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團圃圏 囲團

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Academic year: 2021

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(1)

2型糖尿病患者における行動変容ステージを用いた栄養食事指導の検討

渡辺亜佑美1),中川 幸恵1),金住 美希1),小野寺奈緒1)

    増田  創2),松岡 伸一3),秦  温信3)

1)札幌社会保険総合病院 2)札幌社会保険総合病院 3)札幌社会保険総合病院

栄養部 内科・糖尿病

要旨:糖尿病患者の栄養食事指導時は、生活習慣や行動変容ステージを把握した上で患者自らが実行 可能な行動目標を立てることを支援する必要があるといわれている。そこで今回我々は2型糖尿病患 者に対し、行動変容ステージが網羅された「糖尿病食事指導マニュアル」を用い、統一した方法での 栄養食事指導を継続して行った。その結果、栄養食事指導6ヶ月後では、行動変容ステージの上昇し た患者は、明らかに糖尿病治療上での有意な改善が見られた。行動変容ステージを把握しながら、問 題点や課題の解決が行える、統一された指導方法を用いることは、糖尿病の治療上有効であること

が示唆された。

キーワード:2型糖尿病患者、行動変容ステージ、糖尿病食事指導マニュアル

         はじめに

 糖尿病患者教育の主眼は、患者自身が糖尿病を理 解し、進んで血糖コントロールの目標を達成する意 欲を持つようになることである。現在、糖尿病の治 療の基本は、良好な血糖コントロールを保つために 食事療法、薬物療法、運動療法を3本柱として進め ている1)。そのため、糖尿病患者の栄養食事指導時 は、生活習慣や行動変容ステージを把握した上で、

患者自らが実行可能な行動目標を立てることを支援 する必要があるといわれている2)。

 行動変容ステージモデルでは、人の行動が変わっ て維持されるようになるには5つの変化ステージを 通り、対象者がどのステージにいるかによって働き かけの方法を変えるとよいといわれており、対象者 が現ステージから次のステージへ行動変容を起こす には1カ月から6ヵ月の期間がかかるとされている3)。

 当院栄養部の糖尿病内科外来通院の患者に対する 栄養食事指導は、指導時の患者との対話や臨床検査 値等その都度指標から患者の問題点や現状を把握

し、指導する方法であり、マニュアルは使用してい

ない。

         目  的

 2型糖尿病患者に対し、行動変容ステージを把握 した上で、科学的根拠に基づき作成された糖尿病患 者教育プログラムである「糖尿病食事指導マニュア ル(以下;マニュアル)」4)を用いた継続的な栄養食事 指導を行い、指導前とその6ヵ月後の食習慣の変化 を比較し、マニュアルを用いた栄養食事指導の有効 性について検討する。

         対  象

 当院糖尿病内科外来にて継続的に栄養食事指導を 行っている2型糖尿病全患者のうち、今回の研究に 同意を得られた106名(男性50名、女性56名、平 均年齢60.4±11.2歳)を対象とした。

         方  法

 対象患者に、マニュアルの指導手順(表1)に沿っ た栄養食事指導介入(以下;介入)を2008年1月か ら開始し、その6ヶ月後の期間とした。マニュアル による栄養食事指導は、指導初回時や指導効果の評 価時に、毎回同様の問診票(表2)を用いて、対象

一29一 札幌社会保険総合病院医誌第19巻第1号 2010

(2)

2型糖尿病患者における行動変容ステージを用いた栄養食事指導の検討

患者の現状の食生活と食習慣の問題点を調査・判定 することが特徴である。初回の介入時に、質問票に よる行動変容ステージの判定を合わせて行った。ま た、対象患者の介入前後のHbAlc値、 BMI、運動 量の評価指標となる身体活動レベル(physical

activity leve1;以下PAL)5)、食事療法の評価指標と なる理想体重当りの摂取エネルギー量・間食摂取習 慣とアルコール摂取習慣の有無6)について調査し

た。

表1 マニュアルの指導手順

問題点を抽出する問診票による   食生活・習慣調査

2.不良群と良好群をさらに、介入前後の行動変容 ステージ変化別に、介入後に変化ステージが1段 階以上上昇した者(以下:上昇者)、介入前後で変 化ステージが変わらない者(以下;不変者)、介入 後に変化ステージが1段階以上下降した者(以下;

L下降者)に分類し、3群に対し、方法1と同様の  介入前後の変化の比較を行った。

質問票(点数制)による 行動変容ステージの判定

対象患者の問題点や課題の抽出 6か月後のゴール(目標)を設定

・購1鑑たく1叢論欝羅。__,

指導内容の確認と評価  ゴール(目標)達成

〜参考文献日本栄養士会=病栄協のしおり一糖尿病栄養食事指導マニュアルー, 2eo8〜

         結  果

1.不良群において、介入後、HbA!c値は7.7±0。9

%から7.4±0.9%、BMは25.5±3.9㎏/㎡から25.4

±3.6kg/㎡、理想体重当りの摂取エネルギー量 は30.5±5.5kcal/kgから28.7±6。8kca1/kgと有 意に低下し、PALは1.5±0.3から1.6±0.3と有 意に上昇した(表3)。

表2 問診表

〜参考文献日本栄養士会:病栄協のしおり一糖尿病栄養食事指導マニュアルー,2008〜

1.対象患者を介入開始時のHbAlc値が6.5%以上 の血糖コントロール不良群(以下;不良群)と HbAlc値が6.5%未満の血糖コントロール良好群  (以下;良好群)に分類し、2群に対して介入前後

の調査項目における変化を比較した。

表3 血糖コントロールの分類における介入前後の比較

不良群(n=7◎ 良好群(n=3⑤

介入前 介入後 介入前 介入後

HbAlc値(%〉 7,7±0.9     *V.4±0.9 62±0,5 6.1±0,4

BMI(kg痛) 25.5±3.9      *Q5.4±3.6 25.3±3.0 25.1±3.2

身体活動

激xル(PAL> 1.5±0.8

    **

P.6±0.3 1.5±0.3 1.6±0.2*

理想体重当りの ロ取エネルギー量

@ (kcal/kg)

30.5±5.5     **Q8.7±6.8 29,8±6.6 28.7±8.1

*PくO.05、  **PくO.O1

2.HbAlc値は、不良群の上昇者において、介入後、

8.0±1.1%から7.1±0.8%と有意に低下した。ま た良好群の上昇者においても、6.3±0.4%から  6.1士O.3%と有意に低下した(図1)。

p〈o.os

不良群(n=70)

e・・

Y「㌔凸

1,1±O.S

良好群(n=36)

lii l p〈oms

i:i謀「

i:i 6・1土。・3

i.1 .丘直正L n.s

  ね を ま  が   ぽ  お   な    お   ぽ  カ    

團圃圏 囲團

     図1 介入前後のHbAlc値

お   な

札幌社会保険総含病院医誌第19巻第1号 2010 一30一

(3)

2型糖尿病患者における行動変容ステージを用いた栄養食事指導の検討

 BM[は、不良群の上昇者において、介入後、26.6±

4,4kg/niから26.2±4,1kg/㎡と有意に低下した。

また良好群の上昇者においても、24.2±2.7kg/㎡

から23.9±2.8kg/㎡と有意に低下した(図2)。

 間食摂取習慣とアルコール摂取習慣の有無につい ては、介入前に摂取習慣が有り、介入後に摂取習慣 が無くなった対象患者の割合を調査・比較をしたが、

群による傾向はみられなかった。

   不良群(n=70)         良好群(n=36)

   くサ う

雛[コ    磨  .㌦

  ス   スた ホ   ぽ   お   な    め   な   ゆ   な   が   な

團[翻[團 團「翻歴到

       図2 介入前後のBM

 PALは、良好群の上昇者において、介入後、1。5±

0.3から1.7±0.3と有意に上昇し、不良群の上昇者 においては上昇傾向がみられた(図3)。

不良群(n;70)

ii陥

  スカ スな

「  「コ

良好群(n=36)

お   な  が   ぽ    が   ぽ    

團[翻

図3 介入前後の身体活動レベル(PAL)

   く  

lii∴凸

一135       ぽ   げ    

  團[湖[璽]

         考  察

 行動変容ステージの上昇者は、介入後、HbAlc 値とBMIの有意な低下、 PALの上昇傾向と摂取エ ネルギー量の低下傾向にあったことから、糖尿病治 療上での改善がみられたと考える。特に血糖コント ロールの不良群においては、介入前後の比較におい て糖尿病治療上での改善が伺え、今回のマニュアル を用いた栄養食事指導の効果が大きかったと思われ る。以上のことから、行動変容ステージや対象患者 の食生活と食習慣における問題点の抽出と評価がで きる問診票を用いることは、食事・運動療法に対す る自己コントロールが実行できるように対象患者 を導くための有効な方法であると思われた。

 間食とアルコールの摂取習慣は個々のばらつきが 多かったことから、嗜好品の摂取習慣を短期間で改 善させることは難しいと考えられた。

         結  語

 行動変容ステージや対象者の問題点、課題を把握 した上での栄養食事指導を定期的に行うことは効果 的であった。また、今回のマニュアルを用いた栄養 食事指導は、糖尿病治療を行う上で有効であること が示唆された。

 理想体重当たりの摂取エネルギー量は、不良群の 上昇者において、介入後、31.0±6.Okcal/kgから 28.0±7.1kcal/kgと有意に低下し、良好群の上昇 者においては低下傾向がみられた(図4)。

不良群(n=70)

   くむコロ 

網一

ii[脚□

  スげ   な  な   ぽ

  図4

團團

良好群(n=36)

  (窒1/kA〕 .5

凸i⊥紅

げ   な    が   を   カ   な   げ   ぽ

歴劃 [黒崎]圏

介入前後の理想体重当たりの摂取エネルギー量

         参考文献

1)日本糖尿病学会:糖尿病治療ガイド、第1版、文  光堂、東京、2008、33

2)河原利夫、田原千賀子、ほか:未治療2型糖尿病  患者の治療法の予測因子.糖尿病50(9)、685、

 2007

3)松本千明:健康行動理論実践編、医歯薬出版、東  京、4−5、2002

4)日本栄養士会全国病院栄養士協議会:病栄協のし  おり一糖尿病食事指導マニュアルー、初版、社  団法人日本栄養士会全国栄養士協議会、東京、

 3, 2008

5)厚生労働省:日本人の食事摂取基準2005年度版、

 初版、第一出版株式会社、東京、30−31、2005

一31一 札1幌社会保険総合病院医誌第19巻第1号 2010

(4)

2型糖尿病患者における行動変容ステージを用いた栄養食事指導の検討

Examination of The Nutrition Meal Guidance That Used

    The Habits and Stages of Behavior Modification to

       Type2 Diabetic Patients

Ayumi WATANABEi), Yukie NAKAGAWAi), Miki KANAZUMIi),

Nao ONODERAi), Hazime MASUDA2), Shinichi MATSUOKA3)

      Yoshinobu HATA3)

1)

2)

3)

Department of nutrition, Sapporo Social lnsurance General Hospital Department of Medicine, Diabetic lnternal Secretion, Sapporo Social Insurance General Hospital

Sapporo Social lnsurance General Hospital

 In the nourishment meal guidance for diabetic patients, it may be important to support them making their goals that are feasible, considering their life habits and stages of behavior modification. ln this study, we performed nourishment meal guidances to type 2 diabetic patients by the unifying method based on   The Manual of Nourishment Meal Guidance for Diabetes Mellitus  which covered the stages of behavior modification. After 6 months,

meaningful improvements in the diabetes treatment were observed in patients whose stages were improved. We concluded that nourishment meal guidance considering the stages of behavior modification was thought to be an effective method

札幌社会保険総合病院医誌第19巻第1号 2010 一32一

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