氏
生年月日 本籍(国籍) 学位の種類
学位記番号 学位授与の条件 け専士の学位)
文題目
学位論文審査結果の報告書
岡元寿樹
名
昭和認年8月 大阪府
博士(医学 医第 1287号
学位規程第5条該当
Risk taC加rs for postoperative bleeding in endoscopic
Submucosal dissection of c010redal tumors15日
(大腸 ESD 後出血りスク因子の検討)
学位論文受理日 学位論文審査終了日
審査委
2018年 2019年
(主査)
(副主査)
(副主査)
Ⅱ月 1月
15日 31日
奥野清隆 伊木雅之 佐藤隆夫
畿業圃
論 員
佃的】
大腸ポリープ切除を内視鏡下で切除することにより、大腸癌関連死の危険性を下げることができるよう になってきた。日本では20mm を超えるような大きな大腸ポリープに対して、内視鏡下粘膜切除術(ESD) が施行されるようになった。病変を一括切除できるため、分割切除より再発率も低く、診断能力もあがっ た。 ESDの重篤で主要な合併症として後出血がある。しかしながら、危険因子は十分には明らかとなっ てぃないため、大腸ESD施行時の後出血りスク因子について検討することとした。
【方法】
2010年4月から 2017年2月までに大腸ESD を受けた患者451症例509病変において、大腸ESD施行 後出血(後出血)病変の特徴を retrospective に検討した。また、ヘパリン置換による後出血力吐曽加する
との報告も多く、ヘパリン置換による影響も検討した。
【結果】
年齢や性別、抗血栓薬内服の有無、血小板数、凝固能、腎不全、腫傷径、肉眼形態、局在部位の検討を 行った。後出血は14症例に認め、そのうち7症例はESD施行前に抗血栓薬を内服し、8症例は直腸病変 であった。検討項目のうち、有意差を認めたものは抗血栓薬内服と肉眼形態(LSTC)、直腸病変であっ た。そして、多変量解析を行い、抗血栓薬内服と直腸病変は後出血のりスク因子であることが判明した。
抗血栓薬内服症例48症例52病変のうち、ヘパリン置換は8症例9病変に認めた。ヘパリン置換群と非ヘ パリン置換群にて後出血のりスク因子について検討した。年齢や抗血栓薬内服の種類、腫傷径、肉眼形 態、局在音酎立では有意差を認めなかった。ヘパリン置換群は2症例、非へパリン置換群では5症例に後出 血を認めた。ヘパリン置換により後出血を来しゃすい傾向は認めたが、単変量解析では、ヘパリン置換は 後出血のりスク因子にならなかった。後出血を認めた抗血栓薬内服症例7症例のうち4症例(57.1%)は、
直腸に局在する病変であった。
【考察】
直腸病変が大腸ESD後出血の危険因子であると報告したが、右半結腸がポリペクトミー後出血の危険 因子である報告した論文も存在する。原因は明らかではないが、直腸病変をESDする際に後出血が多い ことは、直腸には血管が多くためであると考えられる。抗血栓薬内服と直腸病変が、後出血の単独危険因 子であるため、抗血栓薬内服者で直腸病変をESDする際には術前に後出血のりスクについて患者ヘ説明 する必要があると考える。後出血のりスク因子としてのへパリン置換については、非へパリン置換群とは 有意差を認めなかった。厳密なAPTTの値や抗凝固薬過凝固や休薬のタイミングなどが影響していると 考えられる。単施設後ろ向きの検討では限界があり、多施設で前向き試験の結果が待たれる。
【結ヨ訂
大腸ESDにおいて、抗血栓薬内服と直腸病変は、大腸ESD後出血における単独危険因子である。
論文内容
の要
旨
2017年12月20日 online掲載 (D01: https://doi.org/10.1159/000481228)
ノ\ 表 年 月 日 出版物の種類及び名称
博士学位論文
博士論文の印刷公表
1)論文内容の要旨
大腸ポリープを内視鏡下で切除することにより、大腸癌関連死の危険性を凡ナることができるよう【月的】
になってきた。日本では20脚を超えるような大きな大腸ポリープに対して、内視鏡F粘膜切除術 促SD)が施行されるようになった。病変を一括切除できるため、分割切除より再発率も低く、病理 学的な診断能力もあがった。ESDの重篤で主要な合併症として後出血がある。しかしながら、危険
因子は十分には明らかとなっていないため、大腸ESD施行時の後出愈りスク因子について検討する
こととした。
2010年4月から2017作2月までに大腸ESDを受けた患者451症例509病変において、大腸ESD施行後出血【方法1
(後出血)病変の特徴をretrospectiveに検討した。また、ヘノやjン置換により後出血が増加すると の帳告も多く、ヘパリン置換による影響も検討した。
作齢や性別、抗血栓薬内服の有無、血小板数、凝固能、腎不全、腫傷径、肉眼形態、局在部位の検【結果】
討を行った。後出血は14症例に認め、そのうち7症例はESD施行前に抗血栓薬を内服し、8症例は直 腸病変であった。検討項目のうち、有意差を認めたものは抗血栓薬内服と肉眼形態化ST‑G)、直腸 病変であった。そして、多変量解析を行い、抗血栓薬内服と漉腸病変は後出血のり,スク因子である
ことが判明した。抗血栓薬内服症例48症例認病変のうち、ヘバリン置換は8症伊19病変に認めた。ヘ パリン置換群と非へパリン置換群にて後州血のりスク因子にっいて検討した。年齢や抗血栓薬内服
の種類、腫癌径、肉眼形態、局在部位では有意差を認めなかった。ヘパリン置換群は2症例、非ヘ バリン置換群では5症例に後細血を認めた。ヘパリン置換により後出血を来しやすい傾向は認めた が、単変量解析では、ヘパリン置換は後出血のりスク因子にならなかった。後出血を認めた抗血栓 薬内服症例7症例のうち4症例(郭.1%)は、直腸に局在する病変であった。
【考察】
直腸病変が大腸ESD後出血の危険因子であると報告したが、右半結腸がポリペクトミー後出血の危 険丙子であると報告した論文も存在する。原因は明らかではないが、直腸病変をESDする際に後出 血が多いことは、直腸には血管が多いためであると考えられる。抗血栓薬内服と直腸病変が、後出 血の単独危険丙子であるため、抗血栓薬内服者で直腸病変をESDする際には袮荊桝こ後出愈のりスク にっいて患者ヘ説明する必要があると考える。後出血のりスク囚fとしてのへパリン置換について は、非へバリン置換群とは有意差を認めなかった。厳密なAPTTの値や抗凝固薬の効果残存、休薬の タイミングなどが影響していると老えられ,る。単施設後ろ向きの検討では限界があり、多施設での 前向き試験の結果が待たれる。
大腸ESⅨこおいて、抗愈栓薬内服と直腸病変は、大腸ESD後出血における単独危険因子である。酪吉論】
2)審査結果の要旨
本論文に対する最終試験は平成30年松打27口午後邪寺から第編蒜義室で開催された。
まず岡元寿樹氏が、実臨床において大腸ポリープ、早期癌に対する内視鏡的摘除は低侵襲で、尚齢 者に対しても容易に行える利点がある反面、術後出血や大腸穿孔という偶発症があることを説明
し、本研究を行うに至った背景、対象と方法、結果と穹察を口頭で発表した。それ,に対して上査で ある奥野清降、副上査である佐藤降夫、伊木雅之両教授がいくつかの疑問点を質した。
まず佐藤教授からはへパリンブリッジが論文では別R, ESDの術後出血に関係ないとされたが、それ ならへパリンブ】.山ソジを行うメリットは何か、また直腸病変に袮竹妾出血の関連が示されたが解剖学 的特徴があるのか、本諭文での14例(全体の3%)という発生率は他施設と比較してどぅなのか、な どの質問がなされた。伊木教授からは、スタディデザインに関して、この症例数は検討期間中の全 例を網羅できていたのか、漏れによるバイアスはなかったのか、令体で450例という設定根拠は何
か、が問われた。
奥野からは術後出血は直腸病変が多いというが、上部直腸、下部直腸、前壁側、後壁側による詳細 な検討は行わなかったのか、患者の体型、恥狂などを検討項目に人れなかった理由は何か、を問う
、^ 0
」ヨ' の ヒ孟'
払︑ J1
これらの質問に対して著者は、直腸病変には血管が多いため後出血が多くなると考えるが、出血が 動脈性か、静脈性か、などの詳細な解析はなされなかったこと、発生率は3%と他施設より優れてい
@(一般には8%)が、かえって少数のため検出効率が低くなったこと、ヘパリンブリッジはガイド ライン上必須であることの回答が得られた。さらに今回は後ろ向き、単'施設による少数例の検討 なので、今後は前向き、多施設共同試験を実施して術後出血に係わるりスク因子を明らかにしたい という応答が得られた。・・連の質疑から薯者は大腸内視鏡乎技に習熟し、本臨床試験の中心的役割 を果たして術後醐血の頻度を低減化したかったという熱意が感じられた。したがって主査・副主査 は合議の̲に、提a,1された学位論文が確かに岡元寿樹氏の研究成果であること、学位授与にふさわし い内視鏡手技、技量に勿.1え、充分な内科的知識を併せ持つものと判断し、最終試験を合格と判定し
、‑ 0
3)最終試験の結果 合格
4)学位授ぢ・の可否 可