• 検索結果がありません。

2 2. 豆乳製品の品質に及ぼす豆乳の特性の影響豆腐のおいしさは, 色, 味, においのような化学的な味よりも, テクスチャのような物理的な味が重要な要因であることが知られている [3]. このことから, 食感, すなわち力学物性は豆腐のおいしさを決める重要なファクタであり, 各成分の組成とその存在

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "2 2. 豆乳製品の品質に及ぼす豆乳の特性の影響豆腐のおいしさは, 色, 味, においのような化学的な味よりも, テクスチャのような物理的な味が重要な要因であることが知られている [3]. このことから, 食感, すなわち力学物性は豆腐のおいしさを決める重要なファクタであり, 各成分の組成とその存在"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

コロイド分散系の制御に基づく豆乳製品製造技術の確立

伊 藤 健 介

太子食品工業株式会社

Establishment of the Production Technology for a Soymilk Product Based

on Control of the Colloidal Dispersion System

Kensuke I

TO

Taishi food Inc. 68 Aza-okinaka, kawamorita, Sannohe-machi, Sannohe-gun, Aomori 039-0141, Japan

Based on the fact that soymilk is a colloidal dispersion system where lipid is distributed to the continuous phase which consists of protein, the process for manufacturing low-fat soymilk, separating fat centrifugally from soymilk in order to control fat concentration in the soymilk, was established. With the soymilk which was produced in this process, a fundamental technique to design physical properties of colloidal food by controlling its particle dispersion state was established, and it led to a novel technology to produce tofu and yuba.

Keywords: tofu, yuba, colloidal solution, lipid, rupture stress

(受付 2013 年 10 月 18 日,受理 2013 年 12 月 6 日) 〒039-0141 青森県三戸郡三戸町大字川守田字沖中 68 番地 Fax: 0179-22-1701, Email: k-ito@taishi-food.co.jp

◇◇◇ 解説

(2013 年度日本食品工学会技術賞)

◇◇◇

1. 緒    言 豆乳は,タンパク質を主成分とする水溶液の連続相 に脂質が粒子状に分散しているコロイド分散系である. 通常丸大豆を水で膨潤させ,加水,磨砕,固液分離の 工程を経て製造されている.脂質は,植物組織中では 平均サイズが約 0.4μm である微細な脂質体(オイルボ ディ)として存在し貯蔵されている [1].この微細な脂 質体はその表面がオレオシンタンパク質で被覆されて いて,この構造的要因が大豆の保存中に酸化が進みに くい要因と考えられている [2].脂質体は加水,磨砕し て得られた懸濁液中ではタンパク質との会合体として 分散しているため,必ずしも安定とはいえないコロイ ド分散系となっている.しかし,固液分離前または分 離後に十分な加熱が行われることにより,タンパク質 が遊離し,脂質体がそのままか,あるいはそれほど凝 集することなく豆乳中に分散するため,安定なコロイ ド分散系となる. 豆乳に凝固剤を適量添加し,加熱して凝固させたも のが豆腐である.豆乳を 90℃前後に加熱し,表面に生 じた膜を汲み上げたものがゆばである.これら大豆加 工食品は大豆を出発原料にして製造されているため, 大豆加工食品メーカーは大豆の性状を重視しており, 大豆品質の調査は品質管理上,重要な検査項目となっ ている.一方で,豆腐とゆばの製造過程においては, 豆乳製造は共通でありそれ以降で作り分けされている ことから,これらは豆乳製品ともいえる.よって,大 豆と同様に豆乳の品質も重要な管理ファクタと考えら れ,実際原料豆乳のコロイド状態が製造条件や最終製 品の品質に影響を与えていることも事実である. 食品コロイド分散系の特性は,水溶液と分散質のそ れぞれの組成のみならず,粒子径分布などの分散構造 にも依存する.数μm~数十μm の脂肪球が分散して いる牛乳では,クリーミング,転相などの現象が経験 的に見出され,このようなコロイド安定性が関わる現 象は平均粒子径に依存することが知られている.豆乳 は,コロイド粒子の平均粒子径が牛乳より小さくコロ イド安定性が高いため,牛乳と比べて目に見えるダイ ナミックな変化が乏しかったことに加えて,独特の大 豆臭が敬遠されて食品素材として重要視されてこな かった.一方で,原料としての大豆油の需要が高いた めに,脱脂大豆や分離大豆タンパク質の研究が先行し, 脂質の影響について食品コロイドの観点から考察され ることは少なかった.世界的には,大豆は大豆油のた めの原料という認識となっている.

(2)

伊  藤  健  介 2 2. 豆乳製品の品質に及ぼす豆乳の特性の影響 豆腐のおいしさは,色,味,においのような化学的 な味よりも,テクスチャのような物理的な味が重要な 要因であることが知られている [3].このことから,食 感,すなわち力学物性は豆腐のおいしさを決める重要 なファクタであり,各成分の組成とその存在状態に依 存している.豆腐はタンパク質を主成分とした連続相 にオイルボディが分散したエマルションすなわちコロ イド分散系であり,食品コロイドに分類される.食品 コロイドの主な機能性はタンパク質と多糖類によって 発現しているとされてきており,それらのコロイド安 定性や凝集・ゲル化の特性によって食品の物性が影響 を受けている.豆腐に関して,大豆グリシニンの加熱 変性によるゲル形成 [4,5] など盛んに研究が行われてい る [6] が,それぞれの相互作用に対する理解は十分では ない.コロイド分散系の力学物性において,連続相の 力学物性のみならず,連続相と分散質との界面での相 互作用が重要であることが知られており [7],大豆タン パク質と脂質のエマルションの加熱ゲル形成において, 脂質の添加でゲルの破断応力は大きくなり [8],構成脂 肪酸の分子長が短くなるほどゲルの破断応力は大きく なる [9] と報告されている.また,大豆タンパク質と大 豆油や大豆レシチンを添加したエマルションの加熱ゲ ルにおいて,大豆油と大豆レシチンの添加でゲルの貫 入抵抗応力は小さくなると報告されている [10].ちな みに,同じく豆乳製品であるゆばも,原料である豆乳 と同様コロイド分散系である.したがって,豆乳をコ ロイド分散系と捉えて,コロイド粒子状に分散してい る脂質の濃度を調整することにより豆腐やゆばの力学 物性がコントロールできると推測された. このような技術的背景の中,健康に気を配る消費者 のカロリーオフ志向の高まりに対応するため,低脂肪 豆腐の開発を構想した.単に低脂質濃度の豆腐を製造 するのであれば,脱脂大豆を使う方法があるが,味の 面で苦味や渋みがあって製品品質に問題があり,溶媒 抽出以外の脂質濃度制御方法が必要となった.そこで, 脂質濃度を調整した豆乳画分を調製するプロセスにつ いて検討することとした. 3. 豆乳のコロイド的性質と脂質 大豆の脂質は,主に中性脂質のトリアシルグリセロー ル(TAG)であり,極性脂質のリン脂質や糖脂質の他, 微量成分のステロールやカテキンなどの脂溶性色素か らなっている [11].TAG は,大豆種子細胞中の脂質体(オ イルボディ)に貯蔵されており,大豆種子細胞中には オイルボディとともにタンパク質貯蔵液胞(PSV)が 含まれている.豆乳製造過程の磨砕により PSV が崩壊 して溶出した貯蔵タンパク質とオイルボディが接触し, オイルボディの表面にタンパク質が会合する.しかし, 加熱によるタンパク質の変性で,会合したタンパク質 のほとんどは遊離する [12].したがって,豆乳の分散 安定性は加熱温度に依存し [13],加熱前は大・小コロ イドが混在する不均一な状態であるが,加熱により大 コロイドは激減して小コロイドとなり [14],コロイド 粒子径が均一になることによって豆乳は安定な状態に 変わる.また豆乳のオイルボディにはタンパク質粒子 が会合しており,会合することでオイルボディ単体よ り密度が高い粒子となり連続相との密度差が小さくな ることから,加熱された豆乳は通例の食品エマルショ ンより安定なコロイドということができる.したがっ て,ひとたび安定なコロイドになると,牛乳加工プロ セスにおいて常用される遠心分離機の能力では,豆乳 からクリームを分離することはできない. 豆乳の脂質濃度を調整するために,タンパク質の等 電点沈殿を応用し,脂質を分離することを検討したが, pH の適応範囲が狭く,またコロイドの分散性が分散媒 のイオンバランスの影響を受けやすいことからも,分 離比率を安定させて製造することは難しかった.した がって,分離しにくいことが予想されたが,食味に影 響しないこと,タンパク質が変性しにくいことという 利点を有する遠心分離を検討することとした. 豆乳を遠心分離にて安定して脂質を分離するために は,豆乳を安定したコロイド分散系に調製することが 必要と考えられた.よって,豆乳の調製方法を検討した. 加熱によりオイルボディからオレオシンは解離するが 一部は結合しているため,豆乳中のオイルボディは種 子中のオイルボディと若干異なっており [15],加熱前 の状態にはならない.このように豆乳のコロイド分散 系を安定化するためには適切な加熱が必要であること がわかり,遠心分離する豆乳の製造条件を明確にする ことができた. 豆乳を加熱し安定したコロイド分散状態で遠心分離 した結果,脂質を完全に除くことはできなかったが, 脂質濃度を調整した豆乳分画を得ることができるよう になり,低脂肪豆乳を製造するプロセスを確立するこ とができた. 4. 豆乳製品の力学物性に及ぼす 原料豆乳の脂質濃度の影響 4.1 ゆばにおける脂質の影響 ゆばは豆乳から製造される膜状食品である.従来の 製法は,豆乳をゆば製造専用の槽に注ぎ,80~90℃に 加熱後,気液界面に生じた膜を汲み上げ,1 バッチ当り 8~10 枚得る方法である.しかし,この方法ではゆばは 汲み上げる枚数ごとに豆乳成分が変化することで膜の

(3)

成分組成が変わる [16,17] ため,結果として膜の物性も 変化する(Fig. 1).そのため,得られたゆばの物性の 違いによって「刺身ゆば,巻きゆば,乾燥ゆば」など に用途を振り分けている.また,豆乳の加熱温度によ り色調が異なることも示されている [18].製造のほと んどが手作業で行われており,製造過程の最適化は製 造者の勘と経験に頼るところが大きく [17],大量生産 はほとんど行われていない.そこで,大量生産するた めに,膜形成過程について検討した.原料豆乳が 60℃ 以上に加熱されるとタンパク質が変性し,さらに加熱 が進行して表面蒸発が顕著になると表面皮膜が形成さ れ [19],さらに水分が蒸発すると表面皮膜が濃縮され て緻密層が形成される.水分は緻密層を透過し,気液 界面から継続的に蒸発が進行するとともに,固液界面 に豆乳成分が吸着して膜が成長していくと考えられた (Fig. 2).ゆばは汲み上げるごとに成分組成が変化する が,6 枚目までは膜の厚さに対する破断強度がそれほど 変化しない (Fig. 1) ことから,ゆばの物性においては緻 密層の寄与が大きいと考えられた.よって,緻密層を 安定に調製することが生産の安定性につながり,その ためには原料豆乳の成分組成と水分の蒸発速度を一定 に保つことが重要であると予測された. このような検討をもとに,原料豆乳の成分組成を維 持するために,ゆば 1 枚分の豆乳を充填する個別容器 を用いて初期製造条件を一定に保つことと,水分の蒸 発速度を一定に保つための加熱手段として「過熱水蒸 気(SHS)オーブンを使用する」ことで,均質なゆば を連続的に生産できる新規製造プロセスを確立した [20].さらに,ゆばの連続製造プロセスを用いて従来 のような物性の異なる多品種のゆばを製造するために, 製品品質に及ぼす原料豆乳のコロイド分散状態の影響 について検討した. 遠 心 分 離 に よ り, 豆 乳 の タ ン パ ク 質 濃 度 を 5.07~ 5.18%とほぼ一定の状態で脂質濃度を 0.91~3.36%にな るよう豆乳を調整した(Table 1).ゆばの物性は,膜の 厚さに対する破断強度で評価した.1 枚分の豆乳をバッ トに充填し,過熱水蒸気オーブンを用いてゆばを調製 した.以上の条件にて調製されたゆばの厚さに対する 破断強度は,原料豆乳の脂質濃度に顕著に依存する傾 向が認められた.ゆばの脂質濃度が 5%までは濃度依存 的に膜厚に対する破断強度が大きくなり,5%以上では 低下した(Fig. 3).この現象の要因が緻密層のコロイ ド分散状態にあることを確認するため,ゆば表面を走 査型電子顕微鏡(SEM)で観察した.サンプルは,グ

Fig. 1 Component composition (A) and breaking strength (B) of yuba prepared by the conventional process.

Table 1 Solid, protein, and lipid contents of soymilk samples for yuba.

Sample No. Solid (%) Protein (%) Lipid (%) 1 9.15 5.18 0.91 2 9.40 5.16 1.29 3 9.66 5.15 1.67 4 10.04 5.12 2.23 5 10.29 5.11 2.61 6 10.54 5.09 2.99 7 10.79 5.07 3.36

Fig. 2 The film formation model of yuba. The cross-sectional view which put soymilk into the tray.

1 (A) (B) 伊藤 Fig.1 伊藤 Fig.2

(A)

(B)

Fig. 1 Component composition (A) and breaking strength (B) of yuba prepared by the conventional

process.

伊藤

Fig.1(訂正 20140223)

(A)

(B)

Fig. 1 Component composition (A) and breaking strength (B) of yuba prepared by the conventional

process.

(4)

伊  藤  健  介 4 ルタルアルデヒドで固定し,水分をアセトニトリルで 置換後,凍結乾燥し,金蒸着処理を行った.ゆば表面 を SEM で観察したところ,250~500 nmφのオイルボ ディと約 1μmφの脂肪滴が認められた(Fig. 4)こと から,ゆばはタンパク質の連続相に脂質が取り込まれ ているコロイド分散系であることが確認された.さら に,原料豆乳の粒子径をレーザー回折 / 散乱式粒度分 布計と SEM にて確認したところ,ゆば表面と同様にオ イルボディと脂肪滴が認められた(Fig. 5)ことから, 原料豆乳のコロイド分散状態が緻密層へ投影されてい ると考えられた.このことから,豆乳の脂質濃度を調 整することでゆばの力学物性を制御することができる 可能性が示された. 4.2 豆腐における脂質の影響 豆腐は豆乳に凝固剤を添加し,速やかに攪拌後,型 に流し込み,80~90℃で加熱し,凝固させたものである. これが絹豆腐であり,木綿豆腐は絹豆腐を崩し,プレ スしてホエーを排出し,成型した豆腐である.豆腐物 性を調整する主な手段は,原料大豆の種類の変更や凝 固剤の種類変更と添加量の調整などがある.豆腐には 大きく分けて絹豆腐と木綿豆腐があり,一般的に絹豆 腐より木綿豆腐の方が破断応力は大きい.絹豆腐の破 断応力は小さく崩れやすい豆腐であり,木綿豆腐のそ れは大きく崩れにくい豆腐である.凝固剤であるマグ ネシウムイオンの豆乳中でのイオン濃度の上昇に伴い 破断応力は大きくなるが,極大値を経て小さくなった [21].しかし,実際の製造では食感を考慮し,極大値 以下のイオン濃度で豆腐を調製するが,イオン濃度に よる豆腐物性の調整幅は,製造上の微調整の範囲内で あり,今まで木綿豆腐のような破断応力が大きい絹豆 腐は製造できなかった. 遠心分離により脂質濃度を調整した豆乳で豆腐を調 製し,物性に及ぼす脂質の影響を検討した.豆乳中の タンパク質濃度を 4.80~4.82%とほぼ一定とし脂質濃 度を 0.74~3.47%に調整した豆乳(Table 2)で豆腐を 調製し,破断応力を測定した結果を Fig. 6 に示す.脂 質濃度が 2%以下では脂質の濃度依存的に破断応力が大 きくなり,脂質濃度が 3%以上では小さくなる傾向が認 められた [21].豆乳の脂質濃度調整により絹豆腐を試 作した結果,脂質濃度調整による破断応力の極大値は

Fig. 5 Particle size distributions of soymilk emulsion system (A) and SEM image of soymilk (B).

(A) (B)

2

伊藤

Fig.3

伊藤

Fig.4

(A) (B)

伊藤

Fig.5

2

伊藤

Fig.3

伊藤

Fig.4

(A) (B)

伊藤

Fig.5

Fig. 3 Effect of the lipid content on breaking strength of yuba samples at the condition of similar concentration of protein.

Fig. 4 SEM image of the surface side exposed to air of yuba.

Fig. 3 Effect of the lipid content on breaking strength of yuba samples at the condition of similar

concentration of protein.

(5)

豆乳加工品のコロイド分散系制御 5 凝固剤添加量調整のそれと比較して最大で 1.5 倍上昇 し,木綿豆腐の破断応力に達した.つまり,脂質濃度 を調整することで破断応力の幅広い絹タイプの豆腐を 製造するプロセスを確立した. 5. 脂質による力学物性制御に関する考察 ゆばと豆腐において,コロイド分散質である脂質濃 度が高くなるにつれて破断応力(ゆばは膜の厚さに対 する破断応力)は大きくなり,極大値を経て小さくな る傾向を示した.エマルションゲルの力学物性におい ては,連続相の力学物性のみならず,連続相と分散質 との界面での相互作用が重要であることが知られてい る [7].豆腐は,タンパク質ネットワークからなる連続 相に脂質(ここではオイルボディ)が分散している系 である(Fig. 7).したがって,変形しないオイルボディ が連続相と相互作用し,一体化して硬化効果を示した と考えられた. 豆乳中のコロイド粒子の粒子径分布を Fig. 8 に示す. 豆乳は数百 nm のコロイド粒子から構成されており, 脂質濃度が高くなるにつれて数μm から数十μm のク ラスタが生成していることが示された.このことから, 脂質濃度が高いときには大きなクラスタが生成してい ると考えられ,この界面部分が欠陥として働き軟化効 果を示したものと考えられた. 6. ま と め 本稿では,大豆加工食品の品質,物性に関する理解 に基づいて製造プロセスを見直した取り組みについて まとめた.これまでは原料豆乳中のタンパク質に着目 して物性制御の方法論が展開されてきたが,豆乳が脂 質を分散質としたコロイド分散系であることに立ち返 り,脂質濃度を制御することで豆腐とゆばの品質と物 性をコントロールする新規製造プロセスを開発した. このようなコロイド分散系を制御することによるプロ セスイノベーションは,豆乳のみならず,食品コロイ ド分散系一般に応用できると考えられる. 今後,豆乳を脂質の観点から見直し,無脂肪豆乳, 低脂肪豆乳,高脂肪豆乳,豆乳クリームに細分化し, Table 2 Solid, protein, and lipid contents of soymilk samples for

tofu.

Sample No. Solid (%) Protein (%) Lipid (%) 8 9.07 4.82 0.74 9 9.73 4.81 1.55 10 10.62 4.81 2.65 11 11.28 4.80 3.47 12 16.50 4.36 10.87

Fig. 6 Ef fect of the lipid content on rupture stress of tofu samples at the condition of similar concentration of protein ([MgCl2∙ 6H2O]= 0.195 (), 0.220 (), 0.244 (), 0.269 (),

0.293 ( ), 0.318 (×), & 0.342 () % for Sample No. 8-11).

Fig. 8 Particle size distributions of soymilk emulsion system (Sample No. 9 (

), 11 (

― ―

), 12 (...)).

Fig. 7 Structural model of tofu emulsion gel.

3

伊藤

Fig. 6

伊藤

Fig. 7

(6)

伊  藤  健  介 6 これらを原料とした「豆乳加工食品市場」を開拓して いきたい.このような取り組みが,大豆加工食品から 豆乳加工食品への市場シフトをもたらし,大豆を取り 巻くマーケットの活性化と変革につながることを期待 したい. 謝    辞 本研究の一部は,農林水産省食料生産地域再生のた めの先端技術展開事業から援助を受けました.またこ れまでご指導いただきました,元東京農業大学教授 林 弘通先生,元岩手大学教授 種谷真一先生,元東京農業 大学教授 福島正義先生,東京聖栄大学教授 井筒雅先生, 石川県立大学教授 宮脇長人先生,三重大学教授 亀岡孝 治先生,本研究に対し,ご支援,ご助言を頂いた関係 各位,ならびに実際の研究を推進してくれた太子食品 工業㈱技術開発グループの研究員の皆様に深く感謝い たします. 最後にビタミン学を創始した鈴木梅太郎博士の金言 を引いて筆を置きたい.「外来の学説を消化して産業の 発展と福祉の増進に資し,模倣より漸次独創の域に進 みつつあるは快心のいたりである.しかしながら我々 は尚之を以て満足すべきではない.世界の学界をリード し,産業に覇を唱うる様奮励努力しなければならない.」 引 用 文 献

1) Y. Chen, T. Ono; The mechanisms for yuba formation and its stable lipid. J. Agric. Food Chem., 58, 6485-6489 (2010). 2) S. T. Guo, T. Ono; The role of composition and content of

protein particles in soymilk on tofu curding by

glucono-δ-lactone or calcium sulfate. J. Food Sci.,  70, C258-C262

(2005).

3) N. Matsumoto, H. Matsumoto; “Taste of food (Tabemonono aji)” (in Japanease). Chori Kagaku, 10, 97-101 (1977). 4) E. Doi, N. Kitabatake; Structure of glycinin and ovalbumin

gels. Food Hydrocolloids, 3, 327-337 (1989).

5) T. Nakamura, S. Utsumi, T. Mori; Network structure forma-tion in thermally-induced gelaforma-tion of glycinin. J. Agric. Food Chem., 32, 349-352 (1984).

6) K. Saio, M. Kamiya, T. Watanabe; Food processing character-istics of soybean 11S and 7S proteins. Part I. Effect of differ-ence of protein components among soybean varieties on for-mation of tofu-gel. Agric. Biol. Chem., 33, 1301-1308 (1969).

7) E. Dickinson, J. Chen; Heat-set whey protein emulsion gelrole of active and inactive filler particles. J. Dispers. Sci. Tech., 20, 197-213 (1999).

8) M. Miura, F. Yamauchi; Rheological behavior of soybean protein-lipid-water gel, from a small distortion to rupture. Agric. Biol. Chem., 48, 2449-2455 (1984).

9) K. Shimada, S. Matsushita; Effects of oils on thermal gelation of soybean protein. Agric. Biol. Chem., 45, 2877-2881 (1981). 10) T. Soeda; “Effects of saccharides, ethylene glycol and lipids

on gelation of the heated soy protein isolate during cold storage” (in Japanease). Nippon Shokuhin Kagaku Kogaku Kaishi, 44, 18-22 (1997).

11) W. G. Hopkins, N. P. A. Huner; “Intoroduction to Plant Physiology” 3rd ed, John Wiley & Sons, 2004.

12) S. T. Guo, T. Ono, M. Mikami; Interaction between protein and lipid in soybean milk at elevated temperature. J. Agric. Food Chem., 45, 4601-4605 (1997).

13) M. Shimoyamada, N. Tsushima, K. Tsuzuki, H. Asao, R. Yamauchi; Effect of heat treatment on dispersion stability of soymilk and heat denaturation of soymilk protein. Food Sci. Technol. Res., 14, 32-38 (2008).

14) T. Ono, Y. Kunou, J. Nishida, S, Odagiri; “Change by heating of soymilk protein colloid” (in Japanese). Agric. Biol. Chem.,

62, 433 (1988).

15) Y. Chen, T. Ono; “Chemistry Texture and Flavor of Soy, ACS Symposium Series” Vol. 1059, ACS, 2010, pp.103-112. 16) S. Kunisyo, I. Yaginuma, T. Noguchi, K. Takano, N.

Uchimura, Y. Aoyagi; “Browing of yuba and inhibitory effect of glutathion” (in Japanease). Nihon Shokuhin Hozon Kagaku Kaishi, 28, 331-336 (2002).

17) S. Okamoto, M. Maruyama; “Yuba, its components and texture” (in Japanease). Nippon Shokuhin Kagaku Kogaku Kaishi, 13, 184-186 (1966).

18) S. Okamoto, K. Watanabe; “Yuba-Tanpakushitsu Himaku Shokuhin no Kagaku-”, Tokyo Noukoudaigaku Shokuhin Kagaku Kenkyushitsu Dousoukai, Tokyo, Japan, 1970, p.20 19) S. Okamoto; “On the formation of yuba-like film from protein

sol” (in Japanease). Nippon Shokuhin Kagaku Kogaku Kaishi, 14, 148-153 (1967).

20) R. Kawamura, I. Kunishi, K. Ito; JP4804305 (2011).

21) K. Ito, S. Idogawa; “Elastic behavior of tofu emulsion gel” (in Japanease). Nippon Shokuhin Kogaku Kaishi, 14, 49-57 (2013).

Fig. 1  Component composition (A) and breaking strength (B)  of yuba prepared by the conventional process.
Fig. 4  SEM image of the surface side exposed to air of yuba.
Fig. 7   Structural model of tofu emulsion gel.

参照

関連したドキュメント

在させていないような孤立的個人では決してない。もし、そのような存在で

「欲求とはけっしてある特定のモノへの欲求で はなくて、差異への欲求(社会的な意味への 欲望)であることを認めるなら、完全な満足な どというものは存在しない

3  治療を継続することの正当性 されないことが重要な出発点である︒

2) ‘disorder’が「ordinary ではない / 不調 」を意味するのに対して、‘disability’には「able ではない」すなわち

神はこのように隠れておられるので、神は隠 れていると言わない宗教はどれも正しくな

これも、行政にしかできないようなことではあるかと思うのですが、公共インフラに