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ク ロ ー ル プ ロ マ ジ ン に よ る 急 性 中 毒 症 の 一 例

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Academic year: 2022

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(1)515.. 786.. 099. ク ロ ール プ ロ マ ジ ン に よ る急 性 中 毒 症 の 一 例 岡山大学医学部 神経精神医学教室(主 任:奥 村教授) 今. 井. 昭. 正. 新 居 浜 精 神 病 院 松. 井. 博. 〔 昭和33年10月16日. 脳 脊髄 液,水. クロー ル プ ロ マ ジン は フ ラ ンス のRhone‑Poulan ce, SpeciaでPhenothiazine系. 受稿〕. 抗 ヒ ス タ ミン剤の. 一 連 の研 究 の 結果 発 見 され た神 経 系 に対 し特異 の 作 用を もつ た化合 物 で 最 近 精 神 科領 域 の み な らず 広 く. 様 透 明,液 圧 は 初 圧220mm‑10cc. 採 取‑終 圧130mm水. 柱(臥 位)細 胞 数5/3,グ. ロ. ブ リン反応 には特 別 な所 見 はみ られ な かつ た. (治 療 ・経 過). 直 ちに 胃洗 滌 及 び 院 腸 等 の 処 置. 臨 床面 に使 用 され 臨床 的 効 果 と共 に副 作 用,毒 性 等. を行 う と共 に表 の 如 き 治療 を実 施 した.. につ い て も種 々報 告 さ れて い る と ころで あ るが,我. 前9時 頃 意 識 の恢 復 が み られ るに至 り,爾 後 約3病. 々 は偶 々 自殺 の 目的で クロー ル プ ロマ ジ ンの大 量 を. 日に して 殆 ん ど正 常 状 態 に復 した もの で あ る.. 7月24日 午. 服 用 し幸 い に恢 復 し得 た一 症 例 を 経 験 したの で 報 告 〔表〕 治 療 及 び 経 過. す る. 症 (患 者). 18才,男. 和31年4月7日. 例 子,精 神 分 裂 病 の診 断 にて 昭. 以来 入 院 加療 中の もの で独 語,空 笑,. 関 係妄 想,被 害 妄 想,作 為体 験 等 の 諸 症 状 を呈 し時 に 自殺 念 慮 に悩 ま され て い た.体 格 は無 力 細 長型 な るも身 体 的疾 患 は全 く認 め られ な かつ た.入 院 当 初 クロ ールプ ロマ ジ ン療 法(1日200mg投. 与)を 約. 1ヶ 月 間 に亘 つ て 行 い,前 述 の 症 状 は か な り改 善 さ れてい た様 で あ つ た.昭 和31年7月24日. 午 前7時 に. いた り前 夜 即 ち7月23日 午 後8時 頃 ク ロー ル プ ロ マ ジ ン(ウ イ ン タ ミン50m9×35錠)1750mgを. 服. 用せ る事 が判 明 した. (現症). 全 く昏睡 状態 を呈 す る.顔 面 蒼 白 に し. て脈 搏頻 数 稍 々微 弱 な る も結滞 脈 はみ られ な かつ た. 瞳孔 は縮 少 し対 光 反 応 は 左 右共 遅 鈍 で あつ た.呼 吸 数1分 間12,呼 吸 困 難 は な い.眼 瞼 結 膜 梢 々充 血 し. 尚経 過 中 にみ られ た 主 な る点 を 述 べ れ ば 次 の様 で. 咽 頭,鼻 粘 膜 の 発赤 が著 明 で あつ た.胸 部 理 学 的 所. あ つ た.. 見 に著 変 はみ られ な かつ た.腹 壁 反 射 は 消 失せ る も. 1). 心 ・血管 系3脈 搏 の頻 数及 び緊 張 の 低 下 で あ. 膝 蓋腱 反射, Achilles腱 反射 は両 側 共 む しろ活 溌 で. つ たが 強 心 剤投 与 に よ りか な り急速 に恢 復 した.最. 項部 強直, Kernig氏. も著 明で あつ た の は 血圧 の下 降,就 中 最低 血圧 の低. 症 候,病. な かつ た.血 圧104〜10mmHg.赤 色素 量80%(Sahli)色. 的 反 射 は全 くみ られ 血球 数460万 血. 素 係 数0.8,白. 血球 数9100,. 尿,黄 褐 色透 明,尿 蛋 白及 び 糖 反 応 陰 性,ウ ノー ゲ ン〓,ビ. ロビリ. リル ビンの 存 在 は 証 明 出来 な かつ た.. 下 で あ つ た. 2). 消 化器 系 ・便 秘 と絶 え 溶 た き口渇 感 が著 明 で. あつ て 悪 心 ・嘔 吐 ・下 痢 は全 くみ られ な かつ た.食 事 は1病. 日の タ 食 よ り約1/3量 を摂 取,以. 後 の摂食.

(2) 320. 今. 井. 昭. 正 ・松. 状 態 は 良 好 で あ つ た. 3). 博. 約12時 間 に亘 り昏 睡 状 態 を 呈 し たが 意 識恢 復時 に他. 呼 吸 困 難 は 認 め られ なか つ た が 表. の 眠 剤 中毒 症 にみ られ る様 な 不 安,興 奮,譫 妄 状態. に示 され る如 く一 般 に 呼 吸 数 の抑 制傾 向 が 認 め られ. が 全 く認 め られ な かつ た④ 体 温 の 上昇 ⑤ 軽 度の 多尿. た.. 傾 向 ⑥ 出 血傾 向 等 で あつ た.之 等 個 々の症 状 は昏睡. 4). 呼吸器 系. 井. 中 枢 系:約12時. 間 に亘 つ て 昏 睡 状 態 を 呈 した. もの と考 え られ るが 意 識 恢復 時 に お け る不 安,亢 奮, 譫 妄 状 態 は全 くみ られ な かっ た.然 し覚 醒 後 とい え ど も軽 度 の 傾 眠 傾 向 が 数時 間 に亘 つ て 認 め られ た. 又 意 識 恢 復 後 に軽度 の筋 強 剛,四 肢振 顫 等 所 謂 パ ー キ ン ソ ニ ス ム スの 症 候 が み られ た. 5). 発 熱:身 体 的 併 発 症 もみ と め られ な い に も拘. らず 発 熱 を 数 日に亘 つ て 認 め,第1病. 日 には38℃. に達 す る体 温 の 上昇 がみ られ た, 6). 尿 通:排 尿 回 数 は 日に5〜6回. で あ り頻 尿 は. み られ な い が1日 の 尿 量 は約2200ccで. 若 干の 多尿. 皮 膚 反 応 及 び肝 障 碍.発 汗,発 疹,浮 腫 は全. く認 め られ な か つ た,肝 腫 脹,胆 汁 成 分 の 証明,黄 疸 の 発 現 もみ られず 尿 中 ウ ロ ビ リノー ゲ ンの 強 陽 性. 出血 傾 向. 作 用 と考 え られ るべ き もの で あ るが その 程度 が異常 に強 く而 も一時 的 に 出現 した 点 が大 い に異 るもので あろ う.本 症 例 の 如 き ク ロー ル プ ロ マ ジ ンを一 時的 に過 量服 用 した報 告 は 極 め て 少 くHopkin4)は の 目的 で1750mgを. 咽 頭 及 び鼻 粘 膜 の 発 赤,充 血 著 明. 自殺. 服 用 し3日 後 に 恢 復 した例 を. 報告 し, Winkelman5)は750mgを. 服 用せ るも無事. 恢 復 した例 を 記 載 し, Sacks6)は2500mgを. 服用,. 7日 目に肺 炎 を 併 発 死 亡せ る例 を 報告,又 金 沢7)も 服 用10日 目に 同様 肺 炎 を 併 発 し死 亡せ る. 例 を 報告 して い るの を み るに 過 ぎな い. Viaud8)に よ れ ば ク ロー ルプ ロマ ジ ンのLD50は の場 合50〜60mg/kg経. マ ウ スで 静注. 口 投 与 で は75mg/kgで. あ ると いわ れ て い るが本 例 の 場合,偶. の み に と どまつ た. 8). 工 藤3)の 報 告 や 日常 我 々が 治療 に当 つ てみ られ る副. 2500mgを. 傾 向 を思 わ しめ た. 7). 状 態 を 除 いて は 有 毒 作 用 と い うよ りは む しろ松岡2),. 々Hopkinの. 症 例 と一 致 せ る事 は極 め て興 味 深 く前 述 の各 報告 と 考 え あわ せ クロ ー ルプ ロマ ジ ン1750mg〜2500mg. に して 一 過 性 の 鼻 出 血 を 認 め た.. が生 体 に お け る一 応 の限 界量 を示 唆す る もの ではな 考. い か と想 定 され る.勿 論服 用 量の み がす べて を決定. 按. 1953年Courvoisier1)等. が 行 つ た 動 物実 験 で は ク. ロ ー ルプ ロ マ ジ ンは比 較 的毒 性 の 少 い もの で あ ると. づ け る もの で は な く身 体 的 素 因 と相 俟つ事 は申す迄 もな いで あ ろ う.. され て い た が,そ の 後 臨 床 例 を 重 ね る と 共 に 種 々. 結. 論. の 合 併 症 が 報 告 され るに 至 つ て い る.合 併 症 は 一 応 副 作用 と有 毒 作 用 に分 け て考 え る事 が 出来 る.副 作 用 は 中枢 神 経 系 に対 す る ク ロー ル プ ロマ ジ ン本 来 の 薬 理 作用 に よ る もの で あ り治療 に 当つ て 必 然 的 に認. 18才,男. 子.精 神 分裂 病 の 患 者 で 自殺 の 目的を以. て ク ロール プ ロマ ジ ン1750mgを. 一時 的 に 服 用 し. 無事 恢 復 し得 た 一例 につ いて 報告 した.. め られ る性 質 の もの で あ り,一 方 有 毒 作 用 は稀 に発 現 す るか,或 は 大 量投 与 の際 に限 っ て 認 め られ る症 状 で あ ろ と考 え て よ いの で は あ る ま いか.今 回我 々. 擱 筆 す るに 当 り御 校 閲 を 賜 つた 奥 村二吉 教授に深. の 経 験 した症 例 に お いて 特 に注 意 す べ き点 は① 血 圧. 甚 な る謝 意 を 表 し ます,尚 本 論 文 の 要 旨は第10回 中,. の 低 下,特. 四 国 精 神 神 経 学 会 に お い て 口演 した.. に最 低 血 圧 の低 下 ② 呼 吸 数 の 抑 制 傾 向③. 文 1) Courvoisier, codym. 2) . 3). 松 岡:最 工 藤. 4) Hopkin,. 92,. S. et al. 305,. 新 医 学, 診 療,. Arch.. int.. Pharma. 1953.. D. A. B.:. 9,. 1955. 5) Winkelman,. Vol.. Vol.. 献. 11, No.. Brit.. 1,. No.. 2,. 6) Sacks,. 1956. 1956,. Med.. 7). J.. i,. 166,. 金 沢:日. 8) Viaud:. N.:. N. Z.:. J. A. M. A.. Lancet,. 本 医 事 新 報,. J.. Pharmacol.. 155,. ii, 985, No.. 1781,. 6, 361,. 18, 1954.. 1957. 53,. 1958.. 1954,.

(3) ク ロ ー ル プ ロ マ ジ ン に よ る急 性 中 毒 症 の 一 例. A Case. Report. of Acute. Intoxication. by. 321. Chlorpromazine. By Akimasa IMAI and Hiroshi. MATSUI. Department of Neuro-Psychiatry Okayama University Medical School (Director: Prof. Nikichi Okumura) Ni-ihama Sanatorium for Mental Diseases Ni-ihama City, Ehime Prefecture Recently chlorpromazine is being widely used in clinics and the literature on its side effect is quite abundant, but the report on the acute intoxication caused by this drug is extremely rare. In the present paper we have made a case report on an acute intoxication encountered with a schizophrenic patient who took 1,750mg of chlorpromazine in an attempt to commit suicide, but was cured about three days later. Rare experiences we had with this case have been discussed..

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参照