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日本における外資系生命保険会社の

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2009年度(3月修了)

早稲田大学大学院商学研究科

修 士 論 文

題 目

日本における外資系生命保険会社の

活動とその影響

研究指導 生命保険研究指導

指導教員 江澤 雅彦 先生

学籍番号 35081021

氏 名 崔 桓 碩

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1

日本における

外資系生命保険会社の活動とその影響

早稲田大学大学院 商学研究科

崔 桓碩

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2

概 要 書

グ ロ ー バ ル 化 時 代と とも に 、 ド メ ス テ ィッ クな 性 質 を 有 し て いる 保険 市 場 に お い て も 、 外 資系 の 参 入が ま す ま す 増加 し て いる 状 況 に あ る。 特 に 、日 本 の 生 命保 険 市 場 では 、 1972年から 外 資 系生 命 保険 会 社が 参 入 し、 日 系生 命 保険 会 社 と激 し い 競 争 を 行 って い る 。そ こ で 、 本 論文 の 目 的は 、 外 資 系 生命 保 険 会社 が 日 本 の生 命 保 険 市 場 に参 入 し た後 、 ど の よ うな 活 動 を行 い 、 そ れ が日 本 の 生命 保 険 市 場 や 日 系 生 命 保 険会 社 に 及ぼ し た 影 響 を分 析 す るこ と に あ る 。そ の 分 析の 仕 方 と して は 、 外 資 系 生命 保 険 会社 の 特 徴 を 見出 す た め、 日 系 生 命 保険 会 社 との 相 互 比 較を 行うことにした。

研究の方法は、まず、第2章では、外資系生命保険会社が参入した 1972年から、

デ ー タ の収 集 でき る 2007年 まで を 分析 の 期間に し 、 その 活 動を 検 討し た 。 次に 、 第3章では、生命保険会社の経営効率に関する 4つの指標を選定し、2001年から200 7年 ま で のデ ー タを 取り 上 げ 、 日系 生 命保 険会 社 と の 比較 分 析を 行っ た 。 第 4章 で は 、 第 2章と 第 3章で 調べ た 外 資 系生 命 保険 会社 の 特 徴 が、 既 存の 日系 生 命 保 険会 社に与えた影響を分析した。最後の第 5章では、その他に、外資系生命保険会社の 参 入 に よ る 保険 契 約 者の 利 害 に つ いて 分 析 した 。 そ こ で は、 外 資 系生 命 保 険 会社 に 対 す る 保 険監 督 官 庁の 規 制 や 特 定外 資 系 生命 保 険 会 社 が実 際 行 って い る 活 動を 調べた。

各章から得られた結果は以下のようである。

ま ず 、 第 2章 で 、 外 資系 生 命 保 険 会 社 の 活 動を 調 べ た 結 果 、 以 下 の 3つ の こ と が 分かった。

第1に、最初に参入した外資系生命保険会社は日本の政府により相当な規制を受 け て い た 。 そこ に は 、自 国 の 生 命 保険 産 業 を保 護 し よ う とす る 日 本の 保 険 監 督官 庁 の 意 志 が 強く 反 映 して い た も の で、 外 資 系生 命 保 険 会 社は こ の 規制 条 件 を 充足 しなければならなかった。

第2に、日本の生命保険産業における米国の影響力が大きく作用した。たとえば、

日 米 保 険 協 議で 米 国 が既 得 権 益 を 強く 主 張 した 結 果 、 外 資系 生 命 保険 会 社 は ある 程度シェアを確保することができた。

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第3に、外資系生命保険会社が新しい商品や独特な販売チャネルを導入して営業 を 始 め た 当 時は 、 確 実に 日 系 生 命 保険 会 社 に比 べ 良 好 な 成果 を あ げる こ と が でき た 。 し か し 、日 系 生 命保 険 会 社 も その シ ス テム を 導 入 し 始め る と 、外 資 系 生 命保 険会社のシェアが落ちる傾向をみせている。

次に、第3章では、各 3社(日系生命保険会社、損保系生命保険会社、外資系生命 保険会社)の経営効率を比較しながら、外資系生命保険会社の特徴を分析した。そ こで確認できたことは以下の3つである。

第1に、日系生命保険会社の場合、 経営効率全般が安定的な推移をみせている反 面 、 損 保 系 生命 保 険 会社 と 外 資 系 生命 保 険 会社 の 場 合 は 、景 気 に 敏感 に 反 応 する よ う に 、 大 幅の 増 減 率を み せ て い る。 そ の 理由 は 、 日 系 生命 保 険 会社 が 市 場 にお け る 確 固 た る基 盤 を 構築 し て い る こと に 対 し、 損 保 系 生 命保 険 会 社と 外 資 系 生命 保 険 会 社 は ニッ チ 市 場分 野 で 新 し い収 益 を 得る た め 、 激 しい 競 争 を行 っ た 結 果で あると考えられる。

第 2に 、 各 3社 の 経 営効率 を 分 析 し た結 果 、 外資 系 生 命 保 険会 社 の 場合 、 日 系 生 命 保 険 会 社と 損 保系 生命 保 険 会 社の 中 間的 な水 準 で 推 移し て いる こと が 分 か った。

第3に、2007年までの推移をみると、外資系生命保険会社の経営効率は日系生命 保 険 会 社 や 損保 系 生 命保 険 会 社 と とも に あ る程 度 、 一 定 の割 合 に 収束 し て い くこ とが分かった。それは、日本の生命保険業界が各 3社によって、新しい競争 の環境 に入っていったと解釈することができるだろう。

第4章では、 外資系生命保険会社が日系生命保険会社に与えた影響を分析しなが ら以下の3つのことが分かった。

第1に、商品面で、外資系生命保険会社は、日本の生命保険市場から新しい収益 を 上 げ る た め 、 既 存 の 日 系 生 命 保 険 会 社 が 行 っ て い な か っ た 「 第 3分 野 保 険 」 と

「 変 額 年 金 保険 」 に 集中 し て 進 出 した 。 そ れが 、 契 約 者 に生 命 保 険商 品 に 関 する 新しいニーズを生み出し、生命保険会社間の競争の心理を呼び起こした。

第2に、販売チャネル面で、外資系生命保険会社 は、日系生命保険会社の商品戦 略 に 対 し 、 「代 理 店 方式 」 、 「 店 頭販 売 」 、「 通 信 販 売 」と い っ た販 売 チ ャ ネル の 多 様 化 を 利用 し て 日本 の 保 険 市 場に 参 入 した 。 そ れ が 、日 系 生 命保 険 会 社 にお

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い て も 販 売 チャ ネ ル の多 様 化 を 促 進し 、 契 約者 の 選 択 の 幅を 広 く した こ と が 分か った。

第3に、資産運用面で、日系生命保険会社の場合、 外資系生命保険会社と比べて 比 較 的 に リス ク を よ り負 担 す る よう な 投資 を行 っ て い た。 そ れが 、バ ブ ル 崩 壊後 、 株 価 や 地 価 が著 し く 低下 し た 影 響 で含 み 益 の減 尐 と い う 低収 益 時 代を 迎 え 、 資産 運 用 の 仕 方 を安 定 的 に変 え な け れ ばい け な かっ た 。 そ の よう な 日 系生 命 保 険 会社 の 戦 略 転 換 は尐 な か らず 外 資 系 生 命保 険 会 社の 資 産 運 用 の戦 略 か らも 影 響 を 受け たともいえよう。

最後の第 5章では、日本の生命保険市場に外資系生命保険 会社が進出し、それに よ っ て 契 約 者の 利 害 関係 は ど の よ うに 変 化 して い る の か につ い て 分析 し た 。 その 結果、以下の3つのことが分かった。

第1に、契約者から集められた保険料 (すなわち、資本金 )は他の金融企業と比べ て も 莫 大 な 規模 で あ り、 公 共 性 の 強い 産 業 であ る だ け に 、不 払 い 問題 や 個 人 情報 の流出問題などが起こらないよう、徹底的な管理が実施されなければならない。

第2に、外資系生命保険会社の場合、日系生命保険会社とは異な って撤収の懸念 が 存 在 す る こと か ら 、契 約 者 の 保 護の た め に保 険 監 督 官 庁か ら の 適切 な 規 制 が必 要 で あ る こ とが 分 か った 。 そ れ と とも に 、 外資 系 生 命 保 険会 社 も 自ら 契 約 者 のた めの様々な取り組みを行わなければならない。

第3に、商品の個人設計が進んでいる中で、複雑化している商品の説明や企業に 関 す る 説 明 をデ ィ ス クロ ー ジ ャ ー や企 業 公 開を 通 じ て 徹 底し な け れば 、 契 約 者の 利 害 に 大 き な被 害 を 与え る 可 能 性 があ る と 同時 に 、 当 該 生命 保 険 会社 に も い い結 果がもたらされることはないといえよう。

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目 次

第1章 はじめに...9

第1節 研究の目的... 9

第2節 研究の方法... ...11

第2章 外資系生命保険会社の 活動...14

第1節 第1期(1973年~1994年)...14

1. 時代的背景... 14

2. 進出状況...15

3. 進出戦略...20

第2節 第2期(1995年~2007年)...27

1. 時代的背景... 27

2. 進出状況...31

3. 進出戦略...33

第3章 外資系生命保険会社の経営効率分析

...43

第1節 生命保険会社の経営目的...43

第2節 外資系生命保険会社の経営効率分析...44

1. 効率性指標... 46

2. 収益性指標...49

3. 成長性指標... 51

4. 安全性指標... 55

第3節 経営効率分析から得られた特徴 ...58

第4章 外資系生命保険会社の 日系生命保険会社に与える影響 ...59

第1節 商品...59

1. 従来の日系生命保険会社の商品戦略...59

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2. 外資系生命保険会社の影響...63

第2節 販売チャネル... 64

1. 従来の日系生命保険会社の販売チャネル戦略...64

2. 外資系生命保険会社の影響...65

第3節 資産運用... 66

1. 従来の日系生命保険会社の資産運用戦略...66

2. 外資系生命保険会社の影響...68

第5章 外資系生命保険会社の進出による契約者利害について ...70

第1節 生命保険における契約者の利害 ...70

第2節 外資系生命保険会社に対する保険監督官庁の規制 ...71

1. 免許...72

2. 供託...73

3. 資産の国内保有義務...73

第3節 外資系生命保険会社から発生した経営上の問題 ...74

1. 保険金不払い問題...74

2. 契約者個人情報の流出問題...76

第4節 契約者のための外資系生命保険会社の取り組み ...77

1. ディスクロージャー制度...78

2. 外資系生命保険会社の事例...79

第6章 終わりに...85

第1節 研究結果の要約...85

第2節 結論および今後の方向性...87

謝辞... 89

参考文献...90

添付資料...94

(8)

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図 表 目 次

<図表Ⅱ-1> 生命保険会社数の推移(1973年~1994年)...16

<図表Ⅱ-2> 第1期の外資系生命保険会社...17

<図表Ⅱ-3> 生命保険会社の収入保険料の推移 (1973年~1994年)...18

<図表Ⅱ-4> 外資系生命保険会社の主な販売商品と販売チャネル ...20

<図表Ⅱ-5> 外資系生命保険会社の販売チャネル数の推移 (1991年~1994年).22 <図表Ⅱ-6> 日系生命保険会社の販売チャネル数の推移 (1991年~1994年)...24

<図表Ⅱ-7> 外資系生命保険会社の資産運用の推移 (1991年~1994年)...25

<図表Ⅱ-8> 日系生命保険会社の資産運用の推移 (1991年~1994年)...26

<図表Ⅱ-9> 日系生命保険会社の経営破綻...31

<図表Ⅱ-10> 生命保険会社数の推移(1995年~2007年)...32

<図表Ⅱ-11> 生命保険会社の収入保険料の推移 (1995年~2007年)...33

<図表Ⅱ-12> 日系生命保険会社の個人保険新契約件数と保険種類別占率 (1995年~2007年)...34

<図表Ⅱ-13> 医療保険新契約成績表...35

<図表Ⅱ-14> 生命保険会社における変額個人年金の新契約金 額の比較...37

<図表Ⅱ-15> 生命保険会社における変額個人年金の 保有契約金額の比較....37

<図表Ⅱ-16> 外資系生命保険会社の販売チャネル数の推移 (1995年~2007年)... 39

<図表Ⅱ-17> 日系生命保険会社の販売チャネル数の推移 (1995年~2007年)..39

<図表Ⅱ-18> 外資系生命保険会社の資産運用の推移 (1995年~2007年)...40

<図表Ⅱ-19> 日系生命保険会社の資産運用の推移(1995年~2007年)...41

<図表Ⅲ-1> 生命保険会社の収支構造...45

<図表Ⅲ-2> 失効解約率比較...46

<図表Ⅲ-3> 事業費率比較...47

<図表Ⅲ-4> 資産運用率比較...49

<図表Ⅲ-5> ROA比較...50

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<図表Ⅲ-6> HARDY利回り比較...51

<図表Ⅲ-7> 新契約率比較...52

<図表Ⅲ-8> 保有契約増加率比較...53

<図表Ⅲ-9> 総資産増加率比較...54

<図表Ⅲ-10> 保険金支給率比較...55

<図表Ⅲ-11> ソルベンシー・マージン比率比較 ...57

<図表Ⅳ-1> 日系生命保険会社の個人保険新契約件数と保険種類別占率 (1973年~1994年)...61

<図表Ⅴ-1> ディスクロージャー誌の主な内容 ...79

<図表Ⅴ-2> アリコジャパンの保険金等の支払い体制...80

<図表Ⅴ-3> アフラックの保険金等の支払い体制...81

<図表Ⅴ-4> アクサの保険金等の支払い体制...83

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第1章 はじめに

第1節 研究の目的

「 保 険 と は 、 特 定 の 偶 然 事 故 に 関 連 す る 経 済 上 の 不 安 定 を 除 去 ・ 軽 減 す る ため に 、 多 数 の 個別 経 済 主体 が 結 合 し 、合 理 的 計算 に 基 づ く 拠出 に よ って 、 計 画 的に 共通準備財産を形成する経済制度である」1という定義からも考えられるように、

保険は大きく分けて、経済的保障機能と金融機能の2つの機能をもっている。

第1に、経済的保障機能とは、多数の個別経済主体に財産の喪失や異常な費用と い っ た 経 済 的損 失 が 発生 し た と き 、保 険 金 をも っ て 、 そ れを 最 小 限に 抑 え る こと で あ る 。 た とえ ば 、 生命 保 険 の 場 合、 家 計 を支 え る 世 帯 主が 死 亡 した 時 、 そ れま で の 生 活 水準 を 維持 する た め に 必要 な 資金 を保 障 (死 亡保 険 )し、 また 、 定 年 後と か 一 定 期 間生 存 する 場合 に 必 要 な資 金 を保 障 (生 存 保 険)し て いる 。こ の 経 済 的保 障機能が保険の本質的機能であるといえる。

第2に、金融機能とは、多数の個別経済主体から集められた保険料を将来、保険 金 ・ 年 金 な どの た め に、 安 全 性 の 原則 、 収 益性 の 原 則 、 公共 性 の 原則 、 流 動 性の 原則といった4つの基本原則に基づいて、投資・運用することである。保険金の支 払 い は 常 に 事後 に な るた め 、 収 受 した 保 険 料の 額 が 適 切 であ っ た か否 か は 事 後的 に し か 確 定 しな い 。 この よ う に 保 険は 将 来 の不 測 の 出 来 事を 対 象 とす る 事 業 であ る か ら 、 保 険料 を 長 期に わ た っ て 安定 的 に 運用 す る た め には 高 度 な技 術 と 経 験が 必要となる。

す な わ ち 、 保 険 は そ の 経 済 的 保 障 機 能 や 金 融 機 能 を 通 じ て 個 人 生 活 や 企 業 活動 の安定や向上に重要な役割を担っている2。そのため、保険事業は国民の生活に深 く浸透しているといえよう。

1 江 澤 [2007]p.21参 照。

2 た とえ ば、 個 人生 活にお け る保 険の 役割 とし ては ① 生活 の安 定、 ②精 神的 な 安心 、③ 信 用 の 補完 、④ 資産 の形 成、 ⑤ 損害 サー ビス 、そ の他 各 種の 付随 サー ビス の提 供 を挙 げる こ と が でき 、企 業活 動に とっ て の保 険の 役割 とし ては ① 企業 活動 の安 定、 ②危 険 への 準備 の 経 費 化、 ③事 業拡 大へ のサ ポ ート 、④ 信用 の補 完、 円 滑な 取引 の補 完、 ⑤販 売 の促 進、 ⑥ 企 業 内福 祉の 向上 を挙 げる こ とが でき る (中 出[2007]pp.9~ 14)。

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そ こ で 、 保 険 が 供 給 さ れ る 市 場 は 非 常 に 重 要 で あ り 、 そ の 市 場 は 多 数 の 保 険会 社 の 参 入 に より 成 立 し、 お 互 い の 競争 に よ り成 長 し て い く。 も ち ろん 、 競 争 には コ イ ン の 両 面の よ う に長 所 と 短 所 が存 在 す る。 た と え ば 、競 争 が 行わ れ る こ とに よ っ て 、 各 々の 保 険 会社 は 収 益 を 上げ る た め、 契 約 者 の ニー ズ に 合致 す る 高 度の 保 険 商 品 を 開発 す る こと や コ ス ト 削減 と い った 企 業 の 効 率化 に 集 中す る こ と にな る 。 そ れ が 保険 契 約 者の 利 益 に つ なが り 、 保険 市 場 は 国 民経 済 の 発展 に 大 き く寄 与すると考えられる。

そ の 反 面 、 競 争 が 激 し く な れ ば な る ほ ど 、 そ の 中 で 生 き 残 る こ と が で き な い保 険 会 社 は 破 綻し て し まっ た り 、 不 払い 問 題 等を 起 こ し て 、契 約 者 に被 害 を 及 ぼす 恐れがある。

そ れ で 、 特 に 、 保 険 の 場 合 は 、 多 数 の 個 別 経 済 主 体 に 対 し 、 長 い 期 間 契 約 が持 続 す る 目 に 見え な い 商品 で あ る た め、 規 制 の必 要 性 が 高 いと い え よう 。 ま た 、 こ のような特性上、保険事業は一般事業と比べてきわめて公共性が強いといえる。

し た が っ て 、 日 本 で は 保 険 業 法 に よ り 保 険 事 業 開 始 時 に 免 許 主 義 が 採 用 さ れ、

事 業 開 始 後 も厳 し く 監督 が な さ れ てい る 。 保険 制 度 は 適 切に 運 営 され な け れ ば破 綻 す る 危 険 が高 く 、 破綻 し た 場 合 には 、 保 険料 を 予 め 拠 出し た 個 人や 企 業 が 被害 者 と な る 。 そし て 、 市場 の 競 争 に 委ね た だ けで は 適 切 な 運営 が 図 れる と は い えな い 。 こ の よ うな 状 況 にお い て は 、 でき る だ け事 業 破 綻 を 回避 し 、 長期 に わ た って 健全かつ適切に制度が運営される仕組みが必要となる3

と こ ろ で 、 競 争 を 通 じ た 保 険 市 場 の 効 率 的 な 成 長 は 、 保 険 契 約 者 は も ち ろ ん、

保 険 会 社 に もよ い 結 果を も た ら す 。そ し て 、保 険 市 場 を めぐ る 競 争は 国 内 保 険会 社 同 士 の みで 行 われ るも の で は なく 、 外資 系保 険 会 社 の参 入 によ って も 行 わ れる 。 た と え ば、 日 本で は 、生 命 保 険会 社 の場 合 、 1972年か ら 外資 系 生命保 険 会 社が 参 入し、日系生命保険会社と競争している。

そ の 中 で 、 保 険 の ド メ ス テ ィ ッ ク な 性 質 を 考 え て み る と 、 果 た し て 保 険 市 場に お い て も 外資 系 の参 入 (存 在 )が必 要 で ある のか に つ い て疑 問 が生 じる 。 特 に 、生 命 保 険 の 場 合は そ の 国の 生 命 表 に 基づ い て いる た め 、 国 際化 に 馴 染み が た い 面が ある。

3 中 出 [2007]pp.101~103参 照 。

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そ れ に も か か わ ら ず 、 外 資 系 の 参 入 が 必 要 で あ れ ば 、 そ の 理 由 は 何 で あ ろ う か 。 ま た 、 受 入 れ国 と 外 資系 保 険 会 社 には そ れ ぞれ ど の よ う な目 的 が あり 、 外 資 系保 険 会 社 の 進 出が 受 入 れ国 に ど の よ うな 影 響 を及 ぼ す か を 確認 す る こと が 重 要 であ る 。 そ こ で 、本 論 文 では 、 外 資 系 保険 会 社 が受 入 れ 国 の 保険 市 場 にど の よ う な影 響 を 与 え た かを 調 べ るた め 、 日 本 にお け る 外資 系 生 命 保 険会 社 の 活動 と そ の 影響 について分析することにしたい。

そ れ と と も に 、 本 論 文 を 通 じ て 、 保 険 制 度 が も つ 意 味 を 明 ら か に し 、 将 来 の保 険産業のあるべき姿を探ることにしたい。

第2節 研究の方法

最 初 に 、 本 論 文 の 中 で 言 及 す る “ 外 資 系 ” の 意 味 を 明 ら か に し た い 。 現 在 、日 本 に お い て 「 外 国 生 命 保 険 業 免 許 」 を 取 得 し て い る 生 命 保 険 会 社 は 、 ア メ リ カ ン ・ ラ イ フ・ イ ンシ ュア ラ ン ス ・カ ン パニ ー (以 下 、 アリ コ ジャ パン )、 ア メリ カ ン・ファミリー・ライフ・アシュアランス・カンパニー・オブ ・コロンバス (以下、

アフラック)、チューリッヒ・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッ ド (以 下 、 チ ュ ー リ ッ ヒ )、 カ ー デ ィ フ ・ ア シ ュ ア ラ ン ス ・ ヴ ィ (以 下 、 カ ー デ ィ フ)の4社である。この 4社はいずれも支店形態で、これらが外資系生命保険会社で あることは明白である。

一方、それ以 外にも金 融庁の資料4によれば、 外資系生命保 険会社を 株式の保有 比 率 に よ っ て広 い 範 囲で 捉 え て い る。 添 付 資料 の 「 生 命 保険 会 社 一覧 表 」 か らも 分 か る よ う に、 日 本 にお け る 生 命 保険 会 社 を大 き く 「 国 内社 」 と 「外 社 」 に 分け て分類している。さらに、「国内社」は、「国内生保系5」、「外資系」、「損保 系 」 に 分 け られ て い る。 こ れ ら の 分類 は 、 伝統 的 な 相 互 会社 形 態 であ る 生 命 保険 会 社 6社6と 日 本 国 内 の 生 命 保 険 会 社 の 株 式 保 有 比 率 が 50%を 超 え る 会 社 の 場 合 は

「国内生保系」、外資系の株式保有比率が 50%を超える会社の場合は「外資系」、

4 金 融 庁 が 2008年 9月 16日 に 発 表 し た 「 最 近 の 保 険 を 巡 る 諸 状 況 に つ い て 」 の 資 料 に 記 載 さ れ てい る“ 生命 保険 会社 一 覧表 ” を 参照 。論 文の 末 尾に 参考 資料 とし て添 付 した 。

5 「 生命 保険 一 覧表 」に お い て、 「外 資系 」と 「損 保 系」 以外 の会 社に つい て は、 正式 な 名 称 がつ い て いな いた め、 本 論文 では これ らを 「国 内 生保 系」 と呼 ぶこ とと す る 。

6 日 本に おい て 伝統 的な生 命 保険 相互 会社 は、 日本 生 命、 第一 生命 、明 治安 田 生命 、住 友 生 命 、朝 日生 命、 富国 生命 の 6社 であ る 。

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損害保険会社の株式保有比率が 50%を超える会社の場合は「損保系」としている。

2008年6月30日現在では国内生保系18社、外資系13社、損保系子会社9社、外社4社 が日本で営業を行っている。

そ こ で 、 こ の よ う な 金 融 庁 の 区 分 に 基 づ い て 、 本 論 文 で は 、 外 資 系 生 命 保 険会 社を広い意味に採り、①「外国生命保険業免許」を取得した生命保険会社 4社と、

② 外 資系 に よる 株 式保有 比 率が 50% を 超え る生 命 保険 会 社 13社、 合計 17社を 外 資 系 生 命 保 険 会社 と し て定 義 す る こ とに す る 。ま た 、 「 国 内生 保 系 」と 「 損 保 系」

を併せて「日系」と呼ぶことにする。

本論文の構成は次の通りである。 まず、第2章では、日本の生命保険市場に参入 し た 外 資 系 生命 保 険 会社 の 活 動 に つい て 検 討す る 。 日 本 にお け る 外資 系 生 命 保険 会 社 の 参 入 はす で に 戦前 に も な さ れて い た が 、 当 時 は 、 日本 に 居 住し て い た 外国 人 の み を 対 象に 営 業 を行 っ た 。 そ れで 、 本 論文 で 検 討 し よう と す る外 資 系 生 命保 険 会 社 の活 動 に関 し ては 、 日 本人 向 けの 営 業を 始 め るよ う にな っ た 1973年か らデ ー タ を 収集 す るこ と がで き る 2007年ま で 調べる こ と にし た 。そ の 中で も 特 に 、 外 資 系 生命 保 険会 社 の進出 に 大き な 変化 が 見られ る 1995年度 を 区 切 りの 時 点 と し て、

①第1期 (1973年 ~ 1994年)と② 第2期 (1995年 ~2007年)に分け て考 察するこ とにす る。

第 3章 で は 、 第 2章 で 調 べ た 外 資 系 生 命 保 険 会 社 の 活 動 が 日 系 生 命 保 険 会 社 と ど の よ う に 異 なり 、 そ れが 経 営 成 果 にど の よ うな 影 響 を 及 ぼし て い るの か を 分 析す る。そのため、生命保険会社の経営効率に関する 4つの指標を選定し、2001年から 2007年ま で のデ ー タを取 り 上 げ、 日 系生 命 保険 会 社 との 比 較分 析 を行 っ た 。 す な わ ち 、 こ の章 で 、日 系生 命 保 険 会社 と 外資 系生 命 保 険 会社 と の相 互比 較 を 通 じて 、 外資系生命保険会社の活動を明らかに分析することが目的である。

第4章では、 外資系生命保険会社の参入が本格化される前 に従来行われた日系生 命 保 険 会 社の 活 動 を 分析 す る 。 そし て 、 第 2章 と 第 3章で 分 析し た外 資 系 生 命保 険 会社の活動が日系生命保険会社にどのような影響を与えたかを分析する。

第5章では、 外資系生命保険会社の参入による契約者の利害について述べる。ま ず は 、 公 共 性の 強 い 生命 保 険 産 業 にお い て 契約 者 の 利 益 を保 護 す るた め 、 保 険監 督 官 庁 は ど のよ う に 外資 系 生 命 保 険会 社 を 規制 し て い る のか に つ いて 調 べ る 。そ の 次 に 、 実 際、 発 生 した 外 資 系 生 命保 険 会 社の 経 営 上 の 問題 を 紹 介し 、 契 約 者の

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ための外資系生命保険の取り組みについて事例をあげて分析することにする。

第6章では、以上の章の内容をまとめながら、 得られた結論を整理し、 外資系生 命保険会社の進出による影響を総合的に分析する。

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第2章 外資系生命保険会社の活動

日 本 に お い て 初 め て 、 外 資 系 生 命 保 険 会 社 が 日 本 人 向 け の 営 業 を 開 始 し た の は 、 1972年 12月 に アリ コ ジャ パ ンが 政 府か ら 免許を 取 得し て から で ある。 そ の以 後 、 外 資 系 生命 保 険会 社 の数 は 着 実に 増 加し 、 現在 は 合 計 17社が 営 業を開 始 し てい る。

そ の 中で 、 1972年 から現 在 に至 るま で 、 保 険業 界 には ①1995年 度の保 険 業法 の 改 正 、 ②1996年度 の 金融ビ ッ グバ ン、 ③ 1997年度 か らの 日系 中 堅生 命保 険 会社 の 破 綻という大きな事件が発生した。

そ こ で 、 本 論 文 で は 、 そ の 事 件 が 起 こ っ た 時 期 を 中 心 に 、 日 本 に お け る 外 資 系 生 命 保 険 会社 の 活動 を大 き く 2つに 分 けて 考察 す る 。 その 第 1期 の区 分 は 、 外資 系 生 命 保 険会 社 が初 め て日 本 人 向け の 営業 を 開始 し た 1973年か ら 、事 件 が 起 こる 前 の1994年までとする。第2期はその以後の1995年から、2007年までとする。その中 でも、特に、本論文では第2期に焦点を当てて検討する。以下ではこの区分に 基づ き、それぞれの外資系生命保険会社の活動を述べることにしたい。

第1節 第1期(1973年~1994年)

1. 時代的背景

日本は1964年 4月、OECD(経済協力開発機構 )に加盟したことにより、 OECDにおけ る 保 険 自 由 化の 方 向 に対 し て も 業 界と し て 関心 を 持 た ざ るを 得 な くな っ た 。 この よ う な 情 勢 下に お い て生 命 保 険 業 界と し て は 、 自 由 化 の 早期 到 来 を避 け る た め 、 事業の特殊性を訴えてその慎重な取扱を要望していた 。それに応じて1967年6月の 外 資 審 議 会 の答 申 で は、 生 保 事 業 が非 自 由 化業 種 と さ れ 、当 面 し た資 本 自 由 化の 影 響 を 避 け るこ と が でき た 。 し か し、 生 命 保険 協 会 で は 、保 険 自 由化 と 生 命 保険 に 関 する 研 究を 続 けてお り 、一 方 、 1968年 11月 に は重 ね て取 扱 の慎重 処 理を 当 局 に要望した7

7 『 昭和 生命 保 険 史 料』第 7券成 長期 [昭和 50年 ]p.1067お よび 『 生命 保険協 会 70年 史』 [昭 和 53年]p.753参照

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外 資 審 議 会 は 1969年 2月 、 第 2次 資 本 自由 化に 関 す る 答 申 を 行っ た。 こ れ に 基 づ い て 、 第 1類 (50%自 由 化 業 種 )135業 種 、 第 2類 (同 100%業 種 )20業 種 で 合 計 155業 種 (第 1類 か ら第 2類 への昇 格 を含 める と 167業種 )が第 2次資 本自 由化の 業 種と して 指 定され、同年3月から実施された。1967年7月の第1次資本自由化の業種選定時に見 送られた保険事業は、この第2次において、50%業種として指定された8

そ の 一 方 で 、 責 任 準 備 金 積 立 の 充 実 化 、 商 品 個 別 化 、 経 理 基 準 の 統 一 な ど が行 わ れ 、 ま た、 生 命保 険会 社 の 経 営効 率 化、 競争 力 の 強 化が 推 進さ れた 。 そ の 上で 、 保険審議会による外資系の進出に関する諸問題の検討 (1972年答申「国際化の進展 による保険商品の諸問題」)を経て戦後最初に市場国際化への準備体制が整 備され た9

そ れ と と も に 、 外 資 系 生 命 保 険 会 社 に よ る 日 本 人 向 け の 営 業 が 開 始 さ れ 、 日 本 の 保 険 業 界 も主 と し て外 国 保 険 会 社と の 業 務提 携 を 中 心 に国 際 団 体保 険 ・ 再 保険 などへ進出していった。10

2. 進出状況

日 本 に お い て 外 資 系 の 生 命 保 険 会 社 が 日 本 人 向 け の 営 業 を 開 始 す る よ う に な っ た の は、 1972年 12月にア リ コジ ャ パン が 政府か ら 免許 を 取得 し て 以降 で ある 。 ア リ コ ジャ パ ンは ア リコの 日 本支 社 であ り 、アリ コ は世 界 130数カ 国で 展 開す る AIG (American International Group)の中核 生 命保険会社であ る 。ま た、アリコ ジャ パンはもともと、 1954年9月に外国保険事業者法(外者法)に基づいて日本支店を開 設 し 、 外 国 人対 象 の ドル 建 て 営 業 で免 許 取 得、 営 業 を 開 始し て い た。 そ れ が 上述 の資本自由化により、営業の転換をもたらしたと見なされる。その翌年 の1974年1 0月にアフラックも日本支店として 、日本人対象の円建て営業で 、免許を取得した。

し か し 、 < 図 表 Ⅱ -1> で も 見 ら れ る よ う に 、 資 本 の 自 由 化 が 行 わ れ た 後 も 、 外 資 系 生 命保 険 会社 の 参入 が 大 きく 増 える こ とは な か った 。 アリ コ ジャ パ ン が 1973 年 に 営 業を 開 始し て から 1988年 ま では 、 外資系 生 命 保険 会 社の 参 入が 徐 々 に増 加

8 宇 佐見 憲治 [1984]pp.436~ 440参 照。

9 企 画調 査部 [1985]pp.36~ 37参照 。

10 庭 田 [1978]p.252参照 。

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したが、その後、 4社が日系生命保険会社に組織変更した。その結果、1994年の時 点において、外資系生命保険会社はわずか5社に過ぎなかった。

<図表Ⅱ-1> 生命保険会社数の推移(1973年~ 1994年)

出 典)イ ンシ ュアラ ン ス生 命 保 険統 計号 によ り 作成 。

そこで、その理由を調べるため、 <図表Ⅱ-2>では、第 1期に参入した外資系生 命 保 険 会 社 を整 理 し 、 さ ら に 時 期 別に 細 分 化し て 、 外 資 系生 命 保 険会 社 に ど のよ うな変化があったのかについて考察した。

<図表Ⅱ-2>のように、第1期をさらに前期と後期に区分した理由は、前期と後 期 の 間 に 、 外資 系 生 命保 険 会 社 に 対す る 監 督官 庁 の 著 し い認 可 基 準の 相 違 と 、国 際化に対する政策上の変化を明らかにみることができるためである。

まず、前期の 3社における認可基準は基本的条件ともいえる「財務健全性」に加 え て 、 マ ーケ テ ィン グ方 法 (商 品・ 販 売方 法な ど )で の「 特 異性 」を 持 つ こ とが 要 求 さ れ た 。 すな わ ち 、 日 系 生 命 保 険会 社 に はな い 、 あ る 程度 の 独 創的 あ る い は新 しい経営方法を必要としたものである。それで、 3社の内、アリコ ジャパンとアフ ラ ッ ク は 商品 面 で、 西武 オ ー ル ステ ー トは 販売 方 法 面 (百 貨 店で の店 頭 販 売 )で そ れぞれ認可基準を充足し、進出した11

11 企 画調 査部 [1985]p.37参 照 。

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<図表Ⅱ-2> 第1期の外資系生命保険会社12

会 社 名 形 態

進 出

参 考 免 許 営 業

開 始

前 期

ア リ コジ ャパ ン 支 店 1972.12 1973.02 現 在 に至 る ア フ ラッ ク 支 店 1974.10 1974.11 現 在 に至 る 西 武 オー ル

ス テ ート

現 地

法 人 1975.12 1976.01 AIGエジ ソン に 社名 変更 (2004年)

後 期

コ ン バイ ンド 支 店 1981.12 1982.04 ピ ー シー エー に社 名変 更 (2001年 )

I.N.A 現 地

法 人 1982.02 1982.04 損 保 ジャ パン ひま わり に社 名 変更 (2002年 )、 日 系生 保系に 移 る オ マ ハ 支 店 1985.10 1985.11 オ リ ック スに 社名 変更 (1991年 )、

日 系 生保 系に 移る ナ シ ョナ ル ・

ラ イ フ 支 店 1986.03 1986.04 INGに社 名変 更 (1997年 ) エ ク イタ ブル 現 地

法 人 1986.10 1986.10 ア ク サフ ィナ ンシ ャル に社 名 変 更 (2008年 )

プ ル デン シャ ル 現 地

法 人 1988.02 1988.04 現 在 に至 る

ア ク サ 現 地

法 人 1994.10 1995.04 現 在 に至 る 出 典 ) イ ンシ ュア ラン ス生 命 保険 統計 号に より 作成 。

注 )上記 以外 に Occidental生 命が 1972年 8月 に平 和生 命 と合 作に よる 販売 会社 を 設立 、 1975年12月に は支 店 開 設の 内 免許 取得 し、 1976年4月 に営 業開 始 の予 定だっ た が、 実現 に は 至ら なか った 。

し か し な が ら 、 後 期 の 外 資 系 生 命 保 険 会 社 の 進 出 に 当 た っ て 監 督 官 庁 の 規 制 は 、 こ の 「 独 特 なマ ー ケ ティ ン グ 方 法 」と い う 条件 か ら 、 そ の進 出 が 「契 約 者 の 利益 を損しない」という一般的で、極めて抽象的な条件に変わった。

12 表 の中 には 空 間の 制約に よ り、 外資 系生 命保 険会 社 の 略 称を 記載 した 。各 生 命保 険会 社 の 正式 名称 は次 のよ うで あ る。 「西 武オ ール ステ ー ト →西 武 オ ー ルス テー ト 生命 保険 株 式 会 社」 、「 コン バイ ンド →コ ン バ イ ンド ・イ ンシ ュ アラ ンス ・カ ンパ ニー ・ オブ ・ア メ リ カ 」、 「 I.N.A→I.N.A生 命 保険 株式 会社 」、 「オ マ ハ →ユ ナ イ テ ッド ・オ ブ ・オ マハ ・ ラ イ フ・ イン シュ アラ ンス ・ カン パニ ー」 、「 ナシ ョ ナル ・ラ イフ →ナ シ ョ ナ ーレ ・ネ ー デ ル ラン デン 生命 保険 会社 N.V.」 、「 エク イタ ブル →エ ク イ タ ブル 生命 保険 株 式会 社」 、

「 プ ルデ ンシ ャル →プ ル デ ン シャ ル生 命保 険株 式会 社 」、 「ア クサ →ア ク サ 生 命保 険株 式 会 社 」、 「 AIGエジ ソン→AIGエ ジ ソ ン 生命 保険株 式 会社 」、 「ピ ーシ ーエ ー →ピ ー シ ー エ ー 生 命保 険株 式会 社」 、「 損 保ジ ャパ ンひ まわ り→損 保 ジ ャ パ ンひ まわ り生 命 保険 株式 会 社 」 、「 オリ ック ス →オ リ ッ クス 生命 保険 株式 会社 」 、「 ING→ING生 命 保険 株 式会 社」 、

「 ア クサ フィ ナン シャ ル→ア ク サ フ ィ ナン シャ ル生 命 保険 株式 会社 」 。 以下 に 再び 出る 同 社 名 に関 して は略 称で 表示 す る。

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す な わ ち 、 監 督 官 庁 の 規 制 を み れ ば 、 外 資 系 生 命 保 険 会 社 に 対 す る 営 業 免 許 の 基 本 方 針 は 日系 生 命 保険 会 社 と 同 一の 条 件 の下 で 審 査 を 受け 、 免 許を 取 る こ とが 原 則 で あ っ た。 進 出 形態 別 に み る と、 現 地 法人 は 保 険 業 法に よ っ て 日 系 生 命 保険 会 社 と 同 一 に承 認 し 、支 店 は 外 国 保険 事 業 者に 関 す る 法 律に よ っ て承 認 し 、 駐在 員 事 務 所 は別 途 の基 準な し に 金 融庁 (当時 の大 蔵 省 )の審 査 を経 てか ら 承 認 して い る 。 法 的 な 拘束 力 を 調べ た 結 果 、 外資 系 生 命保 険 会 社 へ の監 督 は 日系 生 命 保 険会 社と同じく、実際的にも特に変わっていることはなかった。

こうした中で、生命保険 ・損害保険業界 を通じて初めて 、 100%外資による現地 法人という形態での進出(I.N.A生命)にも認可が与えられるに至った13

こ の 外 資 系 生 命 保 険 会 社 に 対 す る 認 可 基 準 の 変 更 理 由 は 明 確 に さ れ て い な い が 、 外 資 系 生 命 保険 会 社 に対 し て 独 創 的な 営 業 方法 を 要 求 す るこ と は 当時 の 「 外 国保 険事業者に関する法律」の第 1条に掲げた国内業者との「衡平の条件」に矛盾し、

日 系 生 命 保 険会 社 と 外資 系 生 命 保 険会 社 間 の不 平 等 な 取 り扱 い と いう 印 象 を 与え た。

<図表Ⅱ-3> 生命保険会社の収入 保険料の推移(1973年~1994年) (単 位 : 兆 円 )

出 典 )イ ンシ ュ アラ ンス生 命 保険 統計 号に より 作成 。

13 企 画調 査部 [1985]p.37参 照 。

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それとともに、第1期に参入した外資系生命保険会社が日本の生命保険市場に占 め る シ ェ ア を確 認 す るた め 、 収 入 保険 料 を 基準 と し 、 そ の推 移 を グ ラ フ 化 し てみ た。<図表Ⅱ-3>はこの第1期での日系生命保険会社と外資系生命保険会社との収 入 保 険 料 を 比較 し た ので あ る 。 こ の図 表 か ら同 時 期 に お ける 日 系 生命 保 険 会 社と 外資系生命保険会社との間には著しい差異がみられる。

こ の 図 表 を 見 る と 、 日 系 生 命 保 険 会 社 の 場 合 、 収 入 保 険 料 は 1989年 ま で 急 速 に 増 加 し た 反 面、 外 資 系生 命 保 険 会 社は ほ と んど 横 ば い 状 態で 、 徐 々に し か 伸 びて いない14。このような現象が起こった原因としては、①保険契約者が日系生命保険 会 社 の 商 品 をよ り 選 好 し て い た こ と、 ② ま た、 日 系 生 命 保険 会 社 の主 力 販 売 チャ ネ ル で あ る 女性 中 心 の 営 業 職 員 の 交渉 力 が 大き か っ た こ と 、 ③ 何 より も 、 大 きく 影 響 し た の は、 政 府 によ る 護 送 船 団体 制 の 下で 、 前 述 の 通り 、 外 資系 生 命 保 険会 社 に 対 し て は「 財 務 健全 性 」 、 「 マー ケ テ ィン グ 方 法 に おけ る 特 異性 」 と い った 認 可 条 件 を 付け る こ とに よ っ て 、 相対 的 に 日系 生 命 保 険 会社 を 保 護し て い た こと などを挙げることができる。

実に、この第 1期にお いての商品や販売チャネル面を比較してみると、日系生命 保 険 会 社 の 方が 外 資 系生 命 保 険 会 社よ り 、 優位 性 を 持 っ てい る こ とが 分 か る 。た と え ば 、 商 品面 を 見 ると 、 外 資 系 生命 保 険 会社 の 場 合 、 商品 の 数 が尐 な く 、 「ガ ン 保 険 」 の よう な 特 定の 商 品 に 集 中し て い た。 し か し 、 当時 の 日 本人 に は “ この よ う な こ とま で 保険 を付 け る も のか ” とい う認 識 が 強 かっ た よう であ る 。 し かも 、 貯 蓄 を 好 むと 言 われ る日 本 人 は 、い わ ゆる 掛け 捨 て の 保険 に はあ まり 関 心 が なく 、 一 時 払 い 養老 保 険の よう な 貯 蓄 性の 高 い商 品が 好 ん で 購入 さ れた 。そ れ と と もに 、 当 時 の 監 督官 庁 (大 蔵省 )の 規 制は 、 日系 の中 小 生 命 保険 会 社を 保護 す る と いう 名 の下に、商品内容や保険料率を横並びにするものであった。

ま た 、 販 売 チ ャ ネ ル に お い て 、 外 資 系 生 命 保 険 会 社 は 大 卒 の 男 子 営 業 社 員 を

「 ラ イ フ ・ プラ ン ナ ー」 と し て 雇 用し 、 顧 客の ニ ー ズ に 一致 す る 商品 設 計 を 行わ

14 < 図 表 Ⅱ-3> に 関 し て 以 下 で 述 べ る 政 府 の 規 制 以 外 に も 、 一 般 的 に 、 保 険 と 経 済 と の 関 係 につ いて 1つの 説を紹 介 した い。 GDPと 国民一 人 当た りの 保険 料支 出と の 間に は、 一般 に S字カ ーブ が 存在 してい る とい われ てい る。 一人 当 たり の GDPが1000ドル を 超え ると 、保 険 料 支 出 が GDPの 成 長 を は る か に 上 回 る ス ピ ー ド で 増 加 し 、 そ れ が 2 万 ド ル 程 度 に 達 す る と ま た緩 やか にな ると いう 現 象が 観察 され る。 これ は 経済 成長 に伴 う保 険価 値 やリ スク 量 そ の もの の増 加、 企業 や個 人 がよ り多 くの 保険 を買 う よう にな るこ と、 保険 料 の値 上が り 等 、 経済 成長 と保 険が 密接 に 関連 して いる から であ る 。

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せ 、 高 度 の サー ビ ス を提 供 さ せ た 。し か し 、 日 系 生 命 保 険会 社 に よっ て 大 量 に導 入された女性営業職員の数の力には及ばなかった。

以上のことを考慮すると、この第 1期の外資系生命保険会社は、まだ日本の生命 保 険 市 場 にお け る構 成メ ン バ ー とし て 見る べき 影 響 力 を持 っ てい たと は い え ない 。 し か し 、 い ずれ に せ よ、 日 本 の 生 命保 険 業 界へ の 進 出 を 決め 、 新 しい 変 革 の 波を 引 き 起 こ し たの は 確 かで あ る 。 以 下、 こ の 時期 に お け る 外資 系 生 命保 険 会 社 の進 出戦略について考察することとしたい。

3. 進出戦略

外 資 系 企 業が 海 外 に進 出 す る に は、 そ の 対象 国 に お け る既 存 の ライ バ ル 企 業よ り も 何 ら か の面 で 優 位性 を 持 っ て いな け れ ばな ら な い 。 もし 、 そ の優 位 性 を 持っ て い な け れ ば、 進 出 国に お い て 一 定の 地 位 を占 め る こ と が で き な い。 ま た 、 その 優位性をどのように生かして利益を上げるのかが重要なポイントである。

<図表Ⅱ-4> 外資系生命保険会社の主な販売商品と販売チャネル 会 社 名 主 な 販 売 商 品 主 な 販 売 チ ャ ネ ル ア リ コジ ャパ ン 無 配 当保 険 (定 期、 変額・

終 身 保険 )、 医 療保 険

代 理 店、 専 業 営業 職員 、 店 頭 販売 、通 信販 売 ア フ ラッ ク 新 ガ ン保 険、 ガン 定期 保険 、

痴 呆 介護 保険 代 理 店

西 武 オー ルス テー ト 無 配 当保 険 (終 身保 険中心 ) 専 業 営業 職員 、店 頭販 売 コ ン バイ ンド 交 通 事故 傷害 給付 金付 定期 保 険、

交 通 傷害 給付 金付 災害 割 増 定 期保 険 男 子 専業 営業 職員 INA 無 配 当保 険 (終 身・ 定期保 険 中心 ) 代 理 店(損保 代 理店 ) オ マ ハ 無 配 当保 険 (定 期・ 年齢群 団 別定 期

保 険 )、 医療 保 険 代 理 店、 通信 販売 ナ シ ョナ ル・ ライ フ 医 療 保険 、無 配当 保険 (終 身 ・

定 期 ・連 生年 金保 険 ) 代 理 店 エ ク イタ ブル 変 額 終身 保険 、変 額有 期保 険 専 業 営業 職員 プ ル デン シャ ル 無 配 当保 険 (終 身保 険中心 ) 専 業 営業 職員 ア ク サ 無 配 当保 険 (終 身・ 定期保 険 中心 ) 代 理 店、 通信 販売

出 典 ) 『 生命 保険 新実 務講 座 、第 3巻 』 、p .248よ り 作成 。

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外 資 系 生 命 保 険 会社 の場 合 は 、 「 商 品 」、 「販 売 チ ャ ネ ル 」 、そ して 「 資 産 運 用」の面で日系生命保険会社とかなり異なった経営戦略を策定している。

< 図 表 Ⅱ-4> は 第1期 に お け る 外 資 系 生 命 保 険 会 社 の 主 な 販 売 商 品 と 販 売 チ ャ ネルを整理したものである。そこで以下では、各戦略について分析する。

(1)商品

前 期 に お い て 外 資系 生命 保 険 会 社 の 進 出を 認可 す る 際 、 商 品 の独 自性 は 監 督 官 庁の判断基準の1つともなっていたことより15、外資系生命保険会社の競争戦略の 中 心 は 、 独 自性 の あ る商 品 の 販 売 とそ れ に 基づ く 顧 客 セ グメ ン ト の創 造 で あ ると 理 解 で き る 。す な わ ち、 外 資 系 生 命保 険 会 社は 、 日 系 生 命保 険 会 社に な い 商 品・

マーケティング手法に基づいて参入を試みてきた。

た と え ば 、 ア リ コ ジ ャパ ン の 場 合 、 そ の販 売主 力 商 品 は 無 配 当定 期保 険 で 、 こ れ ま で 有 配当 の (定 期付 )養 老 保険 を 中心 とし て き た 日系 生 命保 険会 社 の 商 品 戦 略 に大きな影響を与えた。その他、新商品の開発にも意欲的に取り組んだ。

アフラックの場合、販売商品は「ガン保険」 1種類のみで、当時の日本における 死亡原因 第 2位の「 ガ ン」とい う特 定疾病 に 限定して 急成 長した16。 それは、 入院 の 場 合 に 「 入院 給 付 金」 を 、 死 亡 の場 合 に 「死 亡 保 険 金 」を 支 払 うと い う 特 色あ る商品であった。しかも、1978年9月には、契約者、一般消費者の要望に応えるた め 、 保 険 金 ・給 付 金 の増 額 、 在 宅 療養 給 付 金の 新 設 な ど 給付 内 容 を拡 充 し た 「新 ガ ン 保 険 」 を発 売 、 さら に 同 年 12月よ り 保 険期 間 を 10年 にし た 「 ガン 定 期 保 険」

を 発 売 し た 。疾 病 全 般 で は な く 、 成人 病 の 中で も も っ と も死 亡 原 因と し て 上 位に あ る ガ ン に ター ゲ ッ トを 絞 っ た こ と、 そ れ を低 料 率 で 代 理店 を 通 じて 販 売 し たこ とに大きな特徴がある。

西 武 オ ー ル ス テ ート の場 合 、 販 売 商 品 は、 保障 性 を 重 視 し た 終身 保険 を 中 心 と し、すべて無配当保険 であった。また、主要商品にライフサイクル特約 (消費者の

15 吉 田 [1979]pp.78~ 79参照 。

16 こ れは 、単 品 医療 保険で あ った が、 日本 の大 手生 命 保険 会社 に対 して はガ ン のみ を対 象 と する 単品 医療 保険 が認 め られ ず、 1976年に ガン を 含む 成人 病特 約と して 、 主契 約に 追 加 す る形 で、 各社 より 発売 さ れた 。生 命保 険の 場合 は 、疾 病 、 傷害 によ って 入 院し た場 合 に 保 険金 が支 払わ れる もの と して 、生 命保 険の 疾病 特 約や 医療 保険 があ った 。 生命 保険 会 社 は 、1986年 4月か ら医療 保 障保 険を 発売 した 。

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ニーズに応じて組み合わせができ、その場合特別保険料が適用される もの)、イン フ レ ガ ー ド 条項 (3年 ごと の 契 約 応 当日 に 消 費者 物 価 の 上 昇率 に 応 じ無 告 知 で 保険 金を増額 でき るとい う もの )17の制度 を付加 し 、高額割 り引 きの導 入 など、従 来の 会社にない特徴を出すことに努めていた。

(2)販売チャネル

生 命 保 険 会 社の 販 売 チャ ネ ル は 、 主と し て ①営 業 職 員 、 ②代 理 店 、③ 店 頭 販売、

④通信販売、⑤業務提携などがある。 その中で、「営業職員」と「代理店」(法人 募集代理店と個人募集代理店に 分けられる)が主要販売チャネルである。そこ で、

日 系 生 命 保 険会 社 と 外資 系 生 命 保 険会 社 の それ ぞ れ に お ける 各 販 売チ ャ ネ ル の規 模の推移を調べてみた。参考にしたインシュアランス 生命保険 統計号では、1991 年から日系生命保険会社と外資系生命保険会社との推移をみることができた。

<図表Ⅱ-5> 外資系生命保険会社の販売チャネル数の推移 (1991年~1994年)

出 典 )イ ンシ ュ アラ ンス生 命 保険 統計 号に より 作成 。

< 図 表 Ⅱ -5> か ら分 かる よ う に 、 外 資 系生 命保 険 会 社 は 、 営 業職 員の 販 売 チ ャ ネ ル に 強 く 依存 し て いた 日 系 生 命 保 険 会 社 と異 な り 、 募 集代 理 店 を主 力 販 売 チャ

17 保 険研 究所 [1980]p.466参 照 。

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23 ネルとして利用していた。

そ れ で は 、 な ぜ 、外 資系 生 命 保 険 会 社 は営 業職 員 で は な く 、 募集 代理 店 を 選 択 したのか。それに関して、まず、募集代理店について明らかにしたい。

募 集 代 理 店 は、 営 業 職員 と 同 様 に 、「 生 命 保険 募 集 人 」 とし て 金 融庁 に 登 録し、

生 命 保 険 の 募集 に 従 事す る 代 理 店 であ る 。 募集 代 理 店 と 生命 保 険 会社 の 関 係 は、

「 委 任 な い しは 請 負 契約 関 係 」 に あり 、 委 託先 が 法 人 で ある 場 合 を「 法 人 募 集代 理 店 」 と い い、 個 人 であ る 場 合 を 「個 人 募 集代 理 店 」 と して 区 分 して い る 。 法人 募集代理店は法人自体の商号・名称で登録(代表取締役等の代表社名も併せて登録 )を行う。個人募集代理店は、個人の資格で「生命保険募集人」の登録を行う。こ の 内 、 法 人 募集 代 理 店の 場 合 、 実 際の 販 売 活動 を 行 う 「 使用 人 」 を別 に 募 集 人と して登録する場合が多い18

そ の 他 、 募 集代 理 店 チャ ネ ル は 、 営業 職 員 チャ ネ ル に 比 べて 、 低 コス ト で あり、

教 育 ・ 管 理 ・消 費 者 サー ビ ス 等 の 観点 か ら 比較 的 シ ン プ ルな 保 険 商品 の 提 供 チャ ネルとして適しているといえる。

募 集 代 理 店 の 販 売活 動の 形 態 面 か ら み ると 、個 人 募 集 代 理 店 は、 「営 業 職 員 」 と 比 較 的 近 い性 格 を 有し て お り 、 一方 、 法 人 募 集 代 理 店 の場 合 は 、法 人 の 何 らか の 組 織 力 ・ 影響 力 を 活用 し た 販 売 活動 を 行 って お り 、 店 頭販 売 、 通信 販 売 、 ある い は 業 務 提 携な ど の 販売 チ ャ ネ ル のベ ー ス とな る も の で あっ て 、 「営 業 職 員 」あ るいは「個人募集代理店」のそれとは性格が異なる19

そ れ に 加 え て 、 当時 、外 資 系 生 命 保 険 会社 が日 本 の 生 命 保 険 市場 に進 出 す る に あ た っ て は 、商 品 面 およ び 販 売 チ ャネ ル 面 で独 自 の 特 色 を有 し て いる こ と が 免許 の 条 件 と さ れた 経 緯 もあ り 、 代 理 店方 式 、 店頭 方 式 、 通 信販 売 と いっ た 新 し い販 売チャネルを組み合わせて参入した。

こ の よ う に 、 < 図表 Ⅱ-5> を 基 に し て 販売 チャ ネ ル の 面 で の 外資 系生 命 保 険 会 社 の 活 動 を 推察 す る と、 募 集 代 理 店の 数 が 営業 職 員 数 に 比べ て 圧 倒的 に 多 く 、募 集 代 理 店 の中 で も個 人募 集 代 理 店の 割 合が 高い 。 そ の 反面 、 日系 生命 保 険 会 社は 、

< 図 表 Ⅱ -6>の よ う に、 募 集 代 理 店の 数 が 毎年 増 加 す る 状況 に は ある が 、 ま だ、

営業職員の数が支配的である。

18 生 命保 険文 化 研究 所 [1989]p.241参照 。

19 生 命保 険文 化 研究 所 [1989]pp.251~ 273参 照。

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<図表Ⅱ-6> 日系生命保険会社の販売チャネル数の推移 (1991年~1994年)

出 典 )イ ンシ ュ アラ ンス生 命 保険 統計 号に より 作成 。

以 上 の よ う に 、 1991年か ら 1994年 に か け て 、外 資 系 生 命 保 険 会 社 と日 系 生 命 保 険 会 社 の 販 売チ ャ ネ ル数 を 比 較 す ると 、 か なり 異 な る 戦 略を 行 な って い る こ とが 分 か る 。 こ うし た 面 から 、 外 資 系 生命 保 険 会社 の 販 売 チ ャネ ル 戦 略が 日 本 の 保険 市 場 に お け る販 売 チ ャネ ル の 多 様 化に あ る 程度 の 影 響 を 及ぼ し た こと が う か がえ る。

ま た 、 外 資 系 生 命 保 険 会 社 の 中 で も 、 特 に 、 ア リ コ ジ ャ パ ン と ア フ ラ ッ ク が損 害 保 険 代 理 店を 販 売 網と し て 積 極 的に 利 用 し、 両 者 と も に相 当 な 成果 を 上 げ てい た 。 た と え ば 、 ア リ コ ジ ャ パ ン は 、 世 界 的 規 模 の AIG(American International Group)に 属 し 、 国 際 ネッ ト ・ ワ ー ク の も と 、 新 聞 広 告 を 活 用 し て 業績 を 伸 展 さ せ た 。 販 売 チ ャ ネ ル と して は 同 系 の AIU損 害 保険 の 代 理 店 や 銀 行 代 理店 な ど 1,500店 を 配 置 し 、 その 他 に 営業 職 員 も 併 用し た 。 アフ ラ ッ ク は 、銀 行 提 携は ア リ コ ジャ パ ン と 共 通 性が あ り 、 百 貨 店 な ど での 店 頭 販売 の よ う な もの か ら 大企 業 へ の 代理 店委嘱まで1,100店の代理店網のもとで成長を続けている。

そ の 他 に 、 営 業 職員 にお い て も 、 外 資 系生 命保 険 会 社 は 、 日 系生 命保 険 会 社 の 伝 統 的 な 販 売チ ャ ネ ルで あ る 女 性 営業 職 員 によ ら な い 販 売戦 略 を 展開 し た 。 それ は 、 一 般 的 に尐 数 の 「質 の 高 い プ ロセ ー ル スマ ン 」 を 育 成し 、 特 に、 大 卒 の 男子

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営 業 社 員 を 「ラ イ フ ・プ ラ ン ナ ー 」と し て 、顧 客 の ニ ー ズに 一 致 する 商 品 設 計を 行わせ、高度のサービスを提供したのである。

(3)資産運用

ま ず 、 資 産 運 用 の場 合も 販 売 チ ャ ネ ル と同 様、 1991年 か ら の 統計 資料 を 用 い て 、 外資系生命保険会社の活動を分析した。

<図表Ⅱ-7> 外資系生命保険会社の資産運用の推移 (1991年~1994年)

出 典 )イ ンシ ュ アラ ンス生 命 保険 統計 号に より 作成 。

<図表Ⅱ-7>から分かるように、1991年から1994年までの4年間の推移をみると、

こ の 時 期 に おけ る 、 外資 系 生 命 保 険会 社 の 資産 運 用 上 の 主な 特 徴 は、 資 産 の 大部 分が有価証券で運用されていることである。 1994年においては、資産の89.3%が有 価 証 券 (公 社 債 そ の 他 : 61.1%、 外 国 証 券 : 21.5%、 株 式 : 6.6%、 そ の 他 の 証 券 : 0.1%)で 運 用 さ れ て いる 。 こ の 中 で 、 公 社 債そ の 他 の 割 合 が 61.1%で 最 も 高 く 、 外 国証券が21.5%、株式が6.6%を占めている。

そ れ に 対 し 、 日 系生 命保 険 会 社 の 場 合 、 < 図表 Ⅱ -8> か ら 分 かる よう に 、 有 価 証券の割合は44.8%である(1994年基準)。この有価証券面だけを比較すると、日系 生 命 保 険 会社 の 場合 、 3分 の 1を株 式 の 形で 保有 し て い るの で ある が、 外 資 系 生命

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保 険 会 社 の 場合 、 株 式の 保 有 は 大 変尐 な く なっ て い る こ とが 分 か る。 し か し 、株 式 の 場 合 、 外資 系 生 命保 険 会 社 と 同様 、 日 系生 命 保 険 会 社も そ の 割合 が 減 尐 の傾 向 を み せ て い る 。そ の原 因 と し て は 1990年 以降 発 生 し た 、 バ ブル の崩 壊 に よ る 株 価の急落が割合の低下につながったと考えられる。

<図表Ⅱ-8> 日系生命保険会社の資産運用の推移 (1991年~1994年)

出 典 )イ ンシ ュ アラ ンス生 命 保険 統計 号に より 作成 。

また、外資系生命保険会社と日系生命保険会社との大きな差異 の1つは、貸付業 務 分 野 で 見 る こ と が で き る 。 外 資 系 生 命 保 険 会 社 の 場 合 、 1994 年 に 一 般 貸 付 が 5.9%に過ぎない反面、日系生命保険会社の場合は、 38.7%で高い割合を占めている。

そ の 他 、 外 資系 生 命 保険 会 社 は 現 金・ 預 貯 金、 コ ー ル ロ ーン 、 金 銭の 信 託 、 その 他 の 証 券 、 土地 ・ 不 動産 な ど へ の 投資 は ほ とん ど 行 っ て いな い 点 も資 産 運 用 上の 特徴として挙げることができる。

以 上 の こ と そ 踏 まえ ると 、 外 資 系 生 命 保険 会社 の 資 産 運 用 は 日系 生命 保 険 会 社 と比べて、リスクが尐なく、より安定的であったことがうかがえる。

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第2節 第2期(1995年~2007年)

1. 時代的背景

この第2期に日本の金融や保険に関する情勢は大きく変わった。まず、年度別に 見 ると 、1995年度 の保険 業法 の改 正、 1996年度 の金 融ビ ッグ バン 、 1997年度 か ら 日 系 の 中 堅 生命 保 険 会社 の 破 綻 な どを 挙 げ るこ と が で き る。 以 下 では 、 そ れ ぞれ について調べることにしたい。

(1)保険業法の改正

1995年 に は 保 険 事 業 の制 度 運 営 に つ い て の 全面 的 な 改 正 が な さ れ 、新 保 険 業 法 が 公 布 さ れ た。 そ の 新保 険 業 法 に おけ る 主 要な 改 正 ポ イ ント は 、 次の よ う に まと めることができる。

① そ れ ま で 禁 止さ れ てき た 生 命 保 険 会社 と 損害 保 険 会 社 と の相 互 乗り 入 れ に つ い て、 子会 社方式 による 相互 参入 が認め られる とと もに 、本体 での第 3分 野20 相互乗り入れが可能となった。

② 保 険 の 募 集 にお い ては 、 か な り 制 限的 で はあ る が 、 生 命 保険 の 一社 専 属 制 が 見直され、ブローカー制度も新たに導入された。

③ 商 品 ・ 料 率 に関 す る規 制 が 緩 和 さ れ、 届 出制 の 導 入 、 算 定会 制 度の 見 直 し が 行われた。

④ 経 営 の 健 全 性を 早 期に チ ェ ッ ク す る手 法 とし て 、 ソ ル ベ ンシ ー ・マ ー ジ ン 基 準 が 導 入 さ れ る と ともに 、 新 し い 経 営 危 機対応 制 度 と し て 保 険 契約者 保 護 基 金が創設されることとなった。

⑤ 保 険 会 社 の 経営 の 透明 性 を 確 保 す る観 点 から 、 デ ィ ス ク ロー ジ ャー 規 定 が 整 備され、保険料についても大規模物件を対象に火災保険の料率の緩和 (特定料

20 第 3分 野 と は 、 生 命 保 険 (第 1分 野 )と 損 害 保 険 (第 2分 野 )の 仲 間 に 位 置 す る 保 険 の こ と で 、 医 療 保険 、ガ ン保 険、 介護 保 険、 傷害 保険 など さま ざ まな 種類 があ る。 規制 緩 和の 推進 に よ り 、2001年 7月か らは、 生 命保 険会 社、 損害 保険 会 社と もに 第 3分 野の全 保 険商 品を 取扱 う こ とが 可能 とな って いる 。

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28 率制度の導入)の措置などが採られた21

こ の よ う に1995年 の 改正 は 、 保 険制 度 の基 本的 な 枠 組 み自 体 につ いて 抜 本 的 な 改革を進めたものである。その翌年の 1996年4月に保険業法が施行され、生・損保 の 子 会 社を 通 じた 相 互参 入 が 可能 と なり 、 同年 10月か ら 損害 保 険 11社 が 生 命保 険 子会社を、生命保険6社が損害保険子会社を設立して営業を開始した。

し か し 、 保 険 業 法 改 正 に は 米 国 の 圧 力 が 大 き く 影 響 し た 。 保 険 業 法 の 内 容 の 中 、 本体での相互乗り入れは、第 3分野に限定された。つまり、生命保険会社、損害保 険 会 社 と も 本体 で は 傷害 、 疾 病 、 介護 な ど の分 野 に つ い ての み 保 険の 募 集 が でき たのである。これについて日系の大手保険会社はこの保険業法改正を機会に第 3分 野 へ の 早 期 完全 参 入 を要 求 し た 。 しか し 、 米国 側 は 既 得 権益 の 侵 害に な る と 拒否 し、日米両国の政治問題に発展した。こうして日米保険協議が始まった。

この保険協議で米国は、自国の保険会社が得意とする第 3分野へ日本の生命保険 会 社 が 参 入 する こ と を拒 否 し な が ら、 日 本 の保 険 業 界 の 完全 自 由 化を 要 求 し てき た 。 その 結 果、 1996年12月 には 日米 保 険協 議が 決 着し 、 生命 保 険の損 害 保険 子 会 社 は 1997年1月 1日 から傷 害 保険 の 販売 を 認めら れ 、損 害 保険 の 生命保 険 子会 社 は 医 療 単 品 保 険及 び ガ ン保 険 の 販 売 を認 め ら れな か っ た 。 しか し 、 生命 保 険 の 損害 保 険 子 会 社 の場 合 、 アメ リ カ 会 社 の販 売 チ ャネ ル を 尊 重 する こ と から 、 旅 行 代理 店 を 通 じ た 国内 及 び 海外 旅 行 傷 害 保険 や 、 学校 法 人 な ど を通 じ た 学生 向 け 傷 害保 険 な ど の 販 売と 通 販 によ る 傷 害 保 険な ら び に積 み 立 て 傷 害保 険 の 販売 も 禁 止 され た22

(2)金融ビッグバン

ま た 、 こ の 時 期 に は 保 険 業 法 の 改 正 の み な ら ず 、 日 本 に お い て 大 き な 金 融 業界 の 改 革 で あ る金 融 ビ ッグ バ ン が 行 われ た 。 この 日 本 版 ビ ッグ バ ン とは 、 バ ブ ル崩 壊後の金融市場の停滞を改善するため、 1996年11月17日に第2次橋本内閣が2001年 までに完成・実施すると宣言した金融(証券・保険・銀行を含む)大改革である23

21 中 出 [2007]pp.106~107参 照 。

22 水 島 [2006]p .136参照。

23 高 原 [2007]pp.127-131参 照 。

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橋 本 首 相 の 構 想 は 2本 の 柱 か ら な っ て お り 、 ま ず 第 1に 、 東 京 市 場 を ニ ュ ー ヨ ー ク 、 ロ ン ドン 並 みの 自由 で 効 率 的な 市 場に 再編 成 す る こと を 掲げ てい る 。 こ れは 、 優 れ た 金 融 シス テ ム は経 済 の 基 礎 を形 成 す ると い う 考 え 方か ら 発 生し た も の であ り 、 欧 米 の 金融 市 場 のダ イ ナ ミ ッ クな 変 化 に遅 れ な い よ うな 東 京 市場 を 形 成 する ために、政府が中心となって市場の構造改革を進めていくことを意味している。

第 2に 、 構 造 改 革 の た め の 2つ の 課 題 と し て 「 改 革 」 と 「 不 良 債 権 の 処 理 」 と い う事を具体的に挙げている。「改革」 3原則には、①Free、②Fair、③Globalの 3つの基本方針を決め、従来のような漸進的な改革ではなく、一気に規制緩和を進 めるようにした。

①Free(市場原理に基づく自由な市場 )

株 式 手 数 料 や 保 険 料 率 な ど の 各 種 手 数 料 の 自 由 化 を 行 い 、 多 様 な サ ー ビ スや 商品を販売できるようにする。為銀主義 (外国為替銀行だけに外国為替取引を 認めたもの )を撤廃し、内外取引を自由化する。資産運用業務の見直しとディ ス ク ロ ー ジ ャ ー の 徹 底 に よ り 、 個 人 金 融 資 産 の 効 率 的 運 用 が 可 能 と な る よ う にする。

②Fair(透明で公正な市場)

投 資 家 や 預 金 者 に 対 す る デ ィ ス ク ロ ー ジ ャ ー の 徹 底 な ど に よ り 、 十 分 な 情報 提 供 と ル ー ル の 明 確 化 で 自 己 責 任 原 則 を 確 立 す る 。 ル ー ル 違 反 に 対 す る 処 分 の 体 系 化 を 行 う 。 投 資 家 が す べ て の 金 融 商 品 の 含 み 益 や 含 み 損 を 把 握 で き る ようにするために時価会計の導入を徹底する。

③Global(国際的で先端的な市場)

法 制 度 の 整 備 や 会 計 制 度 の 国 際 基 準 化 を 進 め 、 日 本 で も デ リ バ テ ィ ブ な ど、

リ ス ク を 伴 う 新 し い 金 融 技 術 を 米 国 や 英 国 並 み に 利 用 で き る よ う に す る 。 有 価証券取引税などの金融税制の見直しも行う24

以上が橋本首相の構想である日本版ビッグバンである。

ま た 、 金 融 産 業 の急 速な 発 展 に よ り 保 険業 のみ な ら ず 、 総 合 的な 金融 シ ス テ ム

24 佐 和 [1997]pp.5-9参照。

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を構築する必要性が高まり、 1998年には、「金融システム改革法 (金融システム改 革のための関係法律の整備等に関する法律 )」が制定され、保険業法がさらに改正 さ れ た 。 こ の改 革 に より 、 保 険 料 率の 自 由 化が 進 み 、 ま た、 子 会 社、 持 株 会 社に よ る 銀 行 、 証券 と の 相互 参 入 が 進 めら れ た 。そ し て 、 破 綻に 備 え た制 度 と し て支 払保証制度が導入され、保険契約者保護機構が設立された25

そ の 後 も 保 険 業 法は 頻繁 に 改 正 を 繰 り 返し てい る が 、 特 に 、 保険 市場 や 制 度 面 で重要な改正としては、第3分野の自由化の実現(2001年)、銀行による保険募集の 解禁(2001年)26、無認可共済への保険業法の原則適用と尐額短期保険業者の特例の 創設(2005年)などをあげることができる。

(3)日系中堅生命保険会社の破綻

最 後 に 、 こ の 時 期 に は、 1997年 度 の 日 産 生 命の 経 営 破 綻 か ら 日 系 の中 堅 生 命 保 険 会 社の 破 綻が 相 次いで 発 生し た 。以 下 の<図 表 Ⅱ -9>は 1997年度か ら 経営 破 綻 し た 経 緯を 整 理し た もの で あ る。 経 営破 綻 が発 生 し た 主 な 原因 と して は 、 1990年 代 の 逆 ザ ヤ 問題 を 挙 げる こ と が で きる 。 ま た、 保 険 業 界 は株 式 含 み益 の 枯 渇 、不 良債権問題などの厳しい環境に直面したことも原因の1つであると考えられる。

そ の 他 に 、 ① 規 模 の 経 済 性 を 求 め る 日 系 の 中 堅 生 命 保 険 会 社 の 規 模 拡 大 競 争 、

② 大 手 の よ うな 確 固 した 顧 客 基 盤 が存 在 し ない 問 題 、 ③ 経営 破 綻 した 会 社 の 多く が 相 互 会 社 形態 だ っ たこ と か ら 資 本調 達 面 の制 約 や ガ バ ナン ス 面 の問 題 な ど も挙 げることができる。

25 中 出 [2007]p.107参照 。

26 日 本の 保険 商 品の 銀行窓 販 解禁 の経 緯は 次の よう で ある 。

時 期 (段 階 ) 解 禁 商 品 等

2001年 04月 第 1次 解 禁 団 体 信 用 生 命 保 険 、 住 宅 ロ ー ン 関 連 の 信 用 生 命 保 険 、 長 期 火 災 保 険

2002年 10月 第 2次 解 禁 個 人 年 金 保 険 、 財 形 保 険 、 年 金 払 積 み 立 て 損 害 保 険 、 財 形 傷 害 保 険

2005年 12月 第 3次 解 禁 一 時 払 い 終 身 保 険 、 一 時 払 い 養 老 保 険 、 10年 以 下 の 平 準 払 い 養 老 保 険 、 貯 蓄 性 生 存 保 険

2007年 12月 第 4次 解 禁 す べ て の 保 険 商 品 の 全 面 解 禁 (平 準 払 い 終 身 保 険 、 定 期 保 険 、 医 療 ・ 介 護 保 険 等 )

出 典 )各 資 料 に より作 成 。

参照

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