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「一式飾り」探訪記 : 第18回 「一式飾り」がつなぐ地域の絆

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Academic year: 2021

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鳥取大学研究成果リポジトリ

Tottori University research result repository

タイトル

Title

「一式飾り」探訪記 : 第18回 「一式飾り」がつなぐ地域の

著者

Auther(s)

Takahashi, Kenji

掲載誌・巻号・ページ

Citation

島根日日新聞 : 5 - 5

刊行日

Issue Date

2018-09-26

資源タイプ

Resource Type

論文 / Article

版区分

Resource Version

出版社版 / Publisher

権利

Rights

注があるものを除き、この著作物は日本国著作権法によ

り保護されています。 / This work is protected under

Japanese Copyright Law unless otherwise noted.

DOI

(2)

  今 年 の 夏 は 高 校 野 球 の 第 1 0 0 回 の 記念 大会 が 開 催さ れ 、 甲子 園 で 熱 戦が繰 り 広 げ ら れた 。 そ の 準 決 勝 で 日 本 中 が 盛 り 上 が っ た 8 月 20日 、 雲 南 市 掛 合 町 の 掛 合 で 開 か れ た 「 恵比 寿 祭 り 」 で 、 早 く も 高 校 野 球 を テ ー マ に し た 「 一 式 飾 り 」 の 作 品 と 出 会 っ た 。   写 真 を ご 覧 い た だ きた い 。 作 品 名 は 「 高 校 野 球   百 年 の 夏 」。 マ ウ ン ド 上 の ピ ッ チ ャ ー が 投 げ た 球 を 、 バ ッ タ ー が 打 ち 返 し た 瞬 間 を 捉え て いる 。 こ の 躍 動 感 あ ふ れ る 作 品 を 作 っ た の は 、 掛 合 の下 町 上 組 の 人 た ち 。 陶 器 一 式 を 用 い て 巧 み に 表 現 し た 。   「 一 式 飾 り 」 は 世 相 を 映 す と 言 わ れ る が 、 話 題 性 の あ る タ イ ム リ ー な 作 品 は 、 観 客 の 記 憶 に 深 く 刻 ま れ る 。 ま だ メ デ ィ ア の 発 達 し て い な い 時 代 に

 

は 、 作 品 が ニ ュ ー ス の よ う な 働 き を し て い た か も し れ な い 。 若 者 や 子 ど も の 姿 も た く さ ん 見 ら れ た 。   山 間 ( あ い ) に位 置 す る 掛 合 町 で は 、 人 口 が 3 0 0 0 人 を 下 回 り 、「 一 式 飾 り 」 を 飾 る 掛 合 の 上 町 、 中 町 、 下 町 で は 、 合わ せ て 2 0 0 人 し か 暮 ら し て い な い 。   そ ん な 普 段 は 人 通 り も ま ば ら で 静 か な 町 が 、「 恵 比 寿 祭 り 」 の 日 は 一 変 し て 、 に ぎ わ い を 見 せ る 。 その 理 由 を 、 掛 合 一 式 飾 り 保 存 会 の 会 長 の 竹 下 紘 一 氏 に 伺 っ て み た 。   竹 下 氏 に よれ ば 、 町を 出た 多く の 人 た ち が 、 お 盆 で は な く 「 恵 比 寿 祭 り 」 に 帰 っ て 来 る との こ と 。 祭 り に は 、 里 帰 り し た 子 ど も た ち が 担 ぐ 神 輿 ( み こ し ) も 登 場 す る 。 掛 合 の 人 た ち に と っ て 、 毎 年 8月 20日 は 年 に 一 度 の 特 別 な 日 な の だ そ う で あ る 。   実 際 に 町 の そ こ か し こ で 「 お かえ り 」、 「 久 し ぶ り 」 と い う 声 を 耳 に し た 。 掛 合 に 里 帰 り し た 人 た ち は 、 懐 か し い 風 景 や 顔 見 知 り の 人 た ち と の 再 会 を 果 た す た め に 、「 恵 比 寿 祭 り 」 に 集 ま っ て い る 。 昔 な が ら の 「 一 式 飾 り 」 を 眺 め て 、 ふ る さ と と の 絆を 確 か め て い る よ う に 見 え る 。   そ の 一 方 で 、 掛 合 で は 「 一 式 飾 り 」 の 制 作 者 が 減 り 、 新 た な 材 料 を 購 入 す る こ と も な く 、 持 ち 合 わ せ の 材 料 だ け で 、 何 と か 作 品 の 制 作 を 続 け て い る 。   そ れ で も 「 一 式 飾 り 」 を や め よ う とし な い の は 、 作 品 の 制 作 が 地 域 の 交 流 の 場 と な り 、 制 作 を 共 に す る 人た ち と 一 杯 飲 む な ど 、 付 き 合 い を 保 つ こ と が で き る か ら だ と 、 竹 下 氏 に 伺 っ た 。 制 作 の 際 に 、 一 人 暮 ら し の お 年 寄 り に 声 を 掛 ける 組 も ある と い う 。 ま さ に 「 一 式 飾 り 」が 、 地 域 の 絆 を つ な ぐ 役 割 を 果 た し て い る 。   今 年の 「 掛 合 一 式 飾 り 」 の 作 品 数 は 7 点 と 多 く は な い が 、 昨 年 と 比 べ る と 1 点 増 え た 。 地元 の 中 学 生 によ る 作品 が 復 活 し た た め で あ る 。 ス ケ ー ト の 羽 生 結 弦 選 手 の 「 フ ィ ギ ュ ア 王 者 の 舞 い 」 と い う 作 品 を 、 中 学 生 が 地 域 の 人 た ち に 教 わ り な が ら 完 成 さ せ た 。   今 後 も 「 一 式 飾 り 」 の 制 作 を 通 し て 世 代 間 の 交 流 を 深 め 、 若 い 世 代 に 地 域 の 絆 を 肌 で 感 じ て も ら え れ ば と 思 う 。   こ の 日は 月 曜 日 で あ っ た に も か か わ ら ず 、 夕 方 か ら 大 勢 の 人 が 町を そ ぞ ろ 歩 き 、 各 組 の 作 品 を 眺 め て い た 。

 「一式飾り」 がつなぐ地域の絆

第 18 回

2018.09.26(水)

参照

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