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ホエイタンパク質投与で生じる高い

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2019年27

ホエイタンパク質投与で生じる高い GLP-1 応答への DPP-4 の関与

応用生物科学専攻 食資源科学講座 食品健康科学 清水 祐希 1.背景と目的

Glucagon-like-peptide-1(GLP-1)は,インスリン分泌促進を介した血糖上昇抑制や食欲抑制な

ど多様な生理作用を有する消化管ホルモンである。栄養成分により

GLP-1

分泌が促進されることが 知られているが,血中に分泌された

GLP-1

Dipeptidyl peptidase-4(DPP-4)という酵素によっ

て速やかに分解される。食品タンパク質由来のペプチドには

in vitro

において

DPP-4

を阻害する 作用を有するものもあり,

in vivo

での食品タンパク質に対する

GLP-1

応答に生体内での

DPP-4

阻 害が寄与するという仮説を立てた。糖質による

DPP-4

阻害の報告はないことから,本研究では,ラ ットにおいて同用量の糖質とタンパク質経口投与後の

GLP-1

応答の違いを直接比較し,その違いに

DPP-4

が関与するのかを,薬剤によって

DPP-4

を阻害したラットならびに

DPP-4

欠損ラットを用い

て検討した。

2.方法

AIN-93G

標準食で飼育したラットを一晩絶食させ,試験当日に試験溶液を経口投与し,経時的に

尾静脈より採血した。得られた血漿中の活性型

GLP-1

濃度を

ELISA

法により測定した。<実験

1>

14-15

週齢の

F344/Jcl

雄性ラット(正常ラット)および

F344/DuCrlCrlj

雄性ラット(DPP-4 欠損 ラット)に

4 g/kg

のデキストリン,またはホエイタンパク質を単回経口投与した。<実験

2,3>

10

週齢の

Sprague-Dawley 系雄性ラットに,水もしくは50 mg/kg

Sitagliptin(DPP-4

阻害剤)

を経口投与した。その

2

時間後に,2 g/kg のデキストリン,ホエイタンパク質(実験

2)

,カゼイ

ン(実験

3)のいずれかを単回経口投与した。

3.結果

実験

1

において,正常ラットではホエイタンパク質投与群の

GLP-1

濃度は有意に増加し,デキス トリン投与群では

GLP-1

濃度の増加が見られなかった。一方,DPP-4 欠損ラットでは,ホエイタン パク質投与とデキストリン投与は同程度に血中

GLP-1

濃度を上昇させた。また,腸管組織中の

GLP-1

含量に関して正常ラット,DPP-4 欠損ラットの間に違いはなかった。実験

2,3

において,

DPP-4

阻 害剤未投与のラットでホエイタンパク質・カゼイン投与群の

GLP-1

濃度は有意に増加し,デキスト リン投与群では

GLP-1

濃度の有意な増加は見られなかった。一方,阻害剤投与ラットでは,デキス トリン投与によりホエイタンパク質と同程度に血中

GLP-1

濃度が上昇した。また,カゼイン投与に

対する

GLP-1

応答は,デキストリンと同様に阻害剤処理により強く増大した。

4.考察とまとめ

これらの結果から,単回経口投与したデキストリン,ホエイタンパク質,カゼインはいずれも

GLP-1

分泌を刺激するが,デキストリン・カゼイン投与の場合は分泌された

GLP-1

は血中の

DPP-4

によって速やかに分解され,一方でホエイタンパク質投与の場合は,DPP-4 による

GLP-1

の分解が 抑制されたものと考えられた。 また, ホエイタンパク質とカゼインの

DPP-4

阻害作用が異なるのは,

タンパク質ごとの消化・吸収性およびそのアミノ酸配列の違いが関与していると推察される。

参照

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