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図 2 現在の地形

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Academic year: 2022

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(1)Ⅳ− 2. 第38回土木学会関東支部技術研究発表会. 千代田区富士見・麹町地区のボーリングデータによる原地形の復元と支持層の可視化 法政大学大学院工学研究科建設工学専攻 学生会員 ○岩井創 法政大学デザイン工学部 正会員 森田喬 1. 研究背景・目的 東京都の中でも千代田区外濠周辺は, 武蔵野台地のうち 下末吉面と呼ばれる, 最終氷期に堆積した古い地層を基盤 とした段丘面にあり, 長い期間浸食を受けて多くの曲折と 支谷を持つ谷が形成されている. 本研究では, この地域の 中でも千代田・新宿区役所と交渉の末, 入手可能となった富 士見・麹町地区のあわせて 1078 本のボーリングデータ(図 1)を用いて, 埋土や盛土, さらには関東ローム層を外した 原地形を復元する. これにより, 何千年という時間軸を遡 り, 建物・道路・鉄道といった地上構造物と地形の歴史的背 景の関係性を見出すことが出来る. さらに, ボーリング調 査時の標準貫入試験における N 値 50 を 5m 連続で上回る. 図 2 現在の地形. 支持層に関して も, GIS(地理情. 図 3 を見ると, 現在に比べて全体的に地形の起伏に粗さ. 報システム)によ. が目立つ. 建物を建てたり, 道路を敷いたり, 市街地を形成. り可視化するこ. するにあたり造成される前の地形が明らかになった. また,. とで, 防災の観. 麹町 1 丁目, 一番町, 三番町, 四番町を通る谷筋が現在より. 点から街づくり. も深くえぐられており, 人々が暮らしづらい地形条件であ. への基礎的情報. ったことがうかがえる.. を提供すること も併せて目的とする.. 図 1 ボーリング調査地点. 2. 研究方法 研究方法は以下の手順で行う. まず, 入手した紙のボー リング調査資料をスキャンして Excel に打ち込み, Visual Basic による XML 変換を行った後, 解析に必要な埋土・盛 土ならびに関東ローム層を除去した標高データを抽出する. これに GIS(地理情報システム)を用いて, 数値地図 5m メッ シュ標高データと重ね合わせによる TIN 地形の作成, 結果 を分析する. 次に, 支持層と地上構造物の関係性を深度別 に把握し, 従来広域的にしか捉えることが出来なかった防. 図 3 埋土・盛土・表土を除去した地形. 災情報を各建物単位で認識する.. 図 4 を見ると, 飯田橋, 三崎町, 西神田, 神田神保町の平 坦な起伏は大きく変化していない. これは, 関東ローム層. 3. 原地形モデルの生成と分析 現在の地形(図 2), 埋土・盛土・表土を除去した地形(3), 関. が地中に堆積していないためであり, この地区がかつて海. 東ローム層を除去した地形(図 4)の 3 パターンを比較するこ. 域であったことが考えられる. 川や海からの相対的な高度. とで, 歴史の変遷とともに起伏の凹凸がなだらかになって. が小さい低平な土地は, ほとんどが沖積低地(沖積層)から. いるのが分かる.. 成り, 川や海から一段と高くなった台地や段丘はほとんど. 図 2 の現在の地形図では, 谷筋や窪地など広い範囲で眺. が洪積台地によって構成されている. この地区での標高. めると地形の起伏が激しくなっている. 街の骨格を成して. 25m 以上の場所は, ほぼ盛土や埋土, 関東ローム層が堆積. いる道路が地形を利用して造られているのが見て分かる.. していることになる. そこで, 数千年もしくは数万年の間,. キーワード ボーリングデータ,地形,支持層,GIS(地理情報システム) 連絡先 〒102-8160 東京都千代田区富士見 2-17-1. 法政大学大学院. TEL03-3264-9240. E-mail:[email protected].

(2) Ⅳ− 2. 第38回土木学会関東支部技術研究発表会. 繰り返された活火山の噴火による火山灰の降灰を取り除け. 改変が激しく, 埋土や盛土によって地盤が緩くなっている. ば, 現在とは全く違う地形が出現する.. のである. 起伏の激しい尾根筋の市街地開発には負担がか かってしまい, 近い将来, 災害が発生した時に一番の危険 区域となり得る.. 図 4 関東ローム層を除去した地形. 図 6 支持層深度別の建築物の分布 35 30. 都市域において, 支持層の位置を示す図面が作成される. 25. ようになれば, 民間建築物や土木構造物の基礎の計画, 設. 20. 計の作業の効率化・省力化も可能になる. また, 支持層分. 15. 布を知ることで, 今後起こりうる大震災のリスク軽減に,. 10. 五番町. 四番町. 三番町. 二番町. 一番町. 平河町2丁目. 平河町1丁目. 富士見2丁目. 富士見1丁目. 飯田橋1丁目. 隼町. 飯田橋3丁目. 麹町6丁目. 神田神保町2丁目. 麹町5丁目. 麹町4丁目. 麹町3丁目. 麹町2丁目. 麹町1丁目. 九段北4丁目. 九段北1丁目. 九段南4丁目. が深く, 浅いかが丁目単位で把握が出来るようになった.. 0. 九段南3丁目. 図 5 は, 支持層の分布状況を視覚化した図であり, どこ. 5. 紀尾井町. そこに暮らす人々がより能動的に取り組めるようになる.. 九段南2丁目. 4. 支持深層度と地上構造物の関係性. 図 7 建築物(支持層深度-20~-31.5m)の分布. 多大な人的, 物的被害をもたらした阪神・淡路大震災以 降, 自然災害に対する予防対策がいかに重要かが現在, 改 めて問われている. 富士見・麹町地区のような狭い範囲で 支持層を可視化することで, 行政のみならず暮らす人々も 対策が可能になり, 大規模な災害発生時の被害の抑制に寄 与出来るだろう.. 図 5 支持層の可視化. 5. まとめ 本研究では, ボーリングデータを軸にして, 富士見・麹. 図 6 は, 支持層深度別に見た建築物の分布状況である. 0. 町地区を「地形」と「支持層」の2つの観点から分析してみた.. ~-10m は, 建築物の数は少ないが, 平坦な地形の飯田橋,. 種類別に地層を剥がしていくことで, 現在に至る歴史的背. 富士見付近に多く見られる. 地形の起伏も緩やかなので,. 景を裏付ける原地形を表現することが出来た. 人々は, よ. この地区は防災上の観点から考えてもリスクは低いと思わ. り良い暮らしをするために地形改変を行ってきたわけだが,. れる. -10~-20m は, 一番建築物の数が多く, 地形の起伏. その分その土地は地盤が軟弱になり, リスクを背負うこと. に関係なく地区全体に散らばっている. 建築構造別では,. にもなる. 今後, あらゆる場所で支持層が可視化されれば,. 耐火造 816 軒, 防火造 37 軒, 準耐火造 9 軒, 木造 8 軒と. 防災街づくりにもつながるであろう.. なった. -20~-30m は, -10~-20m に次いで建築物が多い. 3 パターンの中では, 一番危険性が高く, 九段南 3 丁目,. 参考文献. 一番町, 平河 1 丁目に多く見られる(図 7). 特に, 一番町と. 1) 千代田区地域防災計画・計画編, 東京都千代田区区民生. 平河 1 丁目は図 2 と図 3 を比べても分かるように, 地形の. 活部防災課, 平成 16 年, pp.13.

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