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空調時の至適温度に関する実験的研究 -

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Academic year: 2021

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(1)

空調時の至適温度に関する実験的研究

-  戸建住宅における住空間の快適性確保に関する研究  -

(

)

ポラス暮し科学研究所

○松本 泰輔   日大生産工

松井 勇        

(

)

ポラス暮し科学研究所

  福田 英司

1

まえがき

近年の省エネルギー問題の社会的認識に反 して,住宅分野におけるエネルギー消費量は 漸増傾向を示している。その中でも,空調用 途に使用するエネルギーの割合は

1/4

と高い。

これは,住宅の温熱環境に対する住まい手の 要求水準も高揚しているためと推察する。本 研究は,戸建住宅における住空間の快適性確 保と省エネルギーを両立する空調技術の実現 を目指すものである。そのためには,温熱環 境に対する住まい手の要求水準の把握が前提 となる。以下では,空調時の至適温度に関す る官能検査の結果について報告する。

2

実験概要

空調時の至適温度の検討にあたり,官能検 査を行った。実験場所は写真

1

に示す(株)ポ ラス暮し科学研人工環境室内の

4

畳半実験室 とした。実験室の温湿度設定にはステップ変 動を与えた。実験室内の温湿度条件および実 験手順は表

1

に示すようにした。主な測定項 目は表

1

に示すものとし,被験者申告には表

2

に示す言語尺度を用いるものとした。被験 者には椅座位安静を指示したが,足の移動や 椅座姿勢などの拘束は行わなかった。着衣の 細かい指定も行わず,写真

2

に示すように各 自の夏の部屋着,冬の部屋着を用意してもら った。なお,各室温での官能検査の間には,

被験者に室温

22℃の前室での 15

分の休憩を 与えることとした。

3

冷房時の至適温度

  住宅の冷房用途に投入されるエネルギーが 省エネルギー問題の論点に挙がることは少な い。これは、住まい手が低い室温を求めてい

ないがゆえに,夏期の室内外温度差が小さく,

空調時においても室内からの熱損失量が抑え られている,あるいは冷房の使用頻度が低い ことによるものと考える。

Relationship of Room Temperature and Residents’ Thermal Sensation Research on Realization of Comfortable Habitation Space  -

Taisuke MATSUMOTO, Isamu MATSUI and Eiji FUKUDA

写真

1  実験場所

1  温湿度条件および実験手順

1  測定項目

寒冷環境 中庸熱環境 暑熱環境 休憩 入室

0min 10min 20min 30min

被験者実験 退室・休憩 40min -5min

申告時期 33℃

50.0%

17:00 28℃

50.0%

25℃

50.0%

22℃

50.0%

18℃

50.0%

14:00 15:00 16:00

13:30 14:30 15:30 16:30

室温 湿度

冷房時至適温度検査境界条件

15℃

47.3%

17:00 18℃

39.1%

22℃

30.5%

26℃

24.0%

30℃

19.0%

14:00 15:00 16:00

13:30 14:30 15:30 16:30

室温 湿度

暖房時至適温度検査境界条件

寒冷環境 中庸熱環境 暑熱環境 休憩 入室

0min 10min 20min 30min

被験者実験 退室・休憩 40min -5min

申告時期 33℃

50.0%

17:00 28℃

50.0%

25℃

50.0%

22℃

50.0%

18℃

50.0%

14:00 15:00 16:00

13:30 14:30 15:30 16:30

室温 湿度

冷房時至適温度検査境界条件

15℃

47.3%

17:00 18℃

39.1%

22℃

30.5%

26℃

24.0%

30℃

19.0%

14:00 15:00 16:00

13:30 14:30 15:30 16:30

室温 湿度

暖房時至適温度検査境界条件

心理 量 環境 物 理 量

温冷感 接触温冷感 快適感

申告表を用いた主観評価

室温

FL+100mm/+200mm/+300mm/

+600mm/+1100mm/+1800mm/

床面温度/壁面温度/天井面温度

申告表

: 表2を参照のこと

相対湿度

FL+600mm

黒球温度

FL+300mm/+600mm/+1100mm

風速

FL+300mm/+600mm/+1100mm

+2000mm/

心理 量 環境 物 理 量

温冷感 接触温冷感 快適感

申告表を用いた主観評価

室温

FL+100mm/+200mm/+300mm/

+600mm/+1100mm/+1800mm/

床面温度/壁面温度/天井面温度

申告表

: 表2を参照のこと

相対湿度

FL+600mm

黒球温度

FL+300mm/+600mm/+1100mm

風速

FL+300mm/+600mm/+1100mm

+2000mm/

(2)

  図

2

に部位別平均温冷感申告の変動を示す。

室温

33℃では部位別の較差が大きくなって

いる。これは休憩に用意した室温

22℃の前室

との室温差に対する各部位の順加速度の差に よるものと思われる。各室温とも胸部,上腕 の部位別温冷感は全身温冷感とおおよそ一致 する。全身温冷感は体幹部に近い部位の温冷 感で代表されることを示している。

  図

3

に入室

30

分後の室温と全身温冷感との 関係を示す。冷房時には,室温

28℃で温冷感

「0.中立」付近で申告が集中し,室温

25℃で

は「-1.やや涼しい」〜「-2.涼しい」の評価へ と変わっている。最小

2

乗法

1

次近似直線か ら温冷感中立温度を求めると

27.5℃となり,

国家施策として推進しているクールビズ時の 設定冷房温度

28℃に近い値となっている。

4

暖房時の至適温度

  一般に,暖房方式については対流式と放射 式の

2

極化された議論がなされるが,筆者ら は床と人体との接触による伝導方式が最も有 効ではないかと考えている。実験に際して,

写真

3

に示す実験床と写真

4

に示す周壁を加 熱できる実験室を作成した。実験は写真

5

に 示すように

4

回行った。実験

1

は人工環境室 の空調設備のみに実験室の環境形成を依存し た場合,実験

2

は接触伝導による暖房効果を 把握するために作成した実験床を運転して,

椅座位安静状態の被験者に対して足裏加熱を 与えた場合,実験

3

は被験者の足元に踏み台 を設置し,床面と足裏を熱絶縁した上で,壁・

天井・床の周壁を

35℃に加熱した場合,実験4

温冷感 接触温冷感 快適感

評点

+3+2+1 0 -1 -2 -3+3+2+1 0 -1 -2+3+2+1 0 -1 -2 -3 暑い 暖かい やや暖かい どちらでもない やや涼しい 涼しい 寒い 熱い 暖かい やや暖かい どちらでもない やや冷たい 冷たい 非常に心地よい 心地よい やや心地よい 普通 やや不快 不快 非常に不快

言語尺 度

温冷感 接触温冷感 快適感

評点

+3+2+1 0 -1 -2 -3+3+2+1 0 -1 -2+3+2+1 0 -1 -2 -3 暑い 暖かい やや暖かい どちらでもない やや涼しい 涼しい 寒い 熱い 暖かい やや暖かい どちらでもない やや冷たい 冷たい 非常に心地よい 心地よい やや心地よい 普通 やや不快 不快 非常に不快

言語尺 度

温冷感 接触温冷感 快適感

評点

+3+2+1 0 -1 -2 -3+3+2+1 0 -1 -2+3+2+1 0 -1 -2 -3 暑い 暖かい やや暖かい どちらでもない やや涼しい 涼しい 寒い 熱い 暖かい やや暖かい どちらでもない やや冷たい 冷たい 非常に心地よい 心地よい やや心地よい 普通 やや不快 不快 非常に不快

言語尺 度

2  主観申告に用いた言語尺度

写真

2  官能検査風景 (左/冷房

右/暖房)

-3 -2 -1 0 +1 +2 +3

20 25 30 35

室温【℃】

(暑い) (暖かい) (やや暖かい)

(中立) (やや涼しい)

(涼しい)

全身温冷感申告【-(寒い)

入室30分後の全身温冷感申告 -3

-2 -1 0 +1 +2 +3

20 25 30 35

室温【℃】

(暑い) (暖かい) (やや暖かい)

(中立) (やや涼しい)

(涼しい)

全身温冷感申告【-(寒い)

-3 -2 -1 0 +1 +2 +3

20 25 30 35

室温【℃】

(暑い) (暖かい) (やや暖かい)

(中立) (やや涼しい)

(涼しい)

全身温冷感申告【-(寒い)

入室30分後の全身温冷感申告 入室30分後の全身温冷感申告

3  室温と全身温冷感との関係(冷房)

写真

3  実験床

写真

4  実験室

2  部位別平均温冷感変動(冷房)

33℃

50.0%

28℃

50.0%

25℃

50.0%

22℃

50.0%

18℃

50.0%

室温 湿度

13:3014:00 14:30 15:0015:30 16:00 16:3017:00 -3

-2 -1 0 +1 +2 (暑い) +3 (暖かい) (やや暖かい)

(中立) (やや涼しい)

(涼しい)

全身温冷感申告【-(寒い)

33℃

50.0%

28℃

50.0%

25℃

50.0%

22℃

50.0%

18℃

50.0%

室温 湿度

33℃

50.0%

28℃

50.0%

25℃

50.0%

22℃

50.0%

18℃

50.0%

室温 湿度

33℃

50.0%

28℃

50.0%

25℃

50.0%

22℃

50.0%

18℃

50.0%

室温 湿度

13:3014:00 14:30 15:0015:30 16:00 16:3017:00 -3

-2 -1 0 +1 +2 (暑い) +3 (暖かい) (やや暖かい)

(中立) (やや涼しい)

(涼しい)

全身温冷感申告【-(寒い)

下腿 大腿 胸部 上腕 足裏 全身 下腿

下腿 大腿大腿 胸部胸部 上腕上腕 足裏足裏 全身全身

実験1 足裏非加熱/周壁非加熱 実験2 足裏加熱/周壁非加熱

実験3 足裏非加熱/周壁加熱 実験4 足裏加熱/周壁加熱

写真

5  官能検査風景(暖房)

(3)

は踏み台を設置せず,足裏加熱と放射がとも に暖房として存在する場合とした。

  図

4〜図 7

に部位別平均温冷感申告の変動 を示す。実験

1

では,各室温における身体各 部の温冷感申告値はほぼ同程度の値を示して おり,官能検査開始時の心理応答も冷房時の 至適温度を求める官能検査のときよりも落ち 着いている。実験

2

では,各室温とも足裏の 温冷感申告値は「+1.やや暖かい」〜「+2.暖 かい」を示し,入室後

30

分における全身温冷 感および部位別温冷感の申告値は室温が高く なるにしたがって,実験

1

に比して大きくな っている。これは,全身の血行動態の促進に 伴う組織内熱伝導率の上昇により,床面から の伝導熱量が増加し,足裏加熱の体感効果が より大きくなったためと推察する。実験

3,

実験

4

の各室温における身体各部の温冷感申 告にはばらつきが認められる。これは人体各 部の有効放射面積の違いによるものであると 考える。実験

4

でも,各室温とも足裏の接触 温冷感申告は「+1.やや暖かい」〜「+2.暖か い」を示し,全身温冷感申告の変動も実験

3

よりも暖かい側で評価されている。特に室温

18℃の入室 30

分後の平均全身温冷感申告は

実験

3

で「-1.やや涼しい」〜「-2.涼しい」を 示すのに対し,実験

4

では「0.どちらでもな

い」となっている。また,各実験とも寒冷環 境下では下腿・大腿の温冷感が全身温冷感申 告とおおむね一致しており,冷房時とは異な り,暖房時には下肢への温度入力が重要であ ることを示唆している。

  図

8

に室温と全身温冷感の関係を示す。足 裏非加熱時の実験

1

および実験

3

の温冷感較 差は確認できない。同様に足裏加熱時の実験

2

および実験

4

の較差もなく,周壁からの放 射の有無による較差ではなく,足裏加熱の有 無による較差のみが明確になっている。最小

2

乗法

1

次近似直線の近似式から求められる 全身温冷感中立室温は,実験

1

22.0℃,実

2

20.0℃,実験3

22.2℃,実験4

19.4℃

となり,周壁加熱による放射暖房よりも,足 裏加熱による接触暖房の方が体感に優位に作

15℃

47.3%

18℃

39.1%

22℃

30.5%

26℃

24.0%

30℃

19.0%

室温 湿度

13:3014:00 14:30 15:0015:30 16:00 16:3017:00 -3

-2 -1 0 +1 +2 (暑い) +3 (暖かい) (やや暖かい)

(中立) (やや涼しい)

(涼しい)

全身温冷感申告【-(寒い)

下腿 大腿 胸部 上腕 足裏 全身 15℃

47.3%

18℃

39.1%

22℃

30.5%

26℃

24.0%

30℃

19.0%

室温 湿度

15℃

47.3%

18℃

39.1%

22℃

30.5%

26℃

24.0%

30℃

19.0%

室温 湿度

15℃

47.3%

18℃

39.1%

22℃

30.5%

26℃

24.0%

30℃

19.0%

室温 湿度

13:3014:00 14:30 15:0015:30 16:00 16:3017:00 -3

-2 -1 0 +1 +2 (暑い) +3 (暖かい) (やや暖かい)

(中立) (やや涼しい)

(涼しい)

全身温冷感申告【-(寒い)

下腿 大腿 胸部 上腕 足裏 全身 下腿

下腿 大腿大腿 胸部胸部 上腕上腕 足裏足裏 全身全身

4  部位別平均温冷感変動(実験1)

15℃

47.3%

18℃

39.1%

22℃

30.5%

26℃

24.0%

30℃

19.0%

室温 湿度

13:3014:00 14:30 15:0015:30 16:00 16:3017:00 -3

-2 -1 0 +1 +2 (暑い) +3 (暖かい) (やや暖かい)

(中立) (やや涼しい)

(涼しい)

全身温冷感申告【-(寒い)

下腿 大腿 胸部 上腕 足裏 全身 15℃

47.3%

18℃

39.1%

22℃

30.5%

26℃

24.0%

30℃

19.0%

室温 湿度

15℃

47.3%

18℃

39.1%

22℃

30.5%

26℃

24.0%

30℃

19.0%

室温 湿度

15℃

47.3%

18℃

39.1%

22℃

30.5%

26℃

24.0%

30℃

19.0%

室温 湿度

13:3014:00 14:30 15:0015:30 16:00 16:3017:00 -3

-2 -1 0 +1 +2 (暑い) +3 (暖かい) (やや暖かい)

(中立) (やや涼しい)

(涼しい)

全身温冷感申告【-(寒い)

下腿 大腿 胸部 上腕 足裏 全身 下腿

下腿 大腿大腿 胸部胸部 上腕上腕 足裏足裏 全身全身

5  部位別平均温冷感変動(実験2)

15℃

47.3%

18℃

39.1%

22℃

30.5%

26℃

24.0%

30℃

19.0%

室温 湿度

13:3014:00 14:30 15:00 15:3016:00 16:3017:00 下腿 大腿 胸部 上腕 足裏 全身

-3 -2 -1 0 +1 +2 (暑い) +3 (暖かい) (やや暖かい)

(中立) (やや涼しい)

(涼しい)

全身温冷感申告【-(寒い)

15℃

47.3%

18℃

39.1%

22℃

30.5%

26℃

24.0%

30℃

19.0%

室温 湿度

15℃

47.3%

18℃

39.1%

22℃

30.5%

26℃

24.0%

30℃

19.0%

室温 湿度

15℃

47.3%

18℃

39.1%

22℃

30.5%

26℃

24.0%

30℃

19.0%

室温 湿度

13:3014:00 14:30 15:00 15:3016:00 16:3017:00 下腿 大腿 胸部 上腕 足裏 全身 下腿

下腿 大腿大腿 胸部胸部 上腕上腕 足裏足裏 全身全身 -3

-2 -1 0 +1 +2 (暑い) +3 (暖かい) (やや暖かい)

(中立) (やや涼しい)

(涼しい)

全身温冷感申告【-(寒い)

6  部位別平均温冷感変動(実験3)

15℃

47.3%

18℃

39.1%

22℃

30.5%

26℃

24.0%

30℃

19.0%

室温 湿度

13:3014:00 14:30 15:00 15:3016:00 16:3017:00 下腿 大腿 胸部 上腕 足裏 全身

-3 -2 -1 0 +1 +2 (暑い) +3 (暖かい) (やや暖かい)

(中立) (やや涼しい)

(涼しい)

全身温冷感申告【-(寒い)

15℃

47.3%

18℃

39.1%

22℃

30.5%

26℃

24.0%

30℃

19.0%

室温 湿度

15℃

47.3%

18℃

39.1%

22℃

30.5%

26℃

24.0%

30℃

19.0%

室温 湿度

15℃

47.3%

18℃

39.1%

22℃

30.5%

26℃

24.0%

30℃

19.0%

室温 湿度

13:3014:00 14:30 15:00 15:3016:00 16:3017:00 下腿 大腿 胸部 上腕 足裏 全身 下腿

下腿 大腿大腿 胸部胸部 上腕上腕 足裏足裏 全身全身 -3

-2 -1 0 +1 +2 (暑い) +3 (暖かい) (やや暖かい)

(中立) (やや涼しい)

(涼しい)

全身温冷感申告【-(寒い)

7  部位別平均温冷感変動(実験4)

15 20 25 30

室温【℃】

-3 -2 -1 0 +1 +2 (暑い) +3 (暖かい)

(やや暖かい)

(中立) (やや涼しい)

(涼しい)

全身温冷感申告【-(寒い)

実験1足裏非加熱/ 周壁非加熱 実験2足裏加熱/ 周壁非加熱 実験3足裏非加熱/ 周壁加熱 実験4足裏加熱/ 周壁加熱

15 20 25 30

室温【℃】

-3 -2 -1 0 +1 +2 (暑い) +3 (暖かい)

(やや暖かい)

(中立) (やや涼しい)

(涼しい)

全身温冷感申告【-(寒い)

15 20 25 30

室温【℃】

-3 -2 -1 0 +1 +2 (暑い) +3 (暖かい)

(やや暖かい)

(中立) (やや涼しい)

(涼しい)

全身温冷感申告【-(寒い)

実験1足裏非加熱/ 周壁非加熱 実験2足裏加熱/ 周壁非加熱 実験3足裏非加熱/ 周壁加熱 実験4足裏加熱/ 周壁加熱 実験1足裏非加熱/ 周壁非加熱

実験1足裏非加熱/ 周壁非加熱 実験2実験2足裏加熱足裏加熱/ 周壁非加熱/ 周壁非加熱 実験3足裏非加熱/ 周壁加熱

実験3足裏非加熱/ 周壁加熱 実験4実験4足裏加熱足裏加熱/ 周壁加熱/ 周壁加熱

8  室温と全身温冷感との関係(暖房)

(4)

用していることがわかる。

  表

3

に全身温冷感申告ついて回帰分析を行 った結果を示す。回帰分析の目的変数を全身 温冷感申告とし,説明変数を室温,床面温度,

平均放射温度(MRT)とした回帰結果は

P<0.05

で有意となっている。全身温冷感申告値が室 温,床面温度,MRT に線形近似ができると仮 定した場合の近似式は以下になる。

(全身温冷感)=0.214×(室温)+0.034×

(床面温度)+0.024×(MRT)‒5.298 

しかし,回帰係数の比較ではそれぞれの説明 変数同士の相関性も加味してしまうため,3 つの説明変数の影響度(t)を比較すると,室温 で

12.46,床面温度で7.46,MRT

1.28

とな っており,MRT の影響度は室温の影響度の

1/10,床面温度の影響度は室温の影響度の3/5

となることがわかる。全皮膚面積に対する比

率が

5%も満たない足裏のみしか接していな

い床面温度の影響度としては非常に大きなも のと考える。

6.まとめ

  本報告を以下に要約する。

 

1)冷房時には,全身温冷感は胸部,上腕と

いった体幹部に近い部位の温冷感で代表 される。

 

2)室温と全身温冷感申告の散布から求めら

れる最小

2

乗法

1

次近似直線から冷房時 の温冷感中立温度を算出すると

27.5℃と

なる。

 

3)足裏加熱時の全身温冷感申告値は室温が

高くなるにしたがって,足裏非加熱時に 比して大きくなる。

 

4)室温と全身温冷感申告の散布から求めら

れる最小

2

乗法

1

次近似直線から暖房時 の温冷感中立温度を算出すると足裏加熱

時に約

20.0℃,足裏非加熱時に約 22.0℃

と,暖房時には下肢への温度入力が重要 となる。

 

5)全身温冷感申告ついて回帰分析を行うと

床面温度の影響度は室温の影響度の

3/5

となり,全皮膚面積に対する比率が

5%も

満たない足裏のみしか接していない床面 温度の影響度としては大きな値を示す。

【参考文献】

1)松本泰輔,野田将樹,松井勇,戸建住宅

の吹抜け空間における快適性確保に関す

る実験的研究 〜その

1

住まい手の温冷 感心理に関する検討〜,日本建築学会大 会( 九州) 学術講演梗概集,pp.431-432,

2007

 

2)松本泰輔,松井勇,足裏局所加熱が全身

の血行動態および温冷感に及ぼす影響に 関する実験的研究 -実験室の温湿度設定 にステップ変動与えた場合について-,日 本建築学会環境系論文集

No.621,pp.17-22,

2007

 

3)Taisuke Matsumoto, Isamu Matsui, Measures and Concepts for Creation of Sustainable Housing, Kyusyu University 21st Century COE Program “Architecture of Habitat System for Sustainable Development”, Fukuoka, 2007 (to be published)

 

4)松本泰輔,暖房時の人体生理応答に関す

る実証的研究,日本建築学会大会(関東) 学術講演梗概集,pp.509-510,2006 年

 

5)寺野真明,佐藤康仁,久野覚,足裏加温

が温熱快適性に及ぼす影響とその至適加 熱条件に関する検討,日本建築学会計画 系論文集 No.525,pp.39-44,1999 年

 

6)松井勇,湯浅昇,米久田啓貴,作業性か

らみた高温表面の接触可能時間に関する 研究,日本建築学会構造系論文集 No.524,

pp.29-35,1999

 

7)永村一雄,斎藤平蔵,床暖房と人体生理

および温冷感との関係に関する実験的基 礎 研 究 , 日 本 建 築 学 会 計 画 系 論 文 集

No.353,pp.21-31,1985

ほか 重相関R

0.849

重決定

R2 0.720

補正

R2 0.719

標準誤差

0.830

観測数

1200

回帰統計

※MRT = Tg + 2.37 ×

SQRT(Var) ×(Tg –Ta) Tg:黒球温度 SQRT:平方根 Var:相対風速 Ta:室温

切片 室温 床面温度

MRT

係数

-5.928

0.214 0.034 0.024

標準誤差

0.133 0.017 0.005 0.019

t (影響度) -44.707 12.460 7.485 1.281

P-値 0.000 0.000 0.000 0.200

【備考】実験期間 全期間

実験1 実験2 実験3

2006/6/3〜2006/12/28 2006/6/3〜2006/7/12 2006/7/8〜2006/8/8 2006/11/12〜2006/12/17

実験4

2006/12/3〜2006/12/28

重相関R

0.849

重決定

R2 0.720

補正

R2 0.719

標準誤差

0.830

観測数

1200

回帰統計

※MRT = Tg + 2.37 ×

SQRT(Var) ×(Tg –Ta) Tg:黒球温度 SQRT:平方根 Var:相対風速 Ta:室温

切片 室温 床面温度

MRT

切片 室温 床面温度

MRT

係数

-5.928

0.214 0.034 0.024

係数

-5.928

0.214 0.034 0.024

標準誤差

0.133 0.017 0.005 0.019

標準誤差

0.133 0.017 0.005 0.019

t (影響度) -44.707 12.460 7.485 1.281 t (影響度) -44.707 12.460 7.485 1.281

P-値 0.000 0.000 0.000 0.200 P-値 0.000 0.000 0.000 0.200

【備考】実験期間 全期間

実験1 実験2 実験3

2006/6/3〜2006/12/28 2006/6/3〜2006/7/12 2006/7/8〜2006/8/8 2006/11/12〜2006/12/17

実験4

2006/12/3〜2006/12/28

3  全身温冷感についての回帰統計結果

図 1  温湿度条件および実験手順

参照

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