667 を主とする自立活動による通常の学級での指導効果
学習開発分野()尾 崎 夕 香
本研究は,自立活動の個別指導が,所属する通常の学級における学習場面で発揮 する効果を明らかにすることを目的とした。対象児は,$'+' があり,通常の学級に 在籍する小学 年生である。個別指導として,自立活動の指導着席行動・学習ルー ルの定着等を行い,学級で見られる効果について観察によって明らかにすることを 試みた。その結果,対象児の自己理解につながり,指導時には学習態度の変化が見 られ,学校内でも離席及び私語の減少等,指導効果が表れる場面が見られた。
[キーワード] 自立活動,ソーシャルスキルトレーニング,注意欠陥多動性障害,通常の学級
1 問題の所在
$'+' について
注意欠陥多動性障害以下,$'+' とするは,「年 齢あるいは発達に不釣り合いな注意力,又は衝動 性・多動性を特徴とする障害であり,社会的な活 動や学校生活を営む上で著しい困難を示す状態で ある文部科学省,」とされている。 年 に $'+' が通級指導の対象となって以来,通級に よる指導を受けている $'+' 児は増加傾向にあり,
年から 年で約 倍となっている文部 科学省,。小貫らは,$'+' のつまずき の一つとして,「注意のつまずき」を挙げており,
「低年齢の場合には,授業中の離席が起こるケー スもある。注意のつまずき!は集団場面への「参 加」そのものを難しくするため〈社会性のつまず き〉に発展することが多い。」と述べている。その ため,$'+' 児は,低年齢から個別指導を取り入れ て支援し,早期に改善を図ることが必要である。
個別指導と通常の学級の関連について 発達障害児に対する個別指導として,学校現場 でも行われているのが,通級による指導である。
年には,高等学校でも通級による指導が導入 され,学齢期の個別指導が児童生徒の学習・生活 場面において,重要な役割を果たしている。一方 で,石田らは,通常の学級と通級指導の課 題として,「通級指導は個に応じた指導の視点のみ ならず,通級指導が通常級での学習・生活にいか なる影響を及ぼすのか,あるいは直接的に学級担 任と共同して学級経営や授業作りに参画すること
で通級での指導を高め生かすことが必要である。」 ことを挙げている。個別指導による学習効果は,
筆者が /' 児に対する指導で検証しているが,学 級内での般化の有無を確認できていない。
先行研究から見えた課題
このような先行研究から,個別指導を通常の学 級での学習・行動の変容を見据えたものにしてい くことが,児童・生徒の学習能力や集団適応能力 の向上に対して有効であることが明らかになった。
その一方で,通級指導教室のような個別指導の場 面と,児童・生徒の主な学びの場となる通常の学 級での学習との連携が図られないことも多い。特 に,$'+' をはじめとした発達障害児は,通常の学 級で集団に適応することが難しい場合が多い。以 上の点から,発達障害児の集団適応効果をより強 化できるようにするために,通常の学級における 個別指導の具体的な効果を検証すること及び,個 別指導の内容と学級での指導・支援との連携の在 り方について研究をする必要がある。
2 目的
本研究の目的は,通常の学級に在籍している小 学 年生の女児に対して,ソーシャルスキルトレ ーニング以下,667 とするを中心とした自立活 動の指導を行い,通常の学級において効果を示し ているか,また,それはどのような効果かを検証 することである。 年次では,個別指導を行い,
翌日に対象児が在籍する通常の学級での学習を参 観することで,個別指導が学級内で効果的となる
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山形大学大学院教育実践研究科年報第 号
表 対象児について作成した年間の指導内容
①学習時における,適切な姿勢や態度を身につけることができる。
$学習時において,授業と同時間の 分間,着席することができる。
指導項目 $ では,着席の姿勢を確認するとともに,学習時間は着席をすることを理解し,授業時間における目的のな い離席行動を防ぐ指導を行う。着席時間の目標を徐々に伸ばし,段階的に着席行動を促していく。
$.学習時の正しい姿勢椅子に深く腰掛け,膝をそろえて座り,背筋が伸びた状態を理解し,自分で姿勢を作る ことができる。
$. 分間,姿勢を保って着席し続けることができる。
$. 分間,姿勢を保って着席し続けることができる。
$.分間,姿勢を保って着席し続けることができる。
% 学習時において,学習時の約束,決められた時間の間は着席する。 ,学習中は必要以上の私語をしない。
,指導者の話は黙って聞く。を守って行動することができる。
指導項目 % では,指導者と共に学習時の約束を考え,自分事として捉えた上で,毎時の指導におけるふり返りを行う。
自分の活動をふり返ることで,自己理解につなげ,学校での適切な学習態度を身に付けることができるようにする。
%学習時の約束を指導者とともに確認する活動を通して,約束を守ることの必要性を考えることができる。
%本時の学習時の様子をふり返り,約束を守ることができた場面とできなかった場面について,その時の心情 を踏まえて反省点を考えることができる。
%反省を踏まえて,次回の学習時における目標を考えることができる。
②日常の生活場面における適切な行動を考え,行動することができる。
&自分の行動や活動時の様子をふり返り,反省点を自ら考え,それを改善して行動することができる。
指導項目 & では,前時の学習をふり返り,学習の約束について自分の行動を改善する方法を考える。児童自身が改善 策を考えることで,学校での学習時にも活用できるようにする。
&ビデオで自分の行動や活動時の様子をふり返り,反省点を考えて書き表すことができる。
&反省点を踏まえて,改善する方法を指導者とともに考え,書き表すことができる。
&自分で考えた改善方法をふり返り,実践することができる。
&自分が考えた改善方法を継続して実行することができる。
'社会学校生活における常識相手の話は静かに聞く・場に応じたあいさつをする感謝謝罪・時間を守る・約 束を守る・相手の気持ちを考えて行動するを理解し,許容される範囲での行動を取ることができる。
指導項目 ' では,対象児の通常の学級での様子をもとにした 667 カードを用いて適切な行動を考える。学校生活及び 社会生活において,不適切になり得る行動を つの基準に照らして取り上げ,言動を行う自分の気持ちとそれを受け た周りの気持ちを考えたり,状況判断をしたりするような内容のカードとする。
'667 カードを用いて,場面の認知と予測を行い,適した対処方法を考えることができる。
'場面での適切な対応を考えながら,ロールプレイをすることができる。
'自分のロールプレイのビデオを見ながら行動をふり返り,さらに適切な言動を考えることができる。
4 結果 指導の結果 ①予備実践
前半は落ち着きがなく,離席が見られたが,オ ンライン指導の新鮮さにより,指導者への注目は 高かった。後半は,離席はなくなったが,視線の ブレが多くなった。対象児が,時間を気にするた め,指導者の画面に時計を映すと,注目できた。
②本実践
指導の結果,授業時間と同様の 分間,着席し た状態を保つことができるようになった。また,
学習と関係のない私語が,ほとんど見られなくな った。指導者に質問をするときに挙手をする姿が 見られ,指導者の話を聞いていない様子が見られ なくなった。
学校での様子の変化
①チェックリスト項目から見える変化
表 は,チェックリストの各項目の回数を示し たものである。離席回数は,後半で 回が続き,
授業中の私語や教師の話の中断回数が減少し,質 問は一度挙手をしてから聞く様子が見られた。
表 通常の学級におけるチェックリストの変化 回
数 離席回
内は離席時間 私語
回 教師の話を 中断回
分
各 秒
分
秒
分
②&RQQHUV による評価の変化
図 &RQQHUV の 7 スコアの変化 図 は,指導前後の担任による評価であり7 ス
84 90
65 64 78
59 69
53 53 54
40 50 60 70 80 90
不 注 意
多 動 性/ 衝 動 性
学 習/ 実 行 機 能
挑 戦 性/ 攻 撃 性
友 人 関 係 指導前 指導後
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コアは, 以上が典型例に入らない懸念があるこ とを示す。対象児は,全ての 7 スコアの値が低下 しており,言動が改善していることが分かる。
5 考察
実践の結果,個別指導による通常の学級での生 活行動の変容が見られた。指導効果として考えら れることは 点ある。
点目は,自己理解の促進による効果である。
岡田らは,667 の指導において,対象児が 課題の自己理解をすることが,ソーシャルスキル の向上に重要であると述べている。本研究でも,
対象児の自己理解を促すため,ロールプレイや指 導中の私語・離席の様子をビデオでふり返る活動 を設定した。対象児は,この活動で自己課題を理 解し,教室で離席がないよう心掛けたり,自ら私 語をやめたりしており,学習態度が改善した。し たがって,本研究においても,自己理解を促進し たことが,対象児の行動変容における効果を助長 したと考える。また,山本は,自己理解が 友人関係の良好さを感じさせることにも関係して いると述べている。対象児の友人関係も改善して いることから,自己理解をしたうえで行動を改善 することが,対人関係にも影響したと考える。
点目は,教室での様子と個別指導の関連によ る効果である。本研究では,授業参観後に担任と 面談する時間を設け,指導内容の一部を共有した。
その中で,個別指導の内容が学級での学習ルール にも取り入れられ,対象児童の建設的な言動が強 化された。また,667 カードの指導では,学級の 様子をカードの内容に反映したところ,対象児は 教室で同様の場面があった時に行動を改善した。
南澤は,$'+' 児に対し個別支援だけでな く,学級集団内で対応したことで,児童が集団適 応能力を向上させたことを示している。このこと から,個別指導の内容を学校での指導に取り入れ たり,学級の様子を指導に活用したりしたことは,
効果的であったと考えられる。
以上から,対象児の困り感に特化した個別指導 は,児童の自己理解を促したり,学級での様子と 個別指導とを組み合わせたりすることで,通常の 学級でも効果を発揮することが示唆された。
6 今後の課題
本研究の課題は 点ある。 点目は,教室での
学習の集中力のばらつきへの対応である。対象児 の通常の学級での様子は,改善が見られるものの,
日によって集中力に差があった。そのため,対象 児の様子に応じた支援の在り方を検討していく必 要がある。 点目は,学校との連携である。本研 究では,学校での様子を個別指導に活用すること はあったが,学校での指導と個別指導との連携が ほとんどできなかった。そのため,通級による指 導や,担任が行う配慮等を個別指導に活かし,学 校でも個別指導と関連した指導ができるように,
さらなる連携を図ることが必要と考えられる。
引用文献
石田祥代・北島善夫・宮寺千恵・真鍋健「学 校教育の各現場で求められる特別支援教育の今 日的な課題-その -」,『千葉大学教育学部研 究紀要』,第 巻,.
小貫悟・名越斉子・三和彩「/'・$'+' の社 会性のつまずき」,『/'・$'+' 児へのソーシャ ルスキルトレーニング』日本文化科学社,SS
.
南澤博「小学校通常学級における 名の
$'+' 児への教育的支援-個別指導と学級集団 指導の統合-」『教育カウンセリング研究』
第 巻 号,.
文部科学省『今後の特別支援教育のあり方 について最終報告参考 定義と判断基準 試案等』,
KWWSVZZZPH[WJRMSEBPHQXVKLQJLFKRXV DVKRWRXVKLU\RDWWDFKKWP 最 終閲覧日 年 月 日
文部科学省『令和元年度 通級による指導 実施状況調査結果について』,
KWWSVZZZPH[WJRMSFRQWHQW P[WBWRNXEHWXSGI(最終閲覧日 年 月 日)
山本博樹「児童の行動変容と学校適応感の 向上を目指した教育実践―3%,6 の取り組みを 中心に―」,『奈良教育大学教職大学院研究紀 要「学校教育実践研究」』,第 巻,.
The Effects of Self-Reliance Activities such as Social Skills Training for an ADHD Child in a Regular Class
Yuka OZAKI
山形大学大学院教育実践研究科年報第 号
表 対象児について作成した年間の指導内容
①学習時における,適切な姿勢や態度を身につけることができる。
$学習時において,授業と同時間の 分間,着席することができる。
指導項目 $ では,着席の姿勢を確認するとともに,学習時間は着席をすることを理解し,授業時間における目的のな い離席行動を防ぐ指導を行う。着席時間の目標を徐々に伸ばし,段階的に着席行動を促していく。
$.学習時の正しい姿勢椅子に深く腰掛け,膝をそろえて座り,背筋が伸びた状態を理解し,自分で姿勢を作る ことができる。
$. 分間,姿勢を保って着席し続けることができる。
$. 分間,姿勢を保って着席し続けることができる。
$.分間,姿勢を保って着席し続けることができる。
% 学習時において,学習時の約束,決められた時間の間は着席する。 ,学習中は必要以上の私語をしない。
,指導者の話は黙って聞く。を守って行動することができる。
指導項目 % では,指導者と共に学習時の約束を考え,自分事として捉えた上で,毎時の指導におけるふり返りを行う。
自分の活動をふり返ることで,自己理解につなげ,学校での適切な学習態度を身に付けることができるようにする。
%学習時の約束を指導者とともに確認する活動を通して,約束を守ることの必要性を考えることができる。
%本時の学習時の様子をふり返り,約束を守ることができた場面とできなかった場面について,その時の心情 を踏まえて反省点を考えることができる。
%反省を踏まえて,次回の学習時における目標を考えることができる。
②日常の生活場面における適切な行動を考え,行動することができる。
&自分の行動や活動時の様子をふり返り,反省点を自ら考え,それを改善して行動することができる。
指導項目 & では,前時の学習をふり返り,学習の約束について自分の行動を改善する方法を考える。児童自身が改善 策を考えることで,学校での学習時にも活用できるようにする。
&ビデオで自分の行動や活動時の様子をふり返り,反省点を考えて書き表すことができる。
&反省点を踏まえて,改善する方法を指導者とともに考え,書き表すことができる。
&自分で考えた改善方法をふり返り,実践することができる。
&自分が考えた改善方法を継続して実行することができる。
'社会学校生活における常識相手の話は静かに聞く・場に応じたあいさつをする感謝謝罪・時間を守る・約 束を守る・相手の気持ちを考えて行動するを理解し,許容される範囲での行動を取ることができる。
指導項目 ' では,対象児の通常の学級での様子をもとにした 667 カードを用いて適切な行動を考える。学校生活及び 社会生活において,不適切になり得る行動を つの基準に照らして取り上げ,言動を行う自分の気持ちとそれを受け た周りの気持ちを考えたり,状況判断をしたりするような内容のカードとする。
'667 カードを用いて,場面の認知と予測を行い,適した対処方法を考えることができる。
'場面での適切な対応を考えながら,ロールプレイをすることができる。
'自分のロールプレイのビデオを見ながら行動をふり返り,さらに適切な言動を考えることができる。
4 結果 指導の結果 ①予備実践
前半は落ち着きがなく,離席が見られたが,オ ンライン指導の新鮮さにより,指導者への注目は 高かった。後半は,離席はなくなったが,視線の ブレが多くなった。対象児が,時間を気にするた め,指導者の画面に時計を映すと,注目できた。
②本実践
指導の結果,授業時間と同様の 分間,着席し た状態を保つことができるようになった。また,
学習と関係のない私語が,ほとんど見られなくな った。指導者に質問をするときに挙手をする姿が 見られ,指導者の話を聞いていない様子が見られ なくなった。
学校での様子の変化
①チェックリスト項目から見える変化
表 は,チェックリストの各項目の回数を示し たものである。離席回数は,後半で 回が続き,
授業中の私語や教師の話の中断回数が減少し,質 問は一度挙手をしてから聞く様子が見られた。
表 通常の学級におけるチェックリストの変化 回
数 離席回
内は離席時間 私語
回 教師の話を 中断回
分
各 秒
分
秒
分
②&RQQHUV による評価の変化
図 &RQQHUV の 7 スコアの変化 図 は,指導前後の担任による評価であり7 ス
84 90
65 64 78
59 69
53 53 54
40 50 60 70 80 90
不 注 意
多 動 性/ 衝 動 性
学 習/ 実 行 機 能
挑 戦 性/ 攻 撃 性
友 人 関 係 指導前 指導後
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