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論 文 内 容 の 要 旨

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Academic year: 2021

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論 文 内 容 の 要 旨

論 文 提 出 者 笠 孝成

Porphyromonas gingivalis がヒト口腔粘膜上皮細胞に与える影響の3次元構築

モデルによる解析

研究目的

口腔上皮細胞は、細菌及び細菌から産生される様々な毒素からの曝露に対して重要なバリアとし て機能している。 歯周病原細菌であるPorphyromonas gingivalis (P.g.)は、上皮組織における バリア機能の破綻を生じさせることにより歯周病の進行に深く関与し易感染性の状態を生み出す と考えられているが、上皮組織にどのような影響を与え、どのようにしてバリア機能が壊される かの詳細なメカニズムについては分かっていない。そこで本研究では、P. g.がヒト口腔上皮細胞 に与える影響について検討を行った。

材料及び方法

ヒト口腔上皮細胞株とラット線維芽細胞からなる3次元構築モデルを作製し、Porphyromonas

gingivalis ATCC33277菌粉砕物を上皮層に滴下する群としない群としてそれぞれ培養した。その

後、上皮細胞の気相液相境界面培養 (Air-Lift) を行い、4〜8日間培養後に3次元構築モデルサン プルを回収し、HE染色及び免疫組織染色法を用いて形態観察を行った。また上皮のみを回収し、

DNAマイクロアレイ解析及び qRT-PCR法を用いて遺伝子発現の解析を行った。さらにバリア機能を 評価するために、Air-Lift 6日目のサンプルを用いてTER及びFITC-dextranによる解析を行った。

結果・考察

P.g.菌粉砕物を滴下すると Air-Lift 6日目に有意な上皮層の厚みの増加を認めた。マイクロアレ イパスウェイ解析の結果、細胞周期及び細胞間接着に関連する遺伝子発現の変化を認めた。細胞 周期においてCdkn1a mRNA発現量の有意な低下を認め、免疫組織染色において Ki67陽性細胞数の 割合が有意に増加した。細胞間接着において、E-cadherin染色強度及び染色面積の有意な低下を 認めた。組織の電気的抵抗値は有意に低下し、dextranによる組織の物質透過性試験の結果は有意 に増加した。

以上の結果は、P.g.は上皮バリア機能の破綻を招き、病変の重症化に関与することを示す。

結論

3次元構築モデルにおいて、ヒト口腔上皮細胞は、P.g.への曝露により細胞増殖が亢進するとと もに、細胞間隙が拡大し、細胞間接着タンパク質が減少する。これによって、上皮バリア機能が 低下し、歯周病変の重症化に関与すると考えられる。

参照

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