• 検索結果がありません。

抵抗値と熱処理特性との関係

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "抵抗値と熱処理特性との関係"

Copied!
7
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

無電解Ni―W―P皮膜抵抗器の 抵抗値と熱処理特性との関係

青 木 博 夫

Relations between Heat‑treatment Characteristics and Resistance of  t

h e   E l e c t r o l e s s   P l a t e d   N i

‑ W

‑ P   M e t a l   F i l m   R e s i s t o r s

HirooAOKI

Whe nt hep l a t e dme t a l創mbe c o me st hi na ndt hef il mi sa n ne a l e di t ia ir , r e s i t a nc e i n c r e a s e sa ndt h eTCR( t e mpe r a t u r ec oe 爪c i e n to fr e s i s t a nc e )g e tn e ga t i v eva l u e . So , i n t h i ss t ud yt he丘 1 m wa sa nne a l e di nt h eni t r o ge nga s・ t oe l i m ina t et h ei n f u l e nc eo f o xi d i z a t i o n.Al s o ,he a tt r e a t me nti na i rwa sma det oc o mpa r ewi t ht hef o r me ra n ne a ‑ 1 i n g.The ni twa sf o u n dt ha t仇ea n n e a l i n g a t mo s p he r er e s u l t e dc o ns i d e r a bl yi n di f fe r e nc eo fr e s i s t a n c ec h ar a c t e r is t i c s .An dt he r ewa sc l o s er e l a t i on sbe t we e nr e s i s ・ t a n c ec ha n gea n dTCR,t hati st h er e s i s t a n c ebe c o me ss ma l l e ra 洗e rh e a tt r e at me nt , TCRbe c o me sl a r ge r .I nt h i sp a pe r ,t hed i s c u s s i o nwa sf o c us e do nt hi sr e s ul t .

1. ま え ・が さ

無電解めっき法を用いて作成 され る Ni ‑ W‑ P 金属皮膜抵抗体 は ,TCR が精密級の値であ り, また信頼性 も高いため 1 0 ̀ l程度の低抵抗領域ではすでに実用になっている ( I ) . しか し抵 抗値が 1k n以上になると,空気中で熟処理 した場合抵抗値が増大 し,抵抗温度係数 ( 以下 TCR) が負の方向に大 きくなる傾向にあった.そ こで今回は酸化 の影響が現れない窒素 ガ ス中で熱処理を行い, また比較 のために空気中熱処理 も同時 に行 い,抵抗値 ,TCR および 電流雑音 ( 以下 ノイズ)の変化 を調べた.その結果熱処理雰囲気によりかな り特性 に違いが 生 じ,また抵抗値変化 と TCR の間には密接な関係があることが分かった.

2. 試 料 の 作 成

抵抗基体 としてアル ミナ含有率 7 0% の直径 1. 5 3 mm ,長 さ 6mm のセ ラミック円筒を用 い 次の工程で試料を作成 した.まず基体を純水中で,超音波を印加 しなが ら磁器表面 に付着 し ている微細 な磁器粉を除去す るために洗浄を行 う.次 に 3 5 o C の感受性化液 ( SnF

2

の水溶 液)に 2 分間浸漬 し,その後同 じ温度の活性化液 ( PdC 1

2

の塩酸溶液) に同 じ時間浸溝を行 ラ.なお感受性化,活性化の後 にはそれぞれ純水で洗浄を行い, この感受性化,活性化の一 連の工程は 2 回繰 り返す. このままめっきは可能ではあるが,活性化能力をさらに高めるた

●電気工学科 助教授

原稿受付 平成 5 年 9 月 1 日

(2)

3 8 青 木 博

めに 1 8 0 o C の恒温槽中で 1 0 分間乾燥を行 い,その後にめっき液 に浸漬 し皮膜形成 を行 う.そ のときのめっき条件 は,液量 2 0 0 m g ,液温 5 0 o C で,抵抗値 は時間を変 えて調整 した. まため っき液の組成 を以下の通 りであ り,建浴後煮沸を行った.

硫 酸 ニ ッケ ル 7g/∫

タ ン グ ス テ ン酸 ナ ト リウ ム 30 g/∫

次 亜 リン酸 ナ ト リ ウ ム 1 0 g/∫

ク エ ン酸 ナ ト リウ ム 4 0 g/∫

硝酸鉛 lppm

め っき後の熱処理 は,空気中および窒素 ガス中で,時間は 2 時間一定で温度 は 2 5 0,3 0 0 , 3 5 0 o C の 3 段階で行 った.最後 にキャップ電極 を圧入 し各種特性 を測定 した.なお初抵抗値

は,熱処理を行わないでめっき直後に電極を圧入 し測定 した.

3. 結 果 と 検 討

図 1 は,初抵抗値 に対す る熱処理後の抵抗値比 を示 した ものである.縦軸 は熱処理前の抵 抗値 R で熟処理後の抵抗値 R' を除 した値である.全体的に窒素中で処理 した ものは ,8. 9 0 , 2 5 0 o C の一点を除いて他のものは全て 1 以下の値 を示 している. また窒素雰囲気では,温度 が高 くなるほど抵抗値の低下が大 きくなること,および初抵抗値 についてみ ると温度 に関係 な く 1 2 9 mで極小値 を とることがわかる.空気中熱処理では , 2 点の例外を除 いて他 は 1 以 上の値になっている.また 3 0 0 o C および 3 5 0 o C では,初抵抗値が 1 0 0 ̀ 】を超 えると,抵抗値が 急激 に増大す ることがわかる. この抵抗値 の変化 の大 きさは 1 2 9 ̀ 】までは ,2 5 0 o C,3 5 0 o C , 3 0 0 o C の順 になってお り 3 0 0 o C と 3 5 0 o C で逆転 している.

図 2 は,図 1 のデータを熱処理温度について見たものであ り,抵抗値をパ ラメータにとっ た.空気中 1 2 9 f lを除 き他 のものは,温度 の上昇 とともに抵抗値 は低下 している. 2 5 0 o C で

1 10 100 1 000 250 30D 350

初 抵 抗 値 (S 2) 熱処理温度 ( ℃ )

図 1 初抵抗値に対する熟処理後の 図 2 熱処理温度に対する抵抗値変

抵抗値変化 化

(3)

は雰囲気,抵抗値 に関わ らず抵抗値変化が小 さく, また抵抗値が小 さいほど,温度が上昇 し た場合の抵抗値変化が小 さいことがわかる.その場合抵抗値が大 きくなると,空気中 と窒素 中では抵抗値の変化が逆になる.す なわち空気中では増大 し,窒素中では減少す る.

これ らの抵抗値変化の原因を,以下の 4 つのプロセスから考察す る. まずそれ らは,抵抗 値 を増大す る原因 と減少 される原因に大別 され る ( 2 ) . 増大要因には,酸化 と金属間化合物の 生成がある. しか し後者による影響 は前者 に比較小 さい ことが知 られている.酸化 は 2 0 0 o C

程度の低温か ら起 る結晶粒界への酸素の拡散,お よび 3 0 0 o C 付近 か ら起 る膜表面の酸化 に分 けられ, これ らの酸化膜 は絶縁物 とみなされる.従 って増大要因 として,以上 の 3 つをあげ ることがで きる.減少要因 としてほ,その金属の融点のおよそ 1 / 3 程度の温度 か ら起 る結晶 粒界の消滅がある.

窒素雰囲気中では,酸化 されないため抵抗値の上昇はほとんどないが,熟により結晶粒界 密度の減少が起 き抵抗値の減少をもた らした と考 えることができる.また 1 0 0 n 以上 になる

と抵抗値の変化 は, どちらの雰囲気の場合でも大 きくなるが,その原因は次のよ うに考 える ことができる. もし抵抗膜の厚 さ方向に成分のかた よりがないとすれば,抵抗値が高 くなる ほどすなわち膜が薄 くなるほど,格子欠陥の量 と粒界密度が大 きくなることが,容易に想像 される.また膜が薄いと厚いものに比べて,酸化膜 の厚 さが同 じで も酸化 され る以前の膜厚 に対す る割合が大 きくな り,抵抗値 の増大に与 える影響 は大 きくなる.窒素雰囲気中の抵抗 値 の減少についても,最初の抵抗値 に占める格子欠陥の割合から,同様に説明が可能である.

空気熟処理中 ,1 2 9 f lまでは 3 5 0 o C のほ うが 3 0 0 o C よ りも抵抗値の変化が小 さいのは,酸化の 影響か ら結晶粒界密度の減少の影響を差 し引いた値が ,3 5 0 o C のほ うが 3 0 0 o C よ り小 さか っ たからと考 えられ る. これは 5 0 0 f l付近で逆転 し,それ以上では,酸化の影響 が急激 に現れ 抵抗値 も急激に上昇す る.

図 3 は,初抵抗値 に対す る TCR の変化 を示 した ものである. この図 よ り 2 5 0 o C ,空気中 熱処理のものが,抵抗値 にあま り影響 され

ず安定 的 に 1 0 0 p p m/ o C 以下 を示 してい る ことがわかる. しかし抵抗値 の上昇 に伴 っ てわずかなが ら TCR は,小 さくなってい る. これに対 して 2 5 0 o C ,窒素中熱処理 の ものは,抵抗値 の上昇 に伴 って TCR は増 大 し ,7 4 5 Qでは 1 0 0 p p m/ o C を超 える値 と な る. この傾 向 は 3 0 0 o C,3 5 0 o C で も現 れ るが ,2 5 0 o C と異 なる点 は抵抗の最大点で 再 び TCR が低下す ることである. また空 気中熱処理で特徴的な ことは ,3 0 0 o C の場 合抵抗値が 1 2 9 0以上で負の大 きな値 を示 す ことであ る. 3 5 0 o C で は 2 5 0 o C の ときの 5 倍程度になるが,抵抗値の増大 とともに

TCR が低下す る傾 向にはかわ りない. し か し 7 4 5 mになると極端 に負 に大 きな値 を

( P \ u d d )

tl

U

L

1 10 100 1000

初 抵抗 値 ( Q)

図 3 初抵抗値に対する TCR の変化

(4)

4 0 青 木 博 夫 示 したので,図中では除外 した.

図 4 は,図 3 のデータを熱処理温度 につ いて見た ものであ り,抵抗値をパ ラメータ に とった. この図 よ り 250 o C では,抵抗値 および雰囲気による差 は小 さいが 30 0 o C で そ のバ ラ ツキ は最 も大 き くな り,負 の TCR の もの も混在 している.全体的 には 温度の上昇 とともに TCR は急激 に大 き く なってい くことがわかる.

電気抵抗にはマテ イ⊥セソの法則がな り たつが, この法則 を もとに熱処理 に よる TCR の変化 を考察す る.す なわ ち抵抗 β は,

p ‑ f h ・ +pr+J h

で表わ され る. ここで第 1 項 の F h ・は残留

( p \ u d d )

tZ

u ト

25D 300 35 0

熱 処 理 温度 (℃ ) 図 4 熱処理温度と TCR の関係 抵抗 と呼ばれ,不純物や格子欠陥の量 に依

存す る抵抗で温度には依 らない.第 2 項 の p ,は,格子の熱運動 によって生ず る抵抗で温度 の関数である.温度が高 くなると,原子の格子位置からのずれや周期性が乱れ,それによっ て抵抗は大 きくなる.第 3 項の J h は磁気的国子 による散乱抵抗で,電子がス ピンを持 って いることから生 じる. この項 は第 2 項 と同様 に温度に依存するが,不完全 な d バン ドを持つ 遷移金属の合金では, この温度係数は負になることが多い, これ らの ことから TCR を小 さ くす るには,温度に依存 しない J h ・の割合を p ,および 伽 に対 して相対的に大 き くす ること, または J h の TCR に負の値を持たせ ることで実現す る.p,を大 きくす るには,皮膜構造 を 非晶質にす る方法がある.本め っき膜 は,そ こに含 まれ る P と W の影響で非晶質である ( 3 ) . このため 2 5 0 o C 熱処理では,純 Ni に比較 して 2 桁程度小 さな値を示 している. しか し酸化 の影響が現れない窒素雰囲気 中では,温度が高 まるに連 れて結晶化 が進行 Lp ,が低下 し TCR は大 きくなる.p,が小 さ くなることは,全体の抵抗 も小 さくなることで,その様子 は 図 2 よりわかる.また窒素中熱処理で全般的に,抵抗値が大 きくなるに従 ってすなわ ち膜 が 薄 くなるに従 って ,TCR が大 きくなるのは,膜 が薄 い程温度 による結晶化の進行が進むた め と考 えられる.その原因 として膜が薄いほ ど,皮膜中の P または W の含有量が少な く結晶 化 に対す る抵抗力が弱いため と推察され る.

空気中熱処理では,結晶化の進行 と酸化が同時に生 じ ,TCR の変化を起す.その顕著 な

結果が 30 0 o C 熱処理に現れている.抵抗値が 8. 9 ̀ 】以下では ,2 50 o C よ りわずか低下 し正の値

であるが ,1 2 9 f l以上では負の大 きな値 になっている. TCR が負になるとい うことは,結晶

化の進行による TCR の増大 よ りも,酸化により導電機構が半導体的にな り,負の方向の増

大 が大 きかったため と思われ る. 3 5 0o C になると再 び TCR は 2 5 0 o C の数倍 の値 を示 してい

る. これは, この熱処理温度,時間および抵抗値では結晶化の影響が,酸化の影響を上回っ

ていることが推察 され る. しか し 7 4 5 ̀ l以上 では ,‑1 00 0 ppm/ o C 以下 と極端 に大 きな値 を

示 したため図中からは除外 した. これは膜厚が薄 くなると酸化の影響が,強 く現れることを

(5)

意味 している.

熟処理後の抵抗値変化 と TCR は ど もらも,結晶化の度合いに影響 を受 け るためそ こで抵抗値変化 と TCR の散 布図を描いた.その結果を図 5 に示す.

図 よ り抵抗値変化 と TCR の間 には, 負の相関があることがわかる. また特 に窒素中処理のものは,相関係数が‑

0. 8 9 と高い債であ り,検定を行 って も 有意水準 1% で高度 に有意であること が判明 した.空気中処理のものはそれ に対 して ,‑0. 6 5 であ り前者 に比べて 相関は弱 くなるが,検定を行 うと有意 水準 5% で有意であることが分 かった.

このように空気中処理では酸化 の影響 で ,TCR の増加 を抑 え相 関係数を低 下 させた ものである.また両図 より抵 抗値変化が 1 の周 りの ものが ,TCR が小 さいことがわかる.

図 6 には,熱処理後の抵抗値 に対す るノイズの関係を示す.なお ノイズの 測定には ,Quant e cMode l31 5 C を使 用 した.図 より空気中熱処理の ものが, 窒素中熱処理に対 して小 さな値 を示 し てお り,特 に 3 5 0 8 C の ものはその差 が 大 きい. 3 5 0 8 C 窒素中処理 の ものは, 抵抗値 に対す る変動が大 きく不安定 で あるが,その他の曲線 は全般的に抵抗 値が大 きくなるほどノイズも大 きくな

ってい くことがわかる.一般 に抵抗器, とくに接触抵抗 よりなると考 えられ る

( P \

tud

d )

tZ

u ト

(g

p ) Y y r 0 0 0 0 0 0 6 4 2

0

空 気 中 ●

0

窒 素 中 0

○● 0

○● ●

oく C 令 r . .

l l ●

0 1 2 3

抵抗値比

図 5 熱処理後の抵抗値変化と TCR の関係

1 10 100 1000

熱処理後の抵抗値 (S 2) 図 6 熟処理後の抵抗値に対するノイズの大

きさの関係 抵抗器 では,電流雑音 の大部分 は 1 / f

雑音で占め られていると考 えられている ( 4 ) .1 / f 雑音の特徴 は,周波数スペク トルが周波数

に逆比例す るとい うことと,周囲雰囲気ならびに構造に敏感であるとい うことである.つ ま

りこの種の雑音 は表面現象に密接に関連 してお り,構造敏感性をもつ とい うことである.抵

抗値が高いとい うことは,膜が薄い とい うことであ りそれに伴い構造上の欠陥 も多 く存在す

るようになる.そのために抵抗値が,高 くなるにしたがって ノイズも大 きくなった と考 えら

れる.空気中熱処理が窒素中熱処理が,優れていることから皮膜 の酸化がノイズ特性 に良い

影響を与 えていることがわかる.

(6)

4 2

ここで温度40 o C,相 対湿度9 5%の環境条件 のもとで, こ れ らの試 料の耐湿特性 を測定 し た.その結果を表 1に 示す.各欄の上段は熟 処理後の抵抗値 ( 初抵 抗値 は同一の も の),

中段 は357 時間後 の抵 抗 値 変 化 率, 下 段 は 3 57 時 間 での抵抗値 変

青 木 博 夫

表 1 耐湿特性

雰 囲 気 窒 素 中 空 気 中

温度 ( ○ C) 25 0 300 350 250 300 35 0 抵抗値 ( f l ) 1 1 5 81 7 5 1 22 303 238

変化率 ( %) 14. 0 8. 3 9. 5 23. 9 5. 5 5. 2 変化率の傾き

,(x 1 0 ‑

3

%/ h ) 20 1 ◆ 6 1 4 32 9 1 0 抵抗値 ( a) 8 04 625 594 1 1 00 1 65 3 変化率 ( %) 44. 5 2 3. 5 1 6. 9 55. 0 41. 0

化率の傾 きを 表わ している.熱処理 温度,熱処理雰囲気が同 じ場合 は, 抵抗値は大きくなると耐湿特性が悪 化 していることがわかる.初抵抗値 が1 2 9 ̀ lの も のにつ いてみ る と,寡 囲 気 の違 いに関わ ら ず 25 0 o Cよ り 3 0 0 o Cまたは3 5 0 o Cで熱処理 した も のが格段 に小 さくなっていー ることが わ か る. また30 0 o C と3 5 0 8 Cで はそ れほど差が無いことがわかる.次に 雰囲気 の違いに注 目す ると ,2 5 0 o C では窒素 より 空気中のものが 約 2倍 の値 で ある が ,3 00 o Cお よび350 o C では逆に空気中のものが,窒素中の ものの約半分の値になっていること が分か る . 抵抗値変化率 とその傾 き について散布図を 図 7に示すが, こ れ より 両者の間に は 強い相関があ り , る.

( tT \ % ) 机 蟹 e 静 q t 樹 0 0 0 8 6 4

0 20 30 40 5 0 60

抵 抗値 変化率 (% ) 図 7 抵抗値変化 と抵抗値の上昇の割合

率 が

ほ ど

,上 昇の割

合 が

小 さ い ことが分 か

4. あ と が き

TCR は抵抗特性 の内で最 も重要な特性 の一つ であるが, これ について見 ると熟処理後 の 抵抗値変化の少 ない ものが ,TCR において優れ ていることが分 かった.その抵抗値変化が 少 ない具体的 な熟処理法 は ,250 o C で空気中で行 うことであった. また ノイズに関 して も窒 素中熱処理 よ りも,空気中熱処理の方法が優れている傾向にあった.

初抵抗倍数 Oの ものよ り 1 0 0 n 程度のものが,窒素中熱処理 において抵抗値 の低下率が大

きい原因につ いては,膜厚方向で成分が異なるためか, または格子欠陥の量の違 い と考 える

ことがで きる. この点に関 しては,今後 オージェ分析で厚 さ方向の成分分析 を行 う必要があ

(7)

る.

耐湿特性 は高温で行 った方は明かに優れていたわ けであるが,TCRは悪化 した.そ こで 耐湿改善 としては3 0 0o C窒素中で熱処理 を行い,その後 に空気 中で2 5 0 o C以下 の低温 でゆ っ くり酸化を行い TCRを改善す る方法が考 えられ る.つ ま り空気熱処理 と窒素熱処理 を組 み 合わせた複合熱処理 も有効 な手段 と考 えられる.

参 考 文 献

( 1 ) Hi r ooAo ki:St udyofMa s sPr o duc t i ono fLow Ohm Me t alFi l m Re s i s t or sPr e par e dby El e c t o r ol e s sPl at i n g,Tr ams .I EI CE,E7 4 , 7 ,p p.2 0 4 9 ‑ 2 0 5 4( J ul y1 9 9 1 ).

( 2 ) S. T. Pai andJ . P. Mar t o n: Ef fe c tofoxi da t i o nont her e s i s t i v it yofNi ‑ Pf il ms , J. Appl . Phys . , 4 3 ,1 2 ,pp. 4 9 7 2 ‑ 4 9 7 6( De c.1 9 7 2 ).

( 3 ) 小岩一郎 ,逢坂哲称 ,沢井秀夫 :非晶質無電解 Ni ‑W‑P 皮膜 の抵抗値の熟変化特性 ,金属表 面技術 ,3 4,1 2,pp. 6 0 0 ‑ 6 0 3( 1 9 8 3 ).

( 4) 城阪俊吉 ,早川 茂 :エ レク トロニクス材料 ,電気書院 ,p, 1 3 4( 1 9 7 5 ).

参照

関連したドキュメント

このアプリケーションノートは

車 両には 様々な抗 力が有 り、 転がり 抵抗や空 気抵 抗 、勾配 抵抗など が挙げ られ る。そ の中でも 空気 抵 抗を軽 減出来れ ば、車 両の 燃費や 速度、走 行安 定

なった。しかし、熱伝導性熱可塑エラストマーを挟

線ケーブル特集号 第5 (へ賢やミリNhこ 轟唱底 処王里時間川) 第6図 処理温度を一定にした場合の反応数と

電極間に金属抵抗線の ような屯横のない冠気点火方 式を有際電気点火方式L )と捻称 しているが,その

15)吉川宏昭(1990): 植物防疫 44 : 295 ∼ 298. 16) (1993): 野菜茶試研報 7 : 1 ∼

しかるに これ らの皮膜は少数の例外を除 きそ のほ とん どが真空蒸着法 もしくは カソー ドスパ ッタリソグ法によってその形成がな され

 アースは、機器から漏電した場合などに大地 に逃がし感電を防ぐために必要で、一般家庭で