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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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(1)

氏 名 宮下 征士

授与した学位 博 士

専攻分野の名称 工 学

学位授与番号 博甲第 5833 号

学位授与の日付 平成30年 9月27日

学位授与の要件 環境生命科学研究科 環境科学専攻

(学位規則第4条第1項該当)

学位論文の題目 高密度航空レーザデータを使用した微地形強調図による落石発生源抽出に関する研究

論文審査委員

教授 西山 哲 准教授 小松 満 教授 鈴木 茂之

(自然科学研究科)

学位論文内容の要旨

近年,落石事故が頻発しており,落石対策事業へ取り組む機運が高まっている。落石対策事業においては,

森林基本図や道路台帳等の落石発生源(急崖)が表現されていない精度の低い図面が使用されている。樹木 が繁茂した斜面中において,実測による現況平面図作成は困難であるため,精度の低い図面が使用されてき た経緯がある。現地調査においても,落石発生源の位置把握が困難であり,落石発生源の位置精度不良や調 査漏れが発生し,安全性が問題視されている。問題点をクリアするには,高精度な図面を作成使用し,落石 発生源の抽出精度を向上させ,正確な位置を把握する必要がある。

本研究では,樹木の繁茂した斜面中において地表面を捉えることができる航空レーザ測量より得られる高 密度航空レーザデータから,微地形表現手法の組み合わせにより高精度な図面である微地形強調図(傾斜量 図+ウェーブレット解析図+等高線図)を作成し,落石発生源の机上抽出,現地調査による抽出精度を検証 した。微地形強調図は,異なる2時期(夏季・冬季)や計測方向(道路縦横断)において作成し,抽出精度 を比較し,落石発生源抽出における微地形強調図の有用性を示した。微地形強調図を利用した道路防災カル テへの活用についても検証した。

検証の結果,冬季の道路縦断方向計測データのみを使用することにより,落石発生源(急崖)を正確な位 置で抽出でき,本提案手法が有用であることを明らかにした。道路防災カルテの点検地点位置図(正面図)

の代替えとして微地形強調図を使用することにより,着目点の正確な位置情報が提供できるだけでなく,着 目点以外の箇所も調査した履歴が残り,見逃し見落としの無い道路防災点検が実施できることがわかった。

さらにタブレットを併用することにより,確認したい場所に簡単に到達することができ,効率的な調査を実 現できることもわかった。

(2)

論文審査結果の要旨

近年,集中豪雨,梅雨や台風時期などの連続降雨,地震等の影響により道路への落石事故が頻発してい る。 2016 年 5 月 4 日には,主要地方道浜田作木線:島根県邑南町戸河内地内において落石が発生し,通 行する自動車を直撃し,助手席に乗っていた一人の命が失われた。このような状況より,落石対策事業

(道路防災点検,災害防除設計,落石対策工事)へ取り組む機運が高まっている。落石対策事業において

は,森林基本図( 5000 分の 1 ,空中写真測量)や道路台帳等の落石発生源(急崖,転石)が表現されて

いない精度の低い図面が使用されている。しかしながら樹木が繁茂した斜面中において,実測による現況

平面図作成は困難であるため,精度の低い図面が使用されてきた経緯がある。現地調査においても,落石

発生源の位置把握が困難であり,落石発生源の位置精度不良や調査漏れが発生し,安全性が問題視されて

いる。この落石発生源の位置精度不良や調査漏れを解消するには高精度な図面が必要である。樹木の繁茂

した斜面中において地表面を捉える手法として,航空レーザ測量がある。本研究は,航空レーザ測量より

得られる高密度航空レーザデータから,微地形を表現する手法を検討し,落石発生源の机上抽出および現

地調査によって,その抽出精度を検証して航空レーザの活用法を取りまとめたものである。その結果,傾

斜量図,ウェーブレット解析図および等高線図を透過合成した図により,高さ 1.5m 以上かつ角度 65 度

以上の落石発生源(急崖)を効果的に抽出することができることを明らかにし,さらにその効果を発揮さ

せるためのレーザ点群密度の考察を行ない,落石源抽出に最適なレーザ計測から計測結果の解析手法ま

での一連の工程の仕様を取りまとめる成果を得た。これらの成果は,道路防災カルテの精度向上や調査対

象地域ごとの落石対策事業の効率化を図ることができるという学術または工学的な発展に寄与した貢献

は大きいと認められる。したがって,博士の学位を与えることを認める。

参照

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