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(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

B2型規則合金の規則化過程に関する速度論的研究

田原, 良信

https://doi.org/10.11501/3130968

出版情報:Kyushu University, 1997, 博士(工学), 論文博士 バージョン:

権利関係:

(2)
(3)

B 2型規則合金の規則化過程 に 関す る 速度論的研究

田 原 良 信

(4)

目 次

第1章 緒論

1.1 本研究の背景

1.2 本研究の目的 ・ 構成

第2章 B2理規則合金の -般的速度虫、

2.1

緒言

2.2

一般的速度式の導出

2.3

等温規則化過程への適用

2.4

昇温則化過程へ適用

2.5

他の速度式との対応

(1) Takagi-Oguchiの式との対応

(2)

V

i n、εyardの式との対応

2.6

小J士口 E

第3章 試料と実験庁法

3.1 試料と熱処理 3.2

測定法

第4章 FeCo合金の等温規則化過程 4.1 緒言

4.2

実験結果

1 1 2

16 1

7

1 9 22 23 24 29 34

36 40

43

45

(5)

4.3 空孔濃度を合まない速度式での解析 4.4 空孔濃度を含んだ速度式での解析 4.5

結三

第5章 FeCo合金の等速昇温規則化過程

5.1

緒言

65

5.2

実験結果

6 8

5.3

α Rと規則度の関係式

75

5.4

パラメータの決定

7 8

5.5

α Rの解析

8 1

5.6

ム α Rの解析

84

5.7

小J士口 ëI

87

第6章 総括的考察

6.1

初期値

6. 2 �孔濃度変化と規則度

6.3 2 段変化の焼入れ温度依存性

89 92 101

第7章 総括

参考文献

1A

104

11 2

QU C6 ηJ 4A

「D ぷU

(6)

第1章 事百==ロ 三と〉

白岡

1

.

1 本研究の背景

ー般に , 相転移の次数は, Ehrenfest(l)により最初に提唱

されたin次の相転移とは, 転移温度でGibb sの自由エネルギ -Gの温度Tに関する(n-1 )階微分が連続で, n階微分が不連続 的変化をするものであるjという定義によるが, 普通に 観測さ れる相転移は2種類に分類される. つは結晶のエントロピー,

イ本積, 結晶構造等に 不連続な変化が起こる1次 (first order)

の相転移で, 凝固, 蒸発等のいわゆる物質の三態に関する転移,

多形転移や相の分離, 析出等がこれに相当する. これに対して,

エントロピーや体積等は連続的に変わるが これらの物理量の 温度微分が不連続な変化をぷすのが2次 (second order)の相

転移で, 分f性結品のfn]転転移や強磁性イ本の磁気変態等がこれ に相当する. この相転移は, 転移溢度Tcで鋭いA型の異常比熱 を持つのが共通した特徴である. また, Tc以下の温度領域で,

何らかの内部秩序性が観測可能な物理量として現われ, これを 通常長距離秩序度 (long range order parameter)あるい は合金にお いては長範囲規則度と呼ぶ. 例えば, 最初に異常比

熱が観測されたN H 4 C 1結品の回転転移の長距離秩序度は分子軸 配置の秩序度であり また, 強誘電体ではその自発分極で表わ す. Fig.l-lに1次の相転移と2次の相転移の熱力学的な相違を,

Gi bbsの自由エネルギ-G, エントロビーH, 比熱Cおよび秩序

(7)

G

G

1次の相転移

H c s

?

/ザ�----

2次の相転移

H C s

一�

Fig.l-l First order 七ransi七ion and second order transi tion. (by Matsubara)

G: Gibbs energy H: Entropy

C: Specific hea七 S: Degree of order

- 2 -

(8)

度Sの模式図で示す (1 ) 矢印は転移点である.

また, 同体の物理現象の中には, 与えられた格子型を基本に して, その佑子点kで規則的な構造を形成する現象が出現する ことがある(2 ) 例えば, 結晶表面上に吸着した原子または分子 が2次元超格子を形成する場合 (3 )や結晶中の侵入原子や宅孔が 規則的に配列する場合(4 )などが挙げられるが 代表的な ものに,

合金が特定の組成濃度で超格子を形成する現象(5) (6) がある.

すなわち, ある種の合金はじゅうぶん高温においては 成分金属 原子 が結品格子点上で無秩序に配列し, エントロビーの大きい

状態、を実現しているが, 温度が低下するとともに成分金属原 が互いに位置交換をすることにより, 規則正しい配列をとる,

いわゆる規則一不規則変態(order-disorder transition)を 行う. この相転移も転移点における自由エネルギーの温度微分 の次数により1次と2 次あるいは10i次の相転移に分類される(6 ) 1次の規則一不規則変態の場合, イミ規則領域と規則領域の聞に必 ずこれらの相の2相領域が存在する. この事実は, 実際, f c c格 子をベースにしたCu-Au系やNi基合金で確認されている(7 )

また, 遷移金属を合む合金の中には, 磁気変態を同時に伴う場 合もあり, 非常に複雑な相転移を行うものもある(8 - 1 0 ) 一方,

Fe C 0合金をはじめとする多くのB2型規則合金の規則一不規則 変態は2次の相転移 であり, 転移温度Tc点は 不規則状態の安定 一不安定境界となり, それ以下の温度には準安定領域は存在し ない . した がって 1次相転移のように規則領域と不規則領域と が共存することはなく, 高温領域から焼入れて 不規則化した試

- 3 -

(9)

料は焼鈍時間とともにその規則度が連続的に上昇する, いわゆ

る continuous ordering と呼ばれる規則化過程を示す(11)

このような非平衡状態 (あるいは準安定な状態)から安定な、子 衡状態へ向かう過程を取り扱う相変態の速度論は, 従来, いく つかの異なる立場から研究されてきたが, 大きくは以下の2つに

分類される( 12)

その 一つ は原子配列の変化を 一種の化学反応とみな す, いわ ゆる擬化学反応論に基づく速度論である. 例えば, Takagiと Oguchi(13) は化学反応における質量作用の法則を適用 して,

規則度Sに関するつぎの速度式を得た.

dS/dt= ç (T/Tc) exp j

r;

(l-TC/T)f [j( 1 -S2)

- D

2f exp j2TCS/T( 1 -fJ 2)f -j( 1 +S)2-fJ 2f exp j-2TCS/T( 1 -fJ2)f ], ( 1 - 1 )

ここで, T cは変態温度, 。は濃度パラメータ, マとごはそれぞ れ反応、の活性化エネルギーと原子の振動数に対応するパラメー タである. Deanes(14) もまた擬化学反応論の立場から規則化

過程に関する速度式を得た. 式( 1 - 1 )やDeanesの式から計算 された結果は, 不規則状態からの規則化のためには, AB型より AB3型の方が大きな ゆらぎを必要とする(1 5 ) 等の種々の実験事 実を定性的に良く説明した. さらに, Deanesの速度式を規則

度の平衡値のまわりに展開する こ とによ り, Nowi c kと Weisberg(16) は双曲線関数で規則度の時間変化を表わし, こ

- 4 -

(10)

の近似式でCu3Au合金の規則化や不規則化の実験結果を解析 して満足すべき結果を得た. しかし 平衡値のまわりに展開す る という式の性質上, 彼らの速度式はTc以上の温度領域から念、

冷された試料の規則化過程には適用できない欠点を持っていた.

もう一つは, 原子配列の変化を統計物理学的に取り扱う, い わゆる原子論的立場に基づく速度論である. これは相変態の素

過程 として, 合金中の個々の原子が, 隣接同士で直接位置を交 換する直接交換, あるいは空孔を媒介として間接的に位置を交 換する間接交換による原子の 位置交換機構を具体的に想定して いる. 例えば, Vineyard(17)は結品内原子の位置と配列を表

わす多体分布関数を用いて合金内原子の移動を統計的に取り扱 い, 原fのLr{接交換, 間接交換あるいは両方 の位置交換機構を 考慮した規則度の変化速度式を提明した. この考え方は, その 素過程が明確であるため多くの研究者によって拡張され, 規則 化過程の解析に用いられた. Kidin とSh tremel(18)はfc c 2

冗合金の短範阿規則j化の生成速度の研究に, Mat suda ら

( 1

9

) ( 2

0

)やKurokiら(21-23)はFeCo合金の “55

0

OC変化"

の説明に適用し, また, Eguchi とKinoshitaら( 2 4 )は, さら

にfcc2元合金の原子配列, 空孔濃度の時間変化を表わす基礎ノ7 程式を導き その後に続く2相領域 で生ずる相 分離を伴う規則 化過程の研究(2 5 ) (2 6 )の基礎をなした.

これら2つの立場から導出された速度式は, いずれも多くの パラメータと複雑な関数を合む微分方程式であり, 規則化過程

- 5 -

(11)

を詳細に論ずることが山来る反面, その取り扱いが複雑で実験 結果の解析に直接月jいるにはかなり不便である. そこで江口ら

( 1

2 )は, つぎのような肢も一般的な速度式を提唱した .

m ε

T n

p

, n 「L

p lつん

p '

/『\

11よ

工=

hr

d

p

・1 //r ,q

十L 一一

・ ­

( 1 -2 )

ここでF iは独立な統計的変数P l' P 2'…Pnの関数で, 温度Tと 種々のエネルギー ・ パラメータの組|ε mfを含んでいる. 彼ら

は, この方程式の各温度での解と諸物理量との関係式を見出せ ば, 実験値の解析が口I能であることを示唆した. 本研究では,

この方法をB2型規則合金に適用し, 一般的な物理的考察により,

実験結果の解析に適J11しやす い新し い速度式を導出するととも に, 従米の速度式との関連について議論 することを1つの口的

とする.

規則合金の規則化過程の実験的研究は, まずCu3Au合金で

なされた. Nowickら(1 6 )がCu3Auの格子定数の等温変化を 測定して活性化エネルギーを求め, その緩和時間について議論 したのを はじめ, Quimbyら(38-40)が電気抵抗やヤング率を,

Warrenら(41)はX線強度を測定してその規則化過程を論じた.

また, Goodchildら(4 2 )は, 規則化に及ぼす空孔の影響を調 べ単空孔や複空孔の濃度を計算した. 一方, Fig.1-2に示す状 態図( 7 )を持つFe-Co系合金は, 全組成範囲にわたり強磁性を 示すとともに, 特定の組成範闘では高い透磁率と大きな飽和磁

- 6 -

(12)

t ' l I 11

1 11

1 11

I

1,

I 11 111 111

るデ / 一〆 . / ポ ー/ .巧 ・ av 、 、

, グー\

ORDE RE D

一ー ー ー ー

111111

AUSTENI TE

FERRITE 10 03

87

》晶、 凶匡コ ト《匡凶 aE凶ト

80 100

c。

60

ATOMIC PERCENT COBAlT

FeCo alloys 20

Phase diagram of

- 7 -

。 40 Fe

Fig.1-2

(13)

化とを持つ優れた強磁性材料として知られている(2 7 ) (2 8 ) ま た, この合金系は, 純鉄から75at%Co付近までの広い組成範

開にわたる体心立方(b c c )構造の α 相領域を持ち, その領域中 の等原子組成(50at %Co)を中心とする組成範囲において,

Fig.1-3

に示すようなCsCl型のFeCo規則格子を形成する

( 2 9

) ( 3

0

) し たがって, Fe-Co系合金は, 強磁性材料として

実用的に重要であるばかりで なく, 磁気的性質を含め種々の物 性値, 例えば, 比熱(21-23)(31)(32), 格子定数(31) (33-35),

電気抵抗(3 6) (3 7 )および俄気モーメント(3 5 )等の測定が規則も しく は不規則状態で測定され , 物性値に及ぼす規則度の影響に 関する研究も多くなされている. また, Fe Co合金の場合, そ の規則化過程の研究は主に “55 OoC変化" の解明に関 してなさ れた(20-24) 例えば, 偵山ら(4 3 ) ( 4 4 )は電気抵抗の等温変化

の解析にBragg-Williams (45)の式を適用して, その規則化 過程を論じた . すなわち, Bragg-Williams (45)は原子の規 則配列に関する理論と同時に , ある温度Tにおいて 合金の状態 が千衡状態へ近づく際の状態変化の速度d e / d tと緩和時間τ に関する次式を提唱した.

d e/dt=-(e-T)/τ,

τ =Aexp(W/kT), ( 1 -3)

ここで, eは 合金の温度Tとわずかに異なる熱平衡状態にある 温度であり, Aは定数, Wは原子交換に必要な活性化エネルギ

- 8 -

(14)

Long Range Order

82 type (CsCl)

o A atom (α-su以attice)

@ B atom (ß-sublattice)

Fig.1-3 Superstructure of CsCl type, having α and ß subla七七ices.

- 9 -

(15)

ーである. 横山ら(4 3) (4 4 )はこの考えをFeCo合金に適JHし,

彼らの電気抵抗の等温 変化 の測定より得られ たA=10-12S,

W/k=26480Kを式(1 -3)に代入してその規則化過程を論じ,

通常の 比熱 測定 と同程度の速度による昇温過程において は 820K付近に “550 OC変化" が現われることを示すなど, 実験 結果をかなり良く説明した. しかし, その速度式は合金の規則 状態を, 規則度そのものでなく, その規則度を平衡規則度とし て持つ熱平衡状態の温度。を用いて表わすので, 実験結果との 直接的な比 較には不便であった. MatsudaやKurokiら(1 9 - 23)は, B-W理論に基づき原子論的立場から空孔濃度の時間変 化を含む新しい速度式を導出した. また, 試料の形状を工夫す ることによ り, 昇降温過程におけるFeCo合金の電気抵抗の温 度微係数α Rの桁街な測定を行い, その結果を彼らの導出した速 度式で解析して “5500C変化" を速度論的に説明した. さらに,

α RがFeCo合金においてもß-CuZn合金(4 6 )におけると同様

に比熱ととほぼlk線関係にあること, α Rは 一定の昇降温速度で、

測定でき, しかも, かなり広い速度範囲において比熱より高い 精度の測定が出米ることをノ式し, 規則化過程を論ずる物理量と してのα Rの有用性をぶした. しかし

彼らの測定したα Rには,

温度に大きく依存する鋭気的散乱による寄与も含まれているた め, 規則化の速度式から得られる理論曲線とα Rの変化とを直接 比較検討することは|材難であった. また,

Buckleyら(47-49)

は, x線回折や電子顕微鏡観察によりFeCo合金およびパナジ

ウムを添加した3元合金の等温焼鈍に伴う規則度や逆位相ドメ

ハU

(16)

インサイズを求め, 実験結果をVineyardの式( 17 )で解析した.

その結果, 698 K以ヒの温度領域で conti nuous ordering が, 780 K以ドの温度領域では discontinuous ordering が, その重複する温度領域ではそれらが混合した規則化が起こ る こ と を提唱し , そ の活性化エ ネ ル ギ ー は高温領域で

170kJ/mol, 低温領域でl05kJ/molになることを示した.

しかし, これらの規則化と物理量変化との関係は必ずしも明ら

かではない . その後, B-W近似の範囲ではあるが, コンピュー タシュミレ -シ ョ ンによる規則化と平衡空孔濃度および相互作 用エネルギーとの関係( 5 0 ) ( 5 1 )やモンテカロルシュミレ -シ ョ ンによる拡散の問題( 5 2 ) ( 5 3 )等の議論がなされたが, いずれも

実験値との直接的な比較は閃難であ った. したがって, 規則度 や空孔濃度の変化にl白:接対応する測定可能な 物理量を見出し,

得られた実験結果と用論式とを10:接比較検討し, その規則化過 程を議論することもまた本研究の目的の1つである.

一般に, 高渇から焼入れられた試料は多くの過剰空孔を合み,

その後の種々の物理詰の変化に大きな影響を与える . 特に, 規 則一不規則変態温度以仁の温度領域から急冷して不規則化させ た合金には, その後の昇温過程で過剰空孔の移動, 消滅に伴う 規則化(ステージ1 ) と干衡空孔の移動による規則化(ステージ

n )との, いわゆる2段階の規則化過程が存在することが報口 されている . 例えば, まずCu3Au 合金 についてSykesと Evans(54 )および干林ら(5 5 )により実験的にこの事実が示さ れ ついでα -Cu Al合金(12 ), Cu P t合金(5 6 )でも同様な 2段

- 11 -

(17)

階規則化が 報告された .

Mitsuiら(57-59)はC

U 3 P t合金を中 心に 一連の詳細な実験を行い, この2段階規則化が試料の形状,

実験条件および合金系に著しく影響されることを明らかにした.

しかし, Fe Co合金については, このような明瞭な2段階規則化 につ いての報告は なく, 2段階の変化が重なっている か(粉末 試料), もしくは平衡空孔のみの移動による規則化 しか存在し ない(バルク試料)と 解釈されている(6 0 ) ( 6 1 )が, まだ不明な 点が多い. 本研究にお いては, この2段階変化についての速度 論的 解釈も含めて, Fe Co合金の規則化過程を統括的に検討す

る .

1 . 2 本研究の目的 ・ 構成

本研究においては, B2尾�!規則合金における一般的な物理条件 から, 規則化の素過科に関する特定のモデルによらぬ規則度S の3次項まで含む非線形速度方程式を導出した . この速度式 は,

実験結果の解析に簡単にそしてik疑的に適用できる利点を持つ.

さらにこの速度式を, ぇ?孔濃度の時間変化まで考慮、した速度f に拡張し, 等温規則化過程と 等速昇温規則化過程に適用できる 式と した. さらにこの速度式で FeCo合金の等温規則化過程 にお ける格子定数の変化と等速昇温規則化過程における電気抵 抗変化を解析し, Fe Co合金の規則化過程を速度論的に, かっ 統括的に明らかにすること 特に規則化に及ぼす過剰空孔の影

郷を明らかにすることを本研究の主たる目的とした

.

記の目的のため 、 本論文は以下の7章で構成されている。

- 12 -

(18)

第1章:

本研究の背景および目的. 構成について説明した .

第2章:

新しい規則化の速度式を導出し この速度式を等温規則化過 程と等速昇温規則化 過程に一般的に 適用し さらに他の速度式 との比較検討を行った .

まず, B2型規則合金における 一般的考察から規則度Sの3次 式で表わされる簡単な速度式( -般的速度式)を導出した . さ らに この ー般的速度式を修正し 規則化が空孔を媒介として進 行 することを陽に取り入れ 空孔の 時間変化まで考慮した式と し, 等温規則化過程および等速昇温規則化過程に適用できる

般的な速度式に拡張した . これらの速度式は, 規則化の素過程 に触れておらず, 一般的に成り立つと いう利点を持つが, その メに含 まれる諸パラメータの物理的意味は必ずしも明 らかでは ない . そこで, ノド研究で導出した一般的速度式と, 空孔濃度を

まな い速 度 式 の1つとして擬化学 反 応 論 よ り 導出 さ れ た Takagi-Qguchiの式, ZR孔濃度の時間変化を含む速度式とし て原子論的立場から導出されたVineyardの式とを そ れぞれ対 応させて, 一般的速度式に含 まれる諸パラメータの物理的意味 を明らかにするとともに, 他の速度式との比較検討を行った.

第3章:

まず, 実験に用いた試料, すなわち格子定数測定用の粉末試

- 13 -

(19)

料と電気抵抗測定jfiの模形試料の作製とその熱処理について述 べた. つぎに, 等温規則化過粍における格子定数の測定万法お よび等速昇温規則化に伴う電気抵抗変化の測定方法について述

べた.

第4章:

FeCo合金の等温規則化過程における格子定数変化の実験結 果と一般的速度式による解析結果について議論した.

まず, 等温規則化過程における格子定数変化の実験結果を不

した. この実験結果を, はじめに空孔濃度を含まない ー般的速 度式で解析し , 格子定数Pと規則度の2乗Xの聞に

P=A+BX(A,Bは定数)の関係があることを示した. つぎに允 孔濃度の時間変化を合んだ -般的速度式で実験結果を解析し,

空孔の移動エネルギーと形成エネルギーを決定する とともに,

773K以下の低温焼鈍においては絡子定数が明瞭な2段階変化を し, それは過剰宅孔に起肉することを速度論的に示した.

第5章:

FeCo合金の等速昇温過程における電気抵抗の温度微係数α R の変化と一般的速度式による解析結果について議論した.

まず, 等速昇温規則化に伴う電気抵抗変化および残留電気抵 抗の実験結果をぷした. 実験結果の解析を可能にするため

亀 気抵抗率に対するフ ォ ノン散乱や磁気的散乱の寄与の部分を見 積もり, さらに, 規則度が各散乱項に及ぼす影響をも考慮し,

一14 -

(20)

α RとXとの関係式を見出した . また, α Rからフォ ノン散乱や 磁気的散乱の項を除去するこ とにより 規則度のみに依存する

α R' す なわちム α Rに関する式を導出した. これらの式に合ま れる諸パラメータの佑を決定し, 一般的速度式および α RとXと の関係式を用いて, 等速昇温規則化過程における α の実験結果

R

とム α Rの結果を解析した. さらに,

Fe

Co合金では昇温過程に

おける規則度の2段階変化は起こらないことを速度論的に示す とともに, α Rとム α Rの実験結果に現われる “5500C変化" を 合理的に説明した. また 等速昇温規則化に伴うム α Rの挙動を 残留抵抗率を含めて統括的に説明した.

第6章:

まず, 焼人れrJlの全孔消滅に↑、I�う規則度変化を一般的速度式 から正確に見積もり, 焼入れIf{後の規則度と空孔濃 度の初期値 の問題に ついて考察し た. つぎに, 第4,5章に共通する問題,

すなわち, 等温去� 1111化過程と等速昇温規則化過程における7E孔 濃度の時間変化と規則度変化の関係およ び規則度の2段階変化 の焼入れ温度 依存'1"1:について総括的に考察し, B2型規則合金の 規則化過程と2段階変化について詳細に議論した.

第7章:

以とのFeCo合金の規則化過程 に関する実験ならびに速度論 に某づく本研究の 総括を行い, B2型規則合金の規則化過程に関 する基礎的な理解を得た

.

- 15 -

(21)

第2章 82型規則合金の一般的速度式

2 .

1 緒 日

2元規則格 子合金での規則一不規則変態の速度論的研究は,

理論的にも実験的にも数多く行われている

理論的研究としては, 前章で述べたようにBragg-Williams の理論(4 5 )をはじめとして, 擬化学反応論を用いたTakagi­

Ogu chiの式(1 3 )やDie nesの式(14)およびそれを平衡値のま わりで展開したNowickとWeisbergの研究(16), また, 原子

論的立場のVineyard(17)の理論等がある. しかし, いずれも 複雑な関数 を含む微分方程式で実験の解析に直接用 いるにはか なり不便である. そこで本章では, 実験結果の解析に簡便 に適 用できる速度式を新たに導出した. 導出した速度式は, B2型規 則合金における 一般的考察, すなわち, α,ß両副格子の互換対 称、性, 、F衡状態とその安定性の条件のもとに導か れた規則度S の3次項まで含む非線形速度万程式である. この速度方程式は,

変態の機構に ついて特定のモデルを用いていないので一般的に 成り立つという利点をもつが , 他万この速度式に含ま れる諸定 数の物理的意味は判然としな い. そこで, 擬化学反応論に基づ き変態の素過程を考えて導出されたTakagi-Oguchiの式を Taylor 展開し, 本研究での速度式と対応させること によって 諸定 数の物理的意味 を理解し た. さらにこの一般的 速度式を修

正し, 規則化が空孔を媒介として進行すること を陽に取り入れ,

ー16 -

(22)

空孔濃度の時間変化まで考慮した式とした. この修正した速度 式を, B2型規則合金の等 温 規則化過程および等速昇温規則 化過 程に一般的に適用し, 規則化に伴う諸物理量変化の実験結果を 簡単に解析で きる速度式とし た. この速度式も 規則化が空孔 を媒介として行われ るると仮定したほかには規則化の素過程に

触れ ておらず , その 意味でモデルによらぬ一 般的取り扱いであ る. そこで新たに, この修正した速度式と空孔の移動を素 過程 とする間接交換機構に基づいて導出されたVineyardの王子( 1 7 ) とを対応させ, 速度式に含ま れる諸定数の物理的意味を検討し

た.

2.2 一般的速度式の導出

一般的に, 規則化または不規則化の速度は温度と 規則度に依 存しており, これはつぎのように表わすこと ができる.

dS/dt=G(S,T), (2 -1 )

ここで, Tは絶対温度, Sは温度Tにおける規則度で ある. この G(S,T)の 関数形を決定することにより規則度の 速度方程 式が 得られるが、 その土i法として特定の モデルに基づか ずに, 一般 的にG(S,T)の満足すべき条件を考察し, その特性から関数形 を推察する. ここでは G (S, T)の満足すべき条件とし て, 以

下の 2つを考える。

- 17 -

(23)

①α 副格子と/3副格子の互換対称、性

B2型規則格寸こでは, α, /3両副格子の相互の入れかえに対して 対材、である. 万, α,ß両副格子の互換は規則度Sの反転S→

-Sに対応するので, 式(2-1 )はその操作に対して不変でなけれ ばならない. したがって, 関数G(S,T)はつぎの'性質を持つ.

G(S,T)=-G(-S,T). (2 -2)

②平衡条件とその安定性

本研究においては, ある温度Tでの 規則度の平衡値Se (T)は何 らかの方法で別に与えられているとする. 平衡状態においては,

規則度Sの変化速度はOであるから, S=±Se(T)は式(2-1 )にお いて, G(S,T)=Oとおいた方符式の根であり, また, その値を 安定に保持しなければならない. さらに, 不規則状態を表わす S=Oのときには明らかにG(S,T)はOとなるが, 規則一不規則変 態温度Tcよりも低い温度範聞においては, S=Oは不安定なつり

あいでなければならない. したがって, G(S,T)のO点でつぎ の

ことが成り立つ.

ldG(S,T)/dS! s=o >0,

!dG(S,T)/dS!s=::tse(T) <0.

(2

-

3)

以上の①,②の条件を満足するG(S,T)の形を規則度Sの多項f

- 18 -

(24)

で近似すると, 最も簡単な関数として3次式が考えられ, 速度 式は規則度に依存する因子と温度に依存する因子との積として,

次の形で近似される.

dS/dt=1/2 . F(T)S jSe(T)2-S2! (2 -4)

ここで, F(T)はS, tを含まない温度Tのみの正の関数である.

この速度方程式(2-4)は, 変態の機構について特定のモデルを 用いていないので 一般的に成り立つという利点を持つ. その恵 味で他の速度式と反別して一般的速度式と呼ぶことにする.

2.3 等温規則化過程への適用

般的速度式(2 -4)をB2担規則合金の等温規則化過程に適用 する.

崎温変化であるから, S, tを合まない温度Tのみの正の関数で あるF(T)を s定として , 式(2-4)を積分することにより規則度 Sの時間変化 を知ることができる. いま 簡単のためS2=Xとお き, 時間tにつき積分し, Xについて解くと次式を得る.

X=XoXe/ [Xo+( Xe-Xo)exp j-XeF(T)t! ], (2-5)

ここで, Xeは平衡規則度Se (T)の2乗であり, X。は t= 0におけ るXの値である. 後の便宜1:, さらに式(2-5)を次式で表わす.

- 19 -

(25)

X=Xo/ la+(l -a)exp(-t/τ! , (2 - 6)

ただし,

XO/Xe=a,

XeF(T)=l/τ (2 -7)

である. こ の式(2- 6)を空孔濃度を含まない場合の等温規則化 過程の一般的速度式とする.

つぎに, 実際の実験結果の解析においては, 空孔の存在が規 則化に及ぼす影響を無視できない場合がある . そこで, 一般的

速度式(2- 4)を空孔濃度の時間変化を含む場合の等温規則化過 程に適用する.

今, B2理規則合金の規則化 が空孔を媒介としてのみ進行する とし, さらに2.2節で述べたように副格子聞の互換対称性と

平衡条件, 安定条件を考慮すれば, 温度T, 規則度S, 空孔濃度 Cvの状態における規則度の変化速度は次式で与えられる.

dS/dt=1/2 ・ CvF(T)S lSe(T)2-S2! , (2-8)

F(T)は規則化過程の詳細によって決まるS, tを含まない温度T のみの正の関数であるが ここでは未知のま まにしておく. わ れわれ が問題としている過程では, 空孔濃度Cvは焼入れ温度 T における平衡空孔濃度C

v

__ (T ' � Q

r\

)から焼鈍温度Tにおける平衡値 Cv (T)まで変化するが, これを

- 20-

(26)

Cv(t)=Cv(T) + lCv(T Q)

-Cv(T)! exp l-y (T)t! , (2 - 9 )

により表わす. ただし, γ(T)は空孔の移動度とその発生およ び吸収源の密度によってきまる関数であるが ここではCv (T)

とγ(T)をそれぞれArrhenius型で近似し, 空孔の形成エネル ギ� Efと移動エネルギーEmを用いて次式で表わす.

C v (T) = C e x p (-E f I RT) ,

γ(T) =Dexp(-Em/RT), (2-10)

ここで, C,Dは温度や規則度によらぬ定数とする. 等温焼鈍の 場合, Tを一定にして式(2-8),(2-9)を積分すれば次式を得る.

X=X e/[1+(α -l)exp l-tlτ -ß

+ ß exp(-y (T)t)! ] , ( 2 -1 1 )

ただし,

1 Iτ =XeF(T)Cv(T),

α =Xe/X o=Se(T)2 ISo2,

戸 =XeF(T) lCv(TQ)-Cv(T)! Iγ(T) ,

(2-12)

- 21 -

(27)

である . ここで, s 。は焼入状態(焼鈍開始前)の規則度である が, 式の性質上X。=Oのときは規則化が進行しないので, 実験 の解析には初期値としてOでないある値を入れる必要がある.

この式(2-11)を等温規則化過程における空孔濃度の時間変化を 含む場合の 一般的速度式とする. 式(2-11)で表わされる規則度 の2乗Xと諸物理量との関数関係を見出せば 等温規則化過程に おける実験結果の解析が可能となる.

2.4 等速昇温規則化過程への適用

般的速度式(2-4) を等速昇温規則化過程に適用する. 空孔 を含まない場合は簡単に取り扱うことができるので, ここでは,

空孔濃度の時間変化を含む場合のみを議論する.

等温規則化過程と同様に , B2型規則合金の規則化が空孔を媒 介としてのみ進行するとし 修正した一般的速度式(2-8)が成 り立っとする. われわれが問題にしている過程は昇温過程であ るので, 速度式に合まれる2E孔濃度Cv は時間とともに変化する.

ここで はEguchiら(

2

4 )が提唱したつぎの変化速度式を用いる.

d C

__

I d

t

= -

N P

2ν lc..-c..(T)!

V I \...&. .... .J..,

d

exp(-Em/RT), (2-13)

ここで, N dは転位密度, pは格子定数, ν は原子振動数, Emは 允孔の移動エネルギー, Cv(T)は温度Tにおける平衡空孔濃度,

ー22-

(28)

Rは気体定数である. 今, Se(T)2=Xeとし, ま たある時間tに おける温度を

T=T 。+φt

(2-14)

とする. ただし, φは昇温速度, T 。は初期状態における温度で ある. 式(2-14)の似定のもとに式(2-8),(2-13)を時間微分か ら温度微分に変換すると次式を得る.

dX/dT = l / φ ・ C "

V

F(T)X(X � -X),

dCv/dT=-l/φ - N

d

p2ν 1 Cv-Cv(T)!

(2-15)

xp(-Em/RT), (2-16)

これらの式(2-15),(2-16)に合まれるパラメータを何らかの力-

法で決定する ことにより等速芥温規則化過程に関する情報を得 ることができる. 式(2-15)を等速昇温規則化過程における 一般 的速度式とする.

2.5 他の速度式との対応

本章で導出した速度式は, 前記のように一般的に成り立つと いう利点を持つが , ー方では, この式をもとにして得られるパ ラメータの物理的意味は判然としない . そこで, これらのパラ メータの物理的J意味を明確にするために, 規則変態の素過程を

- 23 -

(29)

考慮して導き出された速度式と対応させて比較検討する.

(1) Takagi-Oguchiの式との対応

般的速度式(2 - 8)と対応させ る速度式として, ここでは,

擬化学反応論に基づきBragg-Wil liams (45)近似を用い, 変 態の素過程を異なる原子種の交換として導出された, つぎの Takagi-Oguchiの式(1 3 )を用いる.

dS/dt= ç (T/Tc) exp j7J (l-Tc/T)1 [j(1-S2) -821e x p i2T c S/T(1-02)i-i(1+S)2-02i

exp j-2T cS/T(l-f) 2)1 ]

( 2-17 )

ここで, Ðは濃度パラメータ, ヮとごは次式で与えられる パラ メータである.

ヮ=W/kTc-Z/2kTc 1(1十fJ)VAA+2VAB+(1-f))VBBI

ç

=kT cZ* /hNexp(ーヮ),

(

2-1 8

)

ここで, Zは配位数, V AA等は原 子の相 互 作用 ネ ルギ ー, Nは 格子点の数, そしてWはポテンシ ャル障壁のサドルポイントの 高さである. また, kTZ*/hは活性化複合体の完全分配関数で あり, kとhは各々Boltzmann 定数とP la n k定数である.

:ç\

(2-17)において原子比を50 : 50, すなわちf) = 0とすれば次f を得る.

-24-

(30)

dS/dt=C(T/Tc)exp(- ç Tc/T) j(1-S)2exP(2TcS/T)

一(1+S)2exp(-2TcS/T)!

(2-19)

ここで, ET cは活性化エネルギー, Cは原子振動数νに相吟す る量である. 式(2-19)において, iの中をTcS/T=Oのま わりにTaylor展開し, 高次の項を省略すると次式が得られる.

dS/dt=2ν(T c/T)[exp(- ç Tc/T) (l-T c/3T)S(S e2-S2)]

さらに, つぎのような近似を行う.

1-Tc/3Tキexp(-Tc/3T).

(2-20)

(2-21)

結局, Takagi-Oguchiの式は最終的に次式で近似される.

dS/dt=2ν(Tc/T)

[exp j-(ご+1/3)Tc/T! S(Se2-S2)J .

(2-22)

ー方, われわれは空孔濃度を含まない一般的速度式として式 (2 -4)を提唱した. 式に含まれるF(T)は, 今までS, tを含まな い温度Tのみの未知の関数としてきたが, ここで, みかけの活 性化エネルギーをご'Tc' 原子振動数因子をν ' としてつぎの

- 25 -

(31)

ように仮定する.

F

(T) =ν , (Tc/T)exp(-ç:'Tc/T).

すなわち, 速度式(2-4)をつぎのように表わす.

dS/dt=1/2 ・ ν , (Tc/T)

[exp(-ç: 'T c/T)S(Se2-S2)J .

(2-23)

( 2-24)

この一般的速度式(2-24)とTakagi-Oguchiの式(2-22)を対 応させることによってつぎの関係を得る.

活性化エネルギーとして

ç:'=ç:+1/3, (2-25)

原子振動数因子として

ν '=4レ. (2-26)

これで本研究の速度式から得られる諸定数の物理的意味を定義 できたことになる. ここで, 式(2-25),(2-26)で関係づけられ た一般的速度式(2-24)とTakagi-Oguchiの式(2-19)との各

温度における近似の程度をみるために, (2-19),(2-24) 共通項f(T)を次式で定義する.

- 26 -

(32)

f (T) = ν(Tc/T)exp(- ç Tc/T). (2-27)

Fig.2-1に(2-19), (2-24)両式の右辺を共通項で割ったもの,

すなわち,

[dS/dt]/f(T)の比較を示す.

実線 が本研究の速度 式(2-24)による理論曲線で, 点線がTakagi-Oguchiの式(2 - 19)による曲線である. 両者は低温側で多少のずれを生じてい るが, 高温領域では良い一致をみせている. ただし, 本研究の 速度式に含まれる平衡規則度の値は, Takagi-Oguchiの式 (2-19)から得られる次式から求めた.

Se=tanh{(Tc/T)Se} . (2-28)

勺/今ム

(33)

0.90

order

0.75

of degree Do七七ed

0.60 S Degree of Order,

723 K

七he

0.45

change 工n s

0.30 0.15

of Ra七e

0

0.00

寸ム

門ノムg

・工FS

0.6

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

(ト)』\

[一戸℃\山町℃〕

are eq. (2-19) I

given by (2-26) .

curves one

T.

Oguchi I general with (2-25)

- 28 -

and and

and Takagi

(2-23 ) our of

curves and

func七ions

n by

e

・工 v gd

・工寸ム

o s eqs. (2 -4)

as ra七e 七he

and

(34)

(2) Vineyardの式との対応

擬化学反応論に基づく式との対応によるF(T)の形については

( 1

)で述べたとおりであるが, 速度式が空孔濃度を含む場合に

ついては考慮していない. そこで新たに, 空孔の移動を素過程 として導出された速度式, たとえばVineyardの式と本研究で 導出した一般的速度式とを対応させてみる. Vineyardは( 1 7 )

結晶内原子の位置と配列を表わす多体的分布関数を用いて合金 内原子の移動を統計的に取り扱う方法を提唱し AB2元合金 に おける空孔を媒介とした間接交換機構に基づく速度式として次

式を得た.

dS/dt=2Cv [OAOB(1-S)2-DADB(1+S)2]

/ [(OA+OB)(l-S)十(DA+DB)(l+S)],

( 2-29)

ただし, 0

A' D

A等は反応係数 であり, B2型規則合金の場合は

次式で与えられる.

OA,DA=8ν Aexp 1 (-EA + 7v AS) /kTI ,

OB,DB=8ν Bexp 1 (-EB+7vBS)/kTI , (2-30)

ここで,

ν

γ

ν B

はA

B原子 の 振 動数,

EA' EB

はA

B原

接 交換に対するポテンシャル障壁の高さ, kはBoltzmann定数,

そしてCvは空孔濃度である. また, V

A'

V Bは次式で与えられる.

-29 -

(35)

vA=l /2(V AA-V AB)

vB=1/2(V BB-V AB)' (2-31)

ここで, VAA,VBB,VAB は, それぞれA-A,B-BおよびA-B原 子対の結合エネルギーである. さらに, 類似AB2元合金に対し

ては, Eyme ryら(6 2) (6 3 )がFe-Co-V合金に対 して式(2-

30),(2-31)を適用した方法とróJじように, A,B原子に関する 諸パラメータの値を近似的に等しいとして取り扱うことができ る. すなわち, 次の関係式が成り立つ.

νA νB ν,

EA=EB=Em (migration energy),

2vA=2vB=v=1 /2(V AA-V AB)-V AA . AB ' . AB 東門 (2-32)

したがって, 類似AB2厄合金におけるVineyardの式(2-29) は, v=kTc/4を考慮すると次式で表わされる.

dS/dt=16νCvexp(- ç mTc/T) [sinh(7TcS/8T)

-Scosh(7TcS/8T)], (2-33)

ここで, 5ITIT cは空孔の移動エネルギーでTcは変態温度である.

さらに, この式の[ ]の中をTcS/T=OのまわりにTaylor展

- 30-

(36)

開し高次の項を省略すると, 最終的にVineyaredの式は次式 でうえられる.

dS/dt=1/2 [49/4 ・ ν(Tc/T)2CV

e x p i-(5m+7/24)T c/T}]S{S e(T)2-S2}. (2-34)

一方, B2型規則合金の規則化が空孔を媒介として進行する場 合, 一般的速度式(2-8)に含まれるF(T)を次の式で仮定すると

F (T) = ν , (Tc/T)2eXP(-çm' Tc/T), (2-35)

般的速度式として次式を得る.

dS/dt=1/2 ・ [ν' (Tc/T)2C V

exp(-ç m' Tc/T)] S ISe(T)2-S2!. (2-36)

Vineyardの式(2-34)と本研究の速度式(2-36)とを対応させ ることによりつぎの関係式を得る.

フー孔の移動エネルギーとして

1'-

C

m = ç m+7 142 .

原子振動数として

ν'=49ν14,

- 31 -

(2-37)

(2-38)

(37)

各温度における近似の程度をみるため, Vineyardの式( 2 - 3 3 )と式(2-37),(2-38)に関係づけられた本研究の速度式 (2-36)との両式の右辺を次式で定義される共通項h(T)で割っ

たものの比較をFig.2-2に示す.

h (T) = ν(Tc/T)2Cvexp(- ç mTc/T). (2-39)

ただし, この場合の子衡規則度の値は, Vineyaredの式(2- 33)から得られる次式から求めた.

Se=tanh{ (7T

c

18T)Se}' (2-40)

点線がVineyardの式による理論曲線であり, 実線が本研究の 速度式による曲線である. 本研究の速度式は, Fig.2-1で示し たようにTakagi-Oguch iの式との対応はあまりよくないが,

ぇR孔濃度の変化を考慮したVineyardの式に対しては全温度領 域でよい対応、をぷしていることがわかる.

- 32-

(38)

0.8 1.0

/\~

S 0.6

of Order,

0.4

Degree 0.2

0.9

0.6

0.3

0.0 0.0

(ド)工\[ぢ\宅]

S 七he order are of curves

e e r g ed de

←」 十』 O D

工n 七he T.

沼 町

ra a h c S of

0

n s of

・工

十」C 2

m

「ノム千ム g

・工

F

Ra七e

as

solid and and

eqs. (2

-

8)

eq. (2 -3 3)

8 V

) e n by

・工 ミJ

fg一

-fL 門ノム

e E ( r u a x

d

y

n

e

a n1 Lal/

vr?

に」 「ベJ

n 一

e2

g(

- 33 - g ・工 v e n by

with our curves

(2 -35) ra七e

(39)

2.6 結 日

B2型規則合金におけるα , /3両副格子の互換対称性, 平衡条 件とその安定性という物理的考察から実験結果の解析に簡単に 適用できる次の A般的速度式を導出した.

dS/dt=1/2 . F(T)S lSe(T)2-S2}.

この速度式を空孔濃度の時間変化を含む場合にまで拡張し, B2 型規則合金の等温規則化過程と等速昇温規則化過程に適用でき る次式を得た.

等温規則化過程に対して

X=X e [1

+

(α -l)exp l-tlτ -ß

+

ß exp(-γ(T)tf ]

等速昇温規則化過科に対して

dX/dT=11φ . CvF(T)X(Xe-X).

d

c

v/d T=-1/φ .

N _, d P

2ν lC..-C..(T)f exp(-Em/RT).

また, 適当なF(T)の関数形を仮定することにより, 一般的速度

- 34-

(40)

式と他の速度式とを比較してつぎの関係を得た.

( 1

)空孔濃度の時間変化を含まない場合

Takagi-Oguchiの式との対応

F(T)=ν , (Tc/T)exP(-ç'Tc/T).

活性化エネルギーとして ご'=ç+1/3,

原子振動数因子として

ν , = 4ν.

( 2 )空孔濃度の時間変化を含む場合 Vineyardの式との対応

F (T) =ν , (Tc/T)2exp(- ç m' Tc/T).

ぢ孔の移動エネルギーとして Çm' =çm+7/4 2 ,

原子振動数として

ν。=49ν14.

- 35 -

(41)

第3章 試料と実験方法

本研究で は, 等原子組成比のFeCo合金を用い 種々の熱処

理を施したのちの格子定数と電気抵抗の測定を行った. 本章で は, これらの実験に共通した試料の作製法, 熱処理条件および 測定法についてまとめて述べる.

3

.

1 試料と熱処理

等原子組成割合の99.9%再電解鉄と99.5%粒状コバルトを 純アルミナ質るつぼ中で高周波真空溶解を行い, 純 アルミナ質 るつぼ中に鋳込んでそ のま ま真空炉冷した. これを空気中で 1270----1 370Kで 熱問鍛造したのち, 1473Kで720 ks真空焼 鈍しか冷した . このインゴットを, ダイヤモンドインスツルメ ントで300メ ッ シュ程度に粉末化したのち, 透明石英管に真空

封入して格チ定数測定用の粉末試料 とした. また, この素材か らFig.3-1 にぷすような, 厚さlxlO-3m, のべ長さが0.4m の模型薄板を放電加_[機を用 いて作製し, 電気抵抗 測定用の試 料とした. なお, 均熱炉の設定温度は+2Kの範囲に保持した.

また, 試料の化学分析イlEは4 9.8+0.1at%Coであった.

格子定数測定月jの粉末試料には, つぎのような熱処理を施こ

した. ま ず, 全試料を不規則化処理のため1073 Kに3.6 k s保 持して氷塩水中に焼入れた . これらの試料 をX線回折法によっ て調べたが, 規則格子線は全く認め られず, 焼入れ中の規 則化 はほとんど進行していないことを確認できた. つぎに, それぞ

- 36 -

(42)

C

/一一

v

.

E

↓ー一

f-一

E .

E

0.5mml

\

ー-c v

70

町、町、

Fig.3-1 The shape of the specimens for the measurement of electrical resistivity in FeCo alloy. The 七ermi nals七O七ransmi七七he curren七 and to measure七he voltage drop are deno七ed by i and

v, and the chromel-alumel 七hermocouple by c,

respectively.

- 37 -

(43)

れの試料を規則領域の所定温度623,673,723,773,823,873 および923Kに設返した均熱炉中で所定時間保持したのち, 氷 温水中に焼入れて格子定数測定用試料とした. 保持時間はo .1 2 ---600ksの範l荊内の1 5点を めどとし, 72 3K以下の低温領域で はさらに1.2x103ksまでの保持時間をもつけ加えた.

模形の薄板試料に ついては以下のような熱処理を行い, その 昇温過程もしくは降温過程における電気抵抗測定を行った.

( i

)真空中で不規則領域の1073Kに3.6ks保持したのち, 氷塩

水中に焼入れた.

( ii

)真空中で1123Kに3.6k s保持したのち 1K / minで723K

まで降温し,さらに規則化を進行させるため そのまま723Kに 36ks保持したのちlK/minで室温まで降温した.

( iii

)真空中で規則領域の773,823,873および923Kで所定の

時間保持したのち,冷却アルゴンガスによるガス焼入れを行っ た.なお, 87 3K の場合はガス焼入れと比較するため, アルゴン ぷ囲気中で氷海水Iドに焼入れた試料も準備した. Fig.3-2に熱

処理(

i

),

( i i

) , (

iii

)の模式凶をぷす . ただし, 熱処理直後の試

料の温度はそ の処用法によりそれぞれわずかに異なるが, 便A

t, 同じになるとして闘には示した.

さらに, 液体窒素qJにおける残留電気抵抗測定用試料には,

つぎの熱処理を行った.

( iv

)真

空中

規則領域

の673

K

から

不規則

の1073Kの

の適当な温度に所定の時間保持したのち, 氷塩水中に焼入れた.

なお, 全ての熱処理における保持時間は, 第4章で述べるFeCo

- 38 -

(44)

1173 K(ii)

1073K(i);

- 1 K/min

773 - 1923 K(iii)

723 K

-lK/ min

W.Q G.Q

Fig.3-2 Diagram of heat treatmen七s

- 39 -

(45)

合金の等温規則化に伴う格子定数変化が, 完全にその温度の 、子 衡値に達するま で の時間よりもさらに長くとった.

3.2 測定法

( 1 )格子定数の測定

格子定数の測定は, 室温(293K)でCo-K α線を用い, 標准 試料混合法によりデイ フラクトメータ(島津VD-1 A型)で行 った. すなわち, 1073Kから焼入れたま ま の不規則状態の測定

用FeC 0粉末と, 標準試料α-A1203 (99.9%)粉末および純 鉄粉(99.96%)を混合し, Fe Coと純鉄の両方の220反射お よび α -A1203の309反射の連続走査によるラインプロ フィル を測定した. 純鉄の格子定数2.86075x10-10mを基準として,

不規則状態のFe Co合金の佑子定数の値 2.849 57x1 O-lOmを 得た. 以後の 等沿焼鈍を胞した試料については, その不規則状 態 の 格 子 定数 の 値と

α

- A

1

2

0 3

3

0

9

反 射 およ

それ と

Fe Co220反射のピークの相対的位置(Bragg角で約1 0 の差) を用いて 格子定数を求めた. ここで, ピーク位置の決定はライ

ンプロ フィルの放物線近似により頂点付近の10点から最小2乗 法によっ て行い, また, 同一試料について 3回測定してその 、11' 均をもっ て格 子定数とした. 本研究では格子定数の絶対値より

も, むしろ規則化に伴う相対的変化に意味があるので, 測定に おける誤差としては系統誤差は考慮せず, ピーク位置の決定な どに伴う誤差2B=1.2x1 0一人 すなわち+2x10-15m のみを考 慮した. しかし, 便宜上, グラフにおける測定値としては 格子

-40-

(46)

定数の絶対値で示した. なお, x線回折の測定条件は以下の通 りである.

印加電圧 40 kV 答電流 15 mA 走査速度 1/16 deg/min 時定数 1 6

( 2 )電気抵抗の測定

昇降温に伴う電気抵抗の変化の測定は, 57 3Kから1123 Kま で3K毎に電流の向きを逆転し, すべて直流四端子法で行った.

電気抵抗の温度微分α Rの決定には次式を用いた.

α R

= 1

/ Rct・(dR/dT), (3 -1 )

」 こで, RおよびRctはそれぞれ任意の温度Tと不規則状態の 1073Kにおける電気低抗である. また, 連続した15 点の測定 値から放物線近似による最小2乗法で, その中央点における値 としてdR/dTを決定した. 順次, 同様な方法でデータを1点づ っずらし, それぞれの中央点での値を求めた. このような方法 で, α Rの誤差は1 %以内におさえることができた. なお, 流し た電流は0.3Aであり , 端子リード線にはいずれも0.3x10-3m 併の白金線を用い, 試料の温度測定は, その中央部に0.3x10- 3m併の白金一白金ロジウム熱電対を点溶接して行った. また,

ガス焼入れは高速加熱ガス冷却装置を装備した均熱域の広い赤 外線ゴールドイメージ炉を用い, 冷却ガス圧は最大値4x105Pa とした. ガス焼入れは氷塩水中焼入れに対してやや凍結空孔濃

-41 -

(47)

度が低いと考えられるが, 試料を空気にさらすことがなく, リ ード端子のスポット溶接に伴う問題も発生せず, 焼入れ直後直 ちに測定可能であり, 実験再現性に優れているという利点を持

つ. したがって, 第5章の923K以下の焼入れはすべて冷却アル ゴンガス焼入れとした . ただ し, 残留電気抵抗の測定のみは,

923 K以上の高温度からの焼入れがあるため氷塩水中焼入れと

した . また, 残留電気抵抗値は, 所定温度から焼入れたのち,

ただちに室温(298K)と液体窒素温度(77K)において電気抵抗 を直流四端子法で測定し, それらの値を直線的にOKへ外挿する ことにより決定した .

- 42-

(48)

第4章 FeCo合金の等温規則化過程

4

. 1

合金が規則的原子配列を持っか否かを直接的に調べる万法の つにX線同折法がある

.

-般に!日]折線の強度は結晶構造悶子 の2乗に比例し, 結品構造因子は構成原子の座標と原子散乱凶

で決まる. B2型格子の場合には, A原子の座標を(0,0,0) と すればB原子のそれは(l/2,1/2,1/2)となり, 面指数の和が偶数

のとき結晶構造因子はそれぞれの原子散乱因子の和となり(基本 反射) , 奇数 のと きは差となる(規則格 子反射に したがって B2型規則合金では, 規則格子線と基本線の反射強度は合金を構

成している原子の X線に対する原子散乱因子の差の2乗と和の2 乗に比例する . 規則十各f線の存イ正が 原子の規 則配列の直接的証

拠となるとともに, その相対的反射強度から規則度を決定する ことができる . しかし, 原子散乱|刈子は原子番号にほぼ比例し て増加するので, 原子番号が近接している原子からなる合 金は 規則格子線の 構造附子が著しく小さくなり, その反射強度は非 常に弱く なる. 特にFeCo合金 の場合, FeとCoの原子番号が 隣接しているので たとえ異常分散の効果を考慮しでもX線回 折法から直接規則度を決定することは非常に困難である. この

よう な場合 一般的には規則化の進行に伴うある物理量の変化 を測定し, その物理量と規則度の聞に, ある関数関係を仮定し て規則化過程を論ずるという方法が多く用いられている.

- 43 -

(49)

置換型2元合金に おいては, 規則格子形成によって格子定数 が変化する. Fe Co合金の等原子組成付近では, 規則化に伴い 格子定数が増加することが知られ ている( 3 1 )ので, 格子定数を 測定することにより, 規則化進行の程度を知ることができる.

そこで本章 では, Fe Co合金の規則化に伴う規則度変化を直筏 測定するかわりに, この合金の格子定数の等温変化をX線回折 法により測定した ブJ , この格子定数Pと規則度の2乗Xとの 問に特定の関数関係を仮定し, さらに, 第2章で導出した一般 的速 度式を用い, Fe Co合金の等温 規則化 過程を論じた. この 方程式を用いて, 実験結果をほぼ満足に解釈でき, 室温におけ るFeCo合金の格子定数がP==A+BX(A,Bは規則度によらぬ

の量)で表わされる こと, および規則化の活性化エネルギーに ついても合珂的な傾が符られることを示すとともに, 一般的速

度式白体の特性についても議論した . さらに, 比較的低温で焼 鈍した場合, Fe Co合金の格子定数は明瞭な2段階の変化を示し,

焼鈍温度 が低いほどその2段階変化 が顕著に現われることを見 出した. この事実を説明するため, 前章で述べた規則化が 空孔 を媒介として進行することを陽に取り入れた, 修正した一般的

速度式を実験結果の解析に適用し, この合金内の空孔の形成エ 不ルギーと移動エネルギーを凡積もることができた. また B2 苅IJ規則合金の等温規則化過程におよぼす過剰空孔の役割につい ても検討した.

- 44-

(50)

4.2 実験結果

Fig.4- 1 に773K以上の高温領域(773,823,873,923K) における格子定数の時間変化, また, Fig.4-2に773K以下の 低温領域( 623,6 73,723,773K)における格子定数の時間変 化をそれぞれ示す . 比較のため に, 77 3Kの結果は両方の図に 同時に示している. 図からわかるように, 各温度での平衡値に 達する 時間は, 7 73 Kの上下で大 きく 異な り, 高温側で は 923Kで60s以内, 773 Kでせいぜい6.0ks程度で平衡値に な るのに対し, 低温側では非常に長く623Kでは1.2xl03ksでも すF衡値に達していない . また, その変化の仕方 も大きく異なり,

823

K以上の焼鈍温度ではあまり顕著ではないが, 77 3K以下 では焼鈍温度 が低いほど格子定数の2段変化が明瞭に認められ る. な お, 両ノゴの[ヌlにぶした実線は, 実験結果をほぼ再現する ようにづ|い た曲線である. 格子定数の平衡値が低温側になるほ ど大きく変化していることや, お互いの等温曲線の交点の時間 などは, 熱処理法は少し異なるが積山ら( 4 3 )の電気抵抗の等温 変化と類似している. 次節において , こ れらの実験結果を第2

立で導出した一般的速度式で解析する.

- 45 -

(51)

873 K 923 K

773 K 823 K

4砂

。 2.8515

2.8510

2.8500 2.8505

εOFIOF\門出

RHC何一戸ωccυ

ωυ一料一戸伺」

104 102 103

ハU

100

2.8495

cons七an七 la七七ice

t / min

ーよa m r e h ←L o s e-工g n a h c 七he工n

Time,

Observed 汁上Aせg -工干L

F

o annealing a七

773K.

above range

七he

-46 - 工n 工 n 七emperatures

alloys FeCo

var工ous

(52)

673 K

623 K

• 773 K

723 K

2.8520

2.851 5

2.8510

2.8505

2.8500 ε O F I O F \ 弘

民一戸C何一判的CoυυZ一戸

102 103 100 101

2.8495

104 105

t

/ min Time,

constant la七七lc e

ームa m r e h

←」

o s e・工g n a h c

七he Observed 工n

円ノムパせg

-l FL

F

o annealing a七

773K.

below range

七he

- 47 - 工n 工n 七ernpera七ures

al loys FeCo

var工ous

(53)

4.3 空孔濃度を含まない速度式での解析

まず, 第2章で述べた空孔濃度を含まない一般的速度式(2-6) で実験結果を解析する.

4.2では, Fe Co合金の規則化に伴う格子定数の等温変化を測 定した. したがって, 規則度Sと格子定数Pとの関係を見出す必 要がある. ここでは, 格子定数の焼入 れ温度依存性と規則度の それとが類似していること(23), また, α ,ß両副絡子の互換

対称、性から考え て, 常温における格子定数Pを規則度Sの簡単な 偶関数として, つぎの式を仮定する.

P=A+BX (4 -1 )

ここで, A, Bは温度や規則度によらぬ定数である. この式に解 X(2-6)を代入する.

P=A+BXol !a+(l-a)exp(-tlτ) f .

(4 -2 )

ただし, a, τは定義式(2-7)で与えられる. この式(4 -2)に含 まれる4つのパラメータA,B,X 0'τを適当に見積もり実験デー タに合わせることにより, 反応に関する情報を得ることができ

る. もし, このようにして4つのパラメータが決定されたとす れば, XeF(T)=11τの関係よりF(T)の温度依存性がわかり,

ひいては見かけの活性化エネルギーを求めることができる.

上記の速度式(4 -2 )を用いて, Fe Co合金の規則化に伴う格

-48 -

(54)

子定数の等温変化を解析する. まず, 格子定数Pと規則度Sとの 関係を見出すために, Fig.4 -3に実験より求めた各温度におけ る格子定数の 平衡値を, B-W理論から求めた平衡規則度の2乗 の関数としてプロ ットしたものを示す. X=O. 0における実験値 は, l07 3 Kから焼入れた不規則状態の格子定数である. また 実線は実 験値を用いて式( 4 - 1 )の仮定のも とに最小2乗法に より決定したつぎのA,Bの値を持つ直線である.

A=2.84957xl010m,

B=O.00322xlO-10m. (4 -3)

このグラフから本研究での温度領域ではP=A+BXが非常によく 成り伝っているといえる. なお, 本研究における平衡規則度Se の値は, 全てB-W理論より得られた次式で計算した.

Se(T)=tanh{ (T c/T)Se(T)}, (4 -4)

ただし, T cは規則一不規則変態温度である. この式(4 -4)より 得られ た平衡値Se (T)とGoman'kovら( 64)やEguchiら( 6 5 )

が中性子回折から求めたFeCo合金の規則度の実験値とを比較 すると, 高温領域ではほぼ一致するが, 800K以下の温度領域 では両者は大きく異なる. これは800K以下の温度における焼 鈍では, その平衡値に達するまでの時間がかなり長く, 彼らの 焼鈍時間, すなわち不規則領域から1 K Iminで降温し焼入れ温

- 49 -

(55)

P

=

A

+

BX

A=2.84957

X

10-10

m

2.8520

8=0.00322

x

10-10

m

2.851 5

2.8510

2.8495 0.0 2.8505

2.8500

εOF'OF\

RHC何一μωcoυ

ωυ一一戸一戸伺」

Q‘

0.8 X

0.6 Squared Degree of Order,

0.2 0.4

d d t e e n r

a a a 七 u

l

s qd u n s c 0 1ム c

a

C

la七七lce ヒhe

between Rela七lon

Fig.4-3

七he and 七empera七ure,

equilibrium room

a七 measured

s七a七e,

-50- 工n

七heory.

order B-W of 七he degree from

Table  1  Values  of  /J  I γ and  τ at  various  tempera七ures.

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