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(1)

時効法改革とヨーロッパ契約法原則(PECL)第一四章 : 分析と紹介

著者 野々村 和喜

雑誌名 同志社法學

巻 59

号 4

ページ 1‑40

発行年 2007‑11‑30

権利 同志社法學會

URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000011327

(2)

時効法改革とヨーロッパ契約法原則(PE)第一四章同志社法学 五九巻四号

時効法改革とヨーロッパ契約法原則 ( PE C L )第一四章

分析と紹介

野 々 村  和  喜

 (一八八五) Ⅰ はじめに

1   PECL 全三部の比較法的意義

 ヨーロッパ契約法原則(PECL)全部

も的取境越内域、はに期の短、は的目のこ。引当あ拠、とこるす明表を準事のへLCEPが者るにこる図を化強の場と を目UE、は的第な的次一内く貫域をのの市内域、しとも越な易容引取境 1)

しくは、域内越境取引紛争において仲裁人が商慣習法を発見する手がかりとすることを通じて達成されることが期待されている。また長期的には、契約法に関係するEUレベルの各種立法が、加盟国間で共有可能な一般的体系的基礎の上

に構築されることにより、加盟各国の国内契約法の調和(さらにはヨーロッパ統一契約法典)への第一歩となることも

(3)

時効法改革とヨーロッパ契約法原則(PE)第一四章同志社法学 五九巻四号

期待されている

2

 この限りでは、PECLはあくまでもヨーロッパ的 000000な目的のもとに生み出されたものであり、日本法にとっての比較法的意義は明らかでない。ここでは、PECLが、各国の裁判所や立法者が自国の 000法発展・継続形成に際して模範にで きる準則モデルの提供をも、その目的に掲げていること

析州カリフア南、法ク和ッベケ・ダナカ共国にを分較比法ため求先法照参くろひでまにはらさ法ならず米英、北欧法、 す、ちわなが重。るあで要EPいCLそれじたは、大陸法のみ 3)

の成果であり、PECLに示された諸準則は《諸法の共通の核

co m m on c or e

》を基礎とするものである。したがって、各国の法律家が自国法制度とPECLの比較を試みることは、国際的平面における自国制度の特色を見極めることを可 能にする。そしてこうした作業は、国際動向を踏まえた未来指向的な自国法の発展を企図するうえで、きわめて有意義なものであり

。義いなくさ小てし決は意のそもていおに本日、 4

2   PECL 第一四章の意義

 さらに、本稿でPECL第一四章(時効)を

。章効法改正との関連で、とくに同が滅認いたきおてし確有再を義意るす時消ツ 取るす行先⑴、たりあにるげ上り国際的な展開、および⑵後行するドイ 5)

 ⑴ PECL第一四章(〇〇〇年月採択)に先行する重要な展開として、﹁国際物品売買における時効に関する条約﹂(一九七四年採択、一九八〇年修正議定書採択、一九八八年発効。以下、UNCITRAL条約)がある。この

条約は、国連物品売買条約(CISG)に並行して審議され、実質的に、両条約一体として国際物品売買を規律することが企図されたものである

契のの要請によるもで当あり、ヨーロッパ《然る効く実務における時制。取度の重要性から引 6

約法》原則の一部として時効制度がテーマ化されているのも、同じ理由による。  (一八八六)

(4)

時効法改革とヨーロッパ契約法原則(PE)第一四章同志社法学 五九巻四号  また、UNCITRAL条約に関してはオフィシャルな注釈

、とこ。るいてっなのこもたっ通似とれのとの第が容内の章四一LはCEPるす行、後そ章な四的枠組みはPECL第一 ことるいがてれさ表公、ろ同それによれば、条約の基本 7)

独自の分析に基づく単発的・独創的提案ではなく、従前の国際的展開の上に位置づけられることを示すものといえる。 もっとも、UNCITRAL条約は、CISGの姉妹条約という性質上、適用範囲が国際物品売買に限られ、そのこ

とを念頭に置いた規定も多い

方関的般一もに係権適債の外約契、でに用しさてれさ計設てとる度制効時るれい 一る。C、は章四一第LE効Pてし対にれこ時制すの解理と分部成構法度引取・法約契を 8)

モ法の度制効時の上私般一、りまつ。 9

デルとしてはPECL第一四章が最初のものである。この観点からも、諸国の時効制度の発展にとって格好の比較素材といえるように思われる

10

 ⑵ PECL第部が採択された後、〇〇年一月には、ドイツ消滅時効法が改正された

定くイツ債務法改正プロセスのご初、期に消滅時効法改正に関する鑑ドがしハ草を担当ンラインたル・ツィンマーマト 第ECL起一四章の。P 11

意見

容Pドと章四一第LCE、ツにうよるきで測推に易イ消面滅が連関な的質実ので容る内、はに正改法効時あ もら法に代現法務債ツイド、らかさ、りあで物人たし出化討をのとこたっだーバンメプ議ールグ業作定改の案草提 12

。実際にも、 13

ドイツ新時効法には、鑑定意見の当初からPECL第一四章にかけてツィンマーマンが練り上げていった時効制度モデ

ルが、完全にではないものの、骨格部分で採用されている

重要なものを挙げれば、時効期間の短期化(ドイツ民法一九五条)、主観的システムの拡張(同一九九条一項)、中断事由の整理削減と停止事由の充実(同〇

一条)

がそれである。しかし、ツィンマーマン自身は、このみずからの経験を次のように振り返っている。

 ﹁ドイツ新消滅時効法は、旧法や討議草案と比較すれば、相当良いものになった。しかし、これほど大掛かりか

 (一八八七)

(5)

時効法改革とヨーロッパ契約法原則(PE)第一四章同志社法学 五九巻四号

つ重要度の高い改正だったことに見合う、満足のいくものだといえるのか。時効制度の設計において留意するべき

は考え方の一貫性であるのに、このことが十分に配慮されていない。⋮⋮最終的に仕上がったドイツ新消滅時効法に一貫性があるとは言い難い

。﹂ 14

改正作業の中核に携わったツィンマーマンがこのような評価を下す理由はどこにあるのか。この点を探るには、右のよ

うな評価を導く際の準拠枠がどのようなものであるのかをまず確認する必要があるだろう。そして、それはとりもなおさず、現時点でPECL第一四章に示された時効制度モデルである。

3   本稿の目的と順序

 当然ながら本稿は、PECL第一四章を追従されるべき時効制度モデルと考えるものではない。今後の日本消滅時効法のさらなる発展を展望するに際して、現行法の特色を見極めるための貴重な比較素材となりうる点にその意義を認

め、分析と紹介を試みるものである。ツィンマーマンの右叙述との関係でいえば、とりわけ、《時効制度の一貫性》とは何を意味するのか、それがPECL第一四章の具体的準則とその体系性にどのように反映されており、どのように正

当化されているのかという点を明らかにすることこそが、本稿の課題である。 そこで以下では、まず、PECL第一四章の最大の特徴というべき《統一的時効制度

ein he itl ic he s V er jä hr un gs sy st em

》 を支えている基本枠組み

統一化が語られる契機、時効制度の正当化根拠、統一化のため採用された体系

を順次考察する(Ⅱ)。次いで、この基本枠組みを直接表明する準則と、それへの肉付けないしはさらなる考慮に基づいた準 則との区別に留意しながら、具体的準則の構造を整理し、PECL時効制度の特徴を再確認することを試みる

(Ⅲ)。 15  (一八八八)

(6)

時効法改革とヨーロッパ契約法原則(PE)第一四章同志社法学 五九巻四号 rict a I and II,2000hierunter zitierls , P„PECL I & II; Ole Lando/Etsarawdoanugh Beale Leds.t L, Principles of Eurleopean ContracO/H“1)  Clive/André Prüm/Reinhard Zimmermann eds., Principles of European Contract Law, Part III,2003hierunter zitiert als „PECL III“. )﹃﹄()、)﹂)。 稿)、)・)(﹄()、)、)、)、

)。調)、)、 ―1

viii.xvv-, x1n. FI IILCE; Pxxxi-E, xV1n. Fgl. II P I &LC2) 

Fi.xv, x1n. II I &LCE Pgl.V3)  : awgore/GstauFn rialo: F, ine LhüatrivPn eaopurf E ohiprsolar Tsin, Sf HrsdeorBd oneyBz: öt Keinr og ouon H inmsiupoym, Sg.rsHchew Nr afo ops C aawt LactronCn eas ourf Eleciprin Phe, TZimmermannd Reinhargl.Vonmteldn ioatndou Flesibos Pnd, aOe thofn ioatstifean Mryrapo4)  Perspectives on International and Comparative Law, 2006, S. 111 ff.

 (一八八九)

(7)

時効法改革とヨーロッパ契約法原則(PE)第一四章同志社法学 五九巻四号

―2

ntioripscreP5) 稿

6) 

)。 ――7﹁﹃﹄() 

稿 8) 。《

2 4

1)。

vii.LCE P110: 14rt.i; Avii-x, x1n. FI IILCE Pgl.V9) 

tivvergleicnder Perspekhee, . Z.826, S0520uPE dGlngerendruZimmermannit-ronidie, Dd Reinhar iner Utern in0420e ägtrerlsvdeanHn lenaioat 、ヨ 稿 ioimLn Peritadstio 10) 

)、)、 11) )﹂)・  (一八九〇)

(8)

時効法改革とヨーロッパ契約法原則(PE)第一四章同志社法学 五九巻四号 )。

12techSf u anrisld Fno vßfluuve Eic dnteeikhglrhö; Mseistnälinererru: D, VjäherngsfristeneiFrank Peters/Rmnhard Zimermann)  Vereinheitlichung von Verjährungsfristen, in: Bundesminister der JustizHrsg., Gutachten und Vorschläge zur Überarbeitung des Schuldrechts, Bd. I, 1981, S. 77 ff. )・)﹂西)。

. 14/40, S6096 und103)。 ieegründung zum RegBruDngs. ruckf, urwntse 1301ZEuP20, 400 ff.)  1420rative Perspectives, 05om, S. 157 f.; vgl., Das neupaCd o, The New German Lawf Oistanal icblior: Hnstiogae idemZimmermannd Reinhar) 

deutsche Verjährungsrecht: ein Vorbild für Europa?, in: Ingo Koller/Herbert Roth/Reinhard Zimmermann, Schuldrechtsmodernisierungsgesetz2002, 2002, S. 9 ff.

d Reinhar 15) 

Zimmermann, „... ut sit finis litium“, JZ2000, S. 853 ff.; Reinhard Zimmermann, Comparative Foundations of a European Law of Set-Off and

Prescription, 2002, S. 62 ff.

12))

Ⅱ 統一的時効制度と主観的システム

 一定期間が徒過すると債権者は債務者に履行を求めることができなくなるという法制度は、細部は異なるにせよ各国

に共通してみられる

のば制できないとなれ債に権者にとって財産上強的産法権者の権利には財的。価値があるから、債 16

 (一八九一)

(9)

時効法改革とヨーロッパ契約法原則(PE)第一四章同志社法学 五九巻四号

損失そのものである。それゆえ、この種の制度の実務的意義は大きく、正当な制度目的のもと、説得的で、かつ法的安

定性と予測可能性を備えた準則が用意されなければならない。こうした要請に対しPECL第一四章が提示するのが、《統一的時効制度

ein he itl ic he s V er jä hr un gs sy st em

》である。ここでは、この統一的制度を支える基本的枠組みの分析が 主題である

17

⑴ 消極的契機

1   統一化の要請

 統一的な時効制度が要請される契機として、まず推測できるのは、前述のUNCITRAL時効条約や消費者法関連のEC指令

際ことである。しかし、れうらの動きじたいは、国ころたあ国際的法統一に向け動なきが関係しているでど 18

物品売買や消費者取引といった個別領域を対象にするものであるから、少なくとも、そこから直ちに時効制度一般の統一化が要請されるわけではない。むしろこれらの動きを受けて、より広い射程をもつ国内時効法を眺めたときに、そこ

に定められた準則があまりに複雑で理解困難であり、詳細な規定が用意されていながら解釈上の問題を種々生じさせているという自国時効制度への反省、すなわち《細分的時効制度

differentiertes Verjährungssystem

》への反省が、時効 制度統一化の原動力である

の時展開方向として《統一的効度制度》が初めて示されたの制を効このような消極的契機原動力に、未来に向けた時  。 19

は、おそらく、フランク・ペータースとラインハルト・ツィンマーマンによる鑑定意見

と求なわち、①時効の対象となる請権。こ年〇②、とるのぎす広が囲範すたつ題要いの諸点が問ぎとて指摘されてし 。いてであるはそこで、大にお 20

いう通常の時効期間が立法以降の状況変化(現代の生活環境)に照らし長過ぎること、③各種の請求権について用意さ  (一八九

(10)

時効法改革とヨーロッパ契約法原則(PE)第一四章同志社法学 五九巻四号 れた詳細な規定には時代遅れのものが多いこと、そればかりか、③規定の詳細化じたい不完全であるために規定の適用範囲の限界付けが不明瞭となり、規定の当初の目的から外れた拡張解釈や、構成概念の意義を歪める解釈がおこなわれ ていること、などである

21

⑵ 統一可能な範囲(適用範囲) 細分的時効制度の傾向がとりわけ顕著であったドイツ旧消滅時効法だが、ツィンマーマンは、理論的にみて統一的に

扱われるべきでない権利が同一の時効制度に包摂されていることに、その一つの要因を見出している

的み由で、統一的時効制度の枠組かなら除外されているのか、統一理う度どECL時効制よはでのがのよ、ど利権なう 。P、に次でこそ 22

時効制度がどのような適用範囲のうえに描かれているのかを確認する。 規定上明らかなのは、《債務の履行を求める権利

rig ht to p er fo rm an ce o f a n ob lig at io n

》が適用対象だということであ る(一四:一〇一条)。PECLでは、一貫して《

cla im

》と表現されている。したがって、相手方による履行を必要としない権利

たとえば、物所有権など絶対権、婚姻する権利など身分上の権利、自由に対する基本的権利、抗弁的権

利(履行留保権および代金減額請求権)等

には適用されない。これらは、社会の第一次的な基盤を形成する諸権利、 もしくは成立済みの法律関係の均衡を維持する権利であり、特定の相手方に対し一定の履行を求める権利との間には、性質上根本的な違いがあるからである

23

 他方、時効の影響を受ける

cla im

の発生原因は、契約に限られない。契約外の発生原因、たとえば不法行為または不当利得に基づく

cla im

も、等しく適用対象である

、対権利でも、絶権め等から派生しる求、。行履に方手相をらがなしかし 24

その実現を目的とする権利は、適用対象外とされている

cla im

ら安か点観の性能可測予・定法的と合競の、ちわなす。 25

 (一八九

(11)

時効法改革とヨーロッパ契約法原則(PE)第一四章一〇同志社法学 五九巻四号

すれば、同一の時効制度の適用範囲に含めるべき

cla im

を契約に基づくものに限るべきではないけれども、目的を異に する

cla im

は、当該異なる目的(たとえば所有権秩序=取得時効、身分関係秩序)のもとで体系化された時効制度に服するべきだとされている

26

 このようにしてPECL時効制度の適用範囲は、権利の性質と目的とにより、《債務関係に基づき、特定の相手方に一定の履行を求める権利=

cla im

》に見定められている。日本の用語法によれば、《債権の時効》と表現してほぼ問題な いとおもわれるので、以下

cla im

は債権と表記することとする。なお、右の理解から明らかなように、時効制度の適用 00

範囲との関係 000000では、ドイツ民法上の《請求権

A ns pr uc h

の時効》と異なる立場であることを再度確認しておくべきだろう

27

とおらす。それゆえに、過去にいもて時効制度は不道徳な制度たを者果 時効制度は、債権にとり財産剥奪に等しい効 ⑴ つの法政策的考慮

2 時効制度の正当化根拠  

みなされてきたし、日本で﹁時効の援用﹂を良心規定と理解する立場が存在するのもここに由来する。しかしながら、そうであれば当然に、本来権利の保証と実現に努めるべき民法がそれに逆行する制度を置いているのはなぜなのか、さ

らにその制度を防御方法として利用するか否かを債務者の意思に委ねる(たとえば日本の実体法説+確定効果説)というのでは、もはや、法が使命を放棄している

債権者債務者間の自主的な問題解決に委ねている

に等しいのでは

ないか、との素朴な疑問がわく(援用を実体法的効果発生の条件と構成しても、実質的には同じである)。また、時効を法定証拠と理解する立場(純粋な訴訟法説)でも、一定期間が徒過したというだけで、債務消滅の強烈な証拠方法を

債務者の手に委ねる以上は、実質的にみて、やはり同じ疑問が当てはまるだろう。すでに日本でも、星野論文

を契機と 28  (一八九四)

(12)

時効法改革とヨーロッパ契約法原則(PE)第一四章一一同志社法学 五九巻四号 して一般に意識されているように、いずれの立場にせよ、債権者にとり過酷な効果をもたらす時効制度がどうして必要なのか、どのような正当化根拠のもとに時効制度が要請されるのかという根本問題に行き着かざるを得ない

29

 現在の日本では、いわゆる多元説が支配的考え方であるとされるが、取得時効(さらに長期と短期)と消滅時効の相違を意識して、一段具体化されたレベルで正当化根拠を理解するのが傾向である

限でに》権債、《はLCEPてしそ。 30

定された適用範囲のもと、次のつの法政策的考慮によって時効制度が正当化されている

31

ⅰ .時間の曖昧化作用

 一定期間経過後の債権者からの請求に対して債務者が直面する立証困難から解放する必要性である。債権者の

請求に法的根拠がない場合(不当な請求)でも、債務者は、証拠散逸等によりみずからを防御できなくなる。この困難から債務者を解放してやる必要がある

32

ⅱ .債務者の信頼保護

 一定期間にわたり債権が行使されないことに対する債務者の信頼を保護する必要性である。長い間にわたって

債権が行使されない場合、債務者には、債権者は当該債権の実現に関心がなく、もはや履行を要求されることは

ないとの信頼が形成され、債務者はその信頼のうえに行動することとなる。この信頼を法的に保護する必要がある。

ⅲ .公益的・訴訟経済的要請

 最後に掲げられるのは、《争訟の終結は公共の利益である

interest rei publicae ut finis litium

》という格言を引き合いに出して掲げられるところの、債権をめぐる訴訟の長期化ないしは解決困難な訴訟の防止という、公益

的・司法経済的考慮である。

 (一八九五)

(13)

時効法改革とヨーロッパ契約法原則(PE)第一四章同志社法学 五九巻四号

 こう列挙しただけでは、一見すると矛盾した、あるいは相互に不干渉な考慮が、日本の多元説と同じく併記されてい

るにすぎないようにもみえる。しかしPECLは、債務者利益(考慮ⅰおよびⅱ)や公益(考慮ⅲ)といった個別的な法的利益の保護それじたいを時効制度の正当化根拠と捉えてはいないようである。むしろ、これらの法政策的考慮が相

互にどのように関連付けられるのかが、PECL時効制度全体の体系ないし整合性、ひいては個々の具体的準則を説得力あるものとするバックボーンになっているようにおもわれる。そこで、この点につき若干の分析を加えておきたい。

⑵ 正当化根拠の分析

 まず、考慮ⅰとⅱは、時効制度の目的を《債務者保護》に結びつけるものである。日本では、実体法説と訴訟法説のいずれを基本的立場とするかに連動して、真の弁済者保護(考慮ⅰ)と非弁済者保護(考慮ⅱ)を相互排斥的に(すく

なくとも、どちらかを優位に)捉えようとする傾向がある

債し、りよにとこた過ず徒が間期定一、みかてたりぐめを務債)いらてし(るす担負がはしでっ関ある。もともこれに ら的列並がるれこ、し対掲にのげられていのは興味深い点に 33

権者との間で紛争を生じる可能性に曝される債務者(=法的に不安定な地位に置かれた債務者)の保護、として包括的に捉えることも可能である。

 右つの考慮を合わせて、債務者の地位の不安定を考慮して債権者が法的手続きをとる途を遮断する趣旨と捉える場合には、あるいは公益的見地から裁判上の強制力(法的救済)を排除する趣旨といわれている英米の出訴期限

lim ita tio n of a ct io ns

制度を想起させるけれども、比較法的にみて、一定期間の経過によって生じる法的不安定を手続レベルで除去するのか、実体的な効果(債権の消滅効)の付与を通じて除去するのかによっては、機能的差異はほとんど 認められないことが指摘されている

映実して、時効を体反法上の制度とし、をつC。そしてPEL析は、この機能分つ 34  (一八九六)

参照

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