口本小児循環器学会雑誌 12巻6号 787〜788頁(1996年)
〈研究会抄録〉
第10回長野小児循環器談話会
時 所 人 話
日場世
1996年10月19口長野県立こども病院2階会議室 今井 寿郎(北信総合病院小児科)
1.学校検診で発見され,治療中に心室頻拍発作を 起こした不整脈源性右室異形成
信州大学第1内科
磯部 光章,岡田 光代,木下 修 今村 浩,関口 守衛
症例は16歳男.高校の学校検診で心電図異常を指摘 された.心室性不整脈に対して内服治療を受けていた が,本年5月自転車で下校途中,心室頻拍で意識消失 し,直流通電を受け回復した.心電図はARVDに特有 な変化を示し,遅延電位陽性,右室の拡張と壁運動低 下等を認め,ARVDと診断された.電気生理学的検査 の後,右室流出路の2カ所にカテーテル焼灼術を行っ た.インデラールの内服を行い,学校生活に復してい
る.
2.慢性骨髄性白血病の治療中にTorsades de
Pointesをきたした1例信州大学小児科
片桐麻由美,牛久保誠一,竹岡 正徳 依田 達也,松岡 高史,小池 健一 小宮山 淳
14歳,女児.95年5月,CMLと診断され治療が開始 された.同年9/5,肺水腫のためDOA 5γが開始され た.9/6,失神発作出現,心電図上,著明なQT延長
(QTc=0.72)と頻発するTorsades de Pointes(TdP)
が認められた.マグネゾールの持続点滴静注とDOA 減量によりTdPは消失した.9/12にはQTc=O.40と 戻った.QT延長の家族歴はなく,低K血症,低Mg血 症とDOA投与により,QT延長, TdPが誘発されたと 考えられた.この治療にマグネゾールは著効した.
3.先天性僧帽弁閉鎖不全症の術後12年を経過した 1女性例
国立療養所中信松本病院小児科
天野 芳郎,宮林 麻里,原 洋治 山崎 宗廣,塚田 昌滋
症例は19歳女性.昭和58年(6歳)から,多呼吸,
労作時呼吸困難,著しい運動機能低下が出現し,心雑
音,心拡大,肝腫大がみられ,重度僧帽弁閉鎖不全症,
肺高血圧,心不全と診断された.安静,薬物治療で軽 快せず,同年僧帽弁縫縮術を受けた.心不全症状は一 旦軽快したものの再び悪化したため,昭和59年(7歳 時)にSJM#29を用いて僧帽弁置換術を東京女子医大 で施行された.以後,warfarinの内服治療を行い,重 大な合併症はない.術後の長期的な問題点につき検討
したい.
4.外科的には無治療で19歳を迎えたEbstein s anomaly(単純型)の1例
長野県立木曽病院小児科
関口 幸男,井上 賢治 症例は19歳男性.乳幼児期の発達は正常で,3歳児 健診にて軽度心雑音を指摘された.4歳時,右心不全 よりEbstein s anomaly(単糸屯型)と診断された.当初 内科的治療にて手術時期待機とされたが,6歳の時点 で左室低形成傾向のため手術困難であると判断され た.10歳頃から心房細動となった.家人の手術希望が 無いまま現在内科的治療のみで経過観察している.治 療法の選択について再検討したい.
5.簡易型人工心肺(PCPS)により救命された劇症 型心筋炎の1女児例
山梨医科大学小児科
駒井 孝行,矢内 淳,杉山 央
丹哲士,小寺浩司,角野敏恵
同 第2外科吉井 新平,保坂 茂,鈴木 章司 急性ウイルス性心筋炎の8歳女児.当科入院時,心
エコーでLVEF=15%と左室壁運動は極めて不良で あった.劇症型の経過をとり,入院数時間後に心室頻 拍から心停止となった.心臓マッサージを行いながら 大腿動静脈にカニュレーションし,PCPSを行った.約 48時間PCPSを施行,自己心拍の回復を認めたため離 脱,合併症を残すことなく救命することができた.小 児の劇症型心筋炎に対してPCPSが著効した症例で
ある.
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788 (50)
特別講演
先天性心疾患術後の運動能を規定する因子
日/」\Z盾言志 12 (6), 1996
福岡市立こども病院循環器内科
砂川 博史
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