• 検索結果がありません。

新鉄源・石炭エネルギー技術の展望松谷高志

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "新鉄源・石炭エネルギー技術の展望松谷高志"

Copied!
1
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

神戸製鋼技報/Vol. 60 No. 1(Apr. 2010) 1

■特集:新鉄源・石炭  FEATURE : New Iron and Coal

(巻頭言)

新鉄源・石炭エネルギー技術の展望

松谷高志

代表取締役副社長

Prospects of New Iron Making Process and Coal Utilization Process

Takashi MATSUTANI

 米国サブプライムローン問題に端を発した金融危機に より,2008 年後半から世界的な景気後退に見舞われた が,それ以前の狂乱ともいうべき世界的な資源獲得競 争,資源価格の高騰は記憶に新しい。21 世紀に入って からの資源価格の高騰は,ブラジル,ロシア,インド,

中国といったいわゆる「BRICs」諸国の工業化進展によ る需要拡大の要素が大きいと考えられ,中長期的にはこ の流れが継続するものと考えられる。資源獲得競争が激 しさを増す中で,高品位の鉄鉱石・石炭などの良質資源 の劣化・枯渇が進んでおり,また同時に CO2排出規制な ど環境規制の強化もあわせて叫ばれている。

 このような環境の下で,神戸製鋼グループは新鉄源・

石炭エネルギー分野において有望な技術を有しており,

これらの技術は,上記資源,環境問題を解決しうるもの である。そこで今回の特集号では,新鉄源・石炭エネル ギー技術について紹介させて頂きたい。

 まず,新鉄源技術について,当社は新製鉄プロセスで ある直接還元鉄製造法の開発の草分け的存在である。直 接還元鉄プラントは,高炉のように大規模な設備投資が 不要であり,コークスも必要としない。一般炭や低品位 鉱など多様な原料を用いることが可能であり,また CO2

排出量といった環境負荷も小さい。また当社は,粉鉱石 を原料として活用できるペレット製造技術もあわせて有 している。

 MIDREXプロセスは,当社の子会社である米国ミド レックス社が開発した,天然ガスを還元剤として用いる 直接還元鉄製造法であり,世界の直接還元鉄の約 6 割が MIDREX プロセスにより生産されている。

 KOBELCO ペレタイジングプロセスは,グレートキル ン方式の採用により,ペレットをむらなく焼き固めるこ とができる。さまざまな粉鉱石を原料として使用するこ とができ,高炉や MIDREX プロセスプラントに高品質 のペレットを供給している。

 FASTMETプロセスは,当社とミドレックス社が共同 で開発した直接還元鉄製造法である。一般炭を還元剤と して用い,粉鉱石を原料として使用する。また,製鉄所 ダストも使用することができ,ダスト中の鉄,亜鉛など の有用金属のリサイクルが可能である。FASTMELT ロセスは,下流に還元鉄溶解炉を設置し,溶銑を製造す る。

 ITmk3プロセスは,当社が開発した直接還元鉄製造

法であり,原料となる粉鉱石と還元剤となる一般炭か ら,高炉溶銑並の純度(鉄分 96〜97%)のアイアン・ナ ゲット(粒鉄)をわずか 10 分で製造する。2010 年より 北米で商業 1 号機が稼動を開始している。

 つぎに,石炭エネルギー技術についてご紹介させて頂 きたい。当社は 1970 年代から 90 年代にかけて褐炭液化 プロセスの開発を推進する中で,スラリー脱水,水素化 分解,沈降分離などの要素技術を培ってきた。90 年代以 降は,これらの技術を応用し,褐炭あるいは超重質原油 といった低品位エネルギー資源を有効に活用する独自の 技術開発を展開してきた。

 例えば,改質褐炭(UBC)技術は,液化の事前処理 技術をうまく応用し,褐炭を脱水して高品位の改質炭を 製造する技術である。石炭は世界的に広範かつ豊富に分 布する最大のエネルギー資源であるが,実はその半分は 褐炭などの低品位炭であり,この有効活用がエネルギー 需給の安定化には不可欠である。目下,改質褐炭技術 は,大規模実証プラントによる商業化技術を確立する段 階にあり,日本などの石炭輸入国,インドネシアなどの 褐炭資源国の双方から大いに注目を集めている。

 一方,化石エネルギーの利用にあたっては環境への配 慮が不可欠になっている。とくに,地球温暖化対策とし て CO2排出削減の必要性が世界的に認識されているが,

この点でも,当社は特色のある技術の開発に取組んでい る。

 例として「ハイパーコール(溶剤抽出脱灰炭)」技術 は,石炭を溶媒により抽出して脱灰する技術である。当 初,脱灰炭の微粉をガスタービンに直噴し,高効率発電 用燃料としての利用を念頭に開発を進めたが,脱灰炭を コークス配合に利用すると,非常に強度が高く,しかも 反応性の良いコークスを製造することができるというユ ニークな特性が判明した。このコークスを高炉で使用す ることによってコークス比を低減し,CO2の排出を削減 することが可能となる。現在はベンチスケールの開発段 階であるが,将来の実用化を大いに期待する技術である。

 さて,今後,資源・エネルギー・環境を巡るグローバ ルな動きは一層加速するものと予想される。こうした 中,当社の新鉄源・石炭エネルギー技術が果たすべき役 割は極めて大きいものと認識している。今後とも,関係 の皆様からの忌憚のないご意見とご指導をお願い申し上 げる次第である。

参照

関連したドキュメント

Basic Concept of the Coal Ash Washing Processing 水+塩酸 灰粒子 分離水 水処理 固液分離 ろ液 水処理 洗浄灰 脱水 すすぎ脱水 ほう素

(株) (現コスモ石油 (株) )の 5 社より構成,以下 NBCL という)が NEDO の委託のもと研究開発を推進した。本

流動層石炭ガス化技術111 ト一石炭前処理工程一卜原料湿式供給工程一トーガス化・冷却熱回収工程--一十水・油状物分離工程一トーーガス精製工程---+ 川l

COに富むガスが生成する。この場合,上部で生成したチャー

高濃度CWMは,石炭の簡便な流体化利用技術として注目されている。スラリの

「ACT MAP シナリオ 」 である。これは、既存あるいは 実現性の目途が得られた技術を用いて、世界の 2050 年の CO 2 排出量を 2005 年レベルに戻すことを目標に

図1 粉砕方法がSiO 2分析値に与える影響 (上図)

   第5 章で は、Z め rrDD 灯ぬ 恥存在 下で高 硫黄石炭ずりから浸出した水を用いて含鉄溶液 を 調製し 、この 溶液中 で高硫 黄炭の 浮選を 行うこと により 、第4 章