体細胞分裂に及ぼす2,4-Dの影響 タマネギの根端細胞における2,3の観察-香川大学学術情報リポジトリ

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37 第5巻第1号(1953)

体細胞分裂に及ぼす2,4−・Dの影響

タマネギの根端細胞における2,3の観察l)

荻 原 怜

The effects of2,4−D on mitosis

A few observationson onioLnrOQt tip cells

BY Reiji OGIHARA

(Laboiやtbr:yOfplantphysiologyandecology) (ReCeivらd May28,1953)

卵胞申分饗㌢ち影響を及鱒す化学物質の章なものは,廟盛年の稗を申さえるものヰtoticわqむ

spnl)と価細胞還元分裂(!OTnaticreductionalmitosis;SOmaticmei

siologicalsubstances二)とに分けられる(ALLEN,WILSONand PowEL,1950)・前者に咋・コル

ヒチン忙よって代変さゅる一題の物質,即ち抱水クロラール,′ヂメチル去アルゼナー・ト,ベンゼン=

ダアネエリレ,

卑後者にほそ・の他の核酸塩。無機燐酸塩,低温*が使用されている、小このような観点から′2,4・−bの処 琴に・よ?・て二軍れ缶分裂の異常に・ついて著〒の観摩がなされたので簡単に報告する・ (揚物珪的なも申であるが,便宜上こゝ 〔勅料と方法〕

酒販のク尋ニネぜLくA、g肋研CqタαL・,−2n=16)の鱗茎を水にj資しiム碑が1・}2c叫こ伸びたころ,亭

を1極から..001%の僅々の浪慶の2甘一刀亘十アミン溶液に移し,24時間後によく水洗いしてやち24時間

ヵこら数日の間にあたって棍端を採取した.観察には材料を3:1■アヤト・アルコールせ数時間固定し,

1規定ゐ塩酸で充分組絞め解離をおこ.ない巨アセトカナミン抑レつぶし澹に腐ったり.,なお,この琴験

ほ1952年め10月から・12月に−わたって処理がなされた. 〔観察と索療〕

すべて2ミ4十Dの影響を痩けた繰輔を土肥大し伸長がいちじるしく抑制された・⊥朝のものを除いて,

伸・轟わ俸血Lた赦態¢材料セも,、分裂している細胞ほ潤しづぶし漁で豊富に廟轟きれた∴だいたい,

彪尊を受けない材料でほ痙薗観の分裂像はほとんど見られないのであるが,この場合はかなり高い頻

痍でこめ像が見られた(第「・表). さをに,処琴終了から採取掌で の時間が経過した材料梓ギ,核の 分裂だけをく 失敗即ち隔晩形成牢ミ不完金なた め,いくつかの細胞が集って塊状 をなしたものが見ちれ,し約一・週間 後に・搾取された材料ではこれに7小 ∼9偶の核がふくまれていた (Fig.1,A−C).1しかし,こ野中に 第一蔵 2,4−・トD処理一(..01%;24時間)」根端細胞で 極面観像め出る割合

棍 端、別、l極面貌卜側面観ト計l極面観像の割合

91 161 25 ̄l

u360 Ar22−(2)

A」22−(3)114」 24l 38

同一・処理の棍欄別にそしの頻度が一億しているかどうかについて :リ==1Ⅹ2=0“00亜.95二>P>,釦 (中期の政故による) 1ン香川県立蟄科大学植物生理生態学研究室業票 籍3号

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香川県立農科大学学術報告 38 まじって花粉母細胞状のばらばらの細胞の集団が存在しているのを・常とした(Fig・1−・D).この2つ の型がそれぞれ組織のちがいからのためであ志か,2,4・rDめ影響の程度のぢがいから生じたのか明 らかでない..さらに前者の場合,核の大きさについてかなりの不同が見られたり これらの調査吟味に ついてほ今後にまちたい. 異常な分裂として,ある点で核酸ナllリウム埠其他の処理でみられるものにより,また他の点でコ ルヒチン其他のものにより生じると考えられるものがあげられる一.この異常な分裂の程度及びその頻 度は材料と処理濃度との関係にづいて明らか配する七とが出来なかった …01%,24時間処理後24時間 を経て採取した材料について最もよく観察がなされたので,以下この材料についてのものを述べる. 前期の終りから中期にかけて,短縮肥大された染色体をもつ細胞がしばしばみられた(Fig■.2−B)小 たゞし,後期ほ正常に.分裂をなし,、この時期慄で染色体の短縮肥大は続いていた..このような現象は 多くの化学物質処理の場合に共通する:もので.(HU$ⅩIN芋,,1948;KoDANI,1948;WILSON and

CHENq,1949;GALINSKY1949;WILSON,1951;WILSON,HAWTHORNEandTsou,1951;ALLEN,

加五soN左ndPowELL,1950;WILSON andBROWN1951;etC∴),染色体が花粉・母細胞鼻姦で

みられる一牒のものにかたちが放ていること・から細胞内ゐ物質が質的に変って体細胞の一線の還元分 裂イ 更に,染色体カ 体か2群に今れて集団をなしているもの(Fig・・2一−・D)がみられた・・この2群の染色体はそれぞれ後 期で分裂に成功するものと,完全に紡錘体の機能が破かいされていると思われる二つわ場合がある. このように中期でグル,,17。化ずる現象(Segregatibnalgrouping)は自然状態の材料でも見由き (HusKINS,1948),自然にハブロイド細胞が混在する理由と:して推論されセ:きたが,HusKINS(19 48)がクマネギ秩瑞の核願リー・ダ塩の処理によりその頻度を高めることに成功した巾そ・の後葡つい

七,無機燐酸塩(GALINSKY,1949),低温(HuSK‡NS,1950),コルヒチン(ALLEN,WIち等pN

andPowELL1950),擾々の抗生物質(WmsoN,etC,1950,、1951)等で確められた.この場合,

各グループに属する染色体について2つの傾向が問題となっていて,1)染色体が各ブル「グ庭均等 に分かれるか,2)均質に(homologo甲)一に分かれるか,と云うこと・である〃.これについてH◆U§鱒INS (1948;1950.)ほ.A那附柁鱒如(2n=16)の核酸塩及び低温処理で8・⊥8のグループ化が機会申分灘 において起る頻度より高いこと.を,叉WILSON,etC.(1949)は7サ■illium(2n=10)、,について前者 と同様の結果・を騒き,更にrより均質に分離がなされる(genetic segreg’ation)こ・t・を確率て」、る. この場合,核酸塩丁低温でなされるグ)t/Pプ化は前期で動こ起る(prophaseseg・regatioh)ゐを常 としている..之に対してコルヒチン,無機燐酸塩その他は前期でのグループ化は認められず全く中期湛 この現象がみられるのみで,均等,均質の分離は前者よりより機会的な傾向を有している.2,4−D 処理で現れたこ.申分静ま.,/前期にはみられず,分離の慣向も機会的なものに遭いようでコルヒチン等 の場合に類似した点が多いように思われた..更にこの現象の頻度は.同一処理のものでも各根囁別に・相 当移動があるようであった.少く 第二表 2,4−D処理(.01.%;24時間)根端で グルー70化した中期像の出る割合 ともこの現象とみられるものゝ出 現を拾ってみたのが第二義であ る 核酸痙・低温処理では上述の各 染色体グループはすべてそれぞれ 正常な後期に入る(double anaphase)のが普通である.. (田USKINS,1948,1950;WINSON 常i酎 グループ化の割合 グルーー・ブ化 A・−・22−・(2) A・−22−(3) 択端別にその頻変が一億しているかどうかについて;y∝1 Ⅹ2=1.23,P≒..20 (中期の核板による)

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第5巻第、1号て1953) 39 etc.1950).前期から中期に異型分裂が,後期において同型分裂が行われ体細胞還元分裂(SOmatic reductionalmitosis)と名づけられた理由である..コルヒチン等の場合は紡錦体が破かいされるた めに,グループ化したまゝで分裂が停止する.2,4−D処理こでほ,だいたい正常な後期に入り,不完全 のものが多いようであるが還元分裂を見出した(Fig・.2−E,E/及びEII)..しかし,あるものほ.コルヒ チンの場合のようにグループ化のみで紡腰体の形成がおさえられて−いた.両者の頻度については不明 である.このような後期を経過した終期で娘核の四辺形的な,叉その2個がゆ合して三辺形附な配列 の細胞がみられたことほ当然である. 〔結 び〕 中期での染色体の異常な短編肥大及び顔色体のグルr7’化,讃汀こ後期で double anaphaseの出 現などから考えて,2,4−Dは細胞分裂に.対して,部分的にコルヒチン系及び核酸塩系の化学物質に 似た影響をあたえるけれども,完全にどちらかの物質系に属すこと.ほ出来ない..しかし,核の分裂が 終了した後まで隔膜が形成されず,形成しても不完全であるため,数個の細胞からなる塊状の組緻の 出現′ま.2,4一・D逓頓に・よる独得の現象であるように.考えられる. 終りにりこの実験をなすに・当り許可と種々の便宜を与えられた当研究窒の深城尭生に感謝致します.

︰■−一卜宇

男 鍋賂 壌鮎 .A C

Figurel二.Showsvarious cell−1um膵OnA[liumroottipstreated with 2,4−D(り01%;24hours).. A.Materialsat24hoursafer treatmentい B・Similar・y48hours.. C‖Similalyseveraldaysい D・CellslikelyP・MりCin eachmateriallAl1350Ⅹ”Aceto−Carmine squash preparations・

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香川原盤兵科大学学術報告 40

Figure2.Photomic享Ographsanddrawingsof Alliumroot tip cellstreateユwith2,4・I)(け01%;24

hours)り A.Normalmetaphase plate,tO COmpare WithB・ RMetaphasewithconden$edchrom− osomes treated with2,4−D,1ike meiotic univalents. C.Prometaphase with scattered chromosomes incytoplasma,nOplateforms・ D・Metaphase segregated2chromosome group$・ EIE,and EH・

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第5巻第1号l(19由) 41 参 考

1二)ALLEN,N.L S.,WILSON,G,.B.andpowELL,S。1950:Comparative effects of doIchicineandsodium nucleate on somatic chromosomes of Allium and乃adescantia..Jour.、Of Hered.Vol.41:1591・163

2)GALINSKY,Ⅰ.1949:The effect of cer也inphosphatesonmitosisinALLIU則〔rOOtS・Jour・・Of:Hered・

Vol‖40:288−295

3)HusxINS,C.L1948‥Segregation and reductionin somatic tissues.Ⅰ.Initialobservation on 月蝕庭朋(・β♪α...Jou工・..Of HeTed..Vol.39:310−325

4)HtTSEINS,C..L”1950:Segregatibndnd rIeductioninsomatic tissues∴ⅠⅤ”Reductionalgr’Oupingsin− ducedinAlliumcePabylo畢tbmperature”Jourl・Of Hered・Vo141‥13−18

5)KELL¥,S・・andAvER¥・GL・SLPl951:Tユ1e?geOfpeatissue and other factorsinfluencing the re− spiratory response to2,4−DandDinitrocompound・Amer・lJour”Botl・Vol・38:1−5

6)KoDANI,M1948:Sodium ribose nucleate andmitosis小Jour”、Of HeredいVolり39:327−335 71)WETmlR:ltブ1亨,R L…,BROVN,J・W・ト,T=RO平,J・A・andYB:ATnIAN,J・N”1951:Amethodfor measure−

ment c,f cell・・elongation−prOmOting activity of plapt growth−regulat6rs“、AmerりJour=Botl・Vol・

38:435−440

8)WILDE;M‖H‖1951‥Anatomicalmodificdtiohsofbeanrootsfollowingtreatmentwith2,4・Dlr Ame′r

Jouごい

9)WILSON,G∴鼠1950:CytoIogicaleffectsofsomeantibiotics・Jour’”Of‡‡ered・Voll・41:226−231

10)WILSON,G”B。and BROWN,CいCい1951:Cytologicaleffectsof somemoreantibiotics・JourいHered・

Vol…42 11)WILSON,G..B.,andC王IENG,K.C.:1949:Segr・egationandreductioninsomatictissuesl・ⅠⅠThesep・ arationoihomologouschromosomesih71ilZiumspecies.Jo11r・Of Hered・Voll・401:2−6 12)WILSO2q,G。B..,HAWTHORNE,M.E.andTsou,T.M..1951:Spontaneou$andinduced variatinosin mitosis.JouL Of Hered.Volり 42:183−189 R(壬Sume

Onionroottipstreatedwith2,4−Damine(.1・・.DOl%solution;24hour$)are observed cytologic・ ally..Theroot−tipswerefixedin■alchohol−aCetic acid(3:1)for$eVeralhours,thenhydrolyzedinIHl・1 HCIand stained by acetocarmine squash method・

Thistr・eatment CauSeSCertaindeparturesfromnormalmitosiswhichr占semble those rIeSulting

fromsodiumnucleate andinsome respects those frommitotic poisons such as coIchicinelAs the

frequencyofthe departures(fromnormalmitosis)wasvariableineachmaterial,themostsuitable concentrationof2,4・・Dtoupset themitosiscouldnotbe pointedoutl・Inthispaper,the observations On the materials treatedwith.01チb were described

The appearence of the metaphase platewiththickandshort chromosomes wasobserved fr’e・ quentlyりThe prometaphase chromosomesscatteredinthe cytoplasmindeedof forming ametaphase

plate,and sometimes clumpedinto2groups‖In those severalce11s,nO SpindlemechanismfunC− tionsJn other・S,the spindle can commence to function and〝double anaphase〝is shaped・Both

of thosePr6ductionalgroupings〝which rIeSemble those resulting from coIchicine and〝somatic re− ductionalmitosis〝which resemble those from sodium nucleate or cold temperature treatment wer’e Observedin a certain frequency

Afterしthe divi$ions of nucleus,the 〝celllumps〝(uncompletely forpleddue to the sep−

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参照

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