熱伝導性複合熱可塑エラストマーの金属平板に対する接触熱抵抗の評価
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(2) 第 32 回 エレクトロニクス実装学会春季講演大会. 一定圧及び一定圧縮量下でのみかけの熱伝導率を種々. 伝導率が 0.85~0.86 W/(m・K)であり、傾きから求. の温度で測定した。. めた熱伝導率(0.83 W/(m・K))とほぼ一致した。 したがって、充分な一定圧力下では、接触熱抵抗が ほぼ 0 であると考えられた。しかし、0.15mmの試. 2.3 接触熱抵抗値の見積もり 測定した熱抵抗(R)を試料厚みに対してプロット. 料では、その予想直線より熱抵抗が大きくなった。. し、式 1 を、銅板と試料で挟まれた接触熱抵抗(R0). これは、全体の熱抵抗がこの測定機の測定限界を超. と試料の熱伝導率を算出した。. えていたため生じた誤差だと考えられる。. R = (d/λ) + R0. (1). d:試料の厚み λ:試料の熱伝導率 2.4 硬さ測定法 作製した熱可塑性エラストマーシートの硬さは、 デュロメータ硬さ計(ASKER A)を用いて、ASTM D 2240 にしたがって測定した。 3. 実験結果と考察 3.1 作製した各種の複合熱可塑性エラストマーの硬さ 作製した複合熱可塑性エラストマーの硬さを AlN 量. 図 3 種々の厚みを持つ、50 vol% の AlN 粉を複 合した熱可塑性エラストマーシートを用いたと きの熱抵抗. に対してプロットした。AlN 量の増加とともに、硬さ は直線的に増大した。. 3.3 種々の厚みを持つ、各種の AlN 粉を複合熱可塑性 エラストマーシートを用いたときの熱抵抗 AlN 量が異なる種々の複合熱可塑性エラストマ ーシートを測定時の圧力が直接かかるようにした 治具(a)に挟み、平均測定温度:57℃で熱伝導率を測 定し、各試料の熱抵抗を見積もり、試料厚みに対し てプロットした(図 4) 。. 図 2 各種の充填量で作製した複合熱可塑性エ ラストマーのデュロメータ硬さ. 60 vol%. 3.2 種々の厚みを持つ、50 vol% の AlN 粉を複合熱可. 40 vol%. 塑性エラストマーシートを用いたときの熱抵抗 50 vol%. 測定時の圧力が直接かかるようにした治具(a)に各 種の厚みの試料を挟み、平均測定温度:57℃で熱伝導 率を測定し、各試料の熱抵抗を見積もり、試料厚みに 対してプロットした(図 2) 。0.3mm 以上のサンプル. 図 4 種々の厚みを持つ、種々の AlN を複合した熱 可塑性エラストマーシートを用いたときの熱抵抗. 厚みの範囲では、良い直線関係を示し、みかけの熱. 74.
(3) 第 32 回 エレクトロニクス実装学会春季講演大会. いずれの充填量でも試料の厚みに対してよい直線関係. 定よりも圧縮は大きくならなかったが、定圧下(ガ. にあり、有意に接触熱抵抗が見積もることができるこ. イドなし)では 30%以上圧縮されていた。. とがわかった。そして、その傾きから熱伝導率を見積. したがって、総合的な圧縮量の違いが、サンプルと銅. もると図 5 のようになった。. 板との密着性の差となって、熱伝導率に反映したもの と考えられる。. 図 6 一定圧力下及び圧縮下のサンプルのみ かけの熱伝導率 図 5 傾きから見積もった、種々の AlN 量の複合 熱可塑性エラストマーシートの熱伝導率 AlN 量の増加とともに、熱伝導率が指数関数的に増 大し、比較的精度よく熱伝導率が見積もることがで きたと考えられる。 また AlN 量が 40 vol%と 50 vol%の場合の直線関係 においては、切片がほぼ 0 であり、接触熱抵抗が 0 であると見積もられるが、60 vol%の場合の直線関係. 図 7 一定圧力下及び圧縮下のサンプルの総 合的圧縮率. においては、切片が 1.3 程度となり、有意な接触熱抵 抗が認められた。これは、3.1 項の結果と合わせて考. 4 まとめ 熱可塑性エラストマーを 2 枚の銅板で挟み一定圧力. えると、シートの硬さが大きいので銅板への追従性が 悪くなったためと考えられる。 これらのことによって、. または一定圧縮量下、定常法熱伝導率計法で測定し、. 熱伝導率の大きな 60 vol%の複合熱可塑性エラストマ. 接触熱抵抗を含んだ熱可塑性エラストマーの熱伝導率. ーの場合に、みかけの熱抵抗が大きくなったと考えら. を見積もり、それらの影響について検討した。 熱伝導率測定機の測定範囲であれば、試料厚みに対 する各試料の熱抵抗の直線性を確認できた。そして、 傾きから熱伝導率を、切片から接触熱抵抗を見積もる ことができた。また接触熱抵抗には、界面の追随性が 重要であり、それは界面の柔軟性や圧力が強い影響を 及ぼしていることがわかった。 文献 [1] 吉田隆彦、上利泰幸、吉門進三、電気学会論文 誌A、132、180(2012). れる。 3.4 AlN 粉複合熱可塑性エラストマーシートを用い たときの熱抵抗への定圧下及び圧縮下の違い 一定量(3.5%)の圧縮を加えたときのサンプルの みかけの熱伝導率を測定し、一定圧力下でのみかけ の熱伝導率と比較した(図 6) 。いずれのみかけの熱 伝導率も測定誤差内(±10%)であり、測定の再現 性は大きいと考えられる。しかし、定圧下(ガイド. 講演者:上利泰幸. なし)のみかけの熱伝導率が、定圧縮下(ガイドあ. 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 森之宮センター. り)のみかけの熱伝導率よりも1.8倍程度大きか. 〒536-8553 大阪市城東区森之宮 1-6-50. った。そこで、それぞれの測定時の圧縮率を調べる. TEL:06-6963-8127. と(図 7) 、定圧縮下では、ガイドのために、初期設. FAX:06-6963-8134 Email:[email protected]. 75.
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