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音 の 本 質 とサ イ ン カ ー ブ

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Academic year: 2022

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(1)

岡 山大学算数 ・数学教育学 会誌

『パ ピルス』第4号 (1997年 )41頁〜46頁

音 の 本 質 とサ イ ン カ ー ブ

グ ラ フ電 卓 を用 い た 三 角 関 数 の 指 導 実 践 報 告

末 席 聡

岡 山 県 立 勝 間 田 高 等 学 校

e‑mai1YR

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OOO75@mj&serve.w

j L ・

テ ク ノ ロ ジー は 数 学 の 具 体 例 を 見 た り, 検 討 した りす る こ とを 今 ま で 以 上 に 可 能 に して い る と い わ れ る. 例 え ば グ ラ フ 屯卓 で , お ん さの 音 の 波 形 は 簡 単 に 採 取 で き授 業 に役 立 て る こ と も可 能 で あ る. 本 研 究 は , こ の グ ラ フ 電卓 を 用 い た 数 学 授 業 の 実 践 報 告 と一 考 察 で あ る.

r

音 の 本 質 を さ ぐ るJ と題 して , 実 デ ー タ を 屯 卓 に取 り込 み 分 析 す る と い う授 業 を お こ な い. 関 数 に 対 す る生 徒 の 縁 故 の 変 化 に 考 察 を 加 え た もの で あ る.

1

. は じめ に

お ん さの音 の 波 形 を, CBL''を通 して グ ラ フ覆 車 に 取 り込 む と次 の よ うな画 面 に な る 屯卓 の グ ラ フ上 か ら読 み とった デ ー タか ら理 論 式 をつ く り, そ の 波 形 に グ ラ フ を重 ね 合 わ せ てみ る と, ご兼 の 通 りで あ る,

数字 教 育 に コ ン ピュー タ等 を用 い る こ とに 関 して ,特 に, 問題 解 決 ‑ の 実 験 室 的 な ア プ ロー チ2) (推 論3)) が 可 能 に な る こ とが 期 待

され て い る. 実 験 室 的 な ア プ ロー チ とは , 哩 科 の 実 験 垂 で行 われ て い る よ うな事 象 の観 察 千 , 次 の段 階 ‑ の積 極 的 で 系統 的 な観 察 と し て 実験 を行 うこ とで あ る. 実 際 , 数 学 の 知 織 が形 成 され て きた場 で は , 様 々 な 事 例 に つ い て 観 察 的 に調 べ て み た り, あ る知 識 や 仮 説 が 成 り立 つ か ど うか を事 例 に あ た っ て 調 べ る と い う活 動 が な され て きた わ け で あ る.従 来 , この よ うな活 動 は 高 等 学 校 の 数 学 の授 業 に 取 り入 れ られ る こ と もな か っ た し, 取 り入 れ る こ と も不 可 能 で あ っ た とい え るが , 新 しい学 力 観 に 立 つ 数 学 教 育 に お い て は 注 目 され 期 待 され る" 活 動 " に な っ て い る. 本 実 践 は 三 角 関 数 の 学 習 に グ ラ フ屯 卓 を用 い た授 業 報 告 で あ る. C8Lを用 い て実 デ ‑ タ を解 析 す る こ とが学 習 の /、イ ライ トで あ る. サ イ ンカー プ の 美 し さを 実感 す る と と も に, お ん さの 波 形 と関 数 の式 か ら生 ま れ る グ ラ フ が 一 致す る こ との不 思 議 も体 験 して い る. FI三角 関数 の合 成 』 の発 展 的 な扱 い と して , うな りの 現 象 も 扱 った .

‑ 41‑

(2)

2.

操業 展 開

学習のね らいと発間 学 習 活 軌 留 意 点 .配 慮 事 項

(1)音の実態について,多 マンガなどによくある,昔の義眼を提 (関心.意欲.態度)

面的に考えることがで 示 し'

Q , ) ) へ〝

日常によく見かけ引 ナれど きる.

「どのような昔のイメージ 見逃 している間粗に.興味

それが何を表 しているものか考える. をもち,いろいろな7イデ

帆) 7で表現できるか.あまり深 く追求することな

をもつているか?」 ・波

「音が伝わるのはどうして ・振動

か?」 ・振るえて音かでる く,興味を喚起する程度の

「音が大きいとはどういうことか ?」 ・昔が大きいとは振Jbが大きい 展開を心かける.

(2)グラフ屯卓を操作 し, CBLにセンサーを接続 し,7°ロrラム 各自の馬卓に,データを取 データを収集する. 【SOl肘D】を用いて,データを取 り込む. り込む.

例)

J p H al : . 0 . S HK 0 9 訓 UVUVUV ≧ 皿 IY : . O S B y

M

7 ' P J s r l ( p i

I

)

音の大きさを変えたり,普おんさを用いて,サンプリングする.さを変えた りして,書その陀録も忘れずに.ることに注意する.ただし己舟す (3)音は正弦曲嬢で伝わつ グラフ電卓の画面から,気づいたこと (政芋的な考え方)

ていることを知る

「気づいたことはないか」 を発表する. これまでの学習を生かして

例).サインカープになっている. グラフをPEみとることがで

・きれいな汝になっている.

・繰 り返 している.

・大きい音も小さい音も同 じ形 巨亘確かめなければわからないに,音の大小は 匝 頭 できるか.頭 は自動設定のため

( 4 )

データを分析するとと 振幅と周期を求める.また周期から, (表現.処理)

もに,まわ りのデータ 一秒間の振動赦(Hz)を求める. 一.壬馴古,周期を正確に求め と比較することで,堤 おんさ い 4 ‑ 州 l細 魚 ることができ.さらに他.

幅 .周期と音の大小高 同 じおんさを使った他の生徒のデータf ^ ー0.587

7 5

lo.002771361.OHll のものと比較することが

低について知る.

2 .

できるか.割 高.周期と音の大小高

をノー トに妃録 して,自分のものと比 低の関係を把握すること

(3)

F三 角比 』 (数 1)の 学 習 か ら F二 角 関 数 』 (数u)‑ の展 開 に は . それ な りの 工 夫 が な け れ ばS i∩, C o〜, T a∩・ ・の 記 号 の み が 踊 る授 業 に な る こ とは これ ま で の経 験 か ら 多 少感 じて いた と こ ろ で あ る. 以 下 に紹 介 す る授 業 は r正弦 関数 の グ ラ フ」 の ま とめ と し て の授 業 で あ るが ,そ れ 以 前 の 8時 間 の授 業4'

にお い て も, グ ラ フ電 卓 を積 極 的 に利 用 し, サイ ンカー プ を 見 て か ら, 「なぜ この よ うな 曲線 が 表れ るの だ ろ うか ?」 とい っ た疑 問 を 授 業 の探題 に据 えて 指 導 を展 開 した .

授 業 の ま とめ と して , 音 波 の 測 定 と題 して , サ イ ンカー プ で 変化 す る実デ ー タ を採 取 して そ の解 析 をお こな っ た .C らLを用 い て お ん さの振 動 を電 卓 に取 り込 ん だ, このC B Lは , セ ンサ ー で 読み .とった デ ー タ を逐 次 グ ラ フ屯 卓 に送 る装 置で あ る , お ん さが 振 動 す る と, 振 動 部 周 辺 の空 気 分 子 が 振 動 し,圧 力 が 通 常 よ りも大 きい領 域 (圧 稚 )と小 さい領 域 (希 薄 ) が生 じる. この よ うな圧 力 変化 を音 セ ンサ ー を使 って計測, C らLでデ ジ タル 化 した信 号 を電卓 に送 るの で あ る. 電 卓 内 で は プ ロ グ ラ ム [soU ND]が 動 いて ,圧 力 一時 間 の グ ラフを屯卓 に表 示す る.す る と,親 しみ や す い グ ラ フが 電 卓 の画 面 に現 れ る. 計 測 され た デー タは , グ ラ フ上 を トレー ス す る 点 か ら読 み とる こ とが で き, 波 の , 周 期 ,振 幅 , 振 動 数 な どを調 べ る こ とが で き る.

‑ 43‑

T R A C E

捷 能 を用 い て 周 期 を計 算 し, 周 波 数 を求 め る.

凸 凸 pl,

pl ,

②Y=As

i

n (B( ×+C)

)の

A.B.C

に計 測 され たデ ー タ を送 る.

V1 ロ Rsi n ( B( H + C) )

∨王 =

= =

V E = V G =

VF= ∨ +∩

. 2匂

■ . 8825 368 ′ RnS

1 41 509. 4

(4)

③Cの価 を求 め て, も う一 度 グ ラフ を重 ね 合 わ せ て み る,

光 一8

.

8 11

27

1

. 82

13

4 8

67 E4

R nS +C

1 . 82

1 34

8

6 7 E 4

3.

うな り現 象 の 解 釈 の 変 容

本授 業 の 前後 にお い て , 生 徒 の うな り現 象 に対す る解 釈 を調査 した , 具 休 的 に は, うな り現 象 を耳 で体 験 させ てお き

.

「共 鳴 は ど う して起 き るか ?」 とい う質 問 を授 業 前 ,授 井 後 にお こな い, 自分 の考 え 方 を 自由 記述 させ て み た ・ こ̲Q2嗣 査 は, お ん̲さか ら塵 生 した 音 を分析 す る授 業 を通 して . 波 に対 す̲TL'考 ネ 方 が変要 した か どi ̲か を見 る た め に卓 二なっ た̲.̲ 考 え方 の変 容 とい っ て も, うな り現 象 な どは そ の解釈 自体 とて も捉 えに くい もの で あ り, 正 しい説 明 が何 か とい うこ とも問題 で あ るが , 音 に関す る予備 知織 (『音 は波 動 で あ る』 と い うこ とや F音 は 空 気 の振 動 で伝 わ る』 とい っ た知識 ) を あ る程 度 持 って い た 生徒 の 中 か

ら,授 業 後 考 え 方 を顕 著 に 変 え た例 を紹 介 す る.

S君 )

【授 業 前 】

一 つ の 音 が 上 下 して い るの に 対 し, ち う一 つ の 音 が 一 つ 目の 音 と逆 の 動 き を す る.音 と音 が ぶ つ か り合 って . ふ る え て 脚 こえ る.

【授 業 後 】

全 く同 じ音 波 に な らな くて , 少 しの ズ レず れ が 生 じてそ の たび に 音 の 変 化 が 現 れ 耳 に 入 って くる.

判 iし

‥ I , ‑ ・ j L j 古 妻

この 生 徒 は 音 と音 の ぶ つ か り合 いで共 鳴 を捉 え て い たが , ぶ つ か り合 うとい う考 え方 は と て もユ ニー クな もの で あ る. しか しな が ら, 授 其 後 は . お ん さの振 動 数 の 違 い に着 目で き る よ うにな っ て い る と同時 に . グ ラ フを正 し く盃 ね 合 わせ て考 察 で き る よ うに な って い る

(5)

(K君 〉

【授 業 的 】

音 の波 が 二 つ と もバ ラ バ ラ に伝 わ って くるか ら. (ひ とつ づ つ 次 々 と伝 わ っ て くる か ら)

【授 業 後 】

片 方 の 波 と片 方 の 波 が ぶ つ か って 音 が 大 き くな るの を繰 り返 して い る か ら.

湖 J い ち璃

こq: 恒 く再̀ iL仁 ' L, L Z L lう一 7

授 英 前 の 共 鳴 の 解 釈 は 晋 が 独 立 して 伝 わ っ て い る と考 え て い るの に 対 して , 授 業 後 に は 波 の ぶ つ か りが 生 じて , 振 幅 が 増 幅 され る こ と が あ る こ と を説 明 して い る .

これ らの 生 徒 の 考 え 方 の 変 容 は , 音 の 本 質 を理 解 す る こ とが , 波 の 重 ね 合 わせ (合 成 )に 対 す る考 え 方 を よ り 自然 に 受 け入 れ て い る こ と を実 証 して い る. うな りの 解 釈 を 変 容 させ た き っ か け は, 金 属 が .1秒 間に 3 60回 と

い う速 さで 振 動 して い る事 実 を 知 っ た こ と と, 同 じ動 作 を繰 り返 して い る金 属 か ら, 振 動 ‑ 空 気 の 粗 密 発 生 とい う単 純 な し くみ で音 が 発 生 す る こ と を知 っ た こ とで あ る . 音 の 発 生 を 理 解 す るの は F物 理 』 とい う教 科 の 役 割 で あ るが . 数 学 で は 扱 わ れ な か っ た 事 実 を知 る こ とで . 数 学 的 な 考 え 方 の 一 部 分 が 無 理 な く受 け入 れ られ る とす れ ば , 実 験 室 的 な ア プ ロー チ もた だ の 興 味 づ け の 授 某 だ け に 留 ま らな い

もの で あ る と考 え られ る .

4.

ま とめ

NCTMの 中等 ・高 等 学 校 の 教 科 策 定 プ ロ ジ ェ ク トに加 わ るテ ク ノ ロ ジ ー ・コ ン サ ル タ ン トの Dan Teague氏 は , コ ン ピュ ー タが 導 入 され は じめ た10年 前 は , コ ン ピ ュー タ は シ ュ ミ レ ー シ ョン的 な 利 用 が そ の 中 心 的 な役 割 を担 っ て お り. そ の利 用 法 は , 数 学 教 育 の 内 容 方 法 を 変 え て い な い とい うこ と を指 摘 して い る5'

しか しな が ら, グ ラ フ 奄 卓 の 軒 便 性 は 次 の よ うな 盛 大 な 変 容 を も た ら して い る と指 摘 す る.

1, 探 求 心 が 生 徒 を 活 動 的 な 学 習 活 動 に 巻 き 込 む .

2.生 徒 が " ど う して 〜 な の か な ?" とい う 疑 問 を 持 ち , 問 題 を提 起 す る .

3.生 徒 の 理 解 を 切 り開 い て い く動 的 な 授 業 が 可 能 に な る.

4.生 徒 に 興 味 を持 た せ る よ うな新 しい 数 学 的 な トピ ッ クが 導 入 され る .

5.リアル ワー ル ドの 問 題 解 決 が . 数 学 の 学 習 を動 機 づ け る .

6, 手 計 算 で は 取 り組 め な か っ た 問 題 に も試 み る よ うに な る .

1 4 5

(6)

7.創 造性 を増 し, 様 々 な 解 法 で 間 組 解 決 を す る よ うに な る .

な か で も. 5に つ い て は , グ ラ フ屯 卓 の価 値 が 大 き く吉私め られ る と ころ で あ る. 本 報 告 の 授 業 も, お ん さが 生 徒 の 学 習 意 欲 を 動 機 づ け て い る こ とは確 か に い え る こ とで あ る. " 観 戦 ス ポー ツ と して の 数 学 ''的 な 立 場 を とれ ば お ん さで 三 角 関 数 も, 数 学 体 族 と して み れ ば

★ 盃 で あ る.数 学 の 学 習 を継 続 させ る とい う 意 味 にお い て も, 重 要 な ポ イ ン トと な る . し か し. さ らに評 価 の 観 点 を 次 の 段 階 に進 め た い . それ は , この よ うな リア ル ワー ル ドを 簡 単 に取 り込 め る ブ ラ ッ ク ボ ッ ク ス (屯 卓 )が , 其 の 意 味 で 生 徒 の数 学 的 な 考 え を 育 て て い け る もの に な るの か とい うこ とで あ る . 高 度 情 報化 社 会 が とい う言 葉 に よ っ て この よ うな 疑 問 も問 われ な くな り, 電 卓 も数 学 の 授 業 に は ス タ ンダー ドな もの と して 定 着 して くる よ う に な るか も しれ な い が . これ は 常 に 問 い か け な けれ ば な らな い こ とで あ る.

[

往 ・参考 文 献 】

1)Calucu

l

ator Based Laboratory Systemの 略 で , セ ン サ ー で得 た 情 報 を , デ ジ タル 情 報 に変 換 し電 卓 に転 送 す る装 匿 .

2)渦 水 克 彦 r数 学 科 に お け る 実 験 の 'dF権 ‑ テ ク ノ ロ ジー を用 い た 観 素 ・実 験 ア プ ロー チ ー 宮 城 県 中 学 校 数 学 教 育研 修 会 賢 料 3)仇 田正 美 rテ ク ノ ロ ジー 時 代 の 思 考 方 法 と指 斗 法 に 関 す る一 考」 学 校 数 学 に お け る テ ク ノ ロ ジー 活 用 法 の 開 発 に 関 す る研 究(3) 筑 波 大 学 数 学 教 育研 究 室 1996

4)拙 棉 r三 角 関数 の 授 業 に グ ラ フ 電 卓 を用

い る」 屯 卓 コ ン ビュ‑ タ に 関す る数 学 教 育 扱 指 会 (東 海 大 学 ),1997

5)t)an Teague. EnhancingProblemSolying

vith Technology.第30回タ●ラフ屯 卓 セミ1‑資 料 , 1997

淡 連 侶 「数 学 教 育 の 変 化 を 見 る」 数 学 教 育 にお け るクーラ7屯 卓 利 用 ‑ の 提 案 , 平 成 7‑

8年 産 科 研 井 補 助 金 研 究 成 果 報 告 書,1997, pp15‑18

1書水 克 彦 「N^THENATICS AS SPECTATOR sPORTS(軌 暇 ス ポー ツ と して の 数 学 )」 . 弟L回タ●ラフ屯 卓 セミナー架 料,1995

拙 稿 「グ ラフ か らは じま る関 数 の 指 専 一 微 分 係 数 の 学 習 と グ ラ フ 電 卓‑」 中 国 四 国 教 育 学 会 紀 要 F教 育 学研 究 紀 要 』 第41巻 , 第2部.1995

【中将 】

うな りgtt を グラ フt ■で 捉 え る とu T の よ うな 両面 にな る. (拡 大 した もの がT E))

F'F: SSLJF;E:

.U uJh L.J.uJ.U.L".山 U

:ll Pn'叩 【1「rrnl叩

∴ Ilnd 症 I 山上.n̲.

、■qVlllJ.YI 〜0yY" y (本研究は、財団法人福武教育振興財団

教育研究助成による研究の一部である。)

参照

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