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1

平成 29 年度

「持続可能な資源利用」に向けたモデル事業

TOKYO CORK PROJECT

~抜栓済みコルク栓の再資源化及び活用促進モデル事業~

実施報告書

株式会社

GOOD DEAL COMPANY

(2)

2

目 次

1.

事業の概要 ... 3

1-1 事業に取り組む背景と目的 ... 3

1-2

これまでの取組実績等

... 3

1-3 再生コルクの更なる利用拡大にあたっての課題等 ... 3

1-4

今回モデル事業における取組予定内容

... 4

1-4-1

再生コルクの啓発活動と新たな用途開発

... 4

1-4-2 収集・加工生産プロセスの強化 ... 6

1-4-3

アンケート調査の実施等

... 6

1-4-4 事業紹介ウェブサイトの再構築 ... 6

2.

実施内容と効果検証等 ... 7

2-1

再生コルクの啓発活動と新たな用途開発

... 7

2-1-1

再生コルク製品の普及活動の実施

... 7

2-1-2

コルクの機能特性を活かした新たな用途開発(商品開発)

... 16

2-2

収集・加工生産プロセスの強化

... 30

2-3 アンケート調査の実施等 ... 30

2-3-1

再生コルク製品及び本事業関するアンケート調査

... 30

2-3-2

新たに開発した商品に関するアンケート調査の実施

... 30

2-4 事業紹介ウェブサイトの再構築 ... 31

3.

その他(今回の取組で明らかになったこと・考えたこと)

... 32

(3)

3

1. 事業の概要

1-1 事業に取り組む背景と目的

外食産業に従事していた経験の中で、同業界が抱えている課題である大量のフードロス、その他廃棄 物、水の大量使用など、サービスのトレードオフを目の当たりにし、それらを小さく持続可能にするた めに何か取り組めないかと考えていました。そこで「大消費都市である東京を再生資源の宝庫」と捉え 直し、再利用可能な資源を循環させることをめざし、コルクに着目しました。

コルク樫の樹皮から生産されるコルクは、ポルトガルやスペインの地中海沿岸部にしか生息しない希 少な天然資源です。天然資源ながら多くの機能特性を持つコルクは様々な用途での活用が期待できる資 源でもあります。

2015 年のコルク輸入量(コルク粒原料)が 744t であることに対し、1都3県で廃棄されているコル ク栓は想定 856t にものぼる(東京都の廃棄量 553t)。世界のワイン消費の需要は今後も拡大が見込ま れ日本も例外ではありませんが、その需要拡大に伴い排出されるコルク栓も増加し、「一度限りの使用 で廃棄される資源」としての量も増えていくことが予測されます。

その他の再生資源と比較して、コルク栓は再利用を進めるために溶解するなどの過度な熱エネルギー を必要としないため、簡易な再生が可能です。コルクは全てを輸入に頼らざるを得ない素材であり、資 源国でない日本だからこそ、限りある資源を有効活用し、身近な循環を創り出すことで環境に対する意 識を高めていくことが重要と考えています。

このため、コルクを「一度限り利用される資源」として消費するのではなく、コルク製品としての再 利用を推進していくこと、将来的には再生コルク品の更なる循環利用をめざします。

1-2 これまでの取組実績等

2010 年に代表者個人で開始し、飲食店一店一店に対し協力を募った本事業であるが、現在は都内で約 500 店舗、全国で約 750 店舗の飲食店や酒販店等にコルク栓提供のご協力をいただいています。

コルク栓は主に飲食店から収集しますが、ワイン流通業者と連携することで、納品後の帰り便を利用 するエネルギーレスな収集を実施しています。コルク栓の収集後は、障がい者施設にて禁忌品の選別を 行い、選別されたコルク栓はコルク加工業者へ渡し、生活用品やインテリアなど様々な用途として生ま れ変わります。具体的には、コースターや鍋敷きなど生活用品・生活雑貨等が主となりますが、このほ かインテリアや内装としての製品加工※1にも取り組んでいます。

※1 インテリアや内装としての製品加工事例

有限会社春華堂(うなぎパイを販売している菓子店)の知育スペースではスツールや積み木に、目黒区自由が丘では東急電鉄の実施 する環境活動「みど*リンクアクション」に採用され、再生コルクを使用したベンチを寄贈し、街で排出されたものを街で役立つモノとし て循環させる取組を実施。また、環境省が共催した第 12 回ロハスデザイン大賞 2017 では、モノ部門において最終選考にノミネートさ れた。その他、TV、雑誌、新聞、ラジオにて本事業取材及び掲載していただいている。

1-3 再生コルクの更なる利用拡大にあたっての課題等

現時点での課題は、企業及び一般消費者から本事業に関して多くのお問い合わせを頂いているもの の、最終循環品の種類が限定的であるため(主としてコルクコースター)、企業及び一般消費者への再 生コルク製品としての還元が不十分であることです。また、本事業の根幹となる資源ロス及び資源の循 環的利用への普及啓発活動が不足していると考えています。

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4

日本でコルク製品というとコースター、コルクマット及びコルクボードなど平面的な製品が思い付く ことと考えますが、1960 年前後には国内に 100 社以上のコルク製造関連企業や工場が存在し、コルク は壁面剤等の建材としても多く利用されていました。しかしながら、コストや加工容易性の面で、コル クと酷似した組成品である発泡スチロール等に多くのシェアを奪われるなど、コルクに代わる素材への 代替が進んだことから、当該製造工場等は今では約 1/10 ほどにまで減少しています。その結果、国内で 生産可能なコルク製品は限定的で平面的加工製品に限られることとなり、立体成型物の生産は困難な状 況となっています。

コルクは、天然資源ながら「断熱性」、「難燃性」、「遮音性」、「防水性」、「弾力性」、「絶縁 性」、「高摩擦性」、「抗菌性」、「軽量」と多くの機能特性があるため、その魅力が再注目され、断 熱材や建材として活用されつつあります。その他、石油由来素材から作られているモノと代替すること によって環境負荷の軽減にも貢献できる可能性を有しています。

また前述の通り、コルク(樫)は限られた地域のみ生育する希少な植物であるため、ワインボトルとと もに輸入されるコルク栓を活用することが、日本で唯一コルクを生産・再利用する方法と考えます。

現在のコルク栓の収集は、国内でのワイン消費量のうち約 30%を占める東京都と隣接する 3 県を合わ せた国内約 50%のワイン消費エリアを対象としており、人口密集エリアで行うことにより、効率的な収 集が可能な状況となっていますが、資源として再利用可能なコルク栓は、まだ多く捨てられているのが 現状です。

1-4 今回モデル事業における取組予定内容

コルクを「一度限り利用される資源」として消費するのではなく、コルク製品としての再利用を大き く推進していくためには、コルク製品市場の更なる開拓を図っていくことが必要です。併せて、需要に 見合った魅力的な商品の提供を継続的に行っていけるようにするためには、既存の収集・加工生産ネッ トワークを更に強化していく必要があると考えます。

このため、今回のモデル事業では、「既存の取組・商品の認知度の向上」と「新たな商品開発と更な る展開」を図ります。

1-4-1 再生コルクの啓発活動と新たな用途開発 a) 再生コルク製品の普及活動の実施

小売店や消費者等の再生コルク製品への理解・認知度を高めるため、次の3つの取組を行います。

① 催事への出展(再生コルク製品に係る最終消費者向け意識啓発)

東京おもちゃ美術館において、再生品であるコルク製おもちゃとの触れ合いを通じて天然資源であ るコルクの温かみ等を実感してもらうためのイベントを実施します(コルク製おもちゃの展示やワー クショップ)。また、ボジョレーヌーボー販売開始の時期に合わせて、伊勢丹新宿店にてキッズスペ ースを設け、コルク製おもちゃの展示及びコルク製品の販売を行います。

(実施予定時期)10月14〜15日 東京おもちゃ美術館 「おもちゃまつり」

11月中旬 伊勢丹新宿店 ボジョレーヌーボー期間限定ポップアップ

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5

② 展示会への出展(コルクの利点や商品に係る小売店等への普及啓発)

小売店(セレクトショップや百貨店)や卸業者、メーカーが来場する展示会へ出展し、事業者等へ の普及啓発やネットワークの拡大を図ります(出展予定展示会はインテリアライフスタイルとギフト ショー。コルク製品の展示や商品カタログを配布)。

(実施予定時期) 11月20日〜11月22日 インテリアライフスタイルリビング 1月31日〜2月3日 ギフトショー

③ 協力飲食店への再生コルク製コースター等の配布

現在、本事業にご協力頂いている都内約 500 店の飲食店を対象に、無償で再生コルク製コースター を配布する。実際に使用していただくことで(若しくは、店舗で常連のお客様にプレゼントしていた だくなど)、再生コルク製品の品質の高さを知ってもらい、使い捨て紙コースターからの代替※2を促 します。また対象とする約 500 店の飲食店では月に約 130 万人※3のお客様の利用が推計できるた め、各飲食店にポスターやリーフレットを設置していただくことで多くの方へのリーチが可能と考え ます。外食業界で資源再利用を含む環境に対する意識がこれまで以上に高まれば、その他の環境課題 にも取り組みやすくなる土壌ができると期待できます。

(実施予定時期)9月〜11月 コースター&リーフレット&ポスターのデザイン及び制作、配布

※2 紙性コースターからの代替効果

コルクの循環利用の副次的効果として、紙資源や水資源の無駄を減らす効果が期待できる。例えば、飲食店で使用される 紙コースターを例にとると、客席 50 席で 2 回転する店舗が週 6 日営業すると仮定した場合、年間で使用する使い捨て紙コー スターは 31,300 枚になる。これは 3.74 本分のフレッシュパルプと 18.78 ㎘の水を使用、そして 52.5kg の CO2 吸収量に相当 する。東京にある飲食店は約 10 万店と言われており、その一部で循環再生品へ代替されるだけでも効果は大きい。

※3 50 席×2 回転×月 26 日営業×500 店=1,300,000 人

b) コルクの機能特性を活かした新たな用途開発(商品開発)

再生コルクの利用拡大にむけて、現在の主力商品(コースターや鍋敷きなど平面形状の商品)に留ま らず、活用用途をさらに広げることで、更なる需要を喚起していくため、新たに金型加工の商品開発に 挑戦します。

金型加工の技術によって、平面形状の商品製造時で発生していた切削加工時でのロスの削減や複雑な 立体形状、多色展開などが可能になるため、金型を試作・決定後、金型を量産し、製品の生産をめざし ます。製作予定の商品は、コルクの多機能性(断熱性、難燃性、遮音性、防水性、弾力性、絶縁性、高 摩擦性、抗菌性、軽量など)を活かした、壁面材とフラワーポットを予定します。

(実施予定時期)

①壁面材の開発 10月 試作品の製作・確認、金型製作

11~12月 生産及び取引先へ配送 ⇒展示会への出展

②フラワーポットの開発 10月~1月中旬 デザイン検討、試作品の製作・確認、金型製作 1月下旬~2月下旬 生産及び取引先へ配送 ⇒展示会への出展

併せて、こうした開発等に資するため、コルク加工事業者の技術調査や連携、新たなネットワーク拡 大に向けた現地調査を実施します。

①ポルトガル国 リスボン市内及びポルト市内のコルク加工業者(海外視察)

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コルク原産国のポルトガルでは、日本の状況と異なり、コルクは様々な幅広い用途で活用されて います。ポルトガルでの加工技術等を調査するとともに、将来の日本での再生コルク活用拡大に むけた海外事業者等とのネットワークを構築します。

(実施予定時期)9月 ポルトガル リスボン市内及びポルト市内のコルク加工業者

②新たに挑戦するコルク製品の金型製造と加工に係る新潟県燕三条市内加工業者との打ち合わせ

(実施予定時期)10月

1-4-2 収集・加工生産プロセスの強化

既存の収集・加工生産ネットワークを更に強化していくためには、コルク栓の選別を実施できる施設 数を増やしていく必要があります。このため、新たな社会福祉施設との連携を目指します。

既存の選別工程での障がい者雇用は選別量 400kg/月間に対して約 10 名となっていますが、更なる連 携が確立されれば障がい者の更なる雇用につながるとともに、製品製造工程での新たな雇用創出も期待 できます。

(実施予定時期)9~2月 コルク栓の選別を実施できる新たな社会福祉施設との連携に向けた調整

1-4-3 アンケート調査の実施等

再生コルクの啓発活動と新たな用途開発の効果等を把握するためのアンケート調査を実施し、結果の 分析を次年度以降の展開に活かしていきます。

(実施予定時期)10~2月 アンケート調査の実施・分析等

1-4-4 事業紹介ウェブサイトの再構築

取組や新しい製品の紹介等の周知活動を強化するため既存のホームページを再構築します。

(実施予定時期)9~2月 検討・制作

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2. 実施内容と効果検証等

今回のモデル事業で実施した取組内容と成果等は次のとおりです(概要は別紙1参照)。

2-1 再生コルクの啓発活動と新たな用途開発 2-1-1 再生コルク製品の普及活動の実施

a) 催事への出展(再生コルク製品に係る最終消費者向け意識啓発)

① 東京おもちゃ美術館でのワークショップの実施

〇開催期間 2017 年 10 月 14 日〜15 日

〇会場 東京おもちゃ美術館(東京都新宿区四谷 4-20 四谷ひろば内)

コルクの特性である「弾力性」「軽量性」「摩擦性」を活かした積み木を製作し、触れ合いを通じ てコルクの温かみ等を実感してもらうためのワークショップを行いました。

通常の積み木は手先で遊ぶものですが、サイズを大きくしたことで背丈よりも大きな構造物を作れ る達成感やダイナミックに崩せることの爽快感が得られ喜んでいました。

普段は飽きっぽい子供達も長い間(2時間以上)遊んでいて、見守っていた親御さんも驚いていま した。また、大きいサイズにすることで「全身運動」ができることも魅力であると感じました。

効果検証・評価等

投げても走っても、音が大きく響かない点や、軽くて遊びやすい点、ぶつかっても柔らかいので 安全である点など、子供向け玩具・製品としてコルク製品は適当であると改めて認識しました。

再生コルク製品(おもちゃ)の利用拡大手法として、保育園・幼稚園等へのアプローチは有益で あると考えました。

保育園や幼稚園からは「同じ形状の積み木を 50 個欲しい」といった声がありますが、既製品は セット売りが中心なので、要望に対応できるメーカーは非常に少ないのが現状です。当社では要 望の数量を供給することができるため、需要にマッチしていると考えています。

今後に向けて

今後、幼児施設で再生コルク製品のおもちゃを扱ってもらえるようアプローチしていきます。導 入を検討していただくには、お子様がどのような反応するのか実際にご覧いただくのが良いと考 えています。施設でのワークショップやレンタルを実施し、きっかけを作っていきます。

但し、保育園・幼稚園に供給するには、現状の価格では高価であると感じているため、気軽に試 用していただけるリースプログラムの設計などを行います。

当館では移動型のワークショップを実施していて、その際に使用する床材としてコルク材に興味 を持っていただきました。簡易なフロアタイルセットにはマーケットニーズもあるため、具体的 な製品開発をしていきたい。

東京おもちゃ美術館を運営する「認定 NPO 法人 芸術と遊び創造協会」が実施するグッドトイ 2018 に応募。一次選考通過して現在審査中です。

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8 180 ピースの積み木

サイズ 90×180(mm)

コルクコースターにステンシルをして、オリジナル コースターを作るワークショップも行いました。

出展ブースエリアが幼児の多く集まるエリアだった ので対象年齢が合わず、積み木で遊ぶ子供達が多か ったです。

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②ボジョレーヌーボー販売開始の時期に合わせたコルク製おもちゃの展示及びコルク製品の販売等 〇開催期間 2017 年 11 月 16 日〜30 日

〇会場 横浜モアーズ(神奈川県横浜市西区南幸 1-3-1)

当初、伊勢丹新宿店でキッズスペースを設けてコルク製おもちゃの展示及びコルク製品の販売を行 うことを予定していたが、事業予定内容やイベントブースの調整がまとまらなかったため、実施会場 を、横浜モアーズでのボジョレーイベントに変更しました(東急ハンズ横浜店とコラボレーショ ン)。同館1階の催事スペースにて当プロジェクトの取り組みポスターや回収 BOX を設置、商品の 販売を行いました。また、モアーズオリジナルコースターを販売し、それを同館のレストランに持っ ていくと会計割引となる「マイコースターキャンペーン」を実施いたしました。

効果検証・評価等

エントランス入って目の前のエスカレーター側という好立地でしたので非常に人通りが多く、

多くの来館者に事業を周知できる良い機会になりました。

これまでワインが好きなお客様に再生コルク製品を手にとっていただくことが多くありました

(ワインマーケット出店時やワインショップとの御取引実績から)が、主観的ではあります が、ボジョレーヌーボーを提案するお客様と嗜好性の差異があるように感じられました。

今後に向けて

ボジョレーとの連動企画はワインに使用されているコルク栓の循環を知っていただくために有 意義な機会であり、今回のように、ワイン購入と併せて商品購入を訴求するパターンと、販売 目的を絞り込みボジョレーを手にとってもらうためのインセンティブを提案できるパターン は、本事業をより多くの皆様に知っていただける良い機会になると思いました。

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③新宿 NEWoMan との連携

〇開催期間 2018 年2月 3 日~3 月 31 日(常設)※5月末まで延長

〇会場 新宿 NEWoMan 4 階レストスペース

積極的に環境活動 choroko(チョロコ)※4に取り組んでいる同社では、これまでにも館内にあるレ ストラン全店でコルク回収にご協力いただいています。本件は、モデル事業実施期間中に、同館 4 階 にあるレストスペースを活用したいというご相談をいただき、本事業の PR の場所として提供してい ただいたものです。ショッピングで疲れたお客様の憩いの場所として、また同社の環境活動への方針 を発信する場所として設計、コーディネートし、約 6,000 本のコルクを再利用し製作したベンチやチ ェア・壁面材・フレームを設置しています。併せて、NEWoman でコルクの再利用に取り組んでい ることや本事業の広告も実施しています。

※4 choroko(チョロコ)

ものを買うとき、安いだけじゃなく、自分の価値観で、少しでも環境や社会に貢献できる商品を選ぶ。物を長く大事に使うこと、季節 の変化をちゃんと感じること。人との関係を丁寧に大切に築いていくこと。環境や社会に良いライフスタイルのきっかけづくりをし て、みんなで考え、巻き込み、繰り返し続けていくルミネの目指すエシカル活動です。

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11 効果検証・評価等

NEWoMan を運営する株式会社ルミネでは、様々な環境活動を行っていらっしゃいますが、お 客様へ同社の取組を伝えられる、また還元できる取組がこれまでにはなく、今回の取組が唯一で あったということから、大変高い評価をいただいています。

「自らで排出した資源が循環して戻ってくる」という仕組み・取組に、強い関心と評価をいた だけることがわかりました。モデル事業実施において目的としていた、「『一度限りの使用で廃 棄されるコルク資源の量』を減らし、再生利用を進めていくとともに、将来的には、再生品の更 なる循環利用もめざしていく」ことが市場で受け入れられる可能性を確信しました。

今後に向けて

同様の事例を、同社他店や他社でも展開をしていきたい。今回はショッピングを目的に来館さ れたお客様向けの提案でしたが、キッズスペースの提案も行います。

後述するアンケート調査の結果等も踏まえて、「回収したコルク栓が、新しい製品として戻っ てくる」という循環の仕組みの具体的に構築していきたいと考えています。

b) 展示会への出展(コルクの利点や商品に係る小売店等への普及啓発)

① IFFT/インテリアライフスタイルリビング

〇開催期間 2017 年 11 月 20 日〜22 日

〇会場 東京ビッグサイト

本展示会は東京から世界へ向けて「ライフスタイルを提案する」インテリア・デザイン市場のため の国際見本市として開催され、国内外から多くのショップバイヤーやメーカー開発者が多くの来場し ます。再生コルクの認知を広めることと、新たに開発している「壁面装飾タイル」のテストマーケテ ィングも兼ねて出展しました。

展示会来場者

2017/11/20 4,118 名 2017/11/21 6,133 名 2017/11/22 6,403 名 合計 16,654 名

ブース来場者(名刺交換)

2017/11/20 35 名 2017/11/21 36 名 2017/11/22 61 名

合計 132 名(121 社)

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12

同じく出展していたウッドチップを特殊樹脂で 成形するメーカーと、加工技術等に関する情報 交換ができました。

効果検証・評価等

ブースには、3日間で 120 社を超える小売企業・メーカー等の方が来場いただき、今後の販売 拡大につながるネットワークを構築することができました。

これまで日本ではコルクの壁面装飾材が展開されていなかったこともあり大変反応も良く、イ ンテリア関係の担当者様からは「業界関係者は口を開けて待っている」と心強いお言葉をいた だくなど、これまで以上の強い手応えを感じました。

従来のテーブルウェアについても、取引先に貸し出している什器も併せて展示したところ、店 頭でのイメージがつきやすいということで、こちらも好評でした。

通り過ぎそうな方でも、「コルク栓の再生利用を行っています。」とお伝えすると立ち止まり関 心を持ってくれる方が多くいましたので、改めて、一般の方にも響く事業であると感じました。

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壁面材を生産していただいているメーカーの関係者にも来場していただき、当取り組みの世界 観の理解を深めました。これまで同社では最終製品を生産していなかったため、お客様の反応 を見てモチベーションに繋げていただけました。

今後に向けて

名刺交換を行った企業担当者等へ今後も情報提供していくなどフォローを継続し、好評だった

「壁面装飾タイル」等の販売拡大に向けた展開を図っていきます。

壁面タイルのバリエーションを拡充させ、コルクの壁面材としての認知を高めます。

② ギフトショー2018 春「LIFE×DESIGN」

〇開催期間 2018 年 1 月 31 日〜2 月 3 日

〇会場 東京ビッグサイト

「暮らしデザイン新時代〜Good Design for Happy Life〜」をテーマに開催された本展示会は、壁面 タイルの提案を強めたくリノベーション区画にて出展しました。前回(2017.11 の IFFT/インテリア ライフスタイルリビング)に引き続き、コルクリサイクルの啓蒙と新製品「壁面装飾タイル」のテス トマーケティングのため出展しました。

展示会来場者

2018/1/31 31,525 名 2018/2/1 31,294 名 2018/2/2 26,862 名 2018/2/3 13,096 名 合計 102,777 名

ブース来場者(名刺交換)

2018/1/31 46 名 うち、

・プロパー商品問い合わせ 65 社

・OEM問い合わせ 55 社

・壁面素材問い合わせ 9 社

・素材問い合わせ 10 社

2018/2/1 56 名 2018/2/2 52 名 2018/2/3 18 名

合計 172 名(159 社)

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14 効果検証・評価等

雑貨関係が集まる展示会ですが、ブースには、4 日間で 150 社を超える小売企業・メーカー等の 方が来場いただきました。デザイナーやリノベーション業社、不動産業など想定の来場者に提案 ができたこと、それ以外にもテーブルウェアや OEM での問い合わせを多くいただき、今後の販 売拡大につながるネットワーキングをすることができました。すでに発注、御取引ができたとこ ろもあります。

ほとんどの方はコルクが再生できるということをご存知でないため、当ブースで驚かれるシチ ュエーションが多く、改めてコルクに対して関心を持っていただけた実感が強いです。

ノベルティーや自社製品としての活用で、大型案件(万枚単位)のご相談も多く受けることが できました。

今後に向けて

雑貨関係の企業・メーカーさんには再生コルク製品が大変好評であったため、名刺交換を行っ た企業担当者等へ今後も情報提供していくなどフォローを継続し、更なる販売拡大に向けた展 開を図っていきます。

c) 協力飲食店への再生コルク製コースター等の配布

〇実施期間 2018/2 ~

〇対象店舗 都内パートナー(約 500 店舗)

〇配布方法 コルク栓の回収に伺う業者に依頼

当事業では都内で収集に協力するパートナーにポスターやリーフレット、再生コルクコースターを 配布し、働くスタッフやお客様に目で見て手で触れていただくためのキャンペーンを実施します。

当初は昨年には配布を開始完了し年始にはアンケート分析や次なるアクションの準備としていまし たが、協働企業とのコンセンサスやデザイン検討に想定以上の時間がかかってしまいました。そのた め製作が完了したのが1月末に、具体的な事業開始は2月からとなりました。デザイン検討等に時間 を要しましたが、協力飲食店への再生コルク製コースター等の配布が、「単なるコースター等の配 布」で終わらず、しっかりとした PR 活動となるようキャンペーンのコンセプト等を強固なものとし ました。

「DRINK WINE,THINK EARTH.」というキャッチコピーを用い、「ワインを飲みながら地球のこと を考えよう!」、重々しく環境課題と向き合うのでは無く、誰もが身近にあるシチュエーションから 気軽に環境に意識を向けていただきたいという想いを込めています。

なお、都内飲食店には、海外からの来街者も多く来店されるため、東京都と相談のうえ、ポスター 等には、都の海外発信むけアイコンである tokyotokyo のロゴをいれて展開することとしました

(tokyotokyo のロゴの利用申請は今回モデル事業の連携主体である東京都が実施)。

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① A2 サイズポスター 各店 1 枚

(ヨコ 420mm×タテ 594mm)

※100%再生紙使用

② A6 サイズリーフレット 8P 各店 100 枚

(ヨコ 105mm×タテ 148mm)

※100%再生紙使用

③ 再生コルクコースター 各店 100 枚まで

(ヨコ 90mm×タテ 90mm)

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16 効果検証・評価等

〇2月からの展開であるためまだ効果評価をできる状況にはありませんが、飲食店を中心とした都内 約500店舗で2月から実施しているが、このキャンペーンで得られる効果は、もし全ての飲食店 にご協力いただいた場合で、年間約 1,560 万人(インプレッション)の方々の目に触れることとな り、大きな普及効果があると見込んでいます。

今後に向けて

後述するアンケート調査や協力店へ伺う機会等を活用して、スタッフやお客様の反応をキャッチ アップし、今後の更なるPR活動等に活かしていきます。

使い捨ての紙コースターを使用している飲食店では、再生コルクコースターの代替を促し環境保 護に貢献したい。

コルクコースターを利用している飲食店に対しても、今後、コルクコースターを廃棄するまでの 使用頻度等を把握し、「再生コルク製品の循環利用」にむけた検討材料としていきます。

更には、パートナーとのコミュニケーションを深め、共に外食産業の抱える社会課題の対策に取 り組んでいきたいと考えています。そのためのコミュニティー形成を目指します。

2-1-2 コルクの機能特性を活かした新たな用途開発(商品開発)

a) 新たな商品開発

コースターやマット、ボードという平面的な商品に偏っているコルク製品に対する一般的な概念から脱 却し、暮らしに再生コルクを取り入れるきっかけを作ることを目的として、「壁面材の開発」を実施しま した。壁面材は、コルクの多機能性(断熱性、難燃性、遮音性、防水性、弾力性、絶縁性、高摩擦性、抗 菌性、軽量など)を活かした製品でもあります。海外ではコルクの壁面材は製作されているものの国内で の製造は無く、輸入も少量であるため、リノベーション市場や DIY、インテリアとしてのアプローチを試 みるため、試作した壁面材は既述の2つの展示会で紹介しました。

金型加工の技術によって、平面形状の商品製造時で発生していた切削加工時でのロスの削減や複雑な立 体形状、多色展開(カラーリング)などが可能になるため、製造方法には最終製品の加工には使用されて こなかった金型成型を用いました。

当初、壁面材とフラワーポットの2つの開発を行う予定でしたが、金型成型するためのバインダー(接 着剤)配合率の選定に難航し、さらに金型を製作するためのスケジュール遅延がありました。2017 年 11 月のギフトショーでの壁面材(試作品)に対するマーケットの反応が大変良かったため、壁面材の品質追 求を優先することとし、同商品の開発のみとしました。

〇開発製品 コルク壁面装飾材

〇実施期間 2017/9 ~ 2018/2 デザイン検討・試作・製造

〇協力企業 永柳工業株式会社

(17)

17

《試作風景》永柳工業 八潮工場

バインダー(接着剤)とコルク原料を攪拌 ホットプレス機と専用金型

原料投入 プレス加工

製品の約 3 倍の体積の原料を使用 160 度ほどの熱をかけつつ約 10 分間圧縮

離型(りけい) 離型された製品

特殊離型剤(シリコン系)を使用して金型 から取り出す

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18 半割りスライス

生産効率を向上させるため、両面で同形状 に成型し半分にスライスして製品仕上げ これは日本独自の製法

カラーリング

金型加工でのメリットのひとつはバインダーを着色して加工と同時に行えるカラーリングです。均一に カラーリングできることと作業効率の向上、塗料仕様よりも顔料が少なく済むためのコストメリット、

溶剤を使用しない環境配慮にもつながります。しかし、コルクの素材色が原因となり調色がとても難し く、何度も調色テストを行いました。

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19

《量産風景》永柳工業 北茨城工場 ホットプレス機

加工条件は試作時と同様

ホットプレス機

量産時は 8 面取り計 16 個の製品を同時に 生産します。

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20 製品 HONEYCOMB TILE (ハニカムタイル)

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21 使用例

効果検証・評価等

2017.11 と、2018.1 月の展示会にマーケティングを兼ねて出展したが、日本ではこれまでコル クの壁面装飾材が展開されていなかったこともあり大変反応も良く、インテリア関係の担当者 様からは「口を開けて待っているよ」と心強いお言葉をいただくなど、これまで以上の強い手 応えを感じました。

当製品は壁面装飾材としてだけでなく、ピンボードとしても使用できるように設計をしたの で、壁面材を取り扱う売り場だけでなく、インテリア関係の引き合いもありました。

今後に向けて

名刺交換を行った企業担当者等へ今後も情報提供していくなどフォローを継続し、好評だった

「壁面装飾タイル」の販売拡大に向けた展開を図っていきます。

コルク業界で行き詰まっていた製法の幅を更に拡げ活発にしていきます。

既存のコルクピンボードに対するイメージを変え、同様のニーズにも提案を強めます。

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b) ポルトガルリスボン市内、ポルト市内のコルク加工業者(海外視察)

ポルトガルはコルクの生産において世界シェア 50%を誇る主要国です。そのため、様々なコルク製品 があります。再生コルクの活用を広げることを目的に、新たな商品開発の参考とするため、コルク加工 事業者の技術調査や連携、新たなネットワーク拡大に向けて、同国のコルク工場の現地調査を実施しま した(2017/12/30~2018/1/9)。

従来のコルク製品には、コルク樫から剥ぎ取った樹皮からコルク栓を抜き取り、その「ウエスト」と呼 ばれる端材を使用して生産されています。これまでワインにコルク栓を使用すると、「ブショネ」と呼 ばれるコルク劣化が生産量のうち 5~8%が発生していました。プラスティック栓やスクリュー栓が普及 した理由の一つでもあります。しかし、昨今ではブショネの発生を抑えたコルク栓の開発が進み、再び コルク栓の活用が増えています。そこに使用しているのが、この「ウエスト」です。コルク栓の活用が 進む背景には、世界最大手コルクメーカー(Amorim)と新興コルク栓メーカー(Diam)とのコルク原 料争奪が繰り広げられ、昨年第3四半期で約 50%、本年に入ってから 30%ほどの価格高騰があり、そ れぞれの中小コルクメーカーでは確保に困窮していると口を揃えて訴えていました

現地調査を行った工場は次のとおり。

①GRANORTE 社(ポルト市内):コルク製品の製造とコルク栓の再生利用に取り組んでいる企業

②SOFALCA(ポルト市内):主に炭化コルク(ブロック成型時に熱を加えて炭化させる)を製 造・接着剤を使用せずに整形し、様々な商品を提供しているメーカー

③3DCORK(ポルト市内):主に金型加工を行い様々な商品を提供しているメーカー

※このほか、ポルト市街地やリズボン市街地でのコルク製品や活用例を視察

①GRANORTE 社

コルクシート、ブロック等、弊社協力工場で製作している素材と、国内では生産が難しいロール状のコ ルクシートや壁紙、HDF と組み合わせて表面にデジタルプリントを施したおしゃれで豊富な種類の高性能 床材、大きな切削機を使用して加工される生活用品を製作しています。

特出すべきは床材です。弾力性のあるコルクは PVC(塩ビ)不使用の環境型クッションフロアであり、

既存クッションフロアの代替が期待されます。国内での生産には技術的な障壁があるので、建材メーカー と共同開発を行うなど JV に取り組んでいきたい。

必要な長さで使用できるコルクロールは、

日本で生産することができない。

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大型の5軸 NC 切削機を使用して、大きなコルクブロックから削り出して製作していた。

コルクフローリング

コルクシートを HDF(高密度繊維版)に貼り合わせてパ ネル上に加工した製品。

表面の模様は特殊なインクジェットプリント技術により 様々なパターンの床材を展開している。

コルクの弾力性を活かした当製品は、クッションフロア の代替が期待できる。従来のクッションフロアは PVC

(塩ビ)から作られるため、環境配慮型の床材として大 きなポテンシャルがあると考えています。

コルククロス

様々なテクスチャのコルククロス

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②SOFALCA

このメーカーは林を管理し、そこから取れる樹皮を加工しています。主に炭化コルクを製造していま す。炭化コルクはブロック成型時に熱を加えて炭化させ接着剤を使用せずに整形しています。炭化したコ ルクの特徴は軽く断熱性に優れているため、断熱材や建築資材に適しています。そして、この工場では粉 砕して製品に向かない部分はボイラー燃料として活用し、コルクを無駄なく循環させています。以前、日 本国内でも炭化コルクを生産していたが現在はなくなってしまいました。ブロック成形後に冷却養生をし なくてはならず、その場所が必要であることやくすぶった火種による火災リスクが要因であると考えられ ます。炭化したコルクブロックから削り出し壁面材やファニチャー、インテリア製品など 2 年前から新た なブランド「GENCORK」を立ち上げ、注目を集めています。

炭化コルク商材のインポートを検討し、コルク製品の多様性を PR していきたいです。

コルク樫の林 採取した樹皮

採取した樹皮 採取した樹皮

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材料を運搬するライン ブロック加工する機器

ブロック加工する機器 製造したブロックを養生する屋外倉庫

スライス加工する機器 屋内倉庫

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③3DCORK

主に金型加工を行うメーカーです。金型加工は原料をロスせず綺麗な立体成型の加工が可能であるが、

成型に時間がかかってしまいます。そのメリットデメリットを考慮した製品開発を行えれば、幅広い活用 が可能になります。なお、現在、日本国内では立体成型を行うメーカーはありません。

※ 工場内は企業秘密のため撮影禁止。

すでに日本に販売代理店があるため同社との直接取引は難しいが、定期的なコミュニケーションを行い加 工技術等のアドバイスをいただけるような関係を築いていきます。

「GENCORK」の壁面材やファニチャー

3DCORK 本社&工場 隣にあるコルク原料製造所 炭化コルクを 2.5 軸 NC で製作する同ブランド

の壁面材は唯一無二の製品です。加工する模様 は独自のプログラミングを使用し、一点一点壁 面サイズに合わせ異なったパターンの壁面を製 作することができる。

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27 3DCORK の製品一例

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◎コルク製品や活用例

ポルト市街地やリズボン市街地では多くのコルク製品を 見ることができました。

電車シートやテーブルウェア、アクセサリー、生活雑貨、

シューズ、バッグ、パッケージなど様々で、今後の商品開 発に非常に役立つヒントを得られました。

テキスタイルとしての活用を多く見られ、弊社も国内生 産を試みたが薄くスライスする技術がなく断念した経験が あります。GRANORTE 社ではそのテキスタイルも生産し ているため、今後の展開に生かせればと考えています。

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※なお、コルク製品の金型製造と加工は、既述のとおり、永柳工業株式会社(茨城県)で実施したため、

新潟県燕三条市内加工業者(武田金型工業株式会社)との現地打ち合わせは行いませんでした。ですが、

都内で打ち合わせを行い、サンプル試作まで実施しました。課題となったのは金型加工に適しているバイ ンダー(接着剤)の選定でした。コルクメーカーではバインダーを特注するなど独自ノウハウがあること がわかり、目的の加工ができませんでした。

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30 2-2 収集・加工生産プロセスの強化

既存の収集・加工生産ネットワークを更に強化していくためには、コルク栓の収集システムの強化と コルク栓の選別を実施できる施設数を増やしていく必要があるため、新たな社会福祉施設等との連携を 図りました。

○リファーシステムジャパン株式会社

当プロジェクトの協力飲食店に取引先がある場合には、納品時の帰り便を利用したコルク栓の回収 を実施

○NPO 法人 RE 機構

コルクの仕分け選別や洗浄を行っていただける障がい者施設のコーディネートをしていただき、新 たな社会福祉施設との連携を図ることができました。

2-3 アンケート調査の実施等

2-3-1 再生コルク製品及び本事業関するアンケート調査

「 再生コルク製品の普及活動の実施」の一環で実施する「協力飲食店への再生コルク製コースター等 の配布」と併せて、都内協力店舗(約 500 社)へのアンケート調査を実施する予定でしたが、コースタ ー等の配布が 2 月からとなったため、アンケート調査票の回収・分析ができるまでには至っていません。

配布しているアンケートには次のような事項を記載しており、この結果を当プロジェクトの改善や製品 開発に活かしていきます。

○アンケート調査の概要(アンケート調査票は別紙2参照)

・本プロジェクトを知るきっかけ

・本プロジェクトの魅力

・お客様の反応

・再生コルク製品に対しての関心

・収集方法について

・使用しているコースターの種類

・店舗で行うその他の取組 など

2-3-2 新たに開発した商品に関するアンケート調査の実施

壁面材に関心をもっていただいた企業等や契約を受注できた企業等へ、今後アンケート調査を実施 し、開発した製品への反応を把握していく。また、ポルトガル出張の成果を踏まえて、ネットワーキン グできた企業等へ、関心のある製品に関するアンケート調査を実施し、更なる商品開発へ活かしてい く。

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31 2-4 事業紹介ウェブサイトの再構築

取組や新しい製品の紹介等の周知活動を強化するため既存のホームページを再構築し、初めて見る人 でもわかりやすいホームページに改修しました。

プロジェクトの目的や概要、回収されたコルクの活用方法、協働企業や賛同企業の掲載などを整理して います。

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3. その他(今回の取組で明らかになったこと・考えたこと)

①コルクメーカーまでの原価コントロール

コルクメーカーへの収集済みコルク栓納入コストが高く、メーカーで製造している既存コルクシート等の ラインナップとして再生コルク素材を生産していくには困難でした。現行では¥465/kg 以上となってい ますが、輸入原料¥350/kg(粒状)と価格競合するため¥150/kg を目標にしています(コルクメーカ ー納入後の工程を踏まえると、その目標が妥当であると永柳工業からご意見をいただきました。)。

継続している運送代行業者への委託には¥338/kg かかっていましたが、それをワインの流通業者等 の納品帰り便にシフトすることで10分の1以下に抑えることが可能となるため、上記目標の実現が可能 となります。コルクメーカーへの納入コストを抑えられるとコルク栓の利用が進みます。それによりコン スタントな循環が生まれ、収集に参加する飲食店の拡大(※現在供給過多により見合わせ中)も可能にな ります。

回収BOXの設置費用 収集費用 仕分費用 送料 合計

現行 ¥56 ¥338 ¥65 ¥21 ¥480

改善 ¥20 ¥30 ¥100 ¥0 ¥150

改善策 現行の収集箱を有料化 し、ダンボール製を標 準とする

運送代行業者を利用し た収集から、納品帰り 便にシフト

RE 機構のコーデ ィネート費用が発 生。障害者雇用の 機会が拡がる

永柳工業の 本社工場間 の社内便を 活用

左 現行収集箱 右 参考事例(海外)

現行の収集箱は、設置する飲食店から、インテリア性においても高い評価をいただいております。その ためアイコンとして設置を考えている飲食店に対しては、現行の収集箱を有料で販売し、収集に必要な箱 にはダンボールを使用します。

②再生資材活用の拡大

これまでは汎用的なコルクシートやブロックから加工可能な製品開発を行っていましたが、本モデル事 業実施により得られた金型加工での製品開発を進め、幅広い活用を目指します。

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特に、住宅関連の商材に注力したいと考えています。今回、ポルトガルの視察で見た「コルクフローリ ング」(床材関連)に大きなポテンシャルを感じました。日本国内で新築住宅及び施設、リノベーション に使用される床材にクッションフロアが多く見られます。市場規模にして約4000億円(うちサンゲツ のシェアが約50%)になります。このクッションフロアには一般的に塩ビが使用されています。コルク の持つ弾力性や保温性を活かした床材がクッションフロアへの代替が可能であり、グリーンコンシューマ に対する訴求を見込んでいます。

③協働・賛同企業の招致

収集に協働していただく企業との連携を増やし広域なネットワークを構築し、より効率的でスケールを 活かしたリサイクルを可能にします。そして、他社メーカーでの再生資源利用を促進します。

④飲食店ネットワークの活用

独自の飲食店ネットワークを活用したソリューションの提案をします。環境への取り組みに関心ある店 舗へ、その導入のアドバイス等を行うコンサルティング業務や、飲食店をターゲットとする商品(環境型 製品に限る)の提案代行が可能と考えています。

⑤既存コルク製品の販売

今回のポルトガル視察で得たメーカーとのコミュニケーションにより、進んだコルク製品の輸入販売を 行い国内市場に多くのコルク製品を提案します。しかし、当取り組みの理念には「国内の資源循環」「マ イレージの削減」を掲げています。国内市場の拡大によって、ポルトガル企業の技術提携など合理的かつ win-win な関係を築いていきます。

参照

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